JPH11270995A - 空気調和機 - Google Patents

空気調和機

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JPH11270995A
JPH11270995A JP7446998A JP7446998A JPH11270995A JP H11270995 A JPH11270995 A JP H11270995A JP 7446998 A JP7446998 A JP 7446998A JP 7446998 A JP7446998 A JP 7446998A JP H11270995 A JPH11270995 A JP H11270995A
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JP
Japan
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oxide
thin film
tio
fine particles
dispersed
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Application number
JP7446998A
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English (en)
Inventor
Yoshito Watabe
義人 渡部
Katsumi Muroi
克美 室井
Takao Ishikawa
敬郎 石川
Tomoji Oishi
知司 大石
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明の課題は,耐熱性の乏しい材料,例えば
プラスチックの上に高活性の光触媒を形成して抗菌,脱
臭および防汚効果を持たせた部材を空調機に配設し,通
風抵抗を増加させることなく光触媒を付加した熱交換装
置および空調機を提供することである。 【解決手段】TiO2微粒子を分散させた酸化物光触媒薄膜
中に,電気陰性度が1.6より小さく,イオン半径が0.12n
mより小さい元素を添加して熱交換装置および空調機の
部材に配設する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は,酸化物光触媒薄膜
を備えた空気調和機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年,TiO2光触媒を用いた有機物の分解
および抗菌・防臭材が注目を集めている。これはニュー
セラミックス(1996) NO.2,55に記載されているような半
導体光触媒の酸化還元反応を用いたもので,TiO2薄膜を
セラミックスタイルに形成したものが提供されている。
【0003】一方,成膜法としては,酸化物薄膜は基盤
上へのスパッタリングのような物理的方法によるもの
と,ゾルゲル法のような化学的方法によるものとがあ
る。前者は真空装置などを用いて低い温度で成膜が可能
である。後者はスピンコート,スプレーなど簡単な装置
で基板上に塗布し、通常数百℃の温度で処理することに
よって膜を得ることができる。抗菌・防臭用の材料であ
るTiO2はアナターゼ型の結晶が有効であることが報告さ
れている。また,TiO2にV,Fe等を添加して高性能化し
たものが報告されている。
【0004】また,特開昭62-255741号公報あるいは特
開平1-234729号公報に記載されているように,光触媒を
光源とともに内部に配設した空気調和機がある。また,
特開平8-296992号公報に記載されているように,アルミ
フィン表面に光触媒をバインダを用いて塗布し,400℃
で焼き付けした熱交換器がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記技術を用いた場
合,耐熱性のない基材,例えばプラスチック上への酸化
物薄膜を形成するためには不十分な点がある。ゾルゲル
法により成膜したものには上記文献にも記載されている
抗菌・防臭材として抗菌タイルがあるが,数百℃の熱処
理が必要であり,耐熱性のない基板上への成膜は困難で
ある上に,性能が劣化した際交換する場合のコストが高
いという問題がある。また,有機物の分解等の分解速度
に不十分な点がある。
【0006】一方,成膜法はスパッタリングのような物
理的方法では,真空装置等の大掛かりな装置が必要であ
り,高真空下において膜が形成されるため,酸化物光触
媒の組成比ずれが大きく,光触媒性能が悪化する。さら
に,有機材料を基板とする場合,逆スパッタされ基板に
ダメージを与え,基板の変形等を招く問題がある。ま
た,ゾルゲル法のような化学的方法においては,酸化物
微粒子を分散させたシリカゾルを用いた場合,耐熱性の
ない基板上への成膜は熱処理の温度が低いために十分な
焼結ができず,形成した酸化物膜の強度および耐水性が
不十分となる。
【0007】また,TiO2にFe,Vを添加したものについ
ても数百℃の高温処理を行って高性能化するため,耐熱
性の乏しい基板材料への応用が困難である。
【0008】本発明の目的は,耐熱性の乏しい材料,例
えばプラスチックの上に高活性の光触媒を形成し,抗
菌,脱臭および防汚効果を持たせた部材を空気調和機に
配設し,通風抵抗を増加させることのない光触媒を付加
した空気調和機を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するために、 (1)融点または分解温度が300℃以下の基材の上に,T
iO2微粒子を分散させた酸化物光触媒薄膜を備えた部材
において,酸化物光触媒薄膜中に電気陰性度が1.6より
小さく,イオン半径が0.12nmより小さい元素を添加する
こと。
【0010】(2)(1)において,Na,Li,K,Sr,M
g,Ca,Znのうち少なくとも一種類の元素を添加するこ
と。
【0011】(3)(1)において,TiO2微粒子の大き
さを5〜20nmとすること。
【0012】(4)融点または分解温度が300℃以下の
基材の上に,TiO2微粒子をSiO2中に分散させた酸化物光
触媒薄膜を備えた部材において,酸化物光触媒薄膜中に
電気陰性度が1.6より小さく,イオン半径が0.12nmより
小さい元素を添加し,TiO2/SiO2の重量比を9〜5とし,
前記電気陰性度が1.6より小さく,イオン半径が0.12nm
より小さい元素の添加量を0.5〜20wt%とすること。
【0013】(5)(4)において,前記酸化物薄膜の
膜厚を100〜500nmとすること。
【0014】(6) 融点または分解温度が300℃以下の
基材の上に,TiO2微粒子をSiO2中に分散させた酸化物光
触媒薄膜を備えた部材において,酸化物光触媒薄膜中に
電気陰性度が1.6より小さくイオン半径が0.12nmより小
さい元素を添加し,さらに少なくとも電子親和力が1.2
以上の金属元素から構成される酸化物半導体を主体とす
る酸化物微粒子を分散させ,前記酸化物半導体を主体と
する酸化物微粒子の添加量を2〜50wt%とすること。
【0015】(7)融点または分解温度が300℃以下の
基材の上に,TiO2微粒子をSiO2中に分散させた酸化物光
触媒薄膜を備えた部材において,表面より数えて第奇数
層のSiO2中にTiO2微粒子を分散させ,電気陰性度が1.6
より小さく,イオン半径が0.12nmより小さい元素を添加
した酸化物光触媒薄膜を形成させ,表面より数えて第偶
数層には,少なくとも電子親和力が1.2以上の金属元素
から構成される酸化物半導体を主体とする酸化物微粒子
を分散させた酸化物薄膜を形成させ,積層構造とするこ
と。
【0016】(8)(7)において,前記電子親和力が
1.2以上の金属元素から構成される酸化物半導体を主体
とする酸化物微粒子を分散させた酸化物薄膜にSn,Fe,
Crのうち少なくとも一種を混合すること。
【0017】(9)TiO2微粒子をSiO2中に分散させた酸
化物光触媒薄膜を備えた部材において,酸化物光触媒薄
膜中に電気陰性度が1.6より小さく,イオン半径が0.12n
mより小さい元素を添加し,さらに少なくともATO(アン
チモン添加酸化スズ)を主体とする酸化物微粒子を分散
させ,表面抵抗値が109Ω/□以下で帯電防止機能を付
与すること。
【0018】(10) TiO2微粒子をSiO2中に分散させ
た酸化物光触媒薄膜を備えた部材において,表面より数
えて第奇数層のSiO2中にTiO2微粒子を分散させ,電気陰
性度が1.6より小さく,イオン半径が0.12nmより小さい
元素を添加した酸化物光触媒薄膜を形成し,表面より数
えて第偶数層には,ATO(アンチモン添加酸化スズ)を
主体とする酸化物微粒子を分散させ,表面抵抗値が108
Ω/□以下で帯電防止機能を有している酸化物薄膜を形
成させ,積層構造とすること。
【0019】(11) 融点あるいは分解温度が300℃以
下の基材の上に,TiO2微粒子をSiO2中に分散させた酸化
物光触媒薄膜を備えた部材において,表面より数えて第
奇数層にはSiO2中にTiO2微粒子を分散させ,電気陰性度
が1.6より小さく,イオン半径が0.12nmより小さい元素
を添加した酸化物光触媒薄膜を形成させ,表面より数え
て第偶数層には,Fe,Al,Zrのうち少なくとも一種を添
加した酸化物薄膜を形成させ,積層構造とすること。
【0020】(12)融点または分解温度が300℃以下
の基材の上に,TiO2微粒子をSiO2中に分散させた酸化物
光触媒薄膜を備えた部材において,表面より数えて第奇
数層のSiO2中にTiO2微粒子を分散させ,電気陰性度が1.
6より小さく,イオン半径が0.12nmより小さい元素を添
加した酸化物光触媒薄膜を形成させ,表面より数えて第
偶数層には,ATO(アンチモン添加酸化スズ)を主体と
する酸化物微粒子を分散させ,表面抵抗値が108Ω/□
以下で帯電防止機能を付与した酸化物薄膜中にFe,Al,
Zrのうち少なくとも一種を添加した酸化物薄膜を形成さ
せ,積層構造とすること。
【0021】(13)融点または分解温度が300℃以下
の基材の上に,TiO2微粒子をSiO2中に分散させた酸化物
光触媒薄膜を備えた部材において,酸化物光触媒薄膜中
に電気陰性度が1.6より小さく,イオン半径が0.12nmよ
り小さい元素を添加し,さらにPt,Rh,Pd,Ag,Cu,Ni
のうち少なくとも一種を添加すること。
【0022】(14)基材がポリプロピレン等の場合,
本発明による光触媒薄膜が接着しにくくなる場合があ
り,その場合,紫外線照射,コロナ放電等を用いて基材
表面を改質するか,プライマを塗布してから上記の成膜
を行うこと。
【0023】ところで,TiO2は光触媒としての機能を有
し,有機物の分解に基づく抗菌・防臭・防汚の各作用を
持つ。その機能は半導体であるTiO2に光,特に紫外線を
照射すると生じる電子とホールに起因する。半導体であ
るTiO2はバンドギャップ以上のエネルギーを持つ光を照
射されると,電子とホールを生成する。生成した電子と
ホールはTiO2表面に吸着した水を分解してHラジカルとO
ラジカルを生成する。このOHラジカルが有機物と反応す
ることにより,有機物を分解することができる。 この
ような機構で光触媒は有機物等を分解しているが,さら
に反応速度を大きくするには以下の二つの手段がある。
第1は一つの活性点の仕事量を大きくすることで,第2
は活性点の数を多くすることである。活性点の仕事量を
大きくするためには,TiO2(アナターゼ)の結晶化を促
進することと電子とホールの再結合を防止することが有
効である。また,活性点の数を多くすることは,表面積
を拡大すること,すなわちTiO2を微粒子化することによ
り達成できる。以上を満足することにより反応速度を拡
大することができる。しかし,TiO2(アナターゼ)の結
晶化を促進することと表面積を拡大することは相反する
ことであり,両立は困難である。すなわち,結晶性を向
上させることは粒子径の増加を招き,表面積を低下させ
てしまう。したがって,結晶性を向上させる方向と表面
積を拡大する方向との間に最適域が存在する。多くの実
験結果より,その領域が5〜20nmであることを見出し
た。TiO2微粒子を分散させる場合に無機バインダとして
使用する酸化物の種類を変えてもこの粒子径の範囲で分
解速度が大きくなった。
【0024】電子とホールの再結合を防止することによ
り反応速度を向上させるには,電子とホールの分離効率
を上げることである。 TiO2表面にはTi欠陥が存在す
る。この欠陥は電子とホールの再結合点となり,反応を
阻害する。ここに,イオン半径がTiと同程度のイオンを
添加して表面のTi欠陥に浸入させると,欠陥が消滅して
再結合点が減少する。さらに,添加したイオンは正イオ
ンとして存在するため,電子を引き付けてホールと分離
させ,有機物の酸化反応を促進させることができる。こ
のような効果を有する添加剤の条件として,電気陰性度
が1.6より小さく,イオン半径が0.12nmより小さいもの
が有効であることを示した。
【0025】さらに,他の酸化物半導体微粒子の添加に
よっても高性能化できることを示した。これはキャリア
濃度の小さいTiO2にキャリア濃度の大きい酸化物半導体
より,キャリアを注入することにより達成される。この
場合,酸化物半導体からTiO2にキャリアが流れやすいよ
うにする必要がある。酸化物半導体の電子親和力がTi以
下であるとショットキーバリアが形成される。そのた
め,添加する材料は電子親和力が1.2eV以上である必要
がある。
【0026】また,Fe,Al,Zrを添加するとTiO2の光触
媒作用が失われることも見出した。有機物を主体とする
基板材料を用いた場合,光触媒作用により基板を分解し
てしまうという問題がある。そこで,本発明では,基板
と光触媒の間にバリア層を形成させることにした。この
バリア層にFe,Al,Zrを添加することにより,基板の分
解を完全に抑制することができる。そして,バリア層が
非常に高性能であるため,膜厚を薄くすることが可能と
なった。
【0027】ATO等の導電性微粒子を添加した場合ある
いは積層した場合は,光触媒の性能を向上させるととも
に帯電防止機能を付与することができ,空気中に浮遊し
ているほこりなどの無機物の付着を防止し,より高性能
な防汚機能を提供できる。
【0028】上記の手段を用いて,外装パネル等の耐熱
性の乏しい部材に抗菌,脱臭および防汚効果を持たせた
薄膜を形成させることにより,通風抵抗を増加させるこ
となく光触媒を付加した空気調和機を提供出来る。
【0029】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態を具体
的に説明する。
【0030】図1は本発明による一実施例を示す空気調
和機の概略断面図である。空気調和機は室内ユニット
1,室外ユニット21およびそれらを連結する冷媒配管
11,11’より構成されている。室内ユニット1は熱
交換器2,ファン3,フィルタ4および吹出空気ダクト
5から成り,通常,吹出空気ダクト5の出口にはルーバ
8が設置してある。空気の吸込口は室内ユニット1の上
部および前面に設けてある。本実施例では,室内ユニッ
ト1の前面吸気口6が薄いハニカム状となっていて,開
口率が高く,外部の光を内部に取り入れやすくなってい
る。そして,前面吸気口6には前面開閉パネル7が付設
してある。この前面開閉パネル7は,運転時には上方に
移動して前面吸気口6を開き,停止時には前面吸気口6
の前方に移動して前面吸気口6を閉じるようになってい
る。熱交換器2はドレイン9,9’の上の設置してあ
り,冷房運転時に熱交換器2に発生する凝縮水をドレイ
ン9,9’で受けて排水するようになっている。
【0031】後述する光触媒薄膜は室内ユニット1の部
材に塗布することができるが,本実施例の場合,塗布位
置として,外部の光が当たりやすい前面吸気口6,ルー
バ8あるいは室内ユニット1の外装カバーが効果的であ
る。また,光量が若干減少するが,フィルタ4あるいは
吹出空気ダクト5も有効である。また,前面開閉パネル
7は停止時に前面吸気口6の前方に露出することから,
光触媒薄膜の塗布位置として有効である。
【0032】前面吸気口6および吹出空気ダクト5の下
流端に位置するルーバ8には流速の速い空気が衝突する
ため,従来から,ほこりやタバコのヤニが特に付着しや
すいことが問題となっていた。特に,ルーバ8に付着す
る汚れはフィルタ4において除去できずに通過する微粒
子である。空調機の場合,風量低下を避けるため,フィ
ルタ4は比較的目の粗いものを使用する場合が多く,空
気中の微粒子を除去することは困難である。したがっ
て,前面吸気口6およびルーバ8に光触媒薄膜を塗布す
ることは防汚の観点から特に有効である。
【0033】一方,室外ユニット21は熱交換器22,
ファン23およびファンダクト24から成っている。通
常,室外ユニット21内部には圧縮機12および膨張弁
13が設置してあるが,この図では,冷媒回路をわかり
やすくするため,外部に記載してある。
【0034】図2は本発明による他の実施例を示す空気
調和機の室内ユニットの概略断面図である。本実施例
は,室内ユニット1内部のフィルタ4の上流側に紫外線
ランプ10を設置したものである。この紫外線ランプ1
0は熱交換器2の上流側に設置した光触媒薄膜(例え
ば,室内ユニット外装パネルの内面,フィルタ4,前面
開閉パネル7の裏面)に光を供給することができる。
【0035】図3は本発明による他の実施例を示す空気
調和機の室内ユニットの概略断面図である。本実施例
は,室内ユニット1内部の熱交換器2の下流側に紫外線
ランプ10を設置したものである。この紫外線ランプ1
0により熱交換器2の下流側に設置した光触媒薄膜(例
えば,ファン3あるいは吹出空気ダクト5の表面)に光
を供給することができる。
【0036】図4は室内ユニット1の運転時における正
面図である。前面吸気口6およびルーバ8が露出してい
る。本実施例では,室内ユニット1の前面吸気口6が薄
いハニカム状となっていて,開口率が高く,外部の光を
内部に取り入れやすくなっている。
【0037】図5は本発明による一実施例を示す室内ユ
ニットの運転時における正面図である。室内ユニット1
の前面吸気口6’はルーバ状になっている。本実施例で
は,この前面吸気口6’の機械的強度を保つため,部材
を厚くし,図4のハニカムに比べて開口率を小さくする
必要がある。
【0038】以上のように,従来から空気調和機に配設
されている部材に光触媒薄膜を形成させることにより,
通風抵抗を増加させることなく,抗菌,脱臭および防汚
効果を持たせた空調機とすることができる。
【0039】ところで,光触媒薄膜はO2あるいはH2Oか
らOラジカル,HラジカルあるいはOHラジカルを生成する
作用を有するが,空調機に適用した場合,室内の湿度が
比較的低く保たれるため,H2Oの供給が不足しやすくな
る。これを補うため,液体の水を接触させる方法があ
る。本発明による光触媒薄膜は剥離しにくく,布,スポ
ンジ等により拭き掃除を行うことが可能である。光触媒
薄膜は多孔質であるため,拭き掃除の際,布,スポンジ
等の吸水性用具を湿らせて拭くことにより光触媒薄膜に
多量の水分を供給することができる。したがって,空調
機の手入れとして,付着するほこりを除去すると同時に
水分を供給することにより,光触媒の効果を高めること
ができる。水洗いによる手入れも同様の効果をもたら
す。
【0040】以下,本発明による酸化物光触媒薄膜の製
造工程について実施例を用いて説明する。
【0041】(実施例1)SiO2ゾル中にTiO2微粒子を分
散させた溶液を作製した。そして,この溶液を用いてPE
T(ポリエチレンテレフタレート)フィルム上にTiO2
を形成させ,図6に示すPETフィルムを製造したもので
ある。以下にその製造の手順を図6を用いて説明する。
【0042】まず, 5gのテトラエトキシシランを100ml
の水/エタノール/プロパノール(3:27:70)混合溶液中
に溶解し,40℃で5時間程度攪拌した。得られた溶液は
室温で2週間放置してSiO2ゾルとした。
【0043】つぎに,SiO2ゾル中にTiO2微粒子を重量比
でTiO2/SiO2=9として添加した。そして,固形分濃度が
所定量の水を加えて4wt%となるように調整した。その
後,5mmφのジルコニアボールを用いてSiO2ゾル中にTiO
2微粒子を分散させるために24時間ボールミルで処理
し,SiO2ゾル中にTiO2微粒子を分散させた溶液を製造し
た。
【0044】PETフィルム101に作製したTiO2微粒子
分散SiO2ゾルをコートし,120℃で低圧水銀ランプ(強
度:15mW/cm2)を5分間照射してSiO2膜102中にTiO2
微粒子103が分散したTiO2分散SiO2膜104を形成さ
せた。薄膜の膜質および強度は良好であり,膜厚は300n
mであった。SiO2膜102には細孔105が多数存在
し,膜中のTiO2微粒子103へのH2Oの供給および生成
されるOラジカル,HラジカルおよびOHラジカルの放散は
円滑に行われる。
【0045】図7はTiO2の光触媒機能による有機物の分
解活性試験の一例である。活性試験は薄膜に赤紫系の有
機色素をコートして254nmで1mW/ cm2の光を照射して行
った。分解速度は初期の色素の透過率の変化量より求め
た。図7にその結果を示した。
【0046】図7には比較のためTiO2分散SiO2膜付き,
膜なしおよびSiO2膜の結果を示した。膜なしおよびSiO2
膜ではほとんど色素量に変化はないが,TiO2分散SiO2
付きの場合は30分後に45%分解した。
【0047】このように,光触媒機能を有したTiO2分散
SiO2膜付きPETフィルムを製造することができた。本発
明の成膜法は,120℃程度で製造が可能であり,プラス
チック材料への応用が可能である。通常のゾルゲル法で
は,400℃程度の温度が必要であるためプラスチック製
品への応用が困難であったり,TiO2の結晶化に10分以上
の時間が必要である。一方,本発明の作製法は低温で成
膜が可能であるため,使用できる基材が豊富で,どのよ
うな表面にも光触媒が成膜できる。また,数分間という
短時間処理が可能で生産コストの大幅な低減が可能であ
る。
【0048】つぎに,光触媒の性能向上のために,助触
媒添加を行った。先に作製したSiO2ゾル中にTiO2微粒子
を分散させた溶液中に各種硝酸塩を添加して,PETフィ
ルム上に成膜し,色素の分解反応を行った。結果を表1
に示す。
【0049】
【表1】
【0050】Na,Li,K,Mg,Ca,Sr,Zn添加の光触媒
が有効であり,Fe,Alは失活材となることがわかった。
【0051】図8に電気陰性度に対して助触媒の添加効
果をプロットした結果を示す。電気陰性度が小さいもの
ほど効果があるが,特に,Li,Na,Mgが有効であること
から,電気陰性度だけでなくイオン半径も重要であるこ
とがわかった。図9には電気陰性度とイオン半径そして
分解速度の関係を示す。この図から,電気陰性度が1.6
より小さく,イオン半径が0.12nmより小さいものを添加
することが有効であることがわかった。
【0052】(実施例2)SiO2ゾル中に粒径の異なるTi
O2微粒子を分散させた溶液を数種類製造した。なお,Ti
O2/SiO2比は重量比で9とし,Li添加量は5wt%として実
施例1と同様な操作でTiO2分散SiO2膜をPETフィルム上
に形成させ,有機色素を用いて10分後の分解率を調べ
た。
【0053】
【表2】
【0054】表2に作成した試料の各条件と試験結果を
示した。これらの結果から,分散したTiO2粒子の大きさ
は,8〜10nmが最も有効であることがわかった。このよ
うに,粒子径により分解速度が変化し,さらにTiO2/Si
O2比を小さくするとTiO2微粒子の最適粒子径は変化した
が,5〜15nmの範囲であれば分解速度は良好であった。
したがって,Li添加触媒のTiO2粒子径は5〜15nmであれ
ば良いことがわかった。また,以上の結果はLi以外のN
a,K,Mg,Ca,Sr,Znについても同様であった。
【0055】(実施例3)
【0056】
【表3】
【0057】表3にLi添加量,TiO2/SiO2を変化させた
場合の色素分解率および膜強度について調べた結果を示
した。なお,溶液の作製および成膜法は実施例1と同様
に行った。これらの結果から,分解率と強度ともに有効
である条件は,Li添加量が0.5〜20wt%で,TiO2/SiO2
が9〜5であることがわかった。
【0058】
【表4】
【0059】表4にはTiO2/SiO2および膜厚を変化させ
た場合の色素分解率および膜質について調べた結果を示
した。なお,溶液の製造および成膜法は実施例1と同様
に行ったが,膜厚は溶液の固形分濃度を0.5〜8wt%まで
変化させて調節した。
【0060】結果は膜厚が100〜500nmであればTiO2/Si
O2比の影響を受けずに分解率,膜質とも良好であること
がわかった。
【0061】以上の結果はLi以外のNa,K,Mg,Ca,S
r,Znについても同様であった。
【0062】(実施例4)
【0063】
【表5】
【0064】表5にはTiO2以外の酸化物半導体であるAT
O,ITO,ZnO,Fe2O3,Cr2O3微粒子を添加した場合の色
素分解率を調べた結果を示した。結果はATO,Fe2O3,Cr
2O3微粒子添加が有効であり,添加量はいずれの場合も
限定されないが,特に10〜20wt%が有効であった。ここ
で,各酸化物の構成元素の電子親和力を見ると以下のよ
うになり,1.2eV以上の電子親和力を有する構成元素を
用いた酸化物半導体を用いると有効であることがわかっ
た。
【0065】
【表6】
【0066】酸化物半導体の電子親和力がTiのそれより
小さい場合は,微粒子の粒子界面にはショットキーバリ
アが形成され,添加した酸化物半導体のキャリアをTiO2
中に注入できず効果が現れない。これに対して,酸化物
半導体の電子親和力がTiのそれより大きい場合は,微粒
子の粒子界面にはショットキーバリアが形成されず,オ
ーミック接合となり,容易に酸化物半導体のキャリアを
TiO2中に注入することができ,有効に機能する。特に有
効であったATOは,電子親和力はTiより若干小さいが,
その差がほとんどないため性能が向上した。これは導電
性酸化物であるATOのキャリア濃度が高く,ATOの大量の
キャリアがTiO2中に注入され,光触媒の活性が向上した
ためである。さらに,このような酸化物半導体添加時に
おいてもLiの添加効果が高いことがわかった。
【0067】
【表7】
【0068】また,酸化物半導体の持つキャリアを有効
に利用する方法としては,微粒子添加だけでなく,積層
化もある。表6にはTiO2/SiO2膜とATO膜を積層した場
合の結果を示した。結果は積層が有効で,さらに,Liを
両方に添加することで,さらに性能が向上することを示
している。また,多数回交互に積層することも有効であ
ることがわかった。
【0069】さらに,以上のようなATO添加ではATOが導
電性を有することから,作製した膜は低抵抗化すること
ができる。表面抵抗を測定するとATO添加膜は108Ω/□
オーダであり,このような低抵抗膜は帯電防止機能を有
する。この帯電防止機能は,光触媒が,有機物の分解に
寄与するが,無機物には作用しないという欠点を補うも
のである。つまり,帯電防止機能により静電気で付着す
るような無機物の付着(例えばほこり)を防ぐことが可
能となる。したがって,防汚効果をさらに向上させるこ
とが可能となった。
【0070】(実施例6)SiO2ゾル中に粒子径5nmのTiO
2微粒子を分散させた溶液を作製し,これにAg,Pt,P
d,Rh,Ni,Cu,RuO2微粒子をそれぞれ,TiO2に対して2
wt%添加した。なお,TiO2/SiO2比は重量比で9とし
た。作製したAg,RuO2微粒子添加TiO2分散SiOゾル
を用いて,実施例1と同様な操作でAg,Pt,Pd,Rh,N
i,Cu,RuO2微粒子を添加したTiO2分散SiO2膜をPETフィ
ルム上に形成させ,有機色素の分解特性を調べた。結果
は表7に示したようにAg,Pt,Pd,Rh,Ni,Cu,RuO2
粒子添加により分解速度が大きくなっていることがわか
った。
【0071】
【表8】
【0072】(実施例7)実施例1で作製したLi添加光
触媒とLi無添加光触媒について,蛍光燈,太陽光,白熱
ランプ,水銀灯を用いて,タバコのヤニ,アセトアルデ
ヒド,尿素,大腸菌の分解特性を比較した。その結果,
Li添加光触媒はいずれのランプを用いても,タバコのヤ
ニ,アセトアルデヒド,尿素,大腸菌の分解特性が,Li
無添加光触媒の3〜5倍となることがわかった。このよう
にLi添加触媒は,紫外線ランプだけでなく,生活環境下
で使用するランプで十分な作用を示すことがわかった。
また,Li以外のNa,K,Mg,Ca,Sr,Znを添加した場合
も同様な作用を示した。
【0073】
【表9】
【0074】(実施例8)実施例1で作製したLi添加Ti
O2分散SiO2膜は,PETフィルム上に直接成膜すると,光
触媒作用により基材のPETフィルムにダメージを与えて
しまう。そこで,実施例1で作製したLi添加TiO2分散SiO
2膜をコートする際,PETフィルムとの間にSiO2膜を1層
設けたフィルムを作製した。さらに,SiO2膜中に光触媒
作用を失活させる成分,Al,Fe,Zrの各硝酸塩を添加し
た試料,あるいはLi添加TiO2分散SiO2膜中にATOを添加
した試料を作製し,各種試験を行った。その結果は表1
0に示した。
【0075】
【表10】
【0076】結果は,Li添加TiO2分散SiO2膜とPETフィ
ルムの間にバリア層としてSiO2膜を1層設けることによ
り,長期間使用しても膜の剥離を防止することができ
た。さらに,SiO2膜中にAl,Fe,Zrを添加することによ
り光触媒活性を完全に失活させることができ,接着強度
を維持できることがわかった。また,ATO添加膜では帯
電防止機能が加わり,ほこり等の付着も抑制でき,有機
物の分解だけでなく無機物の付着も防止でき,より優れ
た防汚効果を有したフィルムを作製することができた。
【0077】なお,基材がポリプロピレン等の場合,本
発明による光触媒薄膜が接着しにくくなる場合があり,
その場合,紫外線照射,コロナ放電等を用いて基材表面
を改質するか,プライマを塗布してから上記の成膜を行
うとよい。これらの前処理を行った結果,基材表面に微
細な凹凸を形成することができ,ほこり等の付着を一層
抑制して,防汚効果を向上させることができた。
【0078】図10は本発明による他の実施例を示す空
気調和機の概略断面図である。本実施例においては,室
外ユニット21に集光器111を設置し,光ファイバケ
ーブル112を介して発光部113から室内ユニット1
内に太陽光を導入することができるようになっている。
光ファイバケーブル112は冷媒配管11および11’
とともに束ねてあり,穴114を貫通させて室内ユニッ
ト1と室外ユニット21とを連結してある。このため,
穴114は従来と同様に1か所とすることができる。ま
た,発光部113は本図のように熱交換器2の上流側に
設置することもできるし,図3の紫外線ランプ10の位
置と同様に熱交換器2の下流側に設置することもでき
る。
【0079】
【発明の効果】本発明によれば,耐熱性の乏しい材料,
例えばプラスチックの上に高活性の光触媒を形成して抗
菌,脱臭および防汚効果を持たせた部材を空調機に配設
し,通風抵抗を増加させることなく光触媒を付加した熱
交換装置および空調機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す空気調和機の概略断面
図である。
【図2】本発明の他の実施例を示す室内ユニットの断面
図である。
【図3】本発明の他の実施例を示す室内ユニットの断面
図である。
【図4】本発明の一実施例を示す室内ユニットの正面図
である。
【図5】本発明の一実施例を示す室内ユニットの正面図
である。
【図6】本発明によるプラスチックフィルム上に形成し
たTiO2分散SiO2積層膜の構造図である。
【図7】本発明によるTiO2分散SiO2積層膜の有機色素の
分解試験結果である。
【図8】本発明によるTiO2分散SiO2積層膜への助触媒添
加効果を示した図である。
【図9】本発明によるTiO2分散SiO2積層膜へ添加した助
触媒の電気陰性度とイオン半径に対する効果の有無を示
した図である。
【図10】本発明の他の実施例を示す空気調和機の概略
断面図である。
【符号の説明】
1…室内ユニット,2…熱交換器,3…ファン,4…フ
ィルタ,5…吹出空気ダクト,6…前面吸気口,7…前
面開閉パネル,8…ルーバ,9…紫外線ランプ,11…
冷媒配管,12…圧縮機,13…膨張弁,2…室外ユ
ニット,22…熱交換器,23…ファン,24…ファン
ダクト,25…風向,101…PETフィルム,102…S
iO2,103…TiO2,104…TiO2分散SiO2膜,104
…SiO2膜内の細孔。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大石 知司 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】融点または分解温度が300℃以下の基材の
    上に,TiO2微粒子が分散してある酸化物光触媒薄膜を備
    えた部材であって、酸化物光触媒薄膜中に電気陰性度が
    1.6より小さくイオン半径が0.12nmより小さい元素を添
    加した部材を具備した空気調和機。
  2. 【請求項2】請求項1において、前記酸化物光触媒薄膜
    に添加した元素が,Na,Li,K,Sr,Mg,Ca,Znのうち
    少なくとも一種類である部材を具備した空気調和機。
  3. 【請求項3】請求項1または2において、前記TiO2微粒
    子の大きさが5〜20nmである部材を具備した空気調和
    機。
  4. 【請求項4】融点または分解温度が300℃以下の基材の
    上に,TiO2微粒子がSiO2中に分散してある酸化物光触媒
    薄膜を備えた部材であって,酸化物光触媒薄膜中に電気
    陰性度が1.6より小さく,イオン半径が0.12nmより小さ
    い元素が添加してあって,TiO2/SiO2の重量比が9〜5で
    ある部材を具備した空気調和機。
  5. 【請求項5】請求項4において、電気陰性度が1.6より
    小さく,イオン半径が0.12nmより小さい前記元素の添加
    量が0.5〜20wt%である部材を具備した空気調和機。
  6. 【請求項6】請求項4または5において、前記酸化物光
    触媒薄膜の膜厚が100〜500nmである部材を具備した空気
    調和機。
  7. 【請求項7】融点または分解温度が300℃以下の基材の
    上に,TiO2微粒子がSiO2中に分散してある酸化物光触媒
    薄膜を備えた部材であって,酸化物光触媒薄膜中に電気
    陰性度が1.6より小さく,イオン半径が0.12nmより小さ
    い元素が添加してあって,さらに少なくとも電子親和力
    が1.2以上の金属元素から構成される酸化物半導体を主
    体とする酸化物微粒子が分散した部材を具備した空気調
    和機。
  8. 【請求項8】請求項7において、前記酸化物半導体を主
    体とする酸化物微粒子の添加量が2〜50wt%である部材
    を具備した空気調和機。
  9. 【請求項9】融点または分解温度が300℃以下の基材の
    上に,TiO2微粒子がSiO2中に分散してある酸化物光触媒
    薄膜を備えた部材であって,表面より数えて第奇数層の
    SiO2中にTiO2微粒子が分散してあり,電気陰性度が1.6
    より小さく,イオン半径が0.12nmより小さい元素が添加
    してある酸化物光触媒薄膜が形成してあって,表面より
    数えて第偶数層には,少なくとも電子親和力が1.2以上
    の金属元素から構成される酸化物半導体を主体とする酸
    化物微粒子が分散してある酸化物薄膜が形成してあっ
    て,積層構造を有した部材を具備した空気調和機。
  10. 【請求項10】請求項7ないし9のいずれかのものにお
    いて、電子親和力が1.2以上の金属元素から構成される
    酸化物半導体を主体とする前記酸化物微粒子が分散して
    ある酸化物薄膜がSn,Fe,Crのうち少なくとも一種から
    構成される部材を具備した空気調和機。
  11. 【請求項11】TiO2微粒子がSiO2中に分散してある酸化
    物光触媒薄膜を備えた部材において,酸化物光触媒薄膜
    中に電気陰性度が1.6より小さく,イオン半径が0.12nm
    より小さい元素が添加してあって,さらに少なくともAT
    O(アンチモン添加酸化スズ)を主体とする酸化物微粒
    子が分散してあって,表面抵抗値が109Ω/□以下で帯
    電防止機能を有している部材を具備した空気調和機。
  12. 【請求項12】TiO2微粒子がSiO2中に分散してある酸化
    物光触媒薄膜を備えた部材において,表面より数えて第
    奇数層のSiO2中にTiO2微粒子が分散してあり,電気陰性
    度が1.6より小さく,イオン半径が0.12nmより小さい元
    素が添加してある酸化物光触媒薄膜が形成してあって,
    表面より数えて第偶数層には,ATO(アンチモン添加酸
    化スズ)を主体とする酸化物微粒子が分散してあり,表
    面抵抗値が108Ω/□以下で帯電防止機能を有している
    酸化物薄膜が形成してあり,積層構造を有した部材を具
    備した空気調和機。
  13. 【請求項13】融点あるいは分解温度が300℃以下の基
    材の上に,TiO2微粒子がSiO2中に分散してある酸化物光
    触媒薄膜を備えた部材であって,表面より数えて第奇数
    層にはSiO2中にTiO2微粒子が分散してあって,電気陰性
    度が1.6より小さく,イオン半径が0.12nmより小さい元
    素を添加した酸化物光触媒薄膜が形成してあって,表面
    より数えて第偶数層には,Fe,Al,Zrのうち少なくとも
    一種が添加してある酸化物薄膜が形成してあって,積層
    構造を有した部材を具備した空気調和機。
  14. 【請求項14】融点または分解温度が300℃以下の基材
    の上に,TiO2微粒子がSiO2中に分散してある酸化物光触
    媒薄膜を備えた部材であって,表面より数えて第奇数層
    のSiO2中にTiO2微粒子が分散してあり,電気陰性度が1.
    6より小さく,イオン半径が0.12nmより小さい元素が添
    加してある酸化物光触媒薄膜が形成してあって,表面よ
    り数えて第偶数層には,ATO(アンチモン添加酸化ス
    ズ)を主体とする酸化物微粒子が分散してあって,表面
    抵抗値が108Ω/□以下で帯電防止機能を付与した酸化
    物薄膜中にFe,Al,Zrのうち少なくとも一種が添加して
    ある酸化物薄膜が形成してあり,積層構造を有した部材
    を具備した空気調和機。
  15. 【請求項15】融点または分解温度が300℃以下の基材
    の上に,TiO2微粒子がSiO2中に分散してある酸化物光触
    媒薄膜を備えた部材であって,酸化物光触媒薄膜中に電
    気陰性度が1.6より小さく,イオン半径が0.12nmより小
    さい元素が添加してあり,さらにPt,Rh,Pd,Ag,Cu,
    Niのうち少なくとも一種が添加してある部材を具備した
    空気調和機。
  16. 【請求項16】請求項1ないし15のいずれかのものに
    おいて、表面に凹凸を形成させた,融点または分解温度
    が300℃以下の基材の上に,TiO2微粒子がSiO2中に分散
    してある酸化物光触媒薄膜を備えた部材を具備した空気
    調和機。
  17. 【請求項17】請求項1ないし16のいずれかのものに
    おいて、空気調和機の内部に取付けられたファン,フィ
    ルタ,空気吹出ダクト,ドレインおよび外装部材の一部
    に酸化物光触媒薄膜を配設した空気調和機。
  18. 【請求項18】請求項1ないし16のいずれかのものに
    おいて、空気吸込部およびルーバの一部に酸化物光触媒
    薄膜を配設した空気調和機。
  19. 【請求項19】請求項18において、室外側に集光部を
    設置し,光ファイバケーブルにより室内機内部に光を導
    入した空気調和機。
  20. 【請求項20】請求項19において、光ファイバケーブ
    ルを,室内機と室外機を連結する冷媒配管を通すための
    穴に通した空気調和機。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006200819A (ja) * 2005-01-20 2006-08-03 Fuji Koki Corp 補助冷却装置用クーリングマット及びそれを用いた補助冷却装置
KR101158802B1 (ko) * 2004-10-29 2012-06-26 가부시기가이샤 후지고오키 응축기의 보조 냉각장치

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JP4494991B2 (ja) * 2005-01-20 2010-06-30 株式会社不二工機 凝縮器の補助冷却装置

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