JPH11269318A - 結晶性ポリオレフィン組成物 - Google Patents

結晶性ポリオレフィン組成物

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JPH11269318A
JPH11269318A JP9098998A JP9098998A JPH11269318A JP H11269318 A JPH11269318 A JP H11269318A JP 9098998 A JP9098998 A JP 9098998A JP 9098998 A JP9098998 A JP 9098998A JP H11269318 A JPH11269318 A JP H11269318A
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JP
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compound
acid
phosphate
crystalline
lithium
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JP9098998A
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Yoichi Nakajima
洋一 中島
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JNC Corp
Original Assignee
Chisso Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来よりも優れた透明性を有する成形品が得
られる結晶性ポリオレフィン組成物を提供する。 【解決手段】 結晶性ポリオレフィンの100重量部に対
して、下記一般式(1) 【化1】 (ただし、式中Rは炭素数1〜4のアルキリデン基を、
Ar1及びAr2はアリーレン基もしくはアルキルアリーレ
ン基をそれぞれ示す。)で示されるフォスフェート系化
合物の0.01〜1重量部、水酸化アルミニウムの0.0005〜
0.15重量部および下記〜 脂肪族モノカルボン酸金属塩(ただし、金属はリチウ
ム、ナトリウム若しくはカリウムを示す。)および リチウムアルミニウム複合塩 から選ばれた1種または2種以上の金属塩化合物の0.01
〜1重量部を配合してなる結晶性ポリオレフィン組成
物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は、透明性に優れた成形品が
得られる結晶性ポリオレフィン組成物に関する。さらに
詳しくは、結晶性ポリオレフィンに、特定の構造を有す
るフォスフェート系化合物、水酸化アルミニウムおよび
特定の金属塩をそれぞれ特定量配合してなる透明性に優
れた成形品が得られる結晶性ポリオレフィン組成物に関
する。
【0002】
【従来の技術】一般に結晶性ポリオレフィンは比較的安
価でかつ優れた機械的性質を有するので、射出成形品、
中空成形品、フィルム、シ−ト、繊維など各種の成形品
の製造に用いられている。しかしながら結晶性ポリオレ
フィンは優れた機械的性質を有する反面、高結晶性に起
因して透明性が劣ることから、その用途に制限を受ける
といった欠点がある。このため、従来から結晶性ポリオ
レフィンの透明性を改善する目的で、各種の造核剤すな
わち安息香酸ナトリウム、一塩基性4-t-ブチル安息香酸
アルミニウム塩、アジピン酸ナトリウムなどのカルボン
酸金属塩、ナトリウム-ビス(4-t-ブチルフェニル)フォ
スフェート、ナトリウム-2,2'-メチレン-ビス(4,6-ジ-t
-ブチルフェニル)フォスフェートなどの酸性リン酸エス
テル金属塩、1・3,2・4-ジベンジリデンソルビトール、
1・3,2・4-ビス(4-メチルベンジリデン)ソルビトールな
どの多価アルコール誘導体などが用いられている。
【0003】これらの化合物の中でも、特開昭58−1736
号公報、特開昭59−184252号公報などに記載されたアル
キリデンビスフェノール類の環状リン酸エステルの金属
塩はその効果が大きく、かつベンズアルデヒド臭のよう
な臭気も発生しないので広く用いられている。
【0004】一方、これらのアルキリデンビスフェノー
ル類の環状酸性リン酸エステルと脂肪族カルボン酸の金
属塩もしくはリチウムアルミニウム複合水酸化物塩とを
併用することによってその効果の改善を図ろうとする試
みも行われており、たとえば、特開平3−79649号公報
および特開平3−103456号公報には有機リン酸エステル
化合物と脂肪族カルボン酸の金属塩を併用する方法が提
案されている。
【0005】また、特開平3−81368号公報、特開平4
−28741号公報および特開平4−370124号公報には環状
酸性有機リン酸エステル化合物と高級脂肪酸やアルキル
乳酸のアルカリ金属塩もしくはカルシウム塩または有機
カルボン酸金属塩を併用する方法、特開平9−118776号
公報には酸性環状有機リン酸エステル化合物とリチウム
変性ハイドロタルサイト類を併用する方法、特開平6−
179778号公報にはポリオレフィン樹脂に炭酸カルシウム
および芳香族リン酸を配合した剛性と耐衝撃性のバラン
スに優れた組成物が提案されている。さらに本発明者
は、特開平7−216142号公報として環状酸性リン酸エス
テルとリチウムアルミニウム複合水酸化物塩を併用する
方法を提案している。これらの公報には、付加的成分と
して充填剤、難燃剤、滑剤などを添加することができる
との記載はあるが、その具体的な方法、効果は示されて
いない。また、特開平10−60168号公報には芳香
族リン化合物と金属元素含有化合物を併用する方法が示
され、その金属含有化合物として高級脂肪酸金属塩、水
酸化アルミニウムなどがあげられている。このような金
属元素含有化合物は、単独で用いてもよく、2種類以上
組み合わせて用いることができるとの記載はあるが、具
体的に高級脂肪酸アルカリ金属塩および水酸化アルミニ
ウムを組み合わせる方法、効果は示されていない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】以上のごとく、これら
従来の方法は、実用上いまだ満足できるものではなく、
特に、結晶性ポリオレフィン成形物の透明性の改善とい
う観点からはさらに改良が求められている。本発明はこ
れら従来技術の改善が目的であり、成形品としたときの
該成形品の透明性が改善された結晶性ポリオレフィン組
成物を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は、先の出願で
ある特開平7−216142号公報において、付加的成分とし
て水酸化アルミニウムを併用し得ることを述べていた
が、具体的な配合量、その効果について関知しなかった
が、さらに検討を重ねた結果、結晶性ポリオレフィンに
特定の構造を有するフォスフェート系化合物、水酸化ア
ルミニウムおよび特定の金属塩をそれぞれ特定量配合し
てなる結晶性ポリオレフィン組成物が透明性を改善した
成形品を与えることを見い出し、本発明を完成するに至
った。
【0008】本発明の結晶性ポリオレフィン組成物は、
結晶性ポリオレフィンの100重量部に対して、下記一般
式(1)
【化2】 (ただし、式中Rは炭素数1〜4のアルキリデン基を、
Ar1およびAr2はアリーレン基もしくはアルキルアリ
ーレン基をそれぞれ示す。)で示されるフォスフェート
系化合物(以下、化合物Aということがある。)の0.01
〜1重量部、水酸化アルミニウムの0.0005〜0.15重量
部、および下記〜 脂肪族モノカルボン酸金属塩(ただし、金属はリチウ
ム、ナトリウムもしくはカリウムを示す。)および リチウムアルミニウム複合塩 から選ばれた1種または2種以上の金属塩化合物(以
下、化合物Bということがある。)の0.01〜1重量部を
配合することからなる。該金属塩化合物は、好ましくは
リチウムアルミニウム複合塩である。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の組成物に用いる結晶性ポ
リオレフィンとしては、エチレン、プロピレン、ブテン
-1、ペンテン-1、4-メチル-ペンテン-1、ヘキセン-1、
オクテン-1などのα-オレフィンの結晶性単独重合体、
これら2種以上のα-オレフィンの結晶性もしくは低結
晶性ランダム共重合体または結晶性ブロック共重合体、
上述のα-オレフィンと酢酸ビニルもしくはアクリル酸
エステルとの共重合体、該共重合体のケン化物、これら
α-オレフィンと不飽和シラン化合物との共重合体、こ
れらα-オレフィンと不飽和カルボン酸もしくはその無
水物との共重合体、該共重合体と金属イオン化合物との
反応生成物、上述のα-オレフィンの結晶性単独重合
体、結晶性もしくは低結晶性ランダム共重合体または結
晶性ブロック共重合体を不飽和カルボン酸もしくはその
誘導体で変性した変性ポリオレフィン、上述のα-オレ
フィンの結晶性単独重合体、結晶性もしくは低結晶性ラ
ンダム共重合体または結晶性ブロック共重合体を不飽和
シラン化合物で変性したシラン変性ポリオレフィンなど
を例示することができる。これら結晶性ポリオレフィン
の単独使用はもちろんのこと、2種以上の結晶性ポリオ
レフィンを混合して用いることもできる。
【0010】また、上述の結晶性ポリオレフィンに各種
合成ゴム、熱可塑性合成樹脂、石油樹脂、DCPD樹脂
などを混合して用いることもできる。各種合成ゴムとし
ては、非晶性エチレン-プロピレンランダム共重合体、
非晶性エチレン-プロピレン-非共役ジエン3元共重合
体、ポリブタジエン、ポリイソプレン、ポリクロロプレ
ン、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン、フッ
素ゴム、スチレン-ブタジエン系ゴム、アクリロニトリ
ル-ブタジエン系ゴム、スチレン-ブタジエン-スチレン
ブロック共重合体、スチレン-イソプレン-スチレンブロ
ック共重合体、スチレン-エチレン-ブチレン-スチレン
ブロック共重合体、スチレン-プロピレン-ブチレン-ス
チレンブロック共重合体、エチレン-エチレン-ブチレン
-エチレンブロック共重合体、エチレン-プロピレン-ブ
チレン-エチレンブロック共重合体などが示される。熱
可塑性合成樹脂としては、非晶性エチレン-テトラシク
ロドデセン共重合体などの非晶性エチレン-環状アルケ
ン共重合体、ポリスチレン、スチレン-アクリロニトリ
ル共重合体、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共
重合体、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレート、ポ
リブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレー
ト、ポリブチレンナフタレート、ポリカーボネート、ポ
リ塩化ビニル、フッ素樹脂などあげることができる。石
油樹脂としては、C5系石油樹脂、水添C5系石油樹
脂、C9系石油樹脂、水添C9系石油樹脂、C5-C9
共重合石油樹脂、水添C5-C9共重合石油樹脂、酸変
性C9系石油樹脂などが示される。DCPD樹脂として
は、たとえばシクロペンタジエン系石油樹脂、水添シク
ロペンタジエン系石油樹脂、シクロペンタジエン-C5
共重合石油樹脂、水添シクロペンタジエン-C5共重合
石油樹脂、シクロペンタジエン-C9共重合石油樹脂、
水添シクロペンタジエン-C9共重合石油樹脂、シクロ
ペンタジエン-C5-C9共重合石油樹脂、水添シクロペ
ンタジエン-C5-C9共重合石油樹脂などの軟化点80〜
200℃のDCPD樹脂など)などを混合して用いること
もできる。
【0011】本発明の組成物に好ましく用いられる結晶
性ポリオレフィンとしては、結晶性プロピレン単独重合
体、プロピレン成分を70重量%以上含有する結晶性プロ
ピレン共重合体であって、特に結晶性エチレン-プロピ
レンランダム共重合体、結晶性プロピレン-ブテン-1ラ
ンダム共重合体、結晶性エチレン-プロピレン-ブテン-1
3元共重合体、結晶性プロピレン-ヘキセン-ブテン-1
3元共重合体およびこれらの2種以上の混合物が好まし
く用いられる。特に、本発明の組成物は、結晶性プロピ
レン系重合体の極限粘度、アイソタクチックペンタッド
分率、密度、分子量分布、メルトフローレイト、結晶化
度、剛性などにかかわらず適用することができる。たと
えば、特開昭63−37148号公報、特開昭63−37152号公
報、特開昭63−90552号公報、特開昭63−210152号公
報、特開昭63−213547号公報、特開昭63−243150号公
報、特開昭63−243152号公報、特開昭63−260943号公
報、特開昭63−260944号公報、特開昭63−264650号公
報、特開平1−178541号公報、特開平2−49047号公
報、特開平2−102242号公報、特開平2−251548号公
報、特開平2−279746号公報、特開平3−195751号公報
などに記載されたような結晶性プロピレン系重合体にも
好適に使用することができる。
【0012】さらに、本発明の組成物に用いる結晶性ポ
リオレフィンとして、ハロゲン化マグネシウムに担持さ
れたハロゲン化チタン触媒成分と有機アルミニウム触媒
成分を含む高活性触媒組成物とりわけ該高活性触媒組成
物に電子供与体触媒成分をさらに組み合わせた高活性高
立体規則性触媒組成物の存在下で重合して得られる結晶
性プロピレン系重合体(好ましくは無脱灰プロセス)を
用いることは、透明性がさらに改善されるので好まし
い。
【0013】本発明で用いられるフォスフェート系化合
物(化合物A)としては、前記一般式(1)において、R
で示される炭素数1〜4のアルキリデン基としては、メ
チレン、エチリデン、プロピリデン、ブチリデンなどが
あげられ、Ar1およびAr2で示されるアリーレン基も
しくはアルキルアリーレン基としては、フェニレン、ア
ルキルフェニレン(アルキル基としては、メチル、エチ
ル、プロピル、i-プロピル、ブチル、s-ブチル、t-ブチ
ル、アミル、t-アミル、ヘキシル、ヘプチル、オクチ
ル、i-オクチル、t-オクチル、2-エチルヘキシル、ノニ
ル、i-ノニル、デシル、i-デシル、ウンデシル、ドデシ
ル、t-ドデシル)などがあげられる。
【0014】従って、フォスフェート系化合物(化合物
A)としては、2,2'-メチレン-ビス(4,6-ジ-t-ブチルフ
ェニル)アシッドフォスフェート、2,2'-メチレン-ビス
(3-メチル-4,6-ジ-t-ブチルフェニル)アシッドフォスフ
ェート、2,2'-メチレン-ビス(4-メチル-6-t-ブチルフェ
ニル)アシッドフォスフェート、2,2'-メチレン-ビス(3,
4-ジメチル-6-t-ブチルフェニル)アシッドフォスフェー
ト、2,2'-メチレン-ビス(4-エチル-6-t-ブチルフェニ
ル)アシッドフォスフェート、2,2'-メチレン-ビス(4,6-
ジメチルフェニル)アシッドフォスフェート、2,2'-メチ
レン-ビス(4,6-ジエチルフェニル)アシッドフォスフェ
ート、2,2'-メチレン-ビス(4,6-ジ-t-アミルフェニル)
アシッドフォスフェート、2,2'-エチリデン-ビス(4,6-
ジ-t-アミルフェニル)アシッドフォスフェート、2,2'-
エチリデン-ビス(4,6-ジ-t-ブチルフェニル)アシッドフ
ォスフェート、2,2'-エチリデン-ビス(3-メチル-4,6-ジ
-t-ブチルフェニル)アシッドフォスフェート、2,2'-エ
チリデン-ビス(4-s-ブチル-6-t-ブチルフェニル)アシ
ッドフォスフェート、2,2'-エチリデン-ビス(4-i-プロ
ピル-6-t-ブチルフェニル)アシッドフォスフェート、2,
2'-ブチリデン-ビス(4,6-ジメチルフェニル)アシッドフ
ォスフェート、2,2'-ブチリデン-ビス(4,6-ジ-t-ブチル
フェニル)アシッドフォスフェートなどが例示できる。
特に2,2'-メチレン-ビス(4,6-ジ-t-ブチルフェニル)ア
シッドフォスフェート、2,2'-メチレン-ビス(4,6-ジ-t-
アミルフェニル)アシッドフォスフェート、2,2'-エチリ
デン-ビス(4,6-ジ-t-ブチルフェニル)アシッドフォスフ
ェート、2,2'-エチリデン-ビス(4,6-ジ-t-アミルフェニ
ル)アシッドフォスフェートが好ましい。
【0015】フォスフェート系化合物(化合物A)は、
前記特開平3−81368号公報に記載の製造方法、すなわ
ちオキシ塩化リンと2,2'-アルキリデンビスフェノール
とを反応させたのち、加水分解して製造後、ろ過、乾燥
することによって得ることができる。また必要に応じて
これを粉砕して使用される。該化合物Aは単独使用はも
ちろん、2種以上を併用することもできる。該化合物A
の配合割合は、透明性の面から結晶性ポリオレフィン10
0重量部に対して0.01〜1重量部好ましくは0.05〜0.5重
量部である。
【0016】本発明の組成物に用いる水酸化アルミニウ
ムは、その粒径について特に制限はなく、たとえば平均
粒径0.01〜50μのものを用いることができる。均一な分
散を図るためには、平均粒径が10μ以下特に3μ以下の
微粒子に粉砕して用いることが好ましい。水酸化アルミ
ニウムの配合割合は、透明性の面から結晶性ポリオレフ
ィン100重量部に対して0.0005〜0.15重量部好ましくは
0.005〜0.015重量部である。
【0017】本発明で用いられる組成物に用いる金属塩
化合物(化合物B)は、脂肪族モノカルボン酸金属塩
およびリチウムアルミニウム複合塩から選ばれた1種
または2種以上のものである。
【0018】そのうち、脂肪族モノカルボン酸金属塩
としては、酢酸、乳酸、プロピオン酸、アクリル酸、オ
クチル酸、イソオクチル酸、ノナン酸、デカン酸、ラウ
リン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、
オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、12-ヒドロキシ
ステアリン酸、リシノール酸、ベヘン酸、エルカ酸、モ
ンタン酸、メリシン酸、ステアロイル乳酸、β-ドデシ
ルメルカプト酢酸、β-ドデシルメルカプトプロピオン
酸、β-N-ラウリルアミノプロピオン酸、β-N-メチル
-N-ラウロイルアミノプロピオン酸などの脂肪族モノカ
ルボン酸のリチウム、ナトリウムもしくはカリウム塩を
例示できる。特にステアリン酸リチウムもしくはステア
リン酸ナトリウムが好ましい。
【0019】一方、リチウムアルミニウム複合塩は、
その粒径について特に制限はなく、たとえば、平均粒径
0.01〜50μmのものを用いることができるが、均一な分
散を図るためには、平均粒径が10μm以下特に3μm以下
の微粒子に粉砕して用いることが好ましい。また、リチ
ウムアルミニウム複合塩はリチウムおよびアルミニウム
を含む複合塩であれば特に制限はないが、下記式(2)〜
式(5)で示されるものが好ましく用いられる。 [Al2Li(OH)6]h(A1)・kH2O (2) LiaMgbAlc(OH)a+2b+3c-2CO3・iH2O (3) Li2Aln(OH)m(CO3)pq (4) (Li2O)xAl23(CO3)y(A2)Z・jH2O (5) (ただし、式中A1は無機または有機のアニオンを、h
はアニオンA1の価数を、kは3以下の正数もしくは0
を、aは0.5〜4.5を、bは0.1〜3.0を、cは1.0〜8.0
を、iは0〜30の数を、n、m、pおよびqは2+3n
−m−2p−2q=0であるという条件下に、nは3.8
〜4.2、mは0〜10、pは0〜0.5およびqは0.5〜7.3の
数を、A2は2価以上の有機酸のアニオンを、xは0<
x<0.2を、yは0.01≦y<1を、zは0≦z<1を、
jは2≦j<10を、yとzは0.1≦y+z<1をそれぞ
れ示す。)
【0020】前記式(2)で示されるリチウムアルミニウ
ム複合塩は、リチウムアルミニウム複合水酸化物塩であ
り、式に示すとおりの化学量論的にほぼ一定の組成を示
す。リチウムアルミニウム複合水酸化物塩の無機または
有機のアニオンとしては、炭酸、硫酸、塩素のオキシ酸
(たとえば過塩素酸)、リンのオキシ酸(たとえばリン
酸、亜リン酸、メタリン酸、フォスフォン酸、亜フォス
フォン酸、フォスフィン酸、亜フォスフィン酸)などの
1種または2種以上の組み合わせが好ましいが、酢酸、
プロピオン酸、アジピン酸、安息香酸、フタル酸、テレ
フタル酸、マレイン酸、フマル酸、コハク酸、p-オキシ
安息香酸、サリチル酸、ピクリン酸などを挙げることが
できる。特にアニオンとしては炭酸が好ましい。炭酸塩
型のリチウムアルミニウム複合水酸化物塩は特開平5−
179052号公報に記載の製造方法によって得ることができ
る。すなわち、水溶性リチウム塩もしくは水酸化リチウ
ムと水溶性アルミニウム塩とを、水溶性炭酸塩およびア
ルカリの存在下に反応させることにより得られる。水溶
性リチウム塩としては、塩化リチウム、硝酸リチウム、
硫酸リチウム、炭酸リチウムなどを挙げることができ
る。水溶性アルミニウム塩としては、塩化アルミニウ
ム、硝酸アルミニウム、硫酸アルミニウムなどを挙げる
ことができる。また、水溶性炭酸塩としては、炭酸ナト
リウムが一般的に使用され、アルカリとしては水酸化ナ
トリウムが一般的に使用されるが、水酸化リチウムを使
用するときにはもちろん水酸化ナトリウムの添加は省略
してよい。これらの各成分は、Al/Liの原子比が約2
となるように、またCO3/Liのモル比が0.5以上とな
るように用いるのがよい。
【0021】前記式(3)で示されるリチウムアルミニウ
ム複合塩はリチウムアルミニウム複合水酸化物塩すなわ
ちリチウム変性ハイドロタルサイト類であり、特開平6
−248109号公報に記載のリチウムアルミニウム複合水酸
化物塩の製法と同様にして合成される。式(3)中、aは
0.5〜4.5好ましくは1.0〜3.0を示し、bは0.1〜3.0好ま
しくは0.2〜2.0を示し、cは1.0〜8.0好ましくは2.0〜
6.0を示し、iは0〜30の結晶水の数を表す。
【0022】前記式(4)で示されるリチウムアルミニウ
ム複合塩はリチウムアルミニウム複合酸化物塩であり、
式で示されるとおりの組成でかつX線回折学的に非晶質
であるかもしくはギブサイト型微結晶を有する。リチウ
ムアルミニウム複合酸化物塩は前記式(2)におけるA1
炭酸であるリチウムアルミニウム複合水酸化物炭酸塩を
400〜550℃で熱処理すなわち焼成することにより得られ
る。この焼成は、固定床、移動床、流動床などのそれ自
体公知の焼成炉を用いて行うことができる。焼成時間は
前述した組成と結晶性とが達成されるものであればよ
く、一般に0.5〜3時間であれば十分である。
【0023】前記式(5)で示されるリチウムアルミニウ
ム複合塩はリチウムアルミニウム複合炭酸塩であり、
(5)で示されるとおりの化学量論的にほぼ一定の組成を
示す。リチウムアルミニウム複合炭酸塩は特開平8−41
076号公報もしくは特開平8−231557号公報に記載の製
造方法によって得ることができる。すなわち、可溶性ア
ルミニウム化合物と炭酸イオン供給化合物とを必須の原
料とし、この原料をpH5〜10の条件下で反応させて洗
浄する。この洗浄後に湿式粉砕を行い、乾燥するもので
ある。また、有機酸のアニオンを導入する場合は、有機
酸および/またはその塩を可溶性アルミニウム化合物と
炭酸イオン供給化合物と共に、pH5〜10の条件下で反
応させることにより可能となる。可溶性アルミニウム化
合物としては、たとえば塩化アルミニウム、硝酸アルミ
ニウム、硫酸アルミニウム、金属アルミニウム、硫酸ア
ルミニウムアンモニウム、臭化アルミニウム、フッ化ア
ルミニウム、硫酸アルミニウム・リチウム、アルミニウ
ムイソプロポキシド、アルミン酸リチウムなどの内の一
種または2種以上を選択することができる。炭酸イオン
供給化合物としては、炭酸リチウム、尿素、二酸化炭素
などの内の一種または2種以上を使用することができ
る。2価以上の有機酸としては、酒石酸、シュウ酸、マ
ロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン
酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸などの2価
の脂肪族飽和カルボン酸、マレイン酸、フマル酸、シト
ラコン酸、メサコン酸などの2価の脂肪族不飽和カルボ
ン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸などの2
価の芳香族カルボン酸を単独でまたは混合して使用でき
る。加えて、3価の有機酸としてクエン酸を単独で、ま
たは2価の有機酸と混合して使用できる。さらに本発明
ではこれらの有機酸を塩の形態で使用しても良い。
【0024】これらの可溶性アルミニウム化合物と炭酸
イオン供給化合物の反応およびこれらの化合物と有機酸
および/またはその塩の反応は、いずれもpH5〜10の
条件下における水または低級アルコール溶媒中で行うこ
とができる。かかる反応時のpH調整にはアンモニア、
水酸化アンモニウム、水酸化リチウムなどの塩基性物質
を使用することができる。反応により生成した水酸化ア
ルミニウムゲルは水洗し、その後、湿式粉砕を行う。こ
の湿式粉砕には転動式、振動式、遊星型のボールミル、
塔式、撹拌槽型、流通管型、アニューラー型の媒体撹拌
型粉砕機、コロイドミル、高圧ホモジナイザーなどの粉
砕機を用いることができる。この湿式粉砕の後、自然乾
燥、温風乾燥、減圧乾燥、噴霧乾燥などの適宜の乾燥手
段により乾燥する。これによりリチウムアルミニウム複
合炭酸塩を得ることができる。
【0025】これら化合物Bは単独使用はもちろん2種
以上の化合物Bを併用することもできる。該化合物Bの
配合割合は、透明性の面から結晶性ポリオレフィン100
重量部に対して0.01〜1重量部、好ましくは0.05〜0.5
重量部である。
【0026】本発明の組成物にあっては、通常結晶性ポ
リオレフィンに添加される各種の添加剤たとえばフェノ
ール系、チオエーテル系、リン系などの酸化防止剤;光
安定剤;重金属不活性化剤(銅害防止剤);1・3,2・4-
ジベンジリデンソルビトール、1・3,2・4-ビス(4-メチ
ルベンジリデン)ソルビトール、1・3,2・4-ビス(3,4-ジ
メチルベンジリデン)ソルビトールなどの透明化剤;ナ
トリウム-ビス(4-t-ブチルフェニル)フォスフェート、
ナトリウム-2,2'-メチレン-ビス(4,6-ジ-t-ブチルフェ
ニル)フォスフェートなどの造核剤(ただし、化合物A
を除く);滑剤(ただし、化合物Bを除く);帯電防止
剤;防曇剤;アンチブロッキング剤;無滴剤;有機過酸
化物のようなよなラジカル発生剤;難燃剤(ただし、水
酸化アルミニウムを除く);難燃助剤;顔料;ハロゲン
捕捉剤(ただし、化合物Bを除く);金属石ケン類など
の分散剤もしくは中和剤;有機系や無機系の抗菌剤;タ
ルク、マイカ、クレ−、ウォラストナイト、ゼオライ
ト、カオリン、ベントナイト、パーライト、ケイソウ
土、アスベスト、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、
水酸化マグネシウム、ハイドロタルサイト、二酸化ケイ
素、二酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化
カルシウム、硫化亜鉛、硫酸バリウム、硫酸マグネシウ
ム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、ガラス繊
維、チタン酸カリウム、炭素繊維、カーボンブラック、
グラファイト、金属繊維などの無機充填剤;シラン系、
チタネート系、ボロン系、アルミネート系、ジルコアル
ミネート系などのカップリング剤の如き表面処理剤で表
面処理された前記無機充填剤;または木粉、パルプ、故
紙、合成繊維、天然繊維などの有機充填剤;などを本発
明の目的を損なわない範囲で併用することができる。
【0027】本発明の組成物は結晶性ポリオレフィン
に、前記の化合物A、水酸化アルミニウムおよび化合物
B並びに通常結晶性ポリオレフィンに添加される前述の
各種添加剤のそれぞれ所定量を、ヘンシェルミキサー
(商品名)、スーパーミキサー、リボンブレンダー、バ
ンバリミキサーなどの混合装置を用いて混合し、通常の
単軸押出機、2軸押出機、ブラベンダーまたはロールな
どで、溶融混練温度150℃〜300℃好ましくは180℃〜270
℃で溶融混練ペレタイズすることにより得ることができ
る。得られた組成物は射出成形法、押出成形法、ブロー
成形法などの各種成形法により目的とする成形品の製造
に供される。
【0028】また、本発明の組成物は、各種の後処理を
施される医療、食品包装などの用途、たとえば、医薬液
剤、輸液、輸血用器具や注射筒、注射針基、採血器具な
どの医療用器具;放射線による滅菌を施される食品包装
用途[リン系酸化防止剤およびヒンダードアミン系光安
定剤(HALS)を併用するのが好ましい。]などにも
用いることができる。また、樹脂成形後に塗装性、印刷
性など表面特性改善のため低温プラズマ処理、コロナ放
電処理などが施される成形用樹脂などに用いることがで
きる。
【0029】
【実施例】以下、実施例および比較例によって本発明を
具体的に説明するが、本発明はこれによって限定される
ものではない。なお、実施例および比較例で用いた評価
方法は次の方法によった。 透明性:実施例および比較例で得られた組成物(ペレッ
ト)を樹脂組成物温度250℃、金型温度50℃で射出成形
により試験片(長さ50mm、幅25mm、厚み1mm)を作製し
た。ASTM D-1003-61に準拠して、この試験片を用
いてヘイズ値を測定することにより透明性を評価した。
ヘイズ値が小さいものを高透明性という。
【0030】実施例1 結晶性ポリオレフィン成分として、メルトフローレート
(230℃における荷重21.18Nを加えた場合の10分
間の溶融樹脂の吐出量;以下MFRと略記する。)が6.
0g/10分の安定化されていない粉末状結晶性プロピレン
単独重合体を使用し、その100重量部に対して、フォス
フェート系化合物(化合物A)として2,2'-メチレン-ビ
ス(4,6-ジ-t-ブチルフェニル)アシッドフォスフェート
(化合物A−1)を0.09重量部、平均粒径2〜3μmの
水酸化アルミニウムを0.014重量部、金属塩化合物
(化合物B)としてステアリン酸リチウム(化合物B−
1)を0.05重量部、その他の添加剤としてフェノー
ル系酸化防止剤1{テトラキス[メチレン−3−(3',
5'−ジ−t−ブチル−4茶qドロキシフェニル)プロピ
オネート]メタン}を0.05重量部、リン系酸化防止
剤1{ビス(2,6−ジ−tブチルー4−メチルフェニ
ル)−ペンタエリスリトール−ジフォスファイト}を
0.05重量部の配合割合でヘンシェルミキサー(商品
名)に入れ、3分間撹拌混合したのち、口径30mmの2軸
押出機で200℃にて溶融混練処理してペレット状の結晶
性ポリオレフィン組成物を得た。前述の方法で透明性を
評価した結果が表1である。
【0031】比較例1 フォスフェート系化合物(化合物A)、水酸化アルミニ
ウム、金属塩化合物(化合物B)を用いない以外は実施
例1に準じて行った。
【0032】実施例2〜9 フォスフェート系化合物(以下化合物A)、水酸化アル
ミニウム、および金属塩化合物(化合物B)の種類、配
合量を表1に記載のようにした以外は、実施例1に準じ
てそれぞれ組成物を得た。その結果を表1に示す、 実施例10、11 フォスフェート系化合物(以下化合物A)、水酸化アル
ミニウム、および金属塩化合物(化合物B)の種類、配
合量を表1に記載のようにし、リン系酸化防止剤のみを
使用、ヒンダードアミン系光安定剤(HALS)を加え
て、それらの種類、配合量を表1に記載のようにする以
外は、実施例1に準じてそれぞれ組成物を得た。その結
果を表1に示す。 実施例12、13 フォスフェート系化合物(以下化合物A)、水酸化アル
ミニウムおよび金属塩化合物(化合物B)の種類、配合
量を表1に記載のようにし、さらに透明化剤または造核
剤の種類、配合量を表1に記載のようにした以外は、実
施例1に準じてそれぞれ組成物を得た。その結果を表1
に示す。
【0033】比較例2 水酸化アルミニウムおよび金属塩化合物(化合物B)を
使用せずに表1の配合で実施例1に準じて行った。 比較例3 金属塩化合物(化合物B)を使用せずに表1の配合で実
施例1に準じて行った。 比較例4,5 フォスフェート系化合物(化合物A)および水酸化アル
ミニウムを使用せずに、表1の配合で実施例1に準じて
行った。 比較例6,7 水酸化アルミニウムを使用せずに表1の配合で実施例1
に準じて行った。 比較例8 金属塩化合物(化合物B)をハイドロタルサイトに代え
て、表1の配合で実施例1に準じて行った。 比較例9 フォスフェート系化合物(化合物A)0.09重量部を造核
剤を0.14重量部に代えて、表1の配合で実施例1に
準じて行った。 比較例10 水酸化アルミニウムの量を本発明の範囲外とし、表1の
配合で実施例1に準じて行った。
【0034】実施例14 結晶性ポリオレフィン成分として、MFR7.0g/10分の
安定化されていない粉末状結晶性エチレン-プロピレン
ランダム共重合体(エチレン含有量4.0重量%)を用い
る。また、酸化防止剤の種類を代える。それ以外は実施
例1と同じ成分を表2に記載の配合で実施例1に準じて
結晶性ポリオレフィン組成物を得た。前述の方法で透明
性を評価した結果が表2である。
【0035】比較例11 フォスフェート系化合物(化合物A)、水酸化アルミニ
ウム、金属塩化合物(化合物B)を用いない以外は実施
例14に準じて行った。
【0036】実施例15〜22 フォスフェート系化合物(以下化合物A)、水酸化アル
ミニウム、および金属塩化合物(化合物B)の種類、配
合量を表2に記載のようにした以外は、実施例14に準
じてそれぞれ組成物を得た。その結果を表2に示す、 実施例23、24 フォスフェート系化合物(以下化合物A)、水酸化アル
ミニウム、および金属塩化合物(化合物B)の種類、配
合量を表1に記載のようにし、酸化防止剤の種類を代え
て、HALSを加えて、その種類、配合量を表2に記載
のようにする以外は、実施例14に準じてそれぞれ組成
物を得た。その結果を表2に示す。 実施例25、26 フォスフェート系化合物(以下化合物A)、水酸化アル
ミニウムおよび金属塩化合物(化合物B)の種類、配合
量を表2に記載のようにし、さらに透明化剤または造核
剤の種類、配合量を表2に記載のようにした以外は、実
施例14に準じてそれぞれ組成物を得た。その結果を表
2に示す。
【0037】比較例12 水酸化アルミニウムおよび金属塩化合物(化合物B)を
使用せずに表2の配合で実施例14に準じて行った。 比較例13 金属塩化合物(化合物B)を使用せずに表2の配合で実
施例14に準じて行った。 比較例14,15 フォスフェート系化合物(化合物A)および水酸化アル
ミニウムを使用せずに、表2の配合で実施例14に準じ
て行った。 比較例16,17 水酸化アルミニウムを使用せずに、表2の配合で実施例
14に準じて行った。 比較例18 金属塩化合物(化合物B)をハイドロタルサイトに代え
て、表2の配合で実施例14に準じて行った。 比較例19 フォスフェート系化合物(化合物A)を造核剤に代え
て、表2の配合で実施例14に準じて行った。 比較例20 水酸化アルミニウムの量を本発明の範囲外とし、表2の
配合で実施例14に準じて行った。
【0038】実施例27 結晶性ポリオレフィン成分として、MFR6.0g/10分の
安定化されていない粉末状結晶性プロピレン単独重合体
15重量%、MFR7.0g/10分の安定化されていない粉末
状結晶性エチレン-プロピレン-ブテン-1 3元共重合体
(エチレン含有量4.0重量%、ブテン-1含有量4.5重量
%)80重量%およびメルトインデックス(190℃におけ
る荷重21.18Nを加えた場合の10分間の溶融樹脂の吐
出量;以下MIと略記する)が5.0g/10分の安定化され
ていない粉末状チーグラー・ナッタ系高密度エチレン-
プロピレン共重合体(密度0.950g/cm3、メチル分岐3.
0個/1000炭素)5重量%とからなるものを用いる。ま
た、酸化防止剤の種類を代える。それ以外は実施例1と
同じ成分を表3に記載の配合で実施例1に準じて結晶性
ポリオレフィン組成物を得た。前述の方法で透明性を評
価した結果が表3である。
【0039】比較例21 フォスフェート系化合物(化合物A)、水酸化アルミニ
ウム、金属塩化合物(化合物B)を用いない以外は実施
例27に準じて行った。
【0040】実施例28〜35 フォスフェート系化合物(以下化合物A)、水酸化アル
ミニウムおよび金属塩化合物(化合物B)の種類、配合
量を表3に記載のようにした以外は、実施例27に準じ
てそれぞれ組成物を得た。その結果を表3に示す、 実施例36、37 フォスフェート系化合物(以下化合物A)、水酸化アル
ミニウムおよび金属塩化合物(化合物B)の種類、配合
量を表3に記載のようにし、リン系酸化防止剤のみを使
用、HALSを加えて、それらの種類、配合量を表3に
記載のようにする以外は、実施例27に準じてそれぞれ
組成物を得た。その結果を表3に示す。 実施例38、39 フォスフェート系化合物(以下化合物A)、水酸化アル
ミニウムおよび金属塩化合物(化合物B)の種類、配合
量を表3に記載のようにし、さらに透明化剤または造核
剤の種類、配合量を表1に記載のようにした以外は、実
施例27に準じてそれぞれ組成物を得た。その結果を表
3に示す。
【0041】比較例22 水酸化アルミニウムおよび金属塩化合物(化合物B)を
使用せずに表3の配合で実施例27に準じて行った。 比較例23 金属塩化合物(化合物B)を使用せずに表3の配合で実
施例27に準じて行った。 比較例24,25 フォスフェート系化合物(化合物A)および水酸化アル
ミニウムを使用せずに、表3の配合で実施例27に準じ
て行った。 比較例26,27 水酸化アルミニウムを使用せずに、表3の配合で実施例
27に準じて行った。 比較例28 金属塩化合物(化合物B)をハイドロタルサイトに代え
て、表3の配合で実施例27に準じて行った。 比較例29 フォスフェート系化合物(化合物A)を造核剤に代え
て、表3の配合で実施例27に準じて行った。 比較例30 水酸化アルミニウムの量を本発明の範囲外として表3の
配合で実施例27に準じて行った。
【0042】表1〜表3に示される本発明にかかわる化
合物および添加剤は下記のとおりである。 フォスフェート系化合物(化合物A): 化合物A[1]:2,2'-メチレン-ビス(4,6-ジ-t-ブチルフ
ェニル)アシッドフォスフェート 化合物A[2]:2,2'-メチレン-ビス(3-メチル-4,6-ジ-t
-ブチルフェニル)アシッドフォスフェート 化合物A[3]:2,2'-エチリデン-ビス(4,6-ジ-t-アミル
フェニル)アシッドフォスフェート 化合物A[4]:2,2'-ブチリデン-ビス(4,6-ジメチルフ
ェニル)アシッドフォスフェート
【0043】水酸化アルミニウム:平均粒径2〜3μm
の水酸化アルミニウム
【0044】金属塩化合物(化合物B): 化合物B[1]:ステアリン酸リチウム 化合物B[2]:ステアリン酸ナトリウム 化合物B[3]:モンタン酸カリウム 化合物B[4]:12-ヒドロキシオクタデカン酸リチウム 化合物B[5]:ステアロイル乳酸ナトリウム 化合物B[6]:β-ドデシルメルカプトプロピオン酸カ
リウム 化合物B[7]:Al4Li2(OH)12CO3・1.6H2O 化合物B[8]:Al4Li2(OH)12SO4・1.2H2O 化合物B[9]:Li1.8Mg0.6Al4(OH)13CO3・3.6H
2O 化合物B[10]:Li2Al4(OH)5(CO3)0.34.2 化合物B[11]:(Li2O)0.13Al23(CO3)0.88・2.80
2O 化合物B[12]:(Li2O)0.1Al23(CO3)0.6A'0.17
・2.82H2O(ここで、A'はコハク酸のアニオンを示
す) 化合物B[13]:(Li2O)0.09Al23(CO3)0.52A"
0.02・3.02H2O(ここで、A"はクエン酸のアニオンを
示す)
【0045】酸化防止剤: フェノール系酸化防止剤1:テトラキス[メチレン-3-
(3',5'-ジ-t-ブチル-4'-ヒドロキシフェニル)プロピオ
ネート]メタン フェノール系酸化防止剤2:1,3,5-トリメチル-2,4,6-
トリス(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)ベンゼ
ン フェノール系酸化防止剤3:トリス(3,5-ジ-t-ブチル-4
-ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート リン系酸化防止剤1:ビス(2,6-ジ-t-ブチル-4-メチル
フェニル)-ペンタエリスリトール-ジフォスファイト リン系酸化防止剤2:テトラキス(2,4-ジ-t-ブチルフェ
ニル)-4,4'-ビフェニレン-ジ-フォスフォナイト リン系酸化防止剤3:トリス(2,4-ジ-t-ブチルフェニ
ル)フォスファイト リン系酸化防止剤4:トリス[2,2'-ビス(4,6-ジ-t-ブチ
ルフェニル)]-トリエタノールアミン-トリフォスファイ
ト リン系酸化防止剤5:2,2'-エチリデン-ビス(4,6-ジ-t-
ブチルフェニル)フルオロフォスファイト
【0046】ヒンダードアミン系光安定剤(HAL
S): HALS1:ポリ[[6-[(1,1,3,3-テトラメチルブチル)
イミノ]-1,3,5-トリアジン-2,4-ジイル][(2,2,6,6-テト
ラメチル-4-ピペリジル)イミノ]ヘキサメチレン[(2,2,
6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)イミノ]] HALS2:1,5,8,12-テトラキス[4,6-ビス(N-(1,2,
2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル)-ブチルアミノ)-1,
3,5-トリアジン-2-イル]-1,5,8,12-テトラアザドデカン 透明化剤: 透明化剤1:1・3,2・4-ジベンジリデンソルビトール 透明化剤2:1・3,2・4-ビス(4-メチルベンジリデン)ソ
ルビトール 透明化剤3:1・3,2・4-ビス(3,4-ジメチルベンジリデ
ン)ソルビトール 造核剤: 造核剤1:ナトリウム-2,2'-メチレン-ビス(4,6-ジ-t-
ブチルフェニル)フォスフェート 造核剤2:ビス(4-t-ブチルフェニル)アシッドフォスフ
ェート ハイドロタルサイト: ハイドロタルサイト:塩基性マグネシウム・アルミニウ
ム・ヒドロキシ・カーボネート・ハイドレート(Mg4.5
Al2(OH)13CO3・3.5H2O)[協和化学工業(株)
製 DHT−4A]
【0047】
【表1】
【0048】
【表2】
【0049】
【表3】
【0050】表1は、結晶性ポリオレフィン成分として
結晶性プロピレン単独重合体を用いた実施例、比較例で
ある。実施例1〜13は本発明にかかわる化合物A、水酸
化アルミニウムおよび化合物Bを配合した組成物であ
る。表1からわかるように、実施例1〜13は、化合物
A、水酸化アルミニウムおよび化合物Bを配合しない比
較例1とくらべてみると、透明性が著しく優れているこ
とがわかる。また、化合物Aのみの配合、または化合物
Aおよび水酸化アルミニウムの配合だけの比較例2〜3
は、比較例1に比べて透明性の改善効果が認められる
が、実施例1〜13よりも著しく劣っている。同様に、
化合物Bのみの配合である比較例4〜5は、透明性の改
善効果はほとんどないことは比較例1とくらべてみると
明らかである。化合物Aおよび化合物Bを配合した例で
ある比較例6(前記特開平3−79649、7−216142およ
び10−60168号公報にそれぞれ提案された組成
物)と比較例7(前記特開平3−79649および7−21614
2号公報にそれぞれ提案された組成物)とは、化合物B
のみの比較例4〜5より透明性の改善は認められるもの
の未だ充分ではなく実施例1〜13が著しく優れている
ことがわかる。化合物Bをハイドロタルサイトに代えた
比較例8の透明性の改善効果は比較例2〜3と同程度で
あり、化合物Aおよび水酸化アルミニウムにハイドロタ
ルサイトを併用してもほとんど透明性の改善効果が認め
られないことがわかる。化合物Aを造核剤2に代えた比
較例9の透明性の改善効果は水酸化アルミニウムおよび
化合物Bを併用したにもかかわらず比較例2〜3と同程
度であり、化合物Bに化合物Aの非環状酸性有機リン酸
エステルである造核剤2および水酸化アルミニウムを併
用してもほとんど透明性の改善効果が認められないこと
がわかる。 水酸化アルミニウムの配合量が本発明の範
囲外である比較例10は、透明性の改善効果は著しく劣
り、水酸化アルミニウムの配合量が本発明で限定された
範囲外で併用してもほとんど透明性の改善効果が認めら
れないことがわかる。表2〜表3は、結晶性ポリオレフ
ィンとしてそれぞれ結晶性エチレン-プロピレンラン
ダム共重合体、結晶性プロピレン単独重合体、結晶性
エチレン-プロピレン-ブテン-1 3元共重合体および高
密度エチレン-プロピレン共重合体の混合物を用いたも
のであり、これらについても上述と同様の効果が確認さ
れた。
【0051】
【発明の効果】本発明にかかわる化合物A、水酸化アル
ミニウムおよび化合物Bの3成分の特定量の配合を同時
に満たさない各比較例は、本発明の効果を奏さないこと
が明らかである。すなわち、本発明で得られる透明性
は、結晶性ポリオレフィンに化合物A、水酸化アルミニ
ウムおよび化合物Bを特定量配合したときにはじめてみ
られる特有の効果であるといえる。すなわち、本発明の
結晶性ポリオレフィン組成物を用いることにより、成形
品の透明性が大幅に改善される。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 結晶性ポリオレフィンの100重量部に対
    して、下記一般式(1) 【化1】 (ただし、式中Rは炭素数1〜4のアルキリデン基を、
    Ar1およびAr2はアリーレン基もしくはアルキルアリー
    レン基をそれぞれ示す。)で示されるフォスフェート系
    化合物の0.01〜1重量部、水酸化アルミニウムの0.0005
    〜0.15重量部、および下記〜 脂肪族モノカルボン酸金属塩(ただし、金属はリチウ
    ム、ナトリウムもしくはカリウムを示す。)および リチウムアルミニウム複合塩 から選ばれた1種または2種以上の金属塩化合物の0.01
    〜1重量部を配合してなる結晶性ポリオレフィン組成
    物。
  2. 【請求項2】 金属塩塩化合物がリチウムアルミニウム
    複合塩である請求項1記載の結晶性ポリオレフィン組成
    物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP2702098A1 (en) 2011-04-26 2014-03-05 Basf Se Additives for high-flow polymers

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