JPH0711136A - ポリアリーレンサルファイド樹脂組成物 - Google Patents

ポリアリーレンサルファイド樹脂組成物

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JPH0711136A
JPH0711136A JP15881193A JP15881193A JPH0711136A JP H0711136 A JPH0711136 A JP H0711136A JP 15881193 A JP15881193 A JP 15881193A JP 15881193 A JP15881193 A JP 15881193A JP H0711136 A JPH0711136 A JP H0711136A
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JP
Japan
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resin
epoxy resin
cured product
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polyarylene sulfide
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JP15881193A
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Kiyotaka Kawashima
清隆 川島
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DIC Corp
Original Assignee
Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ポリアリ−レンサルファイド樹脂をセラミッ
ク、金属、プラスチック等の材料と各種接着剤によって
接着する際の接着強度や、該樹脂をケ−シング材に使用
した場合のシリコ−ン樹脂、エポキシ樹脂等のポッティ
ング材との密着性が飛躍的に向上し、実用的なレベルま
で改良されたポリアリ−レンサルファイド樹脂組成物を
得る。 【構成】 エポキシ樹脂好ましくはナフタレン型多官能
エポキシ樹脂とポリアミドアミンやポリエチレンイミン
の特定アミン類との硬化反応によって製造されるエポキ
シ樹脂硬化物を、ポリフェニレンサルファイド樹脂10
0重量部に対して、0.1〜50重量部添加してなる樹
脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、各種接着剤に対する接
合性及びシリコ−ン樹脂、エポキシ樹脂等のポッティン
グ材との密着性が改良されたポリアリーレンサルファイ
ド(以下、PASと略す)樹脂組成物に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】PAS樹脂は、極めて高度の耐熱性、耐
薬品性、電気的性質、耐燃焼性を有し、更に強化充填材
等を用いて強化することにより優れた機械的強度、剛
性、寸法安定性を示すことが知られており、電気・電子
部品、自動車部品さらには機械部品等の各種成形用途に
広く用いられている。これら各種部品用途、特に自動車
電装部品、電気・電子部品においては、昨今PAS樹脂
と各種材料、例えば金属、セラミック、プラスチックと
の接着剤による接合や、PAS樹脂からなるケ−シング
部品へのシリコ−ン樹脂、エポキシ樹脂によるポッティ
ング(封入)等の二次加工を必要とする場合が非常に多
く、PAS樹脂の接着剤に対する接合性やポッティング
材に対する密着性が極めて重要視されている。
【0003】しかしながら、PAS樹脂は、他の樹脂材
料に比較してこれら接着性/密着性に劣り、例えばセラ
ミック基板とPAS樹脂からなる部品とをシリコ−ン系
接着剤で接合する際に十分な実用的接着強度が得られな
かったり、またPAS樹脂をケ−シング材とする部品に
おいて、内部の電子素子をエポキシ樹脂にて封入した場
合にPAS樹脂とエポキシ樹脂との界面で剥離を生じ、
界面から浸透する水分等により部品が機能しなくなる等
の問題点が発生している。
【0004】これらの問題点を解決する方法として、P
AS樹脂にシラン化合物を添加する方法(特開昭57−
158256号、特開昭59−31503号)、脱イオ
ン処理を施したPAS樹脂にエポキシ樹脂を配合する方
法(特開昭64−69657号)、PAS樹脂にカルナ
バワックスを含有せしめる方法(特開平2−27206
3号)等が知られている。
【0005】しかしながらいずれの場合も効果が不十分
であり、実用的なレベルにまで改良されたとは到底言い
難いのが現状である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、各種
接着剤に対する接合性や、シリコ−ン樹脂、エポキシ樹
脂等のポッティング材との密着性が実用的なレベルにま
で向上したPAS樹脂組成物を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成すべく鋭意検討を実施した結果、PAS樹脂に対
し、特定のエポキシ樹脂硬化物を添加することにより、
各種接着剤に対する接着強度や、シリコ−ン樹脂、エポ
キシ樹脂等のポッティング材との密着性が飛躍的に向上
することを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】即ち本発明は、PAS樹脂に対してエポキ
シ樹脂とポリエチレンアミン又はポリエチレンイミンと
の硬化反応によって製造される特定のエポキシ樹脂硬化
物を添加することを特徴とするPAS樹脂組成物を提供
するものである。
【0009】ところで、特公平3ー61702号公報に
は、PAS樹脂と無機充填剤とエポキシ樹脂硬化物から
なるPAS樹脂組成物について記載があるが、該発明で
は、機械的強度、寸法安定性及び熱的特性等に優れた性
能を発揮する樹脂組成物を得ることを目的とする。一
方、本発明目的は各種接着剤に対する接着強度や、シリ
コ−ン樹脂、エポキシ樹脂等のポッティング材との密着
性が飛躍的に向上するPAS樹脂組成物を得ることにあ
る。そして本発明は、PAS樹脂に対して、エポキシ樹
脂と特定のアミン類であるポリエチレンアミンやポリエ
チレンイミンとの硬化反応によって製造される特定のエ
ポキシ樹脂硬化物を添加することのみによってはじめて
成し得たことに基くものである。
【0010】
【構成】本発明に使用するPAS樹脂は、一般式下記化
1で示される構成単位を70モル%以上含むものが優れ
た特性の組成物をもたらすので好ましい。特にポリフェ
ニレンサルファイド(PPS)樹脂が好ましく使用され
る。
【0011】
【化1】
【0012】このポリマ−の重合方法としてはp−ジク
ロルベンゼンを硫黄と炭酸ソ−ダの存在下で重合させる
方法、極性溶媒中で硫化ナトリウムあるいは水硫化ナト
リウムと水酸化ナトリウムまたは硫化水素と水酸化ナト
リウムの存在下で重合させる方法、p−クロルチオフェ
ノ−ルの自己縮合などが挙げられるが、N−メチルピロ
リドン、ジメチルアセトアミドなどのアミド系溶媒やス
ルホラン等のスルホン系溶媒中で硫化ナトリウムとp−
ジクロルベンゼンを反応させる方法が適当である。この
際に重合度を調節するためにカルボン酸やスルホン酸の
アルカリ金属塩を添加したり、水酸化アルカリを添加す
ることは好ましい方法である。
【0013】共重合成分として30モル%未満であれ
ば、下記に示すメタ結合、エ−テル結合、スルホン結
合、スルフィドケトン結合、ビフェニル結合、置換フェ
ニルスルフィド結合、3官能フェニルスルフィド結合、
ナフチル結合等を含有していても結晶性に大きく影響し
ない範囲でかまわないが、好ましくは共重合成分は10
モル%以下がよい。
【0014】
【化2】
【0015】
【化3】
【0016】
【化4】
【0017】
【化5】
【0018】
【化6】
【0019】
【化7】
【0020】
【化8】
【0021】
【化9】
【0022】特に3官能性以上のフェニル、ビフェニ
ル、ナフチルスルフィド結合等を共重合成分に選ぶ場合
には3モル%以下、更に好ましくは1モル%以下がよ
い。かかるPAS樹脂は一般的な製造法、例えば(1)
ハロゲン置換芳香族化合物と硫化アルカリとの反応(米
国特許第2513188号明細書、特公昭44−276
71号および特公昭45−3368号参照)、(2)チ
オフェノ−ル類のアルカリ触媒または銅塩等の共存下に
おける縮合反応(米国特許第3274165号、英国特
許第1160660号参照)、(3)芳香族化合物を塩
化硫黄とのルイス酸触媒存在下における縮合反応(特公
昭46−27255号、ベルギ−特許第29437号参
照)等により合成されるものであり目的に応じ任意に選
択し得る。
【0023】本発明組成物には、カルボキシル基で変性
されたポリアリ−レンサルファイド樹脂、即ちカルボキ
シル基含有ポリアリ−レンサルファイド樹脂(CPAS
系樹脂)を更に含有することができる。
【0024】カルボキシル基を含有するポリアリーレン
サルファイド系樹脂(CPAS系樹脂)には、例えば、
繰り返し単位が下記の如き一般式下記化10、化11ま
たは化12で示されるカルボキシル基含有ポリアリーレ
ンサルファイド(CPAS)と繰り返し単位が上述した
化1で表されるポリアリーレンサルファイド(PAS)
との共重合体等々が挙げられる。
【0025】
【化10】
【0026】
【化11】
【0027】
【化12】
【0028】(式中、Yは−O−、−SO2−、−CH2
−、−C(CH32−、−CO−、−C(CF32−ま
たは単なる結合を示す。)
【0029】上記化10、化11または化12で示され
るカルボキシル基含有アリーレンスルフィド構造単位の
含有率は、使用する目的等々によって異なるため一概に
は規定できないが、CPAS系樹脂中の0.5〜30モ
ル%、好ましくは、0.8〜20モル%である。かかる
範囲において目的とする効果が特に発揮される。このよ
うなCPAS系樹脂は、ランダムタイプでも、ブロック
タイプでも構わない。最も代表的なものとして、PAS
部分がPPSでCPAS部分が化10で示されるCPP
Sである共重合体がある。
【0030】CPAS系樹脂の製造法は、例えば、ラン
ダムタイプの場合には特開昭63−305131号公報
のように、ジハロゲノ芳香族化合物とアルカリ金属硫化
物とジハロゲノ芳香族カルボン酸及び(または)そのア
ルカリ金属塩とを用いる方法や該公報に記載された製造
法において用いたアルカリ硫化物に代えて水硫化アルカ
リ金属化合物と水酸化アルカリ金属を用いる方法などが
採用できる。
【0031】またブロックタイプの場合には(1)PA
Sプレポリマーの存在する極性溶媒中で、ジハロゲノ芳
香族カルボン酸及び(または)そのアルカリ金属塩とス
ルフィド化剤(アルカリ硫化物;水硫化アルカリ金属化
合物と水酸化アルカリ金属との併用)を反応させる、
(2)CPASプレポリマーの存在する極性溶媒中で、
ジハロゲノ芳香族化合物とスルフィド化剤を反応させ
る、(3)極性溶媒中で、PASプレポリマーとCPA
Sプレポリマーを反応させるなどの方法がある。
【0032】本発明において添加せる、特定のエポキシ
樹脂硬化物とは、エポキシ樹脂と特定のアミン類との硬
化反応によって製造される。エポキシ樹脂としては、エ
ポキシ基を1個以上、特に2個以上含有することが好ま
しく、代表的なものとしてはビスフェノ−ルAとエピク
ロルヒドリンとの縮合体をはじめとし、ビスフェノ−ル
Aの代わりにハロゲン化ビスフェノ−ルA、レゾルシ
ン、ビスフェノ−ルF、ビスフェノ−ルS、4−4’ジ
アミノジフェニルメタンを用いたもの、ヒドロキシナフ
タレン及びその誘導体のグリシジルエ−テルとしてのナ
フタレン型多官能エポキシ樹脂、あるいはノボラック型
エポキシ樹脂、前記以外の多価アルコ−ル型エポキシ樹
脂等が例示される。なかでも、下式化13で示される
1,6−ジヒドロキシナフタレンのジグルシジルエ−テ
ル、下式化14及び化15で示されるようなナフタレン
環含有ヒドロキシ化合物のトリグリシジルエ−テルまた
はテトラグリシジルエ−テル等のナフタレン型多官能エ
ポキシ樹脂が好適に使用される。
【0033】
【化13】
【0034】
【化14】
【0035】
【化15】
【0036】本発明において添加せる、特定のエポキシ
樹脂硬化物を製造する際に使用される特定のアミン類と
しては、(1)ポリアミドアミン、例えば炭素数20〜
50程度のダイマ−酸と脂肪族ジアミンとから生成す
る、アミド結合含有長鎖脂肪族ジアミン等、(2)ポリ
エチレンイミンが挙げられる。
【0037】本発明において添加せるエポキシ樹脂硬化
物は、公知の種々の方法によって製造することができ
る。例えば、前記エポキシ樹脂とアミン類、さらには必
要に応じて第3級アミン等の触媒を加熱混合して付加縮
合し、冷却粉砕によって製造することも可能であり、更
に水または比較的低沸点の溶剤にエポキシ樹脂とアミン
系硬化剤を分散叉は溶解させたものを反応させることに
よりエポキシ樹脂硬化物粉体を得る方法(特開昭53−
73249号)、エポキシ樹脂とアミン系硬化剤とを特
定のオリゴマ−中で硬化反応させた後脂肪族アルコ−ル
加えて分取する方法(特開平4−249536号)等に
より製造することも可能であるが、これら製法に限定さ
れるものではない。
【0038】本発明における、前記したアミン類との硬
化反応によって製造される特定のエポキシ樹脂硬化物
は、PAS樹脂中に均一に分散していることが好まし
く、この意味において本発明における特定のエポキシ樹
脂硬化物は、予め300μm以下の微粉もしくはパウダ
−状であることが好適である。即ち、前述の公知の方法
に基づき、例えば加熱硬化反応後のエポキシ樹脂硬化物
をミル等により300μm以下に微粉砕化することや、
溶剤等特定の媒体中で硬化反応させ微粒子状の硬化物を
分離すること等により微粉もしくはパウダ−状の本発明
のエポキシ樹脂硬化物を得ることができる。
【0039】本発明における、前記したアミン類との硬
化反応によって製造される特定のエポキシ樹脂硬化物の
添加量は、PAS樹脂100重量部に対し0.1〜50
重量部の範囲であり、かかる範囲にあると接着剤との接
合性や、シリコ−ン樹脂、エポキシ樹脂等との密着性を
向上せしめる効果が発現される。
【0040】本発明の組成物には、機械的特性の向上を
図る上で各種の強化材、充填剤を添加することが出来
る。本発明で用いることが出来る強化材、充填材として
は、ガラス繊維、炭素繊維、チタン酸カルシウム、チタ
ン酸カリウム、炭化珪素、アラミド繊維、セラミック繊
維、金属繊維、窒化珪素、硫酸バリウム、硫酸カルシウ
ム、カオリン、クレ−、ベントナイト、セリサイト、ゼ
オライト、マイカ、雲母、タルク、ウオ ラストナイト、
PMF、フェライト、珪酸カルシウム、珪酸アルミニウ
ム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ドロマイト、
三酸化アンチモン、アルミナ、酸化マグネシウム、水酸
化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化鉄、石
膏、石英、シリカ、石英ガラス、ミルドガラス、ガラス
パウダ−、ガラスビ−ズ、ガラスバル−ン等がある。
【0041】さらに本発明の組成物には、黒鉛、二硫化
モリブデン、ポリテトラフルオロエチレン等の潤滑剤及
びその安定化剤を含むことが出来る。又、本発明の組成
物は、本発明の目的を損なわない範囲で、酸化防止剤、
熱安定剤、防錆剤、離型剤、紫外線吸収剤、滑剤、結晶
核剤、着色剤、シランカップリング剤等を添加すること
によって制約を受けない。
【0042】さらに本発明の組成物には、本発明の目的
を損なわない範囲で熱硬化性樹脂、及び他の熱可塑性樹
脂、例えばシリコ−ン樹脂、ポリイミド、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ABS樹脂、アク
リル系樹脂、ポリフェニレンエ−テル、ポリアミド、ポ
リカ−ボネ−ト、ポリサルフォン、ポリエ−テルサルフ
ォン、ポリアリレ−ト、ポリアセタ−ル、ポリエ−テル
ケトン、ポリエ−テルエ−テルケトン、ポリブチレンテ
レフタレ−ト、ポリエチレンテレフタレ−ト、液晶ポリ
マ−、ポリアミドイミド、ポリエ−テルイミド、などの
単独重合体、またはこれらの共重合体を1種類以上ブレ
ンドすることが出来る。
【0043】本発明の組成物は、種々の公知の方法で調
製することが出来る。例えば、PAS樹脂と、本発明に
おいて添加せる特定のアミン類との硬化反応によって製
造される特定のエポキシ樹脂硬化物をあらかじめヘンシ
ェルミキサ−またはタンブラ−等で混合の後、1軸また
は2軸押出混練機などに供給して260〜360℃で溶
融混練し、造粒することにより得ることが出来る。又混
合に際し必要に応じて他の強化材、充填剤や各種添加剤
を添加してもよい。
【0044】本発明のPAS樹脂組成物は、PAS樹脂
とセラミック、金属、プラスチック等の各種材料とを接
着剤で接合する際に優れた接合性が要求される分野や、
PAS樹脂からなる例えばケ−シング部品をシリコ−ン
樹脂、エポキシ樹脂等にてポッティング(封入)する場
合の高度のポッティング材密着性が必要となる用途に広
く適用されるものである。電気・電子部品、機械部品、
自動車電装部品などの各種用途、特にパワ−モジュ−ル
ケ−シング、点火系自動車制御部品、各種センサ−ケ−
シング等の工業材料として有用である。
【0045】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を更に説明す
る。尚、例中の部は、重量部を示す。
【0046】参考例1(PPS−1の製造 ) 攪拌機付の5lオ−トクレ−ブにN−メチルピロリドン
1993部と硫化ナトリウム2.7水塩 537部
(4.1モル)、水酸化ナトリウム 1.6部(0.0
4モル)および酢酸ナトリウム 144部(1.0モ
ル)とを仕込み、窒素雰囲気下に200℃まで約2時間
かけて攪拌しながら徐々に昇温させて102mlの水を
留出させた。
【0047】次いで、反応系を150℃に冷却したのち
p−ジクロルベンゼン 603部(4.1モル)と1,
2,4−トリクロルベンゼン 1.8部(0.01モ
ル)およびN−メチルピロリドン 310部を加え、2
30℃で2時間、さらに260℃で3時間反応させた
が、この間、重合反応終了時の内圧は9.0Kg/cm
2であった。
【0048】しかるのち、オ−トクレ−ブを冷却して内
容物を濾別し、次いでケ−キを熱水で3回洗浄し、さら
にアセトンで2回洗浄してから120℃で乾燥せしめ
て、394部の淡灰褐色をした粒状のPPSを得た(収
率=89%)。ここに得られたPPSは固有粘度〔η〕
0.20、メルトフロ−レ−ト550g/10分(AS
TM D1238,Condition Z準拠)、全
ナトリウム含有量(ポリマ−を硫酸分解して、原子吸光
法により測定)80ppmであった。これをPPS−1
と称す。
【0049】尚、PPSの対数粘度〔η〕は、PPSの
α−メチルクロルナフタレン溶液(PPS濃度0.4g
/100ml)の206℃(400°F)における相対
粘度値を測定し、次式により算出したものである。 〔η〕=ln(相対粘度値)/PPS濃度
【0050】参考例2(PPS−2の製造) 50lスケ−ルのオ−トクレ−ブにN−メチルピロリド
ンをモル比で70、硫化ナトリウム9水塩を0.99、
安息香酸ナトリウムを0.60、水酸化ナトリウムを
0.15モルの比で仕込み(50モルスケ−ル)、窒素
気流中で210℃まで昇温し脱水率110%まで脱水を
行なった。系を160℃まで冷却後、p−ジクロルベン
ゼンをモル比1.0で仕込み、封をした後窒素で内圧を
2.5Kg/cm2まで加圧した。重合による発熱を考
慮しながら温度コントロ−ルを行なって270℃まで昇
温し5時間攪拌下に重合を行なった。内圧は17Kg/
cm 2に上昇していた。
【0051】次に系を冷却後放圧し、内容物を大量の水
中へ注ぎフレ−ク状のポリマ−を回収した。ポリマ−は
熱水とアセトンによる洗浄をくり返した後、100℃に
加熱したN−メチルピロリドン中に投入して約30分間
攪拌し、続いて約90℃のイオン交換水で洗浄した。こ
のPPSは、最終的に70%の収率で白色フレ−ク状で
あった。この白色フレ−ク状のPPSポリマ−(固有粘
度〔η〕0.19、メルトフロ−レ−ト1200g/1
0分)をリボンブレンダ−に投入し、250℃で空気を
吹き込みながら攪拌して、5時間熱処理し、架橋せしめ
て最終的に固有粘度〔η〕0.30、メルトフロ−レ−
ト200g/10分、全ナトリウム含有量;180pp
mのPPSポリマ−を得た。これをPPS−2と称す。
【0052】参考例3(CPPSの製造) 2LオートクレーブにNMPを540g、純度73重量
%の水硫化ナトリウム(NaSH)を139.2g、水
酸化ナトリウムを72gを仕込、窒素雰囲気下で200
℃まで昇温することによって、水−NMP混合物を留去
した。更に、この系にp−ジクロロベンゼン264.6
gをNMP200gに溶かした溶液を添加し、220℃
で5時間、更に240℃で1時間窒素雰囲気下で反応さ
せた。この反応溶媒Aを80℃まで冷却し、2,4−ジ
クロロ安息香酸を38.2g、NaSHを15.5g、
水酸化ナトリウムを16.0g及びNMPを80gを添
加し、220℃で5時間、240℃で1時間窒素雰囲気
下で反応させた。反応生成物を熱水とメタノール及びア
セトンで洗浄し、乾燥させブロック共重合体タイプのC
PPSを得た。
【0053】赤外線吸収スペクトルを測定したところ、
1700及び3000カイザーにカルボキシル基のもの
と見られる吸収スペクトルが観測され、元素分析より求
めた全フェニレンスルフィドユニットに対するカルボキ
シル基を有するフェニレンスルフィドの含有量は6.0
モル%であった。又、DSCで測定した融点は275℃
であり、メルトフロ−レ−ト;1000g/10分であ
った。
【0054】参考例4(各種エポキシ樹脂硬化物の調
製) (1) 硬化物1 エピクロン850(ビスフェノ−ルA型エポキシ樹脂、
大日本インキ化学工業(株)製、エポキシ当量190)
40重量部とラッカマイドEA−631(ポリアミドア
ミン、大日本インキ化学工業(株)製、アミン価28
5)60重量部を均一混合後、150℃/3時間加熱硬
化させ、得られた硬化物をハンマ−ミルで粗粉砕し、さ
らにミクロパルペライザ−で微粉砕して200メッシュ
スクリ−ンパスのエポキシ樹脂硬化物パウダ−を調製し
た。これを硬化物1と称す。
【0055】(2) 硬化物2 エピクロン850(ビスフェノ−ルA型エポキシ樹脂、
大日本インキ化学工業(株)製、エポキシ当量190)
80重量部とポリエチレンイミン;エポミンSP−01
2((株)日本触媒製、アミン価43)20重量部を均
一混合後、120℃/2時間+180℃/3時間加熱硬
化させ、硬化物1同様の粉砕工程を経て、エポキシ樹脂
硬化物パウダ−を調製した。これを硬化物2と称す。
【0056】(3) 硬化物3 エピクロンHP−4032(1,6−ジヒドロキシナフ
タレンのジグリシジルエ−テル;大日本インキ化学工業
(株)製、エポキシ当量149)34重量部とラッカマ
イドEA−631(ポリアミドアミン、大日本インキ化
学工業(株)製、アミン価285)66重量部を均一混
合後、120℃/2時間+180℃/3時間加熱硬化さ
せ、硬化物1同様の粉砕工程を経て、エポキシ樹脂硬化
物パウダ−を調製した。これを硬化物3と称す。
【0057】(4) 硬化物4 エピクロン430XL(芳香族アミン型エポキシ樹脂、
4,4’−ジアミノジフェニルメタンとエピクロルヒド
リンの反応物;大日本インキ化学工業(株)製、エポキ
シ当量110)28重量部とラッカマイドEA−631
(ポリアミドアミン、大日本インキ化学工業(株)製、
アミン価285)72重量部を均一混合後、120℃/
2時間+180℃/3時間加熱硬化させ、硬化物1同様
の粉砕工程を経て、エポキシ樹脂硬化物パウダ−を調製
した。これを硬化物4と称す。
【0058】(5) 硬化物5 エピクロン850(ビスフェノ−ルA型エポキシ樹脂、
大日本インキ化学工業(株)製、エポキシ当量190)
53重量部と無水メチルテトラヒドロフタル酸(酸価1
67)47重量部、さらにベンジルジメチルアミン1重
量部を均一混合後、120℃/2時間+180℃/3時
間加熱硬化させ、硬化物1同様の粉砕工程を経て、エポ
キシ樹脂硬化物パウダ−を調製した。これを硬化物5と
称す。
【0059】(6) 硬化物6 エピクロンN−673(クレゾ−ルノボラック型エポキ
シ樹脂、大日本インキ化学工業(株)製、エポキシ当量
213)67重量部とバ−カムTD−2131(フェノ
−ルノボラック樹脂、大日本インキ化学工業(株)製、
OH価103)33重量部、さらにトリフェニルホスフ
ィン0.1重量部を均一混合後、120℃/2時間+1
80℃/3時間加熱硬化させ、硬化物1同様の粉砕工程
を経て、エポキシ樹脂硬化物パウダ−を調製した。これ
を、硬化物6と称す。
【0060】尚、いずれの硬化物パウダ−も、粒径10
0μm以下であった。 「実施例1〜4及び比較例1〜6」参考例で合成/製造
したPPS樹脂及びエポキシ樹脂硬化物を用い、表ー1
〜表ー3に示す原料を各表中の割合で均一に混合した
後、35mmφの二軸押出機にて300℃で溶融混練し
ペレットを得た。また、このペレットを用いインライン
スクリュ−式の射出成形機により、シリンダ−温度32
0℃、金型温度150℃、射出圧力1000Kgf/c
2、射出スピ−ド中速にて、接着剤接着強度、ポッテ
ィング材密着性評価用各試験片を成形し、両特性を評価
した。
【0061】尚、接着剤接着強度及びポッティング材密
着性は、以下の方法に基づいて評価した。 <接着剤接着強度> a)試片;25mm(w)×80mm(l)×3mm
(t) b)接着面積;25mm×26mm…上記PAS樹脂試
片2枚1組で接着剤により接合 c)接着強度測定様式;引張りせん断強度 d)接着剤及び硬化条件 シリコ−ン系接着剤 加熱硬化型二液タイプ;KE−1800TA/TB=5
0/50(信越シリコ−ン製) 試片トルエンにて脱脂の後、150℃/1時間加熱硬化 エポキシ系接着剤 アミン硬化型二液タイプ;エピクロン850/ラッカマ
イドEA631=40/60(大日本インキ化学工業
(株)製) 試片トルエンにて脱脂の後、150℃/1時間加熱硬化
【0062】<ポッティング(封入)材密着性> a)試片;図1に示す箱型成形品 b)ポッティング材;エピクロン850(大日本インキ
化学工業(株)製)/無水ヘキサヒドロフタル酸/シリ
カ シリカ充填率:50重量%、主材(シリカ入り)/無水
ヘキサヒドロフタル酸=100/27 c)硬化条件 主材と無水ヘキサヒドロフタル酸とを、所定の比率で6
5℃温浴中均一に混合後、上記箱型成形品内へ注入し、
85℃/3時間加熱に続き150℃/3時間加熱して硬
化後、徐冷する。 d)密着性の評価 硬化/徐冷直後の箱型成形品(PAS樹脂)〜ポッティ
ング材界面の密着状態(「初期」)と、−30℃/30
分〜130℃/30分のヒ−トサイクル;100サイク
ル後の界面密着状態(「ヒ−トサイクル後」)を目視に
より確認した。この結果を下記の表に示す。
【0063】
【表1】 *1)ガラス繊維;13μm径/3mm長さチョップドス
トランド *2)炭酸カルシウム;重質炭酸カルシウム、平均粒径6
μm
【0064】
【表2】 *1)、*2)は前記と同じ *3)エポキシ樹脂「EP−850」大日本インキ化学工
業(株)製 ビスフェノ−ルA型エポキシ樹脂、エポキシ当量190
【0065】
【表3】 *1)、*2)は前記と同じ
【0066】
【発明の効果】本発明のPAS樹脂組成物によれば、各
種接着剤に対する接合性やシリコ−ン樹脂、エポキシ樹
脂等のポッティング材に対する密着性が著しく改良され
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1図は、本発明の実施例及び比較例の<ポッ
ティング材密着性>評価のための箱型成形品の形状を示
す。尚、図中の数値は、寸法(単位;mm)を表す。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリアリ−レンサルファイド樹脂と、エ
    ポキシ樹脂とポリアミドアミンとの硬化反応によって製
    造されるエポキシ樹脂硬化物とを含有することを特徴と
    するポリアリーレンサルファイド樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 ポリアリ−レンサルファイド樹脂と、エ
    ポキシ樹脂とポリエチレンイミンとの硬化反応によって
    製造されるエポキシ樹脂硬化物とを含有することを特徴
    とするポリアリーレンサルファイド樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 エポキシ樹脂が、ナフタレン型多官能エ
    ポキシ樹脂である請求項1または2記載の樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 ナフタレン型多官能エポキシ樹脂が、ジ
    ヒドロキシナフタレンのジグリシジルエ−テルである請
    求項3記載の樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 ポリアリーレンサルファイド樹脂がポリ
    フェニレンサルファイド樹脂である請求項1、2、3ま
    たは4のいずれか一つに記載の樹脂組成物。
  6. 【請求項6】 更に、カルボキシル基含有ポリアリ−レ
    ンサルファイドを含有する請求項1、2、3、4または
    5のいずれか1つに記載の樹脂組成物。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003096299A (ja) * 2001-09-25 2003-04-03 Toray Ind Inc 樹脂成形体用ポリフェニレンスルフィド樹脂組成物および成形体
JP2006002105A (ja) * 2004-06-21 2006-01-05 Tosoh Corp ポリアリーレンスルフィド組成物及びそれよりなるケース
JP2009256438A (ja) * 2008-04-15 2009-11-05 Tosoh Corp ポリアリーレンスルフィド組成物
JP2013256082A (ja) * 2012-06-13 2013-12-26 Toray Ind Inc 樹脂複合成形体および樹脂複合成形体を製造する方法

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