JPH1060162A - 樹脂組成物および結晶性熱可塑性樹脂組成物の製造方法 - Google Patents

樹脂組成物および結晶性熱可塑性樹脂組成物の製造方法

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JPH1060162A
JPH1060162A JP22375396A JP22375396A JPH1060162A JP H1060162 A JPH1060162 A JP H1060162A JP 22375396 A JP22375396 A JP 22375396A JP 22375396 A JP22375396 A JP 22375396A JP H1060162 A JPH1060162 A JP H1060162A
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JP
Japan
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resin composition
thermoplastic resin
crystalline thermoplastic
metal element
carboxylic acid
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JP22375396A
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English (en)
Inventor
Junji Tan
淳 二 丹
Tetsushi Kasai
井 徹 志 笠
Masao Maeda
田 正 雄 前
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsui Petrochemical Industries Ltd
Arakawa Chemical Industries Ltd
Original Assignee
Mitsui Petrochemical Industries Ltd
Arakawa Chemical Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】安価に、機械的性質および/または光学的性質
に優れた成形体が得られるような樹脂組成物を提供する
こと。安価に、機械的性質および/または光学的性質に
優れた成形体が得られるような結晶性熱可塑性樹脂組成
物の製造方法を提供すること。 【解決手段】(A)結晶性熱可塑性樹脂;100重量部
と、(B)芳香族カルボン酸;0.001〜30重量部
と、(C)金属元素含有化合物;0.001〜60重量
部とからなることを特徴とする結晶性熱可塑性樹脂組成
物。(A)結晶性熱可塑性樹脂と、(B)芳香族カルボ
ン酸と、(C)金属元素含有化合物とを溶融混練するこ
とを特徴とする結晶性熱可塑性樹脂組成物の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、樹脂組成物および
結晶性熱可塑性樹脂組成物の製造方法に関し、さらに詳
しくは、結晶性熱可塑性樹脂と、芳香族カルボン酸と、
金属元素含有化合物からなる樹脂組成物、および前記成
分を溶融混練する結晶性熱可塑性樹脂組成物の製造方法
に関するものである。
【0002】
【発明の技術的背景】ポリオレフィン、ポリエステル、
ポリアミド、ポリアセタールなどの結晶性熱可塑性樹脂
は、優れた加工性、耐薬品性、電気的性質、機械的性質
などを有しているため、射出成形品、中空成形品、フィ
ルム、シート、繊維などに加工され各種用途に用いられ
ている。しかしながら用途によっては、剛性、耐熱剛
性、透明性などが充分とはいえない場合がある。
【0003】このような結晶性熱可塑性樹脂からなる成
形体の剛性、耐熱剛性、透明性を向上させるには、成形
加工時に微細な結晶を急速に生成させればよいことが知
られている。このため従来から結晶性熱可塑性樹脂の結
晶化速度を速めるために、安息香酸などの芳香族カルボ
ン酸の金属塩が使用されてきた。しかし、これら金属塩
は樹脂への溶解性が充分でないため、剛性などの機械的
性質、および/または、透明性などの光学的性質が必ず
しも満足するものではなかった。また、近年樹脂製品の
低コスト化の要請から、さらに安価で、機械的性質およ
び/または光学的性質に優れた結晶性熱可塑性樹脂組成
物が求められている。
【0004】
【発明の目的】本発明は、上記のような状況のもとなさ
れたものであって、安価で、機械的性質および/または
光学的性質に優れた成形体が得られるような樹脂組成物
および安価で、機械的性質および/または光学的性質に
優れた成形体が得られるような結晶性熱可塑性樹脂組成
物の製造方法を提供することを目的としている。
【0005】
【発明の概要】本発明に係る樹脂組成物は、(A)結晶
性熱可塑性樹脂;100重量部と、(B)芳香族カルボ
ン酸;0.001〜30重量部と、(C)金属元素含有
化合物;0.001〜60重量部とからなることを特徴
としている。
【0006】前記結晶性熱可塑性樹脂(A)としては、
ポリオレフィン、ポリアミド、ポリエステルまたはポリ
アセタールが挙げられる。本発明では芳香族カルボン酸
(B)が下記一般式(I)で表される少なくとも1種の
芳香族カルボン酸であることが望ましい。
【0007】
【化3】
【0008】(式中、R1 およびR2 は、互いに同一で
も異なっていてもよく、水素原子、アルキル基、シクロ
アルキル基またはアリール基を示す)。本発明では、金
属元素含有化合物(C)がNa、K、Li、Be、M
g、Zn、Al、SrおよびBaから選ばれる少なくと
も1種の金属元素を含む、少なくとも1種の化合物であ
ることが望ましい。このような金属元素含有化合物
(C)としては、たとえばハイドロタルサイト、タル
ク、水酸化マグネシウム、酸化マグネシウム、水酸化ア
ルミニウム、酸化アルミニウム、ケイ酸ナトリウムおよ
びケイ酸マグネシウムが挙げられる。
【0009】本発明に係る結晶性熱可塑性樹脂組成物の
製造方法は、(A)結晶性熱可塑性樹脂と、(B)芳香
族カルボン酸と、(C)金属元素含有化合物とを溶融混
練することを特徴としている。
【0010】
【発明の具体的説明】以下、本発明に係る樹脂組成物お
よび結晶性熱可塑性樹脂組成物の製造方法について具体
的に説明する。
【0011】本発明に係る樹脂組成物は、(A)結晶性
熱可塑性樹脂と、(B)芳香族カルボン酸と、(C)金
属元素含有化合物とから形成されている。まず、本発明
に係る樹脂組成物を形成する各成分について説明する。
【0012】(A)結晶性熱可塑性樹脂 結晶性熱可塑性樹脂としては、ポリオレフィン、ポリエ
ステル、ポリアミドおよびポリアセタールなどが挙げら
れる。
【0013】ポリオレフィンとしては、ポリエチレン、
ポリプロピレン、ポリ-1-ブテン、ポリメチルペンテ
ン、ポリメチルブテンなどのオレフィン単独重合体、プ
ロピレン・エチレンランダム共重合体などのオレフィン
共重合体などを挙げることができ、ポリエチレン、ポリ
プロピレン、ポリ-1-ブテンが特に好ましい。このよう
なポリオレフィンは、単独で用いてもよく、2種以上組
み合わせて用いてもよい。
【0014】ポリエステルとしては、ポリエチレンテレ
フタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレン
テレフタレートなどの芳香族系ポリエステル、ポリカプ
ロラクトン、ポリヒドロキシブチレートなどを挙げるこ
とができ、ポリエチレンテレフタレートが特に好まし
い。このようなポリエステルは、単独で用いてもよく、
2種以上組み合わせて用いてもよい。
【0015】ポリアミドとしては、ナイロン−6、ナイ
ロン−66、ナイロン−10、ナイロン−12、ナイロ
ン−46等の脂肪族ポリアミド、芳香族ジカルボン酸と
脂肪族ジアミンより製造される芳香族ポリアミドなどを
挙げることができ、ナイロン−6が特に好ましい。この
ようなポリアミドは、単独で用いてもよく、2種以上組
み合わせて用いてもよい。
【0016】ポリアセタールとしては、ポリホルムアル
デヒド(ポリオキシメチレン)、ポリアセトアルデヒ
ド、ポリプロピオンアルデヒド、ポリブチルアルデヒド
などを挙げることができ、ポリホルムアルデヒドが特に
好ましい。このようなポリアセタールは、単独で用いて
もよく、2種以上組み合わせて用いてもよい。
【0017】これらのうちでは、ポリオレフィン、特に
ポリプロピレンが機械的性質および/または光学的性質
の改善効果が大きいため好ましい。(B)芳香族カルボン酸 芳香族カルボン酸としては、芳香環に直接カルボン酸基
が結合した化合物であれば特に限定はされない。
【0018】このような芳香族カルボン酸としては、た
とえば安息香酸、トルイル酸、p-tert-ブチル安息香
酸、ビフェニルカルボン酸、ナフトエ酸等の芳香族モノ
カルボン酸;フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、
トリメリット酸、トリメシン酸、ピロメリット酸、ビフ
ェニルジカルボン酸、ナフタレンジカルボン酸などの芳
香族ポリカルボン酸が挙げられる。
【0019】本発明では芳香族カルボン酸として下記一
般式(I)で表される化合物が好ましく用いられる。
【0020】
【化4】
【0021】式中、R1 およびR2 は、互いに同一でも
異なっていてもよく、水素原子、アルキル基、シクロア
ルキル基またはアリール基を示す。アルキル基として具
体的には、メチル、エチル、n-プロピル、i-プロピル、
n-ブチル、i-ブチル、tert-ブチル、ペンチル、ヘプチ
ル、オクチルなどの炭素原子数が1〜8のアルキル基が
挙げられる。
【0022】シクロアルキル基として具体的には、シク
ロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチルなどの炭
素原子数が5〜8のシクロアルキル基が挙げられる。ア
リール基としては、フェニル基、トリル基、ナフチル基
などの炭素原子数が6〜10のアリール基が挙げられ
る。
【0023】これらの中ではR1 がアルキル基であり、
2 が水素原子であることが好ましい。前記一般式
(I)で表される化合物としては、特にp-tert-ブチル
安息香酸が好ましい。
【0024】(C)金属元素含有化合物 金属元素含有化合物としては、少なくとも1種類以上の
金属元素を含有する有機化合物(金属元素含有有機化合
物)、および少なくとも1種類以上の金属元素を含有す
る無機化合物(金属元素含有無機化合物)が挙げられ
る。
【0025】金属元素含有有機化合物としては、たとえ
ば高級脂肪酸金属塩、芳香族カルボン酸金属塩、アルキ
ルホスホン酸金属塩などが挙げられる。金属元素含有有
機化合物が含有する金属元素としては、I族、II族、II
I族の金属元素から選ばれる少なくとも1種の元素が好
ましく、Na、K、Li、Be、Mg、Zn、Al、S
rおよびBaから選ばれる少なくとも1種の元素がより
好ましく、Na、MgおよびAlから選ばれる少なくと
も1種の元素がさらに好ましい。
【0026】金属元素含有有機化合物として具体的に
は、Na、K、Li、Be、Mg、Zn、Al、Srお
よびBaから選ばれる金属元素と、高級脂肪酸との金属
塩が挙げられ、より具体的には、ステアリン酸、ラウリ
ン酸、パルチミン酸、モンタン酸、オレイン酸、エルカ
酸、12-ヒドロキシステアリン酸、安息香酸、p-t-ブチ
ル−安息香酸の、ナトリウム塩、カリウム塩、リチウム
塩、ベリリウム塩、マグネシウム塩、亜鉛塩、アルミニ
ウム塩、ストロンチウム塩、バリウム塩などが挙げられ
る。これらの中では、ステアリン酸アルミニウム、ステ
アリン酸ナトリウム、ステアリン酸マグネシウムが好ま
しい。
【0027】金属元素含有無機化合物としては、金属単
体の他、金属の硫酸塩、硝酸塩、炭酸塩、リン酸塩、水
酸化物、硫化物、酸化物などが挙げられる。無機金属元
素含有化合物が含有する金属元素としては、I族、II
族、III族の金属元素から選ばれる少なくとも1種の元
素が好ましく、Na、K、Li、Be、Mg、Zn、A
l、SrおよびBaから選ばれる少なくとも1種の元素
がより好ましく、Na、MgおよびAlから選ばれる少
なくとも1種の元素がさらに好ましい。
【0028】無機金属元素含有化合物として具体的に
は、ハイドロタルサイト、タルク、水酸化マグネシウ
ム、酸化マグネシウム、硫酸マグネシウム、炭酸マグネ
シウム、水酸化アルミニウム、酸化アルミニウムなどが
挙げられ、ハイドロタルサイト、タルク、水酸化マグネ
シウム、酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、酸化
アルミニウム、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸マグネシウム
が好ましい。
【0029】このような金属元素含有化合物は、単独で
用いてもよく、2種類以上組み合わせて用いることがで
きる。樹脂組成物 本発明の樹脂組成物は、(A)結晶性熱可塑性樹脂;1
00重量部と、(B)芳香族カルボン酸0.001〜3
0重量部、好ましくは0.005〜5重量部、より好ま
しくは0.01〜2重量部と、(C)金属元素含有化合
物;0.001〜60重量部、好ましくは0.005〜
10重量部、より好ましくは0.01〜2重量部とから
形成されている。
【0030】本発明の樹脂組成物を溶融混練すると、後
述するように溶融樹脂中において芳香族カルボン酸
(B)と、金属元素含有化合物(C)との間でイオン交
換が起こり、核剤効果を有する化合物が生成する。
【0031】このような樹脂組成物から得られる成形体
は、結晶性熱可塑性樹脂(A)が本来有する優れた特性
を有し、かつ、結晶化速度が速い。また、本発明の樹脂
組成物は、架橋剤、耐熱安定剤、耐候安定剤、滑剤、離
型剤、無機充填剤、顔料分散剤、顔料あるいは染料など
の各種配合剤を、本発明の目的を損なわない範囲で含有
していてもよい。
【0032】本発明の樹脂組成物は、家庭用品から工業
用品に至る広い用途、たとえば、食品容器、電気部品、
電子部品、自動車部品、機械機構部品、フィルム、シー
ト、繊維などの素材として好適に使用される。
【0033】本発明に係る樹脂組成物は、ポリオレフィ
ン、ポリエステル、ポリアミド、ポリアセタールなどの
結晶性熱可塑性樹脂(A)と、芳香族カルボン酸(B)
と、金属元素含有化合物(C)とから形成されており、
成形時の結晶化速度が速く、得られる成形体は、剛性、
耐熱剛性などの機械的特性および/または透明性、光沢
などの光学的特性に優れている。また、高価な核剤が配
合されていないので経済的にも有利である。
【0034】結晶性熱可塑性樹脂組成物の製造方法 本発明に係る結晶性熱可塑性樹脂組成物の製造方法で
は、結晶性熱可塑性樹脂(A)と、芳香族カルボン酸
(B)と、金属元素含有化合物(C)とを押出機、ニー
ダーなどを用いて結晶性熱可塑性樹脂(A)の融点以上
の温度で溶融混練する。
【0035】溶融混練する際には、(A)結晶性熱可塑
性樹脂;100重量部に対して、(B)芳香族カルボン
酸は、通常0.001〜30重量部、好ましくは0.0
05〜5重量部、より好ましくは0.01〜2重量部の
量で用いられ、(C)金属元素含有化合物は、0.00
1〜60重量部、好ましくは0.005〜10重量部、
より好ましくは0.01〜2重量部の量で用いられる。
【0036】なお、溶融混練時には、前記のような各種
配合剤を配合することができる。結晶性熱可塑性樹脂の
製造条件は、結晶性熱可塑性樹脂(A)がポリオレフィ
ンである場合には、溶融混練時の温度は通常170〜3
00℃、好ましくは180〜250℃の範囲であり、溶
融混練時間は通常0.2〜20分、好ましくは0.5〜
10分である。
【0037】ポリエステルである場合には、溶融混練時
の温度は通常260〜330℃、好ましくは270〜3
00℃の範囲であり、溶融混練時間は通常0.2〜20
分、好ましくは0.5〜10分である。
【0038】ポリアミドである場合には、溶融混練時の
温度は通常220〜330℃、好ましくは260〜33
0℃の範囲であり、溶融混練時間は通常0.2〜20
分、好ましくは0.5〜10分である。
【0039】ポリアセタールである場合には、溶融混練
時の温度は通常180〜300℃、好ましくは180〜
250℃の範囲であり、溶融混練時間は通常0.2〜2
0分、好ましくは0.5〜10分である。
【0040】上記のように結晶性熱可塑性樹脂(A)
と、芳香族カルボン酸(B)と、金属元素含有化合物
(C)とを、結晶性熱可塑性樹脂(A)の融点以上の温
度で溶融混練すると、溶融樹脂中において芳香族カルボ
ン酸(B)と、金属元素含有化合物(C)との間でイオ
ン交換が起こり、たとえば下記一般式(II)で示される
ような核剤効果を有する化合物が生成する。
【0041】
【化5】
【0042】(式中、R1 およびR2 は、前記一般式
(I)におけるR1 およびR2 と同一であり、Mは、周
期律表I族、II族、III族の金属元素から選ばれる金属
イオンであり、nは、金属イオンMの価数と同一の整数
であり、1〜3の整数である。) 本発明では、結晶性熱可塑性樹脂組成物の調製工程にお
いて核剤効果を示す化合物が生成するので、芳香族カル
ボン酸を金属塩化した後結晶性熱可塑性樹脂に配合する
従来の方法に比較して、安価に、機械的性質および/ま
たは光学的性質に優れた結晶性熱可塑性樹脂組成物が得
られる。
【0043】本発明の結晶性熱可塑性樹脂組成物は、家
庭用品から工業用品に至る広い用途、たとえば、食品容
器、電気部品、電子部品、自動車部品、機械機構部品、
フィルム、シート、繊維などの素材として好適に使用さ
れる。
【0044】
【発明の効果】本発明に係る樹脂組成物によれば、安価
に、機械的性質および/または光学的性質に優れた成形
体が得られる。
【0045】本発明に係る結晶性熱可塑性樹脂組成物の
製法方法によれば、安価に、機械的性質および/または
光学的性質に優れた成形体を得るのに適した組成物が得
られる。
【0046】
【実施例】以下、実施例に基づいて本発明をさらに具体
的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるも
のではない。
【0047】なお、結晶性熱可塑性樹脂組成物の性能評
価は次の方法によった。結晶化速度(Tc) 0.2mm厚の圧縮成形シートを、示差走査熱量計(D
SC)により溶融状態から一定速度(10℃/分)で冷
却し、結晶化発熱ピーク温度〔結晶化温度(Tc)〕を
測定することにより結晶化速度を評価した。結晶化温度
(Tc)の上昇効果の高いものほど結晶化速度が速い。
【0048】密度 イソプロパノール−水の密度勾配管で23℃における密
度を測定した剛性(FM) 2mm厚の圧縮成形シートより切り出した、長さ100
mm、巾10mm、厚み2mmの試験片を用い、JIS
K7203に準拠して曲げ弾性率を測定することによ
り評価した。
【0049】
【実施例1】プロピレンホモポリマー(温度230℃、
荷重2.16kgで測定したメルトフローレート:12
g/10分)100重量部に、イルガノックス1010TM
(チバガイギー社製)0.1重量部、ジ-tert-ブチルヒ
ドロキシトルエン(タケダ社製)0.1重量部、p-tert
-ブチル安息香酸(和光純薬社製)0.4重量部、ステ
アリン酸アルミニウムを0.2重量部添加し、ラボプラ
ストミル(東洋精機社製)により樹脂温度200℃、3
0rpmの回転数で5分間溶融混練し結晶性熱可塑性樹
脂組成物を製造した。
【0050】得られた結晶性熱可塑性樹脂組成物を用い
溶融温度200℃、冷却温度20℃で圧縮成形し各種の
試験片を作成した。この試験片を用いて前記の試験方法
により各種物性の測定を行った。結果を表1に示す。
【0051】
【実施例2】実施例1においてステアリン酸アルミニウ
ムに代えて、ステアリン酸ナトリウムを0.2重量部添
加した以外は実施例1と同様にして結晶性熱可塑性樹脂
組成物を製造した。得られた結晶性熱可塑性樹脂組成物
を用い、実施例1と同様にして各種の試験片を作成し
た。この試験片を用いて前記の試験方法により各種物性
の測定を行った。結果を表1に示す。
【0052】
【実施例3】実施例1においてステアリン酸アルミニウ
ムに代えて、合成ハイドロタルサイト(DHT−4A:
協和化学社製)を0.2重量部添加した以外は実施例1
と同様にして結晶性熱可塑性樹脂組成物を製造した。得
られた結晶性熱可塑性樹脂組成物を用い、実施例1と同
様にして各種の試験片を作成した。この試験片を用いて
前記の試験方法により各種物性の測定を行った。結果を
表1に示す。
【0053】
【比較例1】実施例1においてp-tert-ブチル安息香酸
とステアリン酸アルミニウムを全く用いなかった以外は
実施例1と同様にして結晶性熱可塑性樹脂組成物を製造
した。得られた結晶性熱可塑性樹脂組成物を用い、実施
例1と同様にして各種の試験片を作成した。この試験片
を用いて前記の試験方法により各種物性の測定を行っ
た。結果を表1に示す。
【0054】
【比較例2】実施例1においてステアリン酸アルミニウ
ムを全く用いなかった以外は実施例1と同様にして結晶
性熱可塑性樹脂組成物を製造した。得られた結晶性熱可
塑性樹脂組成物を用い、実施例1と同様にして各種の試
験片を作成した。この試験片を用いて前記の試験方法に
より各種物性の測定を行った。結果を表1に示す。
【0055】
【比較例3】実施例1においてp-tert-ブチル安息香酸
を全く用いなかった以外は実施例1と同様にして結晶性
熱可塑性樹脂組成物を製造した。得られた結晶性熱可塑
性樹脂組成物を用い、実施例1と同様にして各種の試験
片を作成した。この試験片を用いて前記の試験方法によ
り各種物性の測定を行った。結果を表1に示す。
【0056】
【表1】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 23/02 KEP C08L 23/02 KEP 59/00 LML 59/00 LML 67/02 KJV 67/02 KJV 77/00 KKV 77/00 KKV 101/00 101/00 (72)発明者 前 田 正 雄 大阪府大阪市鶴見区鶴見一丁目1番9号 荒川化学工業株式会社研究所内

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)結晶性熱可塑性樹脂;100重量部
    と、(B)芳香族カルボン酸;0.001〜30重量部
    と、(C)金属元素含有化合物;0.001〜60重量
    部とからなることを特徴とする樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 前記結晶性熱可塑性樹脂(A)が、ポリ
    オレフィン、ポリエステル、ポリアミドおよびポリアセ
    タールからなる群より選ばれる1種の結晶性熱可塑性樹
    脂である請求項1に記載の樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 前記芳香族カルボン酸(B)が下記一般
    式(I)で表される少なくとも1種の芳香族カルボン酸
    である請求項1または2に記載の樹脂組成物。 【化1】 (式中、R1 およびR2 は、互いに同一でも異なってい
    てもよく、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基ま
    たはアリール基を示す)。
  4. 【請求項4】 前記一般式(I)においてR1 が tert-
    ブチル基である請求項3に記載の樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 前記金属元素含有化合物(C)がNa、
    K、Li、Be、Mg、Zn、Al、SrおよびBaか
    ら選ばれる少なくとも1種の金属元素を含む、少なくと
    も1種の化合物である請求項1〜4のいずれかに記載の
    樹脂組成物。
  6. 【請求項6】 前記金属元素含有化合物(C)がNa、
    K、Li、Be、Mg、Zn、Al、SrおよびBaか
    ら選ばれる金属元素と、高級脂肪酸との金属塩である請
    求項1〜4のいずれかに記載の樹脂組成物。
  7. 【請求項7】 前記金属元素含有化合物(C)がハイド
    ロタルサイト、タルク、水酸化マグネシウム、酸化マグ
    ネシウム、水酸化アルミニウム、酸化アルミニウム、ケ
    イ酸ナトリウムおよびケイ酸カリウムから選ばれる少な
    くとも1種の化合物である請求項1〜4のいずれかに記
    載の樹脂組成物。
  8. 【請求項8】(A)結晶性熱可塑性樹脂と、(B)芳香
    族カルボン酸と、(C)金属元素含有化合物とを溶融混
    練することを特徴とする結晶性熱可塑性樹脂組成物の製
    造方法。
  9. 【請求項9】 前記結晶性熱可塑性樹脂(A)が、ポリ
    オレフィン、ポリエステル、ポリアミドおよびポリアセ
    タールからなる群より選ばれる1種の結晶性熱可塑性樹
    脂である請求項8に記載の結晶性熱可塑性樹脂組成物の
    製造方法。
  10. 【請求項10】 前記芳香族カルボン酸(B)が下記一
    般式(I)で表される少なくとも1種の芳香族カルボン
    酸である請求項8または9に記載の結晶性熱可塑性樹脂
    の製造方法。 【化2】 (式中、R1 およびR2 は、互いに同一でも異なってい
    てもよく、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基ま
    たはアリール基を示す)。
  11. 【請求項11】 前記一般式(I)においてR1 が ter
    t-ブチル基である請求項10に記載の結晶性熱可塑性樹
    脂組成物の製造方法。
  12. 【請求項12】 前記金属元素含有化合物(C)がN
    a、K、Li、Be、Mg、Zn、Al、SrおよびB
    aから選ばれる少なくとも1種の金属元素を含む、少な
    くとも1種の化合物である請求項8〜11のいずれかに
    記載の結晶性熱可塑性樹脂組成物の製造方法。
  13. 【請求項13】 前記金属元素含有化合物(C)がN
    a、K、Li、Be、Mg、Zn、Al、SrおよびB
    aから選ばれる金属元素と、高級脂肪酸との金属塩であ
    る請求項8〜11のいずれかに記載の結晶性熱可塑性樹
    脂組成物の製造方法。
  14. 【請求項14】 前記金属元素含有化合物(C)がハイ
    ドロタルサイト、タルク、水酸化マグネシウム、酸化マ
    グネシウム、水酸化アルミニウム、酸化アルミニウム、
    ケイ酸ナトリウムおよびケイ酸カリウムから選ばれる少
    なくとも1種の化合物である請求項8〜11のいずれか
    に記載の結晶性熱可塑性樹脂組成物の製造方法。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002146127A (ja) * 2000-11-06 2002-05-22 Sunallomer Ltd プロピレン重合体組成物
JP2002146126A (ja) * 2000-11-06 2002-05-22 Sunallomer Ltd プロピレン系重合体組成物
KR100464986B1 (ko) * 2001-09-27 2005-01-05 한국엔지니어링플라스틱 주식회사 염소 및 염소화합물에 안정한 폴리아세탈 수지 조성물 및이의 제품
JP2008156549A (ja) * 2006-12-26 2008-07-10 Sumitomo Chemical Co Ltd 水酸化アルミニウム充填ポリオレフィン樹脂組成物およびそれからなる成形体
JP2008179779A (ja) * 2006-12-26 2008-08-07 Sumitomo Chemical Co Ltd 結晶性熱可塑性重合体組成物

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