JPH11279452A - 塗料組成物 - Google Patents
塗料組成物Info
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- JPH11279452A JPH11279452A JP10083471A JP8347198A JPH11279452A JP H11279452 A JPH11279452 A JP H11279452A JP 10083471 A JP10083471 A JP 10083471A JP 8347198 A JP8347198 A JP 8347198A JP H11279452 A JPH11279452 A JP H11279452A
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Abstract
塗料組成物の提供。 【解決手段】塗料用樹脂及び陽イオン捕捉剤を含んでな
る塗料組成物。塗料用樹脂としては(メタ)アクリル系
エマルジョンとして用いられる樹脂及び/又はジエン系
ラテックスとして用いられる樹脂などの水系樹脂が、ま
た、陽イオン捕捉剤としては陽イオン交換樹脂又はキレ
ート樹脂が用いられる。
Description
て優れた防食性能を付与する塗料組成物に関する。
塗装単独で、または、たとえばジンクリッチペイントや
ZnあるいはZn系合金および擬合金を用いた溶射など
のZn系プライマー塗装と合成樹脂塗装とを組み合わせ
て行なわれている。Zn系プライマー塗装と合成樹脂塗
装とを組み合わせた後者の塗装方法は、合成樹脂塗装の
みの塗装の欠点をカバーする方法であり、Znの陰極防
食力の働きを利用して鉄管を防食する方法である。
料としては、溶剤系塗料のタールエポキシ樹脂塗料、エ
ポキシ樹脂塗料、ウレタン樹脂塗料、アクリル樹脂塗
料、フタル酸樹脂塗料などが主に使用されている。
小さく、密着性がよい塗膜を形成し、水分や空気を鉄管
と接触させないことにより鉄管を防食する。さらに効果
的に防食するために、塗料に種々の防食剤を添加する方
法が知られている。
る、たとえば鉛丹、亜酸化鉛、酸化亜鉛などのアルカリ
性顔料、亜鉛末のような金属粉顔料、クロム酸亜鉛顔
料、クロム酸ストロンチウム顔料などが、また、軽金属
用に用いられる、たとえばクロム酸亜鉛顔料、クロム酸
ストロンチウム顔料などが具体例としてあげられる。
より防食加工しても、時間が経つにつれて被塗物の腐食
が進行し、充分に腐食を抑制できないばあいがある。た
とえば被塗物が鉄のばあいには、鉄イオンの溶出、被塗
物にZn系プライマー層を形成したばあいには、Zn系
プライマー層を構成する金属イオン(亜鉛イオンやアル
ミニウムイオンなど)の溶出がおこり、これらが原因と
なって腐食が進行することがある。
加する方法のみでは、これらの金属イオンの溶出にとも
なう腐食の抑制、とくに使用環境の厳しい条件下におけ
る腐食の抑制はまだまだ充分とはいえない。
塗膜の防食性能を改良するために鋭意検討を重ねた結
果、陽イオン捕捉剤を塗料組成物に含有させることによ
り、防食性能に優れた被膜層を形成しうることを見出
し、本発明を完成するに至った。
イオン捕捉剤を含んでなる塗料組成物(請求項1)、塗
料用樹脂が水性樹脂である請求項1記載の塗料組成物
(請求項2)、水系樹脂が(メタ)アクリル系エマルジ
ョンとして用いられる樹脂および(または)ジエン系ラ
テックスとして用いられる樹脂である請求項2記載の塗
料組成物(請求項3)、陽イオン捕捉剤が陽イオン交換
樹脂またはキレート樹脂である請求項1、2または3記
載の塗料組成物(請求項4)、陽イオン捕捉剤の数平均
粒子径が100μm以下である請求項1、2、3または
4記載の塗料組成物(請求項5)、陽イオン捕捉剤の含
有量が塗料用樹脂100部(重量部、以下同様)に対し
て0.1〜100部である請求項1、2、3、4または
5記載の塗料組成物(請求項6)に関する。
しては、従来から知られている塗料用に用いられている
樹脂であるかぎりとくに限定なく使用しうる。
タ)アクリル系エマルジョン、酢酸ビニル系エマルジョ
ンなどのエマルジョンとして用いられる樹脂(以下、エ
マルジョン樹脂という)、ジエン系ラテックス(ブタジ
エン系ラテックス、イソプレン系ラテックス、クロロプ
レン系ラテックスなど)などのラテックスとして用いら
れる樹脂(以下、ラテックス樹脂という)、水溶性アル
キド樹脂、水溶性メラミン樹脂、水溶性尿素樹脂、水溶
性フェノール樹脂、水溶性(メタ)アクリル樹脂、水溶
性エポキシ樹脂、水溶性ポリブタジエン樹脂などの水溶
性合成樹脂、水分散型ウレタン樹脂、水分散型エポキシ
樹脂、水分散型(メタ)アクリル樹脂などの各種樹脂の
水分散体などの水系樹脂;フェノール樹脂、タールエポ
キシ樹脂、フタル酸樹脂、アルキド樹脂、アミノアルキ
ド樹脂、ビニル樹脂、塩化ゴム樹脂、エポキシ樹脂、
(メタ)アクリル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ウレ
タン樹脂、ケイ素樹脂、フッ素樹脂などの溶剤系樹脂;
エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ポリエチレン樹脂などの
粉体塗料用樹脂などがあげられる。これらは単独で用い
てもよく2種以上を組み合わせて用いてもよい。これら
のなかでは、水系樹脂、とくに(メタ)アクリル系エマ
ルジョン樹脂および(または)ジエン系ラテックス樹脂
が水との親和性がよく適度の吸水性があり、また、分子
量が比較的大きいために塗膜強度が大きく、かつ密着性
が良好である点から好ましい。
は、(メタ)アクリル系単量体と必要に応じて用いられ
る(メタ)アクリル系単量体と共重合可能な単量体とを
乳化重合することによりえられる。
ョン樹脂における(メタ)アクリル系とは、通常、(メ
タ)アクリル系単量体単位を20%(重量%、以下同
様)以上、前記必要に応じて用いられる(メタ)アクリ
ル系単量体と共重合可能な単量体単位を80%以下含有
することをいう。(メタ)アクリル系単量体単位が20
%以上含有されるので、強靭でかつ密着性に優れるとい
う特徴のある塗膜がえられる。
しては、たとえばアクリル酸メチル、アクリル酸エチ
ル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸イソプロピ
ル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、ア
クリル酸n−オクチル、アクリル酸2−エチルヘキシル
など炭素数1〜10の飽和あるいは不飽和の炭化水素
基、好ましくはアルキル基を有するアクリル酸エステ
ル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタク
リル酸n−プロピル、メタクリル酸イソプロピル、メタ
クリル酸n−ブチル、メタリル酸イソブチル、メタクリ
ル酸n−オクチル、メタクリル酸2−エチルヘキシルな
ど炭素数1〜10の飽和あるいは不飽和の炭化水素基、
好ましくはアルキル基を有するメタクリル酸エステルな
どがあげられる。これらは単独で用いてもよく2種以上
を組み合わせて用いてもよい。これらのなかでは、アク
リル酸n−ブチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸2
−エチルヘキシル、メタクリル酸n−ブチルが重合反応
性、塗膜の耐水性の点から好ましい。
リル系単量体と共重合可能な単量体の具体例としては、
後述する共役ジエン系単量体のほか、スチレン、α−メ
チルスチレン、ビニルトルエン、クロロスチレン、2,
4−ジブロモスチレンなどの芳香族ビニル系単量体、ビ
ニルピロリドンなどの複素環式ビニル化合物、アクリロ
ニトリル、メタクリロニトリルなどの不飽和ニトリル
類、酢酸ビニル、バーサティック酸ビニルなどのビニル
エステル類、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、
イタコン酸モノエステル、マレイン酸、マレイン酸モノ
エステル、フマル酸、フマル酸モノエステルなどのカル
ボキシル基含有モノマー類、無水マレイン酸などの酸無
水物類、(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メ
タ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アク
リルアミド、ジアセトン(メタ)アクリルアミドなどの
アミド基含有ビニル系単量体、2−ヒドロキシエチル
(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸グリシジル
などの官能基含有モノマー類やエチレンジ(メタ)アク
リレート、1,4−ブチレンジ(メタ)アクリレート、
1,6−ヘキシレンジ(メタ)アクリレート、オリゴエ
チレンオキサイドジ(メタ)アクリレート、ジビニルベ
ンゼン、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレ
ートなどの架橋剤などがあげられる。これらは単独で用
いてもよく2種以上を組み合わせて用いてもよい。これ
らのなかでは、芳香族ビニル系単量体およびカルボキシ
ル基含有モノマー類から選ばれる単量体が好ましい。
量体は、塗膜の耐水性、耐アルカリ性、強度、硬度の向
上のために用いられる成分であり、使用したことによる
明確な効果をうる点から(メタ)アクリル系エマルジョ
ン樹脂中に5〜90%含まれるのが好ましい。
から選ばれる単量体は塗料の分散安定性および塗膜の密
着性の向上のために用いられる成分であり、使用したこ
とによる明確な効果をうる点から(メタ)アクリル系エ
マルジョン樹脂中に1〜20%含まれるのが好ましい。
ン系単量体と必要に応じて用いられる共役ジエン系単量
体と共重合可能な単量体とを乳化重合することによりえ
られる。
けるジエン系とは、通常、共役ジエン系単量体単位を1
0%以上で、前記必要に応じて用いられる共重合可能な
単量体単位を90%以下含有することをいう。共役ジエ
ン系単量体単位が10%以上含有されるので、ゴム弾性
を有し、強靭で傷つきにくいという特徴のある塗膜がえ
られる。
は、たとえば1,3−ブタジエン、2−クロロ−1,3
−ブタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン
などがあげられる。これらは単独で用いてもよく2種以
上を組み合わせて用いてもよい。これらのなかでは、
1,3−ブタジエンが経済性の点から好ましく用いられ
る。
量体の具体例としては、前記(メタ)アクリル系単量体
のほか、前記(メタ)アクリル系エマルジョン樹脂の重
合の際に必要に応じて用いられる(メタ)アクリル系単
量体と共重合可能な単量体(共役ジエン系単量体を除
く)と同じものが同じ理由であげられる。なお、(メ
タ)アクリル系単量体を使用するばあいには、使用する
ことによる明確な効果をうる点から、ジエン系ラテック
ス樹脂中に5〜80%含まれるのが好ましい。他の単量
体については、(メタ)アクリル系エマルジョン樹脂の
ばあいと同様である。
体例としては、たとえばアクリル酸n−ブチル10〜9
0%、メタクリル酸メチル10〜90%、スチレン0〜
90%、アクリル酸0〜20%からなる重合体を含むも
の、またはアクリル酸2−エチルヘキシル10〜90
%、メタクリル酸メチル10〜90%、スチレン0〜9
0%、アクリル酸0〜20%からなる重合体を含むも
の、ジエン系ラテックスの具体例としては、ブタジエン
10〜90%、スチレン10〜80%、アクリル酸1〜
20%を含むもの、(メタ)アクリル酸エマルジョンお
よびジエン系ラテックスの両方に属するものの具体例と
しては、アクリル酸n−ブチル5〜80%、ブタジエン
10〜90%、スチレン0〜90%、アクリル酸0〜2
0%を含むもの、またはメタクリル酸メチル5〜80
%、ブタジエン10〜90%、スチレン0〜90%、ア
クリル酸0〜20%を含むものなどがあげられる。
公知の乳化剤およびラジカル重合開始剤が用いられる。
デシルベンゼン硫酸ソーダ、ドデシルベンゼンスルホン
酸ソーダ、アルキルアリールポリエーテル硫酸塩、アル
キルジフェニルエーテルジスルホン酸ソーダ、スルホコ
ハク酸エステル塩などのような陰イオン性界面活性剤、
ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチ
レンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン−ポ
リオキシプロピレンブロック共重合体などの非イオン性
界面活性剤、セチルトリメチルアンモニウムブロミド、
ラウリルピリジニウムクロリドなどの陽イオン性界面活
性剤などがあげられる。これらは単独で用いてもよく2
種以上を組み合わせて用いてもよい。これらのなかで
は、陰イオン性界面活性剤から選ばれる乳化剤が重合安
定性、エマルジョンやラテックスの分散安定性の点から
好ましい。
これらと併用して、水溶性オリゴマーを分散剤として使
用してもよい。さらに、ポリビニルアルコール、ヒドロ
キシエチルセルロースなどのような水溶性高分子物質を
前記界面活性剤と併用することも有効である。
カリウム、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム、ア
ゾビスイソブチロニトリル、その塩酸塩などの無機過酸
化物、クメンハイドロパーオキサイド、tert−ブチ
ルハイドロパーオキサイドなどの有機過酸化物などがあ
げられる。これらは単独で用いてもよく2種以上を組み
合わせて用いてもよい。これらのなかでは、過硫酸カリ
ウム、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウムなどの過
硫酸塩が重合反応性および取り扱いの安全性の点から好
ましい。
イオンなどの金属イオンおよびナトリウムスルホキシレ
ートホルムアルデヒド、ピロ亜硫酸ソーダ、L−アスコ
ルビン酸などの還元剤を組み合わせて用いる公知のレド
ックス系開始剤を用いてもよい。
も、必要に応じてアルキルメルカプタンなどの分子量調
節剤、粒子径調整のための電解質、金属イオン封鎖のた
めのキレート剤などを用いてもよい。
リル系エマルジョン樹脂および(または)ジエン系ラテ
ックス樹脂に対して、必要に応じて残留モノマーの除去
やたとえばアルカリ水溶液などによるpH調整などを行
なってもよい。
および(または)ジエン系ラテックス樹脂の数平均粒子
径は、通常0.02μm以上、さらには0.05μm以
上で、1μm以下、さらには0.5μm以下であるのが
好ましい。前記数平均粒子径が0.02μm未満のばあ
いには樹脂の粘度が高くなって極端に低濃度としなけれ
ば取り扱いが困難となり、1μmをこえるばあいにはポ
リマー粒子が沈降または分離する傾向がある。
ン樹脂および(または)ジエン系ラテックス樹脂の固形
分含有率は、通常30%以上、さらには40%以上で、
70%以下、さらには60%以下であるのが好ましい。
前記固形分含有率が30%未満のばあいには塗料の濃度
が低くなって塗膜形成時の乾燥性が不良となり、70%
をこえるばあいには樹脂の粘度が著しく高くなり、取り
扱いが困難で安定性も不良となる傾向がある。
かではとくに、(メタ)アクリル樹脂が耐食性、耐候性
などの点から好ましく用いられ、エポキシ樹脂が耐食性
などの点から好ましく用いられる。
られてものが、とくに限定なく使用され、たとえばメタ
クリル酸メチル、アクリル酸n−ブチルなどの共重合体
などがあげられる。また前記エポキシ樹脂としては通常
知られているものなら、とくに限定なく使用され、たと
えばビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノール
F型エポキシ樹脂などがあげられる。
塗物から溶出した金属イオンを捕捉することにより防食
性に優れた塗膜層を形成させるために用いられる成分で
あり、陽イオン交換樹脂、分子内でキレートを形成して
イオンを捕捉するキレート樹脂、陽イオン交換セルロー
スなど、溶出した金属イオンを捕捉することにより、金
属イオンが塗膜表面に析出し、塗膜性能を低下させるの
を抑制することができるものである限りとくに限定なく
用いられる。これらは単独で用いてもよく2種以上を組
み合わせて用いてもよい。これらのなかでは、陽イオン
交換樹脂または分子内でキレートを形成してイオンを捕
捉するキレート樹脂が化学的安定性、塗料化の容易さの
点から好ましい。
元網目構造の高分子基体に、陽イオンを交換する機能を
有するイオン交換基が導入された樹脂であり、このよう
なものである限りとくに限定なく使用しうる。
としては、陽イオン捕捉剤が加えられる塗料用樹脂に分
散し均一な塗膜を形成しやすいものであればとくに限定
なく使用しうる。通常、化学的安定性や物理的強度の点
から、スチレンなどの重合体などが使用される。
ン交換基の具体例としては、スルホン酸基、カルボキシ
ル基、硫酸エステル基、リン酸エステル基、酸性水酸基
などがあげられる。これらは単独で導入されていてもよ
く2種以上を組み合わせて導入されていてもよい。これ
らのなかでは、スルホン酸基が、幅広いpH領域で、イ
オン交換性があり、被塗物から溶出した金属イオンを捕
捉する能力が高く、被塗物の腐食を抑制する効果が高い
点から好ましい。
換する機能を有する官能基の酸性度により、強酸性陽イ
オン交換樹脂、弱酸性陽イオン交換樹脂に分類される
が、前記スルホン酸基を有するものは強酸性陽イオン交
換樹脂の代表例であり、前記カルボキシル基を有するも
のは弱酸性陽イオン交換樹脂の代表例である。
たとえばDIAION SK1B(ゲル型、三菱化学
(株)製)、アンバーライト IR−120B(ゲル
型、ローム・アンド・ハース社製)、アンバーライト
200C(ポーラス型、ローム・アンド・ハース社製)
などの強酸性陽イオン交換樹脂、DIAION WK4
0(ハイポーラス型、三菱化学(株)製)、DIAIO
N PK216(ポーラス型、三菱化学(株)製)、ア
ンバーライト IRC−50(ポーラス型、ローム・ア
ンド・ハース社製)などの弱酸性陽イオン交換樹脂など
があげられる。これらは単独で用いてもよく2種以上を
組み合わせて用いてもよい。これらのなかでは、強酸性
陽イオン交換樹脂が不可逆性があり、一旦捕捉した金属
イオンを放出し難い点から好ましく用いられる。
捕捉するキレート樹脂とは、前記陽イオン交換樹脂のイ
オン交換基のかわりに金属イオンとキレートをつくる官
能基を導入した樹脂であり、金属イオンとキレートを形
成することにより金属イオンを捕捉するものである。
の構成としては、近接して導入された複数のカルボキシ
ル基、カルボキシル基とケト基、カルボキシル基と水酸
基などがあげられる。これらは単独で導入されていても
よく2種以上を組み合わせて導入されていてもよい。こ
れらのなかでは、近接して導入された複数のカルボキシ
ル基からなるものが、被塗物から溶出した金属イオンを
捕捉する能力が高いため、被塗物の腐食を抑制する効果
が高い点から好ましく用いられる。
捕捉するキレート樹脂の具体例としてはDIAION
CR11(ポーラス型、三菱化学(株)製)、アンバー
ライトIRC−718(ポーラス型、ローム・アンド・
ハース社製)などがあげられる。これらは単独で用いて
もよく2種以上を組み合わせて用いてもよい。
0μm以下、さらには90μm以下、とくには80μm
以下であり、0.1μm以上、さらには1μm以上であ
るのが好ましい。100μmをこえるばあいには塗膜を
薄くしたばあいに塗膜表面の平滑性が失われる傾向があ
り、0.1μm未満のばあいには塗料化時の均一分散性
が問題となる傾向がある。
の範囲をこえているばあいには、粉砕するなどして前記
範囲のものになるようにして使用するのが好ましい。
物の固形分100部に対して0.1部以上、さらには
0.3部以上であるのが好ましく、100部以下、さら
には50部以下であるのが好ましい。100部をこえる
ばあいには塗料組成物の塗装性が低下し、0.1部未満
のばあいには防食効果が小さくなる傾向がある。
般に含有せしめられる、たとえば顔料、添加剤などが含
まれていてもよい。
酸化チタンなどの着色顔料;鉛丹、亜酸化鉛、酸化亜鉛
などのアルカリ性顔料、亜鉛末のような金属粉顔料、ク
ロム酸亜鉛顔料、クロム酸ストロンチウム顔料、クロム
酸亜鉛顔料、クロム酸ストロンチウム顔料などの防食顔
料;炭酸カルシウム、タルク、クレー、水酸化アルミニ
ウムなどの体質顔料などがあげられる。
剤、コロイド安定剤、分散剤、湿潤剤、顔料沈降防止
剤、消泡剤、造膜助剤、レベリング剤、垂れ防止剤など
があげられる。
ばメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒ
ドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチル
セルロース、ポリビニルピロリドン、アンモニアカゼイ
ン、ポリビニルアルコール、アルカリ可溶性ポリアクリ
ル酸エステル、ポリアクリル酸塩、ポリアクリルアミ
ド、ポリエチレンオキサイドなどの水溶性高分子があげ
られる。
定はなく、通常の方法で製造すればよい。
料組成物をそのまま塗布し、乾燥させてもよいが、たと
えば鉄管に塗布するばあいには鉄管をあらかじめ60〜
90℃程度に加熱しておき、これに塗料組成物をスプレ
ー塗装、ハケ塗り、ロール塗りなどの方法で塗装する方
法が、塗料が速やかに乾燥し、鉄管表面と塗料との密着
性が良好となり、強勒で弾性に富んだ均一な塗膜が形成
される点から好ましい。
膜厚は、通常40μm以上、さらには50μm以上であ
って、150μm以下、さらには120μm以下である
のが好ましい。前記塗膜厚が40μm未満のばあいには
均一な効果がえられにくくなり、150μmをこえるば
あいには耐衝撃性の低下となる傾向がある。
料、たとえば鉄管、橋梁、水門などに塗装したものは、
防食性能、とくに使用環境の厳しい条件下において優れ
た防食性能をあらわすものである。
でよく用いられるダクタイル鋳鉄管、鋼管、バルブ類な
どの防食などのような用途に好ましく用いられる。
比較例に基づいて詳細に説明するが、本発明はこれらに
限定されるものではない。
ラストした軟鋼板(70×150×2.0(mm))に
えられた塗料組成物または塗料をエアスプレーで膜厚が
約80μmになるように塗布した。これを80℃で10
分間乾燥し、5日間室温で放置したのち、以下の評価を
おこなった。
錆の発生、塗膜のふくれなどの有無を調べ、以下の評価
基準にしたがって判定した。
漬し、錆の発生、塗膜のふくれなどの有無を調べ、以下
の評価基準にしたがって判定した。
0に準じて、480時間塩水噴霧を行ない、錆の発生、
塗膜のふくれなどの有無を調べ、以下の評価基準にした
がって判定した。
じて調べ、以下の評価方法にしたがって判定した。すな
わち試験片の塗面上に、塗膜を貫通して素地面に達する
切り傷を1×1(mm)の基盤目状に100個になるよ
うにカッターナイフでつけ、セロテープをその基盤目上
に貼り合せ90°方向にひきはがし、100個のうち剥
離しなかった数を調べることにより密着性を評価した。
ール 271A:日本乳化剤(株)製の陰イオン性界面
活性剤)0.5部、第3級ドデシルメルカプタン1.0
部、エチレンジアミン四酢酸アンモニウム0.05部、
過硫酸カリウム0.1部およびイオン交換水150部を
チッ素置換した攪拌機つきオートクレーブに仕込み、6
0℃で重合させた。重合率が98%以上になるまで重合
を続けた。重合終了後、ストリッピングにより未反応単
量体を除去し、つづいてアンモニアでpH7.5に調整
し、固形分40%、数平均粒子径0.15μmの共重合
体エマルジョンをえた。なお、えられた共重合体エマル
ジョンは、(メタ)アクリル系エマルジョンおよびジエ
ン系エマルジョンの両方に属するものである。
0部(固形分)に対して陽イオン捕捉剤として、キレー
ト樹脂であるDIAION CR11(平均粒子径80
μm、三菱化学(株)製)を0.4部(固形分)配合し
た。
がって評価した。
用いた以外は、実施例1と同様にして塗料組成物をえ、
評価した。
4のものは(メタ)アクリル系エマルジョン、その他の
ものは(メタ)アクリル系エマルジョンおよびジエン系
エマルジョンの両方に属するものである。
で、強酸性陽イオン交換樹脂であるDIAION SK
1B(平均粒子径80μm、三菱化学(株)製)であ
る。
組成物100部に対して、タルク(平均粒子径50μ
m)100部、炭酸カルシウム(平均粒子径50μm)
50部および消泡剤(ノプコNXZ、サンノプコ(株)
製)0.5部を加えたものに、イオン交換水およびアン
モニア水を適量くわえてPHが8.0±0.5になるよ
うにし、かつ固形分60%になるように調整し、サンド
グラスターミルで30分間練肉し、塗料をえた。
評価した。
を、20℃で30日間放置したのち、撹拌して、ゲル状
物の有無などを調べた。
のを良好とした。
ラックなどの発生の有無について調べた。判定は塗膜の
ブツ、クラック、フクレなどがないばあいを良好とし
た。
150×2.0(mm))に亜鉛が溶射(130g/m
2)されたものに、実施例7〜12および比較例2でえ
られたそれぞれの塗料をエアスプレーで膜厚が約80μ
mになるように塗布した。これを80℃で10分間乾燥
し、5分間室温で放置したのち、前記評価方法に準じて
評価した。
C−1(アクリル樹脂ワニス43%、顔料26%、塗料
比重1.16、日本ペイント(株)製)100部(樹脂
分)に対し陽イオン補足剤としてCR11 4部(固形
分)を添加してえられた塗料を、あらかじめ脱脂してサ
ンドブラストした軟鋼板にエアスプレーで膜厚が約80
μmになるように塗布した。これを25℃で1週間乾燥
したのち、前記評価方法に準じて評価を行なった。
C−1のかわりにクリモトコートAC(アクリル樹脂ワ
ニス54%、顔料2%、塗料比重0.93、日本ペイン
ト(株)製)を用いた以外は実施例19と同様に行なっ
た。
−1のかわりに
%、塗料比重1.05、日本ペイント(株)製)を用い
た以外は実施例19と同様に行なった。
ぞれ実施例13〜15と同様に行なった。
オン捕捉剤を添加することにより耐食性の向上の効果が
あることがわかる。
剤を塗料組成物に含有させることにより、防食性能に優
れた被膜層を形成しうる。
Claims (6)
- 【請求項1】 塗料用樹脂および陽イオン捕捉剤を含ん
でなる塗料組成物。 - 【請求項2】 塗料用樹脂が水系樹脂である請求項1記
載の塗料組成物。 - 【請求項3】 水系樹脂が(メタ)アクリル系エマルジ
ョンとして用いられる樹脂および(または)ジエン系ラ
テックスとして用いられる樹脂である請求項2記載の塗
料組成物。 - 【請求項4】 陽イオン捕捉剤が陽イオン交換樹脂また
はキレート樹脂である請求項1、2または3記載の塗料
組成物。 - 【請求項5】 陽イオン捕捉剤の数平均粒子径が100
μm以下である請求項1、2、3または4記載の塗料組
成物。 - 【請求項6】 陽イオン捕捉剤の含有量が塗料用樹脂1
00重量部に対して0.1〜100重量部である請求項
1、2、3、4または5記載の塗料組成物。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP08347198A JP3348012B2 (ja) | 1998-03-30 | 1998-03-30 | 塗料組成物 |
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JP08347198A JP3348012B2 (ja) | 1998-03-30 | 1998-03-30 | 塗料組成物 |
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JPH11279452A true JPH11279452A (ja) | 1999-10-12 |
JP3348012B2 JP3348012B2 (ja) | 2002-11-20 |
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JP08347198A Expired - Lifetime JP3348012B2 (ja) | 1998-03-30 | 1998-03-30 | 塗料組成物 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP3348012B2 (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010536955A (ja) * | 2007-08-15 | 2010-12-02 | ピーピージー インダストリーズ オハイオ, インコーポレイテッド | 水性アニオン樹脂分散体のキレート剤での安定化 |
JP2020517831A (ja) * | 2017-04-25 | 2020-06-18 | ヘキシゴン インヒビターズ リミテッドHexigone Inhibitors Ltd | 腐食抑制剤 |
US11352702B2 (en) | 2015-10-14 | 2022-06-07 | Hexigone Inhibitors Ltd | Corrosion inhibitor |
-
1998
- 1998-03-30 JP JP08347198A patent/JP3348012B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2010536955A (ja) * | 2007-08-15 | 2010-12-02 | ピーピージー インダストリーズ オハイオ, インコーポレイテッド | 水性アニオン樹脂分散体のキレート剤での安定化 |
US11352702B2 (en) | 2015-10-14 | 2022-06-07 | Hexigone Inhibitors Ltd | Corrosion inhibitor |
JP2020517831A (ja) * | 2017-04-25 | 2020-06-18 | ヘキシゴン インヒビターズ リミテッドHexigone Inhibitors Ltd | 腐食抑制剤 |
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