JPH11278513A - 電子レンジ用食品容器の蓋材及び電子レンジ用食品容器 - Google Patents

電子レンジ用食品容器の蓋材及び電子レンジ用食品容器

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JPH11278513A
JPH11278513A JP10087505A JP8750598A JPH11278513A JP H11278513 A JPH11278513 A JP H11278513A JP 10087505 A JP10087505 A JP 10087505A JP 8750598 A JP8750598 A JP 8750598A JP H11278513 A JPH11278513 A JP H11278513A
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JP
Japan
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film
food container
moisture
microwave oven
lid material
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JP10087505A
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English (en)
Inventor
Nobuhiro Hado
信弘 羽藤
Takeo Suzuki
剛生 鈴木
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Nippon Paper Industries Co Ltd
Jujo Paper Co Ltd
Original Assignee
Nippon Paper Industries Co Ltd
Jujo Paper Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 保存時には防湿状態を保持でき、電子レンジ
による再加熱には適度に水蒸気を逃がすことができる電
子レンジ用食品容器の蓋材を得る。 【解決手段】 防湿性フィルム4の片面にヒートシール
性を有する有孔フィルム5を剥離可能に積層して構成す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、チルド食品やレト
ルト食品等の電子レンジを用いて再加熱,調理する電子
レンジ用食品を収容する電子レンジ用食品容器の蓋材及
び該蓋材を用いた電子レンジ用食品容器に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】食品を内容物とする食品容器の多くは、
内容物の長期保存性の観点から、防湿性を有するシート
材で封緘し、品質劣化の防止を図っている。しかし、特
に、電子レンジを用いて再加熱,調理するチルド食品や
レトルト食品等の電子レンジ用食品を収容する電子レン
ジ用食品容器は、そのまま電子レンジで加熱すると、食
品から発する水蒸気の膨脹により容器内圧が上昇し、容
器が破裂することがある。そこで、通常は水蒸気を逃げ
易くするために蓋材を一部若しくは全部開封してから電
子レンジによる再加熱を行っている。
【0003】また、容器のシール部分の一部に意図的に
弱い部分を形成し、そのまま再加熱した場合に、水蒸気
による容器内圧の上昇をその弱い部分に集中させてシー
ル部を破壊して水蒸気を逃がす方式の電子レンジ用食品
容器が提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、電子レ
ンジ用食品容器の一部を開封した場合や容器のシール部
分の一部に意図的に弱い部分を形成した場合でも、容器
内圧の上昇による容器の破裂は防止できるものの、水蒸
気による結露水が蓋材を中心とした容器内面に付着して
落下するため、食味低下を招く問題点があった。また、
電子レンジ用食品容器の全部を開封した場合は、水蒸気
が完全に蒸発してしまし食品が乾燥してしまう問題点が
あった。
【0005】本発明の目的は、保存時には防湿状態を保
持でき、電子レンジによる再加熱時には適度に水蒸気を
逃がし、結露水も防止することができる電子レンジ用食
品容器の蓋材及び該蓋材を用いた電子レンジ用食品容器
を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の電子レ
ンジ用食品容器の蓋材は、防湿性フィルムの片面にヒー
トシール性を有する有孔フィルムが剥離可能に積層され
ていることを特徴とする。
【0007】このような電子レンジ用食品容器の蓋材
は、有孔フィルムの面で食品容器本体の開口部を塞いで
該食品容器本体に接着される。このため長期保存する際
には、蓋材の他の面に設けられた防湿性フィルムによる
防湿効果で水分が逃げるのを防止できる。電子レンジに
よる再加熱を行う際には、該蓋材の防湿性フィルムを剥
がして有孔フィルムだけで蓋をしている状態にする。有
孔フィルムだけで蓋をしている状態で電子レンジによる
再加熱を行うと、加熱により発生した水蒸気による容器
内圧の過度な上昇は、該有孔フィルムの各孔を通して水
蒸気を適度に逃がすことにより防止できると共に、蓋材
を含めた容器内上部からの結露水の滴下も防止すること
ができる。
【0008】請求項2に記載の電子レンジ用食品容器の
蓋材は、基材シートの片面に防湿性フィルムの一方の面
が剥離不能に積層され、前記防湿性フィルムの他方の面
にヒートシール性を有する有孔フィルムが剥離可能に積
層されていることを特徴とする。
【0009】このように防湿性フィルムの表面に基材シ
ートが積層されていると、蓋材の機械的強度を向上させ
ることができる。この基材シートは防湿性フィルムに剥
離不能に積層されているので、防湿性フィルムを有孔フ
ィルムから剥離させる際に、基材シートのみが剥離して
しまうことはない。
【0010】請求項3に記載の電子レンジ用食品容器の
蓋材は、請求項1または2において、前記防湿性フィル
ムと前記有孔フィルムとの界面の接着強度がT型剥離強
度で20℃、湿度65%、剥離速度300mm/ 分で、5
0g/25mm〜150g/25mmであることを特徴とす
る。
【0011】このような界面接着強度で防湿性フィルム
と有孔フィルムとが接着されていると、通常は防湿性フ
ィルムと有孔フィルムが一体状態で存在して、電子レン
ジによる再加熱時に防湿性フィルムを有孔フィルムから
容易に剥離させることができる。
【0012】請求項4に記載の電子レンジ用食品容器の
蓋材は、請求項2において、前記基材シートと前記防湿
性フィルムとの界面の接着強度がT型剥離強度で20
℃、湿度65%、剥離速度300mm/ 分で、500g/
25mm以上であることを特徴とする。
【0013】このような界面接着強度で基材シートと防
湿性フィルムとが接着されていると、防湿性フィルムを
有孔フィルムから剥離させる際に、基材シートのみが剥
離されるのを防止することができる。
【0014】請求項5に記載の電子レンジ用食品容器の
蓋材は、請求項1または2において、前記防湿性フィル
ムが、ポリ塩化ビニリデン樹脂塗工フィルム、酸化アル
ミニウム又は酸化ケイ素等を蒸着したポリエチレンテレ
フタレート樹脂フィルム、ポリエチレン樹脂フィルム、
ポリプロピレン樹脂フィルムのいずれかであることを特
徴とする。
【0015】このような防湿性フィルムを用いると、所
要の防湿性を容易に得ることができると共に有孔フィル
ムとの接着も容易に行わせることができる。
【0016】請求項6に記載の電子レンジ用食品容器の
蓋材は、請求項1または2において、前記ヒートシール
性を有する有孔フィルムが、エチレン−アクリル酸エチ
ル共重合体樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、
ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、塩化ビニル−
酢酸ビニル共重合体樹脂、アクリル樹脂、ハイインパク
トポリスチレン樹脂のいずれか又はこれらを二種以上混
合したものからなる孔径と孔数が調整されたであること
を特徴とする。
【0017】このようなヒートシール性を有する有孔フ
ィルムを用いると、所要の水蒸気透過性を有して防湿性
フィルムと容器本体には剥離可能に接着できるものを容
易に得ることができる。
【0018】請求項7に記載の発明は、食品容器本体の
開口部が蓋材で密封されている電子レンジ用食品容器に
おいて、前記蓋材は防湿性フィルムの片面にヒートシー
ル性を有する有孔フィルムが剥離可能に積層されて構成
され、該蓋材は前記有孔フィルムの面で前記食品容器本
体の開口部を塞いで該食品容器本体に接着されているこ
とを特徴とする。
【0019】このような電子レンジ用食品容器において
は、蓋材は有孔フィルムの面で食品容器本体の開口部を
塞いで該食品容器本体に接着される。このため長期保存
する際には、蓋材の他の面に設けられた防湿性フィルム
による防湿効果で水分が逃げるのを防止できる。電子レ
ンジによる再加熱を行う際には、該蓋材の防湿性フィル
ムを剥がして有孔フィルムだけで蓋をしている状態にす
る。有孔フィルムだけで蓋をしている状態で電子レンジ
による再加熱を行うと、加熱により発生した水蒸気によ
る容器内圧の過度な上昇は、該有孔フィルムの各孔を通
して水蒸気を適度に逃がすことにより防止できると共
に、蓋材を含めた容器内上部からの結露水の滴下も防止
することができる。
【0020】請求項8に記載の発明は、食品容器本体の
開口部が蓋材で密封されている電子レンジ用食品容器に
おいて、前記蓋材は基材シートの片面に防湿性フィルム
の一方の面が剥離不能に積層され、前記防湿性フィルム
の他方の面にヒートシール性を有する有孔フィルムが剥
離可能に積層されて構成され、該蓋材は前記有孔フィル
ムの面で前記食品容器本体の開口部を塞いで該食品容器
本体に接着されていることを特徴とする。
【0021】このような電子レンジ用食品容器において
は、蓋材の防湿性フィルムの表面に基材シートが積層さ
れているので、蓋材の機械的強度を向上させることがで
きる。この基材シートは防湿性フィルムに剥離不能に積
層されているので、防湿性フィルムを有孔フィルムから
剥離させる際に、基材シートのみが剥離してしまうこと
はない。
【0022】
【発明の実施の形態】図1及び図2は本発明に係る電子
レンジ用食品容器の蓋材及び該蓋材を用いた電子レンジ
用食品容器における実施の形態の一例を示したもので、
図1はこの電子レンジ用食品容器の縦断面図、図2はこ
の電子レンジ用食品容器で用いている蓋材の層構造を示
す拡大縦断面図である。
【0023】この電子レンジ用食品容器は、上部が開口
された食品容器本体1と、この食品容器本体1の開口部
を塞いで該食品容器本体1に接着されている蓋材2とで
構成されている。蓋材2は、基材シート3の片面に防湿
性フィルム4の一方の面が剥離不能に積層され、防湿性
フィルム4の他方の面にヒートシール性を有する有孔フ
ィルム5が易剥離面6を介して剥離可能に積層された構
造になっている。有孔フィルム5には、その厚み方向に
貫通する多数の孔が設けられている。このような層構造
の蓋材2は、有孔フィルム5の面で食品容器本体1の開
口部を塞いで該食品容器本体1に熱溶融接着(ヒートシ
ール等)により接着されている。
【0024】かかる構造の電子レンジ用食品容器におい
ては、蓋材2は有孔フィルム5の面で食品容器本体1の
開口部を塞いで該食品容器本体1に接着されているの
で、内部の食品を長期保存する際には、該蓋材2の他の
面に設けられた防湿性フィルム4による防湿効果で水分
が逃げるのを防止できる。また、該蓋材2の防湿性フィ
ルム4の表面に基材シート3が積層されているので、該
蓋材2の機械的強度を向上させることができる。
【0025】このような電子レンジ用食品容器を電子レ
ンジによって再加熱する際には、該蓋材2の防湿性フィ
ルム4を基材シート3と共に剥がして有孔フィルム5だ
けで蓋をしている状態にする。このとき基材シート3は
防湿性フィルム4に剥離不能に積層されているので、防
湿性フィルム4を有孔フィルム5から剥離させる際に、
基材シート3のみが剥離してしまうことはない。
【0026】有孔フィルム5だけで蓋をしている状態
で、この電子レンジ用食品容器を電子レンジによって再
加熱すると、加熱により発生した水蒸気による容器内圧
の過度な上昇は、該有孔フィルム5の各孔7を通して水
蒸気を適度に逃がすことにより防止できる。このため電
子レンジ用食品容器の破裂を防止できると共に、食品の
過乾燥を防止できる。また、蓋材2を含めた容器内上部
からの結露水の滴下も防止することができて、食品の食
味低下を防止することができる。
【0027】加熱後、ヒートシール性を有する有孔フィ
ルム5を食品容器本体1から引き剥がすことによって内
容物である食品を取り出すことができ、極めて利便性に
優れている。
【0028】食品容器本体1としては、通常、チルド食
品やレトルト食品等の電子レンジ用食品を収容するのに
用いられているものを使用できるが、蓋材2が直接ヒー
トシール可能なものが好ましく、防湿性、ヒートシール
性、耐熱性、汎用性などを考慮すると、ポリプロピレン
樹脂製のものが好ましい。
【0029】蓋材2を構成する基材シート3は、防湿性
フィルム4を支持できる強度及び硬さがあれば特に限定
されるものではない。この基材シート3は、防湿性フィ
ルム4の厚みによっては、省略することもできる。また
この基材シート3の表面には、必要に応じて意匠性、美
麗性の付与を目的として印刷を施すことができる。
【0030】防湿性フィルム4としては、一般に用いら
れている公知のフィルムが使用できる。例えば、ポリ塩
化ビニリデン樹脂塗工フィルム(Kコートフィルム)、
酸化アルミニウム又は酸化ケイ素等を蒸着したポリエチ
レンテレフタレート樹脂フィルム、ポリエチレン樹脂フ
ィルム、ポリプロピレン樹脂フィルム等が挙げられ、特
に経済性を考慮するとポリプロピレン樹脂フィルムが最
も好適に使用できる。
【0031】ヒートシール性を有する有孔フィルム5と
しては、エチレン−アクリル酸エチル共重合体樹脂、エ
チレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、ポリエチレン樹脂、
ポリプロピレン樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体
樹脂、アクリル樹脂、ハイインパクトポリスチレン樹脂
等の熱可塑性樹脂、又はこれらの樹脂を二種以上混合し
た樹脂を主体としたフィルムに適度の孔径と孔数の孔7
を設けたものを使用でき、特に経済性を考慮するとポリ
エチレン樹脂フィルムが最も好適に使用できる。孔径と
孔数は、特に限定されるものではなく、食品内容物や重
量によって適宜調整することが好ましい。この場合の孔
径は、目的を達成できる範囲でいくらでもよいが、加工
上の問題を考慮すれば0.5mm以上が望ましく、フィル
ム強度と実用上の問題を考慮すれば5mm以下が望まし
い。
【0032】基材シート3と防湿性フィルム4とは、剥
離不能に貼合することが必須であり、その貼合方法は感
熱接着、溶融押出しにてラミネーションする方法、接着
剤によるドライラミネーション、ウエットラミネーショ
ン等の公知の方法で貼合することができる。剥離不能な
状態は、その界面接着強度を、T型剥離強度で20℃、
湿度65%、剥離速度300mm/ 分で、500g/25
mm以上になるように調整する。基材シート3を用いない
で防湿性フィルム4単独で使用する場合は、この限りで
はない。
【0033】防湿性フィルム4とヒートシール性を有す
る有孔フィルム5とを剥離可能に一体化して積層する方
法は、特に定めはないが、前述の剥離不能に接着した基
材シート3と防湿性フィルム4との積層体の該防湿性フ
ィルム4の面にヒートシール性を有する有孔フィルム5
を、例えばヒートシール性を有する有孔フィルム5の軟
化温度+20℃以上、かつフィルムが溶融しない範囲の
温度の熱ロールで熱圧着することによって得ることがで
きる。所望の剥離強度は、温度、圧力、処理速度、フィ
ルムの組み合わせ等によって任意に調整することができ
る。防湿性フィルム4と有孔フィルム5との界面の接着
強度は、T型剥離強度で20℃、湿度65%、剥離速度
300mm/ 分で、50g/25mm〜150g/25mmに
なるようにする。
【0034】また、予め基材シート3に剥離不能に接着
された防湿性フィルム4とヒートシール性を有する有孔
フィルム5との間に、熱可塑性樹脂を溶融押出してなる
接着層を、所謂サンドラミネーションによって設けるこ
ともできる。この場合、防湿性フィルム4の面には、予
め易接着処理(例えば、コロナ処理、火炎処理、接着剤
塗布)を施すことが必須となる。この易接着処理よって
サンドラミネーションにて設けられる接着層の両面に接
着力のアンバランスが生じ、この接着層とヒートシール
性を有する有孔フィルム5との界面は同じ接着層と防湿
フィルム4との界面より接着性が劣るため、必ずこの接
着層と有孔フィルム5との界面から剥離させることが可
能となる。所望の剥離力は溶融押出しの樹脂温度を含め
た押出し条件で適宜調整することができる。
【0035】更に、基材シート3とヒートシール性を有
する有孔フィルム5との間に防湿性フィルム4と同種の
樹脂を直接溶融押出して接着剤を兼ねた防湿層を形成す
ることもできる。所望の剥離力は、前述したと同様の方
法、即ち溶融押出しの樹脂温度を含めた押出し条件で調
整することができるが、防湿層(防湿性フィルム4)の
両面の接着強度のアンバランスを得るために基材シート
3には予め易接着処理(例えば、コロナ処理、火炎処
理、接着剤塗布)を施すことが必須である。
【0036】この時の剥離不能な接着状態は前述と同様
でT型剥離強度で20℃、湿度65%、剥離速度300
mm/ 分で、500g/25mm以上になるように、また剥
離可能な接着状態はT型剥離強度で20℃、湿度65
%、剥離速度300mm/ 分で、50g/25mm〜150
g/25mmになるように上記の方法にて適宜調整すると
ことができる。
【0037】蓋材2は食品容器本体1の開口部のフラン
ジ部分1aに、ヒートシール性を有する有孔フィルム5
側を熱溶融接着(ヒートシール等)で封緘する。この場
合の界面接着強度は、適宜熱溶融接着条件を調整して、
T型剥離強度で20℃、湿度65%、剥離速度300mm
/ 分で、250g/25mm〜1400g/25mmとなる
ようにすることが本発明の食品容器としての機能を果た
す上で望ましい。
【0038】
【実施例】実施例1 蓋材2として予め片面側にコロナ放電の易接着処理を施
した64g/m2 の上質紙を基材シート3として使用
し、ヒートシール性を有する有孔フィルム5として直径
1mmの孔7が100個/100cm2 設けられている厚さ
30μm のポリエチレン樹脂フィルムを使用し、基材シ
ート3の易接着処理面と有孔フィルム5との間にポリプ
ロピレン樹脂を250℃の樹脂温度で膜厚み20μm と
なるように溶融押出しし、接着剤と防湿性を兼ねた層
(防湿性フィルム4)を形成し、3層構成の積層シート
(蓋材2)を得た。得られた積層シート(蓋材2)の基
材シート3とポリプロピレン樹脂からなる防湿性フィル
ム4との界面接着状態は、これらを剥離しようとすると
基材シート3が紙層間破壊するほど強固に接着してい
た。この時のT型剥離強度は1025g/25mmであっ
た。また、ポリプロピレン樹脂フィルムとポリエチレン
樹脂の有孔フィルム5との界面接着状態は容易に剥離で
きる程度に接着していた。この時のT型剥離強度は10
5g/25mmであった。更に、得られた積層シート(蓋
材2)についてJIS Z 0208に準じた方法で透
湿度を測定した結果、0.5g/m2 ・24Hrsと十
分に防湿効果が得られるものであった。
【0039】ポリプロピレン樹脂製トレー型の食品容器
本体1に市販の冷凍米飯を約100g充填し、前述の積
層シート(蓋材2)を食品容器本体1の開口部とほぼ同
面積にカットし、食品容器本体1のフランジ部分1aに
ヒートシールさせて電子レンジ用食品容器を作成した。
蓋材2の一端を掴んで引き剥がしたところ、基材シート
3と防湿性フィルム4が有孔フィルム5との界面で容易
に剥離することができ、有孔フィルム5のみが食品容器
本体1側に残存した。この状態で、冷凍米飯入り電子レ
ンジ用食品容器を電子レンジにて2.5分加熱した。電
子レンジでの加熱後、該電子レンジ用食品容器はシール
部の破損もなく、特記すべき外観変化は観察されなかっ
た。食品容器本体1側に残存した有孔フィルム5も食品
容器本体1から容易に引き剥がすことができ、内容物の
米飯の取り出しが簡単にできた。更に、食品容器本体1
の内部は結露水発生が抑制されて結露水による食味低下
が防止され、また米飯の乾燥も防止されていた。
【0040】実施例2 蓋材2として64g/m2 の上質紙を基材シート3とし
て用い、その片面側に防湿性フィルム4としてポリプロ
ピレン樹脂を300℃の樹脂温度で膜厚み20μm とな
るように溶融押出しした所謂防湿ラミネート紙を作成し
た。その防湿ラミネート紙のポリプロピレン樹脂フィル
ム側にヒートシール性を有する有孔フィルム5として直
径1mmの孔7が100個/100cm2 設けられている厚
さ30μm のポリエチレン樹脂フィルムをロール温度2
00℃、処理速度20m/min で熱圧着させて3層構成
の積層シート(蓋材2)を得た。得られた積層シート
(蓋材2)の基材シート3とポリプロピレン樹脂からな
る防湿性フィルム4との界面接着状態はこれらを剥離し
ようとすると基材シート3が紙層間破壊するほど強固に
接着していた。この時のT型剥離強度はフィルム切れを
起こし測定不能であった。また、熱圧着で積層されたポ
リプロピレン樹脂フィルムとポリエチレン樹脂の有孔フ
ィルム5との界面接着状態は容易に剥離できる程度に接
着していた。この時のT型剥離強度は75g/25mmで
あった。更に、得られた積層シート(蓋材2)について
JIS Z 0208に準じた方法で透湿度を測定した
結果、0.4g/m2 ・24Hrsとほぼ実施例1と同
様で十分に防湿効果が得られるものであった。
【0041】得られた積層シート(蓋材2)を実施例1
と同様に食品容器本体1の開口部とほぼ同面積にカット
し、食品容器本体1のフランジ部分1aにヒートシール
させて電子レンジ用食品容器を作成し、評価した結果、
ほぼ実施例1と同様の効果があった。
【0042】比較例1 ポリ塩化ビニリデン樹脂が塗工された厚さ30μm のポ
リプロピレン樹脂フィルム(Kコートフィルム)を蓋材
2として使用した。このフィルムについてJIS Z
0208に準じた方法で測定した時の透湿度は、0.1
g/m2 ・24Hrsであり、優れた防湿効果を示すも
のであった。
【0043】その後、実施例1と同様にこのポリ塩化ビ
ニリデン樹脂が塗工されたポリプロピレン樹脂フィルム
を食品容器本体1の開口部とほぼ同面積にカットし、ポ
リ塩化ビニリデン樹脂非塗工面を食品容器本体1のフラ
ンジ部分1aにヒートシールさせて電子レンジ用食品容
器を作成し、評価した結果、電子レンジ加熱時に蓋材2
と食品容器本体1とのシール部分が爆発的に破壊され
た。加熱後にこの電子レンジ用食品容器を観察したとこ
ろ、蓋材2の全内面に結露水が付着して蓋材2を引き剥
がす際に食品容器本体1内の食品に滴下し、食味低下を
来した。
【0044】
【発明の効果】本発明に係る電子レンジ用食品容器の蓋
材は、防湿性フィルムの片面にヒートシール性を有する
有孔フィルムが剥離可能に積層された構造になってい
て、有孔フィルムの面で食品容器本体の開口部を塞いで
該食品容器本体に接着されるので、内部の食品を長期保
存する際には、防湿性フィルムによる防湿効果で水分が
逃げるのを防止することができる。電子レンジによる再
加熱を行う際には、該蓋材の防湿性フィルムを剥がして
有孔フィルムだけで蓋をしている状態にするので、この
状態で電子レンジによる再加熱を行うと、加熱により発
生した水蒸気による容器内圧の過度な上昇を、該有孔フ
ィルムの各孔を通して水蒸気を適度に逃がすことにより
防止できると共に、蓋材を含めた容器内上部からの結露
水の滴下も防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る電子レンジ用食品容器の蓋材を用
いた電子レンジ用食品容器における実施の形態の一例を
示した縦断面図である。
【図2】図1に示す電子レンジ用食品容器で用いている
蓋材の層構造を示す拡大縦断面図である。
【符号の説明】
1 食品容器本体 1a フランジ部分 2 蓋材 3 基材シート 4 防湿性フィルム 5 有孔フィルム 6 易剥離面 7 孔

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 防湿性フィルムの片面にヒートシール性
    を有する有孔フィルムが剥離可能に積層されていること
    を特徴とする電子レンジ用食品容器の蓋材。
  2. 【請求項2】 基材シートの片面に防湿性フィルムの一
    方の面が剥離不能に積層され、前記防湿性フィルムの他
    方の面にヒートシール性を有する有孔フィルムが剥離可
    能に積層されていることを特徴とする電子レンジ用食品
    容器の蓋材。
  3. 【請求項3】 前記防湿性フィルムと前記有孔フィルム
    との界面の接着強度がT型剥離強度で20℃、湿度65
    %、剥離速度300mm/ 分で、50g/25mm〜150
    g/25mmであることを特徴とする請求項1または2に
    記載の電子レンジ用食品容器の蓋材。
  4. 【請求項4】 前記基材シートと前記防湿性フィルムと
    の界面の接着強度がT型剥離強度で20℃、湿度65
    %、剥離速度300mm/ 分で、500g/25mm以上で
    あることを特徴とする請求項2に記載の電子レンジ用食
    品容器の蓋材。
  5. 【請求項5】 前記防湿性フィルムが、ポリ塩化ビニリ
    デン樹脂塗工フィルム、酸化アルミニウム又は酸化ケイ
    素等を蒸着したポリエチレンテレフタレート樹脂フィル
    ム、ポリエチレン樹脂フィルム、ポリプロピレン樹脂フ
    ィルムのいずれかであることを特徴とする請求項1また
    は2に記載の電子レンジ用食品容器の蓋材。
  6. 【請求項6】 前記ヒートシール性を有する有孔フィル
    ムが、エチレン−アクリル酸エチル共重合体樹脂、エチ
    レン−酢酸ビニル共重合体樹脂、ポリエチレン樹脂、ポ
    リプロピレン樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹
    脂、アクリル樹脂、ハイインパクトポリスチレン樹脂の
    いずれか又はこれらを二種以上混合したものからなる孔
    径と孔数が調整されたであることを特徴とする請求項1
    または2に記載の電子レンジ用食品容器の蓋材。
  7. 【請求項7】 食品容器本体の開口部が蓋材で密封され
    ている電子レンジ用食品容器において、前記蓋材は防湿
    性フィルムの片面にヒートシール性を有する有孔フィル
    ムが剥離可能に積層されて構成され、該蓋材は前記有孔
    フィルムの面で前記食品容器本体の開口部を塞いで該食
    品容器本体に接着されていることを特徴とする電子レン
    ジ用食品容器。
  8. 【請求項8】 食品容器本体の開口部が蓋材で密封され
    ている電子レンジ用食品容器において、前記蓋材は基材
    シートの片面に防湿性フィルムの一方の面が剥離不能に
    積層され、前記防湿性フィルムの他方の面にヒートシー
    ル性を有する有孔フィルムが剥離可能に積層されて構成
    され、該蓋材は前記有孔フィルムの面で前記食品容器本
    体の開口部を塞いで該食品容器本体に接着されているこ
    とを特徴とする電子レンジ用食品容器。
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