JPH11274452A - 二次元画像検出器およびその製造方法 - Google Patents
二次元画像検出器およびその製造方法Info
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- JPH11274452A JPH11274452A JP10070270A JP7027098A JPH11274452A JP H11274452 A JPH11274452 A JP H11274452A JP 10070270 A JP10070270 A JP 10070270A JP 7027098 A JP7027098 A JP 7027098A JP H11274452 A JPH11274452 A JP H11274452A
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Abstract
の低温でCdTeやCdZnTeなどの半導体材料を形
成することで、応答性がよく、動画像にも対応できる二
次元画像検出器およびその製造方法を提供すること。 【解決手段】 格子状に配列された電極配線と、各格子
点毎に設けられた複数のスイッチング素子と、該スイッ
チング素子を介して前記電極配線に接続される画素電極
を含む電荷蓄積容量とからなる画素配列層と、前記画素
配列層のほぼ全面に対向して形成される電極部と、前記
画素配列層および電極部の間に形成され、光導電性を有
する半導体層とを備えてなる二次元画像検出器におい
て、前記画素配列層を含むアクティブマトリクス基板
と、前記電極部および半導体層を含む対向基板とを備え
ており、前記アクティブマトリクス基板の画素配列層
と、前記対向基板の半導体層とが対向するように両基板
が配置されるとともに、該両基板は、接着性を有する導
電粒子によって接続されていることを特徴とする。
Description
線、可視光、赤外光などの画像を検出できる二次元画像
検出器と、その製造方法に関するものである。
して、X線を感知して電荷(電子−正孔)を発生する半
導体センサーを二次元状に配置し、これらのセンサーに
それぞれ電気スイッチを設けて、各行毎に電気スイッチ
を順次オンにして各列毎にセンサーの電荷を読み出すも
のが知られている。このような二次元画像検出器は、例
えば、文献「D.L.Lee,et al.,"A New Digital Detector
for Projection Radiography",SPIE,2432,pp.237-249,
1995」、「L.S.Jeromin,et al.,"Application ofa-Si A
ctive-Matrix Technology in a X-Ray Detector Pane
l",SID 97 DIGEST,pp.91-94,1997」、および特開平6−
342098号公報などに具体的な構造や原理が記載さ
れている。
の構成と原理について説明する。
器の構造を模式的に示した図である。また、図8は、1
画素当たりの構成断面を模式的に示した図である。
び図8に示すように、ガラス基板51上にXYマトリク
ス状の電極配線(ゲート電極52とソース電極53)、
薄膜トランジスタ(TFT)54、電荷蓄積容量(C
s)55などが形成されたアクティブマトリクス基板を
備えている。また、このアクティブマトリクス基板上に
は、そのほぼ全面に、光導電膜56、誘電体層57およ
び上部電極58が形成されている。
と、前記薄膜トランジスタ54のドレイン電極に接続さ
れた画素電極60とが、絶縁層61を介して対向してい
る構成である。
照射されることで電荷(電子−正孔)が発生する半導体
材料が用いられるが、前記文献によれば、暗抵抗が高
く、X線照射に対して良好な光導電特性を示すアモルフ
ァスセレニウム(a−Se)が用いられている。この光
導電膜(a−Se)56は、真空蒸着法によって300
〜600μmの厚みで形成されている。
液晶表示装置を製造する過程で形成されるアクティブマ
トリクス基板を流用することが可能である。例えば、ア
クティブマトリクス型液晶表示装置(AMLCD)に用
いられるアクティブマトリクス基板は、アモルファスシ
リコン(a−Si)やポリシリコン(p−Si)によっ
て形成された薄膜トランジスタ(TFT)や、XYマト
リクス電極、電荷蓄積容量(Cs)を備えた構造になっ
ている。したがって、若干の設計変更を行うだけで、放
射線二次元検出器用のアクティブマトリクス基板として
利用することが容易である。
の動作原理について説明する。
線が照射されると、光導電膜56内に電荷(電子−正
孔)が発生する。図7および図8に示すように、光導電
膜56と電荷蓄積容量(Cs)55は電気的に直列に接
続された構造になっているので、上部電極58とCs電
極59間との間に電圧を印加しておくと、光導電膜56
で発生した電荷(電子−正孔)がそれぞれ+電極側と−
電極側に移動し、その結果、電荷蓄積容量(Cs)55
に電荷が蓄積される仕組みになっている。なお、光導電
膜56と電荷蓄積容量(Cs)55との間には、薄い絶
縁層からなる電子阻止層62が形成されており、これが
一方側からの電荷の注入を阻止する阻止型フォトダイオ
ードの役割を果たしている。
に蓄積された電荷は、ゲート電極G1、G2、G3、
…、Gnの入力信号によって薄膜トランジスタ(TF
T)54をオープン状態にすることでソース電極S1、
S2、S3、…、Snより外部に取り出すことが可能で
ある。電極配線(ゲート電極52とソース電極53)、
薄膜トランジスタ(TFT)54、および電荷蓄積容量
(Cs)55などは、すべてXYマトリクス状に設けら
れているため、ゲート電極G1、G2、G3、…、Gn
に入力する信号を線順次に走査することで、二次元的に
X線の画像情報を得ることが可能となる。
光導電膜56がX線などの放射線に対する光導電性だけ
でなく、可視光や赤外光に対しても光導電性を示す場合
は、可視光や赤外光の二次元画像検出器としても作用す
る。
放射線二次元検出器では、光導電膜56としてa−Se
を用いており、このa−Seは、アモルファス材料特有
の光電流の分散型伝導特性を有していることから応答性
が悪く、また、a−SeのX線に対する感度(S/N
比)が十分でないため、長時間X線を照射して電荷蓄積
容量(Cs)55を十分に充電してからでないと情報を
読み出すことができないといった欠点を持ち合わせてい
る。
荷が電荷蓄積容量に蓄積することの防止、およびリーク
電流(暗電流)の低減や高電圧保護の目的で、光導電膜
(a−Se)56と上部電極58との間に誘電体層57
が設けられているが、この誘電体層57に残留する電荷
を1フレーム毎に除去するシーケンスを付加する必要が
あるため、前記放射線二次元検出器は静止画の撮影にし
か利用することができないといった問題を生じていた。
得るためには、a−Seの代わりに、結晶(もしくは多
結晶)材料で、かつX線に対する感度(S/N比)の優
れた光導電膜56を利用する必要がある。光導電膜56
の感度が向上すれば、短時間のX線照射でも電荷蓄積容
量(Cs)55を十分に充電できるようになり、また、
光導電膜56に高電圧を印加する必要がなくなるため、
誘電体層57自身も不要となる。
導電材料としては、CaTeやCdZnTeなどが知ら
れている。一般に、X線の光電吸収は吸収物質の実効原
子番号の5乗に比例するため、例えば、Seの原子番号
が34、CdTeの実効原子番号が50とすると、約
6.9倍の感度の向上が期待できる。ところが、前記放
射線二次元検出器の光導電膜として、a−Seの代わり
にCaTeやCdZnTeを利用しようとすると、以下
のような問題が生じる。
真空蒸着法を用いることができ、この時の成膜温度は常
温で可能なため、上述のアクティブマトリクス基板上へ
の成膜が容易であった。これに対して、CdTeやCd
ZnTeの場合は、MBE法やMOCVD法による成膜
法が知られており、特に大面積基板への成膜を考慮する
とMOCVDが適した方法と考えられる。
CdZnTeを成膜する場合、原料である有機カドミウ
ム(DMCd)の熱分解温度が約300℃、有機テルル
(DETeやDiPTe)の熱分解温度が各々約400
℃、約350℃であるため、成膜には約400℃の高温
が要求される。
されている前述の薄膜トランジスタ(TFT)54は、
半導体層としてa−Si膜やp−Si膜を用いている
が、半導体特性を向上させるために300〜350℃程
度の成膜温度で水素(H2)を付加しながら成膜されて
いる。このようにして形成されるTFT素子の耐熱温度
は約300℃であり、TFT素子をこれ以上の高温に曝
すとa−Si膜やp−Si膜から水素が抜け出し半導体
特性が劣化してしまう。
基板上に、MOCVD法を用いてCdTeやCdZnT
eを成膜することは、成膜温度の観点から事実上困難で
あった。
なされたものであって、その目的とするところは、アク
ティブマトリクス基板上に300℃以下の低温でCdT
eやCdZnTeなどの半導体材料を形成することで、
応答性がよく、動画像にも対応できる二次元画像検出器
およびその製造方法を提供することにある。
器は、格子状に配列された電極配線と、各格子点毎に設
けられた複数のスイッチング素子と、該スイッチング素
子を介して前記電極配線に接続される画素電極を含む電
荷蓄積容量とからなる画素配列層と、前記画素配列層の
ほぼ全面に対向して形成される電極部と、前記画素配列
層および電極部の間に形成され、光導電性を有する半導
体層とを備えてなる二次元画像検出器において、前記画
素配列層を含むアクティブマトリクス基板と、前記電極
部および半導体層を含む対向基板とを備えており、前記
アクティブマトリクス基板の画素配列層と、前記対向基
板の半導体層とが対向するように両基板が配置されると
ともに、該両基板は、接着性を有する導電粒子によって
接続されていることを特徴としており、そのことによ
り、上記目的が達成される。
記半導体層が、放射線に対して感度を有することを特徴
としている。
記半導体層が、CdTeもしくはCdZnTe化合物半
導体であることを特徴としている。
記接着性を有する導電粒子が、該導電粒子の表面に熱硬
化型接着剤をコートしたものであることを特徴としてい
る。
記接着性を有する導電粒子が、100〜1000個/m
m2の密度で散布されていることを特徴としている。
記対向基板の半導体層表面に、前記アクティブマトリク
ス基板上に形成されている各画素電極に対応して、複数
の接続電極が形成されていることを特徴としている。
記対向基板は、光導電性を有する半導体層自身が支持基
板であることを特徴としている。
記対向基板は、検出する光や放射線を透過する基板を支
持基板とし、該支持基板上に光導電性を有する半導体膜
が形成されていることを特徴としている。
格子状に配列された電極配線と、各格子点毎に設けられ
た複数のスイッチング素子と、該スイッチング素子を介
して前記電極配線に接続される画素電極を含む電荷蓄積
容量とからなる画素配列層と、前記画素配列層のほぼ全
面に対向して形成される電極部と、前記画素配列層およ
び電極部の間に形成され、光導電性を有する半導体層と
を備えてなる二次元画像検出器の製造方法において、前
記画素配列層を含むアクティブマトリクス基板を作製す
る工程と、前記電極部および半導体層を含む対向基板を
作製する工程と、前記アクティブマトリクス基板および
対向基板のどちらか一方の表面に、接着性を有する導電
粒子を湿式または乾式の散布法により散布した後、該両
基板を貼り合わせて接続する工程と、を含むことを特徴
としており、そのことにより、上記目的が達成される。
おける前記アクティブマトリクス基板と対向基板とを貼
り合わせて接続する工程において、前記接着性を有する
導電粒子を散布した後、該両基板を減圧プレス方式でプ
レスしながら加熱処理を施して貼り合わせることを特徴
としている。
おける前記アクティブマトリクス基板と対向基板とを貼
り合わせて接続する工程において、前記接着性を有する
導電粒子を散布した後、該両基板を加圧プレス方式でプ
レスしながら加熱処理を施して貼り合わせることを特徴
としている。
の製造方法による作用について説明する。
状に配列された電極配線と、各格子点毎に設けられた複
数のスイッチング素子と、該スイッチング素子を介して
前記電極配線に接続される画素電極を含む電荷蓄積容量
とからなる画素配列層とを含むアクティブマトリクス基
板と、光導電性を有する半導体層がほぼ全面に具備され
た対向基板とが、接着性を有する導電粒子によって、電
気的および物理的に接続されていることにより、従来半
導体層の成膜温度とアクティブマトリクス基板の耐熱性
との関係で、アクティブマトリクス基板上に直接成膜す
ることができなかった半導体材料を、前記半導体層とし
て使用することが可能になる。
粒子によって接続していることにより、各画素電極毎に
電気的絶縁性は確保され、隣り合う画素電極同士のクロ
ストークも発生せず、なおかつアクティブマトリクス基
板上と半導体層とを電気的および物理的に接続すること
が可能になる。
記半導体層が放射線に対して感度を有していることによ
り、放射線に対する二次元画像検出器を実現することが
可能になる。なお、このような構成により使用可能な半
導体材料としては、例えば、CdTeもしくはCdZn
Te化合物半導体が挙げられるが、これらの半導体材料
は、従来用いられていたa−Seに比べて、X線などの
放射線に対する感度が高く、前記半導体層にCdTeも
しくはCdZnTe化合物半導体を用いる場合には、二
次元画像検出器の応答性が向上し、動画の撮影も可能に
なる。
記接着性を有する導電粒子が該導電粒子の表面に熱硬化
型接着剤をコートしたものであることにより、金属やI
TOなどの導電粒子であっても接着性を付加することに
より、二次元画像検出器への使用が可能になる。
記接着性を有する導電粒子が100〜1000個/mm
2の密度で散布されていることにより、全画素電極への
確実な粒子の配置と、画素電極毎の電気的絶縁性を同時
に得ることが可能になる。
記対向基板の半導体層表面に、前記アクティブマトリク
ス基板上に形成されている各画素電極に対応して、複数
の接続電極が形成されていることにより、対向基板上の
半導体層における画素電極間が電気的に分離され、放射
線や光線の入射によって半導体層内で発生した電荷が入
射位置に対応した接続電極にのみ収集され、周囲の画素
電極に回り込むことがなくなるため、電気的クロストー
クを抑制することが可能になる。
積を前記複数の接続電極の面積よりも小さく構成してお
くことにより、X線や光線の入射により半導体層内で発
生した電荷を効率良く収集することができるとともに、
アクティブマトリクス基板と対向基板との貼り合わせ時
に位置ずれが生じたとしても、隣接画素との電気的クロ
ストークを抑制することが可能になる。
記対向基板が光導電性を有する半導体層自身を支持基板
にしていることにより、ブリッジマン法やグラディエン
トフリーズ法、トラベルヒーティング法などによって得
られる結晶性半導体基板を利用することが可能になる。
記対向基板が検出する光や放射線を透過する基板を支持
基板とし、該支持基板上に光導電性を有する半導体膜を
形成していることにより、対向基板自身の強度を増すこ
とが可能になる。
れば、格子状に配列された電極配線と、各格子点毎に設
けられた複数のスイッチング素子と、該スイッチング素
子を介して前記電極配線に接続される画素電極を含む電
荷蓄積容量とからなる画素配列層とを含むアクティブマ
トリクス基板と、光導電性を有する半導体層がほぼ全面
に具備された対向基板とが、接着性を有する導電粒子を
湿式または乾式の散布法によって散布した後、両基板を
貼り合わせて接着していることにより、大面積のアクテ
ィブマトリクス基板と対向基板との貼り合わせの際で
も、接着性を有する導電粒子を簡便に均一な密度で散布
することが可能になる。
おける前記アクティブマトリクス基板と対向基板とを貼
り合わせて接続する工程において、前記接着性を有する
導電粒子を散布した後、該両基板を減圧プレス方式でプ
レスしながら加熱処理を施して貼り合わせていることに
より、大面積のアクティブマトリクス基板と対向基板と
の貼り合わせの際でも、均一にプレスすることが可能に
なる。
おける前記アクティブマトリクス基板と対向基板とを貼
り合わせて接続する工程において、前記接着性を有する
導電粒子を散布した後、該両基板を加圧プレス方式でプ
レスしながら加熱処理を施して貼り合わせていることに
より、汎用的な熱プレス装置を使用することが可能にな
る。
て 図面を参照しながら詳細に説明する。
形態1に係る二次元画像検出器を示すものであり、該二
次元画像検出器の全体構成の概略を示す断面図であり、
図2は、その二次元画像検出器の1画素当たりの構成を
示す断面図である。
は、図1に示すように、スイッチング素子としての薄膜
トランジスタ(TFT)5と画素電極14とが形成され
たアクティブマトリクス基板1と、接続電極6が形成さ
れた対向基板2とが、接着性導電粒子3により貼り合わ
された構成となっている。
表示装置を製造する過程で形成されるアクティブマトリ
クス基板と同じプロセスで形成することが可能である。
具体的に説明すれば、図2に示すように、ガラス基板7
上に、XYマトリクス状の電極配線(ゲート電極8とソ
ース電極9)、薄膜トランジスタ(TFT)5、電荷蓄
積容量(Cs)4などにより画素配列層が構成されてい
る。
基板(例えばコーニング社製#7059や#1737)
を用い、その上にTaなどの金属膜からなるゲート電極
8を形成する。ゲート電極8は、Taなどをスパッタ蒸
着で約3000Å成膜した後、所望の形状にパターニン
グして得られる。この際、同時に電荷蓄積容量(Cs電
極)4も形成する。次に、SiNxやSiOxからなる
絶縁膜11を、CVD法で約3500Å成膜して形成す
る。この絶縁膜11は、前記薄膜トランジスタ(TF
T)5のゲート絶縁膜および電荷蓄積容量(Cs)4の
電極間の誘電層として作用する。なお、絶縁膜11とし
て、SiNxやSiOxだけでなく、ゲート電極8とC
s電極4とを陽極酸化した陽極酸化膜を併用してもよ
い。
ャネル部となるa−Si膜(i層)12と、ソース・ド
レイン電極とのコンタクトを図るa−Si膜(n+層)
13とを、CVD法で各々約1000Å、約400Å成
膜した後、所望の形状にパターニングする。次に、Ta
やAlなどの金属膜からなるソース電極9とドレイン電
極(画素電極14にも兼用)とを形成する。このソース
電極9と画素電極14とは、前記金属膜をスパッタ蒸着
で約3000Å成膜した後、所望の形状にパターニング
することで得られる。
を絶縁保護する目的で、絶縁保護膜15を形成する。こ
の絶縁保護膜15は、SiNxやSiOxからなる絶縁
膜をCVD法で約6000Å成膜した後、所望の形状に
パターニングすることで得られる。なお、この絶縁保護
膜15には、無機の絶縁膜の他に、アクリルやポリイミ
ドなどの有機膜を使用することも可能である。このよう
にして、アクティブマトリクス基板1が形成される。
ス基板1のTFT素子として、a−Siを用いた逆スタ
ガ構造のTFT5を用いたが、これに限定されるもので
はなく、p−Siを用いても良いし、スタガ構造にして
も良い。また、前記アクティブマトリクス基板1は、液
晶表示装置を製造する過程で形成されるアクティブマト
リクス基板と同じプロセスで形成することが可能であ
る。
対して光導電性を有する半導体基板(光導電体基板)1
6を支持基板としている。ここでは、CdTeもしくは
CdZnTeといった化合物半導体を用いる。前記半導
体基板16の厚みは約0.5mmである。この半導体基
板16は、ブリッジマン法やグラディエントフリーズ
法、トラベルヒーティング法などによって、容易に結晶
基板を形成することが可能である。前記半導体基板16
の一方の面のほぼ全面に、AlなどのX線を透過しやす
い金属によって上部電極17を形成する。また、他方の
面には、厚さ約1000ÅのAlOxからなる絶縁層で
ある電子阻止層18をほぼ全面に形成した後、TaやA
lなど金属膜をスパッタ蒸着で約2000Å成膜し、所
望の形状にパターニングすることで接続電極6を形成す
る。前記接続電極6は、アクティブマトリクス基板に形
成された画素電極14と対応する位置に形成される。
成された両基板(アクティブマトリクス基板1および対
向基板2)のうち、少なくとも一方側の基板の表面(接
続面)に接着性を有する導電粒子3を一定の密度で散布
配置し、その後、画素電極14と接続電極6とが各々対
向するように向かい合わせ、圧着することにより前記両
基板が電気的および物理的に接続され、本実施の形態1
における二次元画像検出器が形成される。
導電粒子3としては、金属やITOなどからなる球状の
導電粒子の表面にエポキシ系接着剤をコートしたものを
用いている。なお、エポキシ系接着剤は、約160℃の
加熱処理で硬化が促進するものを用いている。
た二次元画像検出器の動作原理について説明する。図3
は、本実施の形態1における二次元画像検出器の1画素
当たりの等価回路を示す回路図である。
板(光導電体基板)16にX線が入射すると、光導電効
果によりこの半導体基板16に電荷(電子−正孔)が発
生する。この時、電荷蓄積容量(Cs)4と半導体基板
16とは、画素電極14/接着性導電粒子3/接続電極
6を介して直列に接続された構造になっているので、上
部電極17とCs電極4との間に電圧を印加しておく
と、半導体基板16内で発生した電荷(電子−正孔)が
それぞれ+電極側と−電極側に移動し、その結果、電荷
蓄積容量(Cs)4に電荷が蓄積される仕組みになって
いる。
には、薄い絶縁層からなる電子阻止層18が形成されて
おり、これが一方側からの電荷の注入を阻止するMIS
(Metal−Insulator−semicond
uctor)構造の阻止型フォトダイオードの役割を果
たしており、X線が入射しない時の暗電流の低減に寄与
している。すなわち、上部電極17側に正電圧を印加し
た場合、電子阻止層18は接続電極6から半導体基板
(光導電体)16への電子の注入を阻止する働きをす
る。なお、半導体基板(光導電体)16と上部電極17
との間にも絶縁層を設け、上部電極17から半導体基板
(光導電体)16への正孔の注入も阻止し、更なる暗電
流低減を図る場合もある。
は、前記MIS構造の他にも、CdTe/CdSなどの
積層膜を用いたヘテロ接合構造、PIN接合構造、ショ
ットキー接合構造を用いることも、もちろん可能であ
る。
4に蓄積された電荷は、ゲート電極8の入力信号によっ
て薄膜トランジスタ(TFT)5をオープン状態にする
ことでソース電極9より外部に取り出すことが可能であ
る。電極配線(ゲート電極8とソース電極9)、薄膜ト
ランジスタ(TFT)5、電荷蓄積容量(Cs)4など
は、従来例の図7にも示すように、すべてXYマトリク
ス状に設けられているため、ゲート電極G1、G2、G
3、…、Gnに入力する信号を線順次に走査すること
で、二次元的にX線の画像情報を得ることが可能とな
る。このように、基本的な動作原理は、従来例に示した
画像検出器と同様である。
次元画像検出器は、格子状の電極配線と各格子点毎に設
けられた複数の薄膜トランジスタ(TFT)5と複数の
画素電極14とが具備されたアクティブマトリクス基板
1と、光導電性を有する半導体基板16がほぼ全面に具
備された対向基板とが、接着性を有する導電粒子3によ
り電気的および物理的に接着されている構成である。
光導電半導体を直接アクティブマトリクス基板上に成膜
する場合に問題となっていた、アクティブマトリクス基
板の耐熱性に起因する光導電体の成膜温度の制限が、本
実施の形態1の構成では緩和される。この結果、従来で
はアクティブマトリクス基板上に直接成膜できなかった
半導体材料を、容易に画像検出器に使用することが可能
になる。
熱性から、接着性導電粒子3にコートされている接着剤
の硬化に要する温度が制限されることになる。しかしな
がら、通常アクティブマトリクス基板は250℃程度の
耐熱性を有していることから、この温度以下で硬化が促
進する接着剤を選びさえすればよく、前記半導体材料に
CdTeやCdZnTeを使用するうえでは全く障害に
はならない。
電体基板)16としてCdTeやCdZnTeを用いる
ことができるため、従来のa−Seを用いた二次元画像
検出器に比べてX線に対する感度が向上するとともに、
半導体基板16と上部電極17間に誘電体層を設ける必
要がなくなり、動画に対応する画像データ、すなわち3
3msec/framのレートで画像データを得ること
が可能になった。
導体基板16の貼り合わせ面に、アクティブマトリクス
基板1上に形成されている複数の画素電極14に対応し
て各画素毎に独立された接続電極6が形成されている。
これにより、対向基板2の半導体基板16上の画素間が
電気的に分離され、放射線や光線の入射により半導体基
板16内で発生した電荷が、入射位置に対応した接続電
極6にのみ収集され、周囲の画素に回り込むことなく電
気的クロストークが抑制される。
に、1画素内でできるだけ大きなサイズの接続電極6を
形成し、各画素における画素電極14と接続電極6との
面積の関係を、(画素電極面積)<(接続電極面積)と
設定しておくことで、X線や光線の入射により半導体基
板16内で発生した電荷を効率良く収集できるととも
に、アクティブマトリクス基板1と対向基板2との貼り
合わせ時に位置ずれが生じたとしても、隣接画素との電
気的クロストークを抑制することが可能になる。本実施
の形態1では、ピッチ150μmの画素配列に対し、画
素電極14の形状を一辺が約80μmのほぼ正方形と
し、接続電極6の形状を一辺が約120μmのほぼ正方
形とすることで、アクティブマトリクス基板1および対
向基板2の貼り合わせずれに対し、±20μmのマージ
ンを確保することができた。
粒子3ついて、さらに詳細に説明する。上述したよう
に、本実施の形態1では、金属やITOなどからなる球
状の導電粒子の表面にエポキシ系接着剤をコートしたも
のを用いている。ここで用いているエポキシ系接着剤
は、約160℃の加熱処理で硬化が促進するものであ
る。球状の導電粒子としては、Niなどの金属粒子、N
iなどの金属粒子にAuメッキを施した金属粒子、また
はプラスチック粒子にAu/Niメッキを施したプラス
チック粒子、ITOなどの透明導電粒子などがある。本
実施の形態1においては、アクティブマトリクス基板1
および対向基板2の厚みバラツキを吸収する為に、弾力
性に優れたプラスチック粒子にAu/Niメッキを施し
たものを用いた。このプラスチック粒子としては、直径
が約5μmのものを用い、また、使用できる接着剤とし
ては、熱硬化型、熱可塑型、光硬化型のものがあるが、
接着強度に優れるエポキシ系の熱硬化型接着剤を用い
た。
が、密度が高すぎると粒子同士の凝集が多くなり、画素
間での電気的短絡の原因となる。また逆に、密度が小さ
すぎると粒子の存在しない画素の発生確率があがるとい
った問題が生じる。そこで、画素ピッチ150μmのア
クティブマトリクス基板1上に、上述した直径約5μm
の接着性導電粒子3を密度をパラメータにして散布した
ところ、散布密度を1000個/mm2以上にすると急
激に画素間の電気的短絡が増加し、また、散布密度を1
00個/mm2以下にすると急激に粒子の存在しない画
素の発生確率があがることが判明した。すなわち、散布
密度を100〜1000個/mm2の割合で散布するこ
とが望ましい。そこで、本実施の形態1においては、約
700個/mm2の密度で接着性導電粒子3を散布配置
した。
アクティブマトリクス基板1と対向基板を貼り合わせる
際の具体的な方法について説明する。図4(a)〜
(c)は、両者の基板の貼り合わせプロセスを示す図面
である。
よって、アクティブマトリクス基板1と対向基板2との
どちらか一方側の貼り合わせ面のほぼ全面に、接着性導
電粒子3を適当な密度で散布する(図4ではアクティブ
マトリクス基板1を使用)。このときに用いる粒子散布
装置としては、主に液晶表示装置(LCD)の製造過程
で、液晶パネル間に介在させる間隔保持材(スペーサ
ー)を散布配置させる際に使用するスペーサ散布装置を
用いることができる。散布方法としては、主に図4
(a)に示すような湿式散布方法と図4(b)に示すよ
うな乾式散布方法との2種類がある。
示すように、容器21内に接着性導電粒子3が分散され
たフロンガスやアルコールなどの揮発性の高い溶剤22
を準備し、この分散溶液を塗布用スプレーノズル23を
用いてチャンバー24内に霧状に噴射する方法である。
この時、霧状に噴出された分散溶液は、チャンバー24
の側壁に設けられたヒータ25の加熱により溶剤だけが
蒸発して、接着性導電粒子3だけがアクティブマトリク
ス基板1上に降下する。
すように、2〜5kgf/cm2の圧力で接着性導電粒
子3を圧送・噴出させる方法である。まず、秤量部26
で秤量された接着性導電粒子3は、ブローによりマニホ
ールド27を介して圧送配管内に送られる。次に、圧送
用のガスでノズル28まで圧送され、ノズル28でガス
タンク29内の攪拌用ガスと合流し、チャンバー30内
に噴出してアクティブマトリクス基板1上に降下する。
接着性導電粒子3のアクティブマトリクス基板1上への
散布は可能であるが、接着性導電粒子3に用いているエ
ポキシ系接着剤の溶剤への溶出を懸念し、本実施の形態
1においては、乾式散布方法を採用した。なお、接着性
導電粒子3は、上述したような理由により、約700個
/mm2の密度になるよう散布した。
1、2を僅かな間隔を設けた状態で対向配置させた状態
で、減圧(真空)プレス装置を用いて加熱プレス処理を
行う。減圧(真空)プレス方法とは、プレスすべき基板
1、2間の隙間を減圧することで、外部からの大気圧を
利用してプレスを行う方法であり、大面積基板同士を貼
り合わせる際でも、均一にプレスすることが可能とな
る。
する土台(ステージ)31に、プレス対象となる両基板
1、2を載せ、さらにその上にフィルムシート32を覆
い被せる。次に、土台31に設けられた穴33から排気
を行うことで、土台31とフィルムシート32との間を
減圧する。本実施の形態1の場合には、両基板(アクテ
ィブマトリクス基板1と対向基板2)の間隙は、ほぼ接
着性導電粒子3の径に相当する隙間が形成されている
が、その隙間についても減圧されることになる。この結
果、両基板1、2は、フィルムシート32を介して大気
圧でプレスされることになる。例えば、前記接着性導電
粒子3は0.8kgf/cm2程度の加圧力で接着が可
能なため、前記減圧プレスが適用可能である。
を用いて両基板1、2をプレスした状態で、装置自身を
オーブンなどを利用して約100℃で30分程度の予備
加熱を行った後、160℃以上に加熱することにより、
接着性導電粒子3の接着剤部分が熱硬化し、両基板1、
2の接着が完了する。この予備加熱は、接着性導電粒子
3表面にコートされているエポキシ系接着剤を溶かし、
接着面と接着剤とをなじませる役割をもっている。な
お、土台31の内部にヒーターを内臓しておき、そのヒ
ーターで加熱する方法を利用してもよい。
ティブマトリクス基板1と対向基板2との少なくとも一
方側の表面に、接着性を有する導電粒子3を湿式または
乾式の散布法によって散布した後、両基板1、2を貼り
合わせて接着することを特徴としている。したがって、
大面積のアクティブマトリクス基板1と対向基板2との
貼り合わせの際でも、接着性を有する導電粒子3を簡便
に均一な密度で散布することが可能となっている。
るので、大気圧を利用してプレスを行うことができ、大
面積基板同士を貼り合わせる際でも、均一にプレスする
ことが可能となる。ちなみに、一般的な剛体を用いた加
圧プレスの場合、プレスされる基板表面の平坦性と、プ
レスする剛体表面の平坦性とが合致しない場合、面内で
のプレス圧にばらつきが生じる場合があり、このような
ばらつきは、特に基板サイズが大きくなるほど顕著に表
れる傾向がある。
/cm2以上の時には、大気圧では加圧できないので、
一般的な加圧(油圧)プレス装置でプレスし熱圧着する
ことが可能である。また、貼り合わせる基板の面積が比
較的小さい場合には、加圧プレスを用いても均一なプレ
ス力を得ることができるので、汎用的な熱プレス装置を
使用することも可能である。
検出器に用いられるアクティブマトリクス基板は、図2
に示した構造に限定されるものではなく、上述した実施
の形態1で示した二次元画像検出器の他の構成について
以下に説明する。図5は、本発明の実施の形態2に係る
二次元画像検出器を示すものであり、該二次元画像検出
器の1画素当たりの構成を示す断面図である。
出器の構成は、図2に示した本実施の形態1に係る二次
元画像検出器の構成と類似しているため、図2で用いた
部材と同一の機能を有する部材については同一の部材番
号を付記し、その説明を省略する。
る二次元画像検出器は、本実施の形態1に係る二次元画
像検出器と同様に、ガラス基板7上にXYマトリクス状
の電極配線(ゲート電極8とソース電極9)、薄膜トラ
ンジスタ(TFT)5、電荷蓄積容量(Cs)4などが
形成されている。
基板(例えばコーニング社製#7059や#1737)
を用い、その上にTaなどの金属膜からなるゲート電極
8を形成する。ゲート電極8は、Taなどをスパッタ蒸
着で約3000Å成膜した後、所望の形状にパターニン
グして得られる。この際、同時に電荷蓄積容量電極(C
s電極)4も形成される。次に、SiNxやSiOxか
らなる絶縁膜11をCVD法で約3500Å成膜して形
成する。この絶縁膜11は、前記薄膜トランジスタ(T
FT)5のゲート絶縁膜および電荷蓄積容量(Cs)4
の電極間の誘電層として作用する。なお、絶縁膜11と
して、SiNxやSiOxだけでなく、ゲート電極8と
Cs電極4とを陽極酸化した陽極酸化膜を併用してもよ
い。
ャネル部となるa−Si膜(i層)12と、ソース・ド
レイン電極とのコンタクトを図るa−Si膜(n+層)
13とをCVD法で各々約1000Å、約400Å成膜
した後、所望の形状にパターニングする。次に、Taや
Alなどの金属膜からなるソース電極9とドレイン電極
41とを形成する。このソース電極9とドレイン電極4
1とは、上記金属膜をスパッタ蒸着で約3000Å成膜
した後、所望の形状にパターニングすることで得られ
る。
ほぼ全面を覆う形で、絶縁保護膜42を約3μmの厚み
でコートする。この絶縁保護膜42には、感光性を有す
る有機絶縁膜、例えばアクリル樹脂などを用いる。その
後、絶縁保護膜42をフォトリソグラフィ技術でパター
ニングし、所定の場所にスルーホール43を形成する。
次に、絶縁保護膜42の上に、Al、Ti、ITOなど
の導電膜からなる画素電極29をスパッタ蒸着法で約2
000Å成膜し、所望の形状にパターニングする。この
時、保護絶縁膜42に設けたスルーホール43を介し
て、画素電極44と薄膜トランジスタ(TFT)5のド
レイン電極41とを電気的に接続する。
ス基板40を、実施の形態1と同様に、X線に対して光
導電性を有する半導体基板(光導電体基板)16を支持
基板とする対向基板2と接着性導電粒子3で貼り合わせ
ることで、本実施の形態2における二次元画像検出器は
完成する。実施の形態1に記載の二次元画像検出器と比
較すると、アクティブマトリクス基板の構造が若干異な
るだけで、二次元画像検出器としての基本的な動作原理
は同じである。
元画像検出器は、アクティブマトリクス基板40のほぼ
全表面を有機絶縁膜からなる絶縁保護膜42で覆った構
成となっているため、該絶縁保護膜42が下地基板(ガ
ラス基板7上にXYマトリクス状の電極配線やTFT5
が形成されている状態のもの)の平坦化効果をもたら
す。すなわち、図2に示した本実施の形態1の構成で
は、TFT5やXYマトリクス状の電極配線によりアク
ティブマトリクス基板1の表面に1μm程度の凹凸が生
じるが、本実施の形態2では、図5に示すように、絶縁
保護膜42によって下地基板の表面が平坦化されるた
め、アクティブマトリクス基板40表面の凹凸は約0.
2μmに抑えられる。
極44をTFT5や電極配線の上にオーバーラップさせ
た状態で形成させることができるため、画素電極44の
設計マージンを大きくとることができる。
検出器に用いられる対向基板は、図2に示した構造に限
定されるものではなく、上述した実施の形態1で示した
二次元画像検出器の他の構成について以下に説明する。
図6は、本発明の実施の形態3に係る二次元画像検出器
を示すものであり、該二次元画像検出器の1画素当たり
の構成を示す断面図である。
出器の構成は、図2に示した本実施の形態1に係る二次
元画像検出器の構成と類似しているため、図2で用いた
部材と同一の機能を有する部材については同一の部材番
号を付記し、その説明を省略する。
45は、支持基板46と、該支持基板46上に成膜され
る半導体膜(半導体層)47とによって主に構成されて
いる。具体的には、支持基板46としては、X線に対し
て透過性を有する基板を用いる必要があり、ガラス、セ
ラミック、シリコン基板などを用いることができる。な
お、ここでは、X線と可視光の両者に対して透過性の優
れた、厚みが0.7〜1.1mmのガラス基板を用いて
いる。このような基板であれば、40〜100keVの
X線をほとんど透過する。
に、Ti、Agなどの金属によって上部電極17を形成
する。但し、この二次元画像検出器を可視光による像の
検出に用いる場合には、前記上部電極17として可視光
に対して透明なITO電極を用いる。
として、MOCVD法を用いてCdTeやCdZnTe
の多結晶膜を約0.5mmの厚みで形成する。MOCV
D法は、大面積基板への成膜に適しており、原料である
有機カドミウム(ジメチルカドミウム[DMCd]な
ど)、有機テルル(ジエチルテルル[DETe]やジイ
ソプロピルテルル[DiPTe]など)、有機亜鉛(ジ
エチル亜鉛[DEZn]やジイソプロピル亜鉛[DiP
Zn]やジメチル亜鉛[DMZn]など)を用いて、4
00〜500℃の成膜温度で成膜が可能である。
なる電子阻止層18を、ほぼ全面に形成した後、Taや
Alなど金属膜を約2000Å成膜し所望の形状にパタ
ーニングすることで接続電極6を形成する。この接続電
極6は、アクティブマトリクス基板1に形成された画素
電極14と対応する位置に形成するとよい。
と同様に、アクティブマトリクス基板1と接着性導電粒
子3で貼り合わせることで、本実施の形態3における二
次元画像検出器が完成する。これを実施の形態1に記載
の二次元画像検出器と比較すると、対向基板の構造が若
干異なるだけで、その基本的な動作原理は同じである。
基板46上に光導電性を有する半導体膜47を形成して
いるので、実施の形態1に記載の対向基板45に比べ
て、力学的強度を増すことが可能になる。したがって、
対向基板45とアクティブマトリクス基板1とを貼り合
わせる際に、対向基板45が割れにくくなり、プロセス
マージンが増大する。
X線による像の検出に限定すれば、X線を透過しやすい
金属基板を用いて、支持基板46と上部電極17とを兼
用させることも可能である。
は、主にX線(放射線)に対する二次元画像検出器の場
合について説明してきたが、使用する半導体(光導電
体)がX線などの放射線に対する光導電性だけでなく、
可視光や赤外光に対しても光導電性を示す場合は、可視
光や赤外光の二次元画像検出器として使用することも可
能である。ただし、この場合は、半導体(光導電体)か
らみて光入射側に配置される上部電極17の材料として
は、ITOなどの可視光や赤外光を透過する透明電極を
材料として用いる必要がある。また、半導体(光導電
体)の厚みも、可視光、赤外光の吸収効率に応じて最適
化する必要がある。
子状に配列された電極配線と、各格子点毎に設けられた
複数のスイッチング素子と、該スイッチング素子を介し
て前記電極配線に接続される画素電極を含む電荷蓄積容
量とからなる画素配列層とを含むアクティブマトリクス
基板と、光導電性を有する半導体層がほぼ全面に具備さ
れた対向基板とが、接着性を有する導電粒子によって、
電気的および物理的に接続されていることにより、従来
半導体層の成膜温度とアクティブマトリクス基板の耐熱
性との関係で、アクティブマトリクス基板上に直接成膜
することができなかった半導体材料を、前記半導体層と
して使用することが可能になった。
粒子によって接続していることにより、各画素電極毎に
電気的絶縁性は確保され、隣り合う画素電極同士のクロ
ストークも発生せず、なおかつアクティブマトリクス基
板上と半導体層とを電気的および物理的に接続すること
が可能になった。
記半導体層が放射線に対して感度を有していることによ
り、放射線に対する二次元画像検出器を実現することが
可能になった。なお、このような構成により使用可能な
半導体材料としては、例えば、CdTeもしくはCdZ
nTe化合物半導体が挙げられるが、これらの半導体材
料は、従来用いられていたa−Seに比べて、X線など
の放射線に対する感度が高く、前記半導体層にCdTe
もしくはCdZnTe化合物半導体を用いる場合には、
二次元画像検出器の応答性が向上し、動画の撮影も可能
になった。
記接着性を有する導電粒子が該導電粒子の表面に熱硬化
型接着剤をコートしたものであることにより、金属やI
TOなどの導電粒子であっても接着性を付加することに
より、二次元画像検出器への使用が可能になった。
記接着性を有する導電粒子が100〜1000個/mm
2の密度で散布されていることにより、全画素電極への
確実な粒子の配置と、画素電極毎の電気的絶縁性を同時
に得ることが可能になった。
記対向基板の半導体層表面に、前記アクティブマトリク
ス基板上に形成されている各画素電極に対応して、複数
の接続電極が形成されていることにより、対向基板上の
半導体層における画素電極間が電気的に分離され、放射
線や光線の入射によって半導体層内で発生した電荷が入
射位置に対応した接続電極にのみ収集され、周囲の画素
電極に回り込むことがなくなるため、電気的クロストー
クを抑制することが可能になった。
積を前記複数の接続電極の面積よりも小さく構成してお
くことにより、X線や光線の入射により半導体層内で発
生した電荷を効率良く収集することができるとともに、
アクティブマトリクス基板と対向基板との貼り合わせ時
に位置ずれが生じたとしても、隣接画素との電気的クロ
ストークを抑制することが可能になった。
記対向基板が光導電性を有する半導体層自身を支持基板
にしていることにより、ブリッジマン法やグラディエン
トフリーズ法、トラベルヒーティング法などによって得
られる結晶性半導体基板を利用することが可能になっ
た。
記対向基板が検出する光や放射線を透過する基板を支持
基板とし、該支持基板上に光導電性を有する半導体膜を
形成していることにより、対向基板自身の強度を増すこ
とが可能になった。
れば、格子状に配列された電極配線と、各格子点毎に設
けられた複数のスイッチング素子と、該スイッチング素
子を介して前記電極配線に接続される画素電極を含む電
荷蓄積容量とからなる画素配列層とを含むアクティブマ
トリクス基板と、光導電性を有する半導体層がほぼ全面
に具備された対向基板とが、接着性を有する導電粒子を
湿式または乾式の散布法によって散布した後、両基板を
貼り合わせて接着していることにより、大面積のアクテ
ィブマトリクス基板と対向基板との貼り合わせの際で
も、接着性を有する導電粒子を簡便に均一な密度で散布
することが可能になった。
おける前記アクティブマトリクス基板と対向基板とを貼
り合わせて接続する工程において、前記接着性を有する
導電粒子を散布した後、該両基板を減圧プレス方式でプ
レスしながら加熱処理を施して貼り合わせていることに
より、大面積のアクティブマトリクス基板と対向基板と
の貼り合わせの際でも、均一にプレスすることが可能に
なった。
おける前記アクティブマトリクス基板と対向基板とを貼
り合わせて接続する工程において、前記接着性を有する
導電粒子を散布した後、該両基板を加圧プレス方式でプ
レスしながら加熱処理を施して貼り合わせていることに
より、汎用的な熱プレス装置を使用することが可能にな
った。
像検出器の全体構成の概略を示す断面図である。
像検出器の1画素当たりの構成の概略を示す断面図であ
る。
像検出器の1画素当たりの等価回路を示す図面である。
に係る二次元画像検出器におけるアクティブマトリクス
基板と対向基板との貼り合わせを示したプロセス図であ
る。
像検出器の1画素当たりの構成の概略を示す断面図であ
る。
像検出器の1画素当たりの構成の概略を示す断面図であ
る。
的に示した図面である。
りの構成の概略を示す断面図である。
Claims (11)
- 【請求項1】 格子状に配列された電極配線と、各格子
点毎に設けられた複数のスイッチング素子と、該スイッ
チング素子を介して前記電極配線に接続される画素電極
を含む電荷蓄積容量とからなる画素配列層と、 前記画素配列層のほぼ全面に対向して形成される電極部
と、 前記画素配列層および電極部の間に形成され、光導電性
を有する半導体層とを備えてなる二次元画像検出器にお
いて、 前記画素配列層を含むアクティブマトリクス基板と、 前記電極部および半導体層を含む対向基板とを備えてお
り、 前記アクティブマトリクス基板の画素配列層と、前記対
向基板の半導体層とが対向するように両基板が配置され
るとともに、該両基板は、接着性を有する導電粒子によ
って接続されていることを特徴とする二次元画像検出
器。 - 【請求項2】 前記半導体層が、放射線に対して感度を
有することを特徴とする請求項1に記載の二次元画像検
出器。 - 【請求項3】 前記半導体層が、CdTeもしくはCd
ZnTe化合物半導体であることを特徴とする請求項2
に記載の二次元画像検出器。 - 【請求項4】 前記接着性を有する導電粒子が、該導電
粒子の表面に熱硬化型接着剤をコートしたものであるこ
とを特徴とする請求項1乃至3に記載の二次元画像検出
器。 - 【請求項5】 前記接着性を有する導電粒子が、100
〜1000個/mm2の密度で散布されていることを特
徴とする請求項1乃至4に記載の二次元画像検出器。 - 【請求項6】 前記対向基板の半導体層表面に、前記ア
クティブマトリクス基板上に形成されている各画素電極
に対応して、複数の接続電極が形成されていることを特
徴とする請求項1乃至5に記載の二次元画像検出器。 - 【請求項7】 前記対向基板は、光導電性を有する半導
体層自身が支持基板であることを特徴とする請求項1乃
至6に記載の二次元画像検出器。 - 【請求項8】 前記対向基板は、検出する光や放射線を
透過する基板を支持基板とし、該支持基板上に光導電性
を有する半導体膜が形成されていることを特徴とする請
求項1乃至6に記載の二次元画像検出器。 - 【請求項9】 格子状に配列された電極配線と、各格子
点毎に設けられた複数のスイッチング素子と、該スイッ
チング素子を介して前記電極配線に接続される画素電極
を含む電荷蓄積容量とからなる画素配列層と、 前記画素配列層のほぼ全面に対向して形成される電極部
と、 前記画素配列層および電極部の間に形成され、光導電性
を有する半導体層とを備えてなる二次元画像検出器の製
造方法において、 前記画素配列層を含むアクティブマトリクス基板を作製
する工程と、 前記電極部および半導体層を含む対向基板を作製する工
程と、 前記アクティブマトリクス基板および対向基板のどちら
か一方の表面に、接着性を有する導電粒子を湿式または
乾式の散布法により散布した後、該両基板を貼り合わせ
て接続する工程と、を含むことを特徴とする二次元画像
検出器の製造方法。 - 【請求項10】 前記アクティブマトリクス基板と対向
基板とを貼り合わせて接続する工程において、前記接着
性を有する導電粒子を散布した後、該両基板を減圧プレ
ス方式でプレスしながら加熱処理を施して貼り合わせる
ことを特徴とする請求項9に記載の二次元画像検出器の
製造方法。 - 【請求項11】 前記アクティブマトリクス基板と対向
基板とを貼り合わせて接続する工程において、前記接着
性を有する導電粒子を散布した後、該両基板を加圧プレ
ス方式でプレスしながら加熱処理を施して貼り合わせる
ことを特徴とする請求項9に記載の二次元画像検出器の
製造方法。
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JP07027098A JP3798145B2 (ja) | 1998-03-19 | 1998-03-19 | 二次元画像検出器およびその製造方法 |
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Publication Number | Publication Date |
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JPH11274452A true JPH11274452A (ja) | 1999-10-08 |
JP3798145B2 JP3798145B2 (ja) | 2006-07-19 |
Family
ID=13426675
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JP07027098A Expired - Lifetime JP3798145B2 (ja) | 1998-03-19 | 1998-03-19 | 二次元画像検出器およびその製造方法 |
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Cited By (2)
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---|---|---|---|---|
JP2001284562A (ja) * | 2000-03-30 | 2001-10-12 | Toshiba Corp | X線検出装置用アレイ基板およびその検査方法 |
JP2010043887A (ja) * | 2008-08-11 | 2010-02-25 | Konica Minolta Medical & Graphic Inc | 放射線検出パネルの製造方法、放射線画像検出器の製造方法、放射線検出パネル、および放射線画像検出器 |
-
1998
- 1998-03-19 JP JP07027098A patent/JP3798145B2/ja not_active Expired - Lifetime
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