JPH1127164A - 車載ビーコン受信機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】受信データの精度を向上した車載ビーコン受信
機の提供にある。 【解決手段】路側に設置された電波ビーコン送信機から
発信される信号を受信し、前記信号中に含まれる情報を
車載の表示装置に表示し、受信電界強度が基準値より高
い場合に前記情報を有効とする車載ビーコン受信機にお
いて、前記路側に設置された電波ビーコン送信機の前後
で前記基準電界強度を異なる値に設定することを特徴と
する車載ビーコン受信機。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、路側に設置された
路側ビーコンから発信される交通情報信号等を受信して
これを車載の表示装置に表示するビーコン受信機に係わ
り、特に、高精度な受信データを得るために好適な車載
ビーコン受信機に関する。

【０００２】

【従来の技術】交通情報を提供する路車間情報通信シス
テムにおいて、その通信手段の一部としては、電波ビー
コンと光ビーコンがある。電波ビーコンは準マイクロ波
の電波を利用しており、路側に設置された電波ビーコン
送信機より送信された電波を、車両に取り付けられた車
載ビーコン受信機にて受信する。車載ビーコン受信機
は、車載アンテナを通して受信した信号を復調し、ユー
ザーに情報を提供する。光ビーコンは赤外線を利用して
おり、路側，車載側それぞれに取り付けられた受光部，
投光部を通して情報提供する。

【０００３】車載アンテナと受光部，投光部を一体化し
たヘッドユニットにおいては、光の直進性を考慮する
と、ヘッドユニットを車両に取り付ける位置は、必然的
に車両の前部で見通しの良いダッシュボード等になる。
このことから車載アンテナは車両の前部に設置される。

【０００４】路側に設置された電波ビーコン送信機は、
情報データを提供するＧＭＳＫ信号と、路側に設置され
た電波ビーコン送信機の位置を知らせるＡＭ信号の２つ
の信号が、重畳された変調波を送信している。

【０００５】路側に設置された電波ビーコン送信機の送
信するＡＭ信号は、車両に設置された電波ビーコン送信
機の直下を通過すると位相が反転し、車載ビーコン受信
機は、ＡＭ信号の位相が反転することを検出することに
より位置検出ができる。

【０００６】車載ビーコン受信機は、特開平5−40898号
公報にあるように、フェージングや不必要な弱電界強度
の信号による誤検出を防止するため、ある電界強度検出
レベルの基準値を設け、その電界強度以下の信号は受信
しないようにしている。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】路側に設置された電波
ビーコン送信機は、有効エリア（前後約３５ｍ）内では
設定された電界強度以上になる電波を送信している。一
方、車載ビーコン受信機は、車載アンテナの取付位置が
車両の前部にあるため、車載アンテナの指向性は、屋根
等の車体の影響により、後方の利得が低下する。このた
め、車両が路側に設置された電波ビーコン送信機の直下
を通過すると受信電界強度が下がり、路側に設置された
電波ビーコン送信機の有効エリア内にも関わらず、車載
ビーコン受信機が設定する受信電界強度検出レベルの基
準値より下がる可能性がある。この場合、路側に設置さ
れた電波ビーコン送信機の直下通過後は受信データが欠
落する可能性がある。

【０００８】通常では、路側に設置された電波ビーコン
送信機の有効エリア内に入り、電波ビーコン送信機の直
下を通過するまでの受信データで必要な情報は得られる
が、先行する車両等の影響で十分な受信データが得られ
ない場合、電波ビーコン送信機の直下を通過後の受信デ
ータが欠落すると、当該エリアの情報を受信できない可
能性がある。

【０００９】本発明の目的は、受信データの精度を向上
した車載ビーコン受信機の提供にある。

【００１０】

【課題を解決するための手段】前記の課題を解決するた
めの手段は、車載ビーコン受信機において、路側に設置
された電波ビーコン送信機の直下通過後のデータの欠落
を防止するため、直下検出後のデータ受信終了手段を、
受信電界強度検出レベルの基準値を変えること、データ
受信を一定時間継続すること、一定距離の移動により決
定すること、あるいは、それらを電波ビーコン送信機の
エリア毎に適正値を設定すること、により達成される。

【００１１】路側に設置された電波ビーコン送信機の有
効エリア内における車載ビーコン受信機の受信データの
精度を向上することができる。

【００１２】

【発明の実施の形態】以下、実施例に従い本発明を詳細
に説明する。図１は本発明の一実施例に係わる電波ビー
コンのシステム構成図である。

【００１３】電波ビーコンは、準マイクロ波帯の搬送波
にＧＭＳＫおよびＡＭ変調が施されており、車載ビーコ
ン受信機１３は、ビーコン情報を含んだ電波の復調，デ
ータ処理を行うものである。前記ビーコン情報を含んだ
電波は、ヘッドユニット１内にある車載アンテナ２で受
信し、ＧＭＳＫ復調部８で復調される。このデータは道
路の渋滞，旅行時間などの情報であり、前記ビーコン情
報の受信が終了するとデータ処理部１１からナビゲーシ
ョン装置１２に前記ビーコン情報が送信され、前記ビー
コン情報が表示部に表示される。

【００１４】路側に設置された電波ビーコン送信機１４
の直下通過前と通過後ではＡＭ変調信号の位相が逆にな
っており、前記車載ビーコン受信機１３はこのＡＭ位相
の反転を検出することにより、前記電波ビーコン送信機
１４直下を検出することが出来る。ＡＭ検波部７では受
信データからＡＭ変調信号を取り出し、位置検出判定部
１０でＡＭ変調信号の位相反転を検出する。電界強度検
出部６は、車載アンテナ２が受信した電波の電界強度を
検出する回路であり、検出された信号が電界強度判定部
９に取り込まれる。前記電界強度判定部９は電界強度基
準値と受信した電波の電界強度を比較し、受信した電波
の信号が有効，無効の判定しデータ処理部１１に取り込
まれる。

【００１５】ヘッドユニット１には、光ビーコンによる
ビーコン情報のデータを得るための受光部３と投光部４
が備えており、そこで得たデータはデータ処理部１１に
取り込まれる。

【００１６】図２は、路側に設置された電波ビーコン送
信機１４から送信される電波の電界強度を縦軸、車載ビ
ーコン受信機１３から前記電波ビーコン送信機１４まで
の距離を横軸で表す。

【００１７】図２のように前記電波ビーコン送信機１４
直下付近で電界強度が高くなり、路側に設置された前記
電波ビーコン送信機１４から離れるほど電界強度は低く
なる。また、ＡＭ変調信号は路側に設置された前記電波
ビーコン送信機１４直下を境に位相が逆になっている。
前記車載ビーコン受信機１３は設置された前記電波ビー
コン送信機１４直下を通過すると前記ＡＭ位相の反転を
検出することにより、路側に設置された前記電波ビーコ
ン送信機１４直下を検出することが出来る。

【００１８】前記電波ビーコン送信機１４は、規定され
た電界強度以上になる電波を有効エリア内（路前記電波
ビーコン送信機１４直下前後約３５ｍ）で送信してい
る。したがって、前記車載ビーコン受信機１３が設定す
る受信電界強度検出レベルの基準値は、前記有効エリア
内の範囲を判定できるように設定する。

【００１９】図３は、車両１５に取り付けられた車載ア
ンテナ２の指向性を示す。図１から車載アンテナ２は受
光部３，投光部４がヘッドユニット１内で一体型になっ
ている。

【００２０】光ビーコンによるビーコン情報のデータを
得る前記受光部３，前記投光部４は、光の直進性を考慮
すると、車両の前方上部より投受光する路側に設置され
た光ビーコン送受信機１６とのデータの送受信を可能に
するために、見通しが良く、車両の前面、例えば、見通
しの良いのダッシュボード等になる。したがって、前記
車載アンテナ２の指向性は、前記車両１５の屋根の影響
により、前記車両１５の前方に比べ、後方への利得が下
がる。

【００２１】図４は、路側に設置された電波ビーコン送
信機１４より送信した電波を車載ビーコン受信機１３が
受信したときの受信電界強度を縦軸に、車載ビーコン受
信機１３から前記電波ビーコン送信機１４までの距離を
横軸で表す。

【００２２】前記電波ビーコン送信機１４直下を過ぎる
と、車載アンテナ２の車両後方のアンテナ利得が低いた
め、受信電界強度が低くなる。したがって、図４に示す
ように、前記電波ビーコン送信機１４の送信する電波の
有効エリア内にもかかわらず、前記車載ビーコン受信機
１３の受信電界強度は、前記基準値を下回り受信データ
を無効とするため、有効エリア全体での受信ができず、
受信データの欠落が生じる可能性がある。

【００２３】図５は本発明の一実施例に係わる受信電界
強度検出レベルを異なる値に設定する方法の説明図であ
る。路側に設置された電波ビーコン送信機１４が送信す
る電波のＡＭ信号の位相が反転することによって得られ
る位置検出により、前記電波ビーコン送信機１４直下を
感知すると、車載ビーコン受信機１３の有する最小受信
電界強度までの範囲で受信電界強度検出レベルの基準値
を低くすることにより、有効エリア内での受信データの
欠落を防ぐことができる。

【００２４】したがって、前記車載ビーコン受信機１３
が受信する受信データの精度を向上することができる。
前記基準値は、前記電波ビーコン送信機１４毎に設定し
ても良い。

【００２５】図６は、本発明の一実施例に係わる受信電
界強度検出レベルを異なる値にする時間、あるいは距離
を設定する方法の説明図である。

【００２６】路側に設置された電波ビーコン送信機１４
の前方で車載ビーコン受信機１３が受信した受信データ
が有効になってから、前記電波ビーコン送信機１４直下
までの時間（Ｔ１）、あるいは距離（Ｌ１）を測定し
て、前記電波ビーコン送信機１４直下通過後、その時間
（Ｔ１）、あるいは距離（Ｌ１）を（Ｔ１＋α）、ある
いは（Ｌ１＋β）の間を前記車載ビーコン受信機１３が
受信するデータを有効とする。このことにより、前記車
載ビーコン受信機１３が受信する受信データの欠落を防
ぐことができ、高精度な受信データを得ることが可能と
なる。前記時間、あるいは距離の設定は前記電波ビーコ
ン送信機１４毎に予め設定しても良い。

【００２７】

【発明の効果】本発明によれば、路側ビーコン直下を通
過後、受信電界強度検出レベルの基準値を異なる値に設
定できるようにすることにより路側ビーコン直下通過後
に受信レベルが下がったとしても、安定した受信データ
を受信できるため、受信データの高精度化が可能になる
という効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第一実施例に係わる電波ビーコンのシ
ステム構成図である。

【図２】電界強度検出レベルの基準値の設定の説明図で
ある。

【図３】車載アンテナの指向性の説明図である。

【図４】車載ビーコン受信機の受信電界強度の説明図で
ある。

【図５】電界強度検出レベルの基準値を異なる値に設定
の説明図である。

【図６】電界強度検出レベルの基準値を異なる値に設定
の説明図である。

【符号の説明】

１…ヘッドユニット、２…車載アンテナ、３…受光部、
４…投光部、５…コントロールユニット、６…電界強度
検出部、７…ＡＭ検波部、８…ＧＭＳＫ復調部、９…電
界強度判定部、１０…位置検出判定部、１１…データ処
理部、１２…ナビゲーション装置、１３…車載ビーコン
受信機、１４…路側電波ビーコン送信機、１５…車両、
１６…路側光ビーコン送受信機。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐々木 光秀 茨城県ひたちなか市大字高場2520番地 株 式会社日立製作所自動車機器事業部内 (72)発明者 阿部 幸一 茨城県ひたちなか市大字高場2520番地 株 式会社日立製作所自動車機器事業部内

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】路側に設置された電波ビーコン送信機から
   発信される信号を受信し、前記信号中に含まれる情報を
   車載の表示装置に表示し、受信電界強度が基準値より高
   い場合に前記情報を有効とする車載ビーコン受信機にお
   いて、前記路側に設置された電波ビーコン送信機の前後
   で前記基準電界強度を異なる値に設定することを特徴と
   する車載ビーコン受信機。
2. 【請求項２】路側に設置された電波ビーコン送信機から
   発信される信号を受信し、前記信号中に含まれる情報を
   車載の表示装置に表示し、受信電界強度が基準値より高
   い場合に前記情報を有効とする車載ビーコン受信機にお
   いて、前記路側に設置された電波ビーコン送信機の前で
   前記情報を有効とした時点から、前記路側に設置された
   電波ビーコン送信機の直下に達した時間あるいは距離に
   応じて、前記路側に設置された電波ビーコン送信機通過
   後の前記情報を有効とする時間あるいは距離を設定する
   ことを特徴とする車載ビーコン受信機。
3. 【請求項３】前記請求項１または２において、路側に設
   置された電波ビーコン送信機から発信される信号を受信
   し、前記信号中に含まれる情報を車載の表示装置に表示
   し、受信電界強度が基準値より高い場合に前記情報を有
   効とする車載ビーコン受信機において、前記基準値を前
   記電波ビーコン送信機毎に設定することを特徴とする車
   載ビーコン受信機。