JPH0711137A - ポリアリーレンサルファイド樹脂組成物 - Google Patents
ポリアリーレンサルファイド樹脂組成物Info
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- JPH0711137A JPH0711137A JP15881493A JP15881493A JPH0711137A JP H0711137 A JPH0711137 A JP H0711137A JP 15881493 A JP15881493 A JP 15881493A JP 15881493 A JP15881493 A JP 15881493A JP H0711137 A JPH0711137 A JP H0711137A
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- polyarylene sulfide
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- melamine cyanurate
- sulfide
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 ポリアリ−レンサルファイド樹脂をセラミッ
ク、金属、プラスチック等の材料と各種接着剤によって
接着する際の接着強度や、該樹脂をケ−シング材に使用
した際のシリコ−ン樹脂、エポキシ樹脂等のポッティン
グ材との密着性が飛躍的に向上し、実用的なレベルまで
改良されたポリアリ−レンサルファイド樹脂組成物を得
る。 【構成】 ポリアリーレンサルファイド樹脂100重量
部に対してメラミンシアヌレ−トを0.01〜20重量
部添加するポリアリ−レンサルファイド樹脂組成物。
ク、金属、プラスチック等の材料と各種接着剤によって
接着する際の接着強度や、該樹脂をケ−シング材に使用
した際のシリコ−ン樹脂、エポキシ樹脂等のポッティン
グ材との密着性が飛躍的に向上し、実用的なレベルまで
改良されたポリアリ−レンサルファイド樹脂組成物を得
る。 【構成】 ポリアリーレンサルファイド樹脂100重量
部に対してメラミンシアヌレ−トを0.01〜20重量
部添加するポリアリ−レンサルファイド樹脂組成物。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、各種接着剤に対する接
合性やシリコ−ン樹脂、エポキシ樹脂等のポッティング
材との密着性が改良されたポリアリーレンサルファイド
(以下PASと略す)樹脂組成物に関するものである。
合性やシリコ−ン樹脂、エポキシ樹脂等のポッティング
材との密着性が改良されたポリアリーレンサルファイド
(以下PASと略す)樹脂組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】PAS樹脂は、極めて高度の耐熱性、耐
薬品性、電気的性質、耐燃焼性を有し、更に強化充填材
等を用いて強化することにより優れた機械的強度、剛
性、寸法安定性を示すことが知られており、電気・電子
部品、自動車部品さらには機械部品等の各種成形用途に
広く用いられている。これら各種部品用途、特に自動車
電装部品、電気・電子部品においては、昨今PAS樹脂
と各種材料、例えば金属、セラミック、プラスチックと
を接着剤によって接合することや、PAS樹脂からなる
ケ−シング部品に対しシリコ−ン樹脂、エポキシ樹脂を
用いたポッティング(封入)等の二次加工を必要とする
場合が非常に多く、PAS樹脂の接着剤に対する接合性
やポッティング材に対する密着性が極めて重要視されて
いる。
薬品性、電気的性質、耐燃焼性を有し、更に強化充填材
等を用いて強化することにより優れた機械的強度、剛
性、寸法安定性を示すことが知られており、電気・電子
部品、自動車部品さらには機械部品等の各種成形用途に
広く用いられている。これら各種部品用途、特に自動車
電装部品、電気・電子部品においては、昨今PAS樹脂
と各種材料、例えば金属、セラミック、プラスチックと
を接着剤によって接合することや、PAS樹脂からなる
ケ−シング部品に対しシリコ−ン樹脂、エポキシ樹脂を
用いたポッティング(封入)等の二次加工を必要とする
場合が非常に多く、PAS樹脂の接着剤に対する接合性
やポッティング材に対する密着性が極めて重要視されて
いる。
【0003】しかしながら、PAS樹脂は、他の樹脂材
料に比較してこれら接着性/密着性に劣り、例えばセラ
ミック基板とPAS樹脂からなる部品とをシリコ−ン系
接着剤で接合する際に十分な実用的接着強度が得られな
かったり、またPAS樹脂をケ−シング材とする部品に
おいて、内部の電子素子をエポキシ樹脂にて封入した場
合にPAS樹脂とエポキシ樹脂との界面で剥離を生じ、
界面から浸透する水分等により部品が機能しなくなる等
の問題点が発生している。
料に比較してこれら接着性/密着性に劣り、例えばセラ
ミック基板とPAS樹脂からなる部品とをシリコ−ン系
接着剤で接合する際に十分な実用的接着強度が得られな
かったり、またPAS樹脂をケ−シング材とする部品に
おいて、内部の電子素子をエポキシ樹脂にて封入した場
合にPAS樹脂とエポキシ樹脂との界面で剥離を生じ、
界面から浸透する水分等により部品が機能しなくなる等
の問題点が発生している。
【0004】これらの問題点を解決する方法として、P
AS樹脂にシラン化合物を添加する方法(特開昭57−
158256号、特開昭59−31503号)、脱イオ
ン処理を施したPAS樹脂にエポキシ樹脂を配合する方
法(特開昭64−69657号)、PAS樹脂にカルナ
バワックスを含有せしめる方法(特開平2−27206
3号)等が知られている。
AS樹脂にシラン化合物を添加する方法(特開昭57−
158256号、特開昭59−31503号)、脱イオ
ン処理を施したPAS樹脂にエポキシ樹脂を配合する方
法(特開昭64−69657号)、PAS樹脂にカルナ
バワックスを含有せしめる方法(特開平2−27206
3号)等が知られている。
【0005】しかしながらいずれの場合も効果が不十分
であり、実用的なレベルにまで改良されたとは到底言い
難いのが現状である。
であり、実用的なレベルにまで改良されたとは到底言い
難いのが現状である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、各種
接着剤に対する接合性、シリコ−ン樹脂とエポキシ樹脂
等のポッティング材との密着性が実用的なレベルにまで
向上したPAS樹脂組成物を提供することにある。
接着剤に対する接合性、シリコ−ン樹脂とエポキシ樹脂
等のポッティング材との密着性が実用的なレベルにまで
向上したPAS樹脂組成物を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成すべく鋭意検討を実施した結果、PAS樹脂に対
し、メラミンシアヌレ−トを添加することにより、各種
接着剤に対する接着強度や、シリコ−ン樹脂、エポキシ
樹脂等のポッティング材との密着性が飛躍的に向上する
ことを見出し、本発明を完成するに至った。
を達成すべく鋭意検討を実施した結果、PAS樹脂に対
し、メラミンシアヌレ−トを添加することにより、各種
接着剤に対する接着強度や、シリコ−ン樹脂、エポキシ
樹脂等のポッティング材との密着性が飛躍的に向上する
ことを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】即ち本発明は、PAS樹脂に対してメラミ
ンシアヌレ−トを添加することを特徴とするPAS樹脂
組成物を提供するものである。
ンシアヌレ−トを添加することを特徴とするPAS樹脂
組成物を提供するものである。
【0009】
【構成】本発明に使用するPAS樹脂は、一般式下記化
1で示される構成単位を70モル%以上含むものが優れ
た特性の組成物をもたらすので好ましい。特にポリフェ
ニレンサルファイド(PPS)樹脂が好ましく使用され
る。
1で示される構成単位を70モル%以上含むものが優れ
た特性の組成物をもたらすので好ましい。特にポリフェ
ニレンサルファイド(PPS)樹脂が好ましく使用され
る。
【0010】
【化1】
【0011】このポリマ−の重合方法としては、p−ジ
クロルベンゼンを硫黄と炭酸ソ−ダの存在下で重合させ
る方法、極性溶媒中で硫化ナトリウムあるいは水硫化ナ
トリウムと水酸化ナトリウムまたは硫化水素と水酸化ナ
トリウムの存在下で重合させる方法、p−クロルチオフ
ェノ−ルの自己縮合などが挙げられるが、N−メチルピ
ロリドン、ジメチルアセトアミドなどのアミド系溶媒や
スルホラン等のスルホン系溶媒中で硫化ナトリウムとp
−ジクロルベンゼンを反応させる方法が適当である。こ
の際に重合度を調節するためにカルボン酸やスルホン酸
のアルカリ金属塩を添加したり、水酸化アルカリを添加
することは好ましい方法である。
クロルベンゼンを硫黄と炭酸ソ−ダの存在下で重合させ
る方法、極性溶媒中で硫化ナトリウムあるいは水硫化ナ
トリウムと水酸化ナトリウムまたは硫化水素と水酸化ナ
トリウムの存在下で重合させる方法、p−クロルチオフ
ェノ−ルの自己縮合などが挙げられるが、N−メチルピ
ロリドン、ジメチルアセトアミドなどのアミド系溶媒や
スルホラン等のスルホン系溶媒中で硫化ナトリウムとp
−ジクロルベンゼンを反応させる方法が適当である。こ
の際に重合度を調節するためにカルボン酸やスルホン酸
のアルカリ金属塩を添加したり、水酸化アルカリを添加
することは好ましい方法である。
【0012】共重合成分として30モル%未満であれ
ば、メタ結合、エ−テル結合、スルホン結合、スルフィ
ドケトン結合、ビフェニル結合、置換フェニルスルフィ
ド結合、3官能フェニルスルフィド結合、ナフチル結合
等を含有していても結晶性に大きく影響しない範囲でか
まわないが、好ましくは共重合成分は10モル%以下が
よい。
ば、メタ結合、エ−テル結合、スルホン結合、スルフィ
ドケトン結合、ビフェニル結合、置換フェニルスルフィ
ド結合、3官能フェニルスルフィド結合、ナフチル結合
等を含有していても結晶性に大きく影響しない範囲でか
まわないが、好ましくは共重合成分は10モル%以下が
よい。
【0013】
【化2】
【0014】
【化3】
【0015】
【化4】
【0016】
【化5】
【0017】
【化6】
【0018】
【化7】
【0019】
【化8】
【0020】
【化9】
【0021】特に3官能性以上のフェニル、ビフェニ
ル、ナフチルスルフィド結合等を共重合成分に選ぶ場合
には3モル%以下、更に好ましくは1モル%以下がよ
い。かかるPAS樹脂は一般的な製造法、例えば (1)ハ
ロゲン置換芳香族化合物と硫化アルカリとの反応(米国
特許第2513188号明細書、特公昭44−2767
1号および特公昭45−3368号参照)、(2)チオ
フェノ−ル類のアルカリ触媒または銅塩等の共存下にお
ける縮合反応(米国特許第3274165号、英国特許
第1160660号参照)、(3)芳香族化合物を塩化
硫黄とのルイス酸触媒存在下における縮合反応(特公昭
46−27255号、ベルギ−特許第29437号参
照)等により合成されるものであり目的に応じ任意に選
択し得る。
ル、ナフチルスルフィド結合等を共重合成分に選ぶ場合
には3モル%以下、更に好ましくは1モル%以下がよ
い。かかるPAS樹脂は一般的な製造法、例えば (1)ハ
ロゲン置換芳香族化合物と硫化アルカリとの反応(米国
特許第2513188号明細書、特公昭44−2767
1号および特公昭45−3368号参照)、(2)チオ
フェノ−ル類のアルカリ触媒または銅塩等の共存下にお
ける縮合反応(米国特許第3274165号、英国特許
第1160660号参照)、(3)芳香族化合物を塩化
硫黄とのルイス酸触媒存在下における縮合反応(特公昭
46−27255号、ベルギ−特許第29437号参
照)等により合成されるものであり目的に応じ任意に選
択し得る。
【0022】さらに本発明組成物においては、カルボキ
シル基で変性されたポリアリ−レンサルファイド樹脂、
即ちカルボキシル基含有ポリアリ−レンサルファイド樹
脂(CPAS系樹脂)を含有することができる。
シル基で変性されたポリアリ−レンサルファイド樹脂、
即ちカルボキシル基含有ポリアリ−レンサルファイド樹
脂(CPAS系樹脂)を含有することができる。
【0023】カルボキシル基を含有するポリアリーレン
スルフィド系樹脂(CPAS系樹脂)には、例えば、繰
り返し単位が下記の如き一般式下記化10、化11また
は化12で示されるカルボキシル基含有ポリアリーレン
スルフィド(CPAS)と繰り返し単位が上述した化1
で表されるポリアリーレンスルフィド(PAS)との共
重合体等々が挙げられる。
スルフィド系樹脂(CPAS系樹脂)には、例えば、繰
り返し単位が下記の如き一般式下記化10、化11また
は化12で示されるカルボキシル基含有ポリアリーレン
スルフィド(CPAS)と繰り返し単位が上述した化1
で表されるポリアリーレンスルフィド(PAS)との共
重合体等々が挙げられる。
【0024】
【化10】
【0025】
【化11】
【0026】
【化12】
【0027】(式中、Yは−O−、−SO2−、−CH2
−、−C(CH3)2−、−CO−、−C(CF3)2−ま
たは単なる結合を示す。)
−、−C(CH3)2−、−CO−、−C(CF3)2−ま
たは単なる結合を示す。)
【0028】上記化10、化11または化12で示され
るカルボキシル基含有アリーレンスルフィド構造単位の
含有率は、使用する目的等々によって異なるため一概に
は規定できないが、CPAS系樹脂中の0.5〜30モ
ル%、好ましくは、0.8〜20モル%である。かかる
範囲において目的とする効果が特に発揮される。このよ
うなCPAS系樹脂は、ランダムタイプでも、ブロック
タイプでも、グラフトタイプでも構わない。最も代表的
なものとして、PAS部分がPPSでCPAS部分が化
10で示されるCPPSである共重合体がある。
るカルボキシル基含有アリーレンスルフィド構造単位の
含有率は、使用する目的等々によって異なるため一概に
は規定できないが、CPAS系樹脂中の0.5〜30モ
ル%、好ましくは、0.8〜20モル%である。かかる
範囲において目的とする効果が特に発揮される。このよ
うなCPAS系樹脂は、ランダムタイプでも、ブロック
タイプでも、グラフトタイプでも構わない。最も代表的
なものとして、PAS部分がPPSでCPAS部分が化
10で示されるCPPSである共重合体がある。
【0029】CPAS系樹脂の製造法は、例えば、ラン
ダムタイプの場合には特開昭63−305131号公報
のように、ジハロゲノ芳香族化合物とアルカリ金属硫化
物とジハロゲノ芳香族カルボン酸及び(または)そのア
ルカリ金属塩とを用いる方法や該公報に記載された製造
法において用いたアルカリ硫化物に代えて水硫化アルカ
リ金属化合物と水酸化アルカリ金属を用いる方法などが
採用できる。またブロックタイプの場合には(1)PA
Sプレポリマーの存在する極性溶媒中で、ジハロゲノ芳
香族カルボン酸及び(または)そのアルカリ金属塩とス
ルフィド化剤(アルカリ硫化物;水硫化アルカリ金属化
合物と水酸化アルカリ金属との併用)を反応させる、
(2)CPASプレポリマーの存在する極性溶媒中で、
ジハロゲノ芳香族化合物とスルフィド化剤を反応させ
る、(3)極性溶媒中で、PASプレポリマーとCPA
Sプレポリマーを反応させるなどの方法がある。
ダムタイプの場合には特開昭63−305131号公報
のように、ジハロゲノ芳香族化合物とアルカリ金属硫化
物とジハロゲノ芳香族カルボン酸及び(または)そのア
ルカリ金属塩とを用いる方法や該公報に記載された製造
法において用いたアルカリ硫化物に代えて水硫化アルカ
リ金属化合物と水酸化アルカリ金属を用いる方法などが
採用できる。またブロックタイプの場合には(1)PA
Sプレポリマーの存在する極性溶媒中で、ジハロゲノ芳
香族カルボン酸及び(または)そのアルカリ金属塩とス
ルフィド化剤(アルカリ硫化物;水硫化アルカリ金属化
合物と水酸化アルカリ金属との併用)を反応させる、
(2)CPASプレポリマーの存在する極性溶媒中で、
ジハロゲノ芳香族化合物とスルフィド化剤を反応させ
る、(3)極性溶媒中で、PASプレポリマーとCPA
Sプレポリマーを反応させるなどの方法がある。
【0030】本発明において添加せるメラミンシアヌレ
−トとは、例えばメラミンの水溶液と等モルのイソシア
ヌ−ル酸水溶液とを混合して、該両成分から成る複合生
成物を微粒子状に形成させ、これを濾過、乾燥、粉砕し
て得られる白色の結晶化合物であり、構造として平面状
ではメラミンとイソシアヌ−ル酸とが水素結合を成し、
更に該平面構造が層状を成す特異な三次元構造を形成す
るものであり、単なるメラミンとイソシアヌ−ル酸との
混合物とは異なる。
−トとは、例えばメラミンの水溶液と等モルのイソシア
ヌ−ル酸水溶液とを混合して、該両成分から成る複合生
成物を微粒子状に形成させ、これを濾過、乾燥、粉砕し
て得られる白色の結晶化合物であり、構造として平面状
ではメラミンとイソシアヌ−ル酸とが水素結合を成し、
更に該平面構造が層状を成す特異な三次元構造を形成す
るものであり、単なるメラミンとイソシアヌ−ル酸との
混合物とは異なる。
【0031】更に本発明において添加せるメラミンシア
ヌレ−トは、出来るだけ微細な粉末として得られものを
用いることが好ましく、平均粒径で30μm以下、なか
でも10μm以下が好ましい。
ヌレ−トは、出来るだけ微細な粉末として得られものを
用いることが好ましく、平均粒径で30μm以下、なか
でも10μm以下が好ましい。
【0032】また本発明において添加せるメラミンシア
ヌレ−トは、1種以上の特定のシランカップリング剤に
より表面処理したものを用いることが出来る。表面処理
に使用することが出来るシランカップリング剤として
は、具体的にはアミノアルコキシシラン、アミノフェノ
キシシラン、エポキシアルコキシシラン、エポキシフェ
ノキシシラン、ビニルアルコキシシラン、ビニルフェノ
キシシラン、メルカプトアルコキシシラン、メルカプト
フェノキシシラン、ハロアルコキシシラン、ハロフェノ
キシシランの1種または2種以上である。
ヌレ−トは、1種以上の特定のシランカップリング剤に
より表面処理したものを用いることが出来る。表面処理
に使用することが出来るシランカップリング剤として
は、具体的にはアミノアルコキシシラン、アミノフェノ
キシシラン、エポキシアルコキシシラン、エポキシフェ
ノキシシラン、ビニルアルコキシシラン、ビニルフェノ
キシシラン、メルカプトアルコキシシラン、メルカプト
フェノキシシラン、ハロアルコキシシラン、ハロフェノ
キシシランの1種または2種以上である。
【0033】アミノアルコキシシランまたはアミノフェ
ノキシシランとしては、1分子中にアミノ基を1個以上
有し、アルコキシ基またはフェノキシ基を2個あるいは
3個有するシラン化合物であればいずれのものでも使用
することが出来る。例えばγ−アミノプロピルトリエト
キシシラン、γ−アミノプロピルトリフェノキシシラ
ン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミ
ノプロピルメチルジエトキシシラン、γ−アミノプロピ
ルメチルジメトキシシラン、N−β(アミノエチル)−
γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β(アミ
ノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、
N−β(アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジ
エトキシシラン、N−β(アミノエチル)−γ−アミノ
プロピルメチルジメトキシシラン、N−フェニル−γ−
アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−γ
−アミノプロピルトリメトキシシランなどが挙げられ
る。
ノキシシランとしては、1分子中にアミノ基を1個以上
有し、アルコキシ基またはフェノキシ基を2個あるいは
3個有するシラン化合物であればいずれのものでも使用
することが出来る。例えばγ−アミノプロピルトリエト
キシシラン、γ−アミノプロピルトリフェノキシシラ
ン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミ
ノプロピルメチルジエトキシシラン、γ−アミノプロピ
ルメチルジメトキシシラン、N−β(アミノエチル)−
γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β(アミ
ノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、
N−β(アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジ
エトキシシラン、N−β(アミノエチル)−γ−アミノ
プロピルメチルジメトキシシラン、N−フェニル−γ−
アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−γ
−アミノプロピルトリメトキシシランなどが挙げられ
る。
【0034】エポキシアルコキシシランまたはエポキシ
フェノキシシランとしては、1分子中にエポキシ基を1
個以上有し、アルコキシ基またはフェノキシ基を2個あ
るいは3個有するシラン化合物であればいずれのもので
も使用することが出来る。例えば、γ−グリシドキシプ
ロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピル
トリフェノキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロ
ヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキ
シプロピルトリエトキシシランなどが挙げられる。
フェノキシシランとしては、1分子中にエポキシ基を1
個以上有し、アルコキシ基またはフェノキシ基を2個あ
るいは3個有するシラン化合物であればいずれのもので
も使用することが出来る。例えば、γ−グリシドキシプ
ロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピル
トリフェノキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロ
ヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキ
シプロピルトリエトキシシランなどが挙げられる。
【0035】ビニルアルコキシシランまたはビニルフェ
ノキシシランとしては、1分子中にビニル基を1個以上
有し、アルコキシ基またはフェノキシ基を2個あるいは
3個有するシラン化合物であればいずれのものでも使用
することが出来る。例えば、ビニルトリエトキシシラ
ン、ビニルトリフェノキシシラン、ビニルトリメトキシ
シラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン
などが挙げられる。
ノキシシランとしては、1分子中にビニル基を1個以上
有し、アルコキシ基またはフェノキシ基を2個あるいは
3個有するシラン化合物であればいずれのものでも使用
することが出来る。例えば、ビニルトリエトキシシラ
ン、ビニルトリフェノキシシラン、ビニルトリメトキシ
シラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン
などが挙げられる。
【0036】メルカプトアルコキシシランまたはメルカ
プトフェノキシシランとしては、1分子中にメルカプト
基を1個以上有し、アルコキシ基またはフェノキシ基を
2個あるいは3個有するシラン化合物であればいずれの
ものでも使用することが出来る。例えば、γ−メルカプ
トプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピ
ルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリフ
ェノトキシシランなどが挙げられる。
プトフェノキシシランとしては、1分子中にメルカプト
基を1個以上有し、アルコキシ基またはフェノキシ基を
2個あるいは3個有するシラン化合物であればいずれの
ものでも使用することが出来る。例えば、γ−メルカプ
トプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピ
ルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリフ
ェノトキシシランなどが挙げられる。
【0037】ハロアルコキシシランまたはハロフェノキ
シシランとしては、1分子中にハロゲン原子を1個以上
有し、アルコキシ基またはフェノキシ基を2個あるいは
3個有するシラン化合物であればいずれのものでも使用
することが出来る。例えば、γ−クロロプロピルトリメ
トキシシラン、2−クロロエチルトリエトキシシラン、
クロロメチルトリエトキシシラン、クロロフェニルトリ
エトキシシラン、γ−クロロプロピルトリフェノトキシ
シランなどが挙げられる。
シシランとしては、1分子中にハロゲン原子を1個以上
有し、アルコキシ基またはフェノキシ基を2個あるいは
3個有するシラン化合物であればいずれのものでも使用
することが出来る。例えば、γ−クロロプロピルトリメ
トキシシラン、2−クロロエチルトリエトキシシラン、
クロロメチルトリエトキシシラン、クロロフェニルトリ
エトキシシラン、γ−クロロプロピルトリフェノトキシ
シランなどが挙げられる。
【0038】本発明において添加せるメラミンシアヌレ
−トにおいて、表面処理に用いることが出来る特定のシ
ラン化合物の好ましい例としては、特にアミノアルコキ
シシランを挙げることができる。
−トにおいて、表面処理に用いることが出来る特定のシ
ラン化合物の好ましい例としては、特にアミノアルコキ
シシランを挙げることができる。
【0039】更に本発明におけるメラミンシアヌレ−ト
の添加量は、PAS樹脂の接着剤接合性や、シリコ−ン
樹脂、エポキシ樹脂等との密着性を向上せしめる点か
ら、PAS樹脂100重量部に対し0.01〜20重量
部が好ましく、中でも0.1〜5重量部が好ましい。
の添加量は、PAS樹脂の接着剤接合性や、シリコ−ン
樹脂、エポキシ樹脂等との密着性を向上せしめる点か
ら、PAS樹脂100重量部に対し0.01〜20重量
部が好ましく、中でも0.1〜5重量部が好ましい。
【0040】本発明の組成物には、機械的特性の向上を
図る上で各種の強化材、充填剤を添加することが出来
る。本発明で用いることが出来る強化材、充填材として
は、ガラス繊維、炭素繊維、チタン酸カルシウム、チタ
ン酸カリウム、炭化珪素、アラミド繊維、セラミック繊
維、金属繊維、窒化珪素、硫酸バリウム、硫酸カルシウ
ム、カオリン、クレ−、ベントナイト、セリサイト、ゼ
オライト、マイカ、雲母、タルク、ウオ ラストナイト、
PMF、フェライト、珪酸カルシウム、珪酸アルミニウ
ム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ドロマイト、
三酸化アンチモン、アルミナ、酸化マグネシウム、水酸
化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化鉄、石
膏、石英、シリカ、石英ガラス、ミルドガラス、ガラス
パウダ−、ガラスビ−ズ、ガラスバル−ン等がある。
図る上で各種の強化材、充填剤を添加することが出来
る。本発明で用いることが出来る強化材、充填材として
は、ガラス繊維、炭素繊維、チタン酸カルシウム、チタ
ン酸カリウム、炭化珪素、アラミド繊維、セラミック繊
維、金属繊維、窒化珪素、硫酸バリウム、硫酸カルシウ
ム、カオリン、クレ−、ベントナイト、セリサイト、ゼ
オライト、マイカ、雲母、タルク、ウオ ラストナイト、
PMF、フェライト、珪酸カルシウム、珪酸アルミニウ
ム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ドロマイト、
三酸化アンチモン、アルミナ、酸化マグネシウム、水酸
化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化鉄、石
膏、石英、シリカ、石英ガラス、ミルドガラス、ガラス
パウダ−、ガラスビ−ズ、ガラスバル−ン等がある。
【0041】さらに本発明の組成物には、黒鉛、二硫化
モリブデン、ポリテトラフルオロエチレン等の潤滑剤及
びその安定化剤を含むことが出来る。又、本発明の組成
物は、本発明の目的を損なわない範囲で、酸化防止剤、
熱安定剤、防錆剤、離型剤、紫外線吸収剤、滑剤、結晶
核剤、着色剤、シランカップリング剤等を添加すること
に依って制約を受けない。
モリブデン、ポリテトラフルオロエチレン等の潤滑剤及
びその安定化剤を含むことが出来る。又、本発明の組成
物は、本発明の目的を損なわない範囲で、酸化防止剤、
熱安定剤、防錆剤、離型剤、紫外線吸収剤、滑剤、結晶
核剤、着色剤、シランカップリング剤等を添加すること
に依って制約を受けない。
【0042】さらに本発明の組成物には、本発明の目的
を損なわない範囲で熱硬化性樹脂、及び他の熱可塑性樹
脂、例えばエポキシ樹脂、シリコ−ン樹脂、ポリイミ
ド、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、A
BS樹脂、アクリル系樹脂、ポリフェニレンエ−テル、
ポリアミド、ポリカ−ボネ−ト、ポリサルフォン、ポリ
エ−テルサルフォン、ポリアリレ−ト、ポリアセタ−
ル、ポリエ−テルケトン、ポリエ−テルエ−テルケト
ン、ポリブチレンテレフタレ−ト、ポリエチレンテレフ
タレ−ト、液晶ポリマ−、ポリアミドイミド、ポリエ−
テルイミド、などの単独重合体、またはこれらの共重合
体を1種類以上ブレンドする事が出来る。
を損なわない範囲で熱硬化性樹脂、及び他の熱可塑性樹
脂、例えばエポキシ樹脂、シリコ−ン樹脂、ポリイミ
ド、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、A
BS樹脂、アクリル系樹脂、ポリフェニレンエ−テル、
ポリアミド、ポリカ−ボネ−ト、ポリサルフォン、ポリ
エ−テルサルフォン、ポリアリレ−ト、ポリアセタ−
ル、ポリエ−テルケトン、ポリエ−テルエ−テルケト
ン、ポリブチレンテレフタレ−ト、ポリエチレンテレフ
タレ−ト、液晶ポリマ−、ポリアミドイミド、ポリエ−
テルイミド、などの単独重合体、またはこれらの共重合
体を1種類以上ブレンドする事が出来る。
【0043】本発明の組成物は、種々の公知の方法で調
製することが出来る。例えば、PAS樹脂と本発明にお
いて添加せるメラミンシアヌレ−トをあらかじめヘンシ
ェルミキサ−またはタンブラ−等で混合の後、1軸また
は2軸押出混練機などに供給して260〜360℃で溶
融混練し、造粒することにより得ることが出来る。又混
合に際し必要に応じて他の強化材、充填剤や各種添加剤
を添加してもよい。
製することが出来る。例えば、PAS樹脂と本発明にお
いて添加せるメラミンシアヌレ−トをあらかじめヘンシ
ェルミキサ−またはタンブラ−等で混合の後、1軸また
は2軸押出混練機などに供給して260〜360℃で溶
融混練し、造粒することにより得ることが出来る。又混
合に際し必要に応じて他の強化材、充填剤や各種添加剤
を添加してもよい。
【0044】本発明のPAS樹脂組成物は、PAS樹脂
とセラミック、金属、プラスチック等の各種材料との優
れた接着剤接合性が要求される分野や、PAS樹脂から
成る例えばケ−シング部品をシリコ−ン樹脂、エポキシ
樹脂等にてポッティング(封入)する場合の高度のポッ
ティング材密着性が必要となる用途に広く適用されるも
のであるが、電気・電子部品、機械部品、自動車電装部
品などの各種用途、特にパワ−モジュ−ルケ−シング、
点火系自動車制御部品、各種センサ−ケ−シング等の工
業材料として有用である。
とセラミック、金属、プラスチック等の各種材料との優
れた接着剤接合性が要求される分野や、PAS樹脂から
成る例えばケ−シング部品をシリコ−ン樹脂、エポキシ
樹脂等にてポッティング(封入)する場合の高度のポッ
ティング材密着性が必要となる用途に広く適用されるも
のであるが、電気・電子部品、機械部品、自動車電装部
品などの各種用途、特にパワ−モジュ−ルケ−シング、
点火系自動車制御部品、各種センサ−ケ−シング等の工
業材料として有用である。
【0045】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を更に説明す
る。例中の部は、重量部を示す。 参考例1(PPS−1の製造) 攪拌機付の5lのオ−トクレ−ブにN−メチルピロリド
ン 1993部と硫化ナトリウム2.7水塩 537部
(4.1モル)、水酸化ナトリウム 1.6部(0.0
4モル)および酢酸ナトリウム 144部(1.0モ
ル)とを仕込み、窒素雰囲気下に200℃まで約2時間
かけて攪拌しながら徐々に昇温させて102mlの水を
留出させた。
る。例中の部は、重量部を示す。 参考例1(PPS−1の製造) 攪拌機付の5lのオ−トクレ−ブにN−メチルピロリド
ン 1993部と硫化ナトリウム2.7水塩 537部
(4.1モル)、水酸化ナトリウム 1.6部(0.0
4モル)および酢酸ナトリウム 144部(1.0モ
ル)とを仕込み、窒素雰囲気下に200℃まで約2時間
かけて攪拌しながら徐々に昇温させて102mlの水を
留出させた。
【0046】次いで、反応系を150℃に冷却したのち
p−ジクロルベンゼン 603部(4.1モル)と1,
2,4−トリクロルベンゼン 1.8部(0.01モ
ル)およびN−メチルピロリドン 310部を加え、2
30℃で2時間、さらに260℃で3時間反応させた
が、この間、重合反応終了時の内圧は9.0Kg/cm
2であった。
p−ジクロルベンゼン 603部(4.1モル)と1,
2,4−トリクロルベンゼン 1.8部(0.01モ
ル)およびN−メチルピロリドン 310部を加え、2
30℃で2時間、さらに260℃で3時間反応させた
が、この間、重合反応終了時の内圧は9.0Kg/cm
2であった。
【0047】しかるのち、オ−トクレ−ブを冷却して内
容物を濾別し、次いでケ−キを熱水で3回洗浄し、さら
にアセトンで2回洗浄してから120℃で乾燥せしめ
て、394部の淡灰褐色をした粒状のPPSを得た(収
率=89%)。
容物を濾別し、次いでケ−キを熱水で3回洗浄し、さら
にアセトンで2回洗浄してから120℃で乾燥せしめ
て、394部の淡灰褐色をした粒状のPPSを得た(収
率=89%)。
【0048】ここに得られたPPSは固有粘度〔η〕
0.20、メルトフロ−レ−ト550g/10分、全ナ
トリウム含有量;80ppmであった。これをPPS−
1 と称す。
0.20、メルトフロ−レ−ト550g/10分、全ナ
トリウム含有量;80ppmであった。これをPPS−
1 と称す。
【0049】尚、PPSの対数粘度〔η〕は、PPSの
α−メチルクロルナフタレン溶液(PPS濃度0.4g
/100ml)の206℃(400°F)における相対
粘度値を測定し、次式により算出したものである。 〔η〕=ln(相対粘度値)/PPS濃度
α−メチルクロルナフタレン溶液(PPS濃度0.4g
/100ml)の206℃(400°F)における相対
粘度値を測定し、次式により算出したものである。 〔η〕=ln(相対粘度値)/PPS濃度
【0050】参考例2(PPS−2の製造) 50lスケ−ルのオ−トクレ−ブにN−メチルピロリド
ンをモル比で70、硫化ナトリウム9水塩を0.99、
安息香酸ナトリウムを0.60、水酸化ナトリウムを
0.15モルの比で仕込み(50モルスケ−ル)、窒素
気流中で210℃まで昇温し脱水率110%まで脱水を
行なった。系を160℃まで冷却後p−ジクロルベンゼ
ンをモル比1.0で仕込み、封をした後窒素で内圧を
2.5Kg/cm2まで加圧した。重合による発熱を考
慮しながら温度コントロ−ルを行なって270℃まで昇
温し5時間攪拌下に重合を行なった。内圧は17Kg/
cm2に上昇していた。
ンをモル比で70、硫化ナトリウム9水塩を0.99、
安息香酸ナトリウムを0.60、水酸化ナトリウムを
0.15モルの比で仕込み(50モルスケ−ル)、窒素
気流中で210℃まで昇温し脱水率110%まで脱水を
行なった。系を160℃まで冷却後p−ジクロルベンゼ
ンをモル比1.0で仕込み、封をした後窒素で内圧を
2.5Kg/cm2まで加圧した。重合による発熱を考
慮しながら温度コントロ−ルを行なって270℃まで昇
温し5時間攪拌下に重合を行なった。内圧は17Kg/
cm2に上昇していた。
【0051】次に系を冷却後放圧し、内容物を大量の水
中へ注ぎフレ−ク状のポリマ−を回収した。ポリマ−は
熱水とアセトンによる洗浄をくり返した後、100℃に
加熱したN−メチルピロリドン中に投入して約30分間
攪拌し、続いて約90℃のイオン交換水で洗浄した。こ
のPPSは、最終的に70%の収率で白色フレ−ク状で
あった。この白色フレ−ク状のPPSポリマ−(固有粘
度〔η〕0.19、メルトフロ−レ−ト1200g/1
0分)をリボンブレンダ−に投入し、250℃で空気を
吹き込みながら攪拌して、5時間熱処理し、架橋せしめ
て最終的に固有粘度〔η〕0.30、メルトフロ−レ−
ト200g/10分、全ナトリウム含有量;180pp
mのPPSポリマ−を得た。これをPPS−2と称す。
中へ注ぎフレ−ク状のポリマ−を回収した。ポリマ−は
熱水とアセトンによる洗浄をくり返した後、100℃に
加熱したN−メチルピロリドン中に投入して約30分間
攪拌し、続いて約90℃のイオン交換水で洗浄した。こ
のPPSは、最終的に70%の収率で白色フレ−ク状で
あった。この白色フレ−ク状のPPSポリマ−(固有粘
度〔η〕0.19、メルトフロ−レ−ト1200g/1
0分)をリボンブレンダ−に投入し、250℃で空気を
吹き込みながら攪拌して、5時間熱処理し、架橋せしめ
て最終的に固有粘度〔η〕0.30、メルトフロ−レ−
ト200g/10分、全ナトリウム含有量;180pp
mのPPSポリマ−を得た。これをPPS−2と称す。
【0052】参考例3(CPPSの製造) 2LオートクレーブにNMP540g、純度73重量%
の水硫化ナトリウム(NaSH)139.2g、水酸化
ナトリウムを72gを仕込、窒素雰囲気下で200℃ま
で昇温することによって、水−NMP混合物を留去し
た。更に、この系にp−ジクロロベンゼン264.6g
をNMP200gに溶かした溶液を添加し、220℃で
5時間、更に240℃で1時間窒素雰囲気下で反応させ
た。この反応溶媒Aを80℃まで冷却し、2,4−ジク
ロロ安息香酸38.2g、NaSHを15.5g、水酸
化ナトリウム16.0g及びNMP80gを添加し、2
20℃で5時間、240℃で1時間窒素雰囲気下で反応
させた。反応生成物を熱水とメタノール及びアセトンで
洗浄し、乾燥させブロック共重合体タイプのCPPSを
得た。赤外線吸収スペクトルを測定したところ、170
0及び3000カイザーにカルボキシル基のものと見ら
れる吸収スペクトルが観測され、元素分析より求めた全
フェニレンスルフィドユニットに対するカルボキシル基
を有するフェニレンスルフィドの含有量は6.0モル%
であった。又、DSCで測定した融点は275℃であ
り、メルトフロ−レ−ト;1000g/10分であっ
た。
の水硫化ナトリウム(NaSH)139.2g、水酸化
ナトリウムを72gを仕込、窒素雰囲気下で200℃ま
で昇温することによって、水−NMP混合物を留去し
た。更に、この系にp−ジクロロベンゼン264.6g
をNMP200gに溶かした溶液を添加し、220℃で
5時間、更に240℃で1時間窒素雰囲気下で反応させ
た。この反応溶媒Aを80℃まで冷却し、2,4−ジク
ロロ安息香酸38.2g、NaSHを15.5g、水酸
化ナトリウム16.0g及びNMP80gを添加し、2
20℃で5時間、240℃で1時間窒素雰囲気下で反応
させた。反応生成物を熱水とメタノール及びアセトンで
洗浄し、乾燥させブロック共重合体タイプのCPPSを
得た。赤外線吸収スペクトルを測定したところ、170
0及び3000カイザーにカルボキシル基のものと見ら
れる吸収スペクトルが観測され、元素分析より求めた全
フェニレンスルフィドユニットに対するカルボキシル基
を有するフェニレンスルフィドの含有量は6.0モル%
であった。又、DSCで測定した融点は275℃であ
り、メルトフロ−レ−ト;1000g/10分であっ
た。
【0053】「実施例1〜5及び比較例1〜5」参考例
で合成したPPS樹脂を用い、表に示す原料を表中の割
合で均一に混合した後、35mmφの二軸押出機にて3
20℃で溶融混練しペレットを得た。また、このペレッ
トを用いインラインスクリュ−式の射出成形機により、
シリンダ−温度320℃、金型温度150℃、射出圧力
1000kgf/cm2、射出スピ−ド中速にて、接着
剤接着強度、ポッティング材密着性評価用各試験片を成
形し、両特性を評価した。
で合成したPPS樹脂を用い、表に示す原料を表中の割
合で均一に混合した後、35mmφの二軸押出機にて3
20℃で溶融混練しペレットを得た。また、このペレッ
トを用いインラインスクリュ−式の射出成形機により、
シリンダ−温度320℃、金型温度150℃、射出圧力
1000kgf/cm2、射出スピ−ド中速にて、接着
剤接着強度、ポッティング材密着性評価用各試験片を成
形し、両特性を評価した。
【0054】尚、接着剤接着強度及びポッティング材密
着性は、以下の方法に基づいて評価した。 <接着剤接着強度> a)試片;25mm(w)×80mm(l)×3mm
(t) b)接着面積;25mm×26mm…上記PAS樹脂試
片2枚1組で接着剤により接合 c)接着強度測定様式;引張りせん断強度 d)接着剤及び硬化条件 シリコ−ン系接着剤 加熱硬化型二液タイプ;KE−1800TA/TB=5
0/50(信越シリコ−ン製) 試片トルエンにて脱脂の後、150℃/1時間加熱硬化 エポキシ系接着剤 アミン硬化型二液タイプ;エピクロン850/ラッカマ
イドEA631=40/60(大日本インキ化学工業
(株)製) 試片トルエンにて脱脂の後、150℃/1時間加熱硬化
着性は、以下の方法に基づいて評価した。 <接着剤接着強度> a)試片;25mm(w)×80mm(l)×3mm
(t) b)接着面積;25mm×26mm…上記PAS樹脂試
片2枚1組で接着剤により接合 c)接着強度測定様式;引張りせん断強度 d)接着剤及び硬化条件 シリコ−ン系接着剤 加熱硬化型二液タイプ;KE−1800TA/TB=5
0/50(信越シリコ−ン製) 試片トルエンにて脱脂の後、150℃/1時間加熱硬化 エポキシ系接着剤 アミン硬化型二液タイプ;エピクロン850/ラッカマ
イドEA631=40/60(大日本インキ化学工業
(株)製) 試片トルエンにて脱脂の後、150℃/1時間加熱硬化
【0055】<ポッティング(封入)材密着性> a)試片;図1に示す箱型成形品 b)ポッティング材;エピクロン850(大日本インキ
化学工業(株)製)/無水ヘキサヒドロフタル酸/シリ
カ シリカ充填率:50重量%、主材(シリカ入り)/無水
ヘキサヒドロフタル酸=100/27 c)硬化条件 主材と無水ヘキサヒドロフタル酸とを、所定の比率で6
5℃温浴中均一に混合後、上記箱型成形品内へ注入し、
85℃/3時間加熱に続き150℃/3時間加熱して硬
化後、徐冷する。 d)密着性の評価 硬化/徐冷直後の箱型成形品(PAS樹脂)〜ポッティ
ング材界面の密着状態(「初期」)と、−30℃/30
分〜130℃/30分のヒ−トサイクル;100サイク
ル後の界面密着状態(「ヒ−トサイクル後」)を目視に
より確認した。この結果を下記の表に示す。
化学工業(株)製)/無水ヘキサヒドロフタル酸/シリ
カ シリカ充填率:50重量%、主材(シリカ入り)/無水
ヘキサヒドロフタル酸=100/27 c)硬化条件 主材と無水ヘキサヒドロフタル酸とを、所定の比率で6
5℃温浴中均一に混合後、上記箱型成形品内へ注入し、
85℃/3時間加熱に続き150℃/3時間加熱して硬
化後、徐冷する。 d)密着性の評価 硬化/徐冷直後の箱型成形品(PAS樹脂)〜ポッティ
ング材界面の密着状態(「初期」)と、−30℃/30
分〜130℃/30分のヒ−トサイクル;100サイク
ル後の界面密着状態(「ヒ−トサイクル後」)を目視に
より確認した。この結果を下記の表に示す。
【0056】また、下表1〜表4において、使用した原
料は以下の通りである。 1)PPS樹脂…参考例にて製造したもの 2)カルボキシル基含有PPS…参考例にて製造したも
の 3)ガラス繊維…13μm径/3mm長さチョップドス
トランド 4)炭酸カルシウム…重質炭酸カルシウム、平均粒径6
μm 3)添加化合物 アミノシラン処理メラミンシアヌレ−ト;メラミンシア
ヌレ−ト100重量部に対し、γ−アミノプロピルトリ
エトキシシラン3重量部を添加し、ヘンシェルミキサ−
により表面処理。
料は以下の通りである。 1)PPS樹脂…参考例にて製造したもの 2)カルボキシル基含有PPS…参考例にて製造したも
の 3)ガラス繊維…13μm径/3mm長さチョップドス
トランド 4)炭酸カルシウム…重質炭酸カルシウム、平均粒径6
μm 3)添加化合物 アミノシラン処理メラミンシアヌレ−ト;メラミンシア
ヌレ−ト100重量部に対し、γ−アミノプロピルトリ
エトキシシラン3重量部を添加し、ヘンシェルミキサ−
により表面処理。
【0057】エポキシ樹脂「N−673」;クレゾ−ル
ノボラック型エポキシ樹脂、大日本インキ化学工業
(株)製
ノボラック型エポキシ樹脂、大日本インキ化学工業
(株)製
【0058】
【表1】
【0059】
【表2】
【0060】
【表3】
【0061】
【表4】
【0062】
【発明の効果】本発明のPAS樹脂組成物によれば、各
種接着剤に対する接合性やシリコーン樹脂、エポキシ樹
脂等のポッティング材に対する密着性が著しく改良され
る。
種接着剤に対する接合性やシリコーン樹脂、エポキシ樹
脂等のポッティング材に対する密着性が著しく改良され
る。
【図1】第1図は、本発明の実施例及び比較例の<ポッ
ティング材密着性>評価のための箱型成形品の形状を示
す。尚、図中の数値は、寸法(単位;mm)を表す。
ティング材密着性>評価のための箱型成形品の形状を示
す。尚、図中の数値は、寸法(単位;mm)を表す。
Claims (5)
- 【請求項1】 ポリアリ−レンサルファイド樹脂とメラ
ミンシアヌレ−トとを含有することを特徴とするポリア
リーレンサルファイド樹脂組成物。 - 【請求項2】 メラミンシアヌレ−トが、シランカップ
リング剤により表面処理されたものである請求項1記載
の樹脂組成物。 - 【請求項3】 更に、カルボキシル基含有ポリアリ−レ
ンサルファイド系樹脂を含有することを特徴とする請求
項1または2記載の樹脂組成物。 - 【請求項4】 ポリアリーレンサルファイド樹脂がポリ
フェニレンサルファイド樹脂である請求項1、2または
3記載の組成物。 - 【請求項5】 メラミンシアヌレ−トの含有量が、ポリ
アリーレンサルファイド樹脂100重量部に対して0.
01〜20重量部である請求項1記載の樹脂組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15881493A JPH0711137A (ja) | 1993-06-29 | 1993-06-29 | ポリアリーレンサルファイド樹脂組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15881493A JPH0711137A (ja) | 1993-06-29 | 1993-06-29 | ポリアリーレンサルファイド樹脂組成物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0711137A true JPH0711137A (ja) | 1995-01-13 |
Family
ID=15679950
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP15881493A Pending JPH0711137A (ja) | 1993-06-29 | 1993-06-29 | ポリアリーレンサルファイド樹脂組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0711137A (ja) |
-
1993
- 1993-06-29 JP JP15881493A patent/JPH0711137A/ja active Pending
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