JPH09151321A - ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物 - Google Patents
ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物Info
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- JPH09151321A JPH09151321A JP33122695A JP33122695A JPH09151321A JP H09151321 A JPH09151321 A JP H09151321A JP 33122695 A JP33122695 A JP 33122695A JP 33122695 A JP33122695 A JP 33122695A JP H09151321 A JPH09151321 A JP H09151321A
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Abstract
時における増粘が小さく流動性に富むポリアリーレンス
ルフィド樹脂組成物を提供する。 【解決手段】 (A)溶融粘度V6 が40〜200ポイ
ズであるポリアリーレンスルフィド(イ)を、気相酸化
性雰囲気下で加熱処理して得られる、溶融粘度V6 が8
00〜5000ポイズであり、かつ非ニュートン指数N
が1.40〜2.00であるポリアリーレンスルフィド
100重量部、及び(B)ゼオライト0.01〜15重
量部を含む樹脂組成物。
Description
ルフィド樹脂組成物に関する。
部品、あるいは化学機器部品用等の材料として、高い耐
熱性を有し、かつ耐化学薬品性を有する熱可塑性樹脂が
要求されてきている。ポリフェニレンスルフィド(以下
ではPPSと略すことがある)に代表されるポリアリー
レンスルフィド(以下ではPASと略すことがある)が
この要求に応える樹脂の一つとして、近年注目されてき
ている。しかし、該樹脂は溶融流動性が高すぎるため、
成形時にバリが発生し易いという問題を有していた。
量化し溶融粘度を高める試みがなされた。該熱酸化架橋
PASは、非ニュートン性が高く、かかる観点からは射
出成形に適していると思われる。しかし、該PASは、
架橋度が高いために、溶融混練時のラジカル発生量が多
く、著しく増粘して流動性の制御が困難であった。ま
た、該PASは比較的脆く、強度的に十分であるとは言
えなかった。
に、重合のみによって高分子量PASを製造するための
種々の改善された方法が提案されている。
記載の、イオウ供給源、p‐ジハロベンゼン、有機アミ
ド、塩基及びアルカリ金属カルボン酸塩を接触させて組
成物を形成し、該組成物を重合条件に維持して重合体を
生成する方法、あるいは特開昭61‐7332号公報に
記載の、有機アミド溶媒中でアルカリ金属硫化物とジハ
ロ芳香族化合物とを反応させてPASを製造するに際し
て、第1段階ではアルカリ金属硫化物1モル当り0.5
〜2.4モルの水の存在下で180〜235℃で反応さ
せて、ジハロ芳香族化合物の転化率50〜98モル%で
溶融粘度5〜300ポイズのPASを生成させ、第2段
階では水を追加して2.5〜7.0モルの水の存在下で
245〜290℃で反応させる方法等が知られている。
しかし、これらの高分子量PASは、実質的に線状の分
子構造を有しており、ニュートン流体に近いためバリ特
性に劣るものであった。また、製造面においてもコスト
高となり、この面でも著しく不利であった。
286746号公報には、高温下又は高エネルギー下に
おいて、分子量あるいは溶融粘度の変化が少なく安定性
に富んだPPS組成物として、PPSに安定化剤として
所定構造の含イオウ化合物を含むものが記載されてい
る。しかし、これら組成物においても、粘度の制御は十
分とは言えず、バリ発生を十分に押さえることができな
かった。
を主成分とし、これにゼオライトが添加されてなる樹脂
組成物が開示されている。該公報において、架橋構造を
持つPPSを用い得ることが記載されてはいるが、その
ようなPPSを用いた具体的な開示はなく、本発明のP
ASを想到し得るものではない。また、該樹脂組成物
は、金属部の腐食を低減することを目的としている。特
開平6‐57137号公報には、PAS及びゼオライト
から成る樹脂組成物が開示されている。しかし、該樹脂
組成物は、結晶化速度を速め成形サイクルを短縮化する
ことを目的とするものである。該公報中、酸素存在下加
熱により架橋/高分子量化したPASを用い得ることが
記載されており、実施例においては、熱酸化架橋PAS
として東レ‐フィリップス・ペトロリアム社製L212
0を用いている。しかし、該PASは、架橋度が低く非
ニュートン指数Nが小さいため、成形品のバリ低減を図
ることができない。
項1及び19に、硬化前に事実上線状であるPASを硬
化したPAS、ガラス繊維、結晶性ゼオライト及びオル
ガノシロキサンを夫々所定量含む成形材料が開示されて
いる。しかし、請求項1記載のPASは、硬化前の溶融
流量が約1000以下であり、これを溶融粘度V6 で現
すと250ポイズ以上となる。従って、本発明の硬化前
のPAS(イ)のV640〜200ポイズより大きい。
また、請求項19記載のPASは、硬化後の溶融流量が
約750〜950の範囲であり、これを溶融粘度V6 で
現すと270〜350ポイズとなる。従って、本発明の
硬化後のPAS(A)のV6 800〜5000ポイズよ
り小さい。このように該公報記載のPASは、いずれも
本発明のPASと異なる。更に、いずれのPASも架橋
度が低く非ニュートン指数Nが小さいため、成形品のバ
リ低減を図ることができない。また、該成形材料は、成
形サイクル時間を短縮することを目的としている。
リ発生量が少なく、かつ溶融混練時における増粘が小さ
く流動性に富むポリアリーレンスルフィド樹脂組成物を
提供することを目的とする。
量を低減するために、低分子量PASを熱酸化架橋する
と、得られた熱酸化架橋PASは、溶融混練時に著しく
増粘し、流動性の制御が困難になるという欠点があっ
た。本発明者らは、上記欠点は溶融混練時におけるラジ
カルの発生が大きく関与しているであろうと予測して種
々検討を試みた。その結果、下記所定の溶融粘度V6 を
持つPASを気相酸化性雰囲気下で加熱処理して得た所
定の溶融粘度V6 及び非ニュートン指数Nを持つPAS
に所定量のゼオライトを配合すると、予期されざること
に、ゼオライトが溶融混練時に発生するラジカルを捕捉
してPASの増粘を防止して、該PASの持つ適切な溶
融粘度V6 及び非ニュートン指数Nを維持し、成形時の
バリ発生量が少なく、かつ成形性の良好なPAS樹脂組
成物を得ることができることを見出し、本発明を完成す
るに至った。
ポリアリーレンスルフィド(イ)を、気相酸化性雰囲気
下で加熱処理して得られる、溶融粘度V6 が800〜5
000ポイズであり、かつ非ニュートン指数Nが1.4
0〜2.00であるポリアリーレンスルフィド 100
重量部、及び(B)ゼオライト 0.01〜15重量部 を含む樹脂組成物である。
有するPASを用いること、及び該PASに所定量のゼ
オライトを配合することに特徴を有するものである。上
記の特性を持たないPASを用いても、また上記の特性
を有するPASだけを用いても、本発明の効果は発揮で
きない。
囲未満であって、増粘性が低いPASにゼオライトを添
加しても、かえって溶融粘度は上昇する。これは、ゼオ
ライトが正六面体に近い形態をしており、粘度測定装置
の壁面摩擦を増大させるためと考えられる。加工中の混
練機、成形機、金型内でも同様の現象を生じ、加工性の
低下を引き起すのである。また、非ニュートン指数Nが
小さいので、バリの発生が著しい。
が1000〜3500ポイズである上記(1)記載の樹
脂組成物、 (3)(A)ポリアリーレンスルフィドの非ニュートン
指数Nが1.45〜1.80である上記(1)又は
(2)記載の樹脂組成物、 (4)(B)ゼオライトを0.5〜5重量部含む上記
(1)〜(3)のいずれか一つに記載の樹脂組成物 を挙げることができる。
する成分(A)PASは、アリーレンスルフィド繰り返
し単位を有する公知のポリマーであり、特に好ましくは
PPSである。本発明においては、成分(A)熱酸化架
橋PASの溶融粘度V6 は、その上限が5000ポイ
ズ、好ましくは3500ポイズであり、下限が800ポ
イズ、好ましくは1000ポイズ、特に好ましくは15
00ポイズである。溶融粘度V6が上記下限未満では、
非ニュートン指数Nが本発明の範囲未満となり成形時に
おけるバリの発生が著しいと共に、引張強度、衝撃強度
等の機械的強度の低下を招く。上記範囲を超えては、成
形加工性が低下するため好ましくない。ここで、溶融粘
度V6 は、フローテスターを用いて300℃、荷重20
kgf/cm2 、L/D=10で6分間保持した後に測
定した粘度(ポイズ)である。
非ニュートン指数Nの下限が1.40、好ましくは1.
45、特に好ましくは1.50であり、上限が2.0
0、好ましくは1.80、特に好ましくは1.70であ
る。上記下限未満では、成形時におけるバリの発生が著
しい。上記上限を超えては、溶融成形時における増粘が
著しく成形加工性が低下する。ここで、上記非ニュート
ン指数Nは、キャピログラフを用いて300℃、L/D
=40の条件下で、剪断速度及び剪断応力を測定し、下
記式(I)を用いて算出した値である。N値が1に近い
ほどPASは線状に近い構造であり、N値が高いほど分
岐が進んだ構造であることを示す。
(ダイン/cm2 )、そしてKは定数を示す。] 上記の(A)PASは、下記の溶融粘度V6 を持つPA
S(イ)を気相酸化性雰囲気下で加熱処理することによ
り得られる。
が200ポイズ、好ましくは180ポイズ、特に好まし
くは150ポイズであり、下限が40ポイズ、好ましく
は50ポイズ、特に好ましくは60ポイズである。上記
下限未満では加熱処理して得られたPASの機械的強度
が低いため、更には、上記下限未満のV6 を持つPAS
はその収率が低いために実用性がない。上記上限を超え
ては加熱処理して得られたPASの非ニュートン指数N
が本発明の範囲にならない。
処理して(A)PASを得ることは、公知の方法により
行うことができる。加熱処理を行う温度は、好ましくは
100〜280℃、特に好ましくは170〜250℃で
ある。該温度が上記範囲未満では、加熱処理に要する時
間が増加し、上記範囲を越えては、溶融時の熱安定性が
悪い。熱酸化処理に要する時間は、上記の加熱温度ある
いは所望するPASの溶融粘度V6 及び非ニュートン指
数Nにより異なるが、好ましくは15〜120時間、特
に好ましくは25〜90時間である。該時間が、上記範
囲未満では所望するV6 及びNを持つPASが得られ
ず、上記範囲を越えては、処理したPAS中にミクロゲ
ルが増加し好ましくない。
素等又はこれらと任意の適当な不活性ガスとの混合物の
ような酸素含有ガスの気相酸化性雰囲気下で実施され
る。不活性ガスとしては、例えば水蒸気、窒素、二酸化
炭素等又はそれらの混合物が挙げられる。上記の酸素含
有ガス中の酸素の濃度は、好ましくは0.5〜50体積
%,特に好ましくは10〜25体積%である。該酸素濃
度が、上記範囲を越えてはラジカル発生量が増大し溶融
時の増粘が著しくなり、また色相が暗色化して好ましく
なく、上記範囲未満では、熱酸化速度が遅くなり好まし
くない。
式でもよく、公知の装置を使用することができる。例え
ば、攪拌機を備えた密閉容器中において、PASを酸素
含有ガスと接触させる装置等を挙げることができ、好ま
しくは、攪拌機を備えた流動層式熱酸化処理装置が使用
される。該装置を使用すると、槽内の温度分布を小さく
することができる。その結果、熱酸化を促進することが
できると共に、分子量の不均一化を防止することができ
る。
はない。例えば、ジハロ芳香族化合物とアルカリ金属硫
化物とを有機アミド溶媒中で反応させる方法(特公昭4
5‐3368号公報)等を使用し得る。
報に記載された、有機アミド系溶媒中でアルカリ金属硫
化物とジハロ芳香族化合物とを反応させてPASを製造
する方法において、反応中に反応缶の気相部分を冷却す
ることにより反応缶内の気相の一部を凝縮させ、これを
液相に還流せしめる方法を使用することができる。該方
法を使用することにより、比較的溶融粘度V6 の高いP
ASを製造することができ、従って、引張強度、衝撃強
度等の機械的強度の高い樹脂組成物を得ることができる
ため好ましい。
気圧差の故に、液相バルクに比較して水含有率が高い。
この水含有率の高い還流液は、反応溶液上部に水含有率
の高い層を形成する。その結果、残存のアルカリ金属硫
化物(例えばNa2 S)、ハロゲン化アルカリ金属(例
えばNaCl)、オリゴマー等が、その層に多く含有さ
れるようになる。従来法においては230℃以上の高温
下で、生成したPASとNa2 S等の原料及び副生成物
とが均一に混じりあった状態では、高分子量のPASが
得られないばかりでなく、せっかく生成したPASの解
重合も生じ、チオフェノールの副生成が認められる。し
かし、本発明では、反応缶の気相部分を積極的に冷却し
て、水分に富む還流液を多量に液相上部に戻してやるこ
とによって上記の不都合な現象が回避でき、反応を阻害
するような因子を真に効率良く除外でき、高分子量PA
Sを得ることができるものと思われる。但し、本発明は
上記現象による効果のみにより限定されるものではな
く、気相部分を冷却することによって生じる種々の影響
によって、高分子量のPASが得られるのである。
加することを要しない。しかし、水を添加することを全
く排除するものではない。但し、水を添加する操作を行
えば、この方法の利点のいくつかは失われる。従って、
好ましくは、重合反応系内の全水分量は反応の間中一定
である。
内部冷却でも可能であり、自体公知の冷却手段により行
える。たとえば、反応缶内の上部に設置した内部コイル
に冷媒体を流す方法、反応缶外部の上部に巻きつけた外
部コイルまたはジャケットに冷媒体を流す方法、反応缶
上部に設置したリフラックスコンデンサーを用いる方
法、反応缶外部の上部に水をかける又は気体(空気、窒
素等)を吹き付ける等の方法が考えられるが、結果的に
缶内の還流量を増大させる効果があるものならば、いず
れの方法を用いても良い。外気温度が比較的低いなら
(たとえば常温)、反応缶上部に従来備えられている保
温材を取外すことによって、適切な冷却を行うことも可
能である。外部冷却の場合、反応缶壁面で凝縮した水/
アミド系溶媒混合物は反応缶壁を伝わって液相中に入
る。従って、該水分に富む混合物は、液相上部に溜り、
そこの水分量を比較的高く保つ。内部冷却の場合には、
冷却面で凝縮した混合物が同様に冷却装置表面又は反応
缶壁を伝わって液相中に入る。
度に保たれ、あるいは所定の温度プロフィールに従って
コントロールされる。一定温度とする場合、 230〜275
℃の温度で 0.1〜20時間反応を行うことが好ましい。よ
り好ましくは、 240〜265 ℃の温度で1〜6時間であ
る。より高い分子量のPASを得るには、2段階以上の
反応温度プロフィールを用いることが好ましい。この2
段階操作を行う場合、第1段階は 195〜240 ℃の温度で
行うことが好ましい。温度が低いと反応速度が小さす
ぎ、実用的ではない。 240℃より高いと反応速度が速す
ぎて、十分に高分子量なPASが得られないのみなら
ず、副反応速度が著しく増大する。第1段階の終了は、
重合反応系内ジハロ芳香族化合物残存率が1モル%〜40
モル%、且つ分子量が 3,000〜20,000の範囲内の時点で
行うことが好ましい。より好ましくは、重合反応系内ジ
ハロ芳香族化合物残存率が2モル%〜15モル%、且つ分
子量が 5,000〜15,000の範囲である。残存率が40モル%
を越えると、第2段階の反応で解重合など副反応が生じ
やすく、一方、1モル%未満では、最終的に高分子量P
ASを得難い。その後昇温して、最終段階の反応は、反
応温度 240〜270 ℃の範囲で、1時間〜10時間行うこと
が好ましい。温度が低いと十分に高分子量化したPAS
を得ることができず、また 270℃より高い温度では解重
合等の副反応が生じやすくなり、安定的に高分子量物を
得難くなる。
気下で、アミド系溶媒中のアルカリ金属硫化物中の水分
量が所定の量となるよう、必要に応じて脱水または水添
加する。水分量は、好ましくは、アルカリ金属硫化物1
モル当り0.5 〜2.5 モル、特に0.8 〜1.2 モルとする。
2.5 モルを超えては、反応速度が小さくなり、しかも反
応終了後の濾液中にフェノール等の副生成物量が増大
し、重合度も上がらない。0.5 モル未満では、反応速度
が速すぎ、十分な高分子量の物を得ることができない。
1段反応の場合では、反応開始時から行うことが望まし
いが、少なくとも 250℃以下の昇温途中から行わなけれ
ばならない。多段階反応では、第1段階の反応から冷却
を行うことが望ましいが、遅くとも第1段階反応の終了
後の昇温途中から行うことが好ましい。冷却効果の度合
いは、通常反応缶内圧力が最も適した指標である。圧力
の絶対値については、反応缶の特性、攪拌状態、系内水
分量、ジハロ芳香族化合物とアルカリ金属硫化物とのモ
ル比等によって異なる。しかし、同一反応条件下で冷却
しない場合に比べて、反応缶圧力が低下すれば、還流液
量が増加して、反応溶液気液界面における温度が低下し
ていることを意味しており、その相対的な低下の度合い
が水分含有量の多い層と、そうでない層との分離の度合
いを示していると考えられる。そこで、冷却は反応缶内
圧が、冷却をしない場合と比較して低くなる程度に行う
のが好ましい。冷却の程度は、都度の使用する装置、運
転条件などに応じて、当業者が適宜設定できる。
S重合のために知られており、たとえばN‐メチルピロ
リドン、N,N‐ジメチルホルムアミド、N,N‐ジメ
チルアセトアミド、N‐メチルカプロラクタム等、及び
これらの混合物を使用でき、N‐メチルピロリドンが好
ましい。これらは全て、水よりも低い蒸気圧を持つ。ア
ルカリ金属硫化物も公知であり、たとえば、硫化リチウ
ム、硫化ナトリウム、硫化カリウム、硫化ルビジウム、
硫化セシウム及びこれらの混合物である。これらの水和
物及び水溶液であっても良い。又、これらにそれぞれ対
応する水硫化物及び水和物を、それぞれに対応する水酸
化物で中和して用いることができる。安価な硫化ナトリ
ウムが好ましい。
5‐3368号公報記載のものから選ぶことができる
が、好ましくはp‐ジクロロベンゼンである。又、少量
(20モル%以下)のジフェニルエーテル、ジフェニル
スルホン又はビフェニルのパラ、メタ又はオルトジハロ
物を1種類以上用いて共重合体を得ることができる。例
えば、m‐ジクロロベンゼン、o‐ジクロロベンゼン、
p,p´‐ジクロロジフェニルエーテル、m,p´‐ジ
クロロジフェニルエーテル、m,m´‐ジクロロジフェ
ニルエーテル、p,p´‐ジクロロジフェニルスルホ
ン、m,p´‐ジクロロジフェニルスルホン、m,m´
‐ジクロロジフェニルスルホン、p,p´‐ジクロロビ
フェニル、m,p´‐ジクロロビフェニル、m,m´‐
ジクロロビフェニルである。
ポリハロ芳香族化合物をジハロ芳香族化合物に対して好
ましくは5モル%以下の濃度で使用することもできる。
該ポリハロ芳香族化合物は、1分子に3個以上のハロゲ
ン置換基を有する化合物であり、例えば1,2,3‐ト
リクロロベンゼン、1,2,4‐トリクロロベンゼン、
1,3,5‐トリクロロベンゼン、1,3‐ジクロロ‐
5‐ブロモベンゼン、2,4,6‐トリクロロトルエ
ン、1,2,3,5‐テトラブロモベンゼン、ヘキサク
ロロベンゼン、1,3,5‐トリクロロ‐2,4,6‐
トリメチルベンゼン、2,2´,4,4´‐テトラクロ
ロビフェニル、2,2´,6,6´‐テトラブロモ‐
3,3´,5,5´‐テトラメチルビフェニル、1,
2,3,4‐テトラクロロナフタレン、1,2,4‐ト
リブロモ‐6‐メチルナフタレン等及びそれらの混合物
が挙げられ、1,2,4‐トリクロロベンゼン、1,
3,5‐トリクロロベンゼンが好ましい。
剤、修飾剤としてのモノハロ化物を併用することもでき
る。
にとって公知の後処理法によって副生物から分離するこ
とができる。
イ酸塩であり、下記の一般式で示される公知の物質であ
る。
iO2 ・ mH2 O ここで、MI は1価の金属、例えばLi、Na、K等の
アルカリ金属、あるいはアンモニウム、アルキルアンモ
ニウム、ピリジニウム、アニリニウム、水素イオン等を
示し、MIIは2価の金属、例えばCa、Mg、Ba、S
r等のアルカリ土類金属を示す。MI とMIIは、一方若
しくは両方存在してよい。好ましくはMIIがCaであ
り、MI が実質上存在しない。
は天然または合成品の何れのゼオライトも使用可能であ
る。天然ゼオライトとしては、例えば、ホウふっ石、ワ
イラカイト、ソーダふっ石、メソふっ石、トムソンふっ
石、ゴナルドふっ石、スコレふっ石、エジングトふっ
石、ギスモンふっ石、ダクふっ石、モルデンふっ石、ニ
ガワラふっ石、エリオナイト、アシュクロフティン、キ
ふっ石、クリノプチロライト、タバふっ石、ハクふっ
石、ダキアルドふっ石、カイジュウジふっ石、ジュウジ
ふっ石、グメリンふっ石、リョウふっ石、フォージャサ
イト等を挙げることができる。合成ゼオライトとして
は、例えば、A型、X型、Y型、L型、モルデナイト、
チャバサイト等を挙げることができる。上記ゼオライト
中、好ましくは合成ゼオライトが用いられる。合成ゼオ
ライトとしては、市販のものを使用することができ、例
えば、CS‐100、CS‐100S(いずれも商標、
株式会社耕正製)、AMT‐25(商標、水澤化学工業
株式会社製)、ミズカライザーES(商標、水澤化学工
業株式会社製)等が挙げられる。
ましく、平均粒径の上限が好ましくは3μm、より好ま
しくは2.5μm、特に好ましくは2μmである。下限
は特に限定されないが、好ましくは0.1μmである。
上記上限を超えると樹脂組成物の流動性の低下や成形品
の引張強度、衝撃強度の低下等をもたらすため好ましく
ない。ここで、平均粒径はコールターカウンター法によ
り求めた値(D50)である。また、該ゼオライト粒子
は、粒度分布において、好ましくは粒径が5μm以下の
粒子が90重量%以上であり、特に好ましくは粒径が3
μm以下の粒子が95重量%以上がよい。
(B)ゼオライトの配合比は、(A)100重量部に対
して、(B)の上限が15重量部、好ましくは5重量
部、特に好ましくは3重量部であり、下限が0.01重
量部、好ましくは0.5重量部、特に好ましくは1重量
部である。上記上限を超えては、バリ長の低減を図るこ
とができず、更には成形加工性の低下、及び引張強度、
衝撃強度等の機械的強度の低下をも招く。上記下限未満
では、バリ長の低減をも図ることができないと共に、溶
融成形時の増粘を押さえることができず、成形性が低下
し、更には、引張強度、衝撃強度等の機械的強度も高め
ることができない。
して無機充填剤を配合することができる。無機充填剤と
しては特に限定されないが、例えば粉末状/リン片状の
充填剤、繊維状充填剤などが使用できる。粉末状/リン
片状の充填剤としては、例えばシリカ、アルミナ、タル
ク、マイカ、カオリン、クレー、シリカアルミナ、酸化
チタン、炭酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、リン酸カ
ルシウム、硫酸カルシウム、酸化マグネシウム、リン酸
マグネシウム、窒化ケイ素、ガラス、ハイドロタルサイ
ト、酸化ジルコニウム、ガラスビーズ、カーボンブラッ
ク等が挙げられる。また、繊維状充填剤としては、例え
ばガラス繊維、アスベスト繊維、炭素繊維、シリカ繊
維、シリカ/アルミナ繊維、チタン酸カリ繊維、ポリア
ラミド繊維等が挙げられる。また、この他にZnOテト
ラポット、金属塩(例えば塩化亜鉛、硫酸鉛など)、酸
化物(例えば酸化鉄、二酸化モリブデンなど)、金属
(例えばアルミニウム、ステンレスなど)等の充填剤を
使用することもできる。これらを1種単独でまたは2種
以上組合せて使用できる。また、無機充填剤は、その表
面が、シランカップリング剤やチタネートカップリング
剤で処理してあってもよい。無機充填剤は、(A)10
0重量部に対して400重量部以下の量で、好ましくは
300重量部以下の量で使用される。無機充填剤の量が
上記値を超えると粘度変化が大きくなって成形不能とな
ることがある。また機械的強度を高めるためには、0.
01重量部以上配合するのが好ましい。
目的を損なわない範囲内で、PAS(A)以外のPA
S、例えば、非ニュートン指数Nが本発明の範囲未満で
あるところの実質的に線状構造を持つPASあるいは線
状構造により近いPAS等を配合することができる。
公知の添加剤及び充填剤、例えば酸化防止剤、紫外線吸
収剤、離型剤、熱安定剤、滑剤、着色剤等を配合するこ
とができる。
れない。例えば、上記の各成分を予めヘンシェルミキサ
ー等の混合機で混合後、押出機等の慣用の装置にて溶融
混練し、押出し、ペレット化することができる。
電気・電子機器部品、化学機器部品等の材料として使用
し得る。
明するが、本発明はこれら実施例により限定されるもの
ではない。
の際に用いたフローテスターは、島津製作所製フローテ
スターCFT‐500Cである。
ログラフは、東洋精機製作所製キャピログラフ1B P
‐Cである。
ダ(60.7重量%Na2 S)19.222kgとN‐
メチル‐2‐ピロリドン(以下ではNMPと略すことが
ある)45.0kgを仕込んだ。窒素気流下攪拌しなが
ら液温204℃まで昇温して、水4.600kgを留出
させた(残存する水分量は硫化ソーダ1モルあたり1.
08モル)。その後、オートクレーブを密閉して180
℃まで冷却し、p‐ジクロロベンゼン(以下ではp‐D
CBと略すことがある)23.135kg及びNMP1
8.0kgを仕込んだ。液温150℃で窒素ガスを用い
て1kg/cm2 Gまで加圧して昇温を開始した。液温
250℃になったところで昇温をやめ、そのまま3時間
攪拌して反応を進めた。
温水洗を繰り返し、120℃で約5時間熱風循環乾燥機
中で乾燥し、白色粉末状のPPSを得た。得られたPP
S(P‐01、PAS(イ)に相当する)の溶融粘度V
6 は100ポイズであった。
全て合成例1と同じく実施した。得られたPPS(P‐
02)の溶融粘度V6 は340ポイズであった。
間、熱酸化処理した。得られたPPS(P‐1、PAS
(A)に相当する)の溶融粘度V6 は2220ポイズで
あり、非ニュートン指数Nは1.62であった。
間、熱酸化処理した。得られたPPS(P‐2、PAS
(A)に相当する)の溶融粘度V6 は1150ポイズで
あり、非ニュートン指数Nは1.45であった。
間、熱酸化処理した。得られたPPS(PC‐1)の溶
融粘度V6 は2340ポイズであり、非ニュートン指数
Nは1.29であった。
間、熱酸化処理した。得られたPPS(PC‐2)の溶
融粘度V6 は6500ポイズであり、非ニュートン指数
Nは2.03であった。
間、熱酸化処理した。得られたPPS(PC‐3)の溶
融粘度V6 は710ポイズであり、非ニュートン指数N
は1.37であった。
し、p‐DCBの仕込量を22.426kgにした以外
は、全て合成例1と同じく実施した。得られたPPS
(PC‐4)の溶融粘度V6 は1300ポイズであり、
非ニュートン指数Nは、1.08であった。
で使用したゼオライト及びガラス繊維は下記の通りであ
る。 <ゼオライト> ・CS‐100、商標、株式会社耕正製(A型ゼオライ
トのNaをCaで置換したもの) <ガラス繊維> ・CS 3PE945S、商標、日東紡績株式会社製 各実施例及び比較例とも、各成分を表1に示す量(重量
部)で配合し、ヘンシェルミキサーを使用して5分間予
備混合して均一にした後、溶融粘度V6 及びラジカル発
生量の測定に供した。
生量は下記の方法により測定した。 <樹脂組成物の溶融粘度V6 >上記のPPSの溶融粘度
V6 の測定と同じく実施した。 <ラジカル発生量>Mn 2+を標準物質として、30℃か
ら300℃まで5℃/分で昇温し、次いで300℃で3
0分間保持した後に得られるESRスペクトルから求め
た値(spin/g)である。測定に用いたESRは、
日本電子製JES‐FE2XGである。
は、下記のようにして測定した。
(重量部)の各成分に、更にガラス繊維67重量部を加
えて、ヘンシェルミキサーを使用して5分間予備混合し
て均一にした後、20mmφの二軸異方向回転押出機を
用い、温度300℃、回転数400rpmで溶融混練し
てペレットを作成した。 <引張強度>上記のようにして得られたペレットを射出
成形機に供給し、シリンダー温度320℃、金型温度1
30℃でダンベル片を成形し、ASTM D638に準
拠して測定した。 <アイゾット衝撃強度>引張強度測定と同一の条件でダ
ンベル片を成形し、ASTM D256に準拠して測定
した。 <バリ長>引張強度測定と同一の条件で、ASTM4号
ダンベル片成形用金型を用いて試験片を作成し、該金型
においてゲートと反対側のガス抜き用の隙間(クリアラ
ンス20μm)に発生したバリ長を測定して評価した。
イトを本発明の範囲内において種々の量で配合したもの
である。ゼオライトを配合していない比較例1と比べ
て、いずれも成形品のバリ長は著しく短く、かつ引張強
度、衝撃強度は高かった。更に、組成物の溶融粘度V6
はより低く、良好な成形加工性を示した。一方、比較例
1では、増粘が著しくV6 は高く、成形加工性が悪かっ
た。また、本発明の範囲内でゼオライトの配合量を増加
すると、バリ長は短くなり、引張強度、衝撃強度は増加
する傾向にあった。ラジカル発生量は減少し、増粘が抑
制され、V6 は低下した。実施例4は、実施例2のPP
Sを、本発明の範囲内でV6及び非ニュートン指数Nの
より小さなPPSに代えたものである。成形品のバリ長
は多少長くなり、かつ引張強度、衝撃強度は多少低下し
たが本発明の効果を十分達成し得るものであった。更
に、組成物のV6 は低く、良好な成形加工性を示した。
また、ゼオライトを配合していない比較例2に比べて、
樹脂組成物の性状はいずれも著しく良好であった。
発明の範囲を超えており、かつ熱処理後のPPSのNが
本発明の範囲未満のPPSを使用したものであり、比較
例4は、このPPSに更にゼオライトを配合したもので
ある。いずれも成形品のバリ長が著しく長かった。比較
例5は、V6 及びNが共に本発明の範囲を超えるPPS
を用いたものである。ゼオライトを配合したにもかかわ
らず、増粘が激しく成形品を作ることができなかった。
比較例6は、V6 及びNが共に本発明の範囲未満のPP
Sを用いたものであり、比較例7は、このPPSに更に
ゼオライトを配合したものである。いずれも成形品のバ
リ長が著しく長かった。また、引張強度、衝撃強度も低
かった。比較例8は、熱酸化処理をせず、重合のみで製
造した高分子量の実質的に線状のPPSを使用したもの
であり、比較例9は、それに更にゼオライトを配合した
ものである。いずれも成形品のバリ長が著しく長かっ
た。比較例10は、本発明のPPSに本発明の範囲の量
を超えるゼオライトを配合したものである。成形品のバ
リ長が長くなると共に、引張強度、衝撃強度が低下し
た。また、組成物の増粘がかえって激しくなり成形加工
性が悪化した。
く、かつ溶融混練時における増粘が小さく流動性に富む
ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物を提供する。
Claims (4)
- 【請求項1】(A)溶融粘度V6 が40〜200ポイズ
であるポリアリーレンスルフィド(イ)を、気相酸化性
雰囲気下で加熱処理して得られる、溶融粘度V6 が80
0〜5000ポイズであり、かつ非ニュートン指数Nが
1.40〜2.00であるポリアリーレンスルフィド
100重量部、及び(B)ゼオライト 0.01〜15
重量部を含む樹脂組成物。 - 【請求項2】 (A)ポリアリーレンスルフィドの溶融
粘度V6 が1000〜3500ポイズである請求項1記
載の樹脂組成物。 - 【請求項3】 (A)ポリアリーレンスルフィドの非ニ
ュートン指数Nが1.45〜1.80である請求項1又
は2記載の樹脂組成物。 - 【請求項4】 (B)ゼオライトを0.5〜5重量部含
む請求項1〜3のいずれか一つに記載の樹脂組成物。
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JP33122695A JP3603431B2 (ja) | 1995-11-28 | 1995-11-28 | ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
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JPH09151321A true JPH09151321A (ja) | 1997-06-10 |
JP3603431B2 JP3603431B2 (ja) | 2004-12-22 |
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Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5891557A (ja) * | 1982-11-15 | 1983-05-31 | Mitsubishi Electric Corp | 磁気記録再生装置 |
JP2007119638A (ja) * | 2005-10-28 | 2007-05-17 | Chubu Electric Power Co Inc | ポリアリーレンスルフィド系成形材料及びpps系成形品 |
JP2013159656A (ja) * | 2012-02-02 | 2013-08-19 | Dic Corp | 架橋型ポリアリーレンスルフィド樹脂およびその製造方法 |
JP2014141615A (ja) * | 2013-01-25 | 2014-08-07 | Dic Corp | 架橋型ポリアリーレンスルフィドの製造方法 |
-
1995
- 1995-11-28 JP JP33122695A patent/JP3603431B2/ja not_active Expired - Fee Related
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