JP2003096299A - 樹脂成形体用ポリフェニレンスルフィド樹脂組成物および成形体 - Google Patents
樹脂成形体用ポリフェニレンスルフィド樹脂組成物および成形体Info
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Abstract
コン樹脂と複合して用いられる樹脂成形体用PPS樹脂
組成物および成形体を提供せんとするものである。 【解決手段】本発明のシリコン樹脂複合用樹脂成形体用
PPS樹脂組成物は、(a)PPS樹脂100重量部に
対して、(b)酸化マグネシウム2.5〜90重量部を
配合してなるものであり、また、本発明の成形体は、か
かる樹脂成形体用ポリフェニレンスルフィド樹脂組成物
を成形してなる成形品であって、(c)シリコン樹脂と
複合して用いられるものである。
Description
ュール用部品などのように、シリコン樹脂を用いて部品
を接着するため、シリコン良接着性が要求される用途に
有用な樹脂成形体用ポリフェニレンスルフィド樹脂組成
物および成形体に関するものである。
PS樹脂と略す。)は優れた耐熱性、剛性、寸法安定
性、および難燃性などエンジニアリングプラスチックと
しては好適な性質を有していることから、射出成形用を
中心として各種電気部品、機械部品及び自動車部品など
の用途に使用されている。
るパワーモジュール部品などの用途においては、PPS
樹脂に含有される不純物成分である二硫化炭素、硫化カ
ルボニル、二酸化硫黄、PPSオリゴマーなどの硫黄化
合物、メチルアニリン、アミノクロロトルエンなどの窒
素化合物、またはフェノール、メチルフェノール、ジメ
チルフェノールなどのフェノール類化合物などがシリコ
ン樹脂中に含まれる白金触媒の触媒毒物質となるため、
シリコン樹脂の硬化反応が阻害されるいわゆるシリコン
硬化阻害により、シリコン接着不良が問題となる。
た検討はこれまでにもいくつかなされている。例えば、
ポリアリーレンスルフィド樹脂にエポキシ樹脂硬化物を
配合することによりシリコン接着性を向上させる方法
(特開平7−11136号公報)、パラアリーレンスル
フィド単位とメタアリーレンスルフィド単位を含むポリ
アリーレンスルフィドによりシリコン接着性を向上させ
る方法(特開平8−269200号公報)などがある。
を目的とした検討もこれまでにもいくつかなされてい
る。例えば、ポリアリーレンサルファイド樹脂に炭酸マ
グネシウムや水酸化亜鉛などを配合することにより金型
腐食性不純物を低減させる方法(特開平7−25854
3号公報)、ポリアリーレンサルファイド樹脂にホウ酸
と有機アミンの付加物を配合することにより金型腐食性
不純物を低減させる方法(特開平9−302228号公
報)などがある。
ようなシリコン良接着性の検討方法では、シリコン樹脂
中の白金触媒毒物質を除去する効果はないため、依然と
してシリコン硬化阻害によるシリコン接着不良が改善さ
れない。また、後者のようなPPS樹脂に含まれる不純
物除去の検討方法においても、シリコン樹脂中の白金触
媒毒物質除去の効果は不十分であり、数十〜数百ppm
の白金触媒毒物質が残存するため、シリコン接着性は十
分ではなかった。
優れたシリコン接着性を有するシリコン樹脂と複合して
用いられる樹脂成形体用PPS樹脂組成物および成形体
を提供せんとするものである。
解決するために、次のような手段を採用するものであ
る。すなわち、本発明のシリコン樹脂複合用樹脂成形体
用PPS樹脂組成物は、(a)PPS樹脂100重量部
に対して、(b)酸化マグネシウム2.5〜90重量部
を配合してなるものであり、また、本発明の成形体は、
かかる樹脂成形体用ポリフェニレンスルフィド樹脂組成
物を成形してなる成形品であって、(c)シリコン樹脂
と複合して用いられるものである。
たシリコン接着性を有するシリコン樹脂と複合して用い
られる樹脂成形体用PPS樹脂組成物について、鋭意検
討し、PPS樹脂に酸化マグネシウムを配合してみたと
ころ、かかる課題を一挙に解決することを究明したもの
である。
造式で示される繰り返し単位を有する重合体であり、
モル%以上、特に90モル%以上含む重合体であること
が耐熱性の点で好ましい。またPPS樹脂は、その繰り
返し単位の30モル%未満を、下記の構造を有する繰り
返し単位等で構成することが可能である。
68号公報で代表される製造法により得られる比較的分
子量の小さい重合体と、特公昭52−12240号公報
で代表される製造法により得られる実質的に直鎖状で不
純物が少ない未架橋の重合体などがある。
リ金属カルボン酸塩の重合系内における有無である。
塩を添加しないため、重合度が上がらず比較的分子量が
小さくオリゴマー成分も多分に含有している重合体であ
るので、そのままでは白金触媒毒物質が多く残存しシリ
コン接着性に劣るだけでなく、靭性、柔軟性及び耐衝撃
性が不足している。そのため、かかる重合体を酸素の存
在下200〜260℃という高温で酸化架橋することで
高分子量化し、白金触媒毒物質を低減しシリコン接着性
を改善するとともに、靭性、柔軟性及び耐衝撃性を改善
することができる。
塩を添加するため、重合度が上がり比較的分子量が大き
くオリゴマー成分および白金触媒毒物質の含有も比較的
少ないPPS樹脂が得られる。
S樹脂を得ても構わないが、もとより白金触媒毒物質が
少なく、よりシリコン良接着性を有する後者の製造法の
方が好ましい。
的として、PPS樹脂の有機溶媒洗浄を施すことが可能
である。PPS樹脂の洗浄に用いる有機溶媒は、PPS
樹脂を分解する作用などを有しないものであれば特に制
限はなく、例えばN−メチルピロリドン、ジメチルホル
ムアミド、ジメチルアセトアミド、1,3−ジメチルイミ
ダゾリジノン、ヘキサメチルホスホラスアミド、ピペラ
ジノン類などの含窒素極性溶媒、ジメチルスルホキシ
ド、ジメチルスルホン、スルホランなどのスルホキシド
・スルホン系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン、ジ
エチルケトン、アセトフェノンなどのケトン系溶媒、ジ
メチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジオキサン、テ
トラヒドロフランなどのエーテル系溶媒、クロロホル
ム、塩化メチレン、トリクロロエチレン、2塩化エチレ
ン、パークロルエチレン、モノクロルエタン、ジクロル
エタン、テトラクロルエタン、パークロルエタン、クロ
ルベンゼンなどのハロゲン系溶媒、メタノール、エタノ
ール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、エチ
レングリコール、プロピレングリコール、フェノール、
クレゾール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレン
グリコールなどのアルコール・フェノール系溶媒および
ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素系
溶媒などが挙げられる。これらの有機溶媒のうちでも、
N−メチルピロリドン、アセトン、ジメチルホルムアミ
ドおよびクロロホルムなどの使用が特に好ましい。ま
た、これらの有機溶媒は、1種類または2種類以上の混
合で使用される。
溶媒中にPPS樹脂を浸漬せしめるなどの方法があり、
必要により適宜撹拌または加熱することも可能である。
温度については特に制限はなく、常温〜300℃程度の任
意の温度が選択できる。洗浄温度が高くなる程洗浄効率
が高くなる傾向があるが、通常は常温〜150℃の洗浄温
度で十分効果が得られる。
で加圧下に洗浄することも可能である。また、洗浄時間
についても特に制限はない。洗浄条件にもよるが、バッ
チ式洗浄の場合、通常5分間以上洗浄することにより十
分な効果が得られる。また連続式で洗浄することも可能
である。
で洗浄するに際し、本発明の効果をさらに発揮させるた
めに、水洗浄または温水洗浄と組合わせるのが好まし
い。また、N−メチルピロリドンなどの高沸点水溶性有
機溶媒を用いた場合は、有機溶媒洗浄後、水または温水
で洗浄することにより、残存有機溶媒の除去が容易に行
えて好ましい。これらの洗浄に用いる水は蒸留水、脱イ
オン水であることが好ましい。
的として、PPS樹脂の酸処理を施すことが可能であ
る。PPS樹脂の酸処理に用いる酸は、PPS樹脂を分
解する作用を有しないものであれば特に制限はなく、酢
酸、塩酸、硫酸、リン酸、珪酸、炭酸およびプロピル酸
などが挙げられ、なかでも酢酸および塩酸がより好まし
く用いられるが、硝酸のようなPPS樹脂を分解、劣化
させるものは好ましくない。
PS樹脂を浸漬せしめるなどの方法があり、必要により
適宜撹拌または加熱することも可能である。例えば、酢
酸を用いる場合、PH4の水溶液を80〜90℃に加熱した
中にPPS樹脂粉末を浸漬し、30分間撹拌することによ
り十分な効果が得られる。酸処理を施されたPPS樹脂
は残留している酸または塩などを物理的に除去するた
め、水または温水で数回洗浄することが必要である。
脂の好ましい化学的変性の効果を損なわない意味で、蒸
留水、脱イオン水であることが必要である。
樹脂中の白金触媒毒物質の低減によるシリコン接着性を
向上せしめる目的で、(b)酸化マグネシウムを配合す
る必要がある。本発明の効果を顕著にする、あるいは機
械的物性に悪影響が及ばさなくするために、(b)酸化
マグネシウムは、平均粒子径が2.0μm以下であるこ
とが好ましく、またその純度が98.5%以上であるこ
とがことがさらに好ましい。
にエタノールを加え、3分間超音波分散させたものにレ
ーザー光を照射させるマイクロトラック法により求めら
れる値であり、例えば平均粒子径が2.0μm以下であ
るとは、全粒子中の50%以上の粒子の粒子径が2.0
μm以下であることを定義する。
通常の純度は98%未満が一般的であり、98.5%以
上に高純度化するには長時間の焼成が必要となる。しか
しながら、高純度の酸化マグネシウムは物理的・化学的
に非常に活性であり、本発明の効果を高める上で好まし
い。
レート滴定法)によって求められた値を表す。
ソシアネート系化合物、有機シラン系化合物、有機チタ
ネート系化合物、有機ボラン系化合物、エポキシ化合物
などのカップリング剤で予備処理して使用することも可
能である。
(a)PPS樹脂100重量部に対して、通常2.5〜
90重量部の範囲であるが、低塩素イオン性、機械的強
度とのバランスの上から、7.5〜30重量部の配合量
が好ましい。(b)酸化マグネシウムの配合量が少なす
ぎると本発明の効果が不十分であり、反対に多すぎると
組成物の機械的強度および流動性が損なわれる傾向があ
る。
び強度を向上せしめる目的で、繊維状無機充填材を配合
することが可能である。繊維状無機充填材としては特に
制限はなく、ガラス繊維、ガラスミルドファイバー、炭
素繊維、ワラステナイト繊維、チタン酸カリウムウィス
カー、炭酸カルシウムウィスカー、酸化亜鉛ウィスカ
ー、硼酸アルミニウムウィスカー、アルミナ繊維、炭化
珪素繊維、セラミック繊維、アスベスト繊維、石コウ繊
維、金属繊維などが挙げられるが、なかでもガラス繊維
が好ましい。また、これらは中空であってもよく、さら
にはこれら充填材を2種以上併用することも可能であ
る。
ソシアネート系化合物、有機シラン系化合物、有機チタ
ネート系化合物、有機ボラン系化合物、エポキシ化合物
などのカップリング剤で予備処理して使用することも可
能である。
く、(a)PPS樹脂100重量部に対して、10〜2
00重量部の配合量であることが好ましく、中でも50
〜150重量部の配合量がより好ましい。
効果を損なわない範囲で、酸化マグネシウムおよびマグ
ネシウム・アルミニウム・酸化物以外の非繊維状無機充
填材、シラン化合物、離型剤、結晶核剤などの通常の添
加剤および少量の他種ポリマーを添加することができ
る。
機充填材としては特に制限はなく、ワラステナイト、ゼ
オライト、セリサイト、カオリン、マイカ、クレー、パ
イロフィライト、ベントナイト、アスベスト、タルク、
アルミナシリケートなどの珪酸塩、マグネシウム・アル
ミニウム・酸化物、酸化亜鉛、酸化カルシウム、アルミ
ナ、酸化珪素、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化鉄
などの金属化合物、炭酸リチウム、炭酸カルシウム、炭
酸マグネシウム、ドロマイトなどの炭酸塩、硫酸カルシ
ウム、硫酸バリウムなどの硫酸塩、水酸化マグネシウ
ム、水酸化カルシウム、水酸化アルミニウムなどの水酸
化物、ガラスビーズ、セラミックビーズ、窒化ホウ素、
炭化珪素、カーボンブラック、金属粉末およびシリカな
どの非繊維状充填材が挙げられるが、なかでもガラスビ
ーズ、炭酸カルシウム、タルクが好ましい。また、これ
らは中空であってもよく、さらにはこれら充填材を2種
以上併用することも可能である。
機充填材は必要により、イソシアネート系化合物、有機
シラン系化合物、有機チタネート系化合物、有機ボラン
系化合物、エポキシ化合物などのカップリング剤で予備
処理して使用することも可能である。
なく、(a)PPS樹脂100重量部に対して、0.5
〜150重量部の配合量であることが好ましく、中でも
1〜100重量部の配合量がより好ましい。
は、エポキシシラン化合物、アミノシラン化合物、ウレ
イドシラン化合物、イソシアネートシラン化合物のほか
種々のものが使用できる。
シドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキ
シプロピルトリエトキシシシラン、β−(3,4−エポ
キシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランなどの
エポキシ基含有アルコキシシラン化合物、γ−メルカプ
トプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピ
ルトリエトキシシランなどのメルカプト基含有アルコキ
シシラン化合物、γ−ウレイドプロピルトリエトキシシ
ラン、γ−ウレイドプロピルトリメトキシシシラン、γ
−(2−ウレイドエチル)アミノプロピルトリメトキシ
シランなどのウレイド基含有アルコキシシラン化合物、
γ−イソシアナトプロピルトリエトキシシラン、γ−イ
ソシアナトプロピルトリメトキシシラン、γ−イソシア
ナトプロピルメチルジメトキシシラン、γ−イソシアナ
トプロピルメチルジエトキシシラン、γ−イソシアナト
プロピルエチルジメトキシシラン、γ−イソシアナトプ
ロピルエチルジエトキシシラン、γ−イソシアナトプロ
ピルトリクロロシランなどのイソシアナト基含有アルコ
キシシラン化合物、γ−(2−アミノエチル)アミノプ
ロピルメチルジメトキシシラン、γ−(2−アミノエチ
ル)アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプ
ロピルトリメトキシシランなどのアミノ基含有アルコキ
シシラン化合物、およびγ−ヒドロキシプロピルトリメ
トキシシラン、γ−ヒドロキシプロピルトリエトキシシ
ランなどの水酸基含有アルコキシシラン化合物などが挙
げられる。
(a)PPS樹脂100重量部に対して、0.1〜10
重量部の配合量であることが好ましく、中でも0.2〜
5重量部の配合量がより好ましい。
ピレン等のポリオレフィン、またはモンタン酸ワックス
類、またはステアリン酸リチウム、ステアリン酸アルミ
ニウム等の金属石鹸、脂肪酸アミド系重縮合物、例えば
エチレンジアミン・ステアリン酸重縮合物、エチレンジ
アミン・ステアリン酸・セバシン酸重縮合物などを挙げ
られる。
トン樹脂、ナイロン樹脂、タルク、カオリン等を挙げら
れる。
ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ABS樹脂、
ポリアミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエチレン
テレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹
脂、ポリアセタール樹脂、変性ポリフェニレンエーテル
樹脂、ポリサルフォン樹脂、ポリアリルサルフォン樹
脂、ポリケトン樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリア
リレート樹脂、液晶ポリマー、ポリエーテルサルフォン
樹脂、ポリエーテルケトン樹脂、ポリチオエーテルケト
ン樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリイミド
樹脂、ポリアミドイミド樹脂、四フッ化ポリエチレン樹
脂、熱可塑性ポリウレタン樹脂、ポリアミドエラスト
マ、ポリエステルエラストマなどの熱可塑性樹脂を挙げ
られる。
テル系化合物等の可塑剤、あるいは防食剤、酸化防止
剤、熱安定剤、渇剤、紫外線吸収剤、着色剤、難燃剤、
帯電防止剤、発泡剤などの通常の添加剤を添加すること
ができる。
に制限はないが、原料の混合物を単軸あるいは2軸の押
出機、バンバリーミキサー、ニーダー及びミキシングロ
ールなど通常公知の溶融混合機に供給して280〜38
0℃の温度で溶融混練する方法などを代表例として挙げ
ることができる。原料の混合順序に特に制限はない。ま
た、少量添加剤成分については、他の成分を上記方法な
どで混練し、ペレット化した後、成形前に添加すること
もできる。
の接着において本発明の効果が発現するため、かくして
得られる組成物は(c)シリコン樹脂と複合して用いら
れる樹脂成形体用PPS樹脂組成物として極めて有用で
ある。
く、シリコンオイル、シリコンワニス、ミラブルシリコ
ンゴム、縮合型液状シリコンゴム、付加型液状シリコン
ゴム、ラジカル型液状シリコンゴムなどが挙げられる
が、なかでも本発明の効果が特に顕著である白金触媒を
含む付加型液状シリコンゴムが好ましい。また、これら
シリコン樹脂を2種以上併用することも可能である。
形、圧縮成形、吹込成形、射出圧縮成形、トランスファ
ー成形、真空成形など一般に熱可塑性樹脂の公知の成形
方法により成形されるが、なかでも射出成形が好まし
い。
は、シリコン樹脂中の白金触媒毒物質が大幅に低減さ
れ、シリコン接着性が大幅に改善された樹脂組成物であ
り、かかる特性を生かしてシリコン樹脂と接着して用い
られる電気照明用部品、電子部品、機械関連部品、光学
機器・精密機械関連部品、自動車・車両関連部品、その
他各種用途に有用である。なかでもシリコン良接着性の
要求される用途に適しており、具体的にはパワーモジュ
ール用部品などが挙げられる。
明する。なお、実施例及び比較例の中で述べられるシリ
コン接着強度、シリコン硬化状態、シリコン破壊形態、
引張強度、引張伸び、アイゾット衝撃強度は次の方法に
従って測定した。 [シリコン接着強度]脱脂等の後処理を一切しないAS
TM1号ダンベル片を中央部で切断後、2本に切断され
たASTM1号ダンベル片の一方にシリコン樹脂を0.
02g滴下し、接着面積が1cm2になるようにもう一
方のASTM1号ダンベル片を接合し、クリップで固定
した。その後、120℃/1時間でシリコン樹脂(白金
触媒含有付加型液状シリコンゴム:信越化学工業(株)
製、KE−1833BK)を硬化させ、引張速度1mm
/min、スパン80mmの引張試験によりシリコン接
着強度(剪断強度)を測定した。 [シリコン硬化状態]上記シリコン接着強度の測定で破
壊したシリコン樹脂の硬化状態を目視により確認した。
硬化、半硬化、未硬化の3段階で評価した。 [シリコン破壊形態]上記シリコン接着強度の測定で破
壊したシリコン樹脂の破壊形態を目視により確認した。
凝集破壊、一部剥離、完全剥離の3段階で評価した。 [引張強度、引張伸び]ASTM-D638に準じた。 [アイゾット衝撃強度]成形によりノッチを付け、ASTM
−D256に準じてノッチ付アイゾット衝撃強度を測定し
た。 [参考例1(PPSの製造)] PPS−1の製造 攪拌機付きオートクレーブに硫化ナトリウム9水塩6.
005kg(25モル)、水酸化ナトリウム0.022
kg(0.55モル)、酢酸ナトリウム0.861kg
(8.3モル)およびN−メチル−2−ピロリドン(以
下NMPと略す)5kgを仕込み、窒素を通じながら徐
々に205℃まで昇温し、水3.6リットルを留出し
た。次に反応容器を180℃に冷却後、1,4−ジクロ
ロベンゼン3.719kg(25.3モル)ならびにN
MP3.0kgを加えて、窒素下に密閉し、274℃ま
で昇温後、274℃で0.8時間反応した。230〜2
50℃、5〜10kPaの高温高圧下でNMPを除去し
たのち、50〜70℃の熱水で洗浄した。これを90℃
に加熱された酢酸水溶液25リットル中に投入し、約1
時間攪拌し続けた。スラリーpHは5.5、濾過後の濾
液pHは7.5であった。その後、ポリマーを空気中、
215℃でMFR120になるまで加熱処理し、PPS
−1を得た。 [実施例および比較例で用いた配合材] (a)PPS樹脂:PPS−1 (b1)酸化マグネシウム−2:純度97.7%、平均
粒子径:8μm、協和化学工業(株)製 キョーワマ
グ150 (b2)酸化マグネシウム−2:純度99.2%、平均
粒子径:0.8μm、協和化学工業(株)製 ミクロ
マグ3−150 (c)シリコン樹脂:白金触媒含有付加型液状シリコン
ゴム、信越化学工業(株)製 KE−1833BK エポキシ樹脂:ビスフェノールA型エポキシ樹脂、大日
本インキ化学工業(株)製 エピクロン850 炭酸マグネシウム:協和化学工業(株)製 炭酸マグ
ネシウム(重質) ガラス繊維:日本電気硝子(株)製 T747GH 実施例1〜4 前述のようにして用意したPPS、酸化マグネシウム、
またはガラス繊維を表1に示す割合でドライブレンドし
た後、320℃の押出条件に設定したスクリュー式押出
機により溶融混練後ペレタイズした。得られたペレット
を乾燥後、射出成形機を用いて、シリンダー温度320
℃、金型温度130℃の条件で射出成形することによ
り、所定の特性評価用試験片を得た。得られた試験片お
よびペレットについて、前述した方法でシリコン接着強
度、シリコン硬化状態、シリコン破壊形態、引張強度、
引張伸び、アイゾット衝撃強度を測定した。その結果を
表1に示す。
は、シリコン接着性に優れ、また機械的物性の大きな低
下もなく、実用価値の高いものであった。
ド、溶融混練、ペレタイズ、成形、評価を行った。その
結果を表1に示す。酸化マグネシウムの配合量が本発明
下限範囲外の場合、シリコン接着性は低いものであっ
た。
ド、溶融混練、ペレタイズ、成形、評価を行った。その
結果を表1に示す。酸化マグネシウムの配合量が本発明
上限範囲外の場合、シリコン接着性は優れる反面、機械
的物性の低下が著しく、実用価値の低いものであった。
ド、溶融混練、ペレタイズ、成形、評価を行った。その
結果を表1に示す。本発明とは異なる非繊維状無機充填
材を配合した場合、シリコン接着性は低いものであっ
た。
脂中の白金触媒毒物質を大幅に低減させ、シリコン硬化
阻害を引き起こすことなく、シリコン接着性を極めて高
いレベルで達成せしめているため、パワーモジュール用
部品として用いた場合に、シリコン樹脂を用いた部品の
接着が極めて良好であり、実用的な性能が得られること
が明らかである。
ており、特にパワーモジュール用部品等の用途に有用な
PPS樹脂素材を提供することができる。
Claims (7)
- 【請求項1】(a)ポリフェニレンスルフィド樹脂10
0重量部に対して、(b)酸化マグネシウム2.5〜9
0重量部を配合してなる、シリコン樹脂複合用樹脂成形
体用ポリフェニレンスルフィド樹脂組成物。 - 【請求項2】上記(b)酸化マグネシウムの平均粒子径
が2.0μm以下である請求項1記載のシリコン樹脂複
合用樹脂成形体用ポリフェニレン樹脂組成物。 - 【請求項3】上記(b)酸化マグネシウムの純度が9
8.5%以上である請求項1または2記載のシリコン樹
脂複合用樹脂成形体用ポリフェニレンスルフィド樹脂組
成物。 - 【請求項4】請求項1〜3のいずれか記載の樹脂成形体
用ポリフェニレンスルフィド樹脂組成物を成形してなる
成形品であって、(c)シリコン樹脂と複合して用いら
れる成形体。 - 【請求項5】該成形体が、該ポリフェニレンスルフィド
樹脂組成物成形体と(c)シリコン樹脂とが接着して複
合されたものである請求項4に記載の成形体。 - 【請求項6】上記(c)シリコン樹脂が、白金触媒を含
む付加型液状シリコンゴムである請求項4または5に記
載の成形体。 - 【請求項7】該成形体が、電気部品、機械部品、または
自動車部品用である請求項4〜6のいずれかに記載の成
形体。
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Cited By (5)
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