JP2007082416A - サテライトrna、同rnaを用いたキュウリモザイクウイルスの弱毒ウイルス、同弱毒ウイルスを接種したキュウリモザイクウイルス抵抗性植物及びキュウリモザイクウイルスの防除法 - Google Patents
サテライトrna、同rnaを用いたキュウリモザイクウイルスの弱毒ウイルス、同弱毒ウイルスを接種したキュウリモザイクウイルス抵抗性植物及びキュウリモザイクウイルスの防除法 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】
各種の植物(特にインドネシアのタバコ品種)のキュウリモザイクウイルスの防除効果が優れており、また継代接種しても強毒ウイルスに変異しない、ウイルス症状が極めて弱い、サテライトRNAを保有するキュウリモザイクウイルスの弱毒ウイルスを得る。又、該弱毒ウイルスを用いるキュウリモザイクウイルス抵抗性植物、インドネシアタバコ品種のキュウリモザイクウイルスの防除法を提供する。
【解決手段】
特定の塩基配列を含むサテライトRNA、該サテライトRNAをキュウリモザイクウイルスに組み込んでなるキュウリモザイクウイルスの弱毒ウイルス、該弱毒ウイルスを予め植物苗に接種して得られる、キュウリモザイクウイルス抵抗性植物、該弱毒ウイルスを予めタバコ苗に接種することを特徴とする、タバコ苗のキュウリモザイクウイルスの防除法。
各種の植物(特にインドネシアのタバコ品種)のキュウリモザイクウイルスの防除効果が優れており、また継代接種しても強毒ウイルスに変異しない、ウイルス症状が極めて弱い、サテライトRNAを保有するキュウリモザイクウイルスの弱毒ウイルスを得る。又、該弱毒ウイルスを用いるキュウリモザイクウイルス抵抗性植物、インドネシアタバコ品種のキュウリモザイクウイルスの防除法を提供する。
【解決手段】
特定の塩基配列を含むサテライトRNA、該サテライトRNAをキュウリモザイクウイルスに組み込んでなるキュウリモザイクウイルスの弱毒ウイルス、該弱毒ウイルスを予め植物苗に接種して得られる、キュウリモザイクウイルス抵抗性植物、該弱毒ウイルスを予めタバコ苗に接種することを特徴とする、タバコ苗のキュウリモザイクウイルスの防除法。
Description
本発明は、タバコのキュウリモザイクウイルスに対する防除効果が特に優れたキュウリモザイクウイルスの弱毒ウイルス、該弱毒ウイルスを得るためのサテライトRNA、該弱毒ウイルスを予めタバコ苗に接種することを特徴とするキュウリモザイクウイルス抵抗性タバコ植物、該弱毒ウイルスを予めタバコ苗に接種することを特徴とするキュウリモザイクウイルスの防除法に関する。
キュウリモザイクウイルス(以下CMVということがある)は、Bromoviridae種Cucumovirus属の代表的な種であり、世界中の温帯、亜熱帯及び熱帯の地域で多くの重要な農産物に感染し、経済的に多大な被害を及ぼしている。このウイルスは、恐らくウイルスなかで最も多くの宿主をもち、85属800種を越える植物に感染する。このことは、中国東部、クロアチア、フランス、エジプト、ギリシア、イスラエル、イタリア、日本、ポーランド、ポルトガル、スウェーデン、そしてアメリカ合衆国北部等の多くの国々で、バナナ、カボチャ、セルリー、豆類、レタス、唐辛子、トマト及びタバコ等の作物に感染し、モザイク、糸葉、黄化、矮化、壊疽などの病害を生じさせると共に、果実や葉の品質を低下させ、また収量をも低下させていることでもわかる。例えば、トマト消費量の多い地中海沿岸においては、缶詰用トマトのCMVの発生は、今まで経済的に大変深刻な問題であった。1972年、フランスのアルザス地方で発生したトマト果実の壊死病に続き、再び1987年のイタリアとスペインのトマト主要産地でCMVが突然大発生し、全てのトマト作物に被害がおよび壊滅状態となった(非特許文献1参照)。
このように多くの地域で多種多様な作物に感染し、多大な経済的被害を及ぼすCMVの感染から作物を防除する一般的な方法として、媒介昆虫(アブラムシ)の飛来を寒冷紗によって防止する方法、シルバーポリフィルムのマルチングやシルバーテープによって忌避効果を利用する方法及び農薬散布による防除方法等が挙げられる。
さて、一般に植物には既に感染しているウイルス病と同じウイルス又は極めて近縁なウイルスには感染し難いという現象(これを干渉作用という)があるので、植物に容易に感染して、その組織内で盛んに増殖しても、植物そのものの生育にほとんど影響を及ぼさない程度の弱い病原性のウイルス(これを弱毒ウイルスという)を、無病の植物に予め感染させると、強毒の感染や被害を防ぐこと(これをウイルス防除という)が可能となることが知られている。
従来、この現象を利用したキュウリモザイクウイルスの防除法として、下記のものが知られている。
(1)サテライトRNAを含まないキュウリモザイクウイルスと、トマトに壊疽症状を発揮しないCMVから得られた分子量0.5〜2.5×105ダルトンのサテライトRNAとを、野菜、花卉、タバコ、豆類に接種せしめ、しかる後、該野菜、花卉、タバコ、豆類の汁液からCMV弱毒ウイルスを作出する方法、及びそれより得られた新規な弱毒ウイルス、並びにそれを用いたCMVの防除方法(特許文献1参照)が知られている。
(2)サテライトRNAのcDNAをT7プロモーターを使用してin vitroで転写させ、感染性のあるサテライトRNAを得ること、5'末端に24塩基の余分な配列が付加されているものは、感染性が低かったが、これを6−9塩基にすると感染性は10倍に増大すること、ナチュラルなサテライトRNAの感染性は100倍であること、5'末端の24塩基の余分な配列は植物内で複製することにより除去できること(非特許文献2参照)が知られている。
(3)タバコで4世代継代したY−CMVからはYnサテライトRNAが生じ、このサテライトRNAは、トマトに壊疽症状を生ずること、YサテライトRNAは壊疽症状を生じないこと(非特許文献3参照)が知られている。
(4)YサテライトRNAがタバコで黄色症状を出し、トマトに壊疽症状を出すこと、その原因領域を特定するためにYサテライトRNAのcDNAに挿入や欠失を導入したこと、YサテライトRNAと非壊疽性のT73サテライトRNAとのキメラを実験した結果、YサテライトRNAの325番の塩基を1塩基置換するだけでトマトの壊疽症状はなくなり、モザイク症状に変わったこと、S19サテライトRNAとの同様な実験をした結果、タバコに黄色症状を出すのは100番から200番の間の二次構造が関与していること(非特許文献4参照)が知られている。
(1)サテライトRNAを含まないキュウリモザイクウイルスと、トマトに壊疽症状を発揮しないCMVから得られた分子量0.5〜2.5×105ダルトンのサテライトRNAとを、野菜、花卉、タバコ、豆類に接種せしめ、しかる後、該野菜、花卉、タバコ、豆類の汁液からCMV弱毒ウイルスを作出する方法、及びそれより得られた新規な弱毒ウイルス、並びにそれを用いたCMVの防除方法(特許文献1参照)が知られている。
(2)サテライトRNAのcDNAをT7プロモーターを使用してin vitroで転写させ、感染性のあるサテライトRNAを得ること、5'末端に24塩基の余分な配列が付加されているものは、感染性が低かったが、これを6−9塩基にすると感染性は10倍に増大すること、ナチュラルなサテライトRNAの感染性は100倍であること、5'末端の24塩基の余分な配列は植物内で複製することにより除去できること(非特許文献2参照)が知られている。
(3)タバコで4世代継代したY−CMVからはYnサテライトRNAが生じ、このサテライトRNAは、トマトに壊疽症状を生ずること、YサテライトRNAは壊疽症状を生じないこと(非特許文献3参照)が知られている。
(4)YサテライトRNAがタバコで黄色症状を出し、トマトに壊疽症状を出すこと、その原因領域を特定するためにYサテライトRNAのcDNAに挿入や欠失を導入したこと、YサテライトRNAと非壊疽性のT73サテライトRNAとのキメラを実験した結果、YサテライトRNAの325番の塩基を1塩基置換するだけでトマトの壊疽症状はなくなり、モザイク症状に変わったこと、S19サテライトRNAとの同様な実験をした結果、タバコに黄色症状を出すのは100番から200番の間の二次構造が関与していること(非特許文献4参照)が知られている。
しかしながら、従来知られている弱毒ウイルスは、非常に少ない植物に対してのみ、その防除効果を奏するものであり、対象としない植物に対しては、反対にキュウリモザイクウイルス症による病害をもたらすという欠点を有する。従って、圃場などにおいて適用する場合、対象としない植物に感染してモザイク、糸葉、黄化、矮化、壊疽などの病害が出る影響を考慮し、隔離された状態での栽培を余儀なくされる欠点を有する。又、一般に弱毒ウイルスは、常に変異を起こす可能性があり、継代接種や圃場での利用の過程で、突然変異などによって強毒ウイルスに変化して、対象作物などに病害が生じる危険性を有する。そのため作出した弱毒ウイルスは、継代接種してウイルス症状の変化を調べることが、非常に重要であるが、その操作に労力と時間を要する欠点を有する。
そのような状況で、本出願人は、トマトのCMV防除に効果的なサテライトRNAを持つ5種類のCMV弱毒ウイルス(特許文献2参照)、多くの作物、特にピーマンのCMV防除に効果的なサテライトRNAを持つ弱毒ウイルス(特許文献3参照)、そして、ピーマンと唐辛子のCMV防除に効果的なサテライトRNAを持つ2種類のCMV弱毒ウイルス(特許文献4参照)、及びウイルスの感受性が非常に高い韓国品種唐辛子に効果的な2種類のCMV弱毒ウイルス(特許文献5)を開発してきた。
The American Phytopathological Society編、Plant Virus Disease Control
J.Biochem.、1988、Vol.104、No.5、p.841−846
J.Gen.Virol.、1986、Vol.67、No.10、p2241−2246
Plant Cell.、1989、Vol.12、p.1165−1173
特公昭62−37956号公報
特許2975739号公報
特開平11−276179号公報
国際公開番号WO2004/022740A1
特願2005−123123号
本発明者等は、上記に示す多くのCMV弱毒ウイルスを開発してきた。しかし、圃場に定植し栽培するタバコ植物を、干渉作用によって、強毒のCMVから防除することのできる産業上有用なCMV弱毒ウイルスは、未だ開発されていない。よって、本発明者等は、本発明者等が開発した上記のCMV弱毒ウイルスよりもさらに、圃場におけるタバコのCMV防除に効果を奏する、継代接種しても強毒ウイルスに変異しない、ウイルス症状が極めて弱い、サテライトRNAを保有するCMV弱毒ウイルス、該弱毒ウイルスを用いるキュウリモザイクウイルスの防除法及びキュウリモザイクウイルス抵抗性タバコ植物を提供することを目的とする。
本発明者等は、このような課題を解決するため、種々検討を重ねた結果、インドネシア内のタバコ圃場やトマト圃場、唐辛子圃場からウイルスに感染していると思われるタバコ葉とトマト葉及び唐辛子葉を約600枚採取し、そして、CMVを分離して、サテライトRNAを有する株を選抜し、タバコに接種して温室や圃場に植え、自然条件下で防除効果があり、ウイルス症状の軽微なCMVの中から選抜を重ねた結果、タバコに感染してもウイルス症状が極めて軽微であり、ウイルスをタバコに接種、感染しておくことにより、タバコ圃場おいて多種多様の強毒CMVの病害に対して防除効果のあるCMVの弱毒ウイルスを選抜することに成功した。
そして、この弱毒ウイルスは、継代接種しても強毒ウイルスとして変異しないことも発見した。そして、さらにこれらの弱毒ウイルスは、各種植物、特に多くの野菜類、ナス科(トマト、ナス、唐辛子、ピーマン等)、マメ科(ササゲ、インゲンマメ、ソラマメ等)、ヒユ科、アカザ科(ホウレンソウ、シロザ、アカザ等)、ウリ科(キュウリ、メロン、カボチャ等)、キク科(レタス、百日草等)、アブラナ科(野沢菜、ダイコン等)、園芸植物類(花卉類)及び果樹などに適用した場合に、CMVの防除効果を奏することも発見した。
そして、この弱毒ウイルスは、継代接種しても強毒ウイルスとして変異しないことも発見した。そして、さらにこれらの弱毒ウイルスは、各種植物、特に多くの野菜類、ナス科(トマト、ナス、唐辛子、ピーマン等)、マメ科(ササゲ、インゲンマメ、ソラマメ等)、ヒユ科、アカザ科(ホウレンソウ、シロザ、アカザ等)、ウリ科(キュウリ、メロン、カボチャ等)、キク科(レタス、百日草等)、アブラナ科(野沢菜、ダイコン等)、園芸植物類(花卉類)及び果樹などに適用した場合に、CMVの防除効果を奏することも発見した。
また、これらのサテライトRNAを含むCMV弱毒ウイルスを、それぞれ本出願人が先に開発した5種類の同弱毒ウイルスKO1、KO2、KO3、KO4、KO5(特許2975739号:配列番号2、3、4、5、6参照)、弱毒ウイルスNDM−3(特開平11−276178号:配列番号7参照)、NDM−4、NDM−5(国際公開番号WO2004/022740A1:配列番号8、9参照)、弱毒ウイルスNDM05−1及びNDM05−2(特願2005−123123号:配列番号10、11参照)と対比すると、継代接種しても強毒ウイルスに変異しない性質は、上記従来公知の弱毒ウイルスとほとんど同じであるが、タバコに接種した場合、本発明のCMV弱毒ウイルスは、従来公知のCMV弱毒ウイルスKO1、KO2、KO3、KO4、KO5、NDM−3、NDM−4、NDM−5、NDM05−1及びNDM05−2よりも品質の非常によいタバコ葉を大量に高収率で得ることを発見した。
本発明は、上記の知見に基づいて完成したものである。
即ち、(1)本発明は、配列番号1記載の塩基配列を含むサテライトRNAを提供する。
(2)また本発明は、配列番号1のサテライトRNAをキュウリモザイクウイルスに組み込んでなるキュウリモザイクウイルスの弱毒ウイルスを提供する。
(3)また本発明は、配列番号1のサテライトRNAをキュウリモザイクウイルスに組み込んでなるキュウリモザイクウイルスの弱毒ウイルスを、予め植物苗に接種して得られるキュウリモザイクウイルス抵抗性植物を提供する。
(4)また本発明は、前記のキュウリモザイクウイルス抵抗性植物の一部を組織培養又は栄養繁殖して得られるキュウリモザイクウイルス抵抗性植物を提供する。
(5)また本発明は、植物苗がタバコ苗である前記(または前前記)のキュウリモザイクウイルス抵抗性植物を提供する。
(6)また本発明は、タバコ苗がタバコ品種C48又はC176である前記キュウリモザイクウイルス抵抗性植物を提供する。
(7)また本発明は、配列番号1のサテライトRNAをキュウリモザイクウイルスに組み込んでなるキュウリモザイクウイルス弱毒ウイルスを、予めタバコ苗に接種することを特徴とするキュウリモザイクウイルスの防除法を提供する。
なお、C48はグダン・ガラム社のタバコ品種であり、又C176はブリティッシュ・アメリカン・タバコカンパニー社のタバコ品種である。
なお、タバコ品種C48は、グダン・ガラム社の品種であり、(会社名)PT.PR.Gudang Garam、(住所)JLN. Serma Karma, Bakti Seraga, Singaraja, Bali, Indonesiaから容易に入手することができまる。
また、タバコ品種C176は、ブリティッシュ・アメリカン・タバコカンパニー社の品種であり、(会社名)British American Tabacco Indonesia,(住所)JL. Raya Pemaron Km.6,Singaraja,Bali Indonesiaから容易に入手することができる。
即ち、(1)本発明は、配列番号1記載の塩基配列を含むサテライトRNAを提供する。
(2)また本発明は、配列番号1のサテライトRNAをキュウリモザイクウイルスに組み込んでなるキュウリモザイクウイルスの弱毒ウイルスを提供する。
(3)また本発明は、配列番号1のサテライトRNAをキュウリモザイクウイルスに組み込んでなるキュウリモザイクウイルスの弱毒ウイルスを、予め植物苗に接種して得られるキュウリモザイクウイルス抵抗性植物を提供する。
(4)また本発明は、前記のキュウリモザイクウイルス抵抗性植物の一部を組織培養又は栄養繁殖して得られるキュウリモザイクウイルス抵抗性植物を提供する。
(5)また本発明は、植物苗がタバコ苗である前記(または前前記)のキュウリモザイクウイルス抵抗性植物を提供する。
(6)また本発明は、タバコ苗がタバコ品種C48又はC176である前記キュウリモザイクウイルス抵抗性植物を提供する。
(7)また本発明は、配列番号1のサテライトRNAをキュウリモザイクウイルスに組み込んでなるキュウリモザイクウイルス弱毒ウイルスを、予めタバコ苗に接種することを特徴とするキュウリモザイクウイルスの防除法を提供する。
なお、C48はグダン・ガラム社のタバコ品種であり、又C176はブリティッシュ・アメリカン・タバコカンパニー社のタバコ品種である。
なお、タバコ品種C48は、グダン・ガラム社の品種であり、(会社名)PT.PR.Gudang Garam、(住所)JLN. Serma Karma, Bakti Seraga, Singaraja, Bali, Indonesiaから容易に入手することができまる。
また、タバコ品種C176は、ブリティッシュ・アメリカン・タバコカンパニー社の品種であり、(会社名)British American Tabacco Indonesia,(住所)JL. Raya Pemaron Km.6,Singaraja,Bali Indonesiaから容易に入手することができる。
本発明の配列番号1の塩基配列を有するサテライトRNAを含む弱毒ウイルスは、農作物に対して5世代以上にわたって継代接種しても、該作物のウイルス症状は殆ど観察されないか、又は全く観察されず、安定している特徴を有する。また本発明の弱毒ウイルスは、タバコに接種した場合、該タバコに対して大変微弱なウイルス症状しか観察されない特徴を有する。また、本発明の弱毒ウイルスは、タバコに接種した場合、公知の弱毒ウイルスKO1、KO2、KO3、KO4、KO5、NDM−3、NDM−4、NDM−5、NDM05−1及びNDM05−2よりも品質の非常によいタバコを高収率で多量に得ることができる。また、本発明の弱毒ウイルスは、各種植物、特に多くの野菜類、ナス科(トマト、ナス、唐辛子、ピーマン等)、マメ科(ササゲ、インゲンマメ、ソラマメ等)、ヒユ科、アカザ科(ホウレンソウ、シロザ、アカザ等)、ウリ科(キュウリ、メロン、カボチャ等)、キク科(レタス、百日草等)、アブラナ科(野沢菜、ダイコン等)、園芸植物類(花卉類)及び果樹などに適用した場合にも、優れたCMVの防除効果を奏する。また本発明の弱毒ウイルスは、各種の植物、タバコ作物に用いることにより、ウイルスを媒介するアブラムシを防除する農薬や、寒冷紗やシルバーポリフィルムなどのアブラムシ忌避資材などが不要となり、加えて環境汚染の問題もなく、栽培経費を削減できる効果も奏する。
まず、本発明の概略を説明し、ついで本発明をより具体的に説明する。
CMVの核酸成分は約3300塩基より構成されているRNA1、約3100塩基のRNA2、約2200塩基のRNA3、および約1000塩基のRNA4から成る。そして、CMVの系統によっては上記RNAの4成分の外に更に小さな塩基数のサテライトRNAと呼ばれる成分を含む系統がある。
このサテライトRNAの塩基数は約300〜500である。
本発明を実施するには、先ず植物、例えばタバコ、トマト、ナス、ピーマン、ホウレンソウなどより分離されたCMVであって、トマトに壊疽症状を示さないサテライトRNAを含む弱毒ウイルスをトマトの子葉に接種して、1〜4週間程度、ウイルスを増殖させた後、感染葉を凍結粉砕し、さらにワーリングブレンダー(ミキサー、又は磨砕機)などで適当なクロロホルムを含有する緩衝液中で磨砕する。
得られた磨砕液から適当な遠心分離を繰り返すことによってサテライトRNAを含む弱毒ウイルスの粒子を精製する。すなわち、フェノール抽出と、エタノール沈殿によってRNA画分(文献T.Maniatis)を得る。さらにこのRNA画分を10〜40%のショ糖密度勾配遠心分離法やポリアクリルアミドゲル電気泳動によって単離精製し、弱毒ウイルスのサテライトRNAを得る。
上記で得られるサテライトRNAを鋳型としてAMV(ライフサイエンス社製)などの逆転写酵素を使用し、常法に従いcDNAを合成する。すなわち、対応するDNAを合成する。
得られたcDNAにT7、T3、SP6(文献J.d.Watsonら、In Molecular Biology of the Gene(1987)))などの適切なプロモーターを連結した後、pUC119(pUC118)などの(宝酒造社製)プラスミドに導入し、得られる組換えプラスミドで大腸菌JM101、JM109などの宿主微生物を形質転換してクローニングする。
このサテライトRNAのcDNAを含む組換えプラスミドにRNAポリメラーゼを作用させ、サテライトRNAを生産せしめる。こうして得られたクローニングサテライトRNAを、サテライトRNAを含まないか、あるいはそれを除去したCMVのRNA(但し、少なくともRNA1〜RNA3を含む)と共に植物の幼苗の葉、根、茎に接種する。このようにして本発明の弱毒ウイルスを製造することができる。
これらの弱毒ウイルスは植物に接種することにより当該植物のCMVによるウイルス病を有効に防除することができる。
防除法としては、種々あるが、例えば弱毒ウイルスを40mMリン酸緩衝液(pH約7.0)で10〜50μg/mlに希釈し、これにカーボランダム、セライト、ベントナイトなどを少量加え、植物に接種してもよい。
さらに植物への接種部位は格別制限されないが、子葉期など若い植物ほど感染率が高いので好ましい。
CMVの核酸成分は約3300塩基より構成されているRNA1、約3100塩基のRNA2、約2200塩基のRNA3、および約1000塩基のRNA4から成る。そして、CMVの系統によっては上記RNAの4成分の外に更に小さな塩基数のサテライトRNAと呼ばれる成分を含む系統がある。
このサテライトRNAの塩基数は約300〜500である。
本発明を実施するには、先ず植物、例えばタバコ、トマト、ナス、ピーマン、ホウレンソウなどより分離されたCMVであって、トマトに壊疽症状を示さないサテライトRNAを含む弱毒ウイルスをトマトの子葉に接種して、1〜4週間程度、ウイルスを増殖させた後、感染葉を凍結粉砕し、さらにワーリングブレンダー(ミキサー、又は磨砕機)などで適当なクロロホルムを含有する緩衝液中で磨砕する。
得られた磨砕液から適当な遠心分離を繰り返すことによってサテライトRNAを含む弱毒ウイルスの粒子を精製する。すなわち、フェノール抽出と、エタノール沈殿によってRNA画分(文献T.Maniatis)を得る。さらにこのRNA画分を10〜40%のショ糖密度勾配遠心分離法やポリアクリルアミドゲル電気泳動によって単離精製し、弱毒ウイルスのサテライトRNAを得る。
上記で得られるサテライトRNAを鋳型としてAMV(ライフサイエンス社製)などの逆転写酵素を使用し、常法に従いcDNAを合成する。すなわち、対応するDNAを合成する。
得られたcDNAにT7、T3、SP6(文献J.d.Watsonら、In Molecular Biology of the Gene(1987)))などの適切なプロモーターを連結した後、pUC119(pUC118)などの(宝酒造社製)プラスミドに導入し、得られる組換えプラスミドで大腸菌JM101、JM109などの宿主微生物を形質転換してクローニングする。
このサテライトRNAのcDNAを含む組換えプラスミドにRNAポリメラーゼを作用させ、サテライトRNAを生産せしめる。こうして得られたクローニングサテライトRNAを、サテライトRNAを含まないか、あるいはそれを除去したCMVのRNA(但し、少なくともRNA1〜RNA3を含む)と共に植物の幼苗の葉、根、茎に接種する。このようにして本発明の弱毒ウイルスを製造することができる。
これらの弱毒ウイルスは植物に接種することにより当該植物のCMVによるウイルス病を有効に防除することができる。
防除法としては、種々あるが、例えば弱毒ウイルスを40mMリン酸緩衝液(pH約7.0)で10〜50μg/mlに希釈し、これにカーボランダム、セライト、ベントナイトなどを少量加え、植物に接種してもよい。
さらに植物への接種部位は格別制限されないが、子葉期など若い植物ほど感染率が高いので好ましい。
以上概略を説明したが、以下により具体的に説明する。
(1)CMV弱毒ウイルスの採取と作出
インドネシア国内のタバコ圃場やトマト圃場、唐辛子圃場より、ウイルス症状を持つ約600枚の唐辛子葉とトマト葉を採集し、これらの葉に10倍量のリン酸緩衝液(中性付近の0.1Mリン酸緩衝液)を加えて磨砕し、その液をトマト苗(日本デルモンテ社製TMK6028)に接種した。一週間後、各々のエライザー検定を行った結果、352系統についてCMVの感染を確認した。これらの中から弱毒ウイルスを選抜すべく、352系統のトマトの感染葉をそれぞれトマト苗(TMK6028)10株ずつに接種し、一週間後、リボ核酸(RNA)分析を行った。その結果、サテライトRNAを有するCMVが51系統から検出された。そして、これら51系統について該トマト苗におけるウイルス症状調査を行い、ネクロシス、モザイクが発病した系統や感染力を有しない系統を取り除き、ウイルス症状が軽微でウイルス増殖量の多い弱毒ウイルスを選抜した。この選抜した弱毒ウイルスは遺伝的に均一ではなく、ウイルス症状が異なっていたので、該トマト苗100株にこれら弱毒ウイルスを接種し、弱いウイルス症状が揃っている株だけを選抜した。さらにサテライトRNAの存在が継続されている株だけを採集して、ウイルス接種液の調製を行い、再度トマト苗に接種し、同じ選抜操作をしてウイルス接種液の調製する作業を5回繰り返し、トマトで継代接種を行なった。その結果、サテライトRNAを安定して含む弱毒ウイルス(NDM05−3)を作出した。
(1)CMV弱毒ウイルスの採取と作出
インドネシア国内のタバコ圃場やトマト圃場、唐辛子圃場より、ウイルス症状を持つ約600枚の唐辛子葉とトマト葉を採集し、これらの葉に10倍量のリン酸緩衝液(中性付近の0.1Mリン酸緩衝液)を加えて磨砕し、その液をトマト苗(日本デルモンテ社製TMK6028)に接種した。一週間後、各々のエライザー検定を行った結果、352系統についてCMVの感染を確認した。これらの中から弱毒ウイルスを選抜すべく、352系統のトマトの感染葉をそれぞれトマト苗(TMK6028)10株ずつに接種し、一週間後、リボ核酸(RNA)分析を行った。その結果、サテライトRNAを有するCMVが51系統から検出された。そして、これら51系統について該トマト苗におけるウイルス症状調査を行い、ネクロシス、モザイクが発病した系統や感染力を有しない系統を取り除き、ウイルス症状が軽微でウイルス増殖量の多い弱毒ウイルスを選抜した。この選抜した弱毒ウイルスは遺伝的に均一ではなく、ウイルス症状が異なっていたので、該トマト苗100株にこれら弱毒ウイルスを接種し、弱いウイルス症状が揃っている株だけを選抜した。さらにサテライトRNAの存在が継続されている株だけを採集して、ウイルス接種液の調製を行い、再度トマト苗に接種し、同じ選抜操作をしてウイルス接種液の調製する作業を5回繰り返し、トマトで継代接種を行なった。その結果、サテライトRNAを安定して含む弱毒ウイルス(NDM05−3)を作出した。
(2)サテライトRNAの単離
サテライトRNAを含む弱毒ウイルス(NDM05−3)をトマト苗(TMK6028)の子葉にそれぞれ接種、感染させ、1〜4週間程度ウイルスを増殖させた後、トマト子葉を採取し超低温にて凍結した。この感染葉を粉砕し、2倍量の 0.1%チオグリコール酸を含む 0.5Mクエン酸緩衝液(pH6.5)と同量のクロロホルムを加え、ワーリングブレンダーで破砕した。この破砕液を9500Xg、10分間遠心し、上層(水層)の10%に当たる重量のポリエチレングリコールを加え溶解させた後、40分間静置した。この溶液を9500Xg、20分間遠心し、得られた沈殿に2%トライトンX−100を含む0.05Mクエン酸緩衝液(pH7.0) を加え懸濁均一化した。この粗精製品を12000Xgで遠心分離した上清を240000Xg、45分間遠心し、沈殿を回収した後、10mMリン酸緩衝液(pH7.0)に懸濁した。この溶液に最終濃度で1%になるように10%SDSを加え、さらに溶液と等量のフェノールを加えた後12000Xg、15分間遠心した。この上層(水層)を回収し、常法に従ってエタノール沈殿を繰り返してRNAを単離、精製した。この方法で感染葉100gより、約100μgのRNAを得た。上記の方法で得られたRNAを水に溶解し、10〜40%ショ糖密度勾配により超遠心分離(175000Xg、16時間)して得られたサテライトRNAのバンドを採取し、常法に従ってエタノール沈殿を繰り返して、サテライトRNAを単離精製した。また精製が不十分な場合は6M尿素を含む9%ポリアクリルアミドゲル電気泳動を行なった後、臭化エチジウムの溶液で染色し、サテライトRNAのバンドの部分をカミソリなどで切り取った。サテライトRNAのバンドを含むゲル断片を透析チューブに入れEDTAを含むトリス−酢酸緩衝液中で電気泳動による溶出を行なってサテライトRNAを回収した後、常法に従ってエタノール沈殿を繰り返してサテライトRNAを単離精製した。この電気泳動によるサテライトRNAの溶出の詳細はT.Maniatisらの方法[Molecular Cloning(1982)]に従って行なった。
サテライトRNAを含む弱毒ウイルス(NDM05−3)をトマト苗(TMK6028)の子葉にそれぞれ接種、感染させ、1〜4週間程度ウイルスを増殖させた後、トマト子葉を採取し超低温にて凍結した。この感染葉を粉砕し、2倍量の 0.1%チオグリコール酸を含む 0.5Mクエン酸緩衝液(pH6.5)と同量のクロロホルムを加え、ワーリングブレンダーで破砕した。この破砕液を9500Xg、10分間遠心し、上層(水層)の10%に当たる重量のポリエチレングリコールを加え溶解させた後、40分間静置した。この溶液を9500Xg、20分間遠心し、得られた沈殿に2%トライトンX−100を含む0.05Mクエン酸緩衝液(pH7.0) を加え懸濁均一化した。この粗精製品を12000Xgで遠心分離した上清を240000Xg、45分間遠心し、沈殿を回収した後、10mMリン酸緩衝液(pH7.0)に懸濁した。この溶液に最終濃度で1%になるように10%SDSを加え、さらに溶液と等量のフェノールを加えた後12000Xg、15分間遠心した。この上層(水層)を回収し、常法に従ってエタノール沈殿を繰り返してRNAを単離、精製した。この方法で感染葉100gより、約100μgのRNAを得た。上記の方法で得られたRNAを水に溶解し、10〜40%ショ糖密度勾配により超遠心分離(175000Xg、16時間)して得られたサテライトRNAのバンドを採取し、常法に従ってエタノール沈殿を繰り返して、サテライトRNAを単離精製した。また精製が不十分な場合は6M尿素を含む9%ポリアクリルアミドゲル電気泳動を行なった後、臭化エチジウムの溶液で染色し、サテライトRNAのバンドの部分をカミソリなどで切り取った。サテライトRNAのバンドを含むゲル断片を透析チューブに入れEDTAを含むトリス−酢酸緩衝液中で電気泳動による溶出を行なってサテライトRNAを回収した後、常法に従ってエタノール沈殿を繰り返してサテライトRNAを単離精製した。この電気泳動によるサテライトRNAの溶出の詳細はT.Maniatisらの方法[Molecular Cloning(1982)]に従って行なった。
(3)サテライトRNAのクローニングとシークエンス
単離精製したサテライトRNAからマイナス鎖(以下−鎖と表記する)cDNAを合成するために、サテライトRNA(約3μg)と3'末端塩基配列に相補的なDNAプライマー(8塩基、1μM)を95℃で熱処理した後、徐冷してアニーリングした。この−鎖cDNA合成反応はOmniscript Reverse Transcriptase(QIAGEN)を用いて、37℃、60分の条件で行なった。次に、得られたcDNAをPCR法によって増幅させた。すなわち、プラス鎖サテライトRNAの5'末端に相同的なDNAプライマーと3'末端塩基配列に相補的なDNAプライマーを用い、94℃1分間、37℃1分間、72℃2分間の反応を45回繰り返すことによってPCR反応を行なった。[PCR反応液;10mM Tris−HCl、1.5mM MgCl2、50mM KCl、200μM dNTP、2.5units DNA polymerase(Takara)]
このcDNAを1.5%アガロースゲル電気泳動によって分離させた後、ゲルより切り出し、DNA回収キットGFX PCR DNA and Gel Band Purification Kit(Amersham)を用いて精製した。得られたcDNAをT−Aクローニング用ベクターpGEM T Easy(Promega)にクローニングした。このプラスミドを制限酵素EcoRIで切断することによって、NDM05−3のサテライトRNA由来のcDNAを確認した。
単離精製したサテライトRNAからマイナス鎖(以下−鎖と表記する)cDNAを合成するために、サテライトRNA(約3μg)と3'末端塩基配列に相補的なDNAプライマー(8塩基、1μM)を95℃で熱処理した後、徐冷してアニーリングした。この−鎖cDNA合成反応はOmniscript Reverse Transcriptase(QIAGEN)を用いて、37℃、60分の条件で行なった。次に、得られたcDNAをPCR法によって増幅させた。すなわち、プラス鎖サテライトRNAの5'末端に相同的なDNAプライマーと3'末端塩基配列に相補的なDNAプライマーを用い、94℃1分間、37℃1分間、72℃2分間の反応を45回繰り返すことによってPCR反応を行なった。[PCR反応液;10mM Tris−HCl、1.5mM MgCl2、50mM KCl、200μM dNTP、2.5units DNA polymerase(Takara)]
このcDNAを1.5%アガロースゲル電気泳動によって分離させた後、ゲルより切り出し、DNA回収キットGFX PCR DNA and Gel Band Purification Kit(Amersham)を用いて精製した。得られたcDNAをT−Aクローニング用ベクターpGEM T Easy(Promega)にクローニングした。このプラスミドを制限酵素EcoRIで切断することによって、NDM05−3のサテライトRNA由来のcDNAを確認した。
このサテライトRNAの塩基配列をThermo Sequenase Cycle Sequencing Kit(Amersham社製)とDNAシーケンサDSQ−1000L(島津製作所製)を用いて決定し、392塩基から成る塩基配列を配列番号1に示した。
本発明のキュウリモザイクウイルス弱毒ウイルスNDM05−3のサテライトRNAの塩基配列(配列番号1)を配列表に示す。
比較のため、本出願人が先に開発したキュウリモザイクウイルス弱毒ウイルスKO1(特許2975739号)を構成するサテライトRNAの塩基配列(配列番号2)を配列表に示す。
比較のため、本出願人が先に開発したキュウリモザイクウイルス弱毒ウイルスKO2(特許2975739号)を構成するサテライトRNAの塩基配列(配列番号3)を配列表に示す。
比較のため、本出願人が先に開発したキュウリモザイクウイルス弱毒ウイルスKO3(特許2975739号)を構成するサテライトRNAの塩基配列(配列番号4)を配列表に示す。
比較のため、本出願人が先に開発したキュウリモザイクウイルス弱毒ウイルスKO4(特許2975739号)を構成するサテライトRNAの塩基配列(配列番号5)を配列表に示す。
比較のため、本出願人が先に開発したキュウリモザイクウイルス弱毒ウイルスKO5(特許2975739号)を構成するサテライトRNAの塩基配列(配列番号6)を配列表に示す。
比較のため、本出願人が先に開発したキュウリモザイクウイルス弱毒ウイルスNDM−3(特開平11−276178号)を構成するサテライトRNAの塩基配列(配列番号7)を配列表に示す。
比較のため、本出願人が先に開発したキュウリモザイクウイルス弱毒ウイルスNDM−4(WO2004/022740A1)を構成するサテライトRNAの塩基配列(配列番号8)を配列表に示す。
比較のため、本出願人が先に開発したキュウリモザイクウイルス弱毒ウイルスNDM−5(WO2004/022740A1)を構成するサテライトRNAの塩基配列(配列番号9)を配列表に示す。
比較のため、本出願人が先に開発したキュウリモザイク弱毒ウイルスNDM05−1(特願2005−123123号)を構成するサテライトRNAの塩基配列(配列番号10)を配列表に示す。
比較のため、本出願人が先に開発したキュウリモザイクウイルス弱毒ウイルスNDM05−2(特願2005−123123号)を構成するサテライトRNAの塩基配列(配列番号11)を配列表に示す。
本発明のキュウリモザイクウイルス弱毒ウイルスNDM05−3のサテライトRNAの塩基配列(配列番号1)を配列表に示す。
比較のため、本出願人が先に開発したキュウリモザイクウイルス弱毒ウイルスKO1(特許2975739号)を構成するサテライトRNAの塩基配列(配列番号2)を配列表に示す。
比較のため、本出願人が先に開発したキュウリモザイクウイルス弱毒ウイルスKO2(特許2975739号)を構成するサテライトRNAの塩基配列(配列番号3)を配列表に示す。
比較のため、本出願人が先に開発したキュウリモザイクウイルス弱毒ウイルスKO3(特許2975739号)を構成するサテライトRNAの塩基配列(配列番号4)を配列表に示す。
比較のため、本出願人が先に開発したキュウリモザイクウイルス弱毒ウイルスKO4(特許2975739号)を構成するサテライトRNAの塩基配列(配列番号5)を配列表に示す。
比較のため、本出願人が先に開発したキュウリモザイクウイルス弱毒ウイルスKO5(特許2975739号)を構成するサテライトRNAの塩基配列(配列番号6)を配列表に示す。
比較のため、本出願人が先に開発したキュウリモザイクウイルス弱毒ウイルスNDM−3(特開平11−276178号)を構成するサテライトRNAの塩基配列(配列番号7)を配列表に示す。
比較のため、本出願人が先に開発したキュウリモザイクウイルス弱毒ウイルスNDM−4(WO2004/022740A1)を構成するサテライトRNAの塩基配列(配列番号8)を配列表に示す。
比較のため、本出願人が先に開発したキュウリモザイクウイルス弱毒ウイルスNDM−5(WO2004/022740A1)を構成するサテライトRNAの塩基配列(配列番号9)を配列表に示す。
比較のため、本出願人が先に開発したキュウリモザイク弱毒ウイルスNDM05−1(特願2005−123123号)を構成するサテライトRNAの塩基配列(配列番号10)を配列表に示す。
比較のため、本出願人が先に開発したキュウリモザイクウイルス弱毒ウイルスNDM05−2(特願2005−123123号)を構成するサテライトRNAの塩基配列(配列番号11)を配列表に示す。
(4)弱毒ウイルスの接種源作成
弱毒ウイルスが感染したトマト葉1gに、緩衝液(中性付近の0.1Mリン酸緩衝液)を加えて、10mlに調整した磨砕液をトマト100株の子葉又は本葉に接種し、1〜2週間程度、弱毒ウイルスを増殖させた後、トマト感染葉150gを採取し、超低温−80℃で凍結した。この感染葉を粉砕した後、0.1%チオグリコール酸を含む0.5Mクエン酸緩衝液(pH6.5)300mlと同量のクロロホルムを加え、ワーリングブレンダーで磨砕して、CMV粒子を含む磨砕液を得た。この磨砕液を2000 Xg、10分間遠心し、上層(水層)120mlを回収して、これに10重量%の粉末ポリエチレングリコール12gを加えて溶解させた後、40分静置して、析出させ、沈殿し易くした。この溶液を9500 Xg、20分間遠心し、得られた沈殿(CMV粒子)を回収して、これに2%トライトンX−100を含む0.05Mクエン酸緩衝液(pH7.0)を洗浄のため加え溶解した。これを12000Xgで遠心分離し、CMV粒子を含む上澄を分取して、240000Xg、45分間遠心し、得られた沈殿を10mMリン酸緩衝液に懸濁して、弱毒ウイルスのCMV粒子を約10mg抽出し、接種源を得た。
弱毒ウイルスが感染したトマト葉1gに、緩衝液(中性付近の0.1Mリン酸緩衝液)を加えて、10mlに調整した磨砕液をトマト100株の子葉又は本葉に接種し、1〜2週間程度、弱毒ウイルスを増殖させた後、トマト感染葉150gを採取し、超低温−80℃で凍結した。この感染葉を粉砕した後、0.1%チオグリコール酸を含む0.5Mクエン酸緩衝液(pH6.5)300mlと同量のクロロホルムを加え、ワーリングブレンダーで磨砕して、CMV粒子を含む磨砕液を得た。この磨砕液を2000 Xg、10分間遠心し、上層(水層)120mlを回収して、これに10重量%の粉末ポリエチレングリコール12gを加えて溶解させた後、40分静置して、析出させ、沈殿し易くした。この溶液を9500 Xg、20分間遠心し、得られた沈殿(CMV粒子)を回収して、これに2%トライトンX−100を含む0.05Mクエン酸緩衝液(pH7.0)を洗浄のため加え溶解した。これを12000Xgで遠心分離し、CMV粒子を含む上澄を分取して、240000Xg、45分間遠心し、得られた沈殿を10mMリン酸緩衝液に懸濁して、弱毒ウイルスのCMV粒子を約10mg抽出し、接種源を得た。
本発明のCMV弱毒ウイルスを接種する方法としては、純化した弱毒ウイルスのNDM05−3の粒子を50〜500μg/mlになるようにリン酸緩衝液に懸濁し、公知の方法により接種すればよく、例えば、噴霧ローラー法(特開平04−330005号参照)やブラシ当接法(特開2000−201535号参照)で行なうことが好ましい。これらの方法は、少量の弱毒ウイルス液で、迅速、簡便、かつ高い感染率で接種することができる特徴を有する。
このようにして、タバコに弱毒ウイルスを接種すると、容易に弱毒ウイルスが全身に感染したタバコの苗が得られる。したがって、このタバコ苗を適当な大きさに切断した後、挿し木、接ぎ木などの栄養繁殖手段を採用して、通常の育苗管理をすると、容易に弱毒ウイルスが全身に感染したタバコ苗が得られる。
また、この弱毒ウイルスを接種したタバコ苗を適当な大きさに切断した後、これを穂木として、弱毒ウイルスの接種していない他の台木に接ぎ木したり、また逆に弱毒ウイルスを接種した他の植物を台木として、弱毒ウイルス接種していないタバコを接木して、通常の育苗管理をしても、容易に弱毒ウイルスが全身に感染したタバコ苗が得られる。
また、弱毒ウイルス接種タバコ苗からその一部(例えば側芽)を採り、消毒した後、植物ホルモンを適宜の濃度で含有する寒天培地に挿し芽し、外界と隔離された室内で、至適な温度、照度条件下で育成し、幼苗(例えば本葉の十分展開した幼苗)を得、この葉片を適当な大きさに切断したあと、植物ホルモンを適宜の濃度で含有する寒天培地に2〜4回移植し、通常の植物体の組織培養法と同様に操作して、葉片から直接誘導させた不定芽から個体の再生を行い、タバコの弱毒ウイルス保毒苗を大量に得ることができる。又この弱毒ウイルス接種タバコ苗から一部を採り、植物ホルモンを適宜の濃度で含有する寒天培地に2〜4回移植し、カルスから誘導させた不定芽から個体の再生を行い、所望のタバコの弱毒ウイルス苗を大量に得ることができる。
以下、実施例を示して、本発明を具体的に説明する。
実施例1
(弱毒ウイルスの安定性)
(1)弱毒ウイルスNDM05−3の安定性
ガラス温室において、弱毒ウイルスNDM05−3のウイルス粒子を400μg/mlの接種濃度にし、インドネシアのタバコ品種であるC48苗(グダン・ガラム社製)の子葉又は本葉に接種し、5世代以上に亘って継代接種して本葉6〜8枚期までウイルス症状が現れるか否か調べた結果、大変微弱なウイルス症状が発生するのみで、変異によって、壊疽やモザイク等の重症のウイルス症状が発生しない、安定している弱毒ウイルスであることが分かった。
実施例1
(弱毒ウイルスの安定性)
(1)弱毒ウイルスNDM05−3の安定性
ガラス温室において、弱毒ウイルスNDM05−3のウイルス粒子を400μg/mlの接種濃度にし、インドネシアのタバコ品種であるC48苗(グダン・ガラム社製)の子葉又は本葉に接種し、5世代以上に亘って継代接種して本葉6〜8枚期までウイルス症状が現れるか否か調べた結果、大変微弱なウイルス症状が発生するのみで、変異によって、壊疽やモザイク等の重症のウイルス症状が発生しない、安定している弱毒ウイルスであることが分かった。
実施例2
(各種CMV弱毒ウイルスの唐辛子作物に対する影響)
ガラス温室において、インドネシアのタバコ品種であるC48(グダン・ガラム社製)とC176(ブリティッシュ・アメリカン・タバコ株式会社製)の種子を播種し、発芽して30日後のそれぞれの作物の幼苗に、本発明の弱毒ウイルスNDM05−3、公知の弱毒ウイルスKO1、KO2、KO3、KO4、KO5、NDM−3、NDM−4、NDM−5、NDM05−1、NDM05−2及びインドネシアのタバコ圃場から得た強毒性のCMVであるCMV−V3のCMV粒子を400μg/mlの接種濃度で10株ずつ接種し、同時に無接種株も10株設けて、それぞれのタバコ作物のウイルス症状を接種後一ケ月以上に亘って調査した。無接種株には全くウイルス症状が現れなかったので調査結果を示さないが、ここでは、本発明の弱毒ウイルスNDM05−3接種株、公知弱毒ウイルスKO1、KO2、KO3、KO4、KO5、NDM−3、NDM−4、NDM−5、NDM05−1、NDM05−2接種株及び強毒CMV−V3接種株のウイルス症状の調査結果を表1に示す。
(各種CMV弱毒ウイルスの唐辛子作物に対する影響)
ガラス温室において、インドネシアのタバコ品種であるC48(グダン・ガラム社製)とC176(ブリティッシュ・アメリカン・タバコ株式会社製)の種子を播種し、発芽して30日後のそれぞれの作物の幼苗に、本発明の弱毒ウイルスNDM05−3、公知の弱毒ウイルスKO1、KO2、KO3、KO4、KO5、NDM−3、NDM−4、NDM−5、NDM05−1、NDM05−2及びインドネシアのタバコ圃場から得た強毒性のCMVであるCMV−V3のCMV粒子を400μg/mlの接種濃度で10株ずつ接種し、同時に無接種株も10株設けて、それぞれのタバコ作物のウイルス症状を接種後一ケ月以上に亘って調査した。無接種株には全くウイルス症状が現れなかったので調査結果を示さないが、ここでは、本発明の弱毒ウイルスNDM05−3接種株、公知弱毒ウイルスKO1、KO2、KO3、KO4、KO5、NDM−3、NDM−4、NDM−5、NDM05−1、NDM05−2接種株及び強毒CMV−V3接種株のウイルス症状の調査結果を表1に示す。
表1の結果から、対照区の強毒CMV−V3は、2品種のタバコに、モザイク、矮化、縮葉などの重症のウイルス症状を現した。しかし、本発明区のNDM05−3は、C48とC176品種に対して、当該試験中で最も微弱な症状である非常に軽微なモザイク症状が現れるのみであった。一方、比較例区の弱毒ウイルスKO1、KO2、KO3、KO4、KO5、NDM−3、NDM−4、NDM−5、NDM05-1及びNDM05-2は、インドネシアのタバコ品種であるC48とC176に対して、弱いモザイク症状を現し、軽い副作用を有することが分かった。よって、本発明の弱毒ウイルスNDM05−3は、従来公知発明の弱毒ウイルスKO1、KO2、KO3、KO4、KO5、NDM−3、NDM−4、NDM−5、NDM05−1及びNDM05−2よりもウイルス症状の弱い弱毒ウイルスであることが分かった。
実施例3
(本発明の弱毒ウイルスNDM05−3の温室内における強毒ウイルスに対する防除効果試験)
C48(グダン・ガラム社製)とC176(ブリティッシュ・アメリカン・タバコ株式会社製)の種子を培養土にそれぞれ播種し、約1ヶ月間温室内で育成した。そして、本葉4〜5枚期の当該2品種の幼苗に、本発明で調製した弱毒ウイルスNDM05−3(本発明区1)、従来公知の弱毒ウイルスKO1、KO2、KO3、KO4、KO5、NDM−3、NDM−4、NDM−5、NDM05−1及びNDM05−2(比較例区1)を400μg/mlの接種濃度でそれぞれ20株ずつ接種した(一次接種)。そして14日後、インドネシアで分離した強毒性のCMVであるCMV−V3を、本葉6〜7枚期の該2品種のタバコにそれぞれ20株ずつ接種した(二次接種)。そして、該強毒ウイルス接種後20日目の該タバコ苗の病徴を、弱毒ウイルスNDM05−3(以上本発明区2)、弱毒ウイルスKO1、KO2、KO3、KO4、KO5、NDM−3、NDM−4、NDM−5、NDM05−1、NDM05−2(以上比較例区2)と強毒ウイルスCMV−V3を接種しない該タバコ2品種(対照区1)と強毒ウイルスCMV−V3のみを接種した該タバコ2品種(対照区2)のウイルス症状を比較、観察した(表2、表3)。
(本発明の弱毒ウイルスNDM05−3の温室内における強毒ウイルスに対する防除効果試験)
C48(グダン・ガラム社製)とC176(ブリティッシュ・アメリカン・タバコ株式会社製)の種子を培養土にそれぞれ播種し、約1ヶ月間温室内で育成した。そして、本葉4〜5枚期の当該2品種の幼苗に、本発明で調製した弱毒ウイルスNDM05−3(本発明区1)、従来公知の弱毒ウイルスKO1、KO2、KO3、KO4、KO5、NDM−3、NDM−4、NDM−5、NDM05−1及びNDM05−2(比較例区1)を400μg/mlの接種濃度でそれぞれ20株ずつ接種した(一次接種)。そして14日後、インドネシアで分離した強毒性のCMVであるCMV−V3を、本葉6〜7枚期の該2品種のタバコにそれぞれ20株ずつ接種した(二次接種)。そして、該強毒ウイルス接種後20日目の該タバコ苗の病徴を、弱毒ウイルスNDM05−3(以上本発明区2)、弱毒ウイルスKO1、KO2、KO3、KO4、KO5、NDM−3、NDM−4、NDM−5、NDM05−1、NDM05−2(以上比較例区2)と強毒ウイルスCMV−V3を接種しない該タバコ2品種(対照区1)と強毒ウイルスCMV−V3のみを接種した該タバコ2品種(対照区2)のウイルス症状を比較、観察した(表2、表3)。
表2、表3の結果から、温室内において、インドネシアで分離した強毒CMV−V3を接種したインドネシアのタバコ品種であるC48とC176は、試供した全株に重度のモザイク症状が現れた。しかし、本発明の弱毒ウイルスNDM05−3を当該2品種のタバコに予め接種することで、当該試験中で最も微弱な症状である非常に軽微なモザイク症状が現れるのみで、強毒CMV−V3の該タバコ2品種への病害に対して、高い防除効果を示した。一方、従来公知の弱毒ウイルスのKO1、KO2、KO3、KO4、KO5、NDM−3、NDM−4、NDM−5、NDM05−1及びNDM05−2をC48品種とC176品種に使用した場合、該弱毒ウイルス群は強毒CMV−V3に高い防除効果を示すものの弱いモザイク症状を現した。以上のことから、本発明の弱毒ウイルスNDM05−3は、インドネシアのタバコ品種であるC48とC176に接種した場合、従来公知の弱毒ウイルスKO1、KO2、KO3、KO4、KO5、NDM−3、NDM−4、NDM−5、NDM05−1及びNDM05−2に比べて、非常に微弱なウイルス症状しか現さずに、インドネシアで分離した強毒CMV−V3に高い防除効果を示す、優れたCMV弱毒ウイルスであることが分かった。
実施例4
(本発明の弱毒ウイルスの圃場における防除効果試験)
インドネシアのバリ島シンガラジャ地域において、タバコ品種であるC48苗(グダン・ガラム社製)200株ずつ2区分を用意し、第1区分には本発明の弱毒ウイルス(NDM05−3)を接種し、第2区分には対照として、弱毒ウイルス無接種の区分を用意した。そして、これら本発明の弱毒ウイルス接種タバコ苗と無接種タバコ苗200株ずつを試験圃場の本発明区と対照区に定植した。次いで、グダン・ガラム社のタバコ栽培基準に基づいて、通常のタバコ栽培を試験圃場で行って、このときの本発明区と対照区のタバコのウイルス症状を調査した。その結果を表4に示す。
(本発明の弱毒ウイルスの圃場における防除効果試験)
インドネシアのバリ島シンガラジャ地域において、タバコ品種であるC48苗(グダン・ガラム社製)200株ずつ2区分を用意し、第1区分には本発明の弱毒ウイルス(NDM05−3)を接種し、第2区分には対照として、弱毒ウイルス無接種の区分を用意した。そして、これら本発明の弱毒ウイルス接種タバコ苗と無接種タバコ苗200株ずつを試験圃場の本発明区と対照区に定植した。次いで、グダン・ガラム社のタバコ栽培基準に基づいて、通常のタバコ栽培を試験圃場で行って、このときの本発明区と対照区のタバコのウイルス症状を調査した。その結果を表4に示す。
表4の結果から、対照区では、モザイクや矮化、縮葉などの激しいウイルス症状が、定植40日後のタバコには調査株数の10%である20株に、60日後には調査株数の33.5%である67株に発生した。しかし、本発明区の弱毒ウイルスNDM05−3を接種したタバコ株には、定植40日後では、まったくウイルス症状が現れず、又、定植60日後には、本発明の弱毒ウイルスNDM05−3に由来する軽微なクロロシスが僅かな7株に現れたのみであった。よって、インドネシアのタバコ品種を通常の育苗管理をした際に、本発明の弱毒ウイルスNDM05−3は、外界強毒ウイルスに対して、高い防除効果を示し、タバコのウイルス症状も大変軽微なものであることが分かった。
以上の結果より、本発明の新規塩基配列を含むサテライトRNA、NDM05−3を含む弱毒CMV接種タバコ苗は、強毒CMVが激しく発生する圃場においては、従来公知の弱毒ウイルスKO1、KO2、KO3、KO4、KO5、NDM−3、NDM−4、NDM−5、NDM05−1及びNDM05−2接種タバコ苗以上に健全葉の収穫総重量及び収率を向上した。よって、本発明の弱毒ウイルスNDM05−3は、弱毒ウイルスKO1、KO2、KO3、KO4、KO5、NDM−3、NDM−4、NDM−5、NDM05−1及びNDM05−2以上に有効な防除効果を有していることが分かった。
なお、上述の各配列番号のサテライトRNAの由来を以下に示す。
配列番号1は、キュウリモザイクウイルス NDM05−3から得たものである。
配列番号2は、同KO1から得たものである。
配列番号3は、同KO2から得たものである。
配列番号4は、同KO3から得たものである。
配列番号5は、同KO4から得たものである。
配列番号6は、同KO5から得たものである。
配列番号7は、同NDM−3から得たものである。
配列番号8は、同NDM−4から得たものである。
配列番号9は、同NDM−5から得たものである。
配列番号10は、同NDM05−1から得たものである。
配列番号11は、同NDM05−2から得たものである。
配列番号1は、キュウリモザイクウイルス NDM05−3から得たものである。
配列番号2は、同KO1から得たものである。
配列番号3は、同KO2から得たものである。
配列番号4は、同KO3から得たものである。
配列番号5は、同KO4から得たものである。
配列番号6は、同KO5から得たものである。
配列番号7は、同NDM−3から得たものである。
配列番号8は、同NDM−4から得たものである。
配列番号9は、同NDM−5から得たものである。
配列番号10は、同NDM05−1から得たものである。
配列番号11は、同NDM05−2から得たものである。
本発明の本発明の配列番号1の塩基配列を有するサテライトRNAを含むCMVの弱毒ウイルスは、農作物に対して5世代以上にわたって継代接種しても、該作物のウイルス症状は殆ど観察されないか、または全く観察されず、安定している。本発明の弱毒ウイルスは、インドネシアのタバコ品種のC48やC176に接種した場合、該タバコ品種に対して大変微弱なウイルス症状しか観察されない。又、本発明の弱毒ウイルスは、タバコに接種した場合、公知の弱毒ウイルスKO1、KO2、KO3、KO4、KO5、NDM−3、NDM−4、NDM−5、NDM05−1及びNDM05−2よりも品質の非常によいタバコを高収率で多量に得ることができる。又、本発明の弱毒ウイルスは、各種植物、特に多くの野菜類、ナス科(トマト、タバコ、ナス、唐辛子、ピーマン等)、マメ科(ササゲ、インゲンマメ、ソラマメ等)、ヒユ科、アカザ科(ホウレンソウ、シロザ、アカザ等)、ウリ科(キュウリ、メロン、カボチャ等)、キク科(レタス、百日草等)、アブラナ科(野沢菜、ダイコン等)、園芸植物類(花卉類)及び果樹などに適用した場合にも、CMVの防除効果を奏する。又さらに、これら本発明の弱毒ウイルスを各種の植物、タバコ作物に用いることにより、ウイルスを媒介するアブラムシを防除する農薬や、寒冷紗やシルバーポリフィルムなどのアブラムシ忌避資材などの使用を最小限に抑えることができ、栽培経費を削減できる効果も奏する。
Claims (7)
- 配列番号1記載の塩基配列を含むサテライトRNA。
- 配列番号1のサテライトRNAをキュウリモザイクウイルスに組み込んでなるキュウリモザイクウイルスの弱毒ウイルス。
- 配列番号1のサテライトRNAをキュウリモザイクウイルスに組み込んでなるキュウリモザイクウイルスの弱毒ウイルスを、予め植物苗に接種して得られるキュウリモザイクウイルス抵抗性植物。
- 請求項3記載のキュウリモザイクウイルス抵抗性植物の一部を組織培養又は栄養繁殖して得られるキュウリモザイクウイルス抵抗性植物。
- 植物苗がタバコ苗である請求項3記載のキュウリモザイクウイルス抵抗性植物。
- タバコ苗がタバコ品種C48又は同C176である請求項5記載のキュウリモザイクウイルス抵抗性植物。
- 配列番号1のサテライトRNAをキュウリモザイクウイルスに組み込んでなるキュウリモザイクウイルスの弱毒ウイルスを、予めタバコ苗に接種することを特徴とするタバコのキュウリモザイクウイルスの防除法。
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JP2008266195A (ja) * | 2007-04-19 | 2008-11-06 | Nippon Del Monte Corp | 植物疫病の防除剤、防除法及び植物疫病抵抗性植物 |
JP2010088328A (ja) * | 2008-10-07 | 2010-04-22 | Nippon Del Monte Corp | サテライトrna、同rnaを有するキュウリモザイクウイルスの弱毒ウイルス、同弱毒ウイルスを接種したキュウリモザイクウイルス抵抗性植物及びキュウリモザイクウイルスの防除法 |
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2005
- 2005-09-20 JP JP2005272011A patent/JP2007082416A/ja active Pending
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