JPH11271514A - 回折光学素子及び光学系 - Google Patents

回折光学素子及び光学系

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JPH11271514A
JPH11271514A JP7397598A JP7397598A JPH11271514A JP H11271514 A JPH11271514 A JP H11271514A JP 7397598 A JP7397598 A JP 7397598A JP 7397598 A JP7397598 A JP 7397598A JP H11271514 A JPH11271514 A JP H11271514A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 白色光に対して回折効率が良好な回折光学素
子を提供し、回折光学素子を含む光学系において、広い
波長域で回折効率が良好であるだけでなく、軸上光から
軸外光にわたって回折効率が良好な光学系を提供する。 【解決手段】 回折格子のパワーが負の第2レンズ(G2)
と正の第3レンズ(G3)は、ガラスと樹脂とを密着させ
て、境界面(r4,r8)に回折格子のレリーフパターンを形
成してなる回折光学素子であって、物体側からガラス,
レリーフパターン,樹脂の順で構成されている。レリー
フパターンの回折格子高さhは、式:h=λ/|n−n'|
で表される。ただし、λ:波長(≦450nm),n,n':境界面
に隣接する物体側,像側の光学材料の波長λの光に対す
る屈折率である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、回折光学素子及び
光学系に関するものであり、更に詳しくは、白色光で使
用する回折光学素子及びそれを含む光学系に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】回折光学素子には、従来より知られてい
る屈折光学素子には無い有用な特長がある。例えば集光
作用を有する回折光学素子には、以下のような特長があ
る。・通常の屈折光学素子のレンズ表面に回折光学素子
を付けることによって、回折作用と屈折作用の両方を一
つの光学素子に持たせることができる。・屈折光学素子
でいう分散特性に相当する量が、回折光学素子では逆の
値を持つため、回折光学素子で色収差を効果的に補正す
ることができる。
【0003】回折光学素子には、上記のような有用な特
長がある反面、回折効率が波長に依存するため問題もあ
る。例えば、設計波長以外では設計次数以外の回折光の
発生が顕著となるため、これにより発生するゴーストが
像性能劣化の原因となる。特に使用波長域が広い白色光
で使用する光学系では、これが大きな問題となる。
【0004】この問題を解決することを目的とした回折
光学素子が、特開平9-127321号公報とSteven M. Ebstei
n(1996.9.15 OPTICAL SOCIETY OF AMERICA)で提案され
ている。これらの回折光学素子は、互いに異なる光学材
料の境界面に回折格子のレリーフパターンが形成された
構成をとっている。そして、2材料の屈折率差が波長に
依存することを利用して波長による位相差の変化を防ぐ
ことにより、広い波長域で回折効率を高くすることを可
能にしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、白色光で使用
する光学系に上記回折光学素子を用いる場合には、回折
光学素子に入射する白色光に対して回折効率が良好であ
るだけでは不十分である。g線波長からC線波長にわた
る広い波長域で回折効率が良好であるのに加えて、軸上
光から軸外光にわたって回折効率が良好であることが、
更に必要である。
【0006】本発明は、このような状況に鑑みてなされ
たものであって、白色光に対して回折効率が良好な回折
光学素子を提供することを第1の目的とする。また、回
折光学素子を含む光学系において、広い波長域で回折効
率が良好であるだけでなく、軸上光から軸外光にわたっ
て回折効率が良好な光学系を提供することを第2の目的
とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記第1の目的を達成す
るために、第1の発明の回折光学素子は、積層された複
数の光学材料から成るとともに、その少なくとも一つの
互いに異なる光学材料の境界面に回折格子のレリーフパ
ターンが形成された、白色光で使用される回折光学素子
であって、前記レリーフパターンの回折格子高さが以下
の式で表されることを特徴とする。 h=λ/|n−n'| ただし、 h :レリーフパターンの回折格子高さ、 λ:波長{ここで、λ≦450(nm)である。}、 n :境界面に隣接する物体側の光学材料の波長λの光に
対する屈折率、 n':境界面に隣接する像側の光学材料の波長λの光に対
する屈折率、 である。
【0008】上記第2の目的を達成するために、第2の
発明の光学系は、ガラスと樹脂とを密着させ、かつ、そ
の境界面に回折格子のレリーフパターンを形成してなる
回折光学素子を、前記レリーフパターンが光学系の瞳又
は絞りより物体側に位置するように含む光学系おいて、
前記回折格子のパワーが正の場合には、前記回折光学素
子を物体側から樹脂,レリーフパターン,ガラスの順で
構成し、前記回折格子のパワーが負の場合には、前記回
折光学素子を物体側からガラス,レリーフパターン,樹
脂の順で構成したことを特徴とする。
【0009】上記第2の目的を達成するために、第3の
発明の光学系は、ガラスと樹脂とを密着させ、かつ、そ
の境界面に回折格子のレリーフパターンを形成してなる
回折光学素子を、前記レリーフパターンが光学系の瞳又
は絞りより像側に位置するように含む光学系おいて、前
記回折格子のパワーが正の場合には、前記回折光学素子
を物体側からガラス,レリーフパターン,樹脂の順で構
成し、前記回折格子のパワーが負の場合には、前記回折
光学素子を物体側から樹脂,レリーフパターン,ガラス
の順で構成したことを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明を実施した回折光学
素子及びそれを含む光学系を、図面を参照しつつ説明す
る。図1は、本実施の形態に係るズームレンズを示すレ
ンズ構成図であり、広角端[W],ミドル(中間焦点距離
状態)[M]及び望遠端[T]でのレンズ配置を示してい
る。このレンズ構成図中の矢印(m1,m2)は、ズーミング
における第1群(Gr1)と第2群(Gr2)の移動をそれぞれ模
式的に示しており、di(i=5,9)は、ズーミングにおいて
変化する可変間隔を示している。また、各レンズ構成図
中、ri(i=1,2,3,...)が付された面は物体側から数えてi
番目の面{ただしr12が付された面は像面(I)}であり、ri
に*印が付された面は非球面、riに#印が付された面は回
折光学面(回折格子面)である。
【0011】このズームレンズは、第1,第2レンズ(G
1,G2)から成る第1群(Gr1)と、絞り(S)と第3レンズ(G
3)から成る第2群(Gr2)と、ローパスフィルターから成
る第3群(Gr3)と、で構成されている。第2レンズ(G2)
と第3レンズ(G3)は、積層された2つの光学材料から成
るとともに、互いに異なる光学材料の境界面(r4,r8)に
回折格子のレリーフパターンが形成された回折光学素子
である。第2レンズ(G2)の境界面(r4)は回折格子のパワ
ーが負の回折光学面であり、第3レンズ(G3)の境界面(r
8)は回折格子のパワーが正の回折光学面である。また、
各境界面(r4,r8)の物体側の媒質はガラスであり、像側
の媒質は樹脂である。
【0012】第2,第3レンズ(G2,G3)に設けられてい
るレリーフパターンの回折格子断面形状は、ブレーズ形
状である。回折格子断面形状がブレーズ形状である場合
の回折効率ηは、以下の式(1)で表される。 η=[{sin(π(α−m))}/{π(α−m)}]2 …(1) ただし、 m :回折次数、 α=h0(n・cosθ−n'・cosθ')/λ …(1') λ :波長、 n :境界面に隣接する物体側の光学材料の波長λの光
に対する屈折率、 n' :境界面に隣接する像側の光学材料の波長λの光に
対する屈折率、 θ :境界面に入射する光線の入射角度(単位:degre
e)、 θ':境界面から射出する光線の射出角度(単位:degre
e)、 h0 :回折格子高さ{=λ0/(n0−n'0)}、 λ0:設計波長、 n0 :境界面に隣接する物体側の光学材料の設計波長λ0
の光に対する屈折率、 n'0:境界面に隣接する像側の光学材料の設計波長λ0の
光に対する屈折率、 である。
【0013】本実施の形態に係る回折光学素子は、ガラ
スと樹脂とを密着させて、その境界面に回折格子のレリ
ーフパターンを形成したものである。ここで、ガラスPS
KS52と樹脂MS300との組み合わせ、ガラスSF9と樹脂OPET
との組み合わせ、のそれぞれについて、波長λでの回折
格子高さに相当するλ/|n−n'|を各光線について計
算し、その結果を表1に示す。なお、各ガラス,樹脂の
d線に対する屈折率nd,アッベ数νd、ガラスの転移
点温度Tgは、以下の通りである。 ガラス…PSKS52:nd=1.6, νd=64.33,Tg=534(℃) 樹脂 …MS300 :nd=1.5644, νd=35.1 ガラス…SF9 :nd=1.65446,νd=33.86,Tg=435(℃) 樹脂 …OPET :nd=1.62017,νd=24.01
【0014】
【表1】
【0015】表1から分かるように、λ/|n−n'|
は、g線程度で中間値、F線程度で最小値、C線程度で
最大値となる。したがって、g線程度の設計波長λ0で
回折格子高さh0を決めれば、F線及びC線での回折格子
高さとのずれ量が振り分けとなるため、g線波長(435.8
4nm)からC線波長(656.28nm)にわたって回折効率が良好
になると予測される。
【0016】つまり、積層された複数の光学材料から成
るとともに、その少なくとも一つの互いに異なる光学材
料の境界面に回折格子のレリーフパターンが形成され
た、白色光で使用される回折光学素子において、レリー
フパターンの回折格子高さが以下の式(2)で表されるな
らば、白色光に対して(つまりg線波長435.84nmからC
線波長656.28nmにわたって)回折効率が良好な回折光学
素子を実現することができる。この条件を外れた場合、
F線波長付近での回折効率の低下又はC線波長付近での
回折効率の低下が発生することになる。 h=λ/|n−n'| …(2) ただし、 h :レリーフパターンの回折格子高さ、 λ:波長{ここで、λ≦450(nm)である。}、 n :境界面に隣接する物体側の光学材料の波長λの光に
対する屈折率、 n':境界面に隣接する像側の光学材料の波長λの光に対
する屈折率、 である。
【0017】ところで、回折光学素子を含む光学系にお
いては、式(1')から分かるように、回折格子のレリーフ
パターンが形成されている境界面に対して、どのような
角度θで光線が入射するかによって回折効率ηは異な
る。そこで、軸上光入射の場合と軸外光入射の場合とに
ついて回折効率ηを計算し、その結果に基づいて本発明
に係る光学系の特徴を説明することにする。なお、回折
効率ηの計算において、ガラスはPSKS52、樹脂はMS300
とし、ガラス,樹脂とも平行平板(つまり屈折作用によ
るパワーを持たない)とし、また、回折格子高さh0=16.
6(μm),設計波長λ0=435(nm)とした。
【0018】表2に、軸上光入射の場合の回折効率ηを
示す。ここでは、θ=0°の平行入射光を軸上光の代表
光線とした。この場合、cos(±θ')=cosθ'であるた
め、回折格子のパワー符号が正,負のいずれであっても
回折効率ηに変化はない。また、回折格子のパワー=0.
008557,平行平板に対する入射角度=0°,平行平板か
らの1次回折光の射出角度=-0.78°とした。
【0019】
【表2】
【0020】表2に示す2つのタイプを比較すると分か
るように、物体側からガラス,レリーフパターン,樹
脂;物体側から樹脂,レリーフパターン,ガラス、のい
ずれの順で回折光学素子を構成した場合でも、回折効率
は良好である。
【0021】次に、上述した平行入射光の回折効率ηが
良好である構成を前提として、軸外光が入射する場合を
考える。軸外光入射の場合は、回折格子のレリーフパタ
ーンが光学系の瞳(又は絞り)より物体側(前側)に位置す
る場合と像側(後側)に位置する場合とに分けられ、さら
に、回折格子のパワーが正の場合と負の場合とに分けら
れる。
【0022】表3に、レリーフパターンが瞳より前側に
位置し、回折格子のパワーが正の場合の回折効率η(%)
を示す。ここでは、回折格子のパワー=0.008557,平行
平板に対する入射角度=-10°,平行平板からの1次回
折光の射出角度=-11.25°とした。
【0023】
【表3】
【0024】表3に示す2つのタイプを比較すると分か
るように、回折光学素子が物体側からガラス,レリーフ
パターン,樹脂の順で構成されている場合には、F線で
の1次回折光の回折効率低下及び2次回折光の回折効率
増大が問題である。したがって、レリーフパターンが瞳
より前側に位置し、回折格子のパワーが正の場合には、
回折光学素子を物体側から樹脂,レリーフパターン,ガ
ラスの順で構成することが適当である。
【0025】上記のように回折光学素子の構成の順番で
回折効率ηに違いが生じる理由を説明する。境界面(回
折格子面)に対する入射・射出角度θ,θ'は、以下の屈
折回折の式(3)にしたがって、屈折率n,n'の違いにより
変化する。このため、式(1')が表す値αも変化すること
になる。αの変化量は、入射角度θが大きいほど(斜入
射であるほど)、また回折格子のパワーが大きいほど(格
子間隔dが小さいほど、高次であるほど)大きくなる。表
4にF線(λ=486.13nm)について、m=2のときの入射・
射出角度θ,θ'についてα,η等を示す。表4から、
構成の順番でα及び回折効率ηが変化することが分か
る。 n'・sinθ'−n・sinθ=mλ/d …(3) ただし、 d:格子ピッチ間隔、 である。
【0026】
【表4】
【0027】以上のことから分かるように、ガラスと樹
脂とを密着させ、かつ、その境界面に回折格子のレリー
フパターンを形成してなる回折光学素子を、レリーフパ
ターンが光学系の瞳又は絞りより物体側に位置するよう
に含む光学系おいて、回折格子のパワーが正の場合に
は、回折光学素子を物体側から樹脂,レリーフパター
ン,ガラスの順で構成すれば、軸上光から軸外光にわた
って回折効率が良好な回折光学素子を含む光学系を実現
することができる。この条件を外れた場合は、軸外光で
の1次回折光の回折効率低下及び2次回折光の回折効率
増大が生じるため不適当である。
【0028】表5に、レリーフパターンが瞳より前側に
位置し、回折格子のパワーが負の場合の回折効率η(%)
を示す。ここでは、回折格子のパワー=-0.008557,平
行平板に対する入射角度=-10°,平行平板からの1次
回折光の射出角度=-8.75°とした。
【0029】
【表5】
【0030】表5に示す2つのタイプを比較すると分か
るように、回折光学素子が物体側から樹脂,レリーフパ
ターン,ガラスの順で構成されている場合には、F線で
の1次回折光の回折効率低下及び2次回折光の回折効率
増大が問題である。したがって、レリーフパターンが瞳
より前側に位置し、回折格子のパワーが負の場合には、
回折光学素子を物体側からガラス,レリーフパターン,
樹脂の順で構成することが適当である。
【0031】以上のことから分かるように、ガラスと樹
脂とを密着させ、かつ、その境界面に回折格子のレリー
フパターンを形成してなる回折光学素子を、レリーフパ
ターンが光学系の瞳又は絞りより物体側に位置するよう
に含む光学系おいて、回折格子のパワーが負の場合に
は、回折光学素子を物体側からガラス,レリーフパター
ン,樹脂の順で構成すれば、軸上光から軸外光にわたっ
て回折効率が良好な回折光学素子を含む光学系を実現す
ることができる。この条件を外れた場合は、軸外光での
1次回折光の回折効率低下及び2次回折光の回折効率増
大が生じるため不適当である。
【0032】表6に、レリーフパターンが瞳より後側に
位置し、回折格子のパワーが正の場合の回折効率η(%)
を示す。ここでは、回折格子のパワー=0.008557,平行
平板に対する入射角度=-10°,平行平板からの1次回
折光の射出角度=-8.75°とした。
【0033】
【表6】
【0034】表6に示す2つのタイプを比較すると分か
るように、回折光学素子が物体側から樹脂,レリーフパ
ターン,ガラスの順で構成されている場合には、F線で
の1次回折光の回折効率低下及び2次回折光の回折効率
増大が問題である。したがって、レリーフパターンが瞳
より後側に位置し、回折格子のパワーが正の場合には、
回折光学素子を物体側からガラス,レリーフパターン,
樹脂の順で構成することが適当である。
【0035】以上のことから分かるように、ガラスと樹
脂とを密着させ、かつ、その境界面に回折格子のレリー
フパターンを形成してなる回折光学素子を、レリーフパ
ターンが光学系の瞳又は絞りより像側に位置するように
含む光学系おいて、回折格子のパワーが正の場合には、
回折光学素子を物体側からガラス,レリーフパターン,
樹脂の順で構成すれば、軸上光から軸外光にわたって回
折効率が良好な回折光学素子を含む光学系を実現するこ
とができる。この条件を外れた場合は、軸外光での1次
回折光の回折効率低下及び2次回折光の回折効率増大が
生じるため不適当である。
【0036】表7に、レリーフパターンが瞳より後側に
位置し、回折格子のパワーが負の場合の回折効率η(%)
を示す。ここでは、回折格子のパワー=-0.008557,平
行平板に対する入射角度=-10°,平行平板からの1次
回折光の射出角度=-11.25°とした。
【0037】
【表7】
【0038】表7に示す2つのタイプを比較すると分か
るように、回折光学素子が物体側からガラス,レリーフ
パターン,樹脂の順で構成されている場合には、F線で
の1次回折光の回折効率低下及び2次回折光の回折効率
増大が問題である。したがって、レリーフパターンが瞳
より後側に位置し、回折格子のパワーが負の場合には、
回折光学素子を物体側から樹脂,レリーフパターン,ガ
ラスの順で構成することが適当である。
【0039】以上のことから分かるように、ガラスと樹
脂とを密着させ、かつ、その境界面に回折格子のレリー
フパターンを形成してなる回折光学素子を、レリーフパ
ターンが光学系の瞳又は絞りより像側に位置するように
含む光学系おいて、回折格子のパワーが負の場合には、
回折光学素子を物体側から樹脂,レリーフパターン,ガ
ラスの順で構成すれば、軸上光から軸外光にわたって回
折効率が良好な回折光学素子を含む光学系を実現するこ
とができる。この条件を外れた場合は、軸外光での1次
回折光の回折効率低下及び2次回折光の回折効率増大が
生じるため不適当である。
【0040】
【実施例】以下、本発明を実施した回折光学素子を含む
ズームレンズの構成を、コンストラクションデータを挙
げて更に具体的に示す。ここで例として挙げる実施例
は、前述した実施の形態に対応しており、実施の形態を
表すレンズ構成図(図1)は、この実施例のレンズ構成を
示している。
【0041】この実施例のコンストラクションデータに
おいて、ri(i=1,2,3,...)は物体側から数えてi番目の面
の曲率半径、di(i=1,2,3,...)は物体側から数えてi番目
の軸上面間隔を示しており、Ni(i=1,2,3,...),νi(i=1,
2,3,...)は物体側から数えてi番目の光学要素のd線に
対する屈折率,アッベ数を示している。また、コンスト
ラクションデータ中、ズーミングにおいて変化する軸上
面間隔(可変間隔)は、広角端(短焦点距離端)[W]〜望遠
端(長焦点距離端)[T]での各群間の軸上空気間隔であ
る。各焦点距離状態[W],[T]に対応する全系の焦点距
離f,半画角ω及びFナンバーFNOを併せて示す。
【0042】曲率半径riに*印が付された面は、非球面
で構成された面であることを示し、非球面の面形状を表
わす以下の式(AS)で定義されるものとする。また、曲率
半径riに#印が付された面は、回折光学面で構成された
面であることを示し、回折光学面のピッチの位相形状を
表す以下の式(DS)で定義されるものとする。各非球面の
非球面データ及び各回折光学面の回折光学面データを他
のデータと併せて示す。
【0043】 X(H)=(C・H2)/{1+√(1-C2・H2)}+(A4・H4+A6・H6+A8・H8+A10・H10) …(AS) ただし、式(AS)中、 X(H):高さHの位置での光軸方向の変位量(面頂点基
準)、 H :光軸に対して垂直な方向の高さ、 C :近軸曲率、 Ai :i次の非球面係数、 である。
【0044】 φ(H)=(2π/λ0)・(C1・H2+C2・H4) …(DS) ただし、式(DS)中、 φ(H):位相関数、 H :光軸に対して垂直な方向の高さ、 Ci :2i次の位相係数、 λ0 :設計波長、 である。
【0045】
【0046】[第1面(r1)の非球面データ] A4= 0.009071 A6=-0.0001235 A8=-4.4×10-6
【0047】[第2面(r2)の非球面データ] A4= 0.012871 A6= 0.00211106 A8= 9.85×10−5
【0048】[第3面(r3)の非球面データ] A4=-0.00584 A6= 0.00141341 A8=-0.00014
【0049】[第4面(r4)の非球面データ] A4= 0.036276 A6=-0.015181 A8= 0.002011
【0050】[第5面(r5)の非球面データ] A4=-0.01326 A6= 0.0018055 A8=-0.00037
【0051】[第7面(r7)の非球面データ] A4=-0.00695 A6=-0.0008778 A8= 0.000301 A10=-0.00013
【0052】[第8面(r8)の非球面データ] A4=-0.01369 A6= 0.0051316 A8=-0.00021
【0053】[第9面(r9)の非球面データ] A4= 0.000919 A6=-0.0003216 A8= 3.39×10-5
【0054】[第4面(r4)の回折光学面データ] C1= 0.003039 C2=-0.0007736
【0055】[第8面(r8)の回折光学面データ] C1=-0.00146 C2= 0.00030703
【0056】
【発明の効果】以上説明したように第1の発明によれ
ば、白色光に対して回折効率が良好な回折光学素子を実
現することができる。また第2,第3の発明によれば、
回折光学素子を含む光学系において、広い波長域で回折
効率が良好であるだけでなく、軸上光から軸外光にわた
って回折効率が良好な光学系を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態(実施例)の概略構成を示すレンズ構
成図。
【符号の説明】
Gr1 …第1群 Gr2 …第2群 Gr3 …ローパスフィルター G1 …第1レンズ G2 …第2レンズ(回折光学素子) G3 …第3レンズ(回折光学素子) S …絞り AX …レンズ光軸

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 積層された複数の光学材料から成るとと
    もに、その少なくとも一つの互いに異なる光学材料の境
    界面に回折格子のレリーフパターンが形成された、白色
    光で使用される回折光学素子であって、 前記レリーフパターンの回折格子高さが以下の式で表さ
    れることを特徴とする回折光学素子; h=λ/|n−n'| ただし、 h :レリーフパターンの回折格子高さ、 λ:波長{ここで、λ≦450(nm)である。}、 n :境界面に隣接する物体側の光学材料の波長λの光に
    対する屈折率、 n':境界面に隣接する像側の光学材料の波長λの光に対
    する屈折率、 である。
  2. 【請求項2】 ガラスと樹脂とを密着させ、かつ、その
    境界面に回折格子のレリーフパターンを形成してなる回
    折光学素子を、前記レリーフパターンが光学系の瞳又は
    絞りより物体側に位置するように含む光学系おいて、 前記回折格子のパワーが正の場合には、前記回折光学素
    子を物体側から樹脂,レリーフパターン,ガラスの順で
    構成し、 前記回折格子のパワーが負の場合には、前記回折光学素
    子を物体側からガラス,レリーフパターン,樹脂の順で
    構成したことを特徴とする光学系。
  3. 【請求項3】 ガラスと樹脂とを密着させ、かつ、その
    境界面に回折格子のレリーフパターンを形成してなる回
    折光学素子を、前記レリーフパターンが光学系の瞳又は
    絞りより像側に位置するように含む光学系おいて、 前記回折格子のパワーが正の場合には、前記回折光学素
    子を物体側からガラス,レリーフパターン,樹脂の順で
    構成し、 前記回折格子のパワーが負の場合には、前記回折光学素
    子を物体側から樹脂,レリーフパターン,ガラスの順で
    構成したことを特徴とする光学系。
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