JP5540778B2 - 耐圧容器 - Google Patents

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Description

本発明は、高温時の疲労特性、衝撃性、ウエルド強さに優れた、扁平断面ガラス繊維を含有する樹脂組成物からなる耐圧容器に関する。
ポリフェニレンサルファイド樹脂は、引張、曲げの強度、弾性率などの機械的物性に優れ、しかも耐熱性、耐薬品性が良好であり電気電子部品、自動車用部品、建材部品、機械部品等に広く利用されている。中でもガラス繊維強化ポリフェニレンサルファイド樹脂は耐熱性、耐油性、強靭性、耐薬品性に優れた特徴を有し、携帯電話やパソコン筐体等の電子機器部品の素材として広く使用されている。
近年では、携帯電話やパソコン筐体等の成形品は薄肉化、小型化、軽量化が求められている。このため、製品筐体の成型材料に、高剛性、高靭性、さらに成形品の低ソリ性が不可欠とされている。これに対し、ポリフェニレンサルファイド樹脂に扁平断面ガラス繊維を混合する検討がなされてきた。特許文献1には樹脂組成物が剛性、靭性、寸法の低異方性、さらに表面外観に優れ、特許文献2には耐電圧性、電気絶縁性、耐熱性、伝熱性、流動性及び靭性に優れる電子部品用の樹脂組成物例が開示されている。特許文献3は、特許文献3には樹脂組成物が寸法安定性、低反り性、ひけ抑制に優れる電子部品や自動車機器用の樹脂組成物が記載されている。
軽量化、形状における自由度の観点から、特許文献4ではポリアミド樹脂に円形断面ガラス繊維を含む樹脂組成物製耐圧容器が提案されている。
特開平7−18186号公報 特開2008−285511号公報 特開2006−328291号公報 特開2004−196926号公報
例えばゲート部から流動末端までの長さが100mm以上の長尺物であるパイプ状の樹脂製耐圧容器に求められる特性には、樹脂の流動方向の補強効果に加えて、樹脂の流動直角方向の補強効果、成形時に発生するウエルド部の補強効果が求められる。特許文献1においては、偏平断面ガラス繊維を使用しているものの、粉末状態で使用することから充分な補強効果が得られず耐圧性に問題がある。また、特許文献2は偏平断面ガラス繊維と六方晶窒化硼素を合わせて使用するため優れた耐電圧性や伝熱性は得られるものの補強効果が不十分であるため耐圧容器には使用できない。一方、特許文献3ではPPS樹脂と偏平断面ガラス繊維からなる樹脂組成物が開示されており、樹脂の流動直角方向の補強効果は十分得られるもののウエルド部の強度には改善の余地がある。特許文献4に記載される円形断面ガラス繊維を含む樹脂組成物製耐圧容器では高温における耐圧性で改善の余地があり、且つナイロン樹脂は耐酸性に劣ることから酸成分を含有した液体または気体の貯蔵が制限される。また、特許文献4では、ナイロン樹脂とPPS樹脂を多層構造にすることで耐薬品性の改良を提案しているものの、ナイロン樹脂とPPS樹脂の層間の接着強度不足やピンチオフ部の強度不足で容器の耐圧性が低下するなどの問題がある。
特に自動車エンジンルーム内等の高温の環境で使用する場合、高温疲労特性が要求されるが、従来の技術では満足できるものは得られていなかった。
本発明は、かかる課題を解決するために鋭意検討した結果、次のような手段を採用するものである。
(1)ポリフェニレンサルファイド樹脂(A)100重量部に対して、扁平断面ガラス繊維(B)5〜120重量部を配合してなることを特徴とするポリフェニレンサルファイド樹脂組成物からなる耐圧容器。
(2)(1)の扁平断面ガラス繊維(B)の平均扁平率が2〜10のガラス繊維であることを特徴とする(1)記載の耐圧容器。
)前記ポリフェニレンサルファイド樹脂組成物が、ポリフェニレンサルファイド樹脂(A)100重量部に対して、エポキシ基、アミノ基、イソシアネート基、水酸基を有するシラン化合物を0.1〜5重量部配合してなることを特徴とする(1)または(2)記載の耐圧容器。
)前記ポリフェニレンサルファイド樹脂組成物が、ポリフェニレンサルファイド樹脂(A)100重量部に対して、熱可塑性エラストマー(D)1〜30重量部を配合してなることを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載の耐圧容器。
)ポリフェニレンサルファイド樹脂(A)のクロロホルム抽出量が1.8wt%以下であることを特徴とする(1)〜(4)のいずれか記載の耐圧容器。
(6)(4)の前記熱可塑性エラストマー(D)がポリオレフィン系熱可塑性エラストマー、ポリスチレン系エラストマー、ポリアミド系熱可塑性エラストマー、ポリウレタン系熱可塑性エラストマー、およびポリエステル系熱可塑性エラストマーから選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする(1)〜(5)のいずれか記載の耐圧容器。
(7)内部圧力が250kPa以上、温度が180℃〜230℃の環境で使用する(1)〜(6)のいずれか記載の耐圧容器。
本発明によれば、内部圧力が250kPa以上、温度が180℃〜230℃の範囲の使用環境において、疲労強度に優れるポリフェニレンサルファイド樹脂組成物からなる耐圧容器を提供することができる。
以下、本発明について詳しく述べる。
本発明は、ポリフェニレンサルファイド樹脂に扁平断面ガラスを配合した樹脂組成物が、高温時の疲労特性に優れるという特性により、高温で繰り返し圧力がかかる耐圧容器に適することを見いだしたものです。
(1)ポリフェニレンサルファイド(以下はPPSと略す)樹脂
本発明で用いられる(A)PPS樹脂は、下記構造式(I)で示される繰り返し単位を有する重合体であり、
Figure 0005540778
耐熱性の観点からは上記構造式で示される繰り返し単位を含む重合体を70モル%以上、更には90モル%以上含む重合体が好ましい。またPPS樹脂はその繰り返し単位の30モル%未満程度が、下記の構造を有する繰り返し単位等で構成されていてもよい。
Figure 0005540778
かかる構造を一部有するPPS共重合体は、融点が低くなるため、このような樹脂組成物は成形性の点で有利となる。
本発明で用いられる(A)PPS樹脂はクロロホルム抽出量が1.8wt%以下であることが好ましく、さらには1.0wt%以下であることが好ましい。
PPS樹脂はクロロホルム抽出量が1.8wt%以下のものを用いることで、より優れたウェルド強度を得ることができる。かかるクロロホルム抽出量が1.8wt%以下のPPS樹脂を得るには、後述する後処理工程で、有機溶剤洗浄する方法が好ましく用いられる。
なお本発明におけるクロロホルム抽出量は、ソックスレー抽出器を用い、PPSサンプル量約10g、クロロホルム200mlを用い5時間抽出し、その抽出液を50℃で乾燥し、得られた残さを仕込みPPSサンプル量で割り返し、100をかけてパーセンテージ表記としたものである。
本発明で用いられる(A)PPS樹脂の溶融粘度に特に制限はないが、より優れたウェルド強度と良流動性を両立させる観点からその溶融粘度は、100〜1000g/10分の範囲が好ましく、200〜800g/10分の範囲がより好ましい。また溶融粘度の異なる2種以上のポリフェニレンサルファイド樹脂を併用して用いてもよい。
なお、本発明における溶融粘度は、315℃、荷重5000gの条件下、東洋精機社製メルトインデクサーを用いて測定した値である。
以下に、本発明に用いる(A)PPS樹脂の製造方法について説明するが、上記構造のPPSが得られれば下記方法に限定されるものではもちろんない。
まず、製造方法において使用するポリハロゲン芳香族化合物、スルフィド化剤、重合溶媒、分子量調節剤、重合助剤および重合安定剤の内容について説明する。
[ポリハロゲン化芳香族化合物]
本発明で用いられるポリハロゲン化芳香族化合物とは、1分子中にハロゲン原子を2個以上有する化合物をいう。具体例としては、p−ジクロロベンゼン、m−ジクロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン、1,3.5−トリクロロベンゼン、1,2,4−トリクロロベンゼン、1,2,4,5−テトラクロロベンゼン、ヘキサクロロベンゼン、2,5−ジクロロトルエン、2,5−ジクロロ−p−キシレン、1,4−ジブロモベンゼン、1,4−ジヨードベンゼン、1−メトキシ−2,5−ジクロロベンゼンなどのポリハロゲン化芳香族化合物が挙げられ、好ましくはp−ジクロロベンゼンが用いられる。また、異なる2種以上のポリハロゲン化芳香族化合物を組み合わせて共重合体とすることも可能であるが、p−ジハロゲン化芳香族化合物を主要成分とすることが好ましい。
ポリハロゲン化芳香族化合物の使用量は、加工に適した粘度のPPS樹脂を得る点から、スルフィド化剤1モル当たり0.9から2.0モル、好ましくは0.95から1.5モル、更に好ましくは1.005から1.2モルの範囲が例示できる。
[スルフィド化剤]
本発明で用いられるスルフィド化剤としては、アルカリ金属硫化物、アルカリ金属水硫化物、および硫化水素が挙げられる。
アルカリ金属硫化物の具体例としては、例えば硫化リチウム、硫化ナトリウム、硫化カリウム、硫化ルビジウム、硫化セシウムおよびこれら2種以上の混合物を挙げることができ、なかでも硫化ナトリウムが好ましく用いられる。これらのアルカリ金属硫化物は、水和物または水性混合物として、あるいは無水物の形で用いることができる。
アルカリ金属水硫化物の具体例としては、例えば水硫化ナトリウム、水硫化カリウム、水硫化リチウム、水硫化ルビジウム、水硫化セシウムおよびこれら2種以上の混合物を挙げることができ、なかでも水硫化ナトリウムが好ましく用いられる。これらのアルカリ金属水硫化物は、水和物または水性混合物として、あるいは無水物の形で用いることができる。
また、アルカリ金属水硫化物とアルカリ金属水酸化物から、反応系においてin situで調製されるアルカリ金属硫化物も用いることができる。また、アルカリ金属水硫化物とアルカリ金属水酸化物からアルカリ金属硫化物を調整し、これを重合槽に移して用いることができる。
あるいは、水酸化リチウム、水酸化ナトリウムなどのアルカリ金属水酸化物と硫化水素から反応系においてin situで調製されるアルカリ金属硫化物も用いることができる。また、水酸化リチウム、水酸化ナトリウムなどのアルカリ金属水酸化物と硫化水素からアルカリ金属硫化物を調整し、これを重合槽に移して用いることができる。
本発明において、仕込みスルフィド化剤の量は、脱水操作などにより重合反応開始前にスルフィド化剤の一部損失が生じる場合には、実際の仕込み量から当該損失分を差し引いた残存量を意味するものとする。
なお、スルフィド化剤と共に、アルカリ金属水酸化物および/またはアルカリ土類金属水酸化物を併用することも可能である。アルカリ金属水酸化物の具体例としては、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、水酸化ルビジウム、水酸化セシウムおよびこれら2種以上の混合物を好ましいものとして挙げることができ、アルカリ土類金属水酸化物の具体例としては、例えば水酸化カルシウム、水酸化ストロンチウム、水酸化バリウムなどが挙げられ、なかでも水酸化ナトリウムが好ましく用いられる。
スルフィド化剤として、アルカリ金属水硫化物を用いる場合には、アルカリ金属水酸化物を同時に使用することが特に好ましいが、この使用量はアルカリ金属水硫化物1モルに対し0.95から1.20モル、好ましくは1.00から1.15モル、更に好ましくは1.005から1.100モルの範囲が例示できる。
[重合溶媒]
本発明では重合溶媒として有機極性溶媒を用いる。具体例としては、N−メチル−2−ピロリドン、N−エチル−2−ピロリドンなどのN−アルキルピロリドン類、N−メチル−ε−カプロラクタムなどのカプロラクタム類、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、ヘキサメチルリン酸トリアミド、ジメチルスルホン、テトラメチレンスルホキシドなどに代表されるアプロチック有機溶媒、およびこれらの混合物などが挙げられ、これらはいずれも反応の安定性が高いために好ましく使用される。これらのなかでも、特にN−メチル−2−ピロリドン(以下、NMPと略記することもある)が好ましく用いられる。
有機極性溶媒の使用量は、スルフィド化剤1モル当たり2.0モルから10モル、好ましくは2.25から6.0モル、より好ましくは2.5から5.5モルの範囲が選択される。
[分子量調節剤]
本発明においては、生成するPPS樹脂の末端を形成させるか、あるいは重合反応や分子量を調節するなどのために、モノハロゲン化合物(必ずしも芳香族化合物でなくともよい)を、上記ポリハロゲン化芳香族化合物と併用することができる。
[重合助剤]
本発明においては、重合度調節のために重合助剤を用いることも好ましい態様の一つである。ここで重合助剤とは得られるPPS樹脂の粘度を増大させる作用を有する物質を意味する。このような重合助剤の具体例としては、例えば有機カルボン酸塩、水、アルカリ金属塩化物、有機スルホン酸塩、硫酸アルカリ金属塩、アルカリ土類金属酸化物、アルカリ金属リン酸塩およびアルカリ土類金属リン酸塩などが挙げられる。これらは単独であっても、また2種以上を同時に用いることもできる。なかでも、有機カルボン酸塩、水、およびアルカリ金属塩化物が好ましく、さらに有機カルボン酸塩としてはアルカリ金属カルボン酸塩が、アルカリ金属塩化物としては塩化リチウムが好ましい。
上記アルカリ金属カルボン酸塩とは、一般式R(COOM)n(式中、Rは、炭素数1〜20を有するアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アルキルアリール基またはアリールアルキル基である。Mは、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウムおよびセシウムから選ばれるアルカリ金属である。nは1〜3の整数である。)で表される化合物である。アルカリ金属カルボン酸塩は、水和物、無水物または水溶液としても用いることができる。アルカリ金属カルボン酸塩の具体例としては、例えば、酢酸リチウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、プロピオン酸ナトリウム、吉草酸リチウム、安息香酸ナトリウム、フェニル酢酸ナトリウム、p−トルイル酸カリウム、およびそれらの混合物などを挙げることができる。
アルカリ金属カルボン酸塩は、有機酸と、水酸化アルカリ金属、炭酸アルカリ金属塩および重炭酸アルカリ金属塩よりなる群から選ばれる一種以上の化合物とを、ほぼ等化学当量ずつ添加して反応させることにより形成させてもよい。上記アルカリ金属カルボン酸塩の中で、リチウム塩は反応系への溶解性が高く助剤効果が大きいが高価であり、カリウム、ルビジウムおよびセシウム塩は反応系への溶解性が不十分であると思われるため、安価で、重合系への適度な溶解性を有する酢酸ナトリウムが最も好ましく用いられる。
これらアルカリ金属カルボン酸塩を重合助剤として用いる場合の使用量は、仕込みアルカリ金属硫化物1モルに対し、通常0.01モル〜2モルの範囲であり、より高い重合度を得る意味においては0.1〜0.6モルの範囲が好ましく、0.2〜0.5モルの範囲がより好ましい。
また水を重合助剤として用いる場合の添加量は、仕込みアルカリ金属硫化物1モルに対し、通常0.3モル〜15モルの範囲であり、より高い重合度を得る意味においては0.6〜10モルの範囲が好ましく、1〜5モルの範囲がより好ましい。
これら重合助剤は2種以上を併用することももちろん可能であり、例えばアルカリ金属カルボン酸塩と水を併用すると、それぞれより少量で高分子量化が可能となる。
これら重合助剤の添加時期には特に指定はなく、後述する前工程時、重合開始時、重合途中のいずれの時点で添加してもよく、また複数回に分けて添加してもよいが、重合助剤としてアルカリ金属カルボン酸塩を用いる場合は前工程開始時或いは重合開始時に同時に添加することが、添加が容易である点からより好ましい。また水を重合助剤として用いる場合は、ポリハロゲン化芳香族化合物を仕込んだ後、重合反応途中で添加することが効果的である。
[重合安定剤]
本発明においては、重合反応系を安定化し、副反応を防止するために、重合安定剤を用いることもできる。重合安定剤は、重合反応系の安定化に寄与し、望ましくない副反応を抑制する。副反応の一つの目安としては、チオフェノールの生成が挙げられ、重合安定剤の添加によりチオフェノールの生成を抑えることができる。重合安定剤の具体例としては、アルカリ金属水酸化物、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ土類金属水酸化物、およびアルカリ土類金属炭酸塩などの化合物が挙げられる。そのなかでも、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、および水酸化リチウムなどのアルカリ金属水酸化物が好ましい。上述のアルカリ金属カルボン酸塩も重合安定剤として作用するので、本発明で使用する重合安定剤の一つに入る。また、スルフィド化剤としてアルカリ金属水硫化物を用いる場合には、アルカリ金属水酸化物を同時に使用することが特に好ましいことを前述したが、ここでスルフィド化剤に対して過剰となるアルカリ金属水酸化物も重合安定剤となり得る。
これら重合安定剤は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。重合安定剤は、仕込みアルカリ金属硫化物1モルに対して、通常0.02〜0.2モル、好ましくは0.03〜0.1モル、より好ましくは0.04〜0.09モルの割合で使用することが好ましい。この割合が少ないと安定化効果が不十分であり、逆に多すぎても経済的に不利益であったり、ポリマー収率が低下する傾向となる。
重合安定剤の添加時期には特に指定はなく、後述する前工程時、重合開始時、重合途中のいずれの時点で添加してもよく、また複数回に分けて添加してもよいが、前工程開始時或いは重合開始時に同時に添加することが、添加が容易である点からより好ましい。
次に、本発明に用いる(a)PPS樹脂の製造方法について、前工程、重合反応工程、回収工程、および後処理工程と、順を追って具体的に説明する。
[前工程]
本発明に用いる(a)PPS樹脂の製造方法において、スルフィド化剤は通常水和物の形で使用されるが、ポリハロゲン化芳香族化合物を添加する前に、有機極性溶媒とスルフィド化剤を含む混合物を昇温し、過剰量の水を系外に除去することが好ましい。
また、上述したように、スルフィド化剤として、アルカリ金属水硫化物とアルカリ金属水酸化物から、反応系においてin situで、あるいは重合槽とは別の槽で調製されるスルフィド化剤も用いることができる。この方法には特に制限はないが、望ましくは不活性ガス雰囲気下、常温〜150℃、好ましくは常温から100℃の温度範囲で、有機極性溶媒にアルカリ金属水硫化物とアルカリ金属水酸化物を加え、常圧または減圧下、少なくとも150℃以上、好ましくは180〜260℃まで昇温し、水分を留去させる方法が挙げられる。この段階で重合助剤を加えてもよい。また、水分の留去を促進するために、トルエンなどを加えて反応を行ってもよい。
重合反応における、重合系内の水分量は、仕込みスルフィド化剤1モル当たり0.3〜10.0モルであることが好ましい。ここで重合系内の水分量とは重合系に仕込まれた水分量から重合系外に除去された水分量を差し引いた量である。また、仕込まれる水は、水、水溶液、結晶水などのいずれの形態であってもよい。
[重合反応工程]
本発明においては、有機極性溶媒中でスルフィド化剤とポリハロゲン化芳香族化合物とを200℃以上290℃未満の温度範囲内で反応させることによりPPS樹脂を製造する。
重合反応工程を開始するに際しては、望ましくは不活性ガス雰囲気下、常温〜240℃、好ましくは100〜230℃の温度範囲で、有機極性溶媒とスルフィド化剤とポリハロゲン化芳香族化合物を混合する。この段階で重合助剤を加えてもよい。これらの原料の仕込み順序は、順不同であってもよく、同時であってもさしつかえない。
かかる混合物を通常200℃〜290℃の範囲に昇温する。昇温速度に特に制限はないが、通常0.01〜5℃/分の速度が選択され、0.1〜3℃/分の範囲がより好ましい。
一般に、最終的には250〜290℃の温度まで昇温し、その温度で通常0.25〜50時間、好ましくは0.5〜20時間反応させる。
最終温度に到達させる前の段階で、例えば200℃〜260℃で一定時間反応させた後、270〜290℃に昇温する方法は、より高い重合度を得る上で有効である。この際、200℃〜260℃での反応時間としては、通常0.25時間から20時間の範囲が選択され、好ましくは0.25〜10時間の範囲が選択される。
なお、より高重合度のポリマーを得るためには、複数段階で重合を行うことが有効である場合がある。複数段階で重合を行う際は、245℃における系内のポリハロゲン化芳香族化合物の転化率が、40モル%以上、好ましくは60モル%に達した時点であることが有効である。
なお、ポリハロゲン化芳香族化合物(ここではPHAと略記)の転化率は、以下の式で算出した値である。PHA残存量は、通常、ガスクロマトグラフ法によって求めることができる。
(a)ポリハロゲン化芳香族化合物をアルカリ金属硫化物に対しモル比で過剰に添加した場合
転化率=〔PHA仕込み量(モル)−PHA残存量(モル)〕/〔PHA仕込み量(モル)−PHA過剰量(モル)〕
(b)上記(a)以外の場合
転化率=〔PHA仕込み量(モル)−PHA残存量(モル)〕/〔PHA仕込み量(モル)〕
[回収工程]
本発明で用いる(A)PPS樹脂の製造方法においては、重合終了後に、重合体、溶媒などを含む重合反応物から固形物を回収する。本発明で用いるPPS樹脂は、公知の如何なる回収方法を採用しても良い。
例えば、重合反応終了後、徐冷して粒子状のポリマーを回収する方法を用いても良い。この際の徐冷速度には特に制限は無いが、通常0.1℃/分〜3℃/分程度である。徐冷工程の全行程において同一速度で徐冷する必要もなく、ポリマー粒子が結晶化析出するまでは0.1〜1℃/分、その後1℃/分以上の速度で徐冷する方法などを採用しても良い。
また上記の回収を急冷条件下に行うことも好ましい方法の一つであり、この回収方法の好ましい一つの方法としてはフラッシュ法が挙げられる。フラッシュ法とは、重合反応物を高温高圧(通常250℃以上、8kg/cm2 以上)の状態から常圧もしくは減圧の雰囲気中へフラッシュさせ、溶媒回収と同時に重合体を粉末状にして回収する方法であり、ここでいうフラッシュとは、重合反応物をノズルから噴出させることを意味する。フラッシュさせる雰囲気は、具体的には例えば常圧中の窒素または水蒸気が挙げられ、その温度は通常150℃〜250℃の範囲が選択される。
[後処理工程]
本発明で用いられる(A)PPS樹脂は、上記重合、回収工程を経て生成した後、酸処理、熱水処理または有機溶媒による洗浄を施されたものであってもよい。
酸処理を行う場合は次のとおりである。本発明でPPS樹脂の酸処理に用いる酸は、PPS樹脂を分解する作用を有しないものであれば特に制限はなく、酢酸、塩酸、硫酸、リン酸、珪酸、炭酸およびプロピル酸などが挙げられ、なかでも酢酸および塩酸がより好ましく用いられるが、硝酸のようなPPS樹脂を分解、劣化させるものは好ましくない。
酸処理の方法は、酸または酸の水溶液にPPS樹脂を浸漬せしめるなどの方法があり必要により適宜撹拌または加熱することも可能である。例えば、酢酸を用いる場合、PH4の水溶液を80〜200℃に加熱した中にPPS樹脂粉末を浸漬し、30分間撹拌することにより十分な効果が得られる。処理後のPHは4以上例えばPH4〜8程度となっても良い。酸処理を施されたPPS樹脂は残留している酸または塩などを除去するため、水または温水で数回洗浄することが好ましい。洗浄に用いる水は、酸処理によるPPS樹脂の好ましい化学的変性の効果を損なわない意味で、蒸留水、脱イオン水であることが好ましい。
熱水処理を行う場合は次のとおりである。本発明において使用するPPS樹脂を熱水処理するにあたり、熱水の温度を100℃以上、より好ましくは120℃以上、さらに好ましくは150℃以上、特に好ましくは170℃以上とすることが好ましい。100℃未満ではPPS樹脂の好ましい化学的変性の効果が小さいため好ましくない。
本発明の熱水洗浄によるPPS樹脂の好ましい化学的変性の効果を発現するため、使用する水は蒸留水あるいは脱イオン水であることが好ましい。熱水処理の操作に特に制限は無く、所定量の水に所定量のPPS樹脂を投入し、圧力容器内で加熱、撹拌する方法、連続的に熱水処理を施す方法などにより行われる。PPS樹脂と水との割合は、水の多い方が好ましいが、通常、水1リットルに対し、PPS樹脂200g以下の浴比が選択される。
また、処理の雰囲気は、末端基の分解は好ましくないので、これを回避するため不活性雰囲気下とすることが望ましい。さらに、この熱水処理操作を終えたPPS樹脂は、残留している成分を除去するため温水で数回洗浄するのが好ましい。
有機溶媒で洗浄する場合は次のとおりである。本発明でPPS樹脂の洗浄に用いる有機溶媒は、PPS樹脂を分解する作用などを有しないものであれば特に制限はなく、例えばN−メチル−2−ピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、1,3−ジメチルイミダゾリジノン、ヘキサメチルホスホラスアミド、ピペラジノン類などの含窒素極性溶媒、ジメチルスルホキシド、ジメチルスルホン、スルホランなどのスルホキシド・スルホン系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、アセトフェノンなどのケトン系溶媒、ジメチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフランなどのエーテル系溶媒、クロロホルム、塩化メチレン、トリクロロエチレン、2塩化エチレン、パークロルエチレン、モノクロルエタン、ジクロルエタン、テトラクロルエタン、パークロルエタン、クロルベンゼンなどのハロゲン系溶媒、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、フェノール、クレゾール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールなどのアルコール・フェノール系溶媒およびベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素系溶媒などが挙げられる。これらの有機溶媒のうちでも、N−メチル−2−ピロリドン、アセトン、ジメチルホルムアミドおよびクロロホルムなどの使用が特に好ましい。また、これらの有機溶媒は、1種類または2種類以上の混合で使用される。
有機溶媒による洗浄の方法としては、有機溶媒中にPPS樹脂を浸漬せしめるなどの方法があり、必要により適宜撹拌または加熱することも可能である。有機溶媒でPPS樹脂を洗浄する際の洗浄温度については特に制限はなく、常温〜300℃程度の任意の温度が選択できる。洗浄温度が高くなる程洗浄効率が高くなる傾向があるが、通常は常温〜150℃の洗浄温度で十分効果が得られる。圧力容器中で、有機溶媒の沸点以上の温度で加圧下に洗浄することも可能である。また、洗浄時間についても特に制限はない。洗浄条件にもよるが、バッチ式洗浄の場合、通常5分間以上洗浄することにより十分な効果が得られる。また連続式で洗浄することも可能である。
本発明においては、上記のようにして得られたPPS樹脂を、アルカリ土類金属塩を含む水による洗浄による処理を施しても良い。
PPS樹脂をアルカリ土類金属塩を含む水で洗浄する場合の具体的方法としては、以下の方法を例示することができる。アルカリ土類金属塩の種類としては特に制限は無いが、酢酸カルシウム、酢酸マグネシウムなどの水溶性有機カルボン酸のアルカリ土類金属塩、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウムなどのアルカリ土類金属水酸化物が好ましい例として挙げられ、特に酢酸カルシウム、酢酸マグネシウムなどの水溶性有機カルボン酸のアルカリ土類金属塩が好ましい。水の温度は、室温〜200℃であることが好ましく、50〜90℃であることがより好ましい。上記水中におけるアルカリ土類金属塩の使用量は乾燥PPS樹脂1kgに対し0.1g〜50gであることが好ましく、0.5g〜30gであることがより好ましい。洗浄時間としては0.5時間以上が好ましく、1.0時間以上がより好ましい。また好ましい洗浄浴比(乾燥PPS樹脂単位重量当たりのアルカリ土類金属塩を含む温水使用重量)は洗浄時間、温度にもよるが、乾燥PPS1kg当たり、上記アルカリ土類金属を含む温水を5kg以上用いて洗浄することが好ましく、10kg以上用いて洗浄することがより好ましい。上限としては特に制限はなく、高くてもよいが、使用量と得られる効果の点から100kg以下であることが好ましい。かかる温水洗浄は複数回行っても良い。
本発明において用いる(A)PPS樹脂は、重合終了後に酸素雰囲気下においての加熱および過酸化物などの架橋剤を添加しての加熱による熱酸化架橋処理により高分子量化して用いることも可能である。
熱酸化架橋による高分子量化を目的として乾式熱処理する場合には、その温度は160〜260℃が好ましく、170〜250℃の範囲がより好ましい。また、酸素濃度は5体積%以上、更には8体積%以上とすることが望ましい。酸素濃度の上限には特に制限はないが、50体積%程度が限界である。処理時間は、0.5〜100時間が好ましく、1〜50時間がより好ましく、2〜25時間がさらに好ましい。加熱処理の装置は通常の熱風乾燥機でもまた回転式あるいは撹拌翼付の加熱装置であってもよいが、効率よく、しかもより均一に処理する場合は、回転式あるいは撹拌翼付の加熱装置を用いるのがより好ましい。
しかしながら、高ウェルド強度と優れた溶融流動性を両立する観点からは、架橋構造の導入はあまり好ましくなく、直鎖状PPSであることが好ましい。
また、熱酸化架橋を抑制し、揮発分除去を目的として乾式熱処理を行うことが可能である。その温度は130〜250℃が好ましく、160〜250℃の範囲がより好ましい。また、この場合の酸素濃度は5体積%未満、更には2体積%未満とすることが望ましい。処理時間は、0.5〜50時間が好ましく、1〜20時間がより好ましく、1〜10時間がさらに好ましい。加熱処理の装置は通常の熱風乾燥機でもまた回転式あるいは撹拌翼付の加熱装置であってもよいが、効率よく、しかもより均一に処理する場合は、回転式あるいは撹拌翼付の加熱装置を用いるのがより好ましい。
かかる好適なPPS樹脂の製品例としては、東レ株式会社製、M2888、M2588、M2088、T1881、E2280、E2180、E2080、GR01などが挙げられる。
本発明に用いられる扁平断面ガラス繊維(B)は、平均扁平率が2〜10であることが好ましく、2〜6であることがさらに好ましい。この平均扁平率が2以上であると、樹脂組成物に良好な靭性、寸法精度がそなわり、10以下であれば、樹脂組成物が良好な強度を有する。かかる扁平率は、ガラス繊維の断面の長径(最長径)を短径(最短径)で除することにより求められる。また、平均扁平率はガラス繊維が収束されている状態において、断面方向の顕微鏡観察により各ガラス繊維の扁平率を前記方法により収束本数分算出し、数平均を取ることにより求められる。「平均扁平率」としているのは、ガラス繊維全てが上記範囲の扁平率である必要は無く、各ガラス繊維の扁平率の数平均の値が上記範囲内であればよいことによる。扁平断面ガラス繊維の長径が10〜50μmであることが好ましく、15〜35μmであることがさらに好ましい。
扁平断面ガラス繊維の繊維長に特に制限はないが、製造上の利便性の観点から、平均繊維長が1〜6mmであることが好ましい。扁平断面ガラス繊維の形態は、混合時の利便性の観点などから、チョップドストランドの形態のものを好適に用いることができる。
また、公知のカップリング剤(例えば、シラン系カップリング剤、チタネート系カップリング剤など)、その他の表面処理剤を用いて、扁平断面ガラス繊維を表面処理することで、PPS樹脂との親和性を高めて密着性を向上させ、より優れた機械的強度を得ることが出来るので好ましい。シラン系カップリング剤の割合は本発明のPPS樹脂100重量部に対して0.1〜2重量部を含むことが好ましい。0.1部未満では十分な補強効果が得られず、2部を超えると成形加工時にガスが発生し表面外観が悪化するため好ましくない。PPSと扁平断面ガラス繊維を溶融混練する際に、作業性を向上させる意図で、扁平断面ガラス繊維はエチレン/酢酸ビニル共重合体などの熱可塑性樹脂、エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂で被膜あるいは集束されていてもよい。
本発明において、扁平断面ガラス繊維(B)の割合は本発明のPPS樹脂(A)100重量部に対して、5〜120重量部であることが必要とされる。5重量部未満では十分な機械強度得られない問題があり、120重量部を超えると成形加工時の表面外観が悪化するためである。
さらに、本発明で用いられるシラン化合物(C)は、機械強度、靭性の向上および成形時のバリを抑制する目的で添加することが好ましい。シラン化合物(C)としては、エポキシ基、アミノ基、イソシアネート基、水酸基、メルカプト基およびウレイド基の中から選ばれた少なくとも1種の官能基を有するシラン化合物である。かかる化合物の具体例としては、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランなどのエポキシ基含有アルコキシシラン化合物、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシランなどのメルカプト基含有アルコキシシラン化合物、γ−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、γ−ウレイドプロピルトリメトキシシシラン、γ−(2−ウレイドエチル)アミノプロピルトリメトキシシランなどのウレイド基含有アルコキシシラン化合物、γ−イソシアナトプロピルトリエトキシシラン、γ−イソシアナトプロピルトリメトキシシラン、γ−イソシアナトプロピルメチルジメトキシシラン、γ−イソシアナトプロピルメチルジエトキシシラン、γ−イソシアナトプロピルエチルジメトキシシラン、γ−イソシアナトプロピルエチルジエトキシシラン、γ−イソシアナトプロピルトリクロロシランなどのイソシアナト基含有アルコキシシラン化合物、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシランなどのアミノ基含有アルコキシシラン化合物、およびγ−ヒドロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−ヒドロキシプロピルトリエトキシシランなどの水酸基含有アルコキシシラン化合物などが挙げられる。なかでもエポキシ基、アミノ基、イソシアネート基、水酸基を有するアルコキシシランが優れたウェルド強度を得る上で特に好適である。
かかるシラン化合物の好適な添加量は、ポリフェニレンスルフィド樹脂100重量部に対し、0.05〜5重量部の範囲が選択される。
本発明ではさらに靭性を向上させるために、熱可塑性エラストマー(D)を配合してもよい。熱可塑性エラストマー(D)としては、例えばポリオール等のゴム成分とポリアミドによって生成されるポリアミド系熱可塑性エラストマー、ポリオール等のゴム成分とイソシアネート化合物等によって生成されるポリウレタン系熱可塑性エラストマー、ポリオール等のゴム成分とポリエステルによって生成されるポリエステル系熱可塑性エラストマー、エチレン、プロピレン、ブチレンの1種ないし2種以上からなるブロック共重合等からなるゴム成分とポリスチレンからなるポリスチレン系熱可塑性エラストマー、カルボキシル基やカルボン酸エステル基や酸無水物基やエポキシ基などの官能基を有するオレフィン系熱可塑性エラストマー等が挙げられるが、これらは特に限定されるものではなく、硬質成分と軟質成分からなる熱可塑性エラストマーなどが好ましく、成形品に熱融着する軟質成分として要求される目的に合わせて使用することができる。また、ゴム成分が動的もしくは部分架橋されたもの、互いにポリマーがブレンドされたもの、他のポリマーをアロイしたものでも問題はない。本発明において、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマーが特に好ましく、PPS樹脂(A)100重量部に対して、1〜30重量部を配合することが好ましい。
本発明のPPS樹脂組成物は、本発明の効果を損なわない範囲において、さらに他の樹脂をブレンドして用いてもよい。かかるブレンド可能な樹脂には特に制限はないが、その具体例としては、ナイロン6,ナイロン66,ナイロン610、ナイロン11、ナイロン12、芳香族系ナイロンなどのポリアミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリシクロヘキシルジメチレンテレフタレート、ポリナフタレンテレフタレートなどのポリエステル樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリアミドイミド、ポリアセタール、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリエーテルスルホン、変性ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリサルフォン樹脂、ポリアリルサルフォン樹脂、ポリケトン樹脂、ポリアリレート樹脂、液晶ポリマー、ポリエーテルケトン樹脂、ポリチオエーテルケトン樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリアミドイミド樹脂、四フッ化ポリエチレン樹脂、エポキシ基含有ポリオレフィン共重合体などが挙げられる。
なお、本発明のPPS樹脂組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で他の成分、例えば酸化防止剤や耐熱安定剤(ヒンダードフェノール系、ヒドロキノン系、ホスファイト系およびこれらの置換体等)、耐候剤(レゾルシノール系、サリシレート系、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、ヒンダードアミン系等)、離型剤及び滑剤(モンタン酸及びその金属塩、そのエステル、そのハーフエステル、ステアリルアルコール、ステアラミド、各種ビスアミド、ビス尿素及びポリエチレンワックス等)、顔料(硫化カドミウム、フタロシアニン、着色用カーボンブラック等)、染料(ニグロシン等)、結晶核剤(タルク、シリカ、カオリン、クレー等)、可塑剤(p−オキシ安息香酸オクチル、N−ブチルベンゼンスルホンアミド等)、帯電防止剤(アルキルサルフェート型アニオン系帯電防止剤、4級アンモニウム塩型カチオン系帯電防止剤、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレートのような非イオン系帯電防止剤、ベタイン系両性帯電防止剤等)、難燃剤(例えば、赤燐、燐酸エステル、メラミンシアヌレート、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム等の水酸化物、ポリリン酸アンモニウム、臭素化ポリスチレン、臭素化ポリフェニレンエーテル、臭素化ポリカーボネート、臭素化エポキシ樹脂あるいはこれらの臭素系難燃剤と三酸化アンチモンとの組み合わせ等)、熱安定剤、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸リチウムなどの滑剤、紫外線防止剤、着色剤、難燃剤および発泡剤などの通常の添加剤を添加することができる。
本発明のPPS樹脂組成物の調製方法には特に制限はないが、各原料を単軸あるいは2軸の押出機、バンバリーミキサー、ニーダーおよびミキシングロールなど通常公知の溶融混合機に供給して、280〜380℃の温度で混練する方法などを代表例として挙げることができる。原料の混合順序にも特に制限はなく、全ての原材料を配合後上記の方法により溶融混練する方法、一部の原材料を配合後上記の方法により溶融混練し、さらに残りの原材料を配合し溶融混練する方法、あるいは一部の原材料を配合後単軸あるいは2軸の押出機により溶融混練中にサイドフィーダーを用いて残りの原材料を混合する方法などのいずれの方法を用いてもよい。また、少量添加剤成分については、他の成分を上記の方法などで混練しペレット化した後、成形前に添加して成形に供することももちろん可能である。
このようにして得られる本発明のPPS樹脂組成物は、射出成形、押出成形、ブロー成形、トランスファー成形など各種成形に供することが可能であるが、特に射出成形用途に適している。
本発明ではPPS樹脂組成物を、射出成形することにより得られた成形品を耐圧容器とする。耐圧容器の形状としては、ゲート部から流動末端までの長さが100mm以上の長尺物である円筒状や角柱状の容器が挙げられる。また内部に気体や液体さらには混合物等の流路があるパイプ状や半パイプ状が挙げられ、半パイプ状のものは金属と接合させた耐圧容器として用いることができる。本発明で使用する耐圧容器は、250kPa以上の加圧と放圧が繰返される環境、温度が180℃〜230℃の範囲において、成形時の樹脂の流動直角方向における疲労特性に優れる。
(1)曲げ強度、曲げ弾性率
試験片:ISO294−1に準処し、厚さ4mmの多目的試験片を成形した。
試験条件:ISO178に準処し、測定を行った。降伏速度2mm/min、スパン64mm。
試験雰囲気:気温23℃、湿度50%RH
測定機器:インストロンジャパン株式会社製 万能試験機5566
(2)シャルピー衝撃強度
試験片:ISO294−1に準処し、厚さ4mmの多目的試験片を成形した。この多目的試験片の中央部分より、80×10×4mmの試験片を切削加工し、得られた試験片を、JISK7144に準処しノッチ加工することで衝撃試験片を得た。
試験条件:ISO179に準処し、測定を行った。
試験雰囲気:気温23℃、湿度50%RH
測定機器:CEAST社製 衝撃試験機TYPE6545
(3)ウエルド強度
両端にゲートを有し、試験片中央部付近にウェルドラインを有するASTM1号ダンベル片を、射出成形機を用いてシリンダー温度320℃、金型温度135℃の条件で成形し、歪速度5mm/min、支点間距離114mmの条件で引張強度測定を行なった。
(4)流動直角方向の曲げ疲労特性
試験片:射出成形した80×80×3mmの角板から、樹脂の流動直角方向にASTM:D671A−TYPEの形状へ切削加工することで曲げ疲労試験片を得た。
試験条件:片持ち両振り、振動数30Hz
試験雰囲気:200℃
測定機器:株式会社東洋精機製作所製 繰り返し震動試験機B−20型。
(5)耐圧容器の特性1:低温落球衝撃特性
試験片:長さ100mm、内径74mm、外径80mmである厚み3mmの中空パイプを成形した。中空パイプの円形断面が半円となるよう、2等分に切削した。
試験条件:試験片を、−20℃で1hr冷却し、室温に戻らないよう切削面を下に向けて100×80mmの試験片ホルダーに設置した後、試験片中心部に直径63.5mm、重さ1kgの鉄球を落下させる。鉄球の落下により試験片が割れたとき、鉄球を落下させた高さを計測した。
測定機器:コーディングテスター株式会社製 落球衝撃試験装置NO.805ST。
(6)耐圧容器の特性2:流動直角方向の曲げ特性
試験片:長さ100mm、内径144mm、外径150mmである厚み3mmの中空パイプを成形した。長さ方向が樹脂の流動方向であり、流動直角方向に8×100×3mmへ切削加工することで試験片を得、以下の試験条件で曲げ強度と曲げ弾性率を測定した。
試験条件:降伏速度1m/min、スパン50mm
試験雰囲気:気温23℃、湿度50%RH
測定機器:インストロンジャパン株式会社製 万能試験機5566。
(7)PPS樹脂のクロロホルム抽出量
ソックスレー抽出器を用い、PPSサンプル量約10g、クロロホルム200mlを用い5時間抽出し、その抽出液を50℃で乾燥し、得られた残さを仕込みPPSサンプル量で割り返し、100をかけてパーセンテージ表記としたものである。
(8)PPS樹脂の溶融粘度(MFR)
315℃条件下、東洋精機社製メルトインデクサーを用いて測定した値である。
実施例および比較例で使用したPPS樹脂、扁平断面ガラス繊維、シラン化合物、熱可塑性エラストマー、以下のとおりである。
[参考例1]PPSの重合(PPS−1)
撹拌機付きの70リットルオートクレーブに、47.5%水硫化ナトリウム8267.37g(70.00モル)、96%水酸化ナトリウム2957.21g(70.97モル)、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)11434.50g(115.50モル)、酢酸ナトリウム2583.00g(31.50モル)、及びイオン交換水10500gを仕込み、常圧で窒素を通じながら245℃まで約3時間かけて徐々に加熱し、水14780.1gおよびNMP280gを留出した後、反応容器を160℃に冷却した。仕込みアルカリ金属硫化物1モル当たりの系内残存水分量は、NMPの加水分解に消費された水分を含めて1.06モルであった。また、硫化水素の飛散量は、仕込みアルカリ金属硫化物1モル当たり0.02モルであった。
次に、p−ジクロロベンゼン10235.46g(69.63モル)、NMP9009.00g(91.00モル)を加え、反応容器を窒素ガス下に密封し、240rpmで撹拌しながら、0.6℃/分の速度で238℃まで昇温した。238℃で95分反応を行った後、0.8℃/分の速度で270℃まで昇温した。270℃で100分反応を行った後、1260g(70モル)の水を15分かけて圧入しながら250℃まで1.3℃/分の速度で冷却した。その後200℃まで1.0℃/分の速度で冷却してから、室温近傍まで急冷した。
内容物を取り出し、26300gのNMPで希釈後、溶剤と固形物をふるい(80mesh)で濾別し、得られた粒子を31900gのNMPで洗浄、濾別した。これを、56000gのイオン交換水で数回洗浄、濾別した後、0.05重量%酢酸水溶液70000gで洗浄、濾別した。70000gのイオン交換水で洗浄、濾別した後、得られた含水PPS粒子を80℃で熱風乾燥し、120℃で減圧乾燥した。得られたPPSは直鎖状であり、MFRが300g/10min、クロロホルム抽出量0.50wt%であった。
[参考例2]PPSの重合(PPS−2)
撹拌機付きの70リットルオートクレーブに、47.5%水硫化ナトリウム8267.37g(70.00モル)、96%水酸化ナトリウム2957.21g(70.97モル)、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)11434.50g(115.50モル)、酢酸ナトリウム1722.00g(21.00モル)、及びイオン交換水10500gを仕込み、常圧で窒素を通じながら245℃まで約3時間かけて徐々に加熱し、水14780.1gおよびNMP280gを留出した後、反応容器を160℃に冷却した。仕込みアルカリ金属硫化物1モル当たりの系内残存水分量は、NMPの加水分解に消費された水分を含めて1.06モルであった。また、硫化水素の飛散量は、仕込みアルカリ金属硫化物1モル当たり0.02モルであった。
次に、p−ジクロロベンゼン10235.46g(69.63モル)、NMP9009.00g(91.00モル)を加え、反応容器を窒素ガス下に密封し、240rpmで撹拌しながら、0.6℃/分の速度で238℃まで昇温した。238℃で95分反応を行った後、0.8℃/分の速度で270℃まで昇温した。270℃で100分反応を行った後、1260g(70モル)の水を15分かけて圧入しながら250℃まで1.3℃/分の速度で冷却した。その後200℃まで1.0℃/分の速度で冷却してから、室温近傍まで急冷した。
内容物を取り出し、26300gのNMPで希釈後、溶剤と固形物をふるい(80mesh)で濾別し、得られた粒子を31900gのNMPで洗浄、濾別した。これを、56000gのイオン交換水で数回洗浄、濾別した後、0.05重量%酢酸水溶液70000gで洗浄、濾別した。70000gのイオン交換水で洗浄、濾別した後、得られた含水PPS粒子を80℃で熱風乾燥し、120℃で減圧乾燥した。得られたPPSは直鎖状であり、MFRが300g/10min、クロロホルム抽出量1.9wt%であった。
<扁平断面ガラス繊維>
扁平断面ガラス繊維:日東紡績株式会社製 CSG3PA−830(断面の平均扁平率が4、長径28μm、短径7μm)。
<円形断面ガラス繊維>
円形断面ガラス繊維:日本電気硝子株式会社製 T747GH(断面の直径が10μm)。
<シラン化合物>
2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン。
<熱可塑性エラストマー>
熱可塑性エラストマー−1:エチレン/グリシジルメタクリレート=88/12(重量%)共重合体(住友化学工業製:BF−E)
熱可塑性エラストマー−2:エチレン/ブテン−1=82/18(重量%)共重合体(三井化学製:タフマーA4085)。
実施例1〜5、比較例1〜4
Werner−Pfleiderer社製二軸押出機ZSK−57を用いて、表1に示す組成でメインフィーダーからPPS樹脂、熱可塑性エラストマーおよびシラン化合物を供給し、サイドフィーダーから扁平断面ガラス繊維または円形断面ガラス繊維を供給し、樹脂溶融温度を330℃、スクリュー回転を160rpmにて溶融混練後ペレット化した。得られたペレットを130℃、3時間の条件で熱風乾燥した。乾燥したペレットを用いて、住友重機工業株式会社製の射出成形機SE100DUを用いて、シリンダー温度310℃、金型温度130℃の条件で成形し、各試験片を得た。評価結果は表1に示すとおりであった。
Figure 0005540778
実施例1〜5および比較例1〜4との比較例の結果より、本発明の樹脂製耐圧容器は、200℃における流動直角方向の曲げ疲労特性と、−20℃における落球衝撃特性が優れるものであった。

Claims (7)

  1. ポリフェニレンサルファイド樹脂(A)100重量部に対して、扁平断面ガラス繊維(B)5〜120重量部を配合してなることを特徴とするポリフェニレンサルファイド樹脂組成物からなる耐圧容器。
  2. 前記扁平断面ガラス繊維(B)の平均扁平率が2〜10のガラス繊維である請求項1記載の耐圧容器。
  3. 前記ポリフェニレンサルファイド樹脂組成物が、ポリフェニレンサルファイド樹脂(A)100重量部に対して、エポキシ基、アミノ基、イソシアネート基、水酸基を有するシラン化合物(C)を0.1〜5重量部配合してなることを特徴とする請求項1または2記載の耐圧容器。
  4. 前記ポリフェニレンサルファイド樹脂組成物が、ポリフェニレンサルファイド樹脂(A)100重量部に対して、熱可塑性エラストマー(D)1〜30重量部を配合してなることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の耐圧容器。
  5. 前記ポリフェニレンサルファイド樹脂(A)のクロロホルム抽出量が1.8wt%以下であることを特徴とする請求項1〜のいずれか記載の耐圧容器。
  6. 前記熱可塑性エラストマー(D)がポリオレフィン系熱可塑性エラストマー、ポリスチレン系エラストマー、ポリアミド系熱可塑性エラストマー、ポリウレタン系熱可塑性エラストマー、およびポリエステル系熱可塑性エラストマーから選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか記載の耐圧容器。
  7. 内部圧力が250kPa以上、温度が180℃〜230℃の環境で使用する請求項1〜6のいずれか記載の耐圧容器。
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