JPH11269370A - 熱硬化性オキセタン組成物およびその硬化方法ならびにその方法により得られる硬化物 - Google Patents

熱硬化性オキセタン組成物およびその硬化方法ならびにその方法により得られる硬化物

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JPH11269370A
JPH11269370A JP7250898A JP7250898A JPH11269370A JP H11269370 A JPH11269370 A JP H11269370A JP 7250898 A JP7250898 A JP 7250898A JP 7250898 A JP7250898 A JP 7250898A JP H11269370 A JPH11269370 A JP H11269370A
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JP7250898A
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Inventor
Hidemasa Okamoto
秀正 岡本
Masaru Kunimura
勝 国村
Yoshiyuki Miwa
孔之 三輪
Tsutomu Funakoshi
勉 船越
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Ube Corp
Original Assignee
Ube Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、機械的性質、電気的性質、接着
性、耐熱性、耐湿性、耐薬品性などに優れ、塗料、コー
ティング剤、接着剤、電気絶縁材料、半導体封止材料、
土木建築材料などの用途分野に、エポキシ樹脂の代替品
として有用な新規な硬化物製造用の熱硬化性オキセタン
組成物、該組成物の硬化方法、およびその方法によって
得られる新規な硬化物を提供する。 【解決手段】 本発明は、分子中に1〜4個のオキセタ
ン環を有するオキセタン化合物100重量部と熱潜在性
カチオン重合性触媒0.01〜20重量部とを含んでな
る熱硬化性オキセタン組成物、該組成物を50〜200
℃の温度で1分〜50時間加熱し、カチオン重合反応を
行わしめて得られる三次元網目構造を有する新規な硬化
物、および、その製造方法に関する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規な硬化物製造
用の、オキセタン化合物と熱潜在性カチオン重合性触媒
とを含んでなる熱硬化性オキセタン組成物、該組成物の
硬化方法、およびその方法によって得られる新規な硬化
物に関する。さらに詳しくは、分子中に1〜4個のオキ
セタン環を有するオキセタン化合物100重量部と、第
四級アンモニウム塩、ホスホニウム塩、スルホニウム
塩、ジアゾニウム塩およびヨードニウム塩からなる群か
ら選ばれる少なくとも1種の熱潜在性カチオン重合性触
媒0.01〜20重量部とを含み、加熱することによっ
て新規な硬化物を製造し得る熱硬化性オキセタン組成
物;該熱硬化性オキセタン組成物を50〜200℃の温
度で1分〜50時間加熱し、前記オキセタン化合物をカ
チオン重合せしめることからなる前記熱硬化性オキセタ
ン組成物の硬化方法;および該硬化方法によって製造さ
れる新規な硬化物に関する。
【0002】本発明の熱硬化性オキセタン組成物は、5
0〜200℃の温度に加熱されることにより前記熱潜在
性カチオン重合性触媒から形成されるカチオン性重合触
媒の作用を受けて速硬化反応(前記オキセタン化合物中
のオキセタン環の開環重合反応)を起こし、不溶不融の
三次元網目構造の新規な硬化物を形成することによっ
て、優れた機械的性質(引張強さ、硬さなど)、電気的
性質(電気絶縁性など)、接着性、耐熱性、耐湿性、耐
薬品性などを示すものであり、エポキシ樹脂の代替品と
して、塗料やコーティング剤、接着剤、電気絶縁材料、
ICや超LSI封止材料、積層板およびその他の電気・
電子部品、コンクリート構造物の補修、新旧コンクリー
トの打継、補強鋼板の接着、各種ライニングなどの土木
建築用途、複合材料用途などの分野への使用が大いに期
待できる。
【0003】
【従来の技術】4員環の環状エーテル化合物であるオキ
セタンは、炭素−酸素間の結合が分極していることから
高い反応性を示し、ルイス酸などを反応開始剤に用いた
オキセタンの開環重合(S.Inoue and T.Aida,Ring Open
ing Polymerization,K.J.Ivinand T.Saegusa,Eds.,Else
vier,London,1984,Vol.1,pp.185〜298 など参照)や、
トリアルキルアルミニウム−水反応生成物を触媒として
用いたオキシメチルオキセタンのトリメチルシリルエー
テルの開環重合(特開平2−29429号公報参照)な
どが報告されている。
【0004】また最近では、カチオン重合におけるオキ
セタンの高い反応性を利用し、カチオン性光重合開始剤
の存在下での光カチオン重合が幾つか報告されている。
例えば、特開平6−16804号公報、特開平7−17
958号公報、特開平7−173279号公報および特
開平8−245783号公報などには、下記一般式(VI
II)
【0005】
【化8】
【0006】(式中、R7 は、水素原子、フッ素原子、
1価の炭化水素基、1価のフッ素置換炭化水素基などで
あり、R8 は、水素原子、あるいは場合により置換され
たアルキル基、場合により置換されたアリール基、アル
カノイル基、アロイル基、場合により置換された線状ま
たは分岐状アルキレン基、場合により置換された線状ま
たは分岐状ポリ(アルキレンオキシ)基、2〜4価のケ
イ素含有基、2〜4価の芳香族環含有炭化水素基などの
1〜4価の置換基であり、mは、1〜4の整数である)
で示される分子中に1〜4個のオキセタン環を有する3
−置換オキセタンモノマーと、トリアリールスルホニウ
ム塩、ジアリールヨードニウム塩などのカチオン性光重
合開始剤とからなる光硬化性オキセタン組成物、該組成
物に紫外線、X線または電子線などの活性エネルギー線
を照射することからなる前記オキセタンモノマーの硬化
方法、および該硬化方法によって得られる架橋重合体が
開示されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記に
示すようなカチオン性光重合開始剤の存在下でオキセタ
ン化合物に活性エネルギー線を照射する光カチオン重合
においては、速硬化するが、活性エネルギー線を照射し
なければ硬化反応が起こらないため、活性エネルギー線
を照射できない大型部品、あるいは活性エネルギー線が
照射できない構造を持つ物品に対しては適用が困難であ
り、また、高価な活性エネルギー線照射装置が必要にな
るなどの問題があった。そこで、これら活性エネルギー
線を照射できない大型部品や活性エネルギー線が照射で
きない構造を持つ物品に対し、貯蔵安定性に優れ、かつ
速硬化するものが熱望されていた。一方、特開平8−2
69391号公報や特開平8−269165号公報に
は、エポキシ基含有化合物と前記第四級アンモニウム
塩、ホスホニウム塩、スルホニウム塩、ジアゾニウム塩
またはヨードニウム塩などのオニウム塩からなる熱潜在
性カチオン重合性触媒とを少なくとも含んでなる組成物
を加熱硬化せしめることにより塗膜を得ることが記載さ
れているが、前記オキセタン化合物と前記熱潜在性カチ
オン重合性触媒とからなる混合物の熱硬化反応に関する
研究報告は未だ皆無であった。本発明の目的は、貯蔵安
定性に優れ、かつ熱により速硬化する硬化性オキセタン
組成物、該組成物の硬化方法、およびその方法によって
得られる新規な硬化物を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決するために、オキセタン環の新しい反応の開発
とその高分子合成への展開を目的として、分子中に1個
以上のオキセタン環を有するオキセタン化合物の熱カチ
オン重合反応について鋭意検討を重ねた結果、前記オキ
セタン化合物100重量部あたりに、加熱によりカチオ
ン重合性触媒を形成する前記熱潜在性カチオン重合性触
媒0.01〜20重量部を含んでなる混合物を50〜2
00℃の温度で1分〜50時間加熱して、前記オキセタ
ン化合物の開環カチオン重合反応を行わしめることによ
り、分子間架橋された三次元網目構造を有する不溶不融
の新規な熱硬化物が得られることを見い出し、本発明を
完成するに至った。
【0009】すなわち、請求項1に記載の第1の発明
は、分子中に1〜4個のオキセタン環を有する化合物
(A)の少なくとも1種を100重量部と熱潜在性カチ
オン重合性触媒(B)の少なくとも1種を0.01〜2
0重量部含んでなる熱硬化性オキセタン組成物を提供す
ることで達成できる。請求項2に記載の第2の発明は、
分子中に1〜4個のオキセタン環を有する化合物(A)
の少なくとも1種が100重量部と熱潜在性カチオン重
合性触媒(B)の少なくとも1種が0.01〜20重量
部とからなる混合物を50〜200℃の温度で1分〜5
0時間加熱することを特徴とする硬化物の製造方法を、
また、請求項3に記載の第3の発明は、分子中に1〜4
個のオキセタン環を有する化合物(A)の少なくとも1
種が100重量部と熱潜在性カチオン重合性触媒(B)
の少なくとも1種が0.01〜20重量部とからなる混
合物を50〜200℃の温度で1分〜50時間加熱して
得られる硬化物を、それぞれ、提供することで達成でき
る。
【0010】請求項4に記載の第4の発明は、前記の熱
潜在性カチオン重合性触媒(B)が下記一般式(I)で
示される第四級アンモニウム塩、下記一般式(II)で示
されるホスホニウム塩、下記一般式(III)、(IV)また
は(V)で示されるスルホニウム塩、下記一般式(VI)
で示されるジアゾニウム塩および下記一般式(VII)で示
されるヨードニウム塩からなる群より選ばれる少なくと
も1種のオニウム塩であることを特徴とする前記第1の
発明に係わる熱硬化性オキセタン組成物を提供すること
で達成できる。
【0011】請求項5に記載の第5の発明は、前記の熱
潜在性カチオン重合性触媒(B)が前記一般式(I)で
示される第四級アンモニウム塩、下記一般式(II)で示
されるホスホニウム塩、下記一般式(III)、(IV)また
は(V)で示されるスルホニウム塩、下記一般式(VI)
で示されるジアゾニウム塩および下記一般式(VII)で示
されるヨードニウム塩からなる群より選ばれる少なくと
も1種のオニウム塩であることを特徴とする前記第2の
発明に係わる硬化物の製造方法を提供することで達成で
きる。そして、請求項6に記載の第6の発明は、前記の
熱潜在性カチオン重合性触媒(B)が前記一般式(I)
で示される第四級アンモニウム塩、下記一般式(II)で
示されるホスホニウム塩、下記一般式(III)、(IV)ま
たは(V)で示されるスルホニウム塩、下記一般式(V
I)で示されるジアゾニウム塩および下記一般式(VII)
で示されるヨードニウム塩からなる群より選ばれる少な
くとも1種のオニウム塩であることを特徴とする前記第
3の発明に係わる硬化物を提供することで達成できる。
【0012】
【化9】
【0013】(一般式(I)中、R1 〜R4 は、それぞ
れ、炭素原子数1〜20のアルキル基、炭素原子数3〜
12のアルケニル基、アリール基、アルカリール基、炭
素原子数1〜20のアルカノール基もしくは炭素原子数
5〜10のシクロアルキル基であり、互いに同一でも異
なっていてもよく、また置換基を有しても有さなくても
よい。また、R1 〜R4 のうち2個は互いに結合して、
N、P、OまたはSをヘテロ原子とする複素環を形成し
てもよい。さらに、Xは、BF4 、PF6 、AsF6
SbF6 、SbCl6 、(C6 5 4 B、SbF
5 (OH)、HSO4 、p−CH3 6 4 SO3 、H
CO3 、H2 PO4 、CH3 COOおよびハロゲン原子
からなる群より選ばれる1価の陰イオンを表わす。)
【0014】
【化10】 (一般式(II)中、R1 〜R4 およびXは、それぞれ、
上記一般式(I)におけるR1 〜R4 およびXと同じで
ある。)
【0015】
【化11】 (一般式(III)中、R1 〜R3 およびXは、それぞれ、
上記一般式(I)におけるR1 〜R3 およびXと同じで
あり、R1 〜R3 のうち2個は互いに結合して、N、
P、OまたはSをヘテロ原子とする複素環を形成しても
よい。)
【0016】
【化12】 (一般式(IV)中、R1 、R2 およびXは、それぞれ、
上記一般式(I)におけるR1 、R2 およびXと同じで
あり、R1 およびR2 は互いに結合して、N、P、Oま
たはSをヘテロ原子とする複素環を形成してもよい。ま
た、Arは、置換基を有しても有さなくてもよいアリー
ル基を表わす。)
【0017】
【化13】 (一般式(V)中、R1 〜R4 およびXは、それぞれ、
上記一般式(I)におけるR1 〜R4 およびXと同じで
ある。また、Arは、上記一般式(IV)におけるArと
同じである。)
【0018】
【化14】 (一般式(VI)中、ArおよびXは、それぞれ、上記一
般式(IV)におけるArおよび上記一般式(I)におけ
るXと同じである。)
【0019】
【化15】 (一般式(VII)中、Xは、上記一般式(I)におけるX
と同じであり、R5 およびR6 は、互いに同一でも異な
っていてもよく、また置換基を有しても有さなくてもよ
いアリール基である。)
【0020】
【発明の実施の形態】以下に、本発明を詳しく説明す
る。本発明の熱硬化性オキセタン組成物は、分子中に1
〜4個のオキセタン環を有する化合物であるオキセタン
化合物(A)の少なくとも1種と、後述する熱潜在性チ
オン重合性触媒(B)の少なくとも1種との混合物であ
り、後述する硬化方法によって本発明の新規な硬化物を
製造し得るものである。
【0021】そこでまず、本発明の熱硬化性オキセタン
組成物の一成分である前記オキセタン化合物(A)につ
いて述べる。本発明に用いられる前記オキセタン化合物
(A)は、上述したように、分子中に1〜4個のオキセ
タン環を有する化合物である。分子中に1個のオキセタ
ン環を有する化合物は、下記一般式(IX)
【0022】
【化16】
【0023】(ただし、式中、R9 は、水素原子または
1〜6個の炭素原子を有するアルキル基を示す)で表わ
される化合物である。1〜6個の炭素原子を有するアル
キル基を例示すると、メチル基、エチル基、n−プロピ
ル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、
sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル
基、イソペンチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基
およびイソヘキシル基などの直鎖または分岐鎖のアルキ
ル基が挙げられる。分子中に1個のオキセタン環を有す
る化合物としては、前記一般式(IX)においてR9 が水
素原子である3−ヒドロキシメチルオキセタン、R9
メチル基である3−メチル−3−ヒドロキシメチルオキ
セタンおよびR9 がエチル基である3−エチル−3−ヒ
ドロキシメチルオキセタンの使用が好ましく、これらの
中でも3−メチル−3−ヒドロキシメチルオキセタンお
よび3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタンの使
用が特に好ましい。
【0024】一方、分子中に2個のオキセタン環を有す
る化合物は、下記一般式(X)
【0025】
【化17】
【0026】(式中、R10は、前記一般式(IX)におけ
るR9 と同様の基であり、R11は、エチレン基、トリメ
チレン基、プロピレン基、テトラメチレン基、1,2−
ブチレン基、1,3−ブチレン基、2,3−ブチレン
基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、オクタメチ
レン基などの1〜12個の炭素原子を有する線状または
分岐状アルキレン基、プロペニレン基、メチルプロペニ
レン基、ブテニレン基などの1〜12個の炭素原子を有
する線状または分岐状不飽和炭化水素基、下記一般式
(XI)
【0027】
【化18】 で示される芳香族炭化水素基、下記一般式(XII)
【0028】
【化19】 で示される芳香族炭化水素基、下記式
【0029】
【化20】 で示されるカルボニル基、下記一般式(XIII)
【0030】
【化21】 で示されるカルボニル基を含むアルキレン基、下記式
【0031】
【化22】 で示されるカルボニル基含有脂環式炭化水素基、下記式
【0032】
【化23】 で示されるカルボニル基含有芳香族炭化水素基および下
記一般式(XIV)
【0033】
【化24】
【0034】で示される基からなる群から選択される2
価の原子価を持つ基である。そして、R12は、水素原
子、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピ
ル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基
およびtert−ブチル基などの1〜4個の炭素原子を
有する直鎖または分岐鎖のアルキル基、メトキシ基、エ
トキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ
基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基およびter
t−ブトキシ基などの1〜4個の炭素原子を有するアル
コキシ基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子およびヨウ
素原子などのハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、メル
カプト基、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル
基、プロポキシカルボニル基およびブトキシカルボニル
基などの炭素原子数1〜4の低級アルキルカルボキシレ
ート基、カルボキシル基、カルバモイル基、ならびにメ
チルカルバモイル基、エチルカルバモイル基、プロピル
カルバモイル基およびブチルカルバモイル基などの炭素
原子数1〜4のN−アルキルカルバモイル基からなる群
から選ばれる原子価が1の基であり、R13は、O、S、
CH2 、NH、SO、SO2 、C(CF3)2 またはC
(CH3)2 である。またYは、場合により置換された1
〜12個の炭素原子を有する線状または分岐状アルキレ
ン基、下記式
【0035】
【化25】 あるいは
【化26】 で示される基など、場合により置換された原子価2の脂
環式炭化水素基、または下記式
【0036】
【化27】
【0037】あるいは
【化28】 で示される基などの場合により置換されたアリーレン基
であり、kは、1〜20の整数である)で表わされるビ
スオキセタンである。
【0038】本発明における分子中に2個のオキセタン
環を有する化合物としては、前記一般式(X)におい
て、R10が低級アルキル基のものが好ましく、メチル基
およびエチル基のものがより好ましい。そして、前記一
般式(X)におけるR11としては、1〜12個の炭素原
子を有する線状アルキレン基のものや、前記一般式(X
I)で示される原子価が2の芳香族炭化水素基のものが
好ましく、ヘキサメチレン基、前記一般式(XI)におい
てR12が水素原子である基のものがより好ましい。した
がって、上記の分子中に2個のオキセタン環を有する化
合物の好ましい具体例としては、下記式(1)〜(7)
で示されるビスオキセタンなどが挙げられる。
【0039】
【化29】
【0040】つまり、式(1)〜(4)で示される化合
物は、前記一般式(X)において、R10がエチル基であ
り、R11が、それぞれ、エチレン基、テトラメチレン
基、ヘキサメチレン基およびオクタメチレン基であるビ
スオキセタンである。式(5)で示される化合物は、前
記一般式(X)において、R10がエチル基、R11が前記
一般式(XI)でR12が水素原子であるビスオキセタンで
ある。また、式(6)で示される化合物は、前記一般式
(X)において、R10がエチル基、R11がカルボニル基
であるビスオキセタンである。そして、式(7)で示さ
れる化合物は、前記一般式(X)において、R10がエチ
ル基、R11が式
【0041】
【化30】 で示されるカルボニル基含有芳香族炭化水素基であるビ
スオキセタンである。
【0042】本発明に用いられる分子中に3または4個
のオキセタン環を有する化合物は、下記一般式(XV)
【0043】
【化31】
【0044】(式中、R14は、前記一般式(IX)におけ
るR9 と同様の基であり、R15は、炭化水素基、置換さ
れた炭化水素基、下記一般式(XVI)
【0045】
【化32】 で示される基、および下記一般式(XVII)
【0046】
【化33】
【0047】で示される基からなる群より選択される原
子価が3または4の多価基であり、nは、3もしくは4
である。なお、上記一般式(XVI)および一般式(XVII)
において、Z1 およびZ2 は、いずれも場合により置換
されている原子価が3または4の脂肪族、脂環式または
芳香族炭化水素基であり、pおよびqは、共に3もしく
は4である。)で表わされる化合物である。
【0048】前記3または4価の炭化水素基、あるい
は、置換された3または4価の炭化水素基としては、下
記式(8)〜(10)で示される多価基などの炭素原子
数1〜12の分岐状アルキレン基を例示することができ
る。
【0049】
【化34】
【0050】上記式(8)において、R16は、水素原
子、またはメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソ
プロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブ
チル基あるいはtert−ブチル基などの1〜4個の炭
素原子を有する低級アルキル基である。
【0051】また、前記一般式(XVI)において、場合に
より置換されている3または4価の炭化水素基であるZ
1 としては、下記式
【0052】
【化35】
【0053】で示される3価の芳香族炭化水素基を挙げ
ることができる。さらにまた、前記一般式(XVII)にお
いて、場合により置換されている3または4価の炭化水
素基であるZ2 としては、下記式
【0054】
【化36】
【0055】あるいは
【化37】 で示される3価の脂環式または芳香族炭化水素基を挙げ
ることができる。
【0056】そして、本発明に用いられる分子中に3ま
たは4個のオキセタン環を有する化合物として、具体的
には、前記一般式(XV)において、R14が低級アルキル
基であり、R15が前記式(8)で示される原子価が3で
炭素原子数1〜12の分岐状アルキレン基や、前記一般
式(XVI)で示される基であるものが好ましい。さらに
は、前記一般式(XV)において、R14がエチル基であ
り、R15が、前記式(8)でR16がエチル基であるも
の、または、前記一般式(XVI)でZ1 が下記式
【0057】
【化38】 で示される芳香族炭化水素基、かつpが3であるものが
より好ましい。
【0058】本発明に用いられる上述したような分子中
に1〜4個のオキセタン環を有する化合物(A)は、次
のようにして製造され得る。例えば、前記一般式(IX)
で示される分子中に1個のオキセタン環を有する化合物
は、下記式(11)のように、パティソン(Pattison)
(J.Am.Chem.Soc.,1957,79を参照)の方法により、
1,3−ジオールから合成することができる。
【0059】
【化39】
【0060】具体的には、前記一般式(IX)においてR
9 がエチル基である3−エチル−3−ヒドロキシメチル
オキセタンは、トリメチロールプロパンと炭酸ジエチル
から上記パティソンの方法により得られる。
【0061】前記一般式(X)において、R11が1〜1
2個の炭素原子を有する線状または分岐状アルキレン
基、1〜12個の炭素原子を有する線状または分岐状不
飽和炭化水素基、あるいは前記一般式(XI)もしくは前
記一般式(XII)で示される芳香族炭化水素基である分子
中に2個のエーテル基を含むビスオキセタン化合物は、
前述のパティソンの方法により合成された3−エチル−
3−ヒドロキシメチルオキセタンと、ジハライドとか
ら、下記化学式(12)のように合成することができ
る。
【0062】
【化40】
【0063】前記の化学式(12)において、R
11a は、1〜12個の炭素原子を有する線状または分岐
状アルキレン基、1〜12個の炭素原子を有する線状ま
たは分岐状不飽和炭化水素基、あるいは前記一般式(X
I)もしくは前記一般式(XII)で示される芳香族炭化水
素基であり、X1 は、臭素原子、塩素原子またはヨウ素
原子である。また、前記一般式(X)において、R
11が、前記一般式(XIII)でkが1〜6の整数であるカ
ルボニル基を含むアルキレン基または前述の式
【0064】
【化41】 などで示されるカルボニル基含有芳香族炭化水素基であ
る分子中に2個のエステル基を含むビスオキセタン化合
物は、前述のパティソンの方法により合成された3−エ
チル−3−ヒドロキシメチルオキセタンと、ジエステル
化合物とから、米国特許第3278554号明細書に記
載されているように、エステル交換反応を用いて次式
(13)のように調製することができる。
【0065】
【化42】
【0066】なお、前記式(13)において、R17は、
1〜6個の炭素原子を有する線状または分岐状アルキレ
ン基、または下記式
【0067】
【化43】
【0068】で示される芳香族炭化水素基であり、R18
は、場合により置換された脂肪族、脂環式あるいは芳香
族炭化水素基である。また、前記一般式(XV)におい
て、nが3または4である、すなわち、分子中に3また
は4個のオキセタン環を有する化合物は、前述のビスオ
キセタン化合物と同様にして調製することができる。例
えば、前記式(12)においてR11a が3または4個の
置換可能基を含む直鎖もしくは分岐鎖のアルキレン基で
あるときに、適当な前記一般式(XV)で表わされる化合
物が合成され得る。
【0069】本発明では、前記熱硬化性オキセタン組成
物を構成する分子中に1〜4個のオキセタン環を有する
化合物(A)として、前述の分子中に1個のオキセタン
環を有する化合物、分子中に2個のオキセタン環を有す
るビスオキセタン化合物、あるいは分子中に3または4
個のオキセタン環を有する化合物から選ばれる1種類が
単独使用されてもよく、また、これらの2種類以上が併
用されたものであってもよい。
【0070】一方、本発明の熱硬化性オキセタン組成物
のもう一つの構成成分である前記熱潜在性カチオン重合
性触媒(B)は、前述したように、加熱することによっ
てカチオン重合性触媒を形成し、前記分子中に1〜4個
のオキセタン環を有する化合物(A)中のオキセタン環
の開環カチオン重合による硬化反応を触媒するものであ
る。すなわち、前記オキセタン化合物(A)に配合して
室温に放置する限りにおいては長期間にわたって安定で
あるが、熱の作用で掛金が外されると、直ちにカチオン
重合性触媒を形成し、前記硬化反応を開始、促進せしめ
る、いわゆる潜在性硬化剤である。
【0071】前記熱潜在性カチオン重合性触媒(B)と
しては、具体的には、以下に示すような各種オニウム塩
を挙げることができる。例えば、下記一般式(I)で示
される第四級アンモニウム塩、下記一般式(II)で示さ
れるホスホニウム塩および下記一般式(III)、(IV)ま
たは(V)で示されるスルホニウム塩などがある。
【0072】
【化44】
【0073】(ただし、一般式(I)中、R1 〜R
4 は、それぞれ、炭素原子数1〜20のアルキル基、炭
素原子数3〜12のアルケニル基、アリール基、アルカ
リール基、炭素原子数1〜20のアルカノール基もしく
は炭素原子数5〜10のシクロアルキル基であり、互い
に同一でも異なっていてもよく、また置換基を有しても
有さなくてもよい。また、R1 〜R4 のうち2個は互い
に結合して、N、P、OまたはSをヘテロ原子とする複
素環を形成してもよい。さらに、Xは、BF4 、P
6 、AsF6 、SbF6 、SbCl6 、(C6 5
4 B、SbF5 (OH)、HSO4 、p−CH3 6
4 SO3 、HCO3 、H2 PO4 、CH3 COOおよび
ハロゲン原子からなる群より選ばれる対イオン、すなわ
ち、1価の陰イオンを表わす。)
【0074】
【化45】
【0075】(ただし、一般式(II)中、R1 〜R4
よびXは、それぞれ、前記一般式(I)におけるR1
4 およびXと同じである。)
【0076】
【化46】
【0077】(ただし、一般式(III)中、R1 〜R3
よびXは、それぞれ、前記一般式(I)におけるR1
3 およびXと同じであり、R1 〜R3 のうち2個は互
いに結合して、N、P、OまたはSをヘテロ原子とする
複素環を形成してもよい。)
【0078】
【化47】
【0079】(ただし、一般式(IV)中、R1 、R2
よびXは、それぞれ、前記一般式(I)におけるR1
2 およびXと同じであり、R1 およびR2 は互いに結
合して、N、P、OまたはSをヘテロ原子とする複素環
を形成してもよい。また、Arは、置換基を有しても有
さなくてもよいアリール基を表わす。)
【0080】
【化48】
【0081】(ただし、一般式(V)中、R1 〜R4
よびXは、それぞれ、前記一般式(I)におけるR1
4 およびXと同じである。また、Arは、上記一般式
(IV)におけるArと同じである。)
【0082】ここで、前記一般式(I)〜(V)におい
て、R1 、R2 、R3 またはR4 としての前記炭素原子
数1〜20のアルキル基としては、置換基を有しても、
有さなくてもよい直鎖または分岐を有するアルキル基が
挙げられ、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル
基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル
基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチ
ル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル
基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、ノニル基、デシ
ル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テト
ラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、オクタ
デシル基、ノナデシル基およびエイコシル基などが挙げ
られる。また、前記R1 、R2 、R3 またはR4 として
の炭素原子数3〜12のアルケニル基としては、置換基
を有しても、有さなくてもよい直鎖または分岐を有する
アルケニル基が含まれ、例えば、n−プロペニル基、n
−ブテニル基、sec−ブテニル基、tert−ブテニ
ル基、n−ペンテニル基、sec−ペンテニル基、ヘキ
セニル基、n−ヘプテニル基、sec−ヘプテニル基、
オクテニル基、ノネニル基、デセニル基およびウンセニ
ル基などが挙げられる。
【0083】前記R1 、R2 、R3 またはR4 としての
アリール基としては、例えば、置換または非置換のフェ
ニル基、ナフチル基またはアントラセン基が含まれ、特
に、フェニル基が好ましい。前記R1 、R2 、R3 また
はR4 としてアルカリール基としては、前述の炭素原子
数1〜20のアルキル基およびアリール基で構成される
ものが挙げられる。また、前記R1 、R2 、R3 または
4 としての炭素原子数1〜20のアルカノール基とし
ては、置換基を有しても、有さなくてもよい直鎖または
分岐を有するアルカノール基が含まれ、例えば、エタノ
ール基、n−プロパノール基、イソプロパノール基、n
−ブタノール基、sec−ブタノール基、tert−ブ
タノール基、n−ペンタノール基、sec−ペンタノー
ル基、1−ヘキサノール基、1−ヘプタノール基、1−
オクタノール基、1−ノナノール基、1−デカノール
基、1−ウンデカノール基、1−ドデカノール基、1−
トリデカノール基、1−テトラデカノール基、1−ペン
タデカノール基、1−ヘキサデカノール基、1−ヘプタ
デカノール基、1−オクタデカノール基、1−ノナデカ
ノール基および1−エイコサノール基などが挙げられ
る。さらにまた、前記R1 、R2 、R3 またはR4 とし
ての炭素原子数5〜10のシクロアルキル基としては、
置換基を有しても、有さなくてもよい分岐を有すること
のあるシクロアルキル基が含まれ、例えば、シクロペン
チル基、2−メチルシクロペンチル基、シクロヘキシル
基およびシクロヘプチル基などが挙げられる。一方、前
記一般式(IV)および(V)において、Arとしての置
換基を有しても有さなくてもよいアリール基としては、
置換または非置換のフェニル基またはナフチル基が挙げ
られる。
【0084】なお、前記一般式(I)〜(V)におい
て、前記置換基としては、例えば、フッ素原子などのハ
ロゲン原子、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イ
ソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、te
rt−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネ
オペンチル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基、n−
ヘプチル基およびn−オクチル基などの炭素原子数1〜
8のアルキル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基
およびシクロヘプチル基などの炭素原子数5〜7のシク
ロアルキル基、またはメトキシ基、エトキシ基、プロポ
キシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ
基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、ペン
チルオキシ基、イソペンチルオキシ基、sec−ペンチ
ルオキシ基、ヘキシルオキシ基、イソヘキシルオキシ
基、ヘプチルオキシ基およびオクチルオキシ基などの炭
素原子数1〜8のアルコキシ基が挙げられる。
【0085】前記一般式(I)で示される第四級アンモ
ニウム塩としては、例えば、テトラブチルアンモニウム
テトラフルオロボレート、テトラブチルアンモニウムヘ
キサフルオロホスフェート、テトラブチルアンモニウム
ハイドロゲンサルフェート、テトラエチルアンモニウム
テトラフルオロボレート、テトラエチルアンモニウムp
−トルエンスルホネート、N,N−ジメチル−N−ベン
ジルアニリニウム六フッ化アンチモン、N,N−ジメチ
ル−N−ベンジルアニリニウム四フッ化ホウ素、N,N
−ジメチル−N−ベンジルピリジニウム六フッ化アンチ
モン、N,N−ジエチル−N−ベンジルトリフルオロメ
タンスルホン酸、N,N−ジメチル−N−(4−メトキ
シベンジル)ピリジニウム六フッ化アンチモン、N,N
−ジエチル−N−(4−メトキシベンジル)トルイジニ
ウム六フッ化アンチモンなどを挙げることができる。前
記一般式(II)で示されるホスホニウム塩の具体例とし
ては、例えば、エチルトリフェニルホスホニウム六フッ
化アンチモン、テトラブチルホスホニウム六フッ化アン
チモンなどを挙げることができる。
【0086】そして、前記一般式(III)、(IV)または
(V)で示されるスルホニウム塩としては、例えば、ト
リフェニルスルホニウム四フッ化ホウ素、トリフェニル
スルホニウム六フッ化アンチモン、トリフェニルスルホ
ニウム六フッ化砒素、トリ(4−メトキシフェニル)ス
ルホニウム六フッ化砒素、ジフェニル(4−フェニルチ
オフェニル)スルホニウム六フッ化砒素、アデカオプト
ンSP−150(旭電化工業社製、対イオン:P
6 )、アデカオプトンSP−170(旭電化工業社
製、対イオン:SbF6 )、アデカオプトンCP−66
(旭電化工業社製、対イオン:SbF6 )、アデカオプ
トンCP−77(旭電化工業社製、対イオン:Sb
6 )、サンエイドSI−60L(三新化学工業社製、
対イオン:SbF6)、サンエイドSI−80L(三新
化学工業社製、対イオン:SbF6 )、サンエイドSI
−100L(三新化学工業社製、対イオン:Sb
6 )、CYRACURE UVI−6974(ユニオ
ン・カーバイド社製、対イオン:SbF6 )、CYRA
CURE UVI−6990(ユニオン・カーバイド社
製、対イオン:PF6 )、UVI−508(ゼネラル・
エレクトリック社製)、UVI−509(ゼネラル・エ
レクトリック社製)、FC−508(ミネソタ・マイニ
ング・アンド・マニファクチュアリング社製)、FC−
509(ミネソタ・マイニング・アンド・マニファクチ
ュアリング社製)、CD−1010(サートマー社
製)、CD−1011(サートマー社製)およびCIシ
リーズ(日本曹達社製、対イオン:PF6 、SbF6
などを挙げることができる。
【0087】さらに、本発明では、前記熱潜在性カチオ
ン重合性触媒(B)として、下記一般式(VI)で示され
るジアゾニウム塩や下記一般式(VII)で示されるヨード
ニウム塩も使用することができる。
【0088】
【化49】
【0089】(ただし、一般式(VI)中、ArおよびX
は、それぞれ、前記一般式(IV)におけるArおよび前
記一般式(I)におけるXと同じである。)
【0090】
【化50】
【0091】(ただし、一般式(VII)中、Xは、上記一
般式(I)におけるXと同じであり、R5 およびR
6 は、互いに同一でも異なっていてもよく、また置換基
を有しても有さなくてもよいアリール基である。)
【0092】ここで、前記一般式(VI)および(VII)に
おいて、Arとしての置換基を有しても有さなくてもよ
いアリール基、および、Xとしての1価の陰イオンの具
体例としては前述の通りである。また、R5 およびR6
としての置換基を有しても有さなくてもよいアリール基
としては、例えば、置換または非置換のフェニル基、ナ
フチル基またはアントラセン基が挙げられ、特に、フェ
ニル基が好ましい。置換基としては、例えば、フッ素原
子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などのハロゲン原
子、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピ
ル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブ
チル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチ
ル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基、n−ヘプチル
基およびn−オクチル基などの炭素原子数1〜8のアル
キル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基およびシ
クロヘプチル基などの炭素原子数5〜7のシクロアルキ
ル基、またはメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、
イソプロポキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、se
c−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、ペンチルオキ
シ基、イソペンチルオキシ基、sec−ペンチルオキシ
基、ヘキシルオキシ基、イソヘキシルオキシ基、ヘプチ
ルオキシ基およびオクチルオキシ基などの炭素原子数1
〜8のアルコキシ基が挙げられる。
【0093】前記一般式(VI)で示されるジアゾニウム
塩の具体例としては、アメリカン・キャン社製のAME
RICURE(対イオン:BF4 )および旭電化工業社
製のULTRASET(対イオン:BF4 、PF6 )な
どを挙げることができる。また、前記一般式(VII)で示
されるヨードニウム塩の具体例としては、ジフェニルヨ
ードニウム六フッ化砒素、ジ4−クロロフェニルヨード
ニウム六フッ化砒素、ジ4−ブロムフェニルヨードニウ
ム六フッ化砒素、フェニル(4−メトキシフェニル)ヨ
ードニウム六フッ化砒素、ゼネラル・エレクトリック社
製のUVEシリーズ、ミネソタ・マイニング・アンド・
マニファクチュアリング社製のFCシリーズ、東芝シリ
コーン社製のUV−9310C(対イオン:SbF6
およびローヌプーラン社製のPhotoinitiator2074
(対イオン:(C6 5 4 B)などを挙げることがで
きる。
【0094】本発明において、前記熱潜在性カチオン重
合性触媒(B)は、前記分子中に1〜4個のオキセタン
環を有する化合物(A)100重量部に対して0.01
〜20重量部、好ましくは0.1〜10重量部の量で使
用される。前記熱潜在性カチオン重合性触媒(B)の使
用量が前記化合物(A)の100重量部あたり0.01
重量部より少ないと、前記化合物(A)と前記触媒
(B)との混合物の加熱によるカチオン重合反応が十分
に進行せず、本発明の目的とする架橋度の高い硬化物を
高収率で得ることができない。また、前記熱潜在性カチ
オン重合性触媒(B)の使用量を前記化合物(A)の1
00重量部あたり20重量部より多くしても、該触媒
(B)を多量に用いることによる好ましいカチオン重合
反応促進効果の向上はほとんど認められないので経済性
の面からは好ましくないばかりか、得られる硬化物の耐
湿性や耐薬品性などが低下したり、変色が起こったりす
るので好ましくない。なお、これらの好ましくない現象
の発現を確実に防止するには、前記熱潜在性カチオン重
合性触媒(B)の使用量は、上述の好ましい範囲内とす
べきであることは言うまでもない。
【0095】したがって、本発明の一つの態様である前
記熱硬化性オキセタン組成物は、前述したように、前記
分子中に1〜4個のオキセタン環を有する化合物(A)
の少なくとも1種と前記熱潜在性カチオン重合性触媒
(B)の少なくとも1種とを上述したような割合で配合
してなる混合物である。
【0096】次に、本発明のもう一つの態様である硬化
方法は、上記熱硬化性オキセタン組成物を加熱し、熱カ
チオン重合させることにより硬化せしめることを特徴と
するものであり、詳細は、以下に述べる通りである。本
発明の硬化方法における硬化反応機構は、後述する方法
による加熱によって前記熱潜在性カチオン重合性触媒
(B)から形成されるカチオン重合性触媒から発生する
カチオン種あるいはルイス酸が、前記化合物(A)中の
オキセタン基の酸素原子を攻撃して開環せしめ、次いで
この開環反応が連続的に進行することによって一気に自
己重合し、三次元網目構造の硬化物を形成していくもの
と推定される。本発明において、上述の硬化反応は、通
常無溶媒状態下で行われるが、反応溶媒中で行ってもよ
い。反応溶媒を用いる場合、前記化合物(A)の前記熱
潜在性カチオン重合性触媒(B)による熱カチオン重合
反応が後述するように高温下で行われるため、本発明の
反応溶媒は、高沸点であることが望ましく、さらに前記
化合物(A)を溶解もしくは膨潤する作用を有し、か
つ、これら化合物(A)および熱潜在性カチオン重合性
触媒(B)と反応性を有しないものが用いられ得る。
【0097】上記反応溶媒としては、N,N−ジメチル
ホルムアミド(DMF)、N,N−ジメチルアセトアミ
ド(DMAC)およびヘキサメチルリン酸トリアミド
(HMPA)などのアミド化合物、ジエチレングリコー
ルエチルエーテル、ジグライム(ジエチレングリコール
ジメチルエーテル)、トリグライム(トリエチレングリ
コールジメチルエーテル)、アニソールおよびフェネト
ールなどのエーテル化合物、o−ジクロロベンゼン、m
−ジクロロベンゼンおよび3,4−ジクロロトルエンな
どのハロゲン化芳香族炭化水素、ニトロベンゼン、ジメ
チルスルホキシド(DMSO)、スルホラン、テトラメ
チル尿素およびN−メチル−2−ピロリドン(NM
P)、あるいはこれらの溶媒の2種以上の混合物など、
無極性もしくは極性の低い溶媒から極性の高い溶媒まで
種々の溶媒を好適に用いることができるが、これらの中
でもDMF、DMAC、HMPA、DMSOおよびNM
Pなどの使用が好ましい。
【0098】反応溶媒の使用量は、前記化合物(A)を
溶解もしくは膨潤するに足る量以上であればよく、使用
される反応溶媒の種類はもちろんのこと、前記化合物
(A)の仕込み量、前記熱潜在性カチオン重合性触媒
(B)の種類と使用量、反応温度および反応時間などの
熱カチオン重合反応、すなわち、硬化反応の条件、さら
には、該反応に際して、前記化合物(A)を反応溶媒中
に溶解するのか、それとも反応溶媒で膨潤するのかによ
り異なるので、一概に規定することは困難である。した
がって、例えば、前記反応溶媒としてHMPA、DMS
O、DMACおよびNMPなどの極性溶媒を使用する場
合、反応溶媒の使用量は、前記オキセタン化合物(A)
の1〜10倍量(容量/重量比)が好ましい。該使用量
が1倍量未満では、前記化合物(A)の上記極性反応溶
媒への溶解が十分ではなく、反応が不均一系で進行する
ようになるので、均一なカチオン重合反応が行われず、
得られる硬化物の品質にばらつきが生じることがある。
一方、10倍量を越える上記極性反応溶媒を使用して
も、前記化合物(A)を溶解もしくは膨潤してカチオン
重合反応を均一系で進行せしめるという反応溶媒の効果
はすでに達成されてしまっているので、それ以上の効果
は期待できないばかりか、所望により硬化物から反応溶
媒を除去・回収することが必要となる場合は、反応溶媒
の反応系からの回収に必要以上のエネルギーを消費する
など、採算上好ましくない。
【0099】本発明の硬化方法においては、前記化合物
(A)の前記熱潜在性カチオン重合性触媒(B)による
カチオン重合反応、すなわち、硬化反応を無溶媒状態下
で行う場合は、前記硬化反応の進行中、前記化合物
(A)を溶融状態に維持すべきである。一方、前記硬化
反応を反応溶媒中、均一系で行う場合、前記化合物
(A)を、前記反応溶媒中に溶解した状態で、あるい
は、前記反応溶媒で膨潤させた状態で前記硬化反応を行
う必要があり、そのためには、前記硬化反応の進行中、
前記反応溶媒を液体状態に維持すべきである。したがっ
て、反応温度、すなわち、加熱温度は、前記硬化反応を
無溶媒状態下に行う場合、前記化合物(A)が溶融状態
であるような温度範囲にあるべきであり、少なくとも、
前記化合物(A)の融点以上であるべきである。一方、
前記硬化反応を前記反応溶媒中で行う場合には、少なく
とも前記化合物(A)が前記反応溶媒中に溶解した状
態、あるいは、前記反応溶媒で膨潤された状態となるよ
うな温度にすべきである。そこで、本発明における加熱
温度は、このような温度として少なくとも50℃以上で
ある必要がある。しかしながら、上記の場合、加熱温度
が200℃を越えると、前記触媒(B)や本発明の硬化
方法によって得られる硬化物の望ましくない熱分解反応
を併発するようになるので、本発明の硬化反応における
加熱温度は、50〜200℃、好ましくは60〜160
℃の範囲であることが好ましい。
【0100】本発明の硬化方法における前記化合物
(A)の前記熱潜在性カチオン重合性触媒(B)による
カチオン重合反応において、反応圧力は特に制限される
ものではなく、減圧、常圧および加圧のいずれの状態下
においても実施可能である。しかし、加圧下で実施する
場合は、製造設備に耐圧性能が要求されるし、また、減
圧下で実施する場合には、減圧設備が必要になるなど、
経済性の面からは常圧下で実施するのが好ましい。しか
し、前記反応溶媒中で前記化合物(A)の前記熱潜在性
カチオン重合性触媒(B)によるカチオン重合反応、す
なわち、硬化反応を行う場合は、前述したように、該硬
化反応の進行中、前記反応溶媒が液体状態を維持し得る
ような圧力条件が保持されなければならない(したがっ
て、前記硬化反応が加圧条件下で行われる場合もあり得
る)ことは言うまでもない。また、前記硬化反応は、高
温である程反応速度が速いので、得られる硬化物の架橋
度を高める必要がある場合、加熱温度は、前述の範囲内
でできるだけ高温にした方がよい。しかしながら、前記
硬化反応の反応時の温度が高すぎると、反応が不均一に
なり、得られる硬化物の熱的性質や機械的性質などの品
質に悪影響が生じたり、使用するオキセタン化合物
(A)、熱潜在性カチオン重合性触媒(B)および反応
溶媒などが熱的に不安定となったりする恐れがある。し
たがって、このような場合は、反応系を減圧にして、前
記反応温度を低めに維持することが好ましい。
【0101】本発明の硬化方法における反応時間、すな
わち、加熱時間についても、前記化合物(A)の仕込み
量、前記熱潜在性カチオン重合性触媒(B)の種類およ
び使用量、無溶媒状態下で熱カチオン重合反応を行うか
否か、反応溶媒を使用した場合は前記反応溶媒の種類お
よび使用量、ならびに、加熱温度などの硬化反応の条件
によって異なるが、通常1分〜50時間であり、好まし
くは5分〜10時間、より好ましくは10分〜5時間で
あることが望ましい。加熱時間が1分より短いと、前記
硬化反応を触媒する活性を発揮し得るカチオン重合性触
媒が前記熱潜在性カチオン重合性触媒(B)から十分形
成されず、したがって、前記化合物(A)のカチオン重
合反応がほとんど進行しないため、得られる硬化物の硬
化性は低下する。また、加熱時間が50時間より長くな
ると、得られる硬化物が長時間の熱履歴を受けて、熱劣
化による品質の低下を招く恐れがあり好ましくない。な
お、これらの好ましくない現象の発現を確実に防止する
ためには、加熱時間は、上述の好ましい範囲、さらには
より好ましい範囲にすべきである。
【0102】また、本発明の硬化方法における前記化合
物(A)のカチオン重合反応は、得られる硬化物の望ま
しくない酸化などによる劣化を防止するために、不活性
ガス雰囲気下に行われることが好ましい。不活性ガスと
しては、窒素ガスの他、アルゴンガスやヘリウムガスな
どの希ガスが好適に使用され得る。
【0103】そして、本発明では、前記化合物(A)の
カチオン重合反応による硬化物の製造方法、すなわち、
硬化方法は、特に限定されるものではなく、常法に従っ
て行えばよい。例えば、所望により所定量の前記化合物
(A)を所定量の前記反応溶媒に溶解もしくは膨潤した
後、必要に応じて適当な加熱装置を備えた反応容器に供
給し、さらに、所定量の前記熱潜在性カチオン重合性触
媒(B)を添加し、常圧、あるいは、所定の減圧または
加圧下に所定温度に加熱し、所定時間反応を行えばよ
い。
【0104】本発明の硬化方法では、以上のようにし
て、前記化合物(A)の少なくとも1種と前記熱潜在性
カチオン重合性触媒(B)の少なくとも1種との混合物
である前記熱硬化性オキセタン組成物を適切な形状の離
型性のある反応容器に充填し、無溶媒状態下、あるいは
前記反応溶媒中、前述した反応温度で前述した反応時間
加熱することにより、前記化合物(A)と前記触媒
(B)によるカチオン重合反応、すなわち、硬化反応を
行わしめた後、空冷、水冷などの常法により常温まで冷
却して得られた反応混合物を前記反応容器から取り出
し、場合によっては続いて、熱風乾燥、真空乾燥および
凍結乾燥などの公知の方法により100℃以下の温度で
2〜16時間乾燥すればよい。これにより、本発明のも
う一つの態様である三次元網目構造を有する不溶不融の
新規な硬化物が成形品として得られるのである。また、
前記熱硬化性オキセタン組成物を金属、ゴム、プラスチ
ック、成形部品、フィルム、紙、木、ガラス布、コンク
リートおよびセラミックなどの基材に塗布した後、所定
温度で所定時間加熱することにより、上記硬化物を皮膜
とする基材を得ることもできる。なお、前記化合物
(A)の前記熱潜在性カチオン重合性触媒(B)による
硬化反応を前記反応溶媒中で行う場合は、該硬化反応の
終了後、得られた反応混合物から前記反応溶媒を蒸発せ
しめ、次いで常温まで冷却し、場合によっては続けて前
記乾燥を行うことにより、上記硬化物を得てもよいし、
また、前記硬化反応の終了後、得られた反応混合物を常
温まで冷却し、前記反応溶媒を含んだままの柔軟性のあ
る硬化物として使用してもかまわない。
【0105】本発明の熱硬化性オキセタン組成物は、使
用に際し、本発明の効果を損なわない範囲内であれば、
公知の各種添加剤、例えば、無機充填剤、強化材、着色
剤、安定剤(熱安定剤、耐候性改良剤など)、増量剤、
粘度調節剤、難燃剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、変色
防止剤、抗菌剤、防黴剤、老化防止剤、帯電防止剤、可
塑剤、滑剤、発泡剤、離型剤などを添加・混合すること
ができる。上記着色剤としては、直接染料、酸性染料、
塩基性染料、金属錯塩染料などの染料、カーボンブラッ
ク、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化鉄、マイカなどの無機
顔料およびカップリングアゾ系、縮合アゾ系、アンスラ
キノン系、チオインジゴ系、ジオキサゾン系、フタロシ
アニン系などの有機顔料などが挙げられる。また、上記
安定剤としては、ヒンダードフェノール系、ヒドラジン
系、リン系、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール
系、オキザリックアシッドアニリド系などの化合物が挙
げられる。さらにまた、上記無機充填剤としては、ガラ
ス繊維、アスベスト繊維、炭素繊維、シリカ繊維、アル
ミナ繊維、シリカ・アルミナ繊維、ジルコニア繊維、窒
化ホウ素繊維、窒化珪素繊維、塩基性硫酸マグネシウム
繊維、ホウ素繊維、ステンレス鋼繊維、アルミニウム、
チタン、銅、真鍮、マグネシウムなどの無機質および金
属繊維、銅、鉄、ニッケル、亜鉛、錫、鉛、ステンレス
鋼、アルミニウム、金および銀などの金属粉末、木粉、
マグネシア、カルシアなどの酸化物、珪酸アルミニウ
ム、ケイソウ土、石英粉末、タルク、クレイ、各種金属
の水酸化物、炭酸塩、硫酸塩、リン酸塩、ホウ酸塩、ホ
ウ珪酸塩、アルミノ珪酸塩、チタン酸塩、塩基性硫酸
塩、塩基性炭酸塩およびその他の塩基性塩、ガラス中空
球、ガラスフレークなどのガラス材料、炭化珪素、窒化
アルミ、ムライト、コージェライトなどのセラミック、
およびフライアッシュやミクロシリカなどの廃棄物など
が挙げられる。
【0106】
【実施例】次に、実施例および比較例を述べて本発明を
さらに詳しく説明するが、本発明は、これら実施例およ
び比較例によって何ら限定を受けるものではない。な
お、以下の実施例および比較例において、原料の分子中
に1〜4個のオキセタン環を有するオキセタン化合物
(以下単に「オキセタン化合物」という)、該オキセタ
ン化合物と所定の熱潜在性カチオン重合性触媒とを所定
の割合で混合した熱硬化性オキセタン組成物(以下単に
「原料混合物A」という)、オキシラン化合物と所定の
熱潜在性カチオン重合性触媒とを所定の割合で混合した
熱硬化性オキシラン組成物(以下単に「原料混合物B」
という)、および、生成物の三次元網目構造を有する硬
化物(以下単に「硬化物」という)の特性は、それぞ
れ、下記の方法によって求めた。
【0107】(1)原料混合物Aおよび原料混合物Bの
赤外線吸収スペクトル(IR) (株)パーキン−エルマー製1750型フーリエ赤外分
光光度計を用い、微量の原料混合物の液体試料をKBr
結晶板上に塗布して測定した。
【0108】(2)硬化物の赤外線吸収スペクトル(I
R) (株)パーキン−エルマー製1750型フーリエ赤外分
光光度計を用い、予め60℃で10時間以上減圧乾燥し
て水分を除いた硬化物の試料1mgをKBr(Merc
k社製)150mgに混合し、60℃で10時間以上減
圧乾燥して水分を除去した後、加圧錠剤を形成して測定
した。
【0109】(3)原料混合物Aおよび原料混合物Bの
反応速度 (株)東洋精機製作所製ゲルタイムテスターを使用して
原料混合物の硬化反応開始点を測定することによって求
めた。すなわち、原料混合物0.2〜0.3gを所定温
度に設定した前記ゲルタイムテスターの試料台に加える
と同時に、原料混合物の試料にかかる張力の測定を開始
した。硬化反応の進行とともに前記試料の粘度が増加す
るため、張力が上昇するが、この張力が初期の値(ほと
んどの場合ゼロである)より1g上昇した時点を硬化反
応開始点とした。
【0110】(4)原料混合物Aの反応率 前記第(1)項に記載の方法により測定して得られた原
料混合物Aの赤外線吸収スペクトル(以下「IRスペク
トル」という)と前記第(2)項に記載の方法により測
定して得られた硬化物のIRスペクトルとの比較から、
980cm-1のオキセタン環に基づく吸光度の減少率と
して算出した。
【0111】(5)原料混合物Bの反応率 前記第(1)項に記載の方法により測定して得られた原
料混合物BのIRスペクトルと前記第(2)項に記載の
方法により測定して得られた硬化物のIRスペクトルと
の比較から、920cm-1のオキシラン環に基づく吸光
度の減少率として算出した。
【0112】また、以下の実施例および比較例において
用いた試薬は、それぞれ、下記の通りである。 (a)オキセタン化合物 3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン(分子
量:116.13、以下「EHO」と略記)および1,
4−ビス〔(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)
メチル〕ベンゼン(分子量:334.45、無色液体、
以下「XDO」と略記)は、それぞれ、宇部興産(株)
製および東亜合成(株)製の市販品を使用した。
【0113】(b)オキシラン化合物(エポキシ樹脂) ビスフェノールA型エポキシ樹脂として、油化シェルエ
ポキシ(株)製の市販品(商品名:エピコート828、
エポキシ当量:190、粘稠液体、以下「EP828」
と略記)を使用した。また、脂環式エポキシ樹脂とし
て、ダイセル化学工業(株)製の市販品(商品名:セロ
キサイド2021P、エポキシ当量:131、粘度:2
31cp/25℃、以下「2021P」と略記)を使用
した。
【0114】(c)熱潜在性カチオン重合性触媒 サンエイドSI−60L(以下「SI−60L」と略
記)、サンエイドSI−80L(以下「SI−80L」
と略記)およびサンエイドSI−100L(以下「SI
−100L」と略記)は、それぞれ、三新化学工業
(株)製の市販品を使用した。
【0115】実施例1 内容積30mlの蓋付ガラス容器に、表1に示すよう
に、10.0g(30ミリモル)のXDOに、熱潜在性
カチオン重合性触媒(以下単に「触媒」という)として
0.2gのSI−100Lを加え、十分にかき混ぜた
後、内部を窒素ガスで置換し密栓した。したがって、原
料の仕込み比(重量比)は、SI−100L/XDO=
2/100であった。次いで、100℃に設定されたオ
イルバス中に前記蓋付ガラス容器を浸漬して軽く振盪し
た後、静置した。前記蓋付ガラス容器内の混合液は、3
分後に固化し黄色に着色したが、前記蓋付ガラス容器を
前記オイルバス中に浸漬後合計3時間加熱を続けた。
【0116】この間の硬化反応の確認は、IRスペクト
ルの変化を追跡することにより行った。すなわち、該硬
化反応の確認のために、混合直後のSI−100L/X
DO=2/100(重量比)からなる原料混合物Aおよ
び上記オイルバス中に浸漬後3時間を経過した反応生成
物(硬化物)のIRスペクトルをそれぞれ測定した。そ
こで、上記原料混合物AのIRスペクトルを図1に、そ
して上記硬化物のIRスペクトルを図2にそれぞれ示
す。図1と図2を比較した結果、図1におけるXDOの
オキセタン環に帰属される980cm-1の吸収強度は非
常に強いが、図2における980cm-1のオキセタン環
に基づく吸収強度は非常に弱く、前記原料混合物Aの反
応率は表1に示す通り89%であったことから、前記硬
化反応が十分に進行し、本発明の目的とする硬化物が得
られたことが分かった。また、反応速度を測定した結
果、上記SI−100L/XDO=2/100(重量
比)からなる原料混合物Aの反応開始点は、表3に示す
ように、45秒(0.75分)であった。
【0117】実施例2および3 蓋付ガラス容器を100℃に設定されたオイルバス中に
浸漬後の加熱時間を3時間に変えて、実施例2では0.
5時間、そして実施例3では1時間にしたこと以外は、
実施例1と全く同様の操作を行った。得られた結果とし
て、原料混合物Aの反応率は、表1に示す通り、実施例
2の場合は90%、そして実施例3の場合は89%であ
り、前記硬化反応が十分に進行し、本発明の目的とする
硬化物が得られたことが分かった。
【0118】実施例4 原料として、XDO10.0g(30ミリモル)に代え
て、EHO10.0g(86ミリモル)を用いたこと、
よって、原料の仕込み比(重量比)は、SI−100L
/EHO=2/100であったこと以外は、実施例1と
全く同様の操作を行った。得られた結果として、原料混
合物Aの反応率は、表1に示したように90%であり、
前記硬化反応が十分に進行し、本発明の目的とする硬化
物が得られたことが分かった。
【0119】実施例5および6 蓋付ガラス容器を100℃に設定されたオイルバス中に
浸漬後の加熱時間を3時間に変えて、実施例5では0.
5時間、そして実施例6では1時間にしたこと以外は、
実施例4と全く同様の操作を行った。得られた結果とし
て、原料混合物Aの反応率は、表1に示す通り、実施例
5の場合は91%、そして実施例6の場合は90%であ
り、前記硬化反応が十分に進行し、本発明の目的とする
硬化物が得られたことが分かった。
【0120】比較例1 実施例1と同様、内容積30mlの蓋付ガラス容器に、
表1に示すように、10.0gのEP828に、熱潜在
性カチオン重合性触媒として0.2gのSI−100L
を加え、十分にかき混ぜた後、内部を窒素ガスで置換し
密栓した。したがって、原料の仕込み比(重量比)は、
SI−100L/EP828=2/100であった。次
いで、100℃に設定されたオイルバス中に前記蓋付ガ
ラス容器を浸漬して軽く振盪した後、静置した。前記蓋
付ガラス容器内の混合液は、3時間後に粘稠になった
が、さらに2時間加熱を続けたところ固化した。得られ
た固化物は、常温においても柔軟であった。そこで、こ
の間の硬化反応の確認は、IRスペクトルの変化を追跡
することにより行った。すなわち、該硬化反応の確認の
ために、混合直後のSI−100L/EP828=2/
100(重量比)からなる原料混合物Bおよび上記オイ
ルバス中に浸漬後5時間を経過した反応生成物(硬化
物)のIRスペクトルをそれぞれ測定した。上記原料混
合物BのIRスペクトルと上記硬化物のIRスペクトル
との比較結果から、原料混合物Bの反応率は40%であ
り、硬化反応が十分に進行していないことが分かった。
また、反応速度を測定した結果、上記SI−100L/
EP828=2/100(重量比)からなる原料混合物
Bの反応開始点は、表3に示すように、100分と非常
に遅かった。
【0121】比較例2〜4 蓋付ガラス容器を100℃に設定されたオイルバス中に
浸漬後の加熱時間を5時間に変えて、比較例2では0.
5時間、比較例3では1時間、そして比較例4では3時
間にしたこと以外は、比較例1と全く同様の操作を行っ
た。得られた結果として、原料混合物Bの反応率は、表
1に示す通り、比較例2の場合は4%、比較例3の場合
は10%、そして比較例4の場合は20%であり、いず
れの場合も前記硬化反応が十分に進行していないことが
分かった。
【0122】実施例7〜9 実施例7、8および9において、オイルバスの設定温
度、すなわち、加熱温度を100℃に変えて、それぞ
れ、70℃、80℃および90℃にしたこと以外は、実
施例1と全く同様の操作を行った。反応速度を測定した
結果、原料混合物Aの反応開始点は、表3に示す如く、
実施例7の場合が27分、実施例8の場合が9.3分、
そして、実施例9の場合が2.2分であった。
【0123】実施例10〜12 触媒として、0.2gのSI−100Lに代えて、0.
2gのSI−60Lを用いたこと、したがって、原料の
仕込み比(重量比)は、SI−60L/XDO=2/1
00であったこと、および、オイルバスの設定温度、す
なわち、加熱温度を100℃に変えて、実施例10では
60℃、実施例11では70℃、そして実施例12では
80℃にしたこと以外は、実施例1と全く同様の操作を
行った。反応速度を測定した結果、原料混合物Aの反応
開始点は、表3に示す如く、実施例10の場合が12.
7分、実施例11の場合が5.3分、そして、実施例1
2の場合が42秒(0.7分)であった。
【0124】実施例13〜16 触媒として、0.2gのSI−100Lに代えて、0.
2gのSI−80Lを用いたこと、したがって、原料の
仕込み比(重量比)は、SI−80L/XDO=2/1
00であったこと、および、オイルバスの設定温度、す
なわち、加熱温度を100℃に変えて、実施例13では
60℃、実施例14では70℃、実施例15では80
℃、そして実施例16では90℃にしたこと以外は、実
施例1と全く同様の操作を行った。反応速度を測定した
結果、原料混合物Aの反応開始点は、表3に示す如く、
実施例13の場合が18.7分、実施例14の場合が
8.2分、実施例15の場合が4.4分、そして、実施
例16の場合が27秒(0.45分)であった。
【0125】比較例5 実施例1と同様、内容積30mlの蓋付ガラス容器に、
表2に示すように、10.0gの2021Pに、熱潜在
性カチオン重合性触媒として0.2gのSI−100L
を加え、十分にかき混ぜた後、内部を窒素ガスで置換し
密栓し、その後の操作は比較例1と全く同様に行った。
したがって、原料の仕込み比(重量比)は、SI−10
0L/2021P=2/100であった。反応速度を測
定した結果、上記SI−100L/2021P=2/1
00(重量比)からなる原料混合物Bの反応開始点は、
表3に示すように、14.8分であり、反応速度は、原
料がビスフェノールA型エポキシ樹脂のEP828であ
る比較例1の場合(反応開始点:100分)に比べれば
かなり速いが、原料がXDOである実施例1の場合(反
応開始点:0.75分)と比較した場合、非常に遅いこ
とが分かった。
【0126】比較例6〜8 比較例6、7および8において、表2に示すように、オ
イルバスの設定温度、すなわち、加熱温度を100℃に
変えて、それぞれ、90℃、110℃および120℃に
したこと以外は、比較例5と全く同様の操作を行った。
反応速度を測定した結果、原料混合物Bの反応開始点
は、表3に示す如く、比較例6の場合が34分、比較例
7の場合が2.2分、そして、比較例8の場合が39秒
(0.65分)であった。
【0127】比較例9〜11 表2に示すように、オイルバスの設定温度、すなわち、
加熱温度を100℃に変えて、比較例9においては12
0℃、比較例10においては140℃、そして比較例1
1においては160℃にしたこと以外は、比較例1と全
く同様の操作を行った。反応速度を測定した結果、原料
混合物Bの反応開始点は、表3に示す如く、比較例9の
場合が43.5分、比較例10の場合が17.4分、そ
して、比較例11の場合が7.9分であった。
【0128】
【表1】
【0129】
【表2】
【0130】
【表3】 ここで、前記実施例1〜3、実施例4〜6および比較例
1〜4のそれぞれについて、表1に示した原料混合物A
またはBの反応率と加熱時間との関係を原料のXDO、
EHOおよびEP828毎に図3に示す。該図3によれ
ば、本発明のオキセタン化合物と熱潜在性カチオン重合
性触媒とからなる熱硬化性オキセタン組成物は加熱によ
って極めて迅速に硬化反応が進行し、加熱開始後30分
程度で反応率は90%に達するが、オキシラン化合物で
あるビスフェノールA型エポキシ樹脂のEP828と熱
潜在性カチオン重合性触媒とからなる熱硬化性オキシラ
ン組成物は加熱開始後30分の反応率は僅か4%程度で
あり、5時間の加熱によっても反応率は40%程度にし
か達せず、極めて硬化反応が遅いことが分かる。
【0131】さらに、実施例1および実施例7〜16、
ならびに、比較例1および比較例5〜11のそれぞれに
ついて、表3に示した反応速度としての原料混合物Aま
たはBの反応開始点をみると、同一種類の熱潜在性カチ
オン重合性触媒を使用した場合、本発明のオキセタン化
合物と熱潜在性カチオン重合性触媒とからなる熱硬化性
オキセタン組成物は、オキシラン化合物であるEP82
8もしくは2021Pと熱潜在性カチオン重合性触媒と
からなる熱硬化性オキシラン組成物に比べ、反応開始点
が早く、したがって反応速度も速いことが明白に分か
る。
【0132】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、特
定のオキセタン化合物と特定の熱潜在性カチオン重合性
触媒とを特定の割合で含む新規な硬化物製造用の熱硬化
性オキセタン組成物、および、該熱硬化性オキセタン組
成物を加熱することにより製造され、優れた機械的性
質、電気的性質、接着性、耐熱性、耐湿性、耐薬品性な
どを示し、かつ、三次元網目構造を有する不溶不融の新
規な硬化物が得られる。また、本発明によれば、上記熱
硬化性オキセタン組成物を加熱することによって、ビス
フェノールA型エポキシ樹脂や脂環式エポキシ樹脂と前
記熱潜在性カチオン重合性触媒とからなる従来の熱硬化
性オキシラン組成物の場合に比べて、オキセタン化合物
のカチオン重合反応を極めて迅速に行わしめることがで
き、よって、上記新規な硬化物を効率よく高収率で製造
し得る硬化方法を提供することができる。したがって、
本発明の新規な硬化物は、上述の特性を利用して塗料や
コーティング剤、接着剤、電気絶縁材料、ICや超LS
I封止材料、積層板およびその他の電気・電子部品、コ
ンクリート構造物の補修、新旧コンクリートの打継、補
強鋼板の接着、各種ライニングなどの土木建築用途、注
型用化合物、印刷インキ、シーラント、フォトレジス
ト、織物被覆剤、含浸テープおよび印刷プレートなどの
エポキシ樹脂の代替品としての用途が大いに期待され得
るものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で用いられた原料混合物A〔SI−1
00L/XDO=2/100(重量比)の熱硬化性オキ
セタン組成物〕のIRスペクトルを示した図である。
【図2】実施例1で得られた硬化物〔SI−100L/
EP828=2/100(重量比)〕のIRスペクトル
を示した図である。
【図3】実施例1〜3、実施例4〜6および比較例1〜
4のそれぞれにおいて得られた原料混合物A〔SI−1
00L/XDO=2/100(重量比)の熱硬化性オキ
セタン組成物〕または原料混合物B〔SI−100L/
EP828=2/100(重量比)の熱硬化性オキシラ
ン組成物〕の反応率を各原料毎に加熱時間との関係で示
した図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 船越 勉 大阪府堺市築港新町3−1 宇部興産株式 会社堺工場

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 分子中に1〜4個のオキセタン環を有す
    る化合物(A)の少なくとも1種を100重量部と熱潜
    在性カチオン重合性触媒(B)の少なくとも1種を0.
    01〜20重量部含んでなる熱硬化性オキセタン組成
    物。
  2. 【請求項2】 分子中に1〜4個のオキセタン環を有す
    る化合物(A)の少なくとも1種が100重量部と熱潜
    在性カチオン重合性触媒(B)の少なくとも1種が0.
    01〜20重量部とからなる混合物を50〜200℃の
    温度で1分〜50時間加熱することを特徴とする硬化物
    の製造方法。
  3. 【請求項3】 分子中に1〜4個のオキセタン環を有す
    る化合物(A)の少なくとも1種が100重量部と熱潜
    在性カチオン重合性触媒(B)の少なくとも1種が0.
    01〜20重量部とからなる混合物を50〜200℃の
    温度で1分〜50時間加熱して得られる硬化物。
  4. 【請求項4】 前記熱潜在性カチオン重合性触媒(B)
    が下記一般式(I)で示される第四級アンモニウム塩、
    下記一般式(II)で示されるホスホニウム塩、下記一般
    式(III)、(IV)または(V)で示されるスルホニウム
    塩、下記一般式(VI)で示されるジアゾニウム塩および
    下記一般式(VII)で示されるヨードニウム塩からなる群
    より選ばれる少なくとも1種のオニウム塩であることを
    特徴とする請求項1に記載の熱硬化性オキセタン組成
    物。
  5. 【請求項5】 前記熱潜在性カチオン重合性触媒(B)
    が下記一般式(I)で示される第四級アンモニウム塩、
    下記一般式(II)で示されるホスホニウム塩、下記一般
    式(III)、(IV)または(V)で示されるスルホニウム
    塩、下記一般式(VI)で示されるジアゾニウム塩および
    下記一般式(VII)で示されるヨードニウム塩からなる群
    より選ばれる少なくとも1種のオニウム塩であることを
    特徴とする請求項2に記載の硬化物の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記熱潜在性カチオン重合性触媒(B)
    が下記一般式(I)で示される第四級アンモニウム塩、
    下記一般式(II)で示されるホスホニウム塩、下記一般
    式(III)、(IV)または(V)で示されるスルホニウム
    塩、下記一般式(VI)で示されるジアゾニウム塩および
    下記一般式(VII)で示されるヨードニウム塩からなる群
    より選ばれる少なくとも1種のオニウム塩であることを
    特徴とする請求項3に記載の硬化物。 【化1】 (一般式(I)中、R1 〜R4 は、それぞれ、炭素原子
    数1〜20のアルキル基、炭素原子数3〜12のアルケ
    ニル基、アリール基、アルカリール基、炭素原子数1〜
    20のアルカノール基もしくは炭素原子数5〜10のシ
    クロアルキル基であり、互いに同一でも異なっていても
    よく、また置換基を有しても有さなくてもよい。また、
    1 〜R4 のうち2個は互いに結合して、N、P、Oま
    たはSをヘテロ原子とする複素環を形成してもよい。さ
    らに、Xは、BF4 、PF6 、AsF6 、SbF6 、S
    bCl6 、(C6 5 4 B、SbF5 (OH)、HS
    4 、p−CH3 6 4 SO3 、HCO3 、H2 PO
    4 、CH3 COOおよびハロゲン原子からなる群より選
    ばれる1価の陰イオンを表わす。) 【化2】 (一般式(II)中、R1 〜R4 およびXは、それぞれ、
    上記一般式(I)におけるR1 〜R4 およびXと同じで
    ある。) 【化3】 (一般式(III)中、R1 〜R3 およびXは、それぞれ、
    上記一般式(I)におけるR1 〜R3 およびXと同じで
    あり、R1 〜R3 のうち2個は互いに結合して、N、
    P、OまたはSをヘテロ原子とする複素環を形成しても
    よい。) 【化4】 (一般式(IV)中、R1 、R2 およびXは、それぞれ、
    上記一般式(I)におけるR1 、R2 およびXと同じで
    あり、R1 およびR2 は互いに結合して、N、P、Oま
    たはSをヘテロ原子とする複素環を形成してもよい。ま
    た、Arは、置換基を有しても有さなくてもよいアリー
    ル基を表わす。) 【化5】 (一般式(V)中、R1 〜R4 およびXは、それぞれ、
    上記一般式(I)におけるR1 〜R4 およびXと同じで
    ある。また、Arは、上記一般式(IV)におけるArと
    同じである。) 【化6】 (一般式(VI)中、ArおよびXは、それぞれ、上記一
    般式(IV)におけるArおよび上記一般式(I)におけ
    るXと同じである。) 【化7】 (一般式(VII)中、Xは、上記一般式(I)におけるX
    と同じであり、R5 およびR6 は、互いに同一でも異な
    っていてもよく、また置換基を有しても有さなくてもよ
    いアリール基である。)
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