JP2011168637A - 溶着部を有する低膨潤樹脂成形体 - Google Patents
溶着部を有する低膨潤樹脂成形体 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2011168637A JP2011168637A JP2010031168A JP2010031168A JP2011168637A JP 2011168637 A JP2011168637 A JP 2011168637A JP 2010031168 A JP2010031168 A JP 2010031168A JP 2010031168 A JP2010031168 A JP 2010031168A JP 2011168637 A JP2011168637 A JP 2011168637A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- resin
- functional group
- group
- polyphenylene sulfide
- olefin
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Images
Landscapes
- Processes Of Treating Macromolecular Substances (AREA)
- Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
Abstract
【解決手段】ポリフェニレンスルフィド樹脂組成物からなる溶着部を有した低膨潤樹脂成形体であって、ポリフェニレンスルフィド樹脂(a)を88〜78重量%と、官能基を有するオレフィン系樹脂(b)を12〜22重量%とからなる樹脂成分100重量部に対して、官能基を有するアルコキシシラン化合物(c)を0.1〜10重量部配合したポリフェニレンスルフィド樹脂組成物からなる成形片のモルフォロジーが、官能基を有するオレフィン系樹脂(b)が数平均分散粒子径500nm以下であり、この成形片を粉砕し、再び射出成形を行った成形片のモルフォロジーが、官能基を有するオレフィン系樹脂(b)が数平均分散粒子径500nm以下で分散することを特徴とする。
【選択図】図1
Description
1.ポリフェニレンスルフィド樹脂組成物からなる溶着部を有した低膨潤樹脂成形体であって、ポリフェニレンスルフィド樹脂組成物が、(a)と(b)の合計を100重量%として、ポリフェニレンスルフィド樹脂(a)を88〜78重量%と、官能基を有するオレフィン系樹脂(b)を12〜22重量%とからなる樹脂成分100重量部に対して、官能基を有するアルコキシシラン化合物(c)を0.1〜10重量部配合してなり、前記官能基を有するオレフィン系樹脂(b)がカルボキシル基、酸無水物基、アミノ基、水酸基、メルカプト基からなる群より選ばれる少なくとも一種の官能基を有し、前記官能基を有するアルコキシシラン化合物(c)がアミノ基、エポキシ基、イソシアネート基からなる群より選ばれる少なくとも一種の官能基を有してなり、前記ポリフェニレンスルフィド樹脂組成物を射出成形した成形片のモルフォロジー(相構造)が、前記ポリフェニレンスルフィド樹脂(a)が連続相(海相)を形成し、前記官能基を有するオレフィン系樹脂(b)が数平均分散粒子径500nm以下で分散した分散相(島相)を形成した海−島構造であり、かつ射出成形した後に前記成形片を粉砕し、再び射出成形を行った成形片においても、前記官能基を有するオレフィン系樹脂(b)の分散相が数平均分散粒子径500nm以下で分散することを特徴とする、溶着部を有した低膨潤樹脂成形体、
2.前記溶着部を有する樹脂成形体の−40℃下、引張速度1m/secにおける引張破断伸度(ASTM D638に準じて測定)が10%以上であることを特徴とする1に記載の溶着部を有した低膨潤樹脂成形体、
3.前記官能基を有するオレフィン系樹脂(b)が、カルボキシル基および/または酸無水物基を有するエチレン・ブテン共重合体であることを特徴とする1または2に記載の溶着部を有した低膨潤樹脂成形体、
4.前記官能基を有するアルコキシシラン化合物(c)がエポキシシクロヘキシル基またはイソシアネート基を有することを特徴とする1〜3のいずれかに記載の溶着部を有した低膨潤樹脂成形体、
5.前記ポリフェニレンスルフィド樹脂(a)が、酸処理を施したポリフェニレンスルフィド樹脂であることを特徴とする1〜4のいずれかに記載の溶着部を有した低膨潤樹脂成形体、
6.前記ポリフェニレンスルフィド樹脂組成物が、ポリフェニレンスルフィド樹脂(a)と官能基を有するアルコキシシラン化合物(c)とを予め溶融混練した後、さらに官能基を有するオレフィン系樹脂(b)と溶融混練することにより得られることを特徴とする1〜5のいずれかに記載の溶着部を有した低膨潤樹脂成形体、
である。
7.また、上述した1〜5のいずれかに記載の溶着部を有した低膨潤樹脂成形体の製造方法は、前記ポリフェニレンスルフィド樹脂(a)と前記官能基を有するアルコキシシラン化合物(c)とを予め溶融混練した後、さらに官能基を有するオレフィン系樹脂(b)と溶融混練することにより、前記ポリフェニレンスルフィド樹脂組成物を製造し、これを溶融成形した少なくとも2つの成形品を溶着成形することを特徴とする。
本発明で用いられるPPS樹脂(a)は、下記構造式(I)で示される繰り返し単位を有する重合体である。
ポリハロゲン化芳香族化合物とは、1分子中にハロゲン原子を2個以上有する化合物をいう。具体例としては、p−ジクロロベンゼン、m−ジクロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン、1,3,5−トリクロロベンゼン、1,2,4−トリクロロベンゼン、1,2,4,5−テトラクロロベンゼン、ヘキサクロロベンゼン、2,5−ジクロロトルエン、2,5−ジクロロ−p−キシレン、1,4−ジブロモベンゼン、1,4−ジヨードベンゼン、1−メトキシ−2,5−ジクロロベンゼンなどのポリハロゲン化芳香族化合物が挙げられ、好ましくはp−ジクロロベンゼンが用いられる。また、異なる2種以上のポリハロゲン化芳香族化合物を組み合わせて共重合体とすることも可能であるが、p−ジハロゲン化芳香族化合物を主要成分とすることが好ましい。
スルフィド化剤としては、アルカリ金属硫化物、アルカリ金属水硫化物、および硫化水素が挙げられる。
重合溶媒としては有機極性溶媒を用いるのが好ましい。具体例としては、N−メチル−2−ピロリドン、N−エチル−2−ピロリドンなどのN−アルキルピロリドン類、N−メチル−ε−カプロラクタムなどのカプロラクタム類、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、ヘキサメチルリン酸トリアミド、ジメチルスルホン、テトラメチレンスルホキシドなどに代表されるアプロチック有機溶媒、およびこれらの混合物などが挙げられ、これらはいずれも反応の安定性が高いために好ましく使用される。これらのなかでも、特にN−メチル−2−ピロリドン(以下、NMPと略記することもある)が好ましく用いられる。
生成するPPS樹脂(a)の末端を形成させるか、あるいは重合反応や分子量を調節するなどのために、モノハロゲン化合物(必ずしも芳香族化合物でなくともよい)を、上記ポリハロゲン化芳香族化合物と併用することができる。
比較的高重合度のPPS樹脂(a)をより短時間で得るために重合助剤を用いることも好ましい態様の一つである。ここで重合助剤とは得られるPPS樹脂(a)の粘度を増大させる作用を有する物質を意味する。このような重合助剤の具体例としては、例えば有機カルボン酸塩、水、アルカリ金属塩化物、有機スルホン酸塩、硫酸アルカリ金属塩、アルカリ土類金属酸化物、アルカリ金属リン酸塩およびアルカリ土類金属リン酸塩などが挙げられる。これらは単独であっても、また2種以上を同時に用いることもできる。なかでも、有機カルボン酸塩、水、およびアルカリ金属塩化物が好ましく、さらに有機カルボン酸塩としてはアルカリ金属カルボン酸塩が、アルカリ金属塩化物としては塩化リチウムが好ましい。
重合反応系を安定化し、副反応を防止するために、重合安定剤を用いることもできる。重合安定剤は、重合反応系の安定化に寄与し、望ましくない副反応を抑制する。副反応の一つの目安としては、チオフェノールの生成が挙げられ、重合安定剤の添加によりチオフェノールの生成を抑えることができる。重合安定剤の具体例としては、アルカリ金属水酸化物、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ土類金属水酸化物、およびアルカリ土類金属炭酸塩などの化合物が挙げられる。そのなかでも、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、および水酸化リチウムなどのアルカリ金属水酸化物が好ましい。上述のアルカリ金属カルボン酸塩も重合安定剤として作用するので、重合安定剤の一つに入る。また、スルフィド化剤としてアルカリ金属水硫化物を用いる場合には、アルカリ金属水酸化物を同時に使用することが特に好ましいことを前述したが、ここでスルフィド化剤に対して過剰となるアルカリ金属水酸化物も重合安定剤となり得る。
PPS樹脂(a)の製造方法において、スルフィド化剤は通常水和物の形で使用されるが、ポリハロゲン化芳香族化合物を添加する前に、有機極性溶媒とスルフィド化剤を含む混合物を昇温し、過剰量の水を系外に除去することが好ましい。
有機極性溶媒中でスルフィド化剤とポリハロゲン化芳香族化合物とを200℃以上290℃未満の温度範囲内で反応させることによりPPS樹脂(a)を製造する。
(A)ポリハロゲン化芳香族化合物をアルカリ金属硫化物に対しモル比で過剰に添加した場合
転化率=〔PHA仕込み量(モル)−PHA残存量(モル)〕/〔PHA仕込み量(モル)−PHA過剰量(モル)〕
(B)上記(A)以外の場合
転化率=〔PHA仕込み量(モル)−PHA残存量(モル)〕/〔PHA仕込み量(モル)〕
PPS樹脂(a)の製造方法においては、重合終了後に、重合体、溶媒などを含む重合反応物から固形物を回収する。回収方法については、公知の如何なる方法を採用しても良い。
PPS樹脂(a)は、上記重合、回収工程を経て生成した後、酸処理、熱水処理または有機溶媒による洗浄を施されたものであってもよい。
本発明において、PPS樹脂組成物の製造方法としては、単軸、二軸の押出機、バンバリーミキサー、ニーダー、及びミキシングロールなど通常の溶融混練機に原料を供給して、PPS樹脂(a)の融解ピーク温度+5〜100℃の加工温度で溶融混練する方法などを代表例として挙げることができる。この際、官能基を有するオレフィン系樹脂(b)の分散をより細かくするには、二軸の押出機を使用し、せん断力を比較的強くすることが好ましい。具体的には、L/D(L:スクリュー長さ、D:スクリュー直径)が20以上であり、ニーディング部を2箇所以上有する二軸押出機を使用し、スクリュー回転数を200〜500回転/分として、混合時の樹脂温度がPPS樹脂(a)の融解ピーク温度+10〜70℃となるように混練する方法などを好ましく用いることができる。
ポリフェニレンスルフィド樹脂組成物のペレットを原料として、住友−ネスタール射出成形機SG75を用い、樹脂温度310℃、金型温度130℃にて、ASTM1号ダンベル試験片を成形した。
一度射出成形したASTM1号ダンベル試験片を、粉砕器を用いて約1〜5mm四方の大きさに粉砕した。これを原料として、住友−ネスタール射出成形機SG75を用い、樹脂温度310℃、金型温度130℃にて、ASTM1号ダンベル試験片を成形した。
上記により射出成形したASTM1号ダンベル試験片の中央部を樹脂の流れ方向に対して直角方向に切断し、その断面の中心部から、−20℃で0.1μm以下の薄片を切削し、日立製作所製H−7100型透過型電子顕微鏡(分解能(粒子像)0.38nm、倍率50〜60万倍)にて、1万倍に拡大して観察した際の任意の100個の、オレフィン系樹脂(b)の分散部分について、まずそれぞれの分散粒子について最大径と最小径を測定して平均値をその分散粒子径とし、その後それらの平均値である数平均分散粒子径を求めた。なお、官能基を有するオレフィン系樹脂(b)を含有しないPPS樹脂組成物については、オレフィン系樹脂(b)の代わりに配合したオレフィン系樹脂成分の分散粒子径及び数平均分散粒子径を測定した。
前記、射出成形(1回目)で得られたASTM1号ダンベル試験片について、温度雰囲気を−40℃とした以外は、ASTM D638に従って、引張速度1m/secの条件で引張破断伸びを測定した。
住友−ネスタール射出成形機SG75を用い、樹脂温度310℃、金型温度130℃にて、図1(a)に示すごとく、ASTM1号ダンベルの1/2の長さの成形片(2)を2つ成形した。図1(b)に示すごとく、この2つの成形片(2)を、室温(23℃)雰囲気下で熱板溶着(熱板温度290〜320℃、溶融時間30〜90秒)により溶着して、溶着部(3)を有する樹脂成形体(1)を作製した。次いで、樹脂成形体(1)について、温度雰囲気を−40℃とした以外は、ASTM D638に従って、引張速度1m/secの条件で引張破断伸びを測定した。
前記、射出成形(1回目)で得られたASTM1号ダンベル試験片を、試験燃料Fuel D(トルエン/イソオクタン=60vol%/40vol%)中、60℃にて1000h浸漬後、初期重量に対する重量変化率を測定した。
撹拌機付きの70リットルオートクレーブに、47.5%水硫化ナトリウム8267.37g(70.00モル)、96%水酸化ナトリウム2957.21g(70.97モル)、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)11434.50g(115.50モル)、酢酸ナトリウム2583.00g(31.50モル)、及びイオン交換水10500gを仕込み、常圧で窒素を通じながら245℃まで約3時間かけて徐々に加熱し、水14780.1gおよびNMP280gを留出した後、反応容器を160℃に冷却した。仕込みアルカリ金属硫化物1モル当たりの系内残存水分量は、NMPの加水分解に消費された水分を含めて1.06モルであった。また、硫化水素の飛散量は、仕込みアルカリ金属硫化物1モル当たり0.02モルであった。
PPS樹脂洗浄時における0.05重量%酢酸水溶液をイオン交換水とした以外は、参考例1と同様にして脱水、重合、洗浄、乾燥を行った。得られたPPS−2は、溶融粘度が250Pa・s(310℃、剪断速度1000/s)、アルカリ金属とアルカリ土類金属の合計含有量が710ppmであった。
PPS樹脂重合時に加えるp−ジクロロベンゼンを10486.98g(71.34モル)とし、PPS樹脂洗浄時における0.05重量%酢酸水溶液を0.05重量%酢酸カルシウム一水和物水溶液とした以外は、参考例1と同様にして脱水、重合、洗浄、乾燥を行った。得られたPPS−3は、溶融粘度が160Pa・s(310℃、剪断速度1000/s)、アルカリ金属とアルカリ土類金属の合計含有量が703ppmであった。
b−1:無水マレイン酸で変性されたエチレン・1−ブテン共重合体(三井化学(株)製“タフマー”MH5020)
b−2:無水マレイン酸で変性されたエチレン・プロピレン共重合体(三井化学(株)製“タフマー”MP0610)
b−3:エチレン・グリシジルメタクリレート共重合体(住友化学(株)製“ボンドファースト”BF−E)
b′−1:変性されていないエチレン・1−ブテン共重合体(三井化学(株)製“タフマー”TX610)
c−1:2−(3,4エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン(信越化学工業(株)製KBM−303)
c−2:3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン(信越化学工業(株)製KBE−9007)
c′−1:ジフェニルメタンジイソシアネート系の多官能イソシアネート化合物(日本ポリウレタン工業(株)製“ミリオネート”MR−400)
c′−2:エポキシクレゾールノボラック型エポキシ樹脂(DIC(株)製“EPICLON”N−695)
c′−3:特殊多官能ビスフェノールA型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン(株)製“エピコート”1031S)
表1に示すPPS樹脂(a)と官能基を有するアルコキシシラン化合物(c)を、表1に示す割合でドライブレンドした後、真空ベントを具備した日本製鋼所社製TEX30α型二軸押出機(L/D=45.5、ニーディング部5箇所)を用い、スクリュー回転数300rpmにて、ダイス出樹脂温度が330℃以下となるようにシリンダー温度を設定して溶融混練し、ストランドカッターによりペレット化した。得られたペレットを130℃で1晩乾燥し、表1に示すオレフィン系樹脂(b)と、表1に示す割合になる様にドライブレンドした後、真空ベントを具備した日本製鋼所社製TEX30α型二軸押出機(L/D=45.5、ニーディング部5箇所)を用い、スクリュー回転数300rpmにて、ダイス出樹脂温度が330℃以下となるようにシリンダー温度を設定して溶融混練し、ストランドカッターによりペレット化して、PPS樹脂組成物を得た。
表1に示すPPS樹脂(a)と官能基を有するアルコキシシラン化合物(c)を、表1に示す割合でドライブレンドした後、真空ベントを具備した日本製鋼所社製TEX30α型二軸押出機(L/D=45.5、ニーディング部5箇所)を用い、スクリュー回転数300rpmにて、ダイス出樹脂温度が330℃以下となるようにシリンダー温度を設定して溶融混練し、ストランドカッターによりペレット化した。得られたペレットを130℃で1晩乾燥し、表1に示すオレフィン系樹脂(b)と、表1に示す割合になる様にドライブレンドした後、真空ベントを具備した日本製鋼所社製TEX30α型二軸押出機(L/D=45.5、ニーディング部5箇所)を用い、スクリュー回転数300rpmにて、ダイス出樹脂温度が330℃以下となるようにシリンダー温度を設定して溶融混練し、ストランドカッターによりペレット化して、中間樹脂組成物を得た。
表2に示すPPS樹脂(a)、官能基を有するオレフィン系樹脂(b)、官能基を有するアルコキシシラン化合物(c)を、表2に示す割合でドライブレンドした後、真空ベントを具備した日本製鋼所社製TEX30α型二軸押出機(L/D=45.5、ニーディング部5箇所)を用い、スクリュー回転数300rpmにて、ダイス出樹脂温度が330℃以下となるようにシリンダー温度を設定して溶融混練し、ストランドカッターによりペレット化した。
表2に示すPPS樹脂(a)と官能基を有するアルコキシシラン化合物(c)を、表2に示す割合でドライブレンドした後、真空ベントを具備した日本製鋼所社製TEX30α型二軸押出機(L/D=45.5、ニーディング部5箇所)を用い、スクリュー回転数300rpmにて、ダイス出樹脂温度が330℃以下となるようにシリンダー温度を設定して溶融混練し、ストランドカッターによりペレット化した。得られたペレットを130℃で1晩乾燥し、表2に示す官能基を有するオレフィン系樹脂(b)を、表2に示す割合になる様にドライブレンドした後、真空ベントを具備した日本製鋼所社製TEX30α型二軸押出機(L/D=45.5、ニーディング部5箇所)を用い、スクリュー回転数300rpmにて、ダイス出樹脂温度が330℃以下となるようにシリンダー温度を設定して溶融混練し、ストランドカッターによりペレット化した。
官能基を有するアルコキシシラン化合物(c)を、ジフェニルメタンジイソシアネート系の多官能イソシアネート化合物c′−1とした以外は、実施例1と同様に溶融混練、射出成形、評価を行った。結果は表2に示すとおりであった。
PPS樹脂(a)をPPS−2とし、また、官能基を有するアルコキシシラン化合物(c)をエポキシクレゾールノボラック型のエポキシ樹脂c′−2とし、その添加量を1部とした以外は比較例2と同様に溶融混練、射出成形、評価を行った。結果は表2に示すとおりであった。
官能基を有するアルコキシシラン化合物(c)を、エポキシクレゾールノボラック型のエポキシ樹脂c′−2とした以外は、実施例4と同様に溶融混練、射出成形、評価を行った。結果は表3に示すとおりであった。
官能基を有するアルコキシシラン化合物(c)を、特殊多官能ビスフェノールA型エポキシ樹脂c′−3とし、その添加量を1.9部とした以外は実施例4と同様に溶融混練、射出成形、評価を行った。結果は表3に示すとおりであった。
表3に示すPPS樹脂(a)と官能基を有するオレフィン系樹脂(b)および官能基を有さないオレフィン系樹脂(b′)を、表3に示す割合でドライブレンドした後、真空ベントを具備した日本製鋼所社製TEX30α型二軸押出機(L/D=45.5、ニーディング部5箇所)を用い、スクリュー回転数300rpmにて、ダイス出樹脂温度が330℃以下となるようにシリンダー温度を設定して溶融混練し、ストランドカッターによりペレット化した。
官能基を有するアルコキシシラン化合物(c)としてc−1を2.5部添加し、PPS樹脂(a)と官能基を有するオレフィン系樹脂(b)および官能基を有さないオレフィン系樹脂(b′)と一括して混練した以外は、比較例8と同様に溶融混練、射出成形、評価を行った。結果は表3に示すとおりであった。
2 成形片
3 溶着部
Claims (7)
- ポリフェニレンスルフィド樹脂組成物からなる溶着部を有した低膨潤樹脂成形体であって、ポリフェニレンスルフィド樹脂組成物が、(a)と(b)の合計を100重量%として、ポリフェニレンスルフィド樹脂(a)を88〜78重量%と、官能基を有するオレフィン系樹脂(b)を12〜22重量%とからなる樹脂成分100重量部に対して、官能基を有するアルコキシシラン化合物(c)を0.1〜10重量部配合してなり、前記官能基を有するオレフィン系樹脂(b)がカルボキシル基、酸無水物基、アミノ基、水酸基、メルカプト基からなる群より選ばれる少なくとも一種の官能基を有し、前記官能基を有するアルコキシシラン化合物(c)がアミノ基、エポキシ基、イソシアネート基からなる群より選ばれる少なくとも一種の官能基を有してなり、前記ポリフェニレンスルフィド樹脂組成物を射出成形した成形片のモルフォロジー(相構造)が、前記ポリフェニレンスルフィド樹脂(a)が連続相(海相)を形成し、前記官能基を有するオレフィン系樹脂(b)が数平均分散粒子径500nm以下で分散した分散相(島相)を形成した海−島構造であり、かつ射出成形した後に前記成形片を粉砕し、再び射出成形を行った成形片においても、前記官能基を有するオレフィン系樹脂(b)の分散相が数平均分散粒子径500nm以下で分散することを特徴とする、溶着部を有した低膨潤樹脂成形体。
- 前記溶着部を有する樹脂成形体の−40℃下、引張速度1m/secにおける引張破断伸度(ASTM D638に準じて測定)が10%以上であることを特徴とする請求項1に記載の溶着部を有した低膨潤樹脂成形体。
- 前記官能基を有するオレフィン系樹脂(b)が、カルボキシル基および/または酸無水物基を有するエチレン・ブテン共重合体であることを特徴とする請求項1または2に記載の溶着部を有した低膨潤樹脂成形体。
- 前記官能基を有するアルコキシシラン化合物(c)が、エポキシシクロヘキシル基またはイソシアネート基を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の溶着部を有した低膨潤樹脂成形体。
- 前記ポリフェニレンスルフィド樹脂(a)が、酸処理を施したポリフェニレンスルフィド樹脂であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の溶着部を有した低膨潤樹脂成形体。
- 前記ポリフェニレンスルフィド樹脂組成物が、前記ポリフェニレンスルフィド樹脂(a)と前記官能基を有するアルコキシシラン化合物(c)とを予め溶融混練した後、さらに官能基を有するオレフィン系樹脂(b)と溶融混練することにより得られることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の溶着部を有した低膨潤樹脂成形体。
- 前記ポリフェニレンスルフィド樹脂(a)と前記官能基を有するアルコキシシラン化合物(c)とを予め溶融混練した後、さらに官能基を有するオレフィン系樹脂(b)と溶融混練することにより、前記ポリフェニレンスルフィド樹脂組成物を製造し、これを溶融成形した少なくとも2つの成形品を溶着成形することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の溶着部を有した低膨潤樹脂成形体の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010031168A JP5156772B2 (ja) | 2010-02-16 | 2010-02-16 | 溶着部を有する低膨潤樹脂成形体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010031168A JP5156772B2 (ja) | 2010-02-16 | 2010-02-16 | 溶着部を有する低膨潤樹脂成形体 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2011168637A true JP2011168637A (ja) | 2011-09-01 |
JP5156772B2 JP5156772B2 (ja) | 2013-03-06 |
Family
ID=44683094
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2010031168A Active JP5156772B2 (ja) | 2010-02-16 | 2010-02-16 | 溶着部を有する低膨潤樹脂成形体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5156772B2 (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2016103672A1 (ja) * | 2014-12-26 | 2016-06-30 | 株式会社デンソー | 樹脂成形体およびその製造方法 |
CN113292854A (zh) * | 2021-04-13 | 2021-08-24 | 南京翌动新材料科技有限公司 | 一种陶瓷高分子复合材料的制备方法 |
WO2022210350A1 (ja) * | 2021-03-29 | 2022-10-06 | 東レ株式会社 | ポリフェニレンスルフィド樹脂組成物およびその製造方法 |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN108883600B (zh) | 2016-03-24 | 2021-08-06 | 提克纳有限责任公司 | 复合结构体 |
Citations (13)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH02308855A (ja) * | 1989-05-25 | 1990-12-21 | Dainippon Ink & Chem Inc | 電子部品封止用樹脂組成物および電子部品 |
JPH03263466A (ja) * | 1990-03-14 | 1991-11-22 | Asahi Chem Ind Co Ltd | ポリフェニレンスルフィド樹脂を主とする組成物 |
JPH04168158A (ja) * | 1990-10-31 | 1992-06-16 | Asahi Chem Ind Co Ltd | Pps組成物 |
JP2000186209A (ja) * | 1998-12-24 | 2000-07-04 | Idemitsu Petrochem Co Ltd | 電子部品封止用ポリアリ―レンスルフィド樹脂組成物 |
JP2000309706A (ja) * | 1999-04-27 | 2000-11-07 | Toray Ind Inc | 射出溶着用樹脂組成物 |
JP2001302917A (ja) * | 1999-10-12 | 2001-10-31 | Toray Ind Inc | 樹脂構造体およびその用途 |
JP2002226604A (ja) * | 2001-01-31 | 2002-08-14 | Toyoda Gosei Co Ltd | 樹脂成形体 |
JP2002275313A (ja) * | 2001-03-16 | 2002-09-25 | Toray Ind Inc | 樹脂成形品およびその製造方法 |
JP2006045451A (ja) * | 2004-08-09 | 2006-02-16 | Polyplastics Co | ポリアリーレンサルファイド樹脂組成物 |
JP2008024740A (ja) * | 2006-07-18 | 2008-02-07 | Tosoh Corp | ポリアリーレンスルフィド組成物の製造方法 |
JP2008144003A (ja) * | 2006-12-08 | 2008-06-26 | Tosoh Corp | ポリアリーレンスルフィド組成物 |
JP2009256608A (ja) * | 2008-03-28 | 2009-11-05 | Toray Ind Inc | ポリフェニレンスルフィド樹脂組成物の製造方法およびポリフェニレンスルフィド樹脂組成物 |
JP2010030177A (ja) * | 2008-07-30 | 2010-02-12 | Toray Ind Inc | 複合体およびその製造方法 |
-
2010
- 2010-02-16 JP JP2010031168A patent/JP5156772B2/ja active Active
Patent Citations (13)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH02308855A (ja) * | 1989-05-25 | 1990-12-21 | Dainippon Ink & Chem Inc | 電子部品封止用樹脂組成物および電子部品 |
JPH03263466A (ja) * | 1990-03-14 | 1991-11-22 | Asahi Chem Ind Co Ltd | ポリフェニレンスルフィド樹脂を主とする組成物 |
JPH04168158A (ja) * | 1990-10-31 | 1992-06-16 | Asahi Chem Ind Co Ltd | Pps組成物 |
JP2000186209A (ja) * | 1998-12-24 | 2000-07-04 | Idemitsu Petrochem Co Ltd | 電子部品封止用ポリアリ―レンスルフィド樹脂組成物 |
JP2000309706A (ja) * | 1999-04-27 | 2000-11-07 | Toray Ind Inc | 射出溶着用樹脂組成物 |
JP2001302917A (ja) * | 1999-10-12 | 2001-10-31 | Toray Ind Inc | 樹脂構造体およびその用途 |
JP2002226604A (ja) * | 2001-01-31 | 2002-08-14 | Toyoda Gosei Co Ltd | 樹脂成形体 |
JP2002275313A (ja) * | 2001-03-16 | 2002-09-25 | Toray Ind Inc | 樹脂成形品およびその製造方法 |
JP2006045451A (ja) * | 2004-08-09 | 2006-02-16 | Polyplastics Co | ポリアリーレンサルファイド樹脂組成物 |
JP2008024740A (ja) * | 2006-07-18 | 2008-02-07 | Tosoh Corp | ポリアリーレンスルフィド組成物の製造方法 |
JP2008144003A (ja) * | 2006-12-08 | 2008-06-26 | Tosoh Corp | ポリアリーレンスルフィド組成物 |
JP2009256608A (ja) * | 2008-03-28 | 2009-11-05 | Toray Ind Inc | ポリフェニレンスルフィド樹脂組成物の製造方法およびポリフェニレンスルフィド樹脂組成物 |
JP2010030177A (ja) * | 2008-07-30 | 2010-02-12 | Toray Ind Inc | 複合体およびその製造方法 |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2016103672A1 (ja) * | 2014-12-26 | 2016-06-30 | 株式会社デンソー | 樹脂成形体およびその製造方法 |
WO2022210350A1 (ja) * | 2021-03-29 | 2022-10-06 | 東レ株式会社 | ポリフェニレンスルフィド樹脂組成物およびその製造方法 |
CN113292854A (zh) * | 2021-04-13 | 2021-08-24 | 南京翌动新材料科技有限公司 | 一种陶瓷高分子复合材料的制备方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP5156772B2 (ja) | 2013-03-06 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5310326B2 (ja) | ポリフェニレンスルフィド樹脂組成物、その製造方法 | |
JP5206492B2 (ja) | ポリフェニレンスルフィド樹脂組成物の製造方法およびポリフェニレンスルフィド樹脂組成物 | |
JP4974265B2 (ja) | ポリフェニレンスルフィド樹脂組成物 | |
JP5217165B2 (ja) | ポリフェニレンスルフィド樹脂組成物 | |
JP4596787B2 (ja) | 燃料タンク | |
JP4844559B2 (ja) | ポリフェニレンスルフィド樹脂組成物、その製造方法および成形品 | |
TWI542634B (zh) | 聚苯硫樹脂組成物之製造方法 | |
JP2010195962A (ja) | ポリフェニレンスルフィド樹脂組成物からなる流体配管用部材 | |
JP2008266616A (ja) | ポリフェニレンスルフィド樹脂組成物 | |
JP2018009148A (ja) | ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物の製造方法 | |
JP5156772B2 (ja) | 溶着部を有する低膨潤樹脂成形体 | |
JP2012046721A (ja) | ポリフェニレンスルフィド樹脂組成物および成形品 | |
JP2010006858A (ja) | ポリフェニレンスルフィド樹脂組成物 | |
JP5540778B2 (ja) | 耐圧容器 | |
JP7424181B2 (ja) | ポリフェニレンスルフィド樹脂組成物および成形体 | |
JP2011153242A (ja) | ポリフェニレンスルフィド樹脂組成物、その製造方法 | |
JP6048019B2 (ja) | ポリフェニレンスルフィド樹脂組成物成形品、その製造方法 | |
JP2006012649A (ja) | 樹脂被覆電線 | |
JP4742525B2 (ja) | ポリフェニレンスルフィド樹脂組成物 | |
WO2021100758A1 (ja) | 自動車冷却部品用ポリフェニレンスルフィド樹脂組成物および自動車冷却部品 | |
JP5117482B2 (ja) | 燃料タンク | |
JP4941385B2 (ja) | ポリエーテルスルホン樹脂組成物、その製造方法および成形品 | |
JP5103763B2 (ja) | 樹脂組成物およびそれからなる成形品 | |
JP5050728B2 (ja) | ポリエーテルイミド樹脂組成物 | |
JP2008019410A (ja) | ポリフェニレンスルフィド樹脂、その製造方法、ポリフェニレンスルフィド樹脂組成物およびそれからなる成形品 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20120418 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20121115 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20121120 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20121210 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20151214 Year of fee payment: 3 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 5156772 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
S111 | Request for change of ownership or part of ownership |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313117 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |