JPH11269377A - エンジン冷却水系部品用ポリアミド樹脂組成物及び成形体 - Google Patents

エンジン冷却水系部品用ポリアミド樹脂組成物及び成形体

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JPH11269377A
JPH11269377A JP3520598A JP3520598A JPH11269377A JP H11269377 A JPH11269377 A JP H11269377A JP 3520598 A JP3520598 A JP 3520598A JP 3520598 A JP3520598 A JP 3520598A JP H11269377 A JPH11269377 A JP H11269377A
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JP
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polyamide resin
cooling water
unit
resin composition
water system
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JP3520598A
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Nobuo Osanawa
信夫 長縄
Koji Onishi
功治 大西
Kazuhiko Kobayashi
和彦 小林
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Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 機械的特性、耐熱性、成形性、寸法安定性、
耐薬品性にすぐれ、エンジンルーム内で冷却水との接触
下で使用される部品用途に好適に使用されるポリアミド
樹脂組成物を提供する。 【解決手段】 (A)(a)ヘキサメチレンテレフタル
アミド単位75〜50モル%、(b)ウンデカンアミド
単位およびドデカンアミド単位の中から選ばれる少なく
とも1種の構造単位5〜45モル%および(c)ヘキサ
メチレンアジパミドおよびヘキサメチレンイソフタルア
ミドの中から選ばれる少なくとも1種の構造単位5〜4
5モル%からなり、300〜325℃の範囲の融点を有
するポリアミド樹脂100重量部および(B)無機充填
材20〜150重量部からなる耐薬品性の優れたエンジ
ン冷却水系部品用ポリアミド樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は機械的特性、耐熱
性、成形性、耐薬品性にすぐれ、とりわけ自動車エンジ
ン冷却水に用いられる不凍液との高温での接触条件下に
置かれた際のポリマー材料劣化が少なく、強度および寸
法安定性にもすぐれたポリアミド樹脂組成物に関する。
【0002】更に詳しくは、特定の構造の半芳香族ポリ
アミド単位と特定の範囲のアミド基濃度の高級ポリアミ
ド単位を主成分として含有して高い耐水性を有し、ラジ
エタータンク部品、ウォーターポンプ部品など自動車エ
ンジンルーム内で冷却水との接触下で使用される部品用
途に好適に使用されるポリアミド樹脂組成物に関する。
【0003】
【従来の技術】ナイロン6、ナイロン66に代表される
ポリアミド樹脂は、エンジニアリングプラスチックとし
てすぐれた特性を有し、自動車、電気・電子など各種の
工業分野において広く使用されている。
【0004】近年、自動車部品、特にエンジンルーム内
で使用される樹脂製部品においては、エンジン性能の高
性能化、高出力化に伴い、エンジン冷却水の温度上昇、
更にはエンジンルーム内の温度上昇などの過酷な使用環
境下でも高い強度、寸法安定性などの機能を維持するこ
とのできる素材に対する要請が益々高まっている。かか
る高度化した要求に対しては、汎用的に使用されるナイ
ロン6、ナイロン66樹脂では特に吸水により、剛性が
低下して寸法が変化したり、長時間に亘る高温のエンジ
ン冷却水との接触によってポリマー材料の劣化が促進さ
れる場合が生ずるなどの問題があった。
【0005】最近、このような過酷な使用環境下でも使
用可能なポリアミド樹脂として、特開昭59−1554
26号公報、特開昭62−156130号公報、特開平
3−7761号公報にはテレフタル酸および/またはイ
ソフタル酸を含有した高融点コポリアミド樹脂が開示さ
れている。これらのポリアミド樹脂は融点が高いと同時
に芳香族ジカルボン酸単位の導入により吸水性も抑制さ
れ、エンジン冷却水として用いられる不凍液との接触下
でもすぐれた機械的性質と寸法安定性を発揮し得るが、
一方その高融点故に溶融成形法によって成形品を製造す
る際にポリマーのゲル化や炭化に起因すると思われる異
物が混入しやすい、あるいは一部分解による揮発性ガス
発生によると思われるガス焼けや金型汚染が起こりやす
いなど、成形加工性が著しく損なわれ、このままでは実
用的な成形品を生産性良く製造するためには安定性不十
分であるという問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】前述のごとく従来の技
術では、高温の自動車エンジン冷却水との長期に亘る接
触下においても材料特性低下が少ない高い耐薬品性を有
し、かつ、耐熱性、強靭性、成形性がバランスしてすぐ
れるポリアミド樹脂系材料を得ることは困難であった。
【0007】そこで本発明は高温の自動車エンジン冷却
水との長期に亘る接触下においても材料特性低下が少な
い高い耐薬品性を有し、機械的特性、耐熱性、成形性、
寸法安定性、溶融滞留時安定性にすぐれ、特にラジエタ
ータンク部品、ウォーターポンプ部品など自動車エンジ
ンルーム内で冷却水との接触下で使用される部品用途に
好適に使用されるポリアミド樹脂組成物を得ることを課
題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、 1.「(A)(a)ヘキサメチレンテレフタルアミド単
位75〜50モル%、(b)ウンデカンアミド単位およ
びドデカンアミド単位の中から選ばれる少なくとも1種
の構造単位5〜45モル%および(c)ヘキサメチレン
アジパミドおよびヘキサメチレンイソフタルアミドの中
から選ばれる少なくとも1種の構造単位5〜45モル%
からなり、更にその特性が以下の範囲内にあるポリアミ
ド樹脂100重量部および(B)無機充填材20〜15
0重量部からなることを特徴とするエンジン冷却水系部
品用ポリアミド樹脂組成物。
【0009】(イ)融点:300℃以上325℃未満 (ロ)粘弾性測定から求められる飽和吸水時のガラス転
移点が40℃以上、且つ複数観察される損失弾性係数の
ピーク値の内、少なくとも一つのピークの位置が80℃
以上」、 2.「ポリアミド樹脂(A)が更に次の要件を具備して
いるものである上記1記載のエンジン冷却水系部品用ポ
リアミド樹脂組成物。
【0010】(ハ)自動車不凍液との接触下、130℃
/300時間の処理を行った際のポリマー相対粘度の保
持率が75%以上」、 3.「(c)成分のポリアミド単位がヘキサメチレンア
ジパミド単位である上記1または2記載のエンジン冷却
水系部品用ポリアミド樹脂組成物」、 4.「(c)成分のポリアミド単位がヘキサメチレンイ
ソフタルアミド単位である上記1または2記載のエンジ
ン冷却水系部品用ポリアミド樹脂組成物」、 5.「(B)無機充填材がガラス繊維である上記1〜4
いずれかに記載のエンジン冷却水系部品用ポリアミド樹
脂組成物」、 6.「エンジンが自動車エンジンである上記1〜5いず
れかの冷却水系部品用ポリアミド樹脂組成物」、 7.「上記1〜6いずれかに記載のポリアミド樹脂を溶
融成形することによって得られるエンジン冷却水系部
品。」を提供するものである。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明では、ポリアミド樹脂
(A)として、(a)ヘキサメチレンテレフタルアミド
単位75〜50モル%、(b)ウンデカンアミド単位お
よびドデカンアミド単位の中から選ばれる少なくとも1
種の構造単位5〜45モル%および(c)ヘキサメチレ
ンアジパミドおよびヘキサメチレンイソフタルアミドの
中から選ばれる少なくとも1種の構造単位5〜45モル
%からからなるものが使用される。
【0012】ポリアミド樹脂(A)を構成する(a)ヘ
キサメチレンテレフタルアミド単位とはヘキサメチレン
ジアミンとテレフタル酸ないしはそのエステル、酸ハロ
ゲン化物などの誘導体から合成される単位である。
【0013】(b)成分のアミド単位を与える原料の具
体例としては、12−アミノドデカン酸、ω−ラウロラ
クタム、11−アミノウンデカン酸などを挙げることが
できる。
【0014】(c)成分のアミド単位を与える原料の具
体例としては、ヘキサメチレンジアンモニウムアジペー
ト、ヘキサメチレンジアンモニウムイソフタレートなど
を挙げることができる。
【0015】ここでポリアミド樹脂(A)が、(a)、
(b)および(c)成分を各々75〜50、5〜45お
よび5〜45モル%の割合、好ましくは各々70〜5
5、10〜40、5〜30モル%の割合で含有する共重
合体であることが本発明では必要である。
【0016】なぜならば上記の特定の共重合成分を極め
て限定された共重合比率の範囲で重合して得られ、かつ
特定の融点、吸水時粘弾性挙動を有する共重合ポリアミ
ドが、耐薬品性(特に耐不凍液性)を有し、自動車エン
ジン冷却水系部品として使用する際に、長期間の不凍液
との高温での接触下においてもポリマー劣化が少なく、
且つ強度、耐熱性、成形性がバランスしてすぐれるなど
の好ましい性能を発揮し得るからである。
【0017】(a)成分の共重合量が上記範囲よりも多
いと生成するポリアミド樹脂の融点が高くなり、成形加
工時の溶融時劣化が顕在化するなど成形加工性が損なわ
れるので好ましくなく、逆に上記範囲よりも少ないと機
械強度が低下するので好ましくない。(b)成分の共重
合量が上記範囲よりも多いと、融点が低下し、必要な耐
熱性を維持できなくなるので好ましくなく、逆に上記範
囲よりも少ないと吸水性が増加し、不凍液との長期接触
下での強度低下が起こるので好ましくない。3成分系の
場合に(c)成分の共重合量が上記範囲よりも多いと、
この場合も融点が低下し、必要な耐熱性を維持できなく
なるので好ましくなく、逆に上記範囲よりも少ないと生
成するポリアミド樹脂の流動性が低下し、成形加工性が
損なわれるので好ましくない。
【0018】本発明のポリアミド樹脂の重合度は特に限
定されるものではないが、機械的特性および成形性など
の点から1%の濃硫酸溶液中25℃で測定したときの相
対粘度が通常、1.5〜5.0、好ましくは1.8〜
3.5、特に好ましくは2.0〜2.8の範囲にあるも
のが好適である。また本発明のポリアミド樹脂(A)に
おいては(a)、(b)、(c)で定義されないアミド
成分を、本発明の効果が損なわれない限り、少量、例え
ば5モル%以下含有させることもできる。
【0019】また、本発明のポリアミド樹脂の製造法は
特に制限されないが、通常の加圧溶融重合、たとえばヘ
キサメチレンジアンモニウムテレフタレート(6T塩)
とωーラウロラクタム、ヘキサメチレンジアンモニウム
イソフタレート(6I塩)および水の混合物を20〜6
0kg/cm2 の水蒸気圧下で加熱反応せしめ、次いで
系内の水を放出させながら溶融重合を行う常套的な溶融
重合法、あるいは原料水溶液を200〜350℃で加熱
して一旦プレポリマを作り、これをさらに融点以下の温
度で固相重合する方法あるいは溶融押出機で高重合度化
する方法などが挙げられる。
【0020】また、本発明のポリアミド樹脂にはその特
性を損なわない限りにおいて添加剤、例えばモノカルボ
ン酸、多価カルボン酸、モノアミン、多価アミンなど通
常使用される粘度調節剤、顔料、亜リン酸、亜リン酸金
属塩、次亜リン酸、次亜リン酸金属塩などの着色防止
剤、耐熱安定剤などが添加されていてもさしつかえな
い。
【0021】さらに、本発明のポリアミド樹脂組成物の
(B)成分として用いられる無機充填材としては繊維状
/非繊維状無機強化材を挙げることができ、それら強化
剤の具体例としては、ガラス繊維、炭素繊維、チタン酸
カリウィスカ、酸化亜鉛ウィスカ、硼酸アルミウィス
カ、アラミド繊維、アルミナ繊維、炭化珪素繊維、セラ
ミック繊維、アスベスト繊維、石コウ繊維、金属繊維な
どの繊維状充填剤、ワラステナイト、ゼオライト、セリ
サイト、カオリン、マイカ、クレー、パイロフィライ
ト、ベントナイト、アスベスト、タルク、アルミナシリ
ケートなどの珪酸塩、アルミナ、酸化珪素、酸化マグネ
シウム、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化鉄などの
金属化合物、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ドロ
マイトなどの炭酸塩、硫酸カルシウム、硫酸バリウムな
どの硫酸塩、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、
水酸化アルミニウムなどの水酸化物、ガラスビーズ、セ
ラミックビーズ、窒化ホウ素、炭化珪素およびシリカな
どの非繊維状充填剤が挙げられ、これらは中空であって
もよく、さらにはこれら充填剤を2種類以上併用するこ
とも可能である。
【0022】これら充填材のなかでも本発明においてと
りわけ好ましく用いられるのはガラス繊維である。ガラ
ス繊維は平均繊維径5〜15μmのガラス繊維であり、
その繊維長には特に制限はない。通常は押し出し混練作
業性の高いストランド長3mmのガラス繊維が使用でき
るが、ストランド長1mm以上のガラス繊維と繊維長2
0〜500μmのガラス繊維を混合物として原料に使用
することもできる。また、ストランド長の異なるガラス
繊維を2種以上併用する際には、用いるガラス繊維の平
均径が2μm以上異なる種類のものを使用することも好
ましい方法である。
【0023】本発明の樹脂組成物中の充填材含有量はナ
イロン樹脂100重量部に対して20から150重量
部、好ましくは40〜100重量部の範囲であり、45
〜80重量部の範囲が更に好ましい。また、これら充填
材をイソシアネート系化合物、アクリル系化合物、有機
シラン系化合物、有機チタネート系化合物、有機ボラン
系化合物、エポキシ化合物などのカップリング剤で予備
処理して使用することは、より優れた機械的強度を得る
意味において好ましい。
【0024】また本発明のナイロン樹脂組成物にエポキ
シ基、アミノ基、イソシアネート基、水酸基、メルカプ
ト基、ウレイド基の中から選ばれた少なくとも1種の官
能基を有するアルコキシシランの添加は、機械的強度、
靱性などの向上に有効である。かかる化合物の具体例と
しては、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラ
ン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシシラン、
β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメ
トキシシランなどのエポキシ基含有アルコキシシラン化
合物、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ
−メルカプトプロピルトリエトキシシランなどのメルカ
プト基含有アルコキシシラン化合物、γ−ウレイドプロ
ピルトリエトキシシラン、γ−ウレイドプロピルトリメ
トキシシシラン、γ−(2−ウレイドエチル)アミノプ
ロピルトリメトキシシランなどのウレイド基含有アルコ
キシシラン化合物、γ−イソシアナトプロピルトリエト
キシシラン、γ−イソシアナトプロピルトリメトキシシ
ラン、γ−イソシアナトプロピルメチルジメトキシシラ
ン、γ−イソシアナトプロピルメチルジエトキシシラ
ン、γ−イソシアナトプロピルエチルジメトキシシラ
ン、γ−イソシアナトプロピルエチルジエトキシシラ
ン、γ−イソシアナトプロピルトリクロロシランなどの
イソシアナト基含有アルコキシシラン化合物、γ−(2
−アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラ
ン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメト
キシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシランな
どのアミノ基含有アルコキシシラン化合物、γ−ヒドロ
キシプロピルトリメトキシシラン、γ−ヒドロキシプロ
ピルトリエトキシシランなどの水酸基含有アルコキシシ
ラン化合物などが挙げられる。
【0025】さらに、本発明のナイロン樹脂組成物に
は、タルク、カオリン、有機リン化合物、ポリエーテル
エーテルケトンなどの結晶核剤、次亜リン酸塩などの着
色防止剤、ヒンダードフェノール、ヒンダードアミンな
どの酸化防止剤、熱安定剤、滑剤、紫外線防止剤、着色
剤、などの添加剤を添加することができる。
【0026】本発明のナイロン樹脂組成物の調製方法は
特定の方法に限定されないが、具体的且つ効率的な例と
して原料のナイロン樹脂、ガラス繊維などの充填材の混
合物を単軸あるいは2軸の押出機、バンバリーミキサ
ー、ニーダーおよびミキシングロールなど公知の溶融混
練機に供給して、用いるナイロン樹脂の融点に応じて2
90〜340℃の温度で溶融混練する方法などを挙げる
ことができる。
【0027】本発明で得られるポリアミド樹脂組成物は
機械的特性、耐熱性、成形性、寸法安定性、耐薬品性に
すぐれ、自動車エンジン冷却水系部品、特にラジエター
タンクのトップおよびベースなどのラジエタータンク部
品、冷却液リザーブタンク、ウォーターパイプ、ウォー
ターポンプハウジング、ウォーターポンプインペラ、バ
ルブなどのウォーターポンプ部品など自動車エンジンル
ーム内で冷却水との接触下で使用される部品用途に好適
に使用され、該組成物を溶融成形して得られる成形品は
実用価値の高いものである。
【0028】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明の効果をさらに
説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるも
のではない。なお、実施例および比較例中に記載されて
いる諸特性は以下の方法で測定した。
【0029】・融点: セイコー電子工業(株)製RD
C220型示差作動熱量計を用いて、一旦40℃/分の
昇温速度で昇温し、吸熱ピーク温度プラス20℃で5分
間保持し、次いで20℃/分の速度で100℃まで降温
せしめた後20℃/分の昇温速度で測定した際のピーク
値を融点とした。
【0030】・粘弾性挙動: ポリアミド樹脂サンプル
を溶融プレス成形して厚さ約0.2mmのシートを作成
し、これから2X50mmの短冊状試験片を切り出し、
東洋ボールドウィン社製レオーバイブロンDDV−II−
EAを用いて周波数110Hz、昇温速度2℃/分の条
件で測定した。α−分散に対応する損失弾性係数のピー
ク温度をガラス転移点とした。また、吸水時に特異的に
分裂して観測される損失弾性係数の最も高温側のピーク
温度を吸水時高温側ピークとして表示した。
【0031】・引張強度: ASTMD638に従い、
初期および自動車不凍液と水の1:1混合物中、130
℃/1000時間処理した後の引張強度を測定した。 ・曲げ弾性率: ASTMD790 ・ポリマーの耐不凍液性: 上記引張試験片の初期およ
び自動車不凍液と水の1:1混合物中、130℃/30
0時間処理した後の硫酸相対粘度を測定し、その保持率
をポリマーの耐不凍液性の指標とした。
【0032】参考例1 ヘキサメチレンテレフタルアミド単位65モル%、ドデ
カンアミド単位30モル%、およびヘキサメチレンアジ
パミド単位5モル%となるよう調製したヘキサメチレン
ジアンモニウムテレフタレート(6T塩)、ωラウロラ
クタム、ヘキサメチレンジアンモニウムアジペート(6
6塩)および水の混合物(固形原料濃度60重量%)を
加圧重合缶に仕込み、攪拌下に昇温し、水蒸気圧35kg
/cm2で3.5時間反応させた後反応混合物を重合缶下部
吐出口から吐出、回収した。ここで得られたポリアミド
プレポリマの硫酸溶液相対粘度(1%濃度)は1.45
であった。このものを真空下220℃/10時間固相重
合することにより、相対粘度2.4のポリアミドとして
その特性を評価したところ、その特性は表1に示す通り
であった。このポリアミド樹脂を後述の実施例に供し
た。
【0033】比較参考例1 原料のラウロラクタムとヘキサメチレンジアンモニウム
アジペートの使用量を交換した以外は実施例1と全く同
様に重合を行った。ここで得られたポリアミドの特性は
表1に示す通りであり、このものを後述の比較例に供し
た。
【0034】比較参考例2 生成するポリアミドの組成がヘキサメチレンテレフタル
アミド単位25モル%、ドデカンアミド単位50モル
%、およびヘキサメチレンアジパミド単位25モル%と
なるよう原料混合比を変えた以外は実施例1と全く同様
に重合を行った。ここで得られたポリアミドの特性は表
1に示す通りであり、このものを後述の比較例に供し
た。
【0035】参考例2〜5 生成するポリアミド樹脂が表1に示す組成となるように
原料の混合比を変えた以外は参考例1と全く同様の手順
で重合を行った。得られたポリアミドの特性は表1に示
す通りであり、このものを後述の実施例に供した。
【0036】実施例1〜5、比較例1〜2 先に記述のの参考例で得られたポリアミド樹脂とガラス
繊維を表1に示す配合比でドライブレンドした後、40
mmφ単軸押し出し機のホッパーに供給し、シリンダー
温度305〜330℃、スクリュー回転数100rpm
の条件で溶融混練を行い、ガラス繊維強化組成物を得
た。この組成物を射出成形して種々の試験片を得て所定
の特性評価を行った。結果をまとめて表1に示す。本発
明の組成物はいずれも高い耐不凍液性を始め、すぐれた
特性を有する組成物であった。
【0037】
【表1】
【0038】
【発明の効果】本発明で得られるポリアミド樹脂組成物
は機械的特性、耐熱性、成形性、寸法安定性、耐薬品性
にすぐれ、自動車エンジン冷却水系部品、特にラジエタ
ータンクのトップおよびベースなどのラジエタータンク
部品、冷却液リザーブタンク、ウォーターパイプ、ウォ
ーターポンプハウジング、ウォーターポンプインペラ、
バルブなどのウォーターポンプ部品など自動車エンジン
ルーム内で冷却水との接触下で使用される部品用途に好
適に使用され、該組成物を溶融成形して得られる成形品
は実用価値の高いものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI F01P 11/04 F01P 11/04 B F28F 21/06 F28F 21/06

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)(a)ヘキサメチレンテレフタル
    アミド単位75〜50モル%、(b)ウンデカンアミド
    単位およびドデカンアミド単位の中から選ばれる少なく
    とも1種の構造単位5〜45モル%および(c)ヘキサ
    メチレンアジパミドおよびヘキサメチレンイソフタルア
    ミドの中から選ばれる少なくとも1種の構造単位5〜4
    5モル%からなり、更にその特性が以下の範囲内にある
    ポリアミド樹脂100重量部および(B)無機充填材2
    0〜150重量部からなることを特徴とするエンジン冷
    却水系部品用ポリアミド樹脂組成物。 (イ)融点:300℃以上325℃未満 (ロ)粘弾性測定から求められる飽和吸水時のガラス転
    移点が40℃以上、且つ複数観察される損失弾性係数の
    ピーク値の内、少なくとも一つのピークの位置が80℃
    以上
  2. 【請求項2】 ポリアミド樹脂(A)が更に次の要件を
    具備しているものである請求項1記載のエンジン冷却水
    系部品用ポリアミド樹脂組成物。 (ハ)自動車不凍液との接触下、130℃/300時間
    の処理を行った際のポリマー相対粘度の保持率が75%
    以上
  3. 【請求項3】 (c)成分のポリアミド単位がヘキサメ
    チレンアジパミド単位である請求項1または2記載のエ
    ンジン冷却水系部品用ポリアミド樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 (c)成分のポリアミド単位がヘキサメ
    チレンイソフタルアミド単位である請求項1または2記
    載のエンジン冷却水系部品用ポリアミド樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 (B)無機充填材がガラス繊維である請
    求項1〜4いずれかに記載のエンジン冷却水系部品用ポ
    リアミド樹脂組成物。
  6. 【請求項6】 エンジンが自動車エンジンである請求項
    1〜5いずれかに記載の冷却水系部品用ポリアミド樹脂
    組成物。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6いずれかに記載のポリアミ
    ド樹脂を溶融成形することによって得られるエンジン冷
    却水系部品。
JP3520598A 1998-01-20 1998-02-17 エンジン冷却水系部品用ポリアミド樹脂組成物及び成形体 Pending JPH11269377A (ja)

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JP3520598A Pending JPH11269377A (ja) 1998-01-20 1998-02-17 エンジン冷却水系部品用ポリアミド樹脂組成物及び成形体

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JP (1) JPH11269377A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012153798A (ja) * 2011-01-26 2012-08-16 Toyobo Co Ltd エンジン冷却水系部品用ポリアミド樹脂組成物およびそれを用いたエンジン冷却水系部品

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