JPH11276178A - サテライトrna、キユウリモザイクウイルス弱毒ウイルス、キユウリモザイクウイルスの防除法およびキユウリモザイクウイルス抵抗性植物 - Google Patents

サテライトrna、キユウリモザイクウイルス弱毒ウイルス、キユウリモザイクウイルスの防除法およびキユウリモザイクウイルス抵抗性植物

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JPH11276178A
JPH11276178A JP10101725A JP10172598A JPH11276178A JP H11276178 A JPH11276178 A JP H11276178A JP 10101725 A JP10101725 A JP 10101725A JP 10172598 A JP10172598 A JP 10172598A JP H11276178 A JPH11276178 A JP H11276178A
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Katsumi Yuasa
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】弱毒ウイルス利用によるキウリモザイクウイル
ス病の防除法およびキユウリモザイクウイルス抵抗性植
物を得る。 【解決手段】下記配列の塩基配列を含むサテライトRN
A、同RNAを含むキユウリモザイクウイルス弱毒ウイ
ルス、該キユウリモザイクウイルス弱毒ウイルスを植物
に接種するキユウリモザイクウイルスの防除法、該キユ
ウリモザイクウイルス弱毒ウイルスを植物に接種して得
られるキユウリモザイクウイルス抵抗性植物、該キユウ
リモザイクウイルス抵抗性植物の一部を組織培養するこ
とにより得られるキユウリモザイクウイルス抵抗性植
物、該キユウリモザイクウイルス抵抗性植物の一部を栄
養繁殖することにより得られるキユウリモザイクウイル
ス抵抗性植物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、多くの作物に接種
してもその防除効果を奏し、また継代接種しても強毒ウ
イルスとして変異しない、そしてピーマンなどに接種し
た場合においても、ウイルス症状が極めて弱い性質を有
するサテライトRNA、を含むキユウリモザイクウイル
ス弱毒ウイルス、該弱毒ウイルスを用いるキユウリモザ
イクウイルスの防除法およびキユウリモザイクウイルス
抵抗性植物に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、植物には既に感染しているウイ
ルス病と同じウイルスまたは極めて近縁なウイルスには
感染しにくいという現象(干渉作用)があるので、植物
に容易に感染して、その体内で盛んに増殖しても植物そ
のものの生育にほとんど影響を及ぼさない程度の弱い病
原性のウイルス(以下、弱毒ウイルスという)を、無病
の植物にあらかじめ感染させると強毒ウイルスの感染や
被害を防ぐこと(以下、防除という)が可能となる。
【0003】従来、この現象を利用したキユウリモザイ
クウイルス(以下、CMVということがある)の防除法
が知られているが、従来知られている弱毒ウイルスは、
非常に少ない植物に対してのみ、その防除効果を奏する
ものであり、対象としない植物に対しては反対にキユウ
リモザイクウイルス症による病害をもたらすという欠点
を有する。従って、圃場などにおいて適用する場合、対
象としない植物に感染してモザイク、糸葉、黄化、矮
化、えそなどの病害がでる影響を考慮し、隔離した状態
での栽培を余儀なくされる欠点を有する。また、一般に
弱毒ウイルスは、常に変異を起こす可能性があり、継代
接種や圃場での利用の過程で、突然変異などによって強
毒ウイルスに変化して、対象作物などに病害が生じる危
険性を有する。そのため作出した弱毒ウイルスは、継代
接種してウイルス症状の変化を調べることが、非常に重
要であるが、その操作に労力と時間を要する欠点を有す
る。
【0004】一方、ピーマンもCMVに感染すると、葉
は明瞭なモザイク症状となり、株は萎縮し、果実は硬化
し変形する。特に近年、風味、歯応えが良好で、赤色、
黄色などの色が鮮やかで、艶があり、形がよく、大き
い、カラーピーマンの需要が伸びているが、このカラー
ピーマンも、CMVに対する防除が難しく、またこのウ
イルスに効果的な防除薬はなく、一度感染し発病すれ
ば、症状は回復せず、品質が劣化し、収量が低下する。
しかしながら、ピーマンに発生するCMVを特に対象に
した弱毒ウイルスについては、これまでのところ知られ
ていないため、従来公知のナス科およびウリ科作物を対
象に作出された弱毒ウイルスを取り寄せ、ピーマンでの
適応性を検討し、利用しているにすぎない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、多くの作物
に接種してもその防除効果を奏し、また継代接種しても
強毒ウイルスとして変異しない、そしてピーマンなどに
接種した場合においても、ウイルス症状が極めて弱い性
質を有するサテライトRNA、を保有するキユウリモザ
イクウイルス弱毒ウイルス、該弱毒ウイルスを用いるキ
ユウリモザイクウイルスの防除法およびキユウリモザイ
クウイルス抵抗性植物を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、このよう
な課題を解決するため、種々検討を重ねた結果、自然界
より得たウイルス症状の軽微なCMVのなかから、上記
課題を解消するサテライトRNAの選抜を重ねた結果、
多種の作物に感染してもウイルス症状が極めて軽微であ
って、その弱毒ウイルスを対象作物の苗に接種しておく
ことにより一般栽培圃場において多種、多様の強毒CM
Vに対して防除効果を有し、また植物に継代接種しても
変異せず症状が安定して、農薬散布等の環境汚染の問題
がなく安全で、直ちに実用化できるサテライトRNAを
探索することに成功し、これに基づいて本発明を完成し
た。
【0007】即ち(1)本発明は、配列番号1の塩基配
列を含むサテライトRNAを含むキユウリモザイクウイ
ルス弱毒ウイルスであり、(2)また本発明は、配列番
号1の塩基配列を含むサテライトRNAを含むキユウリ
モザイクウイルス弱毒ウイルスであり、(3)また本発
明は、上記キユウリモザイクウイルス弱毒ウイルスを植
物に接種することを特徴とするキユウリモザイクウイル
スの防除法であり、(4)また本発明は、上記キユウリ
モザイクウイルス弱毒ウイルスを接種して得られるキユ
ウリモザイクウイルス抵抗性植物であり、(5)また本
発明は、上記キユウリモザイクウイルス弱毒ウイルスを
接種して得られるキユウリモザイクウイルス抵抗性植物
の一部を組織培養して得られるキユウリモザイクウイル
ス抵抗性植物であり、(6)また本発明は上記キユウリ
モザイクウイルス弱毒ウイルスを接種して得られるキユ
ウリモザイクウイルス抵抗性植物の一部を栄養繁殖して
得られるキユウリモザイクウイルス抵抗性植物である。
【0008】以下、本発明を詳細に説明する。 (1)キユウリモザイクウイルス弱毒ウイルスの採取と
作出 1988年に関東から甲信越にかけて50か所の圃場よ
り、ナス科、ウリ科、キク科、アブラナ科などの植物か
らウイルス症状の葉を300枚採集し、これらの葉に1
0倍量のリン酸緩衝液(中性付近の0.1Mリン酸緩衝
液)を加えて磨砕しその液をトマト(日本デルモンテ社
製TMK143)に接種して一週間後、各々のエライザ
−検定を行った結果、144系統についてCMVの感染
を確認した。これらの中から弱毒ウイルスを選抜すべ
く、144系統のトマトの感染葉をそれぞれトマト(T
MK143)10株ずつに接種し、一週間後、リボ核酸
(RNA)分析を行った結果、サテライトRNAを有す
るCMVが11系統から検出された。その後それらにつ
いてウイルス症状調査を行い、ネクロシス、モザイクが
発病した系統や感染力を有しない系統を取り除き、ウイ
ルス症状が軽微でウイルス増殖量の多い弱毒ウイルスを
選抜した。この選抜した弱毒ウイルスは遺伝的に均一で
なく、ウイルス症状が異なったので、トマト500株に
このウイルスを接種し、弱いウイルス症状が揃っている
株だけを選抜し、さらにサテライトRNAの存在が継続
されている株だけを採集して、ウイルス接種液の調製を
行い、再度トマトに接種し、同じ選抜操作をしてウイル
ス接種液の調製する作業を5回繰り返し、トマトで継代
接種を行ってサテライトRNAを安定して含む弱毒ウイ
ルス(NDM−3)を作出した。
【0009】(2)サテライトRNAの単離 サテライトRNAを含む弱毒ウイルス(NDM−3)を
トマトの子葉に接種、感染させ、1〜4週間程度ウイル
スを増殖させた後、トマト子葉を採取し超低温にて凍結
した。この感染葉を粉砕し、2倍量の 0.1%チオグ
リコ−ル酸を含む 0.5Mクエン酸緩衝液(pH6.
5)と同量のクロロホルムを加え、ワ−リングブレンダ
−で破砕した。この破砕液を9,500Xg、10分間
遠心し、上層(水層)の10%に当たる重量のポリエチ
レングリコ−ルを加え溶解させた後、40分間静置し
た。この溶液を9,500Xg、20分間遠心し、得ら
れた沈殿に2%トライトンX−100を含む0.05M
クエン酸緩衝液(pH7.0) を加え懸濁均一化し
た。この粗精製品を12,000Xgで遠心分離した上
清を240,000Xg、45分間遠心し、沈殿を回収
した後 10mMリン酸緩衝液(pH7.0) に懸濁し
た。この溶液に最終濃度で1%になるように10% S
DSを加え、さらに溶液と等量のフェノ−ルを加えた後
12,000Xg、15分間遠心した。この上層(水
層)を回収し常法に従ってエタノ−ル沈殿を繰り返して
RNAを単離、精製した。この方法で感染葉100gよ
り約100μgのRNAを得た。上記の方法で得られた
RNAを水に溶解し、10〜40%ショ糖密度勾配によ
り超遠心分離(175,000Xg,16時間)して得
られたサテ ライトRNAのバンドを採取し、常法に従
ってエタノ−ル沈殿を繰り返してサテライトRNAを単
離精製した。精製が不十分な場合は6M尿素を含む9%
ポリアクリルアミドゲル電気泳動を行なった後、臭化エ
チジウムの溶液で染色し、サテライトRNAのバンドの
部分をカミソリ等で切り取った。サテライトRNAのバ
ンドを含むゲル断片を透析チュ−ブに入れEDTAを含
むトリス−酢酸緩衝液中で電気泳動による溶出を行なっ
てサテライトRNAを回収した後、常法に従ってエタノ
−ル沈殿を繰り返してサテライトRNAを単離精製し
た。この電気泳動によるサテライトRNAの溶出の詳細
はT.Maniatisらの方法[Molecular
Cloning(1982)]に従って行なった。
【0010】(3)サテライトRNAのクロ−ニングと
シ−クエンス 単離精製したサテライトRNAからマイナス鎖(以下−
鎖と表記する)cDNAを合成するために、サテライト
RNA(約3μg)と3´末端塩基配列に相補的なDN
Aプライマー(8塩基、1μg)を95℃に加熱した
後、徐冷してRNAとDNAプライマ−をアニ−リング
させた。−鎖cDNA合成反応は以下の緩衝液中で1.
5時間、42℃に放置することによって行なった。[c
DNA合成反応液;50mM Tris−HCl 、1
0mM MgCl2 、140mMKCl、30mM β
−mercapto−ethanol,500μM d
NTP 、50μCi[α−32P]dCTP、150un
its RNasin(Promega)、105un
its AMV reversetranscripta
se(Life Sciences)]。−鎖cDNA
合成反応はFirst−strand cDNA Sy
nthesis Kit(Pharmacia Bio
tech) を用いて行った。次に、得られたcDNA
をPCR法によって増幅させた。すなわち、プラス鎖サ
テライトRNAの5´末端に相同的なDNAプライマ−
と3´末端塩基配列に相補的なDNAプライマーを用
い、94℃1分間、37℃1分間、72℃2分間の反応
を45回繰り返すことによってPCR反応を行った。 [PCR反応液;10mM Tris−HCl、1.5
mM MgCl2 、50mM KCl、100μM d
NTP、5units Taq DNA polyme
rase(Boehringer Mannhei
m)] このcDNAを1.5%アガロースゲル電気泳動によっ
て分離させた後、ゲルより切り出し、DNA回収キット
GENEPURE(ニッポンジーン)を用いて精製し
た。得られたcDNAをT−Aクローニング用ベクター
pCR2.1(Invitrogen)に導入した。こ
のプラスミドを制限酵素EcoRIで切断することによ
ってサテライトRNA由来のcDNAの存在を確認し
た。
【0011】このサテライトRNAの塩基配列をThe
rmo Sequenase Cycle Seque
ncing Kit(Amersham社製)とDNA
シーケンサDSQ−1000L(島津製作所製)を用い
て決定し、339塩基から成る塩基配列を配列番号1に
示した。この配列番号1に示すサテライトRNAの塩基
配列に相同的な塩基配列を有するプラスミドを大腸菌に
導入し、大腸菌(E.coli)JM109(pNDM
3A)FERM P−16701として工業技術院生命
工学技術研究所に寄託した。
【0012】配列表 1.配列番号:1 (1)配列の長さ:339 (2)配列の型:核酸 (3)鎖の数:一本鎖 (4)トポロジー: (5)配列の種類:サテライトRNA (6)起源 (a)生物名:キユウリ・モザイク・ウイルス(Cuc
umber mosaic virus) (b)株名:CMV NDM−3株 (7)配列: GUUUUGUUUG UUAGAGAAUU GCGUAGAGGG GUUAUAUUUA 40 CGUAAGGAUC UAUCACUCGG CGGUGUGGGU UACCUCCCUG 80 CUACGGCGGG UUGAGUUGAC GCGCCUCGGA CUGGGGACCG 120 CUGGCUUGCG AGCUAUGUCC GCUACUCUCA GCACCACGCA 160 CUCAUUUGAG CCCCCGCUCA GUUUGCUAGC AAAACCCGGC 200 CCGUGGUUUG CCGUUACCGC GGAAAUUUCG AAAGAAACAC 240 UCUGUAAGGU GGUAUCAGUG AUGACGCACG CAGGGAGAAG 280 CUAAAACCUA UAAGGUCAUG CCGAUCUCCG UGAAUGUCUA 320 ACAUUCCAUU ACAGGACCC 339
【0013】(4)弱毒ウイルス(NDM−3)の接種
源作成 弱毒ウイルス(NDM−3)に感染したトマト葉1gに
緩衝液(中性付近の0.1Mリン酸緩衝液)を加えた磨
砕液10mlをトマト100株の子葉または本葉に接種
し、1〜2週間程度ウイルスを増殖させたのち、トマト
感染葉150gを採取し、超低温−80℃で凍結した。
この感染葉を粉砕した後、0.1%チオグリコ−ル酸を
含む0.5Mクエン酸緩衝液(PH6.5)300ml
と同量のクロロホルムを加え、ワ−リングブレンダ−で
磨砕し、CMV粒子を含む磨砕液を得た。この磨砕液を
2,000 Xg、10分間遠心し、上層(水層)12
0mlを回収し、それに10重量%の粉末ポリエチレン
グリコ−ル12gを加え溶解させた後、40分静置し
て、析出させ、沈殿し易くした。この溶液を9,500
Xg、20分間遠心し、得られた沈殿(CMV粒子)
を回収し、これに2%トライトンX−100を含む0.
05Mクエン酸緩衝液(PH7.0)を洗浄のため加え
溶解した。これを12,000Xgで遠心分離し、CM
V粒子を含む上澄を分取して、これを240,000X
g、45分間遠心し、得られた沈殿を10mMリン酸緩
衝液に懸濁して、弱毒ウイルス(NDM−3)のCMV
粒子を約10mg抽出し、接種源を得た。
【0014】弱毒ウイルスを接種する時期は、目的とす
る植物の生育中の適宜な時期でよいが、植物の幼苗の時
期が好ましい。
【0015】キユウリモザイク弱毒ウイルスの接種の方
法は、純化した弱毒ウイルスの粒子を50〜500μg
/mlになるように燐酸緩衝液に懸濁し、公知の方法に
より接種すればよく、例えば、噴霧ローラー法(特開平
4−330005号参照)で行なうことが好ましい。す
なわち、植物体の表面に弱毒ウイルスと研磨材を介在さ
せて、ローラーを圧接回転せしめ、該植物体を被傷せし
めると共に該弱毒ウイルスの接種を行なう方法または、
目的とする植物体の表面に、研磨材の散布と弱毒ウイル
ス懸濁液の噴霧を行い、その上からローラーを接触回転
させる方法で行うことが好ましい。この方法は、少量の
弱毒ウイルス液で、迅速、簡便、かつ高い感染率で接種
することができる特徴を有する。
【0016】こうして、植物体に弱毒ウイルスを接種す
ると、容易に弱毒ウイルスが全身に感染した植物苗が得
られる。したがって、この植物体を適当な大きさに切断
したあと、挿し木し、通常の育苗管理をすると、容易に
弱毒ウイルスが全身に感染した植物苗が得られる。
【0017】また、この植物体を適当な大きさに切断し
たあと、これを穂木として、弱毒ウイルスの接種してい
ない他の台木に接ぎ木し、通常の育苗管理をすると、台
木に弱毒ウイルスが移行し、容易に弱毒ウイルスが全身
に感染した植物体が得られる。
【0018】さらにまた、この植物体からその一部(例
えば側芽)を採り、消毒した後、植物ホルモンを適宜の
濃度で含有する寒天培地に挿し芽し、外界と隔離された
室内で、至適な温度、照度条件下で育成し、幼苗(例え
ば本葉の十分展開した幼苗)を得、この葉片を適当な大
きさに切断したあと、植物ホルモンを適宜の濃度で含有
する寒天培地に2〜4回移植し、通常の植物体の組織培
養法と同様に操作して、葉片から直接誘導させた不定芽
から個体の再生を行い弱毒ウイルス保毒苗を大量に得る
ことができる(例えば「今月の農業 2月号(199
2)」102〜105頁、弱毒ウイルス感染作物の組織
培養不定芽誘導法による弱毒ウイルス保毒トマトの増殖
方法参照)。また植物体からその一部を採り、植物ホル
モンを適宜の濃度で含有する寒天培地に2〜4回移植
し、カルスから誘導させた不定芽から個体の再生を行
い、弱毒ウイルス苗を大量に得ることができる。
【0019】
【実施例】以下実施例を示して本発明をより具体的に説
明する。 実施例1 弱毒ウイルス(NDM−3)の安定性 外界から隔離されてあるガラス温室において、弱毒ウイ
ルス(NDM−3)のウイルス粒子を50〜500μg
/mlの接種濃度にし、トマト(品種はTMK143)
において、子葉または本葉に接種し、5世代以上にわた
って継代接種して本葉6〜8枚期までウイルス症状が現
れるか否か調べた結果、ウイルス症状はまったく発生せ
ず、変異によってえそやモザイク症状が発生しない安定
している弱毒ウイルス(NDM−3)であることが分か
った。
【0020】実施例2 弱毒ウイルス(NDM−3)の多種作物に対する影響 外界から隔離されてあるガラス温室において、ナス、マ
メ、ヒユ、ウリ、アカザ、アブラナ、キク科などの作物
の種子を播種し、発芽して10〜20日後それぞれの作
物の幼苗に弱毒ウイルス(NDM−3)、公知の弱毒ウ
イルス(NDM−1)(植物防疫、1996、1 VO
L50 第23頁参照)および外界から得た強毒ウイル
ス(CM85−3)のCMV粒子を400μg/mlの
接種濃度で5〜10株ずつ接種し、同時に無接種株も5
〜10株ずつ設けて、それぞれの作物のウイルス症状を
接種後一ケ月以上にわたって調査した。無接種には全く
ウイルス症状が現れなかったので調査結果を示さない
が、弱毒ウイルス(NDM−3)接種株、公知弱毒ウイ
ルス(NDM−1)接種株および強毒CMV(CM85
−3)接種株についてウイルス症状結果を表1に示し
た。
【0021】 表1 弱毒ウイルス(NDM−3)の感染が多種作物に及ぼす影響 本 発 明 比 較 例 対 照 弱毒ウイルス 弱毒ウイルス 強毒CMV (NDM−3) (NDM−1) (CM85−3) 接種葉 上葉 接種葉 上葉 接種葉 上葉 植物名 品種名 a) b) a) b) a) b) a) b) a) b) a) b) 1)ナス科 トマト TMK143 0 + 0 + 0 + m + 0 + M,St + ミニキャロル 0 + 0 + 0 + m + 0 + M,St + 桃太郎8 0 + 0 + 0 + m + 0 + M,St + タバコ キサンチnc 0 + 0 + 0 + m + 0 + M,St + ホワイトバレー 0 + 0 + 0 + 0,m + 0 + M,St + 白遠州 0 + 0 + 0 + 0,m + 0 + M,St + ナス 千両2号 0 + 0 + 0 + m + 0 + M + ピーマン(緑) 栄光 0 c,s + 0 − CS,m+ 0 M,St + 京ゆたか 0 c,s + 0 − CS + 0 M,St + 土佐かつら 0 c,s + 0 − CS + 0 M,St + ピーマン(カラー) ワンダーベル 0 c,s + 0 − CS,m+ 0 M,St + ゴールデンサマー 0 c,s + 0 − CS,m+ 0 M,St + 2)マメ科 ササゲ 黒種3尺 L + 0 − L + 0 − L + 0 − インゲンマメ ケンタッキーワンダー0 − 0 − 0 − 0 − 0 − 0 − トップクロップ 0 − 0 − 0 − 0 − 0 − 0 − 大手芒 L + 0 − L + 0 − L + 0 − ソラマメ 早生蚕豆 L + 0 − L + 0 − L + 0 − 3)ヒユ科 千日紅 0 + 0 + 0 + 0 + 0 + s,S + 4)ウリ科 キュウリ 新北星3号 0 + 0 + 0 + 0 + 0 + 0,cs + つや太郎 0 + 0,c + 0 + c,C + メロン アムス 0 + 0,cs+ 0 + CS + 0 + M,St + プリンス 0 + 0,c + 0 + M,S + カボチャ えびす 0 + 0 − 0 + 0,m + CS + M,St + 栗えびす 0 + 0 + 0 + 0 + 0,Y + 0,M,R + みやこ 0 + 0 + y + M,R + 5)アカザ科 ホウレンソウ おかめ 0 + 0 + 0 + 0 + 0,y + m,M,St+ トライ 0 + 0 + 0 + 0 + 0 + m,M,N + シロザ ケノポデウムキノア L + 0 − L + 0 − L + 0 − アカザ ケノポデウムアマランチカラ L + 0 − L + 0 − L + 0 − 6)アブラナ科 野沢菜 0 + 0 + 0 + 0 − 0 + m,M + 大根 夏さかり 0 − 0 − 0 − 0 − 0 + 0 + 7)キク科 レタス グリ−ンレ−ク 0 + 0 + 0 + 0 + 0,y + M,S + 百日草 ユーラルビューティ 0 + 0 + 0 + 0 + 0 + m,MS + a)病徴:0無病徴、cs弱いクロロシス、CSクロロ
シス、m弱いモザイク、Mモザイク、y弱い黄化、Y黄
化、stやや矮化、St矮化、R縮葉、N壊死、L局部
斑点 b)戻し接種:弱毒CMVまたは強毒CMVをそれぞれ
の植物に接種して10日以上経過した後、その植物の葉
を擦り潰して液汁を採取し、これをササゲ(品種:黒種
3尺)の初生葉に接種して局部斑点の発生(すなわち感
染)の有無を調べた。+は局部斑点有り(CMV検
出)、−は無し(CMV不検出)を示す。※ピ−マンの
戻し接種では、ササゲの局部斑点は発生しにくいことか
ら、CMV不検出であった。そこで、全品種全株につい
て、ウイルス全核酸分析を行なった。その結果、全株か
らCMVを検出した。+は、その感染を示す。
【0022】表1より、対照の強毒ウイルス(CM85
−3)は、多くの作物に感染してモザイク、糸葉、黄
化、矮化、えそなどの病徴がでる欠点を有することが判
る。また、従来公知の弱毒ウイルスNDM−1は、トマ
ト、ナス、タバコに適用した場合、比較的軽微であるが
モザイクの病徴が観察され、またピーマン、メロンに対
しては、強いモザイクの病徴が観察され、適用すること
ができない。これに対し、本発明により得られた弱毒ウ
イルスは、トマト、ナス、タバコばかりでなく、ピーマ
ンおよびメロンなど適用作物の種類が多く、しかも適用
した場合、現れるウイルス症状が、極めて軽微である
か、まったくないことが判る。すなわち、より多くの作
物へ感染して、その弱毒効果を奏し、ウイルス症状への
影響は極めて少ないことが判る。
【0023】上記実施例1および実施例2の結果より、
本発明の自然界から選択分離した配列番号1の塩基配列
を含むサテライトRNAを有する弱毒ウイルス(NDM
−3)は、変異しにくく、多種の作物に対してウイルス
症状が極めて軽微で、安全な弱毒ウイルスであることが
分かった。
【0024】実施例3 本発明の弱毒ウイルス(NDM−3)の外界強毒CMV
に対する防除効果試験 (1)弱毒ウイルス(NDM−3)接種苗の育成及び植
え付け タキイ種苗社製の培土「たねまき培土」とホ−ネン社製
の同「セルトップミックス」を1:1に混合して作成し
た育苗培土を、ヤンマ−農機社製の200穴トレイに充
填し、これに、カラ−ピ−マンの種子「ゴ−ルデンサマ
−ハイブリット(米国ピ−トシ−ド社製)」を3月上旬
に播種して育苗管理し、本葉0.5枚期に弱毒ウイルス
(NDM−3)粒子をリン酸バッファに希釈して噴霧ロ
−ラ−法(特開平4−330005号参照)により接種
した。弱毒ウイルスの感染確認は、接種10日後に接種
苗をランダムに選び、その苗の本葉片(0.2g程度)
を採取してすり潰し、液汁を作成した後、全核酸をフェ
ノ−ル抽出し、NDM−3の2本鎖サテライトRNAの
バンドの位置を電気泳動で確認する分析方法で行った。
その結果、配列番号1の塩基配列を含むサテライトRN
Aを100%(24株/24株中)検出した。また弱毒
ウイルスを接種したすべての苗には接種後20日頃より
本葉に軽微なウイルス症状であるクロロシスが発生し、
この点からも感染を確認することが出来た。播種して3
0日後、黒ポリポット(10.5cm)に仮植して40
日目の本葉約10枚、草丈約12cmの苗を、弱毒ウイ
ルス(NDM−3)接種苗と無接種苗とに振り分け、5
月中旬にそれぞれ37株ずつナス科作物栽培1年目の露
地圃場の畦(畦の高さ約20cm)に畦間150cm、
株間50cm(10a当り植え付け本数1,333株)
として一条に植え付けた。10a当りの元肥の施肥成分
量はN:12kg、P25 :26kg、K2 O:12
kgとし、堆肥を約2トン施した。
【0025】(2)弱毒ウイルス(NDM−3)接種の
外界ウイルスに対する防除効果 圃場に植え付けた後、それぞれの株に支柱(長さ1.2
m、外径2cm)を立て、生育するに従い紐で株を巻き
縛り側枝の枝折れ防止を図った。また、最初に着果した
果実は3〜4ケ摘除し、生育の促進を促した。ピ−マン
は乾燥に弱いので、灌水は晴天時には毎回株当たり2〜
4リットル行った。また、6月下旬より2週間おきに液
肥(大塚製薬社製OK−F1)を100〜300倍に薄
めて株元に灌注した。 アブラムシ媒介による外界ウイ
ルスの感染を図るため、栽培圃場での殺虫剤、殺菌剤な
どの農薬散布は一切行わなかった。そのため、5月下旬
よりアブラムシが多数飛来し、外界ウイルスによるウイ
ルス症状が無接種株に6月下旬より発生し始め、8月下
旬に至ってはウイルス症状が激しく現れた。そのウイル
ス発生調査結果を表2に示す。
【0026】 表2 弱毒ウイルス接種(NDM−3)と非接種とのウイルス発生比較 0日(a) 31日 97日 NS(b) c NS c NS c M M+n M+S+n 本発明区 (接種区) 0(c) 37 0 37 0 37 0 0 0 比較例区 (非接種区) 37 0 37 0 0 0 8 9 20 (a)植え付け後の日数 (b)NS:無病徴 c:クロロシス M:モザイク S:矮化 n:えそ斑点 (c)植え付け株数37株の中の発病株数
【0027】表2より、植え付け時から3ケ月の長期の
渡り、弱毒ウイルス(NDM−3)接種株にはウイルス
症状としては極めて軽微であるクロロシスが全株に発生
したのみであったが、無接種株は植え付け97日になる
と、モザイク、えそ、矮化などの激しい多様のウイルス
症状が大発生し、健全な生育株は全く見られなくなっ
た。従って、弱毒ウイルス(NDM−3)接種によって
外界強毒ウイルスを防ぐ効果が歴然と認められるに至っ
た。また弱毒ウイルス(NDM−3)接種苗の草丈が揃
っていたが、無接種株はウイルスの被害を受けたため不
揃いであった。
【0028】実施例4 次に、外界のウイルスが激しく無接種株に被害をもたら
していたので、どのようなCMVが関与しているのか知
るため、リボ核酸分析、ウエスタンブロツト分析などの
ウイルス検定を8月に供試株のすべてにおいて行った。
値は植え付け株数37株中の検出率(%)を示す。
【0029】 表3 弱毒ウイルス接種(NDM−3)と非接種とのCMV検出比較 CMVの サテライトRNA 同左 サテライトRNAを 検出率 の検出率 含まないCMVの (約390塩基数)(約340塩基数) 検出率 (%) (%) (%) (%) 本発明区 (接種区) 100.0 0.0 100.0 0.0 対照区 (非接種区) 97.3 40.5 40.5 16.2
【0030】表3の結果から、弱毒ウイルス(NDM−
3)接種株からは配列番号1の塩基配列を含むサテライ
トRNAを有するCMVが苗の時点と同様に100%
(37株/37株中)検出され、外界CMVの感染によ
る変化は見られなかった。これに対して、非接種苗から
は約390塩基数のサテライトRNAを有するCMVが
41%(15株/37株中)、約340塩基数のサテラ
イトRNAを有するCMVは41%(15株/37株
中)、サテライトRNAを有しないCMVが16%(6
株/37株中)検出され、非接種株の97%(36株/
37株中)の株からCMVが検出されるに至った。従っ
て、多種、多様の外界CMVが無接種株に激しいウイル
ス症状を起こしていることが分かった。
【0031】次に、供試株のすべてについて8月にウエ
スタンブロツト分析によりTMV(ピーマンのキウリモ
ザイクウイルスとして問題となっているトウガラシ系キ
ウリモザイクウイルス)の感染を調べた結果、弱毒ウイ
ルス(NDM−3)接種株、非接種株のいずれからもT
MVは全く検出されず、この栽培圃場において、TMV
が関与しているウイルス症状は発生していないことが判
明した。このことから、非接種株のウイルス症状にはC
MVが大きく影響していることが分かった。
【0032】(3)弱毒ウイルス(NDM−3)接種株
と非接種株の収量調査比較 8月18日から晩霜の直前の11月4日まで着色果の収
穫調査を行った。その収量調査結果を表4に示す。
【0033】 表4 弱毒ウイルス接種(NDM−3)と非接種との症状別収穫果の比較 37株当り 弱毒ウイルス接種株 非接種株 (NDM−3) 全個数に 全個数に 個数 対する割合 個数 対する割合 (ケ) (%) (ケ) (%) 正常果(60g以上) 583 87.9 328 41.6 (a) えそ果 7 1.1 167 21.2 (b) リング斑点果 3 0.5 39 4.9 (c) 小果 5 0.8 136 17.2 日焼け果 28 4.2 51 6.5 他不良果 37 5.6 68 8.6 合計 663 − 789 − (a) (b) (c) は株にCMVが感染したことにより発生し
たものを示す。 (a)えそ果:果実の表面に茶褐色の斑点が発生した果
実を示す。 (b)リング斑点果:果実の表面にリング状の斑点が発
生した果実を示す。 (c)小果:果実の大きさが60g未満であるものを示
す。(ウイルスの被害により株が矮化して果実の肥大が
悪くなった場合に多かった)
【0034】表4より、弱毒ウイルス(NDM−3)接
種株のウイルス果の発生は全体個数の2%程度の発生で
あった。これに対して非接種株にはえそ果、リング斑点
果が多く発生し、ウイルスの被害により矮化した株には
小果が発生してウイルスが関与している果実は収穫果の
半分近くにも及んだ。そのうえ、えそ、モザイクが発生
して葉が損傷を受けている株には日焼け果、腐敗果が多
く発生した。正常果(無症状)の収量は圧倒的に弱毒ウ
イルス(NDM−3)接種株が多く、非接種株を倍近く
上回った。
【0035】次に正常果収量と一果重について、時期別
に比較した結果を表5示す。 表5 弱毒ウイルス(NDM−3)接種と非接種との時期別正常果収量と1果実当り重 量の比較 弱毒ウイルス接種株 非接種株 収穫 (NDM−3) 月/日 個 数 重 量 1果実 個 数 重 量 1果実 当り重量 当り重量 (個) (kg) (g) (個) (kg) (g) 8 /18 〜30 141 15.9 113 50 5.5 110 〜 9 /15 180 19.5 108 113 12.6 112 〜 9 /30 98 11.2 114 80 8.2 103 〜 10 /11 19 2.0 105 16 1.4 88 〜 10 /27 81 8.2 101 50 4.4 88 〜 11 / 4 64 6.1 95 19 1.6 84 37株当り計 583 62.9 328 33.7 − 1株当り計 15.8 1.7 *108 8.9 0.9 *103 **10a当り計 20,988 2,264 − 11,808 1,213 − *は収穫月日ごとの1果実当り重量の加重平均値を示す。**1,333 株当り
【0036】カラ−ピ−マンの露地栽培では、着色した
100g程度の正常果実を株当たり10ケ程度採るのが
目安となるが、表−5より、弱毒ウイルス(NDM−
3)接種株は株当たり正常果が15.8ケ採れたのに対
して、非接種株は8.9ケに止まった。10a当り収量
においては弱毒ウイルス(NDM−3)株は2.3トン
であったのに対し、非接種は1.2トンで大幅に低かっ
た。1果実当り重量の調査では、弱毒ウイルス(NDM
−3)接種株がほぼ全収穫期を通じて果実の大きさが安
定していたのに対して、非接種株はウイルスの被害によ
り生育が衰え始めていたため、収穫後半には果実が小さ
くなり、果実の粒揃いが悪かった。
【0037】以上のカラ−ピ−マンの露地圃場での結果
により、本発明の弱毒ウイルス(NDM−3)接種苗は
副作用であるウイルス症状が極めて弱く、強毒に変異す
ることがなく安全で、多種多様にわたる外界の強毒ウイ
ルスに対して歴然たる防除効果を有し、ウイルスが激し
く発生する圃場において無接種苗より正常果の収量が大
幅に向上し、しかも果実の粒揃いが良くなることが判明
した。
【0038】
【本発明の効果】本発明の弱毒ウイルス(NDM−3)
は、自然界に揉まれて存在したCMVの系統から選抜し
ているので変異しにくく、多種の作物にわたって副作用
のウイルス症状は極めて弱く、継代接種しても安定な症
状を示す安全な弱毒ウイルスである。また弱毒ウイルス
(NDM−3)を作物の苗に接種し、一般栽培圃場にお
いて栽培した場合、多種、多様の強毒CMVに対して防
除効果を有し、直ちに実用化できる弱毒ウイルスであ
る。さらに、ウイルスを媒介するアブラムシ防除の農薬
や、アブラムシ忌避資材などを要せず、環境汚染の問題
がなく、栽培経費を削減できる効果も合わせて奏するも
のである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI (C12N 7/04 C12R 1:92) (72)発明者 佐山 春樹 東京都中央区日本橋小網町4番13号 日本 デルモンテ株式会社内 (72)発明者 湯浅 克己 東京都中央区日本橋小網町4番13号 日本 デルモンテ株式会社内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】配列番号1の塩基配列を含むサテライトR
    NA。
  2. 【請求項2】配列番号1の塩基配列を含むサテライトR
    NAを含むキユウリモザイクウイルス弱毒ウイルス。
  3. 【請求項3】請求項2記載のキユウリモザイクウイルス
    弱毒ウイルスを植物に接種することを特徴とするキユウ
    リモザイクウイルスの防除法。
  4. 【請求項4】請求項2記載のキユウリモザイクウイルス
    弱毒ウイルスを接種して得られるキユウリモザイクウイ
    ルス抵抗性植物。
  5. 【請求項5】請求項2記載のキユウリモザイクウイルス
    弱毒ウイルスを接種して得られるキユウリモザイクウイ
    ルス抵抗性植物の一部を組織培養して得られるキユウリ
    モザイクウイルス抵抗性植物。
  6. 【請求項6】請求項2記載のキユウリモザイクウイルス
    弱毒ウイルスを接種して得られるキユウリモザイクウイ
    ルス抵抗性植物の一部を栄養繁殖して得られるキユウリ
    モザイクウイルス抵抗性植物。
  7. 【請求項7】植物が、ピーマンである請求項4〜6のい
    ずれかに記載のキユウリモザイクウイルス抵抗性植物。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004022740A1 (ja) * 2002-09-04 2004-03-18 Nippon Del Monte Corporation サテライトrna及びそれを用いたキュウリモザイクウイルスの防除法
JP2008167681A (ja) * 2007-01-11 2008-07-24 Nippon Del Monte Corp Rna、同rnaを用いたトマト黄化えそウイルス弱毒ウイルス、同弱毒ウイルスを接種したトマト黄化えそウイルス抵抗性植物及びキク科植物のトマト黄化えそウイルスの防除法
JP2008266195A (ja) * 2007-04-19 2008-11-06 Nippon Del Monte Corp 植物疫病の防除剤、防除法及び植物疫病抵抗性植物
JP2010088401A (ja) * 2008-10-10 2010-04-22 Iwate Univ 組換えalsvによるダイズ内在性遺伝子の発現抑制

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