JPH11277588A - 成形品のエジェクト方法および機構 - Google Patents

成形品のエジェクト方法および機構

Info

Publication number
JPH11277588A
JPH11277588A JP10084092A JP8409298A JPH11277588A JP H11277588 A JPH11277588 A JP H11277588A JP 10084092 A JP10084092 A JP 10084092A JP 8409298 A JP8409298 A JP 8409298A JP H11277588 A JPH11277588 A JP H11277588A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
mold
molded
resin
eject
ejecting
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP10084092A
Other languages
English (en)
Inventor
Hideyuki Ema
秀行 江間
Hisao Matsutomi
久雄 松富
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority to JP10084092A priority Critical patent/JPH11277588A/ja
Publication of JPH11277588A publication Critical patent/JPH11277588A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Moulds For Moulding Plastics Or The Like (AREA)
  • Injection Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
  • Encapsulation Of And Coatings For Semiconductor Or Solid State Devices (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 成形品にダメージを与えることなくエジェク
トすることができる成形品のエジェクト機構を提供す
る。 【解決手段】 単一のモータ48によりプランジャ34
およびエジェクトピン47を同時に駆動し、これらによ
り原板を均一に押し出すようにした。プランジャ34は
スライド機構67により駆動し、エジェクトピン47
は、スライド機構67に固定した係止機構68を介して
プランジャ34と同時に駆動した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、金型を用いた樹脂
成形における成形品のエジェクト方法およびエジェクト
機構に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、たとえば半導体チップを製造
する場合には、一般に、リードフレーム上に複数のチッ
プを形成した後、リードフレームを裁断して製品として
のチップを得るという工程を採用している。また、リー
ドフレーム上にチップを形成した後は、各チップに含ま
れる素子を保護するために、各チップを樹脂によってモ
ールドするという工程も採用されている。
【0003】図6は、リードフレーム1上に複数(図6
では8個)のチップ2が形成され、各チップ2は、樹脂
によりモールドされている状態を示しており、(a) 図は
表側から見た斜視図であり、(b) 図は裏側から見た斜視
図である。このような状態のものを原板3という。つま
り、原板3には、複数のチップ2が含まれており、この
原板3を裁断して(b) 図の点線で示された部分を取り出
すことにより、製品としての各チップ2が完成する。
【0004】ところで、各チップ2のモールドは、金型
を用いたインサート成形によって行われる。すなわち、
各チップ2が形成されたリードフレーム1を金型内に挿
入配置し、樹脂を流し込むことにより、各チップ2が樹
脂によりモールドされるようになっている。図6におい
て、参照符号4は、かかる樹脂を示しており、金型内を
流れて各チップ2に到達されたことを示している。ここ
で、参照符号5で示す部分を樹脂4のカル部,参照符号
6で示す部分を樹脂4のランナー部という。
【0005】次に、各チップ2をモールドするためのイ
ンサート成形について説明する。図7は、かかるインサ
ート成形を行うための成形装置7の構造を示す図であ
る。同図を参照して、この成形装置7は、ベース8に固
定された下型9と、矢印10の方向に沿ってスライド移
動し、下型9に対して型締め/型開きを行う上型11
と、インサート成形するための樹脂を供給するプランジ
ャ12と、成形後に成形品を取り出すためのエジェクト
ピン13と、これを駆動するためのエジェクトピン駆動
部14とを備えている。
【0006】なお、プランジャ12には、プランジャ1
2のみを独立して駆動するためのプランジャ駆動部15
が連結されている。また、エジェクトピン駆動部14
は、エジェクトピン13を押し上げる押上プレート16
と、上下方向に駆動する直動モータ17と、これらを連
結する連結具18とを有している。
【0007】成形の工程について説明すると、まず、図
7の状態から上型11を上方へ移動させ、下型9上の所
定位置にリードフレーム1(図6参照)を載置した後、
上型11を下方へ移動させて型締めする。この状態で、
両金型9,11間には、キャビティ19が形成される。
このキャビティ19は、リードフレーム1上に形成され
た各チップ2を取り囲むように形成されている。
【0008】次いで、プランジャ駆動部15を駆動させ
てプランジャ12を下降させ、これにより形成されるポ
ット20に樹脂供給部(図示せず)から樹脂を供給す
る。なお、このポット20は、上記キャビティ19と連
通している。そして、プランジャ駆動部15によりプラ
ンジャ12を上昇させることにより、樹脂がポット20
からキャビティ19に流し込まれる。これにより、リー
ドフレーム1上に形成された各チップ2が当該樹脂によ
りモールドされると共に、当該樹脂の流動に起因して図
6で示したようなカル部5およびランナー部6が形成さ
れる。その後、一旦プランジャ12を下降させて所定位
置で待機させる。
【0009】次いで、上型11を上昇させて型開きし、
再びプランジャ駆動部15によりプランジャ12を上昇
させると共に、直動モータ17を駆動させて連結具18
を介して押上プレート16を押し上げることにより、エ
ジェクトピン13を上昇させる。これにより、エジェク
トピン13がリードフレーム1の当該成形部分およびラ
ンナー部6を押し上げると共に、プランジャ12がカル
部5を押し上げ、その結果、原板3(図6参照)がキャ
ビティ19内から取り出されるようになっている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】以上のような成形作業
においては、原板3の取り出し時に原板3の損傷を防止
するため、エジェクトピン13による押し上げとプラン
ジャ12による押し上げの際に、原板3に曲げやねじれ
が生じないようにする必要がある。
【0011】しかしながら、従来の成形装置7では、次
のような問題があった。図8は、原板3の取出作業を示
す原板3の拡大断面図である。同図を参照して、プラン
ジャ12とエジェクトピン13とは、それぞれ独立した
駆動源(プランジャ駆動部15,直動モータ17)を有
しているため、カル部5の押し上げと、リードフレーム
1の成形部分およびランナー部6の押し上げとが別個に
なってしまい、その結果、原板3に偏荷重が作用して曲
げ,ねじれ等のダメージを与えるおそれがあった。
【0012】そこで、本発明は、成形品(原板3)にダ
メージを与えることなく金型から取り出すことができる
成形品のエジェクト方法およびこれを実現するためのエ
ジェクト機構を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】(1) 本発明の目的を達成
するため、請求項1に係る成形品のエジェクト方法は、
一対の金型にそれぞれ設けられた凹部により形成される
キャビティ内に被モールド部材を配置した状態で樹脂を
射出することによって、当該樹脂によりモールドされた
モールド部およびモールド部に連続した当該樹脂からな
る付属部とを有するモールド成形品を形成した後、当該
成形品を離型させる成形品のエジェクト方法であって、
上記射出成形後に型開きし、一方の金型側から当該一方
の金型に設けられた凹部内に第1の押出部材を突出させ
ることにより少なくとも上記モールド部を押し出すと共
に、第1の押出部材の押出動作に同期させて第2の押出
部材を上記一方の金型に設けられた凹部内に突出させる
ことにより上記付属部を押し出すことを特徴とするもの
である。
【0014】この構成によれば、型開きした後に、第1
の押出部材により、キャビティからモールド成形品の少
なくともモールド部を押し出すことができる。また、こ
の押し出しに同期して、第2の押出部材により、キャビ
ティからモールド部に連続した付属部を押し出すことが
できる。
【0015】(2) 本発明の目的を達成するため、請求項
2に係る成形品のエジェクト方法は、請求項1記載の成
形品のエジェクト方法において、第2の押出部材による
上記付属部の押し出しは、樹脂を射出する際に用いる射
出部材を用いて行うことを特徴とするものである。
【0016】この構成によれば、請求項1に係る発明と
同様の作用を奏する。加えて、本請求項に係る発明で
は、モールド成形品の付属部の押し出しを樹脂射出用の
射出部材により行うから、当該射出部材を成形時の樹脂
の射出と成形品の取り出しに共用することができる。
【0017】(3) 本発明の目的を達成するため、請求項
3に係る成形品のエジェクト方法は、請求項1または2
記載の成形品のエジェクト方法において、単一の駆動源
によって上記第1の押出部材および第2の押出部材を駆
動することを特徴とするものである。
【0018】この構成によれば、請求項1または2に係
る発明と同様の作用を奏する。加えて、本請求項に係る
発明では、第1の押出部材および第2の押出部材を単一
の駆動源により駆動するから、両押出部材の同期を簡単
に行うことができる。
【0019】(4) 本発明の目的を達成するため、請求項
4に係る成形品のエジェクト方法は、請求項2または3
記載の成形品のエジェクト方法において、第1の押出部
材および第2の押出部材を予め上記一方の金型に設けら
れた凹部を臨む状態に配置し、且つ第1の押出部材と当
該凹部内底面との間の距離と、第2の押出部材と当該凹
部内底面との間の距離とを同一に設定した後、両押出部
材を当該凹部内に突出させることを特徴とするものであ
る。
【0020】この構成によれば、請求項2または3に係
る発明と同様の作用を奏する。特に本請求項に係る発明
では、第1および第2の押出部材を予め一方の金型側に
設け、しかも、この金型に設けられた凹部を臨む状態に
配置するから、両押出部材をコンパクトに設備すること
ができる。加えて、両押出部材の金型の凹部内底面との
間の距離を同一に設定した後に押出作業をするから、両
押出部材の凹部内への押し出しを確実に同期させること
ができる。
【0021】(5) 本発明の目的を達成するため、請求項
5に係る成形品のエジェクト機構は、型締め/型開きが
自在な一対の金型にそれぞれ設けられた凹部により形成
されるキャビティ内に被モールド部材を配置した状態で
樹脂を射出することによって、当該樹脂によりモールド
されたモールド部およびモールド部に連続した当該樹脂
からなる付属部とを有するモールド成形品を成形する装
置に適用される成形品のエジェクト機構であって、一方
の金型側に設けられ、一方の金型の凹部内底面から当該
凹部内に突出して少なくとも上記モールド部に当接し得
る姿勢と、当該凹部内から退避して当該凹部を臨む姿勢
との間で姿勢変化可能な第1の押出部材と、一方の金型
側に設けられ、一方の金型の凹部内底面から当該凹部内
に突出して上記付属部に当接し得る姿勢と、当該凹部内
から退避して当該凹部を臨む姿勢との間で姿勢変化可能
な第2の押出部材と、両押出部材を同時に姿勢変化させ
て上記モールド成形品に同時に当接させる押出部材駆動
部とを有することを特徴とするものである。
【0022】この構成によれば、成形品を形成した後に
型開きを行い、押出部材駆動部を駆動させる。これによ
り、第1の押出部材および第2の押出部材が同時に姿勢
変化し、それぞれ金型の凹部内に突出する。このとき、
第1の押出部材は、少なくとも成形品のモールド部に当
接すると共に、同時に、第2押出部材は、成形品の付属
部に当接する。しかも、両押出部材は、予め金型の凹部
を臨むように当該金型側に設けているから、両押出部材
をコンパクトに設備することができる。
【0023】(6) 本発明の目的を達成するため、請求項
6に係る成形品のエジェクト機構は、請求項5記載の成
形品のエジェクト機構において、第2の押出部材は、樹
脂を射出する際に用いる射出部材により構成されている
ことを特徴とするものである。
【0024】この構成によれば、請求項5に係る発明と
同様の作用を奏する。加えて、本請求項に係る発明で
は、モールド成形品の付属部の押し出しを樹脂射出用の
射出部材により行うから、当該射出部材を成形時の樹脂
の射出と成形品の取り出しに共用することができる。
【0025】(7) 本発明の目的を達成するため、請求項
7に係る成形品のエジェクト機構は、請求項5または6
記載の成形品のエジェクト機構において、押出部材駆動
部は、第2の押出部材に連結され、第2の押出部材の姿
勢変化方向に沿って第2の押出部材をスライドさせるス
ライド機構と、スライド機構に取り付けられ、所要時に
第1の押出部材側に係止して第2の押出部材と共に第1
の押出部材を姿勢変化させ得る係止機構とを有すること
を特徴とするものである。
【0026】この構成によれば、請求項5または6に係
る発明と同様の作用を奏する。特に本請求項に係る発明
では、スライド機構により第2の押出部材をスライドさ
せて姿勢変化させることができる。また、スライド機構
に取り付けられた係止機構を作動させることにより、所
要時に当該係止機構と第1の押出部材とを係合させるこ
とができる。これにより、第2の押出部材,スライド機
構,係止機構および第1の押出部材を一体化してスライ
ドさせることができ、その結果、第1の押出部材および
第2の押出部材を同時に姿勢変化させることができる。
【0027】(8) 本発明の目的を達成するため、請求項
8に係る成形品のエジェクト機構は、請求項7記載の成
形品のエジェクト機構において、係止機構は、第1の押
出部材と機械的に連接され、第1の押出部材の姿勢変化
方向に沿ってスライド可能に設けられた連接具を有して
いることを特徴とするものである。
【0028】この構成によれば、請求項7に係る発明と
同様の作用を奏する。加えて、本請求項に係る発明で
は、第1の押出部材と係止機構とは機械的に連接される
から、両者同士は、確実にロック状態で係合することが
できる。しかも、第1の押出部材と係止機構とを連接具
により機械的に連接するから、第2の押出部材,スライ
ド機構,係止機構および第1の押出部材を確実に一体化
でき、その結果、第1の押出部材および第2の押出部材
の確実な同時姿勢変化が可能である。
【0029】(9) 本発明の目的を達成するため、請求項
9に係る成形品のエジェクト機構は、請求項8記載の成
形品のエジェクト機構において、第1の押出部材が退避
姿勢となる方向に連接具を弾性的に付勢する付勢部材が
さらに設けられていることを特徴とするものである。
【0030】この構成によれば、請求項8に係る発明と
同様の作用を奏する。加えて、本請求項に係る発明で
は、付勢部材により連接具を弾性付勢することにより、
通常の状態において、第1の押出部材を退避姿勢とする
ことができる。これにより、型締め時において、第1の
押出部材がキャビティ内に突出することを確実に防止す
ることができる。
【0031】(10)本発明の目的を達成するため、請求項
10に係る成形品のエジェクト機構は、請求項9記載の
成形品のエジェクト機構において、連接具に当接するこ
とにより連接具の付勢位置を調整する当接面部材がさら
に設けられていることを特徴とするものである。
【0032】この構成によれば、請求項9に係る発明と
同様の作用を奏する。加えて、本請求項に係る発明で
は、当接面部材が連接具に当接することにより、弾性付
勢された連接具の付勢位置を調整し、決定することがで
きる。これにより、連接具に連接された第1の押出部材
の各姿勢での位置決めをすることができる。
【0033】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て説明する。図1は、本発明の実施の形態に係る成形装
置30の構造を示す要部断面正面図である。同図を参照
して、この成形装置30は、半導体チップが形成された
リードフレームをインサート成形し、半導体チップに保
護用樹脂モールドを形成するためのものであって、上型
31および下型32を有する成形部33と、成形部33
にタブレット樹脂を供給する樹脂供給部(図示せず)
と、供給された樹脂を成形部33側へ流し込むためのプ
ランジャ34と、成形品を成形部33から取り出すため
のエジェクト機構35とを備えている。なお、成形品と
は、図6で示した従来の原板3と同様のものである。
【0034】リードフレームの成形工程について概括的
に説明すると、まず、図1の状態から、上型31を矢印
43の方向に沿って上方へ移動させて型開きを行い、上
型31と下型32との間にリードフレームを配置して型
締めする。これにより、上記キャビティ36内にリード
フレームが配置される。この状態で、図示しない樹脂供
給部からタブレット樹脂をポット44(下型32側に形
成された樹脂収容空間)に充填し、これを成形部33に
形成されたキャビティ36内にプランジャ34を用いて
送り込む。これにより、リードフレーム上の半導体チッ
プ部分が樹脂によりモールドされ、原板3が形成され
る。その後、型開きを行い、エジェクト機構35を用い
て原板3を離型させる。
【0035】本実施の形態の特徴とするところは、原板
3を離型させるエジェクト機構35の構成と、これによ
る原板3のエジェクト方法にある。すなわち、本実施の
形態では、エジェクト機構35は、複数のエジェクトピ
ン47(第1の押出部材)および上記プランジャ34
(第2の押出部材)を含んでおり、これらにより図中上
方へ押し出されるようにして原板3が離型されるのであ
るが、このとき、1つのモータ48によってエジェクト
ピン47およびプランジャ34を同期させて駆動し、こ
れにより、原板3のモールド成形部分21(図6参
照),ランナー部6およびカル部5をすべて同時に押し
上げるようになっている点に特徴がある。以下、さらに
詳細に説明する。
【0036】1.成形装置の構成について 成形装置30は、上述のように成形部33,樹脂供給部
(図示せず),プランジャ34,エジェクト機構35を
備えており、これらは、ベース部材49,50に対して
取り付けられている。
【0037】(1) 成形部 図2は、成形部33の要部拡大図であり、上型31と下
型32とによりキャビティ36が形成された状態を示し
ている。なお、図示していないが、成形部33には、金
型加熱用のヒータが設けられており、これにより、上型
31と下型32の温度を所望の温度に設定できるように
なっている。
【0038】図1および図2を参照して、上型31は、
フレーム37とコア部材38とを有している。コア部材
38は、フレーム37に対して固定されており、コア部
材38には、所定形状の凹部39が形成されている。ま
た、下型32は、フレーム40とコア部材41とを有し
ている。コア部材41は、フレーム40に固定されてお
り、コア部材41には、所定形状の凹部42が形成され
ている。そして、両型31,32が図2のように型締め
されることにより、凹部39,42によってキャビティ
36が構成されるようになっている。
【0039】上型31のコア部材38の下面には、係合
ピン54が下方に突設されている。一方、下型32のコ
ア部材41の上面には、係合孔55が形成されている。
これら係合ピン54および係合孔55は、型締め時に嵌
め合わされるようになっており、これにより、上型31
および下型32が確実に位置決めされた状態で型締めで
きるようになっている。しかも、型締め時に、係合ピン
54が後述するエジェクトプレート51を下方へ押し下
げるから、エジェクトピン47がキャビティ36内に突
出して良好な成形の妨げになるのを防止している。
【0040】下型32のフレーム40内には、コア部材
41の下方に所定の収容空間が形成されており、この収
容空間に、後述するエジェクト機構35のエジェクトプ
レート51が収容されている。また、下型32のコア部
材41には、タブレット樹脂が供給されるポット44が
形成されている。このポット44に連通するように、プ
ランジャ挿通部45が形成されている。プランジャ挿通
部45は、図に示すように、上下方向に下型32を貫通
するように形成されており、プランジャ34は、このプ
ランジャ挿通部45内を上下方向にスライドできるよう
になっている。なお、プランジャ34は、所定のはめあ
いをもってプランジャ挿通部45に挿通しており、ポッ
ト44に供給された樹脂を下方へ漏らすことなくキャビ
ティ36側へ送り込めるようになっている。
【0041】図2に注目して、下型32のコア部材41
には、キャビティ36に連通するエジェクトピン挿通部
46,52,53が複数形成されている。これらエジェ
クトピン挿通部46,52,53は、後述するエジェク
ト機構35のエジェクトピン47が収容され、上下方向
に沿ってスライドできるようにガイドするものである。
【0042】なお、図2では、エジェクトピン挿通部4
6,52,53は、それぞれ2個,2個,1個だけ表さ
れているが、エジェクトピン挿通部46,52,53
は、それぞれ、図5に示した原板3の成形部分21,ラ
ンナー部6,カル部5に対応するものである。従って、
エジェクトピン挿通部46,52,53は、図2の紙面
に垂直な方向に4列形成されており、エジェクトピン挿
通部46,52,53は、合計でそれぞれ8個,8個,
4個形成されている。
【0043】また、図1を参照して、下型32のコア部
材41の下面には、ガイドピン56が下方に突設されて
いる。ガイドピン56は、図に示すようにエジェクトプ
レート51の係合孔57と係合している。このガイドピ
ン56の機能については、後述する。
【0044】加えて、下型32のフレーム40の下部に
は、上述したエジェクトプレート51の収容空間に連通
するように、連通孔58が形成されている。この連通孔
58は、後述するエジェクト機構35の連接具59が挿
通されるようになっており、連接具59は、連通孔58
に沿って上下に移動できるようになっている。
【0045】(2) ベース部材 次に、ベース部材49は、下型32のフレーム40を固
定している。また、ベース部材49には、プランジャ3
4に連結されたスライダ60をスライドさせるためのガ
イド溝61が形成されている。このガイド溝61は、ベ
ース部材49を上下方向に貫通して形成されている。さ
らに、ベース部材49には、後述するエジェクト機構3
5の連接具59をスライドさせるためのガイド溝62が
形成されている。このガイド溝62は、本実施の形態で
は、連接具59の形状に対応させて略L字状に形成され
ており、これにより、連接具59は、上下方向に沿って
スライド自在となっている。もっとも、ガイド溝62の
形状は、このような略L字状に限らず、連接具59の形
状に対応させて適宜設計変更することができる。また、
ガイド溝62に連通して、付勢部材収容室63が形成さ
れている。この付勢部材収容室63は、後述する付勢部
材としてのばね64を収容するためのものであり、上下
方向にベース部材49を貫通するように形成されてい
る。
【0046】(3) 樹脂供給部 また、樹脂供給部は、図示していないが、公知の樹脂供
給装置を備えており、これにより、成形ごとに所定量の
タブレット樹脂を下型32のポット44に供給するよう
になっている。
【0047】(4) プランジャ 図1を参照して、プランジャ34は、たとえば金属から
なる丸棒状のものにより構成することができ、上述した
プランジャ挿通部45内に収容されている。このプラン
ジャ34には、スライダ60が取り付けられており、こ
れを介して後述するエジェクト機構35側と連結されて
いる。スライダ60とプランジャ34とは、ロックピン
65を用いて締結されており、このロックピン65が上
記ガイド溝61に沿ってスライドするようになってい
る。なお、ロックピン65としては、たとえば6角穴付
き止めねじ等の公知の機械要素を採用することができ
る。
【0048】(5) エジェクト機構 次に、エジェクト機構35について説明する。エジェク
ト機構35は、エジェクトピン47およびエジェクトプ
レート51と、プランジャ34と、連結具59と、これ
らを駆動するための駆動部66と、駆動部66を駆動源
としてプランジャ34をスライドさせるスライド機構6
7と、スライド機構67に設けられ、駆動部66を駆動
源としてエジェクトピン47を駆動させるための係止機
構68とを有している。すなわち、本実施の形態では、
上記プランジャ34は、成形時の樹脂の送り込みと成形
後の原板3の取り出しとの両方を行うようになってい
る。なお、上記駆動部66,スライド機構67および係
止機構68により、エジェクトピン47およびプランジ
ャ34を駆動するための駆動装置(押出部材駆動部)が
構成されている。
【0049】 エジェクトピン・エジェクトプレート
(第1押出部材) エジェクトピン47は、たとえば細長の丸棒状に形成す
ることができる。本実施の形態では、エジェクトピン4
7はエジェクトプレート51に一体的に形成されてお
り、図1に示すように、エジェクトプレート51から上
方に突設されている。本実施の形態では、エジェクトピ
ン47は全部で20本設けられており、上記エジェクト
ピン挿通部46,52,53(図2参照)に挿通されて
いる。
【0050】エジェクトプレート51は、図1に示すよ
うに、たとえば平板により構成することができ、上述し
た収容空間内に上下方向にスライド自在な状態で嵌め込
まれている。エジェクトプレート51には、上下に貫通
する係合孔57が形成されており、これに上記ガイドピ
ン56が嵌まり込むようになっている。このように、下
型32に設けられたガイドピン56と、エジェクトプレ
ート51に形成された係合孔57とが嵌合するので、エ
ジェクトプレート51がスライドした際に、下型32の
コア部材41に対してねじれ等を起こすことなく良好に
スライドすることができる。
【0051】図1に示すように、各エジェクトピン47
は、所定の長さを有しており、型締めされた状態で、下
型32の凹部42を臨む状態となっている。このときの
エジェクトピン47の姿勢を、退避姿勢と定義する。な
お、本実施の形態では、退避姿勢となった場合には、各
エジェクトピン47の先端は、凹部42の内底面から所
定距離(この距離を、便宜上「距離a」という。)だけ
退避した位置になるように設定している。もっとも、こ
の距離aを0とし、各エジェクトピン47の先端と凹部
42の内底面とをいわゆる面一状態とすることもでき
る。
【0052】また、各エジェクトピン47は、エジェク
トプレート51と共に上方にスライドするのであるが、
これにより、下型32の凹部42内に突出するようにな
っている。このときのエジェクトピン47の姿勢を、突
出姿勢と定義する。つまり、各エジェクトピン47は、
退避姿勢と突出姿勢との間で、上下方向に沿って自由に
姿勢変化をすることができるようになっている。
【0053】 連結具 連結具59は、基部69と、連結部70と、押上部71
とを有している。基部69は、丸棒状に形成されてお
り、上記係止機構68と係合し得るようになっている。
なお、本実施の形態では、基部69を丸棒状に形成した
が、他の断面形状に形成することもできる。連結部70
は、基部69に接続されており、略L字状に形成されて
いる。この連結部70は、ベース部材49のガイド溝6
2に嵌め込まれており、図に示すように、ガイド溝62
に沿って上下方向にスライド可能となっている。
【0054】押上部71は、連結部70に接続されてお
り、エジェクトプレート51を押し上げるためのもので
ある。押上部71は、底板72と押上ピン73とを有し
ており、下型32の連通孔58に収容されている。つま
り、この押上部71が上方へスライドすることによっ
て、エジェクトプレート51が上方へ押し上げられ、そ
の結果、エジェクトピン47が退避姿勢から突出姿勢に
姿勢変化するようになっている。また、本実施の形態で
は、図1の状態で、押上部71の底板72の上面と連通
孔58の内面との距離sは、上述した各エジェクトピン
47の先端と凹部42の内底面との距離aと同一の距離
に設定している。
【0055】 付勢部材・位置決めボルト(当接面部
材) また、本実施の形態では、連結具59を下方へ付勢する
ためのばね64および付勢位置の調整を行うための位置
決めボルト74(当接面部材)が設けられている。ばね
64は、公知のコイルばねを採用することができる。ば
ね64は、図に示すようにベース部材49の付勢部材収
容室63に収容されており、連結具59の連結部70の
上面に当接している。また、付勢部材収容室63の内面
には、図示していないがめねじが形成されており、プラ
グ75が上方から所定位置までねじ込まれている。プラ
グ75のねじ込み位置を調整することによって、連結具
59を下方へ付勢する付勢力を調整することができるよ
うになっている。なお、プラグ75は、たとえば6角穴
付きねじ等を採用することができる。
【0056】位置決めボルト74は、6角頭部76と、
当接部77と、軸部78と、ねじ部79とを有してお
り、軸部78が連結具59の連結部70を貫通し、ねじ
部79がベース部材49にねじ込まれて固定されてい
る。軸部78は、連結部70にスライド自在に挿通して
おり、当接部77は、連結部70の下面と当接してい
る。また、位置決めボルト74は、そのねじ込み量を調
整することができるようになっており、これにより、当
接部の位置を上下方向に調整することができるようにな
っている。
【0057】つまり、連結具59は、ばね64により下
方へ弾性付勢されるが、当接部77が連結部70の下面
と当接することにより、連結具59を位置決めするよう
になっており、しかも、位置決めボルト74のねじ込み
量を調整して、連結具59の付勢位置を調整することが
できるようになっている。本実施の形態では、連結部7
0が上下方向に上記距離aだけスライドすることができ
るように、付勢位置を調整している。
【0058】 駆動部 駆動部66は、モータ48と、モータ48の駆動力を伝
達する動力伝達部80とを有しており、これらは、ベー
ス部材50に固定されている。動力伝達部80は、モー
タ48の駆動軸81に取り付けられた駆動プーリ82
と、上記スライド機構67が連結された軸受装置83
と、これらを連結するVベルト84とを有している。軸
受装置83には、被動プーリ85が設けられており、こ
れと駆動プーリ82とにVベルト84が架けられてい
る。なお、モータ48,駆動プーリ82,軸受装置83
およびVベルト84は、公知のものを採用することがで
きるから、これらの詳しい説明は省略する。
【0059】 スライド機構 スライド機構67は、本実施の形態では、公知のボール
ねじ機構を採用しており、ねじ溝86が形成された軸8
7と、ボール(図示せず)を備え、軸87に対して上下
方向にスライドする本体88とを有している。つまり、
スライド機構67は、軸87をスライドベース,本体8
8をスライダとして構成された機構である。
【0060】軸87は、上記軸受装置83に連結されて
おり、モータ48の動力を受けて回転させられる。一
方、本体88は、連結軸89を備えており、これが上記
スライダ60と連結している。つまり、連結軸89およ
びスライダ60を介して、スライド機構67とプランジ
ャ34とが連結されており、モータ48により軸87が
回転されることにより本体88が上下方向に移動し、そ
の結果、プランジャ34が上下方向にスライドされるよ
うになっている。なお、このとき、モータ48の回転ト
ルクは、スライダ60によって受け止められ、いわゆる
共回り現象を回避している。
【0061】 係止機構 係止機構68は、ブラケット90を介してスライド機構
67の本体88と結合されている。具体的には、本実施
の形態では、係止機構68として公知の電磁クラッチ9
1を採用しており、電気信号のON/OFFにより、電
磁クラッチ91の作動/解除が自在に調整することがで
きるようになっている。
【0062】電磁クラッチ91には、図中上下方向に貫
通する貫通孔92が形成されており、この貫通孔92に
連結具59の基部69が挿通されている。なお、基部6
9は、貫通孔92に対して常時スライド自在な状態で挿
通している。そして、電磁クラッチ91が作動すると、
電磁クラッチ91と基部69とが連結され、基部69が
電磁クラッチ91に対して固定されるようになってい
る。つまり、電磁クラッチ91が作動すると、上記モー
タ48の動力を受けて連結具59が上下方向にスライド
されるようになっている。
【0063】2.成形装置の動作および作用効果につい
て 次に、図1ないし図5を参照して、成形装置30による
成形作業について説明する。なお、これらの図におい
て、成形装置30の各部分の動作を明確に説明するため
に、リードフレーム,原板3は図に表していない。
【0064】まず、図3を参照して、上型31を上方へ
移動させて型開きする。このとき、エジェクトピン47
およびエジェクトプレート51は、ばね64により連結
具59が下方へ弾性付勢されることに起因して、当接部
77により規定される位置に配置されている。また、プ
ランジャ34は、モータ48を駆動させて予めポット4
4よりも下方位置に配置しておく。そして、リードフレ
ームを下型32上の所定位置に配置し、型締めを行う。
これにより、リードフレームは、キャビティ36(図2
参照)内にセットされる。
【0065】この状態でポット44内に樹脂を供給し、
上述したヒータにより成形部33の温度を所定温度(本
実施の形態では、約200℃)に設定する。次いで、図
4に示すように、モータ48を駆動してスライド機構6
7を介してプランジャ34を上方へ移動させる。これに
より、ポット44内の樹脂が溶融してキャビティ36に
沿って流し込まれ、リードフレームがモールドされて原
板が形成される。
【0066】なお、このときのプランジャ34の上死点
は、プランジャ34の上面が下型32の凹部42の内底
面と面一状態となる位置に設定することができるが、樹
脂の流し込みによりキャビティ36内の圧力,温度が上
昇しすぎる場合には、さらに手前でプランジャ34を停
止させることもできる。このようなキャビティ36内の
圧力,温度は、公知のセンサを使用することにより容易
に計測することができる。
【0067】次いで、上型31を上昇させて型開きを行
うと共に、モータ48を作動させてプランジャ34を所
定位置まで下降させる。この所定位置とは、図1に示し
た位置であり、図4に示した位置から距離dだけ下降さ
せた位置である。なお、この距離dは、上記距離aと同
一距離に設定する。
【0068】その後、電磁クラッチ91を作動させて、
電磁クラッチ91と基部69とを連結する。そして、モ
ータ48を作動させてスライド機構67の本体88を上
昇させる。このとき、本体88と電磁クラッチ91とは
ブラケット90により連結されているから、本体88と
共に基部69が上昇する。つまり、プランジャ34の上
昇と同時に連結具59が上昇し、エジェクトピン47が
上昇して突出姿勢へと姿勢変化する。しかも、上記距離
aおよび距離dとは同一寸法に設定しているから、図5
に示すように、各エジェクトピン47が下型32の凹部
42内に突出するのと同時にプランジャ34が凹部42
内へ突出し、これら各エジェクトピン47およびプラン
ジャ34によって均一に原板を押し上げることができ
る。以上のようにして、成形後の原板を成形部33から
取り出すことができる。
【0069】次に、本実施の形態に係る成形装置30の
作用効果について説明する。 この成形装置30によれば、原板3を形成した後に
型開きを行い、各エジェクトピン47およびプランジャ
34を同時に姿勢変化させることによって、各エジェク
トピン47により原板3の成形部分21およびランナー
部6を押し上げると同時に、プランジャ34によりカル
部5を押し上げるから、原板3のエジェクト時に原板3
にねじれや曲げ等のダメージを与えることがなく、これ
により、高品質な樹脂成形品(原板3)を得ることがで
きる。
【0070】しかも、各エジェクトピン47およびプラ
ンジャ34は、予め下型32の凹部42を臨む状態で下
型32内に設けているから、各エジェクトピン47およ
びプランジャ34を成形装置30の外部に設備する場合
に比べてきわめてコンパクトに設備することができ、成
形装置30のコンパクト化をも図ることができるという
利点がある。
【0071】また、各エジェクトピン47およびプラン
ジャ34のそれぞれと下型32の凹部42の内底面との
間の距離を同一(距離a=距離d)に設定した後に原板
3の押出作業をするから、各エジェクトピン47および
プランジャ34の凹部42内への押し出しを確実に同期
させることができ、エジェクト時に原板3にダメージを
与えることを確実に防止して、より高品質な樹脂成形品
を得ることができるという利点もある。
【0072】加えて、各エジェクトピン47およびプラ
ンジャ34を単一のモータ48により駆動するから、各
エジェクトピン47およびプランジャ34の姿勢変化の
同期を簡単かつ一層確実に行うことができる。これによ
り、複数の駆動源を用いて各エジェクトピン47および
プランジャ34を別々に駆動してエジェクトした場合に
比べて、各エジェクトピン47およびプランジャ34に
よる原板3の押し上げの時間差または速度差を解消し、
なお一層原板3にダメージを与えることなくエジェクト
することができるという利点もある。
【0073】 原板3のカル部5の押し出しを、樹脂
射出用のプランジャ34を用いて行うから、カル部5を
押し出すための専用部材を別途設ける場合に比べて、エ
ジェクト機構35を全体としてコンパクトに設計するこ
とができる。
【0074】 各エジェクトピン47と係止機構68
とは、電磁クラッチ91および連結具59によりメカ的
に確実に連接されるから、プランジャ34,スライド機
構67,係止機構68および各エジェクトピン47を一
体化し、各エジェクトピン47およびプランジャ34の
精度の高い同時姿勢変化が可能である。従って、エジェ
クト時に原板3にダメージを与えることを確実に防止
し、より高品質な樹脂成形品を得ることができる。
【0075】 ばね64により連接具59を弾性付勢
することにより、通常の状態において、エジェクトピン
47を退避姿勢としておくことができる。従って、型締
め時において、エジェクトピン47がキャビティ36内
に突出することを防止することができ、また、原板3の
エジェクト後に、確実にエジェクトピン47を退避姿勢
に姿勢変化させることができる。これにより、成形品と
しての原板3に不良品が出るのを防止することができる
という利点がある。しかも、ばね64により連接具59
を弾性付勢することにより、型締め時に各エジェクトピ
ン47がキャビティ36内に突出してしまうことによる
金型31,32の損傷等を防止することもできる。
【0076】加えて、位置決めボルト74の当接部77
が連接具59に当接することにより、弾性付勢された連
接具59の付勢位置を調整することができ、繰り返して
成形作業をする場合でも、エジェクトピン47の各姿勢
での精度の高い位置決めを実現することができる。その
結果、エジェクトピン47およびプランジャ34が同時
に姿勢変化する場合に、これらが同時に原板3に当接で
きるように、容易に調整することができ、エジェクト時
に原板3に与える悪影響を一層確実に防止できるという
利点がある。
【0077】
【発明の効果】請求項1に係る発明によれば、成形作業
後、第1の押出部材によりモールド成形品の少なくとも
モールド部を押し出すと同時に、第2の押出部材により
付属部を押し出すことができるから、成形品のエジェク
ト時に成形品にねじれや曲げ等のダメージを与えること
がなく、その結果、高品質な樹脂成形品を得ることがで
きる。
【0078】請求項2に係る発明によれば、請求項1に
係る発明と同様の効果を奏する。加えて、成形品の付属
部の押し出しを樹脂射出用の射出部材により行うから、
付属部の押出用の専用部材を別途設ける必要がなく、成
形品の取出作業をより簡単に行うことができる。
【0079】請求項3に係る発明によれば、請求項1ま
たは2に係る発明と同様の効果を奏する。加えて、第1
の押出部材および第2の押出部材による成形品の押出作
業を同期させるために単一の駆動源を用いるから、両押
出部材の同期を簡単に行うことができ、成形品の取出作
業を一層簡単に行うことができる。
【0080】請求項4に係る発明によれば、請求項2ま
たは3に係る発明と同様の効果を奏する。加えて、本請
求項に係る発明では、第1および第2の押出部材をコン
パクトに設備することができるという利点がある。ま
た、両押出部材を金型の凹部を臨む状態に配置し、しか
も、両押出部材の金型の凹部内底面との間の距離を同一
に設定することにより、成形品の押出作業をする際に、
両押出部材による押出動作を確実に同期させることがで
きることから、成形品のエジェクト時に成形品にダメー
ジを与えることを確実に防止して、より高品質な樹脂成
形品を得ることができる。
【0081】請求項5に係る発明によれば、成形作業
後、押出部材駆動部を駆動させることにより、第1の押
出部材および第2の押出部材が同時に姿勢変化し、第1
の押出部材が少なくとも成形品のモールド部を押し出す
と同時に、第2押出部材が成形品の付属部を押し出す。
これにより、成形品のエジェクト時に成形品にねじれや
曲げ等のダメージを与えることがなく、その結果、高品
質な樹脂成形品を得ることができる。しかも、両押出部
材を予め金型の凹部を臨むように金型側にコンパクトに
設けているから、エジェクト機構全体を簡単かつコンパ
クトに設計することができるという利点がある。
【0082】請求項6に係る発明によれば、請求項5に
係る発明と同様の効果を奏する。加えて、成形品の付属
部の押し出しを樹脂射出用の射出部材により行うから、
付属部の押出用の専用部材を別途設ける必要がなく、エ
ジェクト機構全体を一層簡単かつコンパクトに設計する
ことができる。
【0083】請求項7に係る発明によれば、請求項5ま
たは6に係る発明と同様の効果を奏する。特に、本請求
項に係る発明では、スライド機構および係止機構を作動
させることにより、所要時に、第2の押出部材,スライ
ド機構,係止機構および第1の押出部材を一体化してス
ライドさせ、第1の押出部材および第2の押出部材を同
時に姿勢変化させることができる。従って、成形品のエ
ジェクト時に成形品にねじれや曲げ等のダメージを与え
ることがなく、その結果、高品質な樹脂成形品を得るこ
とができる。
【0084】請求項8に係る発明によれば、請求項7に
係る発明と同様の効果を奏する。加えて、第1の押出部
材と係止機構とを機械的に確実にロック状態とすること
ができるから、第2の押出部材,スライド機構,係止機
構および第1の押出部材を確実に一体化でき、これによ
り、第1の押出部材および第2の押出部材の確実な同時
姿勢変化が可能である。その結果、成形品のエジェクト
時に成形品にダメージを与えることを確実に防止し、よ
り高品質な樹脂成形品を得ることができる。
【0085】請求項9に係る発明によれば、請求項8に
係る発明と同様の効果を奏する。加えて、付勢部材によ
り連接具を弾性付勢することにより、型締め時におい
て、第1の押出部材がキャビティ内に突出することを確
実に防止することができることにより、型締め時に第1
の押出部材がキャビティ内に突出してしまうことによる
金型の損傷等を防止することができる。
【0086】請求項10に係る発明によれば、請求項9
に係る発明と同様の効果を奏する。加えて、当接面部材
を連接具に当接させることにより、連接具の付勢位置を
調整して第1の押出部材の各姿勢での位置決めをするこ
とができる。これにより、第1および第2の押出部材が
同時に姿勢変化する場合に、両押出部材が同時に成形品
に当接できるように、容易に調整することができ、その
結果、成形品のエジェクト時に成形品にねじれや曲げ等
のが生じるのをより一層確実に防止でき、一層高品質な
樹脂成形品を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る成形装置の一部断
面正面図である。
【図2】成形部の要部拡大断面図である。
【図3】型開きした状態の成形装置の一部断面正面図で
ある。
【図4】型締めして成形作業を行う状態の成形装置の一
部断面正面図である。
【図5】成形後に型開きし、原板のエジェクト作業をす
る状態の成形装置の一部断面正面図である。
【図6】原板の斜視図であり、(a) 図は表側から見た斜
視図であり、(b) 図は裏側から見た斜視図である。
【図7】従来の成形装置の一部断面正面図である。
【図8】従来の成形装置において、エジェクト機構を説
明するための模式図である。
【符号の説明】
30 成形装置 31 上型 32 下型 33 成形部 34 プランジャ 35 エジェクト機構 36 キャビティ 48 モータ 51 エジェクトプレート 59 連結具 64 ばね 66 駆動部 67 スライド機構 68 係止機構 74 位置決めボルト 91 電気クラッチ

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一対の金型にそれぞれ設けられた凹部に
    より形成されるキャビティ内に被モールド部材を配置し
    た状態で樹脂を射出することによって、当該樹脂により
    モールドされたモールド部およびモールド部に連続した
    当該樹脂からなる付属部とを有するモールド成形品を形
    成した後、当該成形品を離型させる成形品のエジェクト
    方法であって、 上記射出成形後に型開きし、 一方の金型側から当該一方の金型に設けられた凹部内に
    第1の押出部材を突出させることにより少なくとも上記
    モールド部を押し出すと共に、 第1の押出部材の押出動作に同期させて第2の押出部材
    を上記一方の金型に設けられた凹部内に突出させること
    により上記付属部を押し出すことを特徴とする成形品の
    エジェクト方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の成形品のエジェクト方法
    において、 第2の押出部材による上記付属部の押し出しは、樹脂を
    射出する際に用いる射出部材を用いて行うことを特徴と
    する成形品のエジェクト方法。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載の成形品のエジェ
    クト方法において、 単一の駆動源によって上記第1の押出部材および第2の
    押出部材を駆動することを特徴とする成形品のエジェク
    ト方法。
  4. 【請求項4】 請求項2または3記載の成形品のエジェ
    クト方法において、 第1の押出部材および第2の押出部材を予め上記一方の
    金型に設けられた凹部を臨む状態に配置し、且つ第1の
    押出部材と当該凹部内底面との間の距離と、第2の押出
    部材と当該凹部内底面との間の距離とを同一に設定した
    後、両押出部材を当該凹部内に突出させることを特徴と
    する成形品のエジェクト方法。
  5. 【請求項5】 型締め/型開きが自在な一対の金型にそ
    れぞれ設けられた凹部により形成されるキャビティ内に
    被モールド部材を配置した状態で樹脂を射出することに
    よって、当該樹脂によりモールドされたモールド部およ
    びモールド部に連続した当該樹脂からなる付属部とを有
    するモールド成形品を成形する装置に適用される成形品
    のエジェクト機構であって、 一方の金型側に設けられ、一方の金型の凹部内底面から
    当該凹部内に突出して少なくとも上記モールド部に当接
    し得る姿勢と、当該凹部内から退避して当該凹部を臨む
    姿勢との間で姿勢変化可能な第1の押出部材と、 一方の金型側に設けられ、一方の金型の凹部内底面から
    当該凹部内に突出して上記付属部に当接し得る姿勢と、
    当該凹部内から退避して当該凹部を臨む姿勢との間で姿
    勢変化可能な第2の押出部材と、 両押出部材を同時に姿勢変化させて上記モールド成形品
    に同時に当接させる押出部材駆動部とを有することを特
    徴とする成形品のエジェクト機構。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の成形品のエジェクト機構
    において、 第2の押出部材は、樹脂を射出する際に用いる射出部材
    により構成されていることを特徴とする成形品のエジェ
    クト機構。
  7. 【請求項7】 請求項5または6記載の成形品のエジェ
    クト機構において、押出部材駆動部は、 第2の押出部材に連結され、第2の押出部材の姿勢変化
    方向に沿って第2の押出部材をスライドさせるスライド
    機構と、 スライド機構に取り付けられ、所要時に第1の押出部材
    側に係止して第2の押出部材と共に第1の押出部材を姿
    勢変化させ得る係止機構とを有することを特徴とする成
    形品のエジェクト機構。
  8. 【請求項8】 請求項7記載の成形品のエジェクト機構
    において、 係止機構は、 第1の押出部材と機械的に連接され、第1の押出部材の
    姿勢変化方向に沿ってスライド可能に設けられた連接具
    を有していることを特徴とする成形品のエジェクト機
    構。
  9. 【請求項9】 請求項8記載の成形品のエジェクト機構
    において、 第1の押出部材が退避姿勢となる方向に連接具を弾性的
    に付勢する付勢部材がさらに設けられていることを特徴
    とする成形品のエジェクト機構。
  10. 【請求項10】 請求項9記載の成形品のエジェクト機
    構において、 連接具に当接することにより連接具の付勢位置を調整す
    る当接面部材がさらに設けられていることを特徴とする
    成形品のエジェクト機構。
JP10084092A 1998-03-30 1998-03-30 成形品のエジェクト方法および機構 Pending JPH11277588A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10084092A JPH11277588A (ja) 1998-03-30 1998-03-30 成形品のエジェクト方法および機構

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10084092A JPH11277588A (ja) 1998-03-30 1998-03-30 成形品のエジェクト方法および機構

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH11277588A true JPH11277588A (ja) 1999-10-12

Family

ID=13820876

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10084092A Pending JPH11277588A (ja) 1998-03-30 1998-03-30 成形品のエジェクト方法および機構

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH11277588A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2020105208A1 (ja) * 2018-11-20 2020-05-28 Towa株式会社 樹脂成形装置および樹脂成形品の製造方法
KR20210080487A (ko) * 2018-11-21 2021-06-30 토와 가부시기가이샤 트랜스퍼 구동 기구, 수지 성형 장치 및 수지 성형품의 제조 방법

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2020105208A1 (ja) * 2018-11-20 2020-05-28 Towa株式会社 樹脂成形装置および樹脂成形品の製造方法
CN112996644A (zh) * 2018-11-20 2021-06-18 东和株式会社 树脂成形装置及树脂成形品的制造方法
KR20210080486A (ko) 2018-11-20 2021-06-30 토와 가부시기가이샤 수지 성형 장치 및 수지 성형품의 제조 방법
CN112996644B (zh) * 2018-11-20 2023-01-03 东和株式会社 树脂成形装置及树脂成形品的制造方法
KR20210080487A (ko) * 2018-11-21 2021-06-30 토와 가부시기가이샤 트랜스퍼 구동 기구, 수지 성형 장치 및 수지 성형품의 제조 방법

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7156649B2 (en) Mold for injection molding and a method of operating a mold
JP3164511B2 (ja) 成形用金型
KR20150082005A (ko) 프레스 및 사출 복합 성형장치 및 복합 성형방법
JPH11277588A (ja) 成形品のエジェクト方法および機構
JP3828282B2 (ja) 射出成形金型、その金型を用いた射出成形方法及び射出成形装置
CN115609849A (zh) 一种埋入件高精密注塑模具
CN210966983U (zh) 咖啡机用刺刀模具
CN210477639U (zh) 倒扣产品模具
JP3947607B2 (ja) トランスファモールド装置
CN107901360B (zh) 一种具有延时功能的自动顶出装置及具有其的模具
CN217395570U (zh) 一种提升使用强度的模具
JP2003311791A (ja) 射出成形金型
CN220429147U (zh) 一种注塑机自动脱模模具
JP2009039908A (ja) 射出成形装置
CN219727027U (zh) 一种三型腔注塑模具
JP3250897B2 (ja) 嵌合プラスチック成形品の成形連結方法及びその金型装置
CN220763350U (zh) 一种出模装置
CN217573865U (zh) 一种用于生产b柱饰板的旋转模具
JP3215949B2 (ja) 微細な長孔を有する射出成形品の製造装置
JP3144714B2 (ja) トランスファモールド装置
JPH08267467A (ja) 金型装置および成形方法
CN210362293U (zh) 一种注塑模具的内置顶针抽芯结构
JP2001150497A (ja) 射出成形金型
JP2002052569A (ja) 微細な長孔を有する射出成形品の製造方法
CN107914361B (zh) 一种3d导电件制作模具及其制作方法

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees