JPH1121451A - エンジン冷却水系部品用ポリアミド樹脂組成物および成形体 - Google Patents
エンジン冷却水系部品用ポリアミド樹脂組成物および成形体Info
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- JPH1121451A JPH1121451A JP10109305A JP10930598A JPH1121451A JP H1121451 A JPH1121451 A JP H1121451A JP 10109305 A JP10109305 A JP 10109305A JP 10930598 A JP10930598 A JP 10930598A JP H1121451 A JPH1121451 A JP H1121451A
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- polyamide
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Abstract
(57)【要約】 (修正有)
【課題】 機械的特性、耐熱性、成形性、寸法安定性、
耐薬品性にすぐれ、エンジンルーム内で冷却水との接触
下で使用される部品用途に好適に使用されるポリアミド
樹脂組成物の提供。 【解決手段】 (A)(a)ヘキサメチレンテレフタル
アミド単位60〜30モル%および(b)アミド基1個
当たりの炭素原子数(アミド基濃度)が8以上の脂肪族
ポリアミド単位65〜35モル%(c)ウンデカンアミ
ド単位、ドデカンアミド単位およびカプロアミド単位の
中から選ばれる少なくとも1種の構造単位5〜35モル
%からなり、更にその特性が以下の範囲内にあるポリア
ミド樹脂100重量部および(B)無機充填材20〜1
50重量部からなり、特定の熱的性質、耐薬品性を有す
ることを特徴とするエンジン冷却水系部品用ポリアミド
樹脂組成物。
耐薬品性にすぐれ、エンジンルーム内で冷却水との接触
下で使用される部品用途に好適に使用されるポリアミド
樹脂組成物の提供。 【解決手段】 (A)(a)ヘキサメチレンテレフタル
アミド単位60〜30モル%および(b)アミド基1個
当たりの炭素原子数(アミド基濃度)が8以上の脂肪族
ポリアミド単位65〜35モル%(c)ウンデカンアミ
ド単位、ドデカンアミド単位およびカプロアミド単位の
中から選ばれる少なくとも1種の構造単位5〜35モル
%からなり、更にその特性が以下の範囲内にあるポリア
ミド樹脂100重量部および(B)無機充填材20〜1
50重量部からなり、特定の熱的性質、耐薬品性を有す
ることを特徴とするエンジン冷却水系部品用ポリアミド
樹脂組成物。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は機械的特性、耐熱
性、成形性、耐薬品性にすぐれ、とりわけ自動車エンジ
ン冷却水に用いられる不凍液との高温での接触条件下に
置かれた際のポリマー材料劣化が少なく、強度および寸
法安定性にもすぐれたポリアミド樹脂組成物に関する。
性、成形性、耐薬品性にすぐれ、とりわけ自動車エンジ
ン冷却水に用いられる不凍液との高温での接触条件下に
置かれた際のポリマー材料劣化が少なく、強度および寸
法安定性にもすぐれたポリアミド樹脂組成物に関する。
【0002】更に詳しくは、特定の構造の半芳香族ポリ
アミド単位と特定の範囲のアミド基濃度の高級ポリアミ
ド単位を含有して高い耐水性を有し、ラジエタータンク
部品、ウォーターポンプ部品など自動車エンジンルーム
内で冷却水との接触下で使用される部品用途に好適に使
用されるポリアミド樹脂組成物に関する。
アミド単位と特定の範囲のアミド基濃度の高級ポリアミ
ド単位を含有して高い耐水性を有し、ラジエタータンク
部品、ウォーターポンプ部品など自動車エンジンルーム
内で冷却水との接触下で使用される部品用途に好適に使
用されるポリアミド樹脂組成物に関する。
【0003】
【従来の技術】ナイロン6、ナイロン66に代表される
ポリアミド樹脂は、エンジニアリングプラスチックとし
てすぐれた特性を有し、自動車、電気・電子など各種の
工業分野において広く使用されている。
ポリアミド樹脂は、エンジニアリングプラスチックとし
てすぐれた特性を有し、自動車、電気・電子など各種の
工業分野において広く使用されている。
【0004】近年、自動車部品、特にエンジンルーム内
で使用される樹脂製部品においては、エンジン性能の高
性能化、高出力化に伴い、エンジン冷却水の温度上昇、
更にはエンジンルーム内の温度上昇などの過酷な使用環
境下でも高い強度、寸法安定性などの機能を維持するこ
とのできる素材に対する要請が益々高まっている。かか
る高度化した要求に対しては、汎用的に使用されるナイ
ロン6、ナイロン66樹脂では特に吸水により、剛性が
低下して寸法が変化したり、長時間に亘る高温の冷却水
との接触によってポリマー材料の劣化が促進される場合
が生ずるなどの問題があった。
で使用される樹脂製部品においては、エンジン性能の高
性能化、高出力化に伴い、エンジン冷却水の温度上昇、
更にはエンジンルーム内の温度上昇などの過酷な使用環
境下でも高い強度、寸法安定性などの機能を維持するこ
とのできる素材に対する要請が益々高まっている。かか
る高度化した要求に対しては、汎用的に使用されるナイ
ロン6、ナイロン66樹脂では特に吸水により、剛性が
低下して寸法が変化したり、長時間に亘る高温の冷却水
との接触によってポリマー材料の劣化が促進される場合
が生ずるなどの問題があった。
【0005】最近、このような過酷な使用環境下でも使
用可能なポリアミド樹脂として、特開昭59−1554
26号公報、特開昭62−156130号公報、特開平
3−7761号公報にはテレフタル酸および/またはイ
ソフタル酸を含有した高融点コポリアミド樹脂が開示さ
れている。これらのポリアミド樹脂は融点が高いと同時
に芳香族ジカルボン酸単位の導入により吸水性も抑制さ
れ、不凍液との接触下でもすぐれた機械的性質と寸法安
定性を発揮し得るが、一方その高融点故に成形加工性が
著しく損なわれ、このままでは実用的な成形品を生産性
良く製造するためには安定性不十分であるという問題が
あった。
用可能なポリアミド樹脂として、特開昭59−1554
26号公報、特開昭62−156130号公報、特開平
3−7761号公報にはテレフタル酸および/またはイ
ソフタル酸を含有した高融点コポリアミド樹脂が開示さ
れている。これらのポリアミド樹脂は融点が高いと同時
に芳香族ジカルボン酸単位の導入により吸水性も抑制さ
れ、不凍液との接触下でもすぐれた機械的性質と寸法安
定性を発揮し得るが、一方その高融点故に成形加工性が
著しく損なわれ、このままでは実用的な成形品を生産性
良く製造するためには安定性不十分であるという問題が
あった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】前述のごとく従来の技
術では、高温の自動車エンジン冷却水との長期に亘る接
触下においても材料特性低下が少ない高い耐薬品性を有
し、かつ、耐熱性、強靭性、成形性がバランスしてすぐ
れるポリアミド樹脂系材料を得ることは困難であった。
術では、高温の自動車エンジン冷却水との長期に亘る接
触下においても材料特性低下が少ない高い耐薬品性を有
し、かつ、耐熱性、強靭性、成形性がバランスしてすぐ
れるポリアミド樹脂系材料を得ることは困難であった。
【0007】そこで本発明は高温の自動車エンジン冷却
水との長期に亘る接触下においても材料特性低下が少な
い高い耐薬品性を有し、機械的特性、耐熱性、成形性、
寸法安定性にすぐれ、特にラジエタータンク部品、ウォ
ーターポンプ部品など自動車エンジンルーム内で冷却水
との接触下で使用される部品用途に好適に使用されるポ
リアミド樹脂組成物を得ることを課題とする。
水との長期に亘る接触下においても材料特性低下が少な
い高い耐薬品性を有し、機械的特性、耐熱性、成形性、
寸法安定性にすぐれ、特にラジエタータンク部品、ウォ
ーターポンプ部品など自動車エンジンルーム内で冷却水
との接触下で使用される部品用途に好適に使用されるポ
リアミド樹脂組成物を得ることを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、 1.「(A)(a)ヘキサメチレンテレフタルアミド単
位60〜30モル%および(b)アミド基1個当たりの
炭素原子数(アミド基濃度)が8以上の脂肪族ポリアミ
ド単位70〜40モル%からなるポリアミド樹脂であっ
て、かつ、該樹脂の特性が以下の範囲内にあるポリアミ
ド樹脂100重量部および(B)無機充填材20〜15
0重量部からなることを特徴とするエンジン冷却水系部
品用ポリアミド樹脂組成物。 (イ)融点:250℃以上280℃未満 (ロ)粘弾性測定から求められる飽和吸水時のガラス転
移点が25℃以上、且つ複数観察される損失弾性係数の
ピーク値の内、少なくとも一つのピークの位置が80℃
以上」、 2.「(A)(a)ヘキサメチレンテレフタルアミド単
位60〜30モル%(b)アミド基1個当たりの炭素原
子数(アミド基濃度)が8以上で、かつ下記(c)成分
に定義されない脂肪族ポリアミド単位65〜35モル
%、及び(c)ウンデカンアミド単位、ドデカンアミド
単位およびカプロアミド単位の中から選ばれる少なくと
も1種の構造単位5〜35モル%からなるポリアミド樹
脂であって、かつ、該樹脂の特性が以下の範囲内にある
ポリアミド樹脂100重量部および(B)無機充填材2
0〜150重量部からなることを特徴とするエンジン冷
却水系部品用ポリアミド樹脂組成物。 (イ)融点:250℃以上280℃未満 (ロ)粘弾性測定から求められる飽和吸水時のガラス転
移点が25℃以上、且つ複数観察される損失弾性係数の
ピーク値の内、少なくとも一つのピークの位置が80℃
以上」、 3.「(A)ポリアミド樹脂が更に次の要件を具備して
いるものである前記エンジン冷却水系部品用ポリアミド
樹脂組成物。」、 (ハ)自動車不凍液との接触下、130℃/300時間
の処理を行った際のポリマー相対粘度の保持率が85%
以上 4.「(b)成分の脂肪族ポリアミド単位がヘキサメチ
レンセバカミドである前記いずれかのエンジン冷却水系
部品用ポリアミド樹脂組成物。」、 5.「(c)成分のポリアミド単位がカプロアミド単位
である前記いずれかのエンジン冷却水系部品用ポリアミ
ド樹脂組成物。」、 6.「(c)成分のポリアミド単位がドデカンアミド単
位である前記いずれかのエンジン冷却水系部品用ポリア
ミド樹脂組成物。」、 7.「(b)成分の脂肪族ポリアミド単位がヘキサメチ
レンセバカミドであり、(c)成分のポリアミド単位が
カプロアミド単位である前記いずれかのエンジン冷却水
系部品用ポリアミド樹脂組成物。」、 8.「(b)成分の脂肪族ポリアミド単位がヘキサメチ
レンセバカミドであり、(c)成分のポリアミド単位が
ドデカンアミド単位である前記いずれかのエンジン冷却
水系部品用ポリアミド樹脂組成物。」、 9.「(B)無機充填材がガラス繊維である前記いずれ
かのエンジン冷却水系部品用ポリアミド樹脂組成
物。」、 10.「(B)ガラス繊維の添加量が、(A)成分のポ
リアミド樹脂100重量部に対して40〜100重量部
の範囲である前記エンジン冷却水系部品用ポリアミド樹
脂組成物。」、 11.「エンジンが自動車エンジンである前記いずれか
の冷却水系部品用ポリアミド樹脂組成物。」、 12.「前記いずれかに記載のポリアミド樹脂を溶融成
形することによって得られるエンジン冷却水系部品。」 を提供するものである。
位60〜30モル%および(b)アミド基1個当たりの
炭素原子数(アミド基濃度)が8以上の脂肪族ポリアミ
ド単位70〜40モル%からなるポリアミド樹脂であっ
て、かつ、該樹脂の特性が以下の範囲内にあるポリアミ
ド樹脂100重量部および(B)無機充填材20〜15
0重量部からなることを特徴とするエンジン冷却水系部
品用ポリアミド樹脂組成物。 (イ)融点:250℃以上280℃未満 (ロ)粘弾性測定から求められる飽和吸水時のガラス転
移点が25℃以上、且つ複数観察される損失弾性係数の
ピーク値の内、少なくとも一つのピークの位置が80℃
以上」、 2.「(A)(a)ヘキサメチレンテレフタルアミド単
位60〜30モル%(b)アミド基1個当たりの炭素原
子数(アミド基濃度)が8以上で、かつ下記(c)成分
に定義されない脂肪族ポリアミド単位65〜35モル
%、及び(c)ウンデカンアミド単位、ドデカンアミド
単位およびカプロアミド単位の中から選ばれる少なくと
も1種の構造単位5〜35モル%からなるポリアミド樹
脂であって、かつ、該樹脂の特性が以下の範囲内にある
ポリアミド樹脂100重量部および(B)無機充填材2
0〜150重量部からなることを特徴とするエンジン冷
却水系部品用ポリアミド樹脂組成物。 (イ)融点:250℃以上280℃未満 (ロ)粘弾性測定から求められる飽和吸水時のガラス転
移点が25℃以上、且つ複数観察される損失弾性係数の
ピーク値の内、少なくとも一つのピークの位置が80℃
以上」、 3.「(A)ポリアミド樹脂が更に次の要件を具備して
いるものである前記エンジン冷却水系部品用ポリアミド
樹脂組成物。」、 (ハ)自動車不凍液との接触下、130℃/300時間
の処理を行った際のポリマー相対粘度の保持率が85%
以上 4.「(b)成分の脂肪族ポリアミド単位がヘキサメチ
レンセバカミドである前記いずれかのエンジン冷却水系
部品用ポリアミド樹脂組成物。」、 5.「(c)成分のポリアミド単位がカプロアミド単位
である前記いずれかのエンジン冷却水系部品用ポリアミ
ド樹脂組成物。」、 6.「(c)成分のポリアミド単位がドデカンアミド単
位である前記いずれかのエンジン冷却水系部品用ポリア
ミド樹脂組成物。」、 7.「(b)成分の脂肪族ポリアミド単位がヘキサメチ
レンセバカミドであり、(c)成分のポリアミド単位が
カプロアミド単位である前記いずれかのエンジン冷却水
系部品用ポリアミド樹脂組成物。」、 8.「(b)成分の脂肪族ポリアミド単位がヘキサメチ
レンセバカミドであり、(c)成分のポリアミド単位が
ドデカンアミド単位である前記いずれかのエンジン冷却
水系部品用ポリアミド樹脂組成物。」、 9.「(B)無機充填材がガラス繊維である前記いずれ
かのエンジン冷却水系部品用ポリアミド樹脂組成
物。」、 10.「(B)ガラス繊維の添加量が、(A)成分のポ
リアミド樹脂100重量部に対して40〜100重量部
の範囲である前記エンジン冷却水系部品用ポリアミド樹
脂組成物。」、 11.「エンジンが自動車エンジンである前記いずれか
の冷却水系部品用ポリアミド樹脂組成物。」、 12.「前記いずれかに記載のポリアミド樹脂を溶融成
形することによって得られるエンジン冷却水系部品。」 を提供するものである。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明においては、第一のポリア
ミドとして(a)ヘキサメチレンテレフタルアミド単位
60〜30モル%および(b)アミド基1個当たりの炭
素原子数(アミド基濃度)が8以上の脂肪族ポリアミド
単位70〜40モル%からなるもの、第二のポリアミド
として (a)ヘキサメチレンテレフタルアミド単位6
0〜30モル%および(b)アミド基1個当たりの炭素
原子数(アミド基濃度)が8以上の脂肪族ポリアミド単
位65〜35モル%(c)ウンデカンアミド単位、ドデ
カンアミド単位およびカプロアミド単位の中から選ばれ
る少なくとも1種の構造単位5〜35モル%からなるも
のが使用される。
ミドとして(a)ヘキサメチレンテレフタルアミド単位
60〜30モル%および(b)アミド基1個当たりの炭
素原子数(アミド基濃度)が8以上の脂肪族ポリアミド
単位70〜40モル%からなるもの、第二のポリアミド
として (a)ヘキサメチレンテレフタルアミド単位6
0〜30モル%および(b)アミド基1個当たりの炭素
原子数(アミド基濃度)が8以上の脂肪族ポリアミド単
位65〜35モル%(c)ウンデカンアミド単位、ドデ
カンアミド単位およびカプロアミド単位の中から選ばれ
る少なくとも1種の構造単位5〜35モル%からなるも
のが使用される。
【0010】本発明のポリアミド樹脂組成物のポリアミ
ド樹脂において、(A)成分のポリアミド樹脂を構成す
る(a)ヘキサメチレンテレフタルアミド単位とはヘキ
サメチレンジアミンとテレフタル酸ないしはそのエステ
ル、酸ハロゲン化物などの誘導体から合成される単位で
あり、(c)成分は12−アミノドデカン酸、ω−ラウ
ロラクタム、11−アミノウンデカン酸、ε−アミノカ
プロン酸、ε−カプロラクタムなどの原料から誘導され
る単位である。
ド樹脂において、(A)成分のポリアミド樹脂を構成す
る(a)ヘキサメチレンテレフタルアミド単位とはヘキ
サメチレンジアミンとテレフタル酸ないしはそのエステ
ル、酸ハロゲン化物などの誘導体から合成される単位で
あり、(c)成分は12−アミノドデカン酸、ω−ラウ
ロラクタム、11−アミノウンデカン酸、ε−アミノカ
プロン酸、ε−カプロラクタムなどの原料から誘導され
る単位である。
【0011】(b)成分のアミド基1個当たりの炭素原
子数(アミド基濃度)が8以上の脂肪族ポリアミド単位
を与える原料の具体例としては、ヘキサメチレンジアン
モニウムセバケート、ヘキサメチレンジアンモニウムデ
カノエート、ヘキサメチレンジアンモニウムウンデカノ
エート、ヘキサメチレンジアンモニウムドデカノエー
ト、12−アミノドデカン酸、ω−ラウロラクタム、1
1−アミノウンデカン酸などを挙げることができる。
子数(アミド基濃度)が8以上の脂肪族ポリアミド単位
を与える原料の具体例としては、ヘキサメチレンジアン
モニウムセバケート、ヘキサメチレンジアンモニウムデ
カノエート、ヘキサメチレンジアンモニウムウンデカノ
エート、ヘキサメチレンジアンモニウムドデカノエー
ト、12−アミノドデカン酸、ω−ラウロラクタム、1
1−アミノウンデカン酸などを挙げることができる。
【0012】これらポリアミド構成成分が第一のポリア
ミド樹脂、すなわち2成分系の場合には(a)および
(b)成分を各々60〜30、70〜40モル%の割
合、好ましくは各々55〜40、45〜60モル%の割
合で、また第二のポリアミド樹脂、すなわち3成分系の
場合には(a)、(b)および(c)成分を各々60〜
30モル%、65〜35モル%、および5〜35モル%
の割合、好ましくは各々50〜40モル%、45〜60
モル%および5〜15モル%の割合で含有する共重合体
であることが本発明では必要且つ重要である。
ミド樹脂、すなわち2成分系の場合には(a)および
(b)成分を各々60〜30、70〜40モル%の割
合、好ましくは各々55〜40、45〜60モル%の割
合で、また第二のポリアミド樹脂、すなわち3成分系の
場合には(a)、(b)および(c)成分を各々60〜
30モル%、65〜35モル%、および5〜35モル%
の割合、好ましくは各々50〜40モル%、45〜60
モル%および5〜15モル%の割合で含有する共重合体
であることが本発明では必要且つ重要である。
【0013】なぜならば上記の特定の共重合成分を極め
て限定された共重合比率の範囲で重合して得られ、かつ
特定の融点、吸水時粘弾性挙動を有する共重合ポリアミ
ドが、耐薬品性(特に耐不凍液性)を有し、自動車など
のエンジン冷却水系部品として使用する際に、長期間の
不凍液との高温での接触下においてもポリマー劣化が少
なく、且つ強度、耐熱性、成形性がバランスしてすぐれ
るなどの好ましい性能を発揮し得るからである。
て限定された共重合比率の範囲で重合して得られ、かつ
特定の融点、吸水時粘弾性挙動を有する共重合ポリアミ
ドが、耐薬品性(特に耐不凍液性)を有し、自動車など
のエンジン冷却水系部品として使用する際に、長期間の
不凍液との高温での接触下においてもポリマー劣化が少
なく、且つ強度、耐熱性、成形性がバランスしてすぐれ
るなどの好ましい性能を発揮し得るからである。
【0014】(a)成分の共重合量が上記範囲よりも多
いと生成するポリアミド樹脂の融点が高くなり、成形加
工時の溶融時劣化が顕在化するなど成形加工性が損なわ
れるので好ましくなく、逆に上記範囲よりも少ないと機
械強度が低下するので好ましくない。(b)成分の共重
合量が上記範囲よりも多いと、融点が低下し、必要な耐
熱性を維持できなくなるので好ましくなく、逆に上記範
囲よりも少ないと吸水性が増加し、不凍液との長期接触
下での強度低下が起こるので好ましくない。3成分系の
場合に(c)成分の共重合量が上記範囲よりも多いと、
この場合も融点が低下し、必要な耐熱性を維持できなく
なるので好ましくなく、逆に上記範囲よりも少ないと生
成するポリアミド樹脂の流動性が低下し、成形加工性が
損なわれ好ましくない。
いと生成するポリアミド樹脂の融点が高くなり、成形加
工時の溶融時劣化が顕在化するなど成形加工性が損なわ
れるので好ましくなく、逆に上記範囲よりも少ないと機
械強度が低下するので好ましくない。(b)成分の共重
合量が上記範囲よりも多いと、融点が低下し、必要な耐
熱性を維持できなくなるので好ましくなく、逆に上記範
囲よりも少ないと吸水性が増加し、不凍液との長期接触
下での強度低下が起こるので好ましくない。3成分系の
場合に(c)成分の共重合量が上記範囲よりも多いと、
この場合も融点が低下し、必要な耐熱性を維持できなく
なるので好ましくなく、逆に上記範囲よりも少ないと生
成するポリアミド樹脂の流動性が低下し、成形加工性が
損なわれ好ましくない。
【0015】本発明のポリアミド樹脂の重合度は特に限
定されるものではないが、機械的特性および成形性など
の点から1%の濃硫酸溶液中25℃で測定したときの相
対粘度が通常、1.5〜5.0、好ましくは1.8〜
3.5、特に好ましくは2.0〜2.8の範囲にあるも
のが好適である。また本発明のポリアミド樹脂において
は(a) 〜(c) に定義されないアミド成分であっても、本
発明の効果が損なわれない限り、少量含有させることが
できる。
定されるものではないが、機械的特性および成形性など
の点から1%の濃硫酸溶液中25℃で測定したときの相
対粘度が通常、1.5〜5.0、好ましくは1.8〜
3.5、特に好ましくは2.0〜2.8の範囲にあるも
のが好適である。また本発明のポリアミド樹脂において
は(a) 〜(c) に定義されないアミド成分であっても、本
発明の効果が損なわれない限り、少量含有させることが
できる。
【0016】また、本発明のポリアミド樹脂の製造法は
特に制限されないが、通常の加圧溶融重合、たとえばヘ
キサメチレンジアンモニウムテレフタレート(6T塩)
とヘキサメチレンジアンモニウムセバケート(610
塩)およびε−カプロラクタムの混合水溶液を15〜3
0kg/cm2の水蒸気圧下で加熱反応せしめ、次いで
系内の水を放出させながら溶融重合を行う常套的な溶融
重合法、あるいは原料水溶液を150〜320℃で加熱
して一旦プレポリマを作り、これをさらに融点以下の温
度で固相重合する方法あるいは溶融押出機で高重合度化
する方法などが挙げられるが、なかでも加圧溶融重合法
が簡便で適している。
特に制限されないが、通常の加圧溶融重合、たとえばヘ
キサメチレンジアンモニウムテレフタレート(6T塩)
とヘキサメチレンジアンモニウムセバケート(610
塩)およびε−カプロラクタムの混合水溶液を15〜3
0kg/cm2の水蒸気圧下で加熱反応せしめ、次いで
系内の水を放出させながら溶融重合を行う常套的な溶融
重合法、あるいは原料水溶液を150〜320℃で加熱
して一旦プレポリマを作り、これをさらに融点以下の温
度で固相重合する方法あるいは溶融押出機で高重合度化
する方法などが挙げられるが、なかでも加圧溶融重合法
が簡便で適している。
【0017】また、本発明のポリアミド樹脂にはその特
性を損なわない限りにおいて添加剤、例えば粘度調節
剤、顔料、着色防止剤、耐熱剤などが添加されていても
さしつかえない。
性を損なわない限りにおいて添加剤、例えば粘度調節
剤、顔料、着色防止剤、耐熱剤などが添加されていても
さしつかえない。
【0018】本発明のポリアミド樹脂組成物の内、
(B)成分として用いられる無機充填材としては繊維状
/非繊維状無機強化材を挙げることができ、それら強化
剤の具体例としては、ガラス繊維、炭素繊維、チタン酸
カリウィスカ、酸化亜鉛ウィスカ、硼酸アルミウィス
カ、アラミド繊維、アルミナ繊維、炭化珪素繊維、セラ
ミック繊維、アスベスト繊維、石コウ繊維、金属繊維な
どの繊維状充填剤、ワラステナイト、ゼオライト、セリ
サイト、カオリン、マイカ、クレー、パイロフィライ
ト、ベントナイト、アスベスト、タルク、アルミナシリ
ケートなどの珪酸塩、アルミナ、酸化珪素、酸化マグネ
シウム、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化鉄などの
金属化合物、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ドロ
マイトなどの炭酸塩、硫酸カルシウム、硫酸バリウムな
どの硫酸塩、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、
水酸化アルミニウムなどの水酸化物、ガラスビーズ、セ
ラミックビーズ、窒化ホウ素、炭化珪素およびシリカな
どの非繊維状充填剤が挙げられ、これらは中空であって
もよく、さらにはこれら充填剤を2種類以上併用するこ
とも可能である。これら充填材のなかでも本発明におい
てとりわけ好ましく用いられるのはガラス繊維である。
(B)成分として用いられる無機充填材としては繊維状
/非繊維状無機強化材を挙げることができ、それら強化
剤の具体例としては、ガラス繊維、炭素繊維、チタン酸
カリウィスカ、酸化亜鉛ウィスカ、硼酸アルミウィス
カ、アラミド繊維、アルミナ繊維、炭化珪素繊維、セラ
ミック繊維、アスベスト繊維、石コウ繊維、金属繊維な
どの繊維状充填剤、ワラステナイト、ゼオライト、セリ
サイト、カオリン、マイカ、クレー、パイロフィライ
ト、ベントナイト、アスベスト、タルク、アルミナシリ
ケートなどの珪酸塩、アルミナ、酸化珪素、酸化マグネ
シウム、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化鉄などの
金属化合物、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ドロ
マイトなどの炭酸塩、硫酸カルシウム、硫酸バリウムな
どの硫酸塩、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、
水酸化アルミニウムなどの水酸化物、ガラスビーズ、セ
ラミックビーズ、窒化ホウ素、炭化珪素およびシリカな
どの非繊維状充填剤が挙げられ、これらは中空であって
もよく、さらにはこれら充填剤を2種類以上併用するこ
とも可能である。これら充填材のなかでも本発明におい
てとりわけ好ましく用いられるのはガラス繊維である。
【0019】ガラス繊維は平均繊維径5〜15μmのガ
ラス繊維であり、その繊維長には特に制限はない。通常
は押し出し混練作業性の高いストランド長3mmのガラ
ス繊維が使用できるが、ストランド長1mm以上のガラ
ス繊維と繊維長20〜500μmのガラス繊維を混合物
として原料に使用することもできる。また、ストランド
長の異なるガラス繊維を2種以上併用する際には、用い
るガラス繊維の平均径が2μm以上異なる種類のものを
使用することも好ましい方法である。
ラス繊維であり、その繊維長には特に制限はない。通常
は押し出し混練作業性の高いストランド長3mmのガラ
ス繊維が使用できるが、ストランド長1mm以上のガラ
ス繊維と繊維長20〜500μmのガラス繊維を混合物
として原料に使用することもできる。また、ストランド
長の異なるガラス繊維を2種以上併用する際には、用い
るガラス繊維の平均径が2μm以上異なる種類のものを
使用することも好ましい方法である。
【0020】本発明の樹脂組成物中の充填材含有量はナ
イロン樹脂100重量部に対して40〜100重量部の
範囲であり、45〜80重量部の範囲が更に好ましい。
イロン樹脂100重量部に対して40〜100重量部の
範囲であり、45〜80重量部の範囲が更に好ましい。
【0021】また、これら充填材をイソシアネート系化
合物、有機シラン系化合物、有機チタネート系化合物、
有機ボラン系化合物、エポキシ化合物などのカップリン
グ剤で予備処理して使用することは、より優れた機械的
強度を得る意味において好ましい。
合物、有機シラン系化合物、有機チタネート系化合物、
有機ボラン系化合物、エポキシ化合物などのカップリン
グ剤で予備処理して使用することは、より優れた機械的
強度を得る意味において好ましい。
【0022】また本発明のナイロン樹脂組成物にエポキ
シ基、アミノ基、イソシアネート基、水酸基、メルカプ
ト基、ウレイド基の中から選ばれた少なくとも1種の官
能基を有するアルコキシシランの添加は、機械的強度、
靱性などの向上に有効である。かかる化合物の具体例と
しては、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラ
ン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、β
−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメト
キシシランなどのエポキシ基含有アルコキシシラン化合
物、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−
メルカプトプロピルトリエトキシシランなどのメルカプ
ト基含有アルコキシシラン化合物、γ−ウレイドプロピ
ルトリエトキシシラン、γ−ウレイドプロピルトリメト
キシシラン、γ−(2−ウレイドエチル)アミノプロピ
ルトリメトキシシランなどのウレイド基含有アルコキシ
シラン化合物、γ−イソシアナトプロピルトリエトキシ
シラン、γ−イソシアナトプロピルトリメトキシシラ
ン、γ−イソシアナトプロピルメチルジメトキシシラ
ン、γ−イソシアナトプロピルメチルジエトキシシラ
ン、γ−イソシアナトプロピルエチルジメトキシシラ
ン、γ−イソシアナトプロピルエチルジエトキシシラ
ン、γ−イソシアナトプロピルトリクロロシランなどの
イソシアナト基含有アルコキシシラン化合物、γ−(2
−アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラ
ン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメト
キシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシランな
どのアミノ基含有アルコキシシラン化合物、γ−ヒドロ
キシプロピルトリメトキシシラン、γ−ヒドロキシプロ
ピルトリエトキシシランなどの水酸基含有アルコキシシ
ラン化合物などなどが挙げられる。
シ基、アミノ基、イソシアネート基、水酸基、メルカプ
ト基、ウレイド基の中から選ばれた少なくとも1種の官
能基を有するアルコキシシランの添加は、機械的強度、
靱性などの向上に有効である。かかる化合物の具体例と
しては、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラ
ン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、β
−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメト
キシシランなどのエポキシ基含有アルコキシシラン化合
物、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−
メルカプトプロピルトリエトキシシランなどのメルカプ
ト基含有アルコキシシラン化合物、γ−ウレイドプロピ
ルトリエトキシシラン、γ−ウレイドプロピルトリメト
キシシラン、γ−(2−ウレイドエチル)アミノプロピ
ルトリメトキシシランなどのウレイド基含有アルコキシ
シラン化合物、γ−イソシアナトプロピルトリエトキシ
シラン、γ−イソシアナトプロピルトリメトキシシラ
ン、γ−イソシアナトプロピルメチルジメトキシシラ
ン、γ−イソシアナトプロピルメチルジエトキシシラ
ン、γ−イソシアナトプロピルエチルジメトキシシラ
ン、γ−イソシアナトプロピルエチルジエトキシシラ
ン、γ−イソシアナトプロピルトリクロロシランなどの
イソシアナト基含有アルコキシシラン化合物、γ−(2
−アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラ
ン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメト
キシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシランな
どのアミノ基含有アルコキシシラン化合物、γ−ヒドロ
キシプロピルトリメトキシシラン、γ−ヒドロキシプロ
ピルトリエトキシシランなどの水酸基含有アルコキシシ
ラン化合物などなどが挙げられる。
【0023】さらに、本発明のナイロン樹脂組成物に
は、タルク、カオリン、有機リン化合物、ポリエーテル
エーテルケトンなどの結晶核剤、次亜リン酸塩などの着
色防止剤、ヒンダードフェノール、ヒンダードアミンな
どの酸化防止剤、熱安定剤、滑剤、紫外線防止剤、着色
剤、などの添加剤を添加することができる。
は、タルク、カオリン、有機リン化合物、ポリエーテル
エーテルケトンなどの結晶核剤、次亜リン酸塩などの着
色防止剤、ヒンダードフェノール、ヒンダードアミンな
どの酸化防止剤、熱安定剤、滑剤、紫外線防止剤、着色
剤、などの添加剤を添加することができる。
【0024】本発明のナイロン樹脂組成物の調製方法は
特定の方法に限定されないが、具体的且つ効率的な例と
して原料のナイロン樹脂、ガラス繊維などの充填材の混
合物を単軸あるいは2軸の押出機、バンバリーミキサ
ー、ニーダーおよびミキシングロールなど公知の溶融混
練機に供給して、用いるナイロン樹脂の融点に応じて2
50〜330℃の温度で溶融混練する方法などを挙げる
ことができる。
特定の方法に限定されないが、具体的且つ効率的な例と
して原料のナイロン樹脂、ガラス繊維などの充填材の混
合物を単軸あるいは2軸の押出機、バンバリーミキサ
ー、ニーダーおよびミキシングロールなど公知の溶融混
練機に供給して、用いるナイロン樹脂の融点に応じて2
50〜330℃の温度で溶融混練する方法などを挙げる
ことができる。
【0025】本発明で得られるポリアミド樹脂組成物は
機械的特性、耐熱性、成形性、寸法安定性、耐薬品性に
すぐれ、自動車エンジン冷却水系部品、特にラジエター
タンクのトップおよびベースなどのラジエタータンク部
品、冷却液リザーブタンク、ウォーターパイプ、ウォー
ターポンプハウジング、ウォーターポンプインペラ、バ
ルブなどのウォーターポンプ部品など自動車エンジンル
ーム内で冷却水との接触下で使用される部品用途に好適
に使用され、該組成物を溶融成形して得られる成形品は
実用価値の高いものである。
機械的特性、耐熱性、成形性、寸法安定性、耐薬品性に
すぐれ、自動車エンジン冷却水系部品、特にラジエター
タンクのトップおよびベースなどのラジエタータンク部
品、冷却液リザーブタンク、ウォーターパイプ、ウォー
ターポンプハウジング、ウォーターポンプインペラ、バ
ルブなどのウォーターポンプ部品など自動車エンジンル
ーム内で冷却水との接触下で使用される部品用途に好適
に使用され、該組成物を溶融成形して得られる成形品は
実用価値の高いものである。
【0026】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明の効果をさらに
説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるも
のではない。なお、実施例および比較例中に記載されて
いる諸特性は以下の方法で測定した。
説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるも
のではない。なお、実施例および比較例中に記載されて
いる諸特性は以下の方法で測定した。
【0027】・融点: セイコー電子工業(株)製RD
C220型示差作動熱量計を用いて、一旦40℃/分の
昇温速度で昇温し、吸熱ピーク温度プラス20℃で5分
間保持し、次いで20℃/分の速度で100℃まで降温
せしめた後20℃/分の昇温速度で測定した際のピーク
値を融点とした。
C220型示差作動熱量計を用いて、一旦40℃/分の
昇温速度で昇温し、吸熱ピーク温度プラス20℃で5分
間保持し、次いで20℃/分の速度で100℃まで降温
せしめた後20℃/分の昇温速度で測定した際のピーク
値を融点とした。
【0028】・粘弾性挙動: ポリアミド樹脂サンプル
を溶融プレス成形して厚さ約0.2mmのシートを作成
し、これから2X50mmの短冊状試験片を切り出し、
東洋ボールドウィン社製レオーバイブロンDDV−II−
EAを用いて周波数110Hz、昇温速度2℃/分の条
件で測定した。α−分散に対応する損失弾性係数のピー
ク温度をガラス転移点とした。また、吸水時に特異的に
分裂して観測される損失弾性係数の最も高温側のピーク
温度を吸水時高温側ピークとして表示した。
を溶融プレス成形して厚さ約0.2mmのシートを作成
し、これから2X50mmの短冊状試験片を切り出し、
東洋ボールドウィン社製レオーバイブロンDDV−II−
EAを用いて周波数110Hz、昇温速度2℃/分の条
件で測定した。α−分散に対応する損失弾性係数のピー
ク温度をガラス転移点とした。また、吸水時に特異的に
分裂して観測される損失弾性係数の最も高温側のピーク
温度を吸水時高温側ピークとして表示した。
【0029】・引張強度: ASTMD638に従い、
初期および自動車不凍液と水の1:1混合物中、130
℃/1000時間処理した後の引張強度を測定した。 ・曲げ弾性率: ASTMD790 ・ポリマーの耐不凍液性: 上記引張試験片の初期およ
び自動車不凍液と水の1:1混合物中、130℃/30
0時間処理した後の硫酸相対粘度を測定し、その保持率
をポリマーの耐不凍液性の指標とした。
初期および自動車不凍液と水の1:1混合物中、130
℃/1000時間処理した後の引張強度を測定した。 ・曲げ弾性率: ASTMD790 ・ポリマーの耐不凍液性: 上記引張試験片の初期およ
び自動車不凍液と水の1:1混合物中、130℃/30
0時間処理した後の硫酸相対粘度を測定し、その保持率
をポリマーの耐不凍液性の指標とした。
【0030】参考例1 ヘキサメチレンテレフタルアミド単位45モル%、ヘキ
サメチレンセバカミド単位50モル%、およびカプロア
ミド単位5モル%となるよう調製したヘキサメチレンジ
アンモニウムテレフタレート(6T塩)、ヘキサメチレ
ンジアンモニウムセバケート(610塩)およびε−カ
プロラクタムの混合水溶液(固形原料濃度60重量%)
を加圧重合缶に仕込み、攪拌下に昇温し、水蒸気圧19
kg/cm2で1.5時間反応させた後約2時間かけて徐々に
放圧し、更に常圧窒素気流下で約30分反応した。この
ときの最終重合缶内温度は300℃であった。反応終了
後重合缶下部の吐出口から生成ポリマーを吐出し、冷却
槽で冷却し、ペレタイズした。ここで得られたポリアミ
ド樹脂は相対粘度2.45であり、その特性は表1に示
す通りであった。このポリアミド樹脂を後述の実施例に
供した。
サメチレンセバカミド単位50モル%、およびカプロア
ミド単位5モル%となるよう調製したヘキサメチレンジ
アンモニウムテレフタレート(6T塩)、ヘキサメチレ
ンジアンモニウムセバケート(610塩)およびε−カ
プロラクタムの混合水溶液(固形原料濃度60重量%)
を加圧重合缶に仕込み、攪拌下に昇温し、水蒸気圧19
kg/cm2で1.5時間反応させた後約2時間かけて徐々に
放圧し、更に常圧窒素気流下で約30分反応した。この
ときの最終重合缶内温度は300℃であった。反応終了
後重合缶下部の吐出口から生成ポリマーを吐出し、冷却
槽で冷却し、ペレタイズした。ここで得られたポリアミ
ド樹脂は相対粘度2.45であり、その特性は表1に示
す通りであった。このポリアミド樹脂を後述の実施例に
供した。
【0031】比較参考例1 原料のヘキサメチレンセバケートを同量のヘキサメチレ
ンアジペートに変えた以外は参考例1と全く同様に重合
を行った。得られたポリアミドの特性は表1に示す通り
であり、このものを後述の比較例に供した。
ンアジペートに変えた以外は参考例1と全く同様に重合
を行った。得られたポリアミドの特性は表1に示す通り
であり、このものを後述の比較例に供した。
【0032】比較参考例2 生成するポリアミドの組成がヘキサメチレンテレフタル
アミド単位25モル%、ヘキサメチレンセバカミド単位
50モル%、およびカプロアミド単位25モル%となる
よう原料混合比を変えた以外は参考例1と全く同様に重
合を行った。得られたポリアミドの特性は表1に示す通
りであり、このものを後述の比較例に供した。
アミド単位25モル%、ヘキサメチレンセバカミド単位
50モル%、およびカプロアミド単位25モル%となる
よう原料混合比を変えた以外は参考例1と全く同様に重
合を行った。得られたポリアミドの特性は表1に示す通
りであり、このものを後述の比較例に供した。
【0033】参考例2〜5 生成するポリアミド樹脂が表1に示す組成となるように
原料の混合比を変えた以外は参考例1と全く同様の手順
で重合を行った。得られたポリアミドの特性は表1に示
す通りであり、このものを後述の実施例に供した。
原料の混合比を変えた以外は参考例1と全く同様の手順
で重合を行った。得られたポリアミドの特性は表1に示
す通りであり、このものを後述の実施例に供した。
【0034】実施例1〜7、比較例1〜2 先に記述のの参考例で得られたポリアミド樹脂とガラス
繊維を表1に示す配合比でドライブレンドした後、40
mmφ単軸押し出し機のホッパーに供給し、シリンダー
温度270〜290℃、スクリュー回転数100rpm
の条件で溶融混練を行い、ガラス繊維強化組成物を得
た。この組成物を射出成形して種々の試験片を得て所定
の特性評価を行った。結果をまとめて表1に示す。本発
明の組成物はいずれも高い耐不凍液性を始め、すぐれた
特性を有する組成物であった。
繊維を表1に示す配合比でドライブレンドした後、40
mmφ単軸押し出し機のホッパーに供給し、シリンダー
温度270〜290℃、スクリュー回転数100rpm
の条件で溶融混練を行い、ガラス繊維強化組成物を得
た。この組成物を射出成形して種々の試験片を得て所定
の特性評価を行った。結果をまとめて表1に示す。本発
明の組成物はいずれも高い耐不凍液性を始め、すぐれた
特性を有する組成物であった。
【0035】
【表1】
【0036】
【発明の効果】本発明で得られるポリアミド樹脂組成物
は機械的特性、耐熱性、成形性、寸法安定性、耐薬品性
にすぐれ、自動車エンジン冷却水系部品、特にラジエタ
ータンクのトップおよびベースなどのラジエタータンク
部品、冷却液リザーブタンク、ウォーターパイプ、ウォ
ーターポンプハウジング、ウォーターポンプインペラ、
バルブなどのウォーターポンプ部品など自動車エンジン
ルーム内で冷却水との接触下で使用される部品用途に好
適に使用され、該組成物を溶融成形して得られる成形品
は実用価値の高いものである。
は機械的特性、耐熱性、成形性、寸法安定性、耐薬品性
にすぐれ、自動車エンジン冷却水系部品、特にラジエタ
ータンクのトップおよびベースなどのラジエタータンク
部品、冷却液リザーブタンク、ウォーターパイプ、ウォ
ーターポンプハウジング、ウォーターポンプインペラ、
バルブなどのウォーターポンプ部品など自動車エンジン
ルーム内で冷却水との接触下で使用される部品用途に好
適に使用され、該組成物を溶融成形して得られる成形品
は実用価値の高いものである。
Claims (12)
- 【請求項1】 (A)(a)ヘキサメチレンテレフタル
アミド単位60〜30モル%および(b)アミド基1個
当たりの炭素原子数(アミド基濃度)が8以上の脂肪族
ポリアミド単位70〜40モル%からなるポリアミド樹
脂であって、かつ、該樹脂の特性が以下の範囲内にある
ポリアミド樹脂100重量部および(B)無機充填材2
0〜150重量部からなることを特徴とするエンジン冷
却水系部品用ポリアミド樹脂組成物。 (イ)融点:250℃以上280℃未満 (ロ)粘弾性測定から求められる飽和吸水時のガラス転
移点が25℃以上、且つ複数観察される損失弾性係数の
ピーク値の内、少なくとも一つのピークの位置が80℃
以上 - 【請求項2】 (A)(a)ヘキサメチレンテレフタル
アミド単位60〜30モル%、(b)アミド基1個当た
りの炭素原子数(アミド基濃度)が8以上で、かつ下記
(c)成分に定義されない脂肪族ポリアミド単位65〜
35モル%、及び(c)ウンデカンアミド単位、ドデカ
ンアミド単位およびカプロアミド単位の中から選ばれる
少なくとも1種の構造単位5〜35モル%からなるポリ
アミド樹脂であって、かつ、該樹脂の特性が以下の範囲
内にあるポリアミド樹脂100重量部および(B)無機
充填材20〜150重量部からなることを特徴とするエ
ンジン冷却水系部品用ポリアミド樹脂組成物。 (イ)融点:250℃以上280℃未満 (ロ)粘弾性測定から求められる飽和吸水時のガラス転
移点が25℃以上、且つ複数観察される損失弾性係数の
ピーク値の内、少なくとも一つのピークの位置が80℃
以上 - 【請求項3】 (A)ポリアミド樹脂が更に次の要件を
具備しているものである請求項1または2記載のエンジ
ン冷却水系部品用ポリアミド樹脂組成物。 (ハ)自動車不凍液との接触下、130℃/300時間
の処理を行った際のポリマー相対粘度の保持率が85%
以上 - 【請求項4】 (b)成分の脂肪族ポリアミド単位がヘ
キサメチレンセバカミドである請求項1〜3いずれかに
記載のエンジン冷却水系部品用ポリアミド樹脂組成物。 - 【請求項5】 (c)成分のポリアミド単位がカプロア
ミド単位である請求項2または3記載のエンジン冷却水
系部品用ポリアミド樹脂組成物。 - 【請求項6】 (c)成分のポリアミド単位がドデカン
アミド単位である請求項2または3記載のエンジン冷却
水系部品用ポリアミド樹脂組成物。 - 【請求項7】 (b)成分の脂肪族ポリアミド単位がヘ
キサメチレンセバカミドであり、(c)成分のポリアミ
ド単位がカプロアミド単位である請求項2または3記載
のエンジン冷却水系部品用ポリアミド樹脂組成物。 - 【請求項8】 (b)成分の脂肪族ポリアミド単位がヘ
キサメチレンセバカミドであり、(c)成分のポリアミ
ド単位がドデカンアミド単位である請求項2または3記
載のエンジン冷却水系部品用ポリアミド樹脂組成物。 - 【請求項9】 (B)無機充填材がガラス繊維である請
求項1〜8いずれかに記載のエンジン冷却水系部品用ポ
リアミド樹脂組成物。 - 【請求項10】 (B)ガラス繊維の添加量が、(A)
成分のポリアミド樹脂100重量部に対して40〜10
0重量部の範囲である請求項9記載のエンジン冷却水系
部品用ポリアミド樹脂組成物。 - 【請求項11】 エンジンが自動車エンジンである請求
項1〜10いずれかの冷却水系部品用ポリアミド樹脂組
成物。 - 【請求項12】 請求項1〜11いずれかに記載のポリ
アミド樹脂を溶融成形することによって得られるエンジ
ン冷却水系部品。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10109305A JPH1121451A (ja) | 1997-04-21 | 1998-04-20 | エンジン冷却水系部品用ポリアミド樹脂組成物および成形体 |
Applications Claiming Priority (5)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10341897 | 1997-04-21 | ||
JP9-117800 | 1997-05-08 | ||
JP9-103418 | 1997-05-08 | ||
JP11780097 | 1997-05-08 | ||
JP10109305A JPH1121451A (ja) | 1997-04-21 | 1998-04-20 | エンジン冷却水系部品用ポリアミド樹脂組成物および成形体 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1121451A true JPH1121451A (ja) | 1999-01-26 |
Family
ID=27309986
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10109305A Pending JPH1121451A (ja) | 1997-04-21 | 1998-04-20 | エンジン冷却水系部品用ポリアミド樹脂組成物および成形体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH1121451A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2019516840A (ja) * | 2016-05-19 | 2019-06-20 | イニッツ・カンパニー・リミテッドInitz Co.,Ltd. | 優れた耐薬品性を有するポリアリーレンスルフィド樹脂組成物 |
CN110050032A (zh) * | 2016-12-08 | 2019-07-23 | 帝斯曼知识产权资产管理有限公司 | 热塑性组合物、由其制成的模塑部件及其在汽车和电子电气应用中的用途 |
-
1998
- 1998-04-20 JP JP10109305A patent/JPH1121451A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2019516840A (ja) * | 2016-05-19 | 2019-06-20 | イニッツ・カンパニー・リミテッドInitz Co.,Ltd. | 優れた耐薬品性を有するポリアリーレンスルフィド樹脂組成物 |
CN110050032A (zh) * | 2016-12-08 | 2019-07-23 | 帝斯曼知识产权资产管理有限公司 | 热塑性组合物、由其制成的模塑部件及其在汽车和电子电气应用中的用途 |
CN110050032B (zh) * | 2016-12-08 | 2022-06-28 | 帝斯曼知识产权资产管理有限公司 | 热塑性组合物、由其制成的模塑部件及其在汽车和电子电气应用中的用途 |
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