JP3960902B2 - 植物品種の識別方法 - Google Patents
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Description
本発明は、植物品種、特に栄養繁殖した、相互に非常に類似する2種以上の植物品種間において、一方の品種が他方の品種と同一品種であるか、否かの識別を容易に行うための、植物品種の識別方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
球根、りん片、イモ、根、ムカゴ、木子、挿し木、挿し芽、接木、組織培養などで増える栄養繁殖性の植物は、一般に遺伝子がホモ化しておらず、遺伝的に雑ぱくな植物であるため、栄養繁殖すると形質にバラツキが生じ、品種の確認が困難となる。
またそのような親系統同士の交配によって得られるF1品種も形質にバラツキが見られ、F1品種の確認が困難となる。
【0003】
このようなことから、植物品種、特に栄養繁殖した、相互に非常に類似する2種以上の植物品種間において、一方の品種が他方の品種と同一品種であるか、否かの識別を容易に行うための、植物品種の識別剤及び植物品種の識別方法の出現が強く期待されていたが、十分に満足する方法は知られていない。
【0004】
すなわち、植物品種の識別のために植物に遺伝学的にマークを付ける方法であって、100塩基対以下からなるDNA配列を植物ゲノムに導入することを含み、前記DNA配列が、前記植物ゲノムにおいて独特である、植物細胞の識別法(特開2000−300255)が知られている。
この方法は特定塩基配列のDNAを目的とする植物品種の細胞に導入し形質転換して、該形質転換細胞を成長させ植物体に分化させて、該特定塩基配列の該DNAを植物の品種識別に用いる方法である。しかし、野生型植物とは異なる生物学的活性を有する組み換え植物が、ヒトまたは環境にとって危険であるという政治上および社会上の認識から、この方法において、使用しようとする外来DNA配列は、植物の遺伝子発現に影響を及ぼす配列または機能性タンパク質をコードする配列を含まないことが要求され、食品衛生上におて安全性の確認にコストが嵩む欠点を有する。
【0005】
また、ある種のオリゴヌクレオチドをプライマーとして用いて、ポリメラーゼチェイン反応によりミトコンドリアDNAを増幅させることによって、ミトコンドリアDNAの差異に基づいた植物品種のより簡便なかつ効率よい識別方法が知られている(特開平7−39400)。
しかし、この方法は相互に非常に類似する2種以上の植物品種間において、一方の品種が他方の品種と同一品種であるか、否かの識別を行うことはできない欠点を有する。
【0006】
さらにまたRFLP法(Restriction Fragment Length Polymorphism)による植物品種の識別法が知られているが、この方法はDNAの制限酵素処理、サザンブロットハイブリダイゼーション(標識DNAプローブとハイブリッド形成)等を必要とし、操作が煩雑で、労力、時間がかかる欠点を有する(特開平7−39400参照)。
【0007】
以上述べたように植物の識別方法としては、いくつかの方法が知られているが、特定塩基配列のRNAを含有する植物ウイルスを植物品種に接種、感染させ、該ウイルス感染植物品種を得、これを栄養繁殖させた後、該繁殖体の該RNAを検査することにより植物品種の識別を行う方法は、知られていない。
【0008】
本発明は、植物品種、特に栄養繁殖した、相互に非常に類似する2種以上の植物品種間において、一方の品種が他方の品種と同一品種であるか、否かの識別を容易に行うための、植物品種の識別方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は上記課題を解決するために鋭意研究した結果、特定塩基配列のRNAを含有する植物ウイルスを植物に接種、感染させると、該特定塩基配列の該RNAは、該植物全体に移行し、複数世代に亘って栄養繁殖した後の該植物体にまで遺伝、存在しており、よって、特定塩基配列のRNAを含有する植物ウイルスを接種、感染させた植物品種は、該特定塩基配列の該RNAを検出することにより、植物品種を識別できることを見出し、この知見に基づいて本発明を完成した。
【0010】
すなわち本発明は、配列番号1〜配列番号6から選ばれる少なくとも一種のサテライトRNAを含有するキュウリモザイクウイルスの弱毒ウイルスを植物品種に接種、感染させ、該ウイルス感染植物品種を得、これを栄養繁殖させた後、接種したキュウリモザイクウイルス弱毒ウイルスに包含された特定の配列からなるサテライトRNAと同一のサテライトRNAの存否を該繁殖体やその他識別を必要とする対象の植物について検査し、該同一のサテライトRNAの存在を持って、接種、感染させた元の植物品種と同品種であると識別することを特徴とする植物品種の識別方法である。また、上記識別方法において、植物品種としては、栄養繁殖が可能な植物が挙げられる。
【0011】
【発明の実施の形態】
先ず、本発明を実施するには、特定塩基配列のRNAを含有する植物ウイルス調製し、この植物ウイルスを植物品種に接種、感染させる。
【0012】
本発明で用いられる植物ウイルスとしては、従来公知の、あるいは未公知の、任意の、特定塩基配列のRNAを含有する植物ウイルスが挙げられ、例えば特定塩基配列のRNAを含有するキュウリモザイクウイルスが挙げられる。このうち、特に特定塩基配列のサテライトRNAを含有するキュウリモザイクウイルスの弱毒ウイルスが、植物の接種した際に病兆を示さず、また副作用がないので特に好ましい。
【0013】
以下に特定塩基配列のサテライトRNAを含有するキュウリモザイクウイルスの弱毒ウイルスの調製法を簡単に示す。
これは、従来公知の方法を用いて行われ、例えば、特許第2975739号(発明の名称:クローニングしたサテライトRNAを用いたキュウリモザイクウイルスの弱毒ウイルス)及び特開平11−276178(発明の名称:サテライトRNA、キユウリモザイクウイルス弱毒ウイルス、キユウリモザイクウイルスの防除法およびキユウリモザイクウイルス抵抗性植物)に記載された方法などに準じて行われる。
【0014】
すなわち、各種植物、例えばトマト、ナス、ピーマン、ホウレンソウなどより分離されたキュウリモザイクウイルス(以下、CMVということがある)であって、当該植物(例えばトマト)にえそ症状を示さないサテライトRNAを含有する弱毒ウイルスを植物(例えばトマト)子葉に接種して、1〜4週間程度ウイルスを増殖させた後、感染葉を凍結粉砕し更にワーリングブレンダー(ミキサー、または磨砕機)等で適当なクロロホルムを含有する緩衝液中で磨砕する。得られた磨砕液より適当な遠心分離を繰り返すことによってサテライトRNAを含有する弱毒ウイルス粒子を精製する。即ち、フェノール抽出とエタノール沈殿によってRNA画分(文献T.Maniatis)を得る。更にこのRNA画分を10〜40%のショ糖密度勾配遠心分離法やポリアクリルアミドゲル電気泳動によって単離、精製し、弱毒ウイルスのサテライトRNAを得る。このサテライトRNAの塩基配列をThermo Sequenase Cycle Sequencing Kit(Amersham社製)とDNAシーケンサDSQ−1000L(島津製作所製)を用いて決定する。
上記で得られるサテライトRNAを鋳型としてAMV(ライフサイエンス社製)などの逆転写酵素を使用し、常法に従いcDNAを合成する。得られたcDNAにT7、T3、SP6(文献 J.D.Watsonら、In Molecular Biology of the Gene,1987)などの適切なプロモーターを連結した後、pUC118(pUC119)などの(宝酒造社製)プラスミドに導入し、得られる組換えプラスミドで大腸菌JM101、JM109などの宿主微生物を形質転換してクローニングする。
このサテライトRNAのcDNAを含有する組換えプラスミドにRNAポリメラーゼを作用させ、サテライトRNAを生産せしめる。そのサテライトRNAを天然のサテライトRNAを含まないかあるいはそれを除去したCMVのRNA(但し、少なくともRNA1〜RNA3を含む)と共に植物の幼苗の葉、根、茎に接種する。即ち、野菜、花卉、タバコ、豆類、果樹などの幼苗の葉、根、茎などに接種する。このようにして、弱毒ウイルスを製造する。
【0015】
次に、特定塩基配列のサテライトRNAを含有するキュウリモザイクウイルスの弱毒ウイルスの調製法について、詳しく説明する。
【0016】
(1)特定塩基配列のサテライトRNAを含有するキュウリモザイクウイルスの弱毒ウイルスの調製
各種植物、例えば野菜の圃場よりナス科、ウリ科、キク科、アブラナ科などの野菜からウイルス症状の葉を適当枚数(例えば300枚)採集し、これらの葉に10倍量のリン酸緩衝液(例えば、中性付近の0.1Mリン酸緩衝液)を加えて磨砕し、その液を野菜(例えば、トマトの苗木、日本デルモンテ社製TMK143)に接種して一週間後、各々のエライザー検定を行い、キュウリモザイクウイルス(以下、CMVということがある)の感染を確認した系統(例えば百数十系統)の中から弱毒ウイルスを選抜する。
すなわち、トマトの感染葉の磨砕液をそれぞれトマト苗(TMK143)10株ずつに接種し、一週間後、リボ核酸(RNA)分析を行って、サテライトRNAを含有するCMVを検出する。
その後それらについてウイルス症状調査を行い、ネクロシス、モザイクが発病した系統や感染力を有しない系統を取り除き、ウイルス症状が軽微でウイルス増殖量の多い弱毒ウイルスを選抜する。
この選抜した弱毒ウイルスは遺伝的に均一でなく、ウイルス症状が異なる場合が多いので、トマト苗(例えば500株)にこのウイルスを接種し、弱いウイルス症状が揃っている株だけを選抜し、さらにサテライトRNAの存在が継続されている株だけを採集して、ウイルス接種液の調製を行い、再度トマトに接種し、同じ選抜操作をしてウイルス接種液の調製する作業を5回繰り返し、トマトで継代接種を行ってサテライトRNAを安定して含む弱毒ウイルスを作出する。
【0017】
(2)サテライトRNAの単離精製
サテライトRNAを含む弱毒ウイルスをトマト苗の子葉に接種、感染させ、1〜4週間程度ウイルスを増殖させた後、トマト子葉を採取し超低温にて凍結する。
この感染葉を粉砕し、2倍量の 0.1%チオグリコール酸を含む 0.5Mクエン酸緩衝液(pH6.5)と同量のクロロホルムを加え、ワーリングブレンダーで破砕する。
この破砕液を9,500Xg、10分間遠心し、上層(水層)の10%に当たる重量のポリエチレングリコールを加え溶解させた後、40分間静置する。
この溶液を9,500Xg、20分間遠心し、得られた沈殿に2%トライトンX−100を含む0.05Mクエン酸緩衝液(pH7.0) を加え懸濁均一化する。
この粗精製品を12,000Xgで遠心分離した上清を240,000Xg、45分間遠心し、沈殿を回収した後 10mMリン酸緩衝液(pH7.0) に懸濁する。
この溶液に最終濃度で1%になるように10% SDSを加え、さらに溶液と等量のフェノールを加えた後12,000Xg、15分間遠心する。
この上層(水層)を回収し常法に従ってエタノール沈殿を繰り返してRANを単離、精製する。
この方法で感染葉100gより約100μgのRNAを得ることができる。
上記の方法で得られたRNAを水に溶解し、10〜40%ショ糖密度勾配により超遠心分離(175,000Xg,16時間)して得られたサテライトRNAのバンドを採取し、常法に従ってエタノール沈殿を繰り返してサテライトRANを単離精製する。
精製が不十分な場合は6M尿素を含む9%ポリアクリルアミドゲル電気泳動を行なった後、臭化エチジウムの溶液で染色し、サテライトRNAのバンドの部分をカミソリ等で切り取る。
サテライトRNAのバンドを含むゲル断片を透析チューブに入れEDTAを含むトリス−酢酸緩衝液中で電気泳動による溶出を行なってサテライトRNAを回収した後、常法に従ってエタノール沈殿を繰り返してサテライトRNAを単離精製する。
この電気泳動によるサテライトRNAの溶出の詳細はT.Maniatisらの方法[Molecular Cloning(1982)]に従って行なう。
【0018】
(3)サテライトRNAのクローニングとシークエンス
単離精製したサテライトRNAからマイナス鎖(以下−鎖と表記する)cDNAを合成するために、サテライトRNA(約3μg)と3´末端塩基配列に相補的なDNAプライマー(8塩基、1μg)を95℃に加熱した後、徐冷してRNAとDNAプライマーをアニーリングさせる。
−鎖cDNA合成反応は以下の緩衝液中で1.5時間、42℃に放置することによって行なう。
[cDNA合成反応液;50mM Tris−HCl、10mM MgCl2 、140mM KCl、30mM β−mercapto−ethanol、500μM dNTP 、50μCi[α−32P]dCTP、150units RNasin(Promega)、105units AMV reversetranscriptase(Life Sciences)]。
−鎖cDNA合成反応はFirst−strand cDNA Synthesis Kit(Pharmacia Biotech) を用いて行う。
次に、得られたcDNAをPCR法によって増幅させる。
すなわち、プラス鎖サテライトRNAの5´末端に相同的なDNAプライマーと3´末端塩基配列に相補的なDNAプライマーを用い、94℃1分間、37℃1分間、72℃2分間の反応を45回繰り返すことによってPCR反応を行う。[PCR反応液;10mM Tris−HCl、1.5mM MgCl2 、50mM KCl、100μM dNTP、5units Taq DNA polymerase(Boehringer Mannheim)]
このcDNAを1.5%アガロースゲル電気泳動によって分離させた後、ゲルより切り出し、DNA回収キットGENEPURE(ニッポンジーン)を用いて精製する。
得られるcDNAをT−Aクローニング用ベクターpCR2.1(Invitrogen)に導入する。このプラスミドを制限酵素EcoRIで切断することによってサテライトRNA由来のcDNAの存在を確認する。
【0019】
(4)サテライトRNAの塩基配列の決定
このサテライトRNAの塩基配列をThermo Sequenase Cycle Sequencing Kit(Amersham社製)とDNAシーケンサDSQ−1000L(島津製作所製)を用いて決定する。
それぞれのRNA(配列番号1、2、3、5及び6)は、プラスミドpT7−57A、pT7−60A、pT7−KN、pT7−57B及びpNDM3Aに組み込み、大腸菌に導入して、独立行政法人産業技術総合研究所特許生物寄託センター〔茨城県つくば市東1丁目1番地1中央第6(郵便番号305−8566)〕に国内寄託及びブタペスト条約上の寄託を行っている。それぞれ寄託番号は次の通りである。
配列番号 No1.(E.coli)JM101(pT7-57A) FERM BP-3535
配列番号 No2.(E.coli)JM101(pT7-60A) FERM BP-3536
配列番号 No3.(E.coli)JM101(pT7-KN) FERM BP-3534
配列番号 No5.(E.coli)JM101(pT7-57B) FERM BP-3533
配列番号 No6.(E.coli)JM109(pNDM3A) FERM P-16701
【0020】
(5)植物ウイルスからなる識別剤の作成
配列番号1から配列番号6のサテライトRNAを含有する植物ウイルスに感染したトマト葉1gに緩衝液(中性付近の0.1Mリン酸緩衝液)を加えた磨砕液10mlをトマト100株の子葉または本葉に接種し、1〜2週間程度ウイルスを増殖させたのち、トマト感染葉150gを採取し、超低温−80℃で凍結する。
この感染葉を粉砕した後、0.1%チオグリコ−ル酸を含む0.5Mクエン酸緩衝液(pH6.5)300mlと同量のクロロホルムを加え、ワーリングブレンダーで磨砕し、CMV粒子を含む磨砕液を得る。
この磨砕液を2,000 Xg、10分間遠心し、上層(水層)120mlを回収し、それに10重量%の粉末ポリエチレングリコール12gを加え溶解させた後、40分静置して、析出させ、沈殿し易くする。
この溶液を9,500 Xg、20分間遠心し、得られた沈殿(CMV粒子)を回収し、これに2%トライトンX−100を含む0.05Mクエン酸緩衝液(pH7.0)を洗浄のため加え溶解する。
これを12,000Xgで遠心分離し、CMV粒子を含む上澄を分取して、これを240,000Xg、45分間遠心し、得られた沈殿を10mMリン酸緩衝液に懸濁して、植物ウイルスのCMV粒子を約10mg抽出し、植物ウイルスを分離精製する。そして、この植物ウイルスを30〜50mMリン酸緩衝液(pH6.5〜7.5)で、10〜50μg/mlに希釈、懸濁して、植物ウイルスからなる識別剤を得る。
【0021】
(6)植物ウイルスからなる識別剤の植物品種への接種、感染方法
本発明で識別できる植物品種は、任意の植物が挙げられるが、特にリンドウ、ユリ、コンニャクなどの栄養繁殖性の植物、並びにトマト、ピーマン、タバコなどの種子繁殖性の植物でも栄養繁殖できる植物に適用した場合、本発明の効果が著しいので好ましい。
【0022】
植物ウイルスからなる識別剤の植物品種への接種、感染方法は、該識別剤を綿棒、指、ガラス棒などを用いて、擦り付ける方法や植物体を研磨剤又は摩擦剤等を用いて、人為的に摩擦した後その部分に該識別剤を接種する方法、該識別剤を直接注入する方法、スプレーガンによって該識別剤を噴霧する方法、または植物体の表面に該識別剤を噴霧した後、研磨剤を付着させたローラーを圧接回転せしめ、該表面を被傷せしめると共に該植物体に接種する方法(特許第2908594号)、植物体の表面にブラシを当接し該植物体の表面を被傷させ、その前または後ろにおいて植物体の表面に該識別剤を接触させる方法(特開2000−201535号)、あるいは該識別剤を植物体、あるいは植物体組織の一部に直接ジーンガンで撃ち込む方法等があり、その感染又は導入方法に制限はない。
【0023】
そして、該識別剤を上記植物へ接種し、感染させる時期は、目的とする植物の任意の適宜な時期でよい。
加えて、上記特定植物の育成、又は栄養繁殖の方法は、通常の方法に従って行なうことができ、その方法に制限はない。
以上の方法によって、特定塩基配列のRNAを用いて、目的とする植物品種を識別するためのマーキングができる。
【0024】
(7)繁殖体のRNAの検査法
被検体植物が目的とする植物品種に由来するものかどうかを検査するには、該植物体の植物ウイルスの存否、存在していた場合は当該植物ウイルスの特定塩基配列のRNAの存否を検査する。そして該特定塩基配列の該RNAの検出の有無によって、ある植物が目的の植物品種を栄養繁殖させたものか否か、つまり、ある植物と目的の植物品種とを識別することができる。
【0025】
以下実施例を示して本発明をより具体的に説明する。
【実施例】
実施例1
(配列番号1のサテライトRNAを含有するCMVの弱毒ウイルスからなる識別剤の作成)
配列番号1のサテライトRNAを含有する植物ウイルスに感染したトマト葉1gに緩衝液(中性付近の0.1Mリン酸緩衝液)を加え、磨砕した液10mlをトマト100株の子葉または本葉に接種し、1〜2週間程度ウイルスを増殖させたのち、トマト感染葉150gを採取し、超低温−80℃で凍結した。
この感染葉を粉砕した後、0.1%チオグリコ−ル酸を含む0.5Mクエン酸緩衝液(pH6.5)300mlと同量のクロロホルムを加え、ワーリングブレンダーで磨砕し、CMV粒子を含む磨砕液を得た。
この磨砕液を2,000 Xg、10分間遠心し、上層(水層)120mlを回収し、それに10重量%の粉末ポリエチレングリコール12gを加え溶解させた後、40分静置して、析出させ、沈殿し易くした。
この溶液を9,500 Xg、20分間遠心し、得られた沈殿(CMV粒子)を回収し、これに2%トライトンX−100を含む0.05Mクエン酸緩衝液(pH7.0)を洗浄のため加え溶解した。
これを12,000Xgで遠心分離し、CMV粒子を含む上澄を分取して、これを240,000Xg、45分間遠心し、得られた沈殿を10mMリン酸緩衝液に懸濁して、植物ウイルスのCMV粒子を約10mg抽出し、配列番号1のサテライトRNAを含有するCMVの弱毒ウイルスからなる識別剤を得た。
【0026】
実施例2
(配列番号1のサテライトRNAを含有するCMVの弱毒ウイルスからなる識別剤を用いてトマトの品種を識別する方法)
上記実施例1で得られた、配列番号1の特定塩基配列を有するサテライトRNAを含有するCMVの弱毒ウイルスからなる識別剤を、トマト品種TM6028(日本デルモンテ社育成)の子葉に綿棒を用いて接種、感染させ、一ヶ月後に当該トマト品種の側枝を挿し芽して、その挿し芽から二ヶ月後にその側枝を再度挿し芽して増殖した。
さらに二ヶ月後に挿し芽し、この増殖方法を4世代繰り返して、それぞれの世代のトマトから葉を採取して、−70℃の超低温にて凍結保存した。
次いで、以下の方法を用いて、サテライトRNAを単離精製した。
すなわち、サテライトRNAを含む弱毒ウイルスをトマトの子葉に接種、感染させ、3週間ウイルスを増殖させた後、トマト子葉を採取し超低温にて凍結した。
この感染葉を粉砕し、2倍量の 0.1%チオグリコール酸を含む 0.5Mクエン酸緩衝液(pH6.5)と同量のクロロホルムを加え、ワーリングブレンダーで破砕した。
この破砕液を9,500Xg、10分間遠心し、上層(水層)の10%に当たる重量のポリエチレングリコールを加え溶解させた後、40分間静置した。
この溶液を9,500Xg、20分間遠心し、得られた沈殿に2%トライトンX−100を含む0.05Mクエン酸緩衝液(pH7.0) を加え懸濁均一化した。
この粗精製品を12,000Xgで遠心分離した上清を240,000Xg、45分間遠心し、沈殿を回収した後 10mMリン酸緩衝液(pH7.0) に懸濁した。
この溶液に最終濃度で1%になるように10% SDSを加え、さらに溶液と等量のフェノールを加えた後12,000Xg、15分間遠心した。
この上層(水層)を回収し常法に従ってエタノール沈殿を繰り返してRNAを単離、精製した。
この方法で感染葉100gより約100μgのRNAを得ることができた。
上記の方法で得られたRNAを水に溶解し、10〜40%ショ糖密度勾配により超遠心分離(175,000Xg,16時間)して得られたサテライトRNAのバンドを採取し、常法に従ってエタノール沈殿を繰り返してサテライトRNAを単離、精製した。
このサテライトRNAの塩基配列を、Thermo Sequenase Cycle Sequencing Kit(Amersham社製)とDNAシーケンサDSQ−1000L(島津製作所製)を用いて決定した。
その結果、すべての世代のトマト葉から配列番号1のサテライトRNAを検出した。
【0027】
実施例3
(配列番号6のサテライトRNAを含有するCMVの弱毒ウイルスからなる識別剤)
実施例1の「配列番号1のサテライトRNAを含有するCMVの弱毒ウイルスからなる識別剤」の調製例において、配列番号1のサテライトRNAに代えて、配列番号6のサテライトRNAを用いる以外は、全く同様にして、配列番号6のサテライトRNAを含有するCMVの弱毒ウイルスからなる識別剤を得た。
【0028】
実施例4
(配列番号6のサテライトRNAを含有するCMVの弱毒ウイルスからなる識別剤を用いてピーマンの品種を識別する方法)
実施例3で得られた、配列番号6のサテライトRNAを含有するCMVの弱毒ウイルスからなる識別剤をピーマン品種レッドキッス(日本デルモンテ社育成)の子葉に実施例2と同様に接種、感染させ、実施例2と全く同様な方法で3ヶ月後に当該ピーマン品種の側枝を挿し芽して、その挿し芽から3か月後にその側枝を再度挿し芽して増殖し、この増殖方法を4世代繰り返した。そして、それぞれの世代のピーマンから葉を採取し、これも実施例2と全く同様な方法で処理した。その結果、配列番号6のサテライトRNAが、すべての世代のピーマン葉から検出された。
【0029】
実施例5
(配列番号2のサテライトRNAを含有するCMVの弱毒ウイルスからなる識別剤の調製例)
実施例1の「配列番号1のサテライトRNAを含有するCMVの弱毒ウイルスからなる識別剤」の調製例において、配列番号1のサテライトRNAに代えて、配列番号2のサテライトRNAを用いる以外は、全く同様にして、配列番号2のサテライトRNAを含有するCMVの弱毒ウイルスからなる識別剤を得た。
【0030】
実施例6
(配列番号2のサテライトRNAを含有するCMVの弱毒ウイルスからなる識別剤を用いてリンドウを識別する方法)
リンドウは営利栽培では、一般には宿根草として根で増殖させるので、実生苗に、実施例5で得られた配列番号2のサテライトRNAを含有するCMVの弱毒ウイルスからなる識別剤を接種し、越冬後に出芽してきたリンドウの葉から該弱毒ウイルスの遺伝子を検査した。またその後、同リンドウ苗を4年後(越冬を4年間繰り返した後)に検査した結果、配列番号2のサテライトRNAが検出された。
【0031】
実施例7
(配列番号3のサテライトRNAを含有するCMVの弱毒ウイルスからなる識別剤の調製例)
実施例1の「配列番号1のサテライトRNAを含有するCMVの弱毒ウイルスからなる識別剤」の調製例において、配列番号1のサテライトRNAに代えて、配列番号3のサテライトRNAを用いる以外は、全く同様にして、配列番号3のサテライトRNAを含有するCMVの弱毒ウイルスからなる識別剤を得た。
【0032】
実施例8
上記実施例7で得られた配列番号3の特定塩基配列を有するサテライトRNAを含有するCMVの弱毒ウイルスからなる識別剤をリンドウ(品種名 :いわて乙女)の幼苗に実施例6と同様に接種、感染させた後、育苗した。そして当該リンドウの新木の新梢を長さ約3cm(2〜3節)に切って挿し穂として採穂し、次に切り取った当該挿し穂をその切り口から白い液が出なくなるまで水に浸して水揚げした。続いて挿し穂の1節目が隠れる程度の深さで3号ポットに4本挿しして挿し芽を行い、上記挿し芽の増殖方法を4世代繰り返した。このとき、用土はpH4.5〜6.0に調整した赤土7、ピートモス3の混合土を用いた。そして、それぞれの世代のリンドウから葉を採取し、これも実施例2と全く同様な方法で処理した。その結果、配列番号3のサテライトRNAが、すべての世代のリンドウ葉から検出された。
【0033】
【発明の効果】
本発明は、育成中又は育成後の任意な時期に、大多数の同じ植物品種の植物体に植物ウイルスを接種、感染させ、マーキングすることができる。また、本発明は昨今問題となっている遺伝子組換え植物を作成するものはないことから、野菜や果実などの食物に利用した場合も社会的、環境的にもまったく安全であるという効果を奏する。生育中の植物品種の植物体そのものを、特定塩基配列のRNAによって、マーキングすることができる。従来の方法はアグロバクテリウム・ツメファシエンス由来のプラスミドベクターを使用するので該細菌が感染しない植物に該識別方法は使用できないが、植物ウイルスは殆ど全ての植物に対して感染するため、本発明は、殆ど全ての植物に対して、適用可能である。本発明によれば類似する植物品種と目的の植物品種とを容易に識別できる。
【0034】
以下に配列表を示す。
この配列表は、いずれも先ず圃場で裁培された植物、例えばトマト、ナス、ピーマン、ホウレンソウ等より分離されたキュウリモザイクウイルスであって、トマトに壊疽症状を示さないサテライトRNAを含む弱毒ウイルスである(特許第2975739号、「クローニングしたサテライトRNAを用いたキュウリモザイクウイルスの弱毒ウイルス」及び特開平11−276178、「サテライトRNA、キユウリモザイクウイルス弱毒ウイルス、キユウリモザイクウイルスの防除法およびキユウリモザイクウイルス抵抗性植物」参照)。
【0035】
【配列表】
Claims (2)
- 配列番号1〜配列番号6から選ばれる少なくとも一種のサテライトRNAを含有するキュウリモザイクウイルスの弱毒ウイルスを植物品種に接種、感染させ、該ウイルス感染植物品種を得、これを栄養繁殖させた後、接種したキュウリモザイクウイルス弱毒ウイルスに包含された特定の配列からなるサテライトRNAと同一のサテライトRNAの存否を該繁殖体やその他識別を必要とする対象の植物について検査し、該同一のサテライトRNAの存在を持って、接種、感染させた元の植物品種と同品種であると識別することを特徴とする植物品種の識別方法。
- 植物品種が、栄養繁殖が可能な植物である請求項1に記載の植物品種の識別方法。
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