JPH07252379A - 結晶性合成樹脂組成物 - Google Patents

結晶性合成樹脂組成物

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JPH07252379A
JPH07252379A JP7010794A JP7010794A JPH07252379A JP H07252379 A JPH07252379 A JP H07252379A JP 7010794 A JP7010794 A JP 7010794A JP 7010794 A JP7010794 A JP 7010794A JP H07252379 A JPH07252379 A JP H07252379A
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JP
Japan
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salt
group
phosphinyl
hydroxy
synthetic resin
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Application number
JP7010794A
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Inventor
Toshio Wachi
都司雄 和知
Minoru Tada
實 多田
Motohiro Shizuma
基博 静間
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Sakai Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Sakai Chemical Industry Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 機械的強度、透明性が優れた結晶性合成樹脂
組成物を提供する。 【構成】 結晶性合成樹脂90〜99.99重量%、並
びに、一般式(I)で表される化合物及び一般式(I
I)で表される化合物のうち少なくとも一種0.01〜
10重量%からなる結晶性合成樹脂組成物。 【化1】 式中、R1 は、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数6
〜18のアリール基、又は、炭素数1〜18のアルキル
基若しくは炭素数2〜18のアルケニル基で置換された
炭素数6〜18のアリール基を表す。R2 は水素又はメ
チル基を表す。M1 、M2 は、それぞれ独立して水素又
は1価の金属原子を表す。M3 は2価、3価又は4価の
金属原子を表す。iは1〜3の整数を表す。jは1又は
2を表す。kは0〜2の整数を表す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、結晶性合成樹脂組成物
に関し、さらに詳しくは、有機リン化合物又はその金属
塩の少なくとも一種を核剤として配合することにより、
機械的強度、透明性を改善した結晶性合成樹脂組成物に
関する。
【0002】
【従来の技術】ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブ
テン−1、ポリエステル、ポリアミド等の結晶性合成樹
脂は、加熱溶融成形後の結晶化速度が比較的小さいの
で、通常の方法で成形したのでは、成形物の剛性、耐衝
撃性等の機械的強度や透明性が樹脂本来のものに比較し
て劣る。この問題を解決するため、核剤を添加して機械
的強度、透明性等を向上させることが行われている。
【0003】上記核剤は、無機系と有機系に大別され
る。従来から使用されている無機系の核剤としては、例
えば、シリカ、タルク、二酸化チタン、カオリン、アル
ミナ等が挙げられる。
【0004】有機系の核剤としては、例えば、パラ−t
−ブチル安息香酸アルミニウム塩(特公昭40−165
2号公報)、安息香酸ナトリウム塩(特開昭58−80
329号公報)等のカルボン酸金属塩、ナトリウムビス
(パラ−t−ブチルフェニル)ホスフェート(特開昭5
6−62843号公報)、ナトリウム−2,2′−メチ
レンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)ホスフェ
ート(特開平5−140466号公報)等の芳香族酸性
リン酸エステル金属塩、ジベンジリデンソルビトール、
ビス(パラ−メチルベンジリデン)ソルビトール(特開
昭53−117044号公報)等のソルビトール誘導体
等が知られている。
【0005】上記核剤の樹脂成形品の機械的強度、透明
性等の向上効果は、実用上は未だ充分ではなく、更に改
良が求められている。
【0006】そこで、これらの化合物と他の金属化合物
とを同時に使用することによってその効果の改善を図ろ
うとする技術が開発され、例えば、特開平5−1404
66号公報には、結晶性合成樹脂にアルカリ金属カルボ
ン酸塩、アルカリ金属β−ジケトナート又はアルカリ金
属β−ケト酢酸エステル塩及び環状有機リン酸エステル
金属塩を添加することにより樹脂成形品の機械的強度、
透明性等を向上させる技術が開示されている。
【0007】また特開平3−79649号公報には、核
剤と他の金属化合物とを併用することにより相乗効果を
得る技術が開示されている。しかしながら、これら成形
物の機械的強度、透明性には一定の限界があり、更に成
形時及び成形後に異臭を放って環境悪化の原因となり、
また成形物の表面への吹き出しが起こって品質が安定し
ない等の問題点が指摘されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記現状に鑑み、本発
明の目的は、新しい核剤を選択し、これにより機械的強
度、透明性等を改善した結晶性合成樹脂組成物を提供す
ることにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨は、結晶性
合成樹脂組成物を構成するにあたって、結晶性合成樹脂
90〜99.99重量%に、一般式(I)及び一般式
(II)で表される化合物のうち少なくとも一種0.0
1〜10重量%を配合するところにある。
【0010】
【化2】
【0011】式中、R1 は、炭素数1〜18のアルキル
基、炭素数6〜18のアリール基、又は、炭素数1〜1
8のアルキル基若しくは炭素数2〜18のアルケニル基
で置換された炭素数6〜18のアリール基を表す。R2
は水素又はメチル基を表す。M1 、M2 は、それぞれ独
立して水素又は1価の金属原子を表す。M3 は2価、3
価又は4価の金属原子を表す。iは1〜3の整数を表
す。jは1又は2を表す。kは0〜2の整数を表す。以
下に本発明を詳述する。
【0012】本発明の結晶性合成樹脂組成物における結
晶性合成樹脂は特に限定されず、例えば、高密度ポリエ
チレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直
鎖状低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン
−1、ポリ−3−メチルブテン、プロピレンとエチレ
ン、ブテン−1、ペンテン−1、ヘキセン−1、オクテ
ン−1の1種又は2種以上のブロック共重合体又はラン
ダム共重合体等のα−オレフィン重合体;ポリエチレン
テレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリヘ
キサメチレンテレフタレート等の熱可塑性ポリエステ
ル;ポリフェニレンスルフィド;ポリアミド等が挙げら
れる。その中でも、特にポリプロピレン、エチレン−プ
ロピレン共重合体等のポリプロピレン系樹脂が好まし
い。
【0013】本発明においては、上記結晶性合成樹脂
に、上記一般式(I)及び一般式(II)で表されるホ
スフィニルカルボン酸誘導体及びその各種金属塩の少な
くとも1種を核剤として配合する。一般式(I)及び一
般式(II)において、R1 として表される炭素数1〜
18のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル
基、プロピル基、ブチル基、オクチル基、デシル基、ド
デシル基、テトラデシル基、オクタデシル基等が挙げら
れる。
【0014】また炭素数6〜18のアリール基として
は、例えば、フェニル基、ナフチル基、アントラニル基
等が挙げられる。更に炭素数1〜18のアルキル基又は
炭素数2〜18のアルケニル基で置換された炭素数6〜
18のアリール基としては、例えば、o−メチルフェニ
ル基、m−メチルフェニル基、p−メチルフェニル基、
p−ブチルフェニル基、p−オクチルフェニル基、p−
ドデシルフェニル基、p−オクタデシルフェニル基、p
−オクタデセニルフェニル基、p−ビニルフェニル基、
m−ビニルフェニル基、o−ビニルフェニル基、p−ア
リルフェニル基、o−アリルフェニル基、1−ブテニル
フェニル基、2−ヘキセニルフェニル基、2−ノネニル
フェニル基、2−ドデセニルフェニル基、メチルナフチ
ル基、ブチルナフチル基、オクチルナフチル基、ドデシ
ルナフチル基、オクタデシルナフチル基、オクタデセニ
ルナフチル基、ビニルナフチル基、アリルナフチル基、
ブテニルナフチル基、ヘキセニルナフチル基、ノネニル
ナフチル基、ドデセニルナフチル基、メチルアントラニ
ル基、ブチルアントラニル基、オクチルアントラニル
基、ドデシルアントラニル基、オクタデシルアントラニ
ル基、オクタデセニルアントラニル基、ビニルアントラ
ニル基、アリルアントラニル基、ブテニルアントラニル
基、ヘキセニルアントラニル基、ノネニルアントラニル
基、ドデセニルアントラニル基等が挙げられる。また、
上記炭素数1〜18のアルキル基又は炭素数2〜18の
アルケニル基で置換された炭素数6〜18のアリール基
の置換基の数は、1個に限定されず、2個又は3個であ
ってもよい。
【0015】M1 、M2 として表される1価の金属原子
としては、周期律表第Ia族、第Ib族その他の金属の
うち1価のものがよく、例えば、リチウム、ナトリウ
ム、カリウム、銅、銀等が挙げられる。M3 として表さ
れる2価の金属原子としては、周期律表第IIa族、第
IIb族その他の金属のうち2価のものがよく、例え
ば、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリ
ウム、チタン、バナジウム、クロム、マンガン、鉄、コ
バルト、ニッケル、銅、亜鉛、ゲルマニウム、錫、鉛等
が挙げられる。M3 として表される3価の金属原子とし
ては、周期律表第IIIa族、第IIIb族その他の金
属のうち3価のものがよく、例えば、イットリウム、ラ
ンタン等のランタニド金属;アクチニウム等のアクチニ
ド金属;チタン、バナジウム、ニオブ、クロム、マンガ
ン、鉄、コバルト、ニッケル、アルミニウム、ガリウ
ム、インジウム、ビスマス等が挙げられる。M3 として
表される4価の金属原子としては、周期律表第IVa
族、第IVb族その他の金属のうち4価のものがよく、
例えば、ゲルマニウム、錫、鉛、チタン、ジルコニウ
ム、バナジウム、マンガン等が挙げられる。
【0016】整数i、j、kはM3 の種類により定ま
る。M3 が2価の金属の場合には、iは1、jは1、k
は0であり、M3 が3価の金属の場合には、iは3、j
は2、kは0であるか、又は、iは1、jは1、kは1
若しくは2であり、M3 が4価の金属の場合には、iは
2、jは1、kは0である。
【0017】上記一般式(I)、一般式(II)で表さ
れる化合物としては、例えば、以下のものが挙げられ
る。3−〔ヒドロキシ(フェニル)ホスフィニル〕プロ
ピオン酸、3−〔ヒドロキシ(p−メチルフェニル)ホ
スフィニル〕プロピオン酸、3−〔ヒドロキシ(p−エ
チルフェニル)ホスフィニル〕プロピオン酸、3−〔ヒ
ドロキシ(p−プロピルフェニル)ホスフィニル〕プロ
ピオン酸、3−〔ヒドロキシ(p−ブチルフェニル)ホ
スフィニル〕プロピオン酸、3−〔ヒドロキシ(p−オ
クチルフェニル)ホスフィニル〕プロピオン酸、3−
〔ヒドロキシ(p−ドデシルフェニル)ホスフィニル〕
プロピオン酸、3−〔ヒドロキシ(p−オクタデシルフ
ェニル)ホスフィニル〕プロピオン酸、3−〔ヒドロキ
シ(p−オクタデセニルフェニル)ホスフィニル〕プロ
ピオン酸、3−〔ヒドロキシ(フェニル)ホスフィニ
ル〕−2−メチルプロピオン酸、3−〔ヒドロキシ(p
−メチルフェニル)ホスフィニル〕−2−メチルプロピ
オン酸、3−〔ヒドロキシ(p−エチルフェニル)ホス
フィニル〕−2−メチルプロピオン酸、3−〔ヒドロキ
シ(p−プロピルフェニル)ホスフィニル〕−2−メチ
ルプロピオン酸、3−〔ヒドロキシ(p−ブチルフェニ
ル)ホスフィニル〕−2−メチルプロピオン酸、3−
〔ヒドロキシ(p−オクチルフェニル)ホスフィニル〕
−2−メチルプロピオン酸、3−〔ヒドロキシ(p−ド
デシルフェニル)ホスフィニル〕−2−メチルプロピオ
ン酸、3−〔ヒドロキシ(p−オクタデシルフェニル)
ホスフィニル〕−2−メチルプロピオン酸、3−〔ヒド
ロキシ(p−オクタデセニルフェニル)ホスフィニル〕
−2−メチルプロピオン酸、3−〔ヒドロキシ(m−メ
チルフェニル)ホスフィニル〕−2−メチルプロピオン
酸、3−〔ヒドロキシ(o−メチルフェニル)ホスフィ
ニル〕−2−メチルプロピオン酸、3−〔ヒドロキシ
(メチル)ホスフィニル〕プロピオン酸、3−〔ヒドロ
キシ(エチル)ホスフィニル〕プロピオン酸、3−〔ヒ
ドロキシ(ブチル)ホスフィニル〕プロピオン酸、3−
〔ヒドロキシ(ドデシル)ホスフィニル〕プロピオン
酸、3−〔ヒドロキシ(テトラデシル)ホスフィニル〕
プロピオン酸、3−〔ヒドロキシ(オクタデシル)ホス
フィニル〕プロピオン酸、3−〔ヒドロキシ(p−ビニ
ルフェニル)ホスフィニル〕プロピオン酸、3−〔ヒド
ロキシ(m−ビニルフェニル)ホスフィニル〕プロピオ
ン酸、3−〔ヒドロキシ(o−ビニルフェニル)ホスフ
ィニル〕プロピオン酸、3−〔ヒドロキシ(p−アリル
フェニル)ホスフィニル〕プロピオン酸、3−〔ヒドロ
キシ(p−(2−ブテニル)フェニル)ホスフィニル〕
プロピオン酸、3−〔ヒドロキシ(p−(2−ヘキセニ
ル)フェニル)ホスフィニル〕プロピオン酸、3−〔ヒ
ドロキシ(p−(3−ドデセニル)フェニル)ホスフィ
ニル〕プロピオン酸。
【0018】ナトリウム−3−(フェニル)ホスフィニ
ルプロピオン酸(酸とナトリウムとのモル比が1:2の
ものと1:1のものとがある)、リチウム−3−(フェ
ニル)ホスフィニルプロピオン酸、マグネシウム−3−
(フェニル)ホスフィニルプロピオン酸、カルシウム−
3−(フェニル)ホスフィニルプロピオン酸、アルミニ
ウム−3−(フェニル)ホスフィニルプロピオン酸(酸
とアルミニウムとのモル比が3:2のもの、2:1のも
の、1:1のものがある)、ストロンチウム−3−(フ
ェニル)ホスフィニルプロピオン酸、バリウム−3−
(フェニル)ホスフィニルプロピオン酸、亜鉛−3−
(フェニル)ホスフィニルプロピオン酸、錫−3−(フ
ェニル)ホスフィニルプロピオン酸、チタン−3−(フ
ェニル)ホスフィニルプロピオン酸、マンガン−3−
(フェニル)ホスフィニルプロピオン酸、鉄−3−(フ
ェニル)ホスフィニルプロピオン酸、コバルト−3−
(フェニル)ホスフィニルプロピオン酸、ニッケル−3
−(フェニル)ホスフィニルプロピオン酸、ナトリウム
−3−(メチル)ホスフィニルプロピオン酸(酸とナト
リウムとのモル比が1:2のものと1:1のものとがあ
る)、リチウム−3−(メチル)ホスフィニルプロピオ
ン酸、マグネシウム−3−(メチル)ホスフィニルプロ
ピオン酸、カルシウム−3−(メチル)ホスフィニルプ
ロピオン酸、アルミニウム−3−(メチル)ホスフィニ
ルプロピオン酸(酸とアルミニウムとのモル比が3:2
のもの、2:1のもの、1:1のものがある)、ストロ
ンチウム−3−(メチル)ホスフィニルプロピオン酸、
バリウム−3−(メチル)ホスフィニルプロピオン酸、
亜鉛−3−(メチル)ホスフィニルプロピオン酸、錫−
3−(メチル)ホスフィニルプロピオン酸、チタン−3
−(メチル)ホスフィニルプロピオン酸、マンガン−3
−(メチル)ホスフィニルプロピオン酸、鉄−3−(メ
チル)ホスフィニルプロピオン酸、コバルト−3−(メ
チル)ホスフィニルプロピオン酸、ニッケル−3−(メ
チル)ホスフィニルプロピオン酸。
【0019】上記一般式(I)、一般式(II)で表さ
れる化合物は、特開平5−194562号公報、Zhu
ral Obsh.Khim.,37,455〜460
(1967)(C.A.,67,32744v)等に記
載の公知の方法を用いて取得することができる。
【0020】また、ホスフィニルカルボン酸誘導体を水
酸化ナトリウム、水酸化リチウム又は炭酸ナトリウム等
で中和した後加熱脱水して、ナトリウム塩、リチウム塩
を得ることができる。また、他の金属塩は、水酸化ナト
リウムでケン化した後、各種金属の塩化物又は硫酸塩で
複分解した後、水洗、乾燥する方法、又は各種金属の水
酸化物や炭酸塩とホスフィニルカルボン酸を直接反応さ
せる方法等で得ることができる。
【0021】上記化合物のうち、3−〔ヒドロキシ(フ
ェニル)ホスフィニル〕プロピオン酸、その一ナトリウ
ム塩、二ナトリウム塩、二リチウム塩、マグネシウム
塩、カルシウム塩、ストロンチウム塩、バリウム塩、亜
鉛塩、アルミニウム塩、3−〔ヒドロキシ(フェニル)
ホスフィニル〕−2−メチルプロピオン酸、3−〔ヒド
ロキシ(メチル)ホスフィニル〕プロピオン酸、3−
〔ヒドロキシ(オクチル)ホスフィニル〕プロピオン
酸、3−〔ヒドロキシ(フェニル)ホスフィニル〕プロ
ピオン酸のヒドロキシアルミニウム塩、3−〔ヒドロキ
シ(フェニル)ホスフィニル〕プロピオン酸のジヒドロ
キシアルミニウム塩をこの順に、下記の式(III)〜
式(XVII)にそれぞれ示す。
【0022】
【化3】
【0023】
【化4】
【0024】
【化5】
【0025】上記一般式(I)、一般式(II)で表わ
される化合物は、核剤として使用するにあたり、粒径に
より性能が左右されることがないので、合成されたもの
を粉砕して使用してもよいし、また、そのまま使用して
もよい。均一な分散を図るためには、平均粒径が50μ
m以下、特に30μm以下に粉砕して用いることが好ま
しい。
【0026】上記化合物の配合の割合は、結晶性合成樹
脂90〜99.99重量%に対して0.01〜10重量
%である。0.01重量%未満では、上記結晶性合成樹
脂組成物の機械的強度が充分に向上せず、10重量%を
超えると樹脂表面に吹き出してくる等の実用上の問題が
起こるので、上記範囲内に限られる。
【0027】本発明の結晶性合成樹脂組成物において、
上記化合物を添加混合する方法は特に制限されず、通常
用いられる方法が使用でき、例えば、結晶性合成樹脂粉
末又はペレットと上記化合物粉末を、例えば、ヘンシェ
ルミキサー、リボンブレンダー、スーパーミキサー等を
使用してドライブレンドする方法等が挙げられる。上記
混合物を、通常の単軸押出機、2軸押出機、ブラベンダ
ー、ロール等を使用して溶融混練してペレットにするこ
とにより本発明の結晶性合成樹脂組成物を得ることがで
きる。上記の溶融混練温度は、160〜300℃が好ま
しく、180〜250℃がより好ましい。得られた結晶
性合成樹脂組成物は、押出成形、射出成形、真空成形、
ブロー成形等の周知の加工方法により、目的とする成形
品の製造に供することができる。
【0028】本発明の結晶性合成樹脂組成物には、必要
に応じて、結晶性合成樹脂に添加される通常の各種添加
剤を加えてもよい。このような添加剤としては、例え
ば、フェノール系、チオエーテル系、リン系等の酸化防
止剤;紫外線吸収剤;ヒンダードアミン化合物等の光安
定剤;アルミニウム−p−t−ブチルベンゾエート、ジ
ベンジリデンソルビトール等の他の核剤;滑剤;帯電防
止剤;防曇剤;無機充填剤;難燃剤;染料;発泡剤、加
工助剤等が挙げられる。これらは、本発明の目的を損な
わない範囲で本発明の一般式(I)、一般式(II)で
表される化合物とともに添加することができる。
【0029】
【実施例】以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説
明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0030】実施例1〜12、比較例1〜3 未安定化ポリプロピレンと、表1記載の各核剤の所定量
をヘンシェルミキサーで5分間混合した後、押出機を用
いて230℃の温度下でペレットを調製した。得られた
ペレットを用いて射出成形機により、温度230℃、金
型温度50℃で成形し、厚さ2mmの試験片を作成し
た。上記試験片の剛性(曲げ弾性率)を、JIS K7
203に準拠して測定し、機械的強度を評価した。ま
た、JIS K6714に準拠してかすみ度(ヘイズ
値)を測定し、透明性を評価した。これらの測定値は、
表1に示した。表1中、Aは3−〔ヒドロキシ(フェニ
ル)ホスフィニル〕プロピオン酸(式(III))、B
は3−〔ヒドロキシ(フェニル)ホスフィニル〕−2−
メチルプロピオン酸(式(XIII))、Cは3−〔ヒ
ドロキシ(メチル)ホスフィニル〕プロピオン酸(式
(XIV))、Dは3−〔ヒドロキシ(オクチル)ホス
フィニル〕プロピオン酸(式(XV))、A3 Al2
3−〔ヒドロキシ(フェニル)ホスフィニル〕プロピオ
ン酸の2アルミニウム塩(式(XII))、AAl(O
H)は3−〔ヒドロキシ(フェニル)ホスフィニル〕プ
ロピオン酸のヒドロキシアルミニウム塩(式(XV
I))、AAl(OH)2 は3−〔ヒドロキシ(フェニ
ル)ホスフィニル〕プロピオン酸のジヒドロキシアルミ
ニウム塩(式(XVII))を表す。BPMBSはビス
(p−メチルベンジリデン)ソルビトール、NaPTB
PPはナトリウム(p−t−ブチルフェニル)ホスフェ
ートを表す。
【0031】
【表1】
【0032】本発明のホスフィニルカルボン酸及びその
アルミニウム塩を核剤として配合した樹脂組成物は、既
存の核剤であるビス(p−メチルベンジリデン)ソルビ
トールやナトリウム(p−t−ブチルフェニル)ホスフ
ェートを配合した場合に比べて、機械的強度及び透明性
が優れていることが判った。また、既存の核剤が一般に
用いられている濃度0.2〜0.5重量%よりもさらに
低濃度においても効果を発揮していることが判った。
【0033】実施例13〜20、比較例4 核剤を表2記載のものとし、配合量を0.2重量%とし
たこと以外は、実施例1〜12と同様にして厚さ2mm
の試験片を作成した。上記試験片の剛性(曲げ弾性率)
を、JIS K7203に準拠して測定し、機械的強度
を評価した。測定値は表2に示した。
【0034】表2中、ANaは3−〔ヒドロキシ(フェ
ニル)ホスフィニル〕プロピオン酸の1ナトリウム塩、
ANa2 は3−〔ヒドロキシ(フェニル)ホスフィニ
ル〕プロピオン酸の2ナトリウム塩、ALi2 は3−
〔ヒドロキシ(フェニル)ホスフィニル〕プロピオン酸
の2リチウム塩、AMgは3−〔ヒドロキシ(フェニ
ル)ホスフィニル〕プロピオン酸のマグネシウム塩、A
Caは3−〔ヒドロキシ(フェニル)ホスフィニル〕プ
ロピオン酸のカルシウム塩、ASrは3−〔ヒドロキシ
(フェニル)ホスフィニル〕プロピオン酸のストロンチ
ウム塩、ABaは3−〔ヒドロキシ(フェニル)ホスフ
ィニル〕プロピオン酸のバリウム塩、AZnは3−〔ヒ
ドロキシ(フェニル)ホスフィニル〕プロピオン酸の亜
鉛塩を表す。また、AlTPTBBAはアルミニウムト
リパラt−ブチルベンゾエートを表す。
【0035】
【表2】
【0036】本発明のホスフィニルカルボン酸の各種金
属塩は、結晶性合成樹脂の機械的強度を、既存の核剤よ
りも向上させたことが判った。
【0037】実施例21〜30 結晶性合成樹脂の未安定化ポリプロピレンをエチレン−
プロピレンランダム共重合体(エチレン含有率10%、
MFR15g/分)に、核剤を表3記載のものに、配合
量を0.2重量%に変更したこと以外は、実施例1〜1
2と同様にして厚さ2mmの試験片を作成した。上記試
験片についてJIS K7203に準拠して剛性(曲げ
弾性率)を測定し、機械的強度を評価した。測定値は表
3に示した。表3中の核剤は、それぞれ実施例13〜2
0、実施例10、実施例1に示したものと同様のもので
あった。
【0038】比較例5 核剤を添加しなかったこと以外は実施例21〜30と同
様にして厚さ2mmの試験片を作成し、剛性(曲げ弾性
率)を測定した。測定値は表3に示した。
【0039】
【表3】
【0040】本発明のホスフィニルカルボン酸及びその
金属塩は、結晶性合成樹脂をエチレン−プロピレンラン
ダム共重合体としても、機械的強度を充分に向上させる
ことが確認された。
【0041】
【発明の効果】本発明により、従来の核剤を添加した場
合に比べて、成形品の機械的強度、透明性が著しく向上
した結晶性合成樹脂組成物を提供することができる。ま
た、配合の割合が少量でも充分の効果を有し、樹脂表面
への吹き出し等の問題も起こらない。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 結晶性合成樹脂90〜99.99重量
    %、並びに、一般式(I)で表される化合物及び一般式
    (II)で表される化合物のうち少なくとも一種0.0
    1〜10重量%からなることを特徴とする結晶性合成樹
    脂組成物。 【化1】 式中、R1 は、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数6
    〜18のアリール基、又は、炭素数1〜18のアルキル
    基若しくは炭素数2〜18のアルケニル基で置換された
    炭素数6〜18のアリール基を表す。R2 は水素又はメ
    チル基を表す。M1 、M2 は、それぞれ独立して水素又
    は1価の金属原子を表す。M3 は2価、3価又は4価の
    金属原子を表す。iは1〜3の整数を表す。jは1又は
    2を表す。kは0〜2の整数を表す。
  2. 【請求項2】 結晶性合成樹脂がポリプロピレン系樹脂
    である請求項1記載の結晶性合成樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 一般式(I)及び一般式(II)で表さ
    れる化合物が、3−〔ヒドロキシ(フェニル)ホスフィ
    ニル〕プロピオン酸、3−〔ヒドロキシ(フェニル)ホ
    スフィニル〕−2−メチルプロピオン酸、3−〔ヒドロ
    キシ(メチル)ホスフィニル〕プロピオン酸、3−〔ヒ
    ドロキシ(オクチル)ホスフィニル〕プロピオン酸、又
    は、これらのナトリウム塩、リチウム塩、カリウム塩、
    マグネシウム塩、カルシウム塩、ストロンチウム塩、バ
    リウム塩、亜鉛塩、アルミニウム塩、スズ塩、チタン
    塩、マンガン塩、鉄塩、コバルト塩及若しくはニッケル
    塩である請求項1又は2記載の結晶性合成樹脂組成物。
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