JPH11279022A - 皮膚又は毛髪用被覆シート - Google Patents

皮膚又は毛髪用被覆シート

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JPH11279022A
JPH11279022A JP10083580A JP8358098A JPH11279022A JP H11279022 A JPH11279022 A JP H11279022A JP 10083580 A JP10083580 A JP 10083580A JP 8358098 A JP8358098 A JP 8358098A JP H11279022 A JPH11279022 A JP H11279022A
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sheet
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信也 佐藤
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 熱可塑性樹脂(A)100重量部に対し
皮膚又は毛髪作用性薬剤(B)0.01〜200重量部
を含有し、皮膚又は毛髪に対して非接着性である皮膚又
は毛髪用被覆シート。 【効果】 皮膚又は毛髪に対して有用な薬剤を効率的に
適用部位に作用させることができ、かつ使用感も良好で
ある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は皮膚又は毛髪用被覆
シートに関し、更に詳細には皮膚又は毛髪に対して有用
な薬剤を効率的に皮膚又は毛髪に作用させることがで
き、かつ使用感の良好な皮膚又は毛髪用被覆シートに関
する。
【0002】
【従来の技術】身体、特に皮膚又は毛髪に種々の薬剤を
適用する場合の手段としては、直接塗布する手段やペー
スト状の薬剤を不織布などの基布に塗りそれを貼付する
手段が一般的である。例えば、特開昭62−28690
8号公報にひまし油とみつろう等のワックスを用いてゼ
リー状にした皮膚外用美容促進剤が開示されている。し
かしながら、このような形態では衣類に付いたり、使用
後に肌に残ったりして使いにくいという問題がある。更
に肌に貼り付けることを前提に粘着剤成分に美肌成分を
含ませたパック剤が特開昭55−92306号に、同様
に美白成分を含ませたパック剤が特開平7−25806
0号に、皺除去剤を含ませたパック剤が特開平9−29
5929号に開示されている。また、加熱柔軟化させた
フィルムを顔面あるいは体の一部に貼り付け冷却固化し
て用いるパック被覆材が特開平2−36112号に開示
されている。また、皮膚付着性の高いポリマーを用いる
ことによる肌荒れ防止剤が特開平9−194342号に
開示されている。しかし、これらの発明はいずれも皮膚
に接着させることを目的としていることから粘着成分が
多く、皮膚に強く貼り付き違和感があったり、剥がす際
の問題も多い。あるいは、剥がす際にフィルム(シー
ト)強度が低いために皮膚上に破れたフィルム(シー
ト)を残してしまう場合もある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、皮膚
に対する接着性に伴なう問題がなく、かつ所定の薬剤を
効率良く皮膚等の目的部位に供給し作用させることので
きる新しい外用製剤を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】そこで本発明者は上記課
題を解決すべく種々検討した結果、従来薬剤を効率良く
皮膚に作用させるには、皮膚に接着させることが前提と
なっていたが、全く意外にも皮膚等に接着性を有さない
熱可塑性樹脂シートに一定量の薬剤を含有せしめたシー
トが当該シートによる皮膚等の蒸らし効果により効率的
に薬剤を皮膚等に作用させる効果に優れ、かつ剥がす際
の問題等も解決できることを見出し、本発明を完成し
た。
【0005】すなわち、本発明は熱可塑性樹脂(A)1
00重量部に対し皮膚又は毛髪作用性薬剤(B)0.0
1〜200重量部を含有し、皮膚又は毛髪に対して非接
着性であることを特徴とする皮膚又は毛髪用被覆シート
を提供するものである。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明シートに使用される熱可塑
性樹脂(A)としては、一般的な熱可塑性樹脂、例え
ば、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖低
密度ポリエチレン、極低密度ポリエチレンなどのポリエ
チレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリ−4−メチ
ルペンテン−1などのポリオレフィン樹脂;エチレン−
酢酸ビニル共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重
合体、エチレン−αオレフィン共重合体等のポリオレフ
ィンの変性樹脂あるいは共重合体;6−ナイロン、66
−ナイロン等のポリアミド;ポリエチレンテレフタレー
ト、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル;ポ
リ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン及びこれらの変性樹
脂あるいは共重合体、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニル、
ポリアクリロニトリル、ポリカーボネート、ポリアクリ
レートなどを使用することができる。
【0007】また熱可塑性エラストマー(TPE)とし
て知られているものも使用することができる。例えば、
ハードセグメントがポリスチレンであり、ソフトセグメ
ントがポリブタジエン、ポリイソプレン、ポリエチレン
−ポリブチレンなどからなるスチレン系TPE;ハード
セグメントがポリプロピレン、ソフトセグメントがEP
DM、EPMからなるオレフィン系TPE;ハードセグ
メントがポリウレタン、ソフトセグメントがポリエーテ
ル、ポリエステルからなるウレタン系TPE;ハードセ
グメントがポリエステル、ソフトセグメントがポリエー
テルポリエステルからなるエステル系TPE;あるいは
PVC系TPE、ポリエチレンとブチルゴムからなるブ
チルゴムグラフトポリエチレン、1,2−シンジオクタ
ティックポリブタジエンと非結晶性ポリブタジエンから
なる1,2−ポリブタジエン、トランス1,4−ポリイ
ソプレンと非結晶ポリイソプレンからなるトランス1,
4−ポリイソプレン、金属カルボキシレートクラスター
と非結晶性ポリエチレンからなるアイオノマー、ポリプ
ロピレンと天然ゴムのブレンドでなる天然ゴム系TPE
を用いることができる。
【0008】本発明に使用される皮膚又は毛髪作用性薬
剤(B)としては、保湿剤、美白剤、紫外線吸収剤、痩
身剤、血行促進剤、収斂剤、抗炎症剤、しわ形成予防剤
・改善剤、冷感剤、温感剤、脱毛剤、育毛剤、制毛剤、
養毛剤などが挙げられる。
【0009】具体的には次のものが挙げられる。 (1) ヌカ油、米ヌカエキス、オリーブ油、大豆油、
コーン油、綿実油、落花生油、ナタネ油、パーム油、パ
ーム核油、オオバ油、アボガド油、アーモンド油、ゴマ
油、パーシック油、ヤシ油、ヒマワリ油、ひまし油、カ
カオ油、ミンク油、牛脂、牛乳脂、豚油、イワシ油、サ
バ油、マグロ油、サメ肝油等の魚油、月見草油、ローズ
ヒップ油、アマニ油、サフラワー油等の天然油脂及びこ
れらを水素添加して得られる硬化油やグリセライド誘導
体。 (2)酪酸、カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラ
ウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、パルミトレイ
ン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレ
ン酸、モロクチン酸、アラキジン酸、エイコセン酸、ア
ラキドン酸、エイコサペンタエン酸、ベヘニン酸、エル
カ酸、ドコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸、リグ
ノセリン酸、セラコレン酸、イソステアリン酸等の高級
脂肪酸。 (3)上記(2)の高級脂肪酸とグリセリンあるいはポ
リグリセリンとのモノエステル、ジエステル等のエステ
ル誘導体。 (4)前記(2)の高級脂肪酸を還元することにより得
られる高級アルコール、例えばラウリルアルコール、セ
チルアルコール、ステアリルアルコール、オレイルアル
コール、ラノリンアルコール、コレステロール、2−エ
キシルデカノール等の高級アルコール及びそのエステル
誘導体。 (5)流動パラフィン、パラフィン、ワセリン、パラフ
ィンマイクロクリスタリンワックス、セレシン、プリス
タン、スクワラン等の炭化水素類。 (6)カルナバロウ、ミツロウ、ラノリン等のワックス
類。
【0010】(7)セラミド及びその類似構造物質、コ
レステリルエステル、ビタミンA、ビタミンB、ビタミ
ンC、ビタミンD、ビタミンE及びその誘導体、ポリオ
キシプロピレン脂肪酸エステル。 (8)グリチルリチン、アスコルビン酸誘導体、アミノ
フィリン、テオフィリン、カフェイン等のキサンチン誘
導体、ニコチン酸ベンジル、ニコチン酸トコフェロー
ル、ニコチン酸メチル、トコフェロール、3−オクチル
フタリド、塩化リゾチーム、グアイアズレン、γ−オリ
ザノール、酢酸トコフェロール、グリチルリチン酸、ミ
ョウバン、酸化亜鉛、タンニン酸、エストラジオール及
びそのエステル、レチン酸及びその誘導体、γ−アミノ
酪酸誘導体、カンファー、チモール、ノナン酸バニリル
アミド、カプサイシン、オクタン酸セチル、オクタン酸
トリグリセライド、乳酸ミリスチル、乳酸セチル、ミリ
スチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシ
ル、パルミチン酸イソプロピル、アジピン酸イソプロピ
ル、ステアリン酸ブチル、オレイン酸デシル、イソステ
アリン酸コレステロール、POEソルビット脂肪酸エス
テル等のエステル類、チオグリコール酸。
【0011】(9)生薬、漢方薬、ハーブ類として、ジ
ャスミン、オウゴン、ブクリョウ、ドクカツ、マツブ
サ、ビャクシ、ジュウヤク、樟脳、サフラン、ウイキョ
ウ、カン皮、モモの葉、メリッサ、マロニエ、アルニ
カ、セージ、ボタンピ、ハコベ草、仙鶴草、キササゲ、
パセリ、甘茶、甘逐、連銭草、柿の葉、千金子、浮き
草、延命草、タイム、カワラヨモギ、アロエ、カンゾ
ウ、キキョウ、キクカ、キョウニン、クマザサ、ゲンチ
アナ、コンフリー、サンザシ、クチナシ、ドクダミ、シ
ラカバ、セイヨウノコギリソウ、クワ、トウキンセン
カ、トウニン、ノバラ、ビワ、ベニバナ、ムクロジ、ヤ
グルマギク、ユリ、ヨクイニン、レイシ、レンギョウ、
コショウ、アレチアザミ、ノアザミ、ユーカリ、カラシ
ナ、トウガラシ、トウガラシチンキ、ニンジン、ショウ
ブ、オウバク、オランダガラシエキス、サンショウエキ
ス、ショウキョウエキス、カンタリエキス。
【0012】(10)精油、香料類としてハッカ油、ジャ
スミン油、ショウノウ油、ヒノキ油、トウヒ油、リュウ
油、ミカン油、オレンジ油、ユズ油、ショウブ油、ラベ
ンダー油、ベイ油、クローブ油、ヒバ油、バラ油、ユー
カリ油、レモン油、タイム油、ペパーミント油、セージ
油、ベルガモット油、菖蒲油、パイン油、シネオール、
オイゲノール、リナロール、ゲラニオール、フェニルエ
チルアルコール、ベンジルアセテート、スピラントー
ル、ピネン、テルペン系化合物。
【0013】(11)ジメチルポリシロキサン、メチルフ
ェニルポリシロキサン、アミノ変性シリコーン、アルコ
ール変性シリコーン、脂肪族アルコール変性シリコー
ン、ポリエーテル変性シリコーン、エポキシ変性シリコ
ーン、フッ素変性シリコーン、環状シリコーン、アルキ
ル変性シリコーン等を挙げることができる。
【0014】(12)紫外線防止、吸収、防御剤として、
2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、ジヒド
ロキシメトキシベンゾフェノン、テトラヒドロキシベン
ゾフェノン等のベンゾフェノン系化合物;パラアミノ安
息香酸、パラアミノ安息香酸エチル、パラアミノ安息香
酸グリセリル、パラジメチルアミノ安息香酸アミル、パ
ラジメチルアミノ安息香酸オクチル等のパラアミノ安息
香酸系化合物;パラメトキシケイ皮酸イソプロピル、パ
ラメトキシケイ皮酸エチル、メトキシケイ皮酸オクチ
ル、4−メトキシケイ皮酸−2−エトキシエチル、パラ
メトキシケイ皮酸カリウム、パラメトキシケイ皮酸ナト
リウム等のメトキシケイ皮酸系化合物;サリチル酸オク
チル、サリチル酸フェニル、サリチル酸ホモメンチル、
サリチル酸エチレングリコール、サリチル酸ジプロピレ
ングリコール、サリチル酸ミリスチル、サリチル酸メチ
ル等のサリチル酸系化合物;ウロカニン酸エチル、アン
トラニル酸メチル;酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸
化鉄及びこれらの微粒子化処理物、シリコーン、ジルコ
ニア・アルミナなどによる表面処理、複合処理物。
【0015】これらの中から1つ以上を選んで使用する
ことができる。これら薬剤(B)のうち特に好ましいの
は、天然油脂及びこれらを水素添加して得られる硬化油
やグリセライド誘導体、高級脂肪酸、高級アルコール及
びそのエステル誘導体、高級脂肪酸とグリセリンあるい
はポリグリセリンとのモノエステル、ジエステル等のエ
ステル誘導体、炭化水素類の中から必要に応じ1種以上
を選んで用いることができる。更にそれに対してセラミ
ド及びその類似構造物質、コレステリルエステル、ビタ
ミンA、ビタミンB、ビタミンC、ビタミンD、ビタミ
ンE及びその誘導体、ポリオキシプロピレン脂肪酸エス
テル等、また酸化マグネシウム、水酸化カルシウムなど
の弱アルカリ性無機化合物を適量添加することが好まし
い。
【0016】薬剤(B)の含量は、熱可塑性樹脂(A)
100重量部に対して0.01〜200重量部である
が、好ましくは、0.1〜100重量部であり、更に好
ましくは1〜50重量部である。薬剤(B)が0.01
重量部未満では、期待している効果を得ることができ
ず、更に200重量部以上では、安定的なシートを得る
ことができない。薬剤(B)は上記記載の中から目的に
あわせて1種以上を混ぜて用いることができるが例え
ば、熱可塑性樹脂(A)に薬剤(B)を混練するなどし
て含有させる場合には、シート表面にブリードアウトし
易いものとそうでないものがあるので注意が必要であ
る。
【0017】本発明シートは、基本的には薬剤(B)を
含有するシート状熱可塑性樹脂(A)により構成される
ものであり、皮膚や毛髪に対して接着性を有さない。こ
こで、接着性を有さないとは、実質上皮膚等に接着しな
いこと、すなわち皮膚等を被覆した後剥離するときに特
別な力を必要としないことを意味する。
【0018】本発明シートは、特にシート中の薬剤
(B)が皮膚に作用するようにすることが必要である。
そのため、これら薬剤(B)を熱可塑性樹脂(A)を用
いて作ったシートに塗工あるいは含浸させ、身体に接触
させた後、必要量を皮膚に受け渡せるようにするのが好
ましい。また、熱可塑性樹脂(A)と薬剤(B)とを良
く混ぜ合わせ、シート形状に成形し、シートから薬剤を
徐放するようにしてもよい。この場合、熱可塑性樹脂
(A)を加熱して溶融して薬剤(B)と混ぜ合わせても
良いし、熱可塑性樹脂(A)を所定の溶剤で溶解して機
能性薬剤(B)と混ぜ合わせても良い。
【0019】本発明シートは、用途により種々の形態を
とることができるが、最も単純な形態としては、フィル
ムあるいはシート形状である。例えば熱可塑性樹脂
(A)と薬剤(B)とを熱可塑性樹脂(A)の溶融する
温度以上で混練し、一般的な成形機であるTダイ、イン
フレーション、カレンダーによる成形で、単層あるいは
2層以上の複層でフィルムあるいはシート化したものを
所定の大きさあるいは形状にカットして用いることがで
きる。上記方法で得た本発明は、皮膚に対して接着性を
もたないので、包帯あるいは例えばバンテージで巻くが
如く、使用したい部位をカバーすることにより目的の効
果を期待できる。熱可塑性樹脂(A)自体にフィルム同
士の密着力を発現するものであればフィルム状にするこ
とにより肌、衣類には接着せず、フィルム面同士が密着
するために身体をラッピングできると共にぴったりと密
閉できるために皮膚表面からの水分蒸散を抑制すること
により皮膚を改善し、更に蒸らし効果で少量の薬剤
(B)で有効に経皮吸収させることができる。
【0020】一方、熱可塑性樹脂(A)に天然油脂及び
これらを水素添加して得られる硬化油やグリセライド誘
導体、高級脂肪酸、高級アルコール及びそのエステル誘
導体、高級脂肪酸とグリセリンあるいはポリグリセリン
とのモノエステル、ジエステル等のエステル誘導体、炭
化水素類等を添加すると熱可塑性樹脂は軟化されると共
にフィルム同士の密着力を発現する。この発現した密着
力は肌、衣類等には接着しないがフィルム同士を密着さ
せるには十分な効果を発揮する。従って熱可塑性樹脂
(A)自体にフィルム同士の密着性が不足する際には上
記天然油脂及びこれらを水素添加して得られる硬化油や
グリセライド誘導体、高級脂肪酸、高級アルコール及び
そのエステル誘導体、高級脂肪酸とグリセリンあるいは
ポリグリセリンとのモノエステル、ジエステル等のエス
テル誘導体、炭化水素類を添加することによりフィルム
同士の密着力をコントロールすることも可能である。
【0021】熱可塑性樹脂(A)自体あるいは上記油成
分を添加することによるフィルム同士の密着力を当てに
しないなら、他の皮膚等に対する固定方法を用いても良
い。例えばスポーツ用品で一般的な身体の一部をカバー
する際に用いるサポータ、手袋、靴下、ストッキングを
使用することにより本発明シートを目的とする部位に有
効に接触させることができる。こうして使用する本発明
シートとしては、なるべく皮膚等にフィットし更に柔軟
であるのが良好である。そのような見地からすると、シ
ートの厚さは5〜200μmが好ましく、更には5〜1
00μmがより好ましい。
【0022】本発明シートは、薬剤(B)がその熱可塑
性樹脂(A)によるシートの内部及び表面に存在するた
め、身体に接する面と反対の面に存在する薬剤(B)が
身体の別な部位あるいは衣類等に付着しては困るような
時には、なんらかのバリア材を積層し、多層にすること
ができる。例えば、薬剤(B)を含まない熱可塑性樹脂
によりバックコートしてもよいし、不織布を用いて積層
してもよい。熱可塑性樹脂を用いて積層するなら、タン
デムあるいは共押し出しで積層一体化することができ
る。また、不織布を積層するのであれば、あらかじめシ
ート化した熱可塑性樹脂(A)と薬剤(B)との単層あ
るいは積層フィルム、シートを熱接着したり、接着剤で
積層することができる。更には不織布に熱可塑性樹脂
(A)と薬剤(B)との層を溶融ラミネートすることに
より目的のシートを得ることもできる。
【0023】また本発明シートに適度に透湿性をもた
せ、蒸らす感覚と爽快感を両立させるようにすることも
できる。具体的には、比較的低い透湿性を有するエチレ
ン−酢酸ビニル共重合体等の極性基を導入したエチレン
系共重合体、高い透湿度性を期待できるポリウレタン系
エラストマー、ポリエステル系エラストマーを用いて単
独あるいはブレンドすることにより透湿度をコントロー
ルすることができる。また得られたシートに微孔を開け
る方法も用いることができる。微孔を開ける方法につい
ては限定されないが、例えばレーザー加工、特開平4−
279321号公報に開示されているような放電加工、
無機フィラーを添加したのち延伸開孔する方法、熱した
ピンにより溶融させて開孔する方法などを挙げることが
できる。
【0024】
【実施例】次に実施例を挙げて本発明を説明する。
【0025】実施例1 熱可塑性樹脂として直鎖低密度ポリエチレン(三井化学
(株)、ウルトゼックス 15100)100重量部
に、薬剤としてひまし油を5重量部添加して170℃で
溶融状態で混練した。その後、Tダイ成形機により20
0℃で20μmのフィルムを得た。
【0026】実施例2 熱可塑性樹脂としてエチレン−α−オレフィン共重合体
(ダウケミカル(株)、アフィニティ EG8200)
100重量部に、薬剤としてオリーブ油を10重量部添
加して160℃で溶融状態を混練した。その後、Tダイ
成形機により200℃で15μmのフィルムを得た。
【0027】実施例3 熱可塑性樹脂としてエチレン−酢酸ビニル共重合体(三
井デュポンポリケミカル(株)、エバフレックス P2
807)100重量部に、薬剤として大豆油30重量部
添加して170℃で溶融状態で混練した。その後、Tダ
イ成形機により200℃で20μmのフィルムを得た。
【0028】実施例4 熱可塑性樹脂としてポリプロピレン((株)グランドポ
リマー、F569D)100重量部に、薬剤としてコー
ン油を50重量部添加して200℃で溶融状態で混練し
た。その後、Tダイ成形機により220℃で20μmの
フィルムを得た。
【0029】実施例5 熱可塑性樹脂としてエチレン−α−オレフィン共重合体
(三井化学(株)タフマー、A4085)100重量部
に、薬剤としてヤシ油を15重量部添加して180℃で
溶融状態で混練した。その後、Tダイ成形機により22
0℃で50μmのフィルムを得た。
【0030】実施例6 熱可塑性樹脂としてスチレン系エラストマーSEBS
(シェル化学、クレイトン G1657)100重量部
に、薬剤としてサメ肝油を100重量部添加して180
℃で溶融状態で混練した。その後、Tダイ成形機により
220℃で20μmのフィルムを得た。
【0031】実施例7 熱可塑性樹脂としてスチレン系エラストマーSIS(シ
ェル化学、クレイトンD1117)100重量部に、薬
剤としてコーン油を50重量部及びビタミンEを0.1
重量部になるように添加してメチルエチルケトンを用い
て常温で溶液状態にして混合した。その後、剥離紙上に
キャストして10μmのフィルムを得た。
【0032】実施例8 熱可塑性樹脂としてウレタン系エラストマー(東洋紡、
東洋紡ウレタン E3080AK)100重量部に、薬
剤としてナタネ油を10重量部及びセラミド1重量部を
添加して180℃で溶融状態で混練した。その後、Tダ
イ成形機により200℃で30μmのフィルムを得た。
【0033】実施例9 熱可塑性樹脂としてエステル系エラストマー(東洋紡、
ペルプレン P−30B05)100重量部に、薬剤と
してナタネ油を10重量部及びセラミド1重量部を10
重量部添加して180℃で溶融状態で混練した。その
後、Tダイ成形機により200℃で25μmのフィルム
を得た。
【0034】実施例10 熱可塑性樹脂として低密度ポリエチレン(三井化学
(株)、ミラソン 11P)100重量部に、薬剤とし
てオリーブ油を0.1重量部添加して200℃で溶融状
態で混練した。その後、Tダイ成形機により220℃で
100μmのフィルムを得た。
【0035】実施例11 熱可塑性樹脂として低密度ポリエチレン(三井化学
(株)、ミラソン 11P)100重量部に、薬剤とし
てオリーブ油を3重量部添加して200℃で溶融状態で
混練した。その後、Tダイ成形機により220℃で50
μmのフィルムを得た。
【0036】実施例12 熱可塑性樹脂としてポリプロピレン((株)グランドポ
リマー、F569D)にて20μmのフィルムを成形
し、薬剤としてオリーブ油を50重量部になるように塗
布し、PPフィルムがオリーブ油を吸って安定化するよ
うに80℃で1時間アニーリングした。
【0037】比較例1 熱可塑性樹脂として直鎖低密度ポリエチレン(三井化学
(株)、ウルトラゼックス 15100)にて20μm
のフィルムを成形した。
【0038】比較例2 熱可塑性樹脂としてスチレン系エラストマーSEBS
(シェル化学、クレイトン G1657)100重量部
に、薬剤としてオリーブ油を150重量部、粘着付与材
(ロジン)を110重量部を添加して170℃で溶融状
態で混練した。その後、プレス機により200℃で圧延
し、30μmのフィルムを得た。
【0039】試験例1 上記のシートを用いて、被験者5人により手の甲、かか
と、ひざ、首において、実施例1から12及び比較例
1、2について各部位を30分ラッピングすることによ
り使用感を評価した。その結果を表1に示す。
【0040】
【表1】
【0041】表1から明らかなように本発明シートは薬
剤による皮膚のしっとり感に優れるとともに、皮膚への
接着性はないものの密着性が良好で、かつはがすときは
極めて容易であった。
【0042】試験例2 被験者の両腕を30分間、25℃、湿度50%の雰囲気
におき、この時点で両腕の角質水分量(SKICON−
200で測定)を皮膚表面の電気伝導度により測定し
た。次に薬剤としてオリーブ油10重量部を用いる以外
は実施例1と同様にして得たフィルムで右腕を15分間
被覆し、次いでフィルムをはずし15分後に再度右腕の
角質水分量を測定した。また、対照として左腕に比較例
1のフィルムで被覆し、同様の測定を行った。得られた
結果を表2に示す。
【0043】
【表2】
【0044】表2より、本発明シートにより被覆すれ
ば、含有する薬剤の作用(表ではオリーブ油による保湿
作用)が良好に発現されることがわかる。
【0045】
【発明の効果】本発明シートによれば、粘着(接着)成
分を含まないために、皮膚及び衣類などへの接着が殆ど
なく皮膚への粘着材による化学的あるいは物理的等の種
々の刺激を極端に低減できるものである。しかも本発明
は適用部分をラッピングするために薬剤の浸透が早く、
蒸らし効果で充分に経皮吸収させることができる。ま
た、本発明のシートにより身体をラッピングすると、外
的刺激から身体を守ることが可能であり、例えば皮膚に
湿疹等によるかゆみがある場合、本発明シートの使用に
より保湿等の効果が肌をトリートメントするのと同時に
幼児が皮膚をかきむしることによる皮膚の荒れをも予防
することができる。更には身体への接着性がないため、
例えば頭髪のトリートメント等の用途にも使用すること
ができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI A61K 9/70 350 A61K 9/70 350

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性樹脂(A)100重量部に対し
    皮膚又は毛髪作用性薬剤(B)0.01〜200重量部
    を含有し、皮膚又は毛髪に対して非接着性であることを
    特徴とする皮膚又は毛髪用被覆シート。
  2. 【請求項2】 熱可塑性樹脂(A)100重量部に対し
    皮膚又は毛髪作用性薬剤(B)を0.1〜100重量部
    含有するものである請求項1記載の皮膚又は毛髪用被覆
    シート。
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