JPH1126866A - 半導体レーザ及びその製造方法 - Google Patents
半導体レーザ及びその製造方法Info
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- JPH1126866A JPH1126866A JP17933297A JP17933297A JPH1126866A JP H1126866 A JPH1126866 A JP H1126866A JP 17933297 A JP17933297 A JP 17933297A JP 17933297 A JP17933297 A JP 17933297A JP H1126866 A JPH1126866 A JP H1126866A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 活性層の共振器端面の窓構造領域となる相互
拡散領域への電流注入が非常に少ない半導体レーザ及び
その製造方法を提供することを課題とする。 【解決手段】 レーザ共振器端面近傍の,量子井戸構造
を有する活性層3と第1上クラッド層4及び下クラッド
層2の活性層3の近傍部分とを含む領域に、下クラッド
層2側がZnイオン注入領域8aからなり、第1上クラ
ッド層4側の領域がSiイオン注入領域8bからなる電
流非注入領域8を設けるとともに、この電流非注入領域
8内の活性層3をアニールによって相互拡散させて、バ
ンドギャップエネルギーが活性層3の他の領域よりも大
きい窓構造領域とした。
拡散領域への電流注入が非常に少ない半導体レーザ及び
その製造方法を提供することを課題とする。 【解決手段】 レーザ共振器端面近傍の,量子井戸構造
を有する活性層3と第1上クラッド層4及び下クラッド
層2の活性層3の近傍部分とを含む領域に、下クラッド
層2側がZnイオン注入領域8aからなり、第1上クラ
ッド層4側の領域がSiイオン注入領域8bからなる電
流非注入領域8を設けるとともに、この電流非注入領域
8内の活性層3をアニールによって相互拡散させて、バ
ンドギャップエネルギーが活性層3の他の領域よりも大
きい窓構造領域とした。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、半導体レーザ及
びその製造方法に関し、特に端面窓構造および端面電流
非注入構造を有する高出力動作が可能な半導体レーザ及
びその製造方法に関するものである。
びその製造方法に関し、特に端面窓構造および端面電流
非注入構造を有する高出力動作が可能な半導体レーザ及
びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に0.75〜1.1μm帯の波長の
レーザ光を発するAlGaAs系の半導体レーザの最大
光出力は端面破壊が発生する光出力で決定される。この
端面破壊の機構は以下のようであると言われている。す
なわち、共振器端面領域では注入されたキャリアが表面
準位を介して非発光再結合することにより端面領域でキ
ャリアが減少して実効的なバンドギャップが縮小する。
その結果、端面近傍でレーザ光の再吸収が生じ、吸収に
よる熱と表面準位を介しての非発光再結合により結晶欠
陥の増殖が起きる。その結晶欠陥は非発光再結合中心と
して働くので、これを介しての非発光再結合が起き、さ
らに結晶欠陥の増殖が促進されるといった正帰還がかか
る。この結果として、端面近傍の温度が異常に上がり、
半導体レーザを構成する結晶自体が溶融しレーザ共振器
の機能を果たさなくなる。この機構をCatastrophic Opt
ical Damage (COD)といい、これの起きる光出力を
CODレベルという。よって高光出力動作を実現するた
めにはより高い光出力でも端面破壊が生じない工夫が必
要である。このためには端面領域でレーザ光を吸収しに
くくする構造、つまりレーザ光に対して”透明”となる
ような窓構造が非常に有効である。ここで窓構造とはレ
ーザ光を発する活性層の活性領域よりもバンドギャップ
エネルギーが高くなるような領域をレーザ共振器端面近
傍に設けることにより得られるものである。また、端面
付近で非発光再結合を起こさせないために、端面付近に
電流注入されない工夫も有効である。このような電流注
入されないようにする構造を端面電流非注入構造とい
う。
レーザ光を発するAlGaAs系の半導体レーザの最大
光出力は端面破壊が発生する光出力で決定される。この
端面破壊の機構は以下のようであると言われている。す
なわち、共振器端面領域では注入されたキャリアが表面
準位を介して非発光再結合することにより端面領域でキ
ャリアが減少して実効的なバンドギャップが縮小する。
その結果、端面近傍でレーザ光の再吸収が生じ、吸収に
よる熱と表面準位を介しての非発光再結合により結晶欠
陥の増殖が起きる。その結晶欠陥は非発光再結合中心と
して働くので、これを介しての非発光再結合が起き、さ
らに結晶欠陥の増殖が促進されるといった正帰還がかか
る。この結果として、端面近傍の温度が異常に上がり、
半導体レーザを構成する結晶自体が溶融しレーザ共振器
の機能を果たさなくなる。この機構をCatastrophic Opt
ical Damage (COD)といい、これの起きる光出力を
CODレベルという。よって高光出力動作を実現するた
めにはより高い光出力でも端面破壊が生じない工夫が必
要である。このためには端面領域でレーザ光を吸収しに
くくする構造、つまりレーザ光に対して”透明”となる
ような窓構造が非常に有効である。ここで窓構造とはレ
ーザ光を発する活性層の活性領域よりもバンドギャップ
エネルギーが高くなるような領域をレーザ共振器端面近
傍に設けることにより得られるものである。また、端面
付近で非発光再結合を起こさせないために、端面付近に
電流注入されない工夫も有効である。このような電流注
入されないようにする構造を端面電流非注入構造とい
う。
【0003】窓構造を作製する一つの方法として、量子
井戸構造を有する活性層にイオン注入を行ない、その後
の熱処理によって量子井戸構造を崩し、その部分の実効
的バンドギャップを大きくする方法がある。
井戸構造を有する活性層にイオン注入を行ない、その後
の熱処理によって量子井戸構造を崩し、その部分の実効
的バンドギャップを大きくする方法がある。
【0004】図3にこのような方法を適用して作製した
窓構造を有する半導体レーザの構造を示す斜視図を、ま
た、図4にこの半導体レーザの作製方法を示す斜視図を
それぞれ示す。図3,図4において、1はn型(以下n
−と称す)GaAs基板、2はn−Al0.3 Ga0.7 A
s下クラッド層、3は量子井戸活性層、4はp型(以下
p−と称す)Al0.3 Ga0.7 As第1上クラッド層、
5はp−GaAs表面保護層、6は第1の絶縁膜、7は
フォトレジスト、108はSiイオン注入領域、9はp
−Al0.3 Ga0.7 As第2上クラッド層、10はp−
GaAsコンタクト層、11 フォトレジスト、12は
プロトン注入による半絶縁領域、14はストライプ状の
絶縁膜パターン(第2の絶縁膜)、15はリッジ形状を
有するリッジ導波路、16は電流狭窄用の絶縁膜、18
はストライプ状の絶縁膜開口部、19はp側電極、20
はn側電極である。
窓構造を有する半導体レーザの構造を示す斜視図を、ま
た、図4にこの半導体レーザの作製方法を示す斜視図を
それぞれ示す。図3,図4において、1はn型(以下n
−と称す)GaAs基板、2はn−Al0.3 Ga0.7 A
s下クラッド層、3は量子井戸活性層、4はp型(以下
p−と称す)Al0.3 Ga0.7 As第1上クラッド層、
5はp−GaAs表面保護層、6は第1の絶縁膜、7は
フォトレジスト、108はSiイオン注入領域、9はp
−Al0.3 Ga0.7 As第2上クラッド層、10はp−
GaAsコンタクト層、11 フォトレジスト、12は
プロトン注入による半絶縁領域、14はストライプ状の
絶縁膜パターン(第2の絶縁膜)、15はリッジ形状を
有するリッジ導波路、16は電流狭窄用の絶縁膜、18
はストライプ状の絶縁膜開口部、19はp側電極、20
はn側電極である。
【0005】次にこの半導体レーザの製造方法を図4に
基づいて説明する。n−GaAs半導体基板1上に、n
−Al0.3 Ga0.7 As下クラッド層2、量子井戸活性
層3、p−Al0.3 Ga0.7 As第1上クラッド層4、
p−Al0.3 Ga0.7 As表面保護層5の各層をエピタ
キシャル結晶成長する。なおp−Al0.3 Ga0.7 As
第1上クラッド層4の層厚は0.05〜0.5μmであ
る。成長後のウェハ斜視図を図4(a) に示す。
基づいて説明する。n−GaAs半導体基板1上に、n
−Al0.3 Ga0.7 As下クラッド層2、量子井戸活性
層3、p−Al0.3 Ga0.7 As第1上クラッド層4、
p−Al0.3 Ga0.7 As表面保護層5の各層をエピタ
キシャル結晶成長する。なおp−Al0.3 Ga0.7 As
第1上クラッド層4の層厚は0.05〜0.5μmであ
る。成長後のウェハ斜視図を図4(a) に示す。
【0006】結晶成長後、ウェハ表面に第1の絶縁膜6
を成膜する。成膜方法としてはプラズマCVD(Chemica
l Vapor Deposition) 、熱CVD等が一般的である。さ
らに第1の絶縁膜6表面にフォトレジスト7を塗布し、
このフォトレジスト7をパターニングして、図4(b) に
示すように、共振器端面となる位置に沿った部分、即
ち、窓構造領域を形成すべき部分に開口部を設ける。
を成膜する。成膜方法としてはプラズマCVD(Chemica
l Vapor Deposition) 、熱CVD等が一般的である。さ
らに第1の絶縁膜6表面にフォトレジスト7を塗布し、
このフォトレジスト7をパターニングして、図4(b) に
示すように、共振器端面となる位置に沿った部分、即
ち、窓構造領域を形成すべき部分に開口部を設ける。
【0007】続いて、図4(c) に示すようにフォトレジ
スト7をマスクとして第1の絶縁膜6の上面からSiの
イオン注入を行って活性層3近傍にイオン注入領域8を
形成した後、フォトレジスト7を除去する。イオン注入
時のドーズ量は1×1013〜1×1015cm-2程度とす
る。なお、フォトレジスト7の下部の領域にはフォトレ
ジスト7がマスクとして作用し、この領域へのイオン注
入を妨げるので、当該領域にはイオン注入はされない。
スト7をマスクとして第1の絶縁膜6の上面からSiの
イオン注入を行って活性層3近傍にイオン注入領域8を
形成した後、フォトレジスト7を除去する。イオン注入
時のドーズ量は1×1013〜1×1015cm-2程度とす
る。なお、フォトレジスト7の下部の領域にはフォトレ
ジスト7がマスクとして作用し、この領域へのイオン注
入を妨げるので、当該領域にはイオン注入はされない。
【0008】ここで、フォトレジスト7を除去した後、
イオン注入したSiを拡散させて活性層3の相互拡散を
行うために熱処理(アニール)を行なう。これはイオン
注入しただけでは活性層3の相互拡散は起こらず、何ら
かの熱処理により初めて相互拡散が生じることから実施
するものであり、この熱処理としてはウェハを700℃
以上の温度でアニールする方法が一般的である。
イオン注入したSiを拡散させて活性層3の相互拡散を
行うために熱処理(アニール)を行なう。これはイオン
注入しただけでは活性層3の相互拡散は起こらず、何ら
かの熱処理により初めて相互拡散が生じることから実施
するものであり、この熱処理としてはウェハを700℃
以上の温度でアニールする方法が一般的である。
【0009】この結果、イオン注入領域8内の量子井戸
活性層3は相互拡散により均質化される。図4(d) に示
すように、この相互拡散された量子井戸活性層3の領域
が、窓構造として機能する窓構造領域となる。
活性層3は相互拡散により均質化される。図4(d) に示
すように、この相互拡散された量子井戸活性層3の領域
が、窓構造として機能する窓構造領域となる。
【0010】アニール後、ウェハ表面の第1の絶縁膜6
を除去し、2回目の結晶成長として、p−Al0.3 Ga
0.7 As第2上クラッド層9、p−GaAsコンタクト
層10をウエハ上に順次エピタキシャル再成長する。成
長後の斜視図を図4(e) に示す。
を除去し、2回目の結晶成長として、p−Al0.3 Ga
0.7 As第2上クラッド層9、p−GaAsコンタクト
層10をウエハ上に順次エピタキシャル再成長する。成
長後の斜視図を図4(e) に示す。
【0011】2回目の成長後、ウエハ上にフォトレジス
ト11を塗布し、これをパターニングして、図4(f) に
示すようにイオン注入領域8と一致する部分に開口部を
設ける。このフォトレジスト11をマスクとしてコンタ
クト層10と第2上クラッド層9の上部にプロトン注入
を行い、p−Al0.3 Ga0.7 As第2上クラッド層9
とp−GaAsコンタクト層10内にプロトン注入によ
る半絶縁領域12を形成する。
ト11を塗布し、これをパターニングして、図4(f) に
示すようにイオン注入領域8と一致する部分に開口部を
設ける。このフォトレジスト11をマスクとしてコンタ
クト層10と第2上クラッド層9の上部にプロトン注入
を行い、p−Al0.3 Ga0.7 As第2上クラッド層9
とp−GaAsコンタクト層10内にプロトン注入によ
る半絶縁領域12を形成する。
【0012】さらに第2の絶縁膜(図示せず)を第1の
絶縁膜6成膜時と同様な手段で成膜した後、フォトリソ
グラフィ技術と絶縁膜エッチング技術によって図4(g)
に示すような共振器端面を形成する位置に対して垂直な
方向に伸びるストライプ状の絶縁膜パターン14とす
る。
絶縁膜6成膜時と同様な手段で成膜した後、フォトリソ
グラフィ技術と絶縁膜エッチング技術によって図4(g)
に示すような共振器端面を形成する位置に対して垂直な
方向に伸びるストライプ状の絶縁膜パターン14とす
る。
【0013】このストライプ状の絶縁膜パターン14を
エッチングマスクとして、p−GaAsコンタクト層1
0とp−Al0.3 Ga0.7 As第2上クラッド層9の高
さ方向の途中までの部分をエッチングした後、絶縁膜パ
ターン14を除去することにより、図4(h) に示すリッ
ジ導波路15を形成する。
エッチングマスクとして、p−GaAsコンタクト層1
0とp−Al0.3 Ga0.7 As第2上クラッド層9の高
さ方向の途中までの部分をエッチングした後、絶縁膜パ
ターン14を除去することにより、図4(h) に示すリッ
ジ導波路15を形成する。
【0014】このウェハ上に図4(i) に示すように電流
狭窄用の絶縁膜16を成膜する。さらにこの上からフォ
トレジスト17を塗布し、リッジ導波路15上部の平坦
部にちょうど一致するストライプ状の開口部18を設
け、そしてこのパターニングされたフォトレジスト17
をマスクに用いてエッチングにより絶縁膜16を除去す
ると、図4(j) に示すように絶縁膜16のリッジ導波路
15上部の平坦部にストライプ状の開口部18が形成さ
れる。
狭窄用の絶縁膜16を成膜する。さらにこの上からフォ
トレジスト17を塗布し、リッジ導波路15上部の平坦
部にちょうど一致するストライプ状の開口部18を設
け、そしてこのパターニングされたフォトレジスト17
をマスクに用いてエッチングにより絶縁膜16を除去す
ると、図4(j) に示すように絶縁膜16のリッジ導波路
15上部の平坦部にストライプ状の開口部18が形成さ
れる。
【0015】このウェハ上にp側電極19を形成し、基
板1側にn側電極20を形成し、へき開によりレーザ共
振器端面を形成することにより、図3に示すような端面
窓構造および端面電流非注入構造を備えた半導体レーザ
が得られる。
板1側にn側電極20を形成し、へき開によりレーザ共
振器端面を形成することにより、図3に示すような端面
窓構造および端面電流非注入構造を備えた半導体レーザ
が得られる。
【0016】次に動作について説明する。p側電極19
が正、n側電極20が負となるように電圧を印加する
と、ホールは、リッジ導波路15の上部からコンタクト
層10,第2上クラッド層9,及び第1上クラッド層4
を経て活性層3に注入され、電子は基板1及び下クラッ
ド層2を経て活性層3に注入され、この活性層3におい
て、電子とホールの再結合が発生し、活性層3において
誘電放出光が生ずる。そして、キャリアの注入量を十分
高くして導波路の損失を越える光が発生すれば、共振器
端面間においてレーザ発振が生ずる。
が正、n側電極20が負となるように電圧を印加する
と、ホールは、リッジ導波路15の上部からコンタクト
層10,第2上クラッド層9,及び第1上クラッド層4
を経て活性層3に注入され、電子は基板1及び下クラッ
ド層2を経て活性層3に注入され、この活性層3におい
て、電子とホールの再結合が発生し、活性層3において
誘電放出光が生ずる。そして、キャリアの注入量を十分
高くして導波路の損失を越える光が発生すれば、共振器
端面間においてレーザ発振が生ずる。
【0017】図3に示した従来の半導体レーザにおいて
は、活性層3が量子井戸構造からなっているため、共振
器端面に窓構造がSiのイオン注入とそれに続く熱処理
による量子井戸構造3における相互拡散現象を利用して
形成されている。図5はこのような量子井戸構造におけ
る相互拡散現象を説明するための活性層3近傍のアルミ
組成比のプロファイルを示す図であり、図において、実
線は相互拡散する前の量子井戸活性層3のアルミ組成比
のプロファイルを、破線は相互拡散後の量子井戸活性層
3のアルミ組成比のプロファイルをそれぞれ示してい
る。また、図において、図3と同一符号は同一または相
当する部分を示しており、21は活性層3の井戸層、2
2は活性層3の障壁層及びガイド層である。また、縦軸
はAl組成比を示し、横軸は下クラッド層2、活性層
3、及び上クラッド層4の結晶成長方向の高さ位置を示
し、Al1は井戸層21のアルミ組成比、Al2は障壁
層22のアルミ組成比、Al3は相互拡散された後の活
性層3のアルミ組成比を示している。
は、活性層3が量子井戸構造からなっているため、共振
器端面に窓構造がSiのイオン注入とそれに続く熱処理
による量子井戸構造3における相互拡散現象を利用して
形成されている。図5はこのような量子井戸構造におけ
る相互拡散現象を説明するための活性層3近傍のアルミ
組成比のプロファイルを示す図であり、図において、実
線は相互拡散する前の量子井戸活性層3のアルミ組成比
のプロファイルを、破線は相互拡散後の量子井戸活性層
3のアルミ組成比のプロファイルをそれぞれ示してい
る。また、図において、図3と同一符号は同一または相
当する部分を示しており、21は活性層3の井戸層、2
2は活性層3の障壁層及びガイド層である。また、縦軸
はAl組成比を示し、横軸は下クラッド層2、活性層
3、及び上クラッド層4の結晶成長方向の高さ位置を示
し、Al1は井戸層21のアルミ組成比、Al2は障壁
層22のアルミ組成比、Al3は相互拡散された後の活
性層3のアルミ組成比を示している。
【0018】図5において実線で示すような構造の量子
井戸活性層3にSiをイオン注入し、その後800℃程
度の熱処理を行なうと、井戸層21と障壁層22とを構
成する原子が相互に拡散して混じり合い、破線で示すよ
うに、イオン注入された領域8の量子井戸構造が破壊さ
れ均質化される。この結果、相互拡散された量子井戸活
性層3のアルミ組成比は障壁層22のアルミ組成比Al
2とほぼ等しいアルミ組成比Al3となり、活性層3の
実効的なバンドギャップエネルギーは障壁層22とほぼ
等しい値になる。よって図3に示した従来の半導体レー
ザにおいては、量子井戸活性層3の相互拡散された領域
の実効的なバンドギャップエネルギーが相互拡散されて
いない活性層3の実効的なバンドギャップエネルギーよ
り大きくなるため、量子井戸活性層3の相互拡散された
領域がレーザ光に対して“透明”な窓構造として機能す
るようになり、量子井戸活性層3のレーザ共振器端面の
近傍の領域が窓構造領域となる。
井戸活性層3にSiをイオン注入し、その後800℃程
度の熱処理を行なうと、井戸層21と障壁層22とを構
成する原子が相互に拡散して混じり合い、破線で示すよ
うに、イオン注入された領域8の量子井戸構造が破壊さ
れ均質化される。この結果、相互拡散された量子井戸活
性層3のアルミ組成比は障壁層22のアルミ組成比Al
2とほぼ等しいアルミ組成比Al3となり、活性層3の
実効的なバンドギャップエネルギーは障壁層22とほぼ
等しい値になる。よって図3に示した従来の半導体レー
ザにおいては、量子井戸活性層3の相互拡散された領域
の実効的なバンドギャップエネルギーが相互拡散されて
いない活性層3の実効的なバンドギャップエネルギーよ
り大きくなるため、量子井戸活性層3の相互拡散された
領域がレーザ光に対して“透明”な窓構造として機能す
るようになり、量子井戸活性層3のレーザ共振器端面の
近傍の領域が窓構造領域となる。
【0019】また、この端面窓構造領域が形成されてい
る領域の直上には、プロトン注入による半絶縁領域12
が形成されており、共振器端面部分が電流注入がされに
くい電流非注入構造となっている。
る領域の直上には、プロトン注入による半絶縁領域12
が形成されており、共振器端面部分が電流注入がされに
くい電流非注入構造となっている。
【0020】このような従来の窓構造を備えた半導体レ
ーザでは、窓効果により、窓の無い半導体レーザと比較
してCODレベルが向上するので50mW以上の高出力
動作においても長期に亘って安定に動作することができ
る。
ーザでは、窓効果により、窓の無い半導体レーザと比較
してCODレベルが向上するので50mW以上の高出力
動作においても長期に亘って安定に動作することができ
る。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】ところが、このような
構造のレーザでは、Siがn型不純物となるため、Si
イオン注入した領域8はn型となり、このイオン注入領
域108とp型上クラッド層とのpn接合は、動作時に
順バイアスとなる。このため、活性層3の相互拡散した
領域にも電流が注入される。しかし、この領域では利得
が生じないため、この電流は一種のリーク電流であり、
しきい電流や動作電流増大の要因にもなる。
構造のレーザでは、Siがn型不純物となるため、Si
イオン注入した領域8はn型となり、このイオン注入領
域108とp型上クラッド層とのpn接合は、動作時に
順バイアスとなる。このため、活性層3の相互拡散した
領域にも電流が注入される。しかし、この領域では利得
が生じないため、この電流は一種のリーク電流であり、
しきい電流や動作電流増大の要因にもなる。
【0022】このため、従来の半導体レーザにおいて
は、窓構造領域の上方にリーク電流を減らすためにプロ
トン注入による半絶縁領域12を設けている。
は、窓構造領域の上方にリーク電流を減らすためにプロ
トン注入による半絶縁領域12を設けている。
【0023】しかしながら、プロトン注入領域を活性層
3に近付けると、プロトン注入によるダメージが相互拡
散領域以外の活性層3にまで及び、この活性層3の結晶
劣化は内部量子効率の低下をもたらすので、プロトン注
入はあまり活性層に近付けるわけにはいかず、また、S
i注入プロファイルを半導体レーザの表面近くにまでの
ばすと、今度は基板表面に水平な方向、即ち横方向のp
n接合面積が増大しリークパスが広がってしまうため、
この半絶縁領域12とSiイオン注入によりn型となっ
た領域108との間には距離を置かざるを得ない。この
ため、この半絶縁領域12とSiイオン注入によりn型
となった領域108との間の間隙を通してリーク電流が
流れ、端面窓構造領域に電流注入される。また、仮に、
半絶縁領域12とSiイオン注入領域108との間隙を
なくして縦方向、即ち基板表面に垂直な方向のpn接合
をなくすことができたとしても、Siイオン注入領域8
は上クラッド層4の内部にまで及んでいるので、横方向
のpn接合がリークパスとして残る。また、イオン注入
していない領域の活性層3からもイオン注入した領域8
へ電流が流れる。したがって、このような従来の構造の
半導体レーザにおいては、活性層の相互拡散領域、即ち
窓構造領域への電流注入をある程度以上に低減すること
は困難であるという問題があった。
3に近付けると、プロトン注入によるダメージが相互拡
散領域以外の活性層3にまで及び、この活性層3の結晶
劣化は内部量子効率の低下をもたらすので、プロトン注
入はあまり活性層に近付けるわけにはいかず、また、S
i注入プロファイルを半導体レーザの表面近くにまでの
ばすと、今度は基板表面に水平な方向、即ち横方向のp
n接合面積が増大しリークパスが広がってしまうため、
この半絶縁領域12とSiイオン注入によりn型となっ
た領域108との間には距離を置かざるを得ない。この
ため、この半絶縁領域12とSiイオン注入によりn型
となった領域108との間の間隙を通してリーク電流が
流れ、端面窓構造領域に電流注入される。また、仮に、
半絶縁領域12とSiイオン注入領域108との間隙を
なくして縦方向、即ち基板表面に垂直な方向のpn接合
をなくすことができたとしても、Siイオン注入領域8
は上クラッド層4の内部にまで及んでいるので、横方向
のpn接合がリークパスとして残る。また、イオン注入
していない領域の活性層3からもイオン注入した領域8
へ電流が流れる。したがって、このような従来の構造の
半導体レーザにおいては、活性層の相互拡散領域、即ち
窓構造領域への電流注入をある程度以上に低減すること
は困難であるという問題があった。
【0024】本発明は、上記のような課題を解消するた
めになされたものであり、活性層の共振器端面の相互拡
散領域への電流注入が非常に少ない半導体レーザ及びそ
の製造方法を提供するものである。
めになされたものであり、活性層の共振器端面の相互拡
散領域への電流注入が非常に少ない半導体レーザ及びそ
の製造方法を提供するものである。
【0025】
【課題を解決するための手段】この発明に係る半導体レ
ーザは、第1導電型半導体基板上に配置された、第1導
電型下クラッド層,超格子構造を有する活性層,及び第
2導電型上クラッド層と、上記活性層に対して垂直であ
る共振器端面と、該共振器端面の,上記活性層と上記上
クラッド層及び下クラッド層の活性層近傍部分とを含む
領域に設けられた、上記下クラッド層側の領域が第2導
電型を有する領域からなり,上クラッド層側の領域が第
1導電型を有する領域からなる電流非注入領域と、上記
活性層の上記電流非注入領域内に設けられた、その超格
子構造が均質化されている窓構造領域とを備えるように
したものである。
ーザは、第1導電型半導体基板上に配置された、第1導
電型下クラッド層,超格子構造を有する活性層,及び第
2導電型上クラッド層と、上記活性層に対して垂直であ
る共振器端面と、該共振器端面の,上記活性層と上記上
クラッド層及び下クラッド層の活性層近傍部分とを含む
領域に設けられた、上記下クラッド層側の領域が第2導
電型を有する領域からなり,上クラッド層側の領域が第
1導電型を有する領域からなる電流非注入領域と、上記
活性層の上記電流非注入領域内に設けられた、その超格
子構造が均質化されている窓構造領域とを備えるように
したものである。
【0026】また、上記半導体レーザにおいて、上記電
流非注入領域の第2導電型を有する領域は、下クラッド
層の材料に対して第2導電型不純物となる元素をイオン
注入することにより形成されており、上記電流非注入領
域の第1導電型を有する領域は、上クラッド層の材料に
対して第1導電型不純物となる元素をイオン注入するこ
とにより形成されており、上記活性層の窓構造領域は、
上記電流非注入領域にイオン注入された第1導電型不純
物又は第2導電型不純物の少なくとも一方を拡散させる
ことにより、上記活性層の超格子構造を相互拡散させて
均質化してなるようにしたものである。
流非注入領域の第2導電型を有する領域は、下クラッド
層の材料に対して第2導電型不純物となる元素をイオン
注入することにより形成されており、上記電流非注入領
域の第1導電型を有する領域は、上クラッド層の材料に
対して第1導電型不純物となる元素をイオン注入するこ
とにより形成されており、上記活性層の窓構造領域は、
上記電流非注入領域にイオン注入された第1導電型不純
物又は第2導電型不純物の少なくとも一方を拡散させる
ことにより、上記活性層の超格子構造を相互拡散させて
均質化してなるようにしたものである。
【0027】また、上記半導体レーザにおいて、上記電
流非注入領域は、上記活性層及び上記上クラッド層及び
下クラッド層の活性層近傍部分の、上記共振器端面に対
して垂直に伸びる所定幅のストライプ状の活性領域を除
く領域にも設けられており、該電流非注入領域内に位置
する上記活性層は、その超格子構造が均質化されてお
り、上記上クラッド層上には第2導電型のコンタクト層
を備えており、該コンタクト層及び上クラッド層の上部
の上記電流非注入領域の上方に位置する領域に、プロト
ンが注入されてなる半絶縁領域を備えているようにした
ものである。
流非注入領域は、上記活性層及び上記上クラッド層及び
下クラッド層の活性層近傍部分の、上記共振器端面に対
して垂直に伸びる所定幅のストライプ状の活性領域を除
く領域にも設けられており、該電流非注入領域内に位置
する上記活性層は、その超格子構造が均質化されてお
り、上記上クラッド層上には第2導電型のコンタクト層
を備えており、該コンタクト層及び上クラッド層の上部
の上記電流非注入領域の上方に位置する領域に、プロト
ンが注入されてなる半絶縁領域を備えているようにした
ものである。
【0028】また、上記半導体レーザにおいて、上記上
クラッド層上には第2導電型のコンタクト層が配置され
ており、上記上クラッド層の上部とコンタクト層とは、
上記共振器端面に垂直な方向に伸びるストライプ状のリ
ッジ形状を有しており、該リッジ形状部分の側面及び上
クラッド層の表面が絶縁膜により覆われているようにし
たものである。
クラッド層上には第2導電型のコンタクト層が配置され
ており、上記上クラッド層の上部とコンタクト層とは、
上記共振器端面に垂直な方向に伸びるストライプ状のリ
ッジ形状を有しており、該リッジ形状部分の側面及び上
クラッド層の表面が絶縁膜により覆われているようにし
たものである。
【0029】また、この発明に係る半導体レーザの製造
方法は、第1導電型半導体基板上に、第1導電型下クラ
ッド層,超格子構造を有する活性層,及び第2導電型上
クラッド層を順次結晶成長させる工程と、上記基板の共
振器端面を形成する位置に沿った領域上の、上記上クラ
ッド層の活性層近傍と下クラッド層の活性層近傍とに挟
まれた範囲内に、その下クラッド層側の領域には該下ク
ラッド層の材料に対して第2導電型不純物となる元素
を,その上クラッド層側の領域には該上クラッド層の材
料に対して第1導電型不純物となる元素を、それぞれイ
オン注入する工程と、上記イオン注入した領域を熱処理
して該イオン注入した領域内の活性層を相互拡散させて
その超格子構造を均質化する工程と、上記共振器端面を
形成する位置において共振器端面を形成する工程とを備
えるようにしたものである。
方法は、第1導電型半導体基板上に、第1導電型下クラ
ッド層,超格子構造を有する活性層,及び第2導電型上
クラッド層を順次結晶成長させる工程と、上記基板の共
振器端面を形成する位置に沿った領域上の、上記上クラ
ッド層の活性層近傍と下クラッド層の活性層近傍とに挟
まれた範囲内に、その下クラッド層側の領域には該下ク
ラッド層の材料に対して第2導電型不純物となる元素
を,その上クラッド層側の領域には該上クラッド層の材
料に対して第1導電型不純物となる元素を、それぞれイ
オン注入する工程と、上記イオン注入した領域を熱処理
して該イオン注入した領域内の活性層を相互拡散させて
その超格子構造を均質化する工程と、上記共振器端面を
形成する位置において共振器端面を形成する工程とを備
えるようにしたものである。
【0030】
実施の形態1.図1は本発明の実施の形態1に係る半導
体レーザの構造を示す斜視図であり、図において、1は
n型(以下n−と称す)GaAs基板、2はn−Al
0.3 Ga0.7 As下クラッド層、3はAlGaAs/G
aAs量子井戸活性層で、InGaAs量子井戸構造や
AlGaInP/GaInP量子井戸構造を用いるよう
にしてもよい。また、相互拡散により均質化可能な構造
であれば、他の超格子構造の活性層を用いるようにして
もよい。4はp型(以下p−と称す)Al0.3 Ga0.7
As第1上クラッド層、5はp−GaAs表面保護層、
8はイオン注入により形成してなる電流非注入領域で、
この領域はその下クラッド層2側がZnイオン注入領域
8aにより、またその上クラッド層4側がSiイオン注
入領域8bによりそれぞれ構成されている。なお、イオ
ン注入する元素としては、Znイオンの代わりに、下ク
ラッド層2に対してp型不純物となる元素であれば他の
材料、例えばMg等を用いるようにしてもよく、また、
Siイオンの代わりに、上クラッド層4に対してn型不
純物となる元素であれば他の材料、例えばSe等を用い
るようにしてもよい。9はp−Al0.3 Ga0.7 As第
2上クラッド層、10はp−GaAsコンタクト層、1
2はプロトン注入による半絶縁領域、15はリッジ導波
路、16は電流狭窄用の絶縁膜、18はストライプ状の
絶縁膜開口部、19はp側電極、20はn側電極であ
る。
体レーザの構造を示す斜視図であり、図において、1は
n型(以下n−と称す)GaAs基板、2はn−Al
0.3 Ga0.7 As下クラッド層、3はAlGaAs/G
aAs量子井戸活性層で、InGaAs量子井戸構造や
AlGaInP/GaInP量子井戸構造を用いるよう
にしてもよい。また、相互拡散により均質化可能な構造
であれば、他の超格子構造の活性層を用いるようにして
もよい。4はp型(以下p−と称す)Al0.3 Ga0.7
As第1上クラッド層、5はp−GaAs表面保護層、
8はイオン注入により形成してなる電流非注入領域で、
この領域はその下クラッド層2側がZnイオン注入領域
8aにより、またその上クラッド層4側がSiイオン注
入領域8bによりそれぞれ構成されている。なお、イオ
ン注入する元素としては、Znイオンの代わりに、下ク
ラッド層2に対してp型不純物となる元素であれば他の
材料、例えばMg等を用いるようにしてもよく、また、
Siイオンの代わりに、上クラッド層4に対してn型不
純物となる元素であれば他の材料、例えばSe等を用い
るようにしてもよい。9はp−Al0.3 Ga0.7 As第
2上クラッド層、10はp−GaAsコンタクト層、1
2はプロトン注入による半絶縁領域、15はリッジ導波
路、16は電流狭窄用の絶縁膜、18はストライプ状の
絶縁膜開口部、19はp側電極、20はn側電極であ
る。
【0031】また、図2は本実施の形態1に係る半導体
レーザの製造方法を示す斜視図であり、図において図1
と同一符号は同一又は相当する部分を示し、6は窒化S
iや酸化Si等からなる第1の絶縁膜、7はフォトレジ
スト、11はフォトレジスト、14は窒化Siや酸化S
i等の第2の絶縁膜からなるストライプ状の絶縁膜パタ
ーンである。
レーザの製造方法を示す斜視図であり、図において図1
と同一符号は同一又は相当する部分を示し、6は窒化S
iや酸化Si等からなる第1の絶縁膜、7はフォトレジ
スト、11はフォトレジスト、14は窒化Siや酸化S
i等の第2の絶縁膜からなるストライプ状の絶縁膜パタ
ーンである。
【0032】次に、半導体レーザの製造方法を図2に基
づいて説明する。まず、ウエハ状(図示せず)のn−G
aAs半導体基板1上に、n−Al0.3 Ga0.7 As下
クラッド層2、量子井戸活性層3、Al0.3 Ga0.7 A
s第1上クラッド層4、p−GaAs表面保護層5を順
次エピタキシャル結晶成長させる。なおp−Al0.3G
a0.7 As第1上クラッド層4の層厚は0.05〜0.
5μmである。結晶成長後のウェハ斜視図を図2(a) に
示す。結晶成長後、ウェハ表面に第1の絶縁膜6を成膜
する。成膜方法としてはプラズマCVD(Chemical Vapo
r Deposition)、熱CVD等が一般的である。さらに第
1の絶縁膜6表面にフォトレジスト7を塗布し、これを
パターニングして、図2(b) に示すように窓領域を形成
すべき部分、即ち共振器端面となる位置に沿った部分に
開口を設ける。
づいて説明する。まず、ウエハ状(図示せず)のn−G
aAs半導体基板1上に、n−Al0.3 Ga0.7 As下
クラッド層2、量子井戸活性層3、Al0.3 Ga0.7 A
s第1上クラッド層4、p−GaAs表面保護層5を順
次エピタキシャル結晶成長させる。なおp−Al0.3G
a0.7 As第1上クラッド層4の層厚は0.05〜0.
5μmである。結晶成長後のウェハ斜視図を図2(a) に
示す。結晶成長後、ウェハ表面に第1の絶縁膜6を成膜
する。成膜方法としてはプラズマCVD(Chemical Vapo
r Deposition)、熱CVD等が一般的である。さらに第
1の絶縁膜6表面にフォトレジスト7を塗布し、これを
パターニングして、図2(b) に示すように窓領域を形成
すべき部分、即ち共振器端面となる位置に沿った部分に
開口を設ける。
【0033】続いて、図2(c) に示すように、該フォト
レジスト7をマスクとして、第1の絶縁膜6の上面から
第1上クラッド層4の活性層3近傍と下クラッド層2の
活性層3近傍とに挟まれた範囲内にZnおよびSiのイ
オン注入を行なって、レーザ共振器端面近傍の,活性層
3と第1上クラッド層4及び下クラッド層2の活性層近
傍部分とを含む領域に電流非注入領域8を形成する。イ
オン注入時のドーズ量はそれぞれ1×1013〜1×10
15cm-2程度とする。この時、Znの方がSiよりも奥
深くに注入されるようにして、Zn注入領域8aがイオ
ン注入領域8の下部側、即ち下クラッド層2側に形成さ
れ、Si注入領域8bがイオン注入領域8の上部側、即
ち第1上クラッド層4側に形成されるようにする。この
Zn注入領域8a及びSi注入領域8bは、Znがp型
不純物であり、Siがn型不純物であることから、それ
ぞれ導電型がp型,n型となる。なお、イオン注入時の
ドーズ量はこれらの領域がp型,n型となるような量に
必要に応じて調整する。
レジスト7をマスクとして、第1の絶縁膜6の上面から
第1上クラッド層4の活性層3近傍と下クラッド層2の
活性層3近傍とに挟まれた範囲内にZnおよびSiのイ
オン注入を行なって、レーザ共振器端面近傍の,活性層
3と第1上クラッド層4及び下クラッド層2の活性層近
傍部分とを含む領域に電流非注入領域8を形成する。イ
オン注入時のドーズ量はそれぞれ1×1013〜1×10
15cm-2程度とする。この時、Znの方がSiよりも奥
深くに注入されるようにして、Zn注入領域8aがイオ
ン注入領域8の下部側、即ち下クラッド層2側に形成さ
れ、Si注入領域8bがイオン注入領域8の上部側、即
ち第1上クラッド層4側に形成されるようにする。この
Zn注入領域8a及びSi注入領域8bは、Znがp型
不純物であり、Siがn型不純物であることから、それ
ぞれ導電型がp型,n型となる。なお、イオン注入時の
ドーズ量はこれらの領域がp型,n型となるような量に
必要に応じて調整する。
【0034】ここで、Zn注入領域8aおよびSi注入
領域8bと量子井戸活性層3との相対位置は、図6(a)
ないし(c) に示すように3種類が可能である。即ち、Z
n注入およびSi注入によって形成される電流非注入領
域8内のpn接合界面8cが図6(a) のように下クラッ
ド層2内の活性層3に非常に近い位置に位置する場合、
図6(b) のように上クラッド層4内の活性層3に非常に
近い位置に位置する場合、図6(c) のように活性層3内
に位置する場合が可能である。ここでは、特に図6(c)
に示すように、pn接合界面8cが活性層3内に配置さ
れるよう電流非注入領域8を形成する。なお、図6にお
いて、図1と同一符号は同一又は相当する部分を示して
おり、8cはpn接合界面である。
領域8bと量子井戸活性層3との相対位置は、図6(a)
ないし(c) に示すように3種類が可能である。即ち、Z
n注入およびSi注入によって形成される電流非注入領
域8内のpn接合界面8cが図6(a) のように下クラッ
ド層2内の活性層3に非常に近い位置に位置する場合、
図6(b) のように上クラッド層4内の活性層3に非常に
近い位置に位置する場合、図6(c) のように活性層3内
に位置する場合が可能である。ここでは、特に図6(c)
に示すように、pn接合界面8cが活性層3内に配置さ
れるよう電流非注入領域8を形成する。なお、図6にお
いて、図1と同一符号は同一又は相当する部分を示して
おり、8cはpn接合界面である。
【0035】続いて、フォトレジスト7を除去した後、
上記イオン注入したZn又はSiの少なくとも何れか一
方を拡散させて活性層3の相互拡散を行うために熱処理
(アニール)を行なう。この熱処理としてはウェハを7
00℃以上の温度でアニールする方法が一般的である。
この結果、イオン注入領域である電流非注入領域の量子
井戸活性層3は相互拡散により均質化される。この結
果、図2(d) に示すように、この相互拡散された量子井
戸活性層3の領域が、窓構造として機能する窓構造領域
となる。アニール後、ウェハ表面の第1の絶縁膜6を除
去し、2回目の結晶成長として、p−Al0.3 Ga0.7
As第2上クラッド層9、コンタクト層10を順次エピ
タキシャル再成長する。成長後の斜視図を図2(e) に示
す。
上記イオン注入したZn又はSiの少なくとも何れか一
方を拡散させて活性層3の相互拡散を行うために熱処理
(アニール)を行なう。この熱処理としてはウェハを7
00℃以上の温度でアニールする方法が一般的である。
この結果、イオン注入領域である電流非注入領域の量子
井戸活性層3は相互拡散により均質化される。この結
果、図2(d) に示すように、この相互拡散された量子井
戸活性層3の領域が、窓構造として機能する窓構造領域
となる。アニール後、ウェハ表面の第1の絶縁膜6を除
去し、2回目の結晶成長として、p−Al0.3 Ga0.7
As第2上クラッド層9、コンタクト層10を順次エピ
タキシャル再成長する。成長後の斜視図を図2(e) に示
す。
【0036】さらに、2回目の結晶成長後、ウエハ上に
フォトレジスト11を塗布し、これをパターニングし
て、図2(f) に示すように電流非注入領域8,即ち窓構
造領域と一致する領域上に開口部を設ける。このフォト
レジスト11をマスクとしてプロトン注入を行い、p−
Al0.3 Ga0.7 As第2上クラッド層9とp−GaA
sコンタクト層10内にプロトン注入による半絶縁領域
12を形成し、フォトレジスト11を除去した後、第2
の絶縁膜を第1の絶縁膜6成膜時と同様な手段で成膜し
た後、フォトリソグラフィ技術と絶縁膜エッチング技術
によって図2(g)に示すような、レーザ共振器端面とな
る位置に対して垂直な方向に伸びるストライプ状の絶縁
膜パターン14を形成する。
フォトレジスト11を塗布し、これをパターニングし
て、図2(f) に示すように電流非注入領域8,即ち窓構
造領域と一致する領域上に開口部を設ける。このフォト
レジスト11をマスクとしてプロトン注入を行い、p−
Al0.3 Ga0.7 As第2上クラッド層9とp−GaA
sコンタクト層10内にプロトン注入による半絶縁領域
12を形成し、フォトレジスト11を除去した後、第2
の絶縁膜を第1の絶縁膜6成膜時と同様な手段で成膜し
た後、フォトリソグラフィ技術と絶縁膜エッチング技術
によって図2(g)に示すような、レーザ共振器端面とな
る位置に対して垂直な方向に伸びるストライプ状の絶縁
膜パターン14を形成する。
【0037】このストライプ状の絶縁膜パターン14を
エッチングマスクとして、p−GaAsコンタクト層1
0とp−Al0.3 Ga0.7 As第2上クラッド層9の途
中の高さ位置までエッチングした後、絶縁膜パターン1
4を除去することにより、図2(h) に示すリッジ導波路
15を形成する。
エッチングマスクとして、p−GaAsコンタクト層1
0とp−Al0.3 Ga0.7 As第2上クラッド層9の途
中の高さ位置までエッチングした後、絶縁膜パターン1
4を除去することにより、図2(h) に示すリッジ導波路
15を形成する。
【0038】このウェハ上に図2(i) に示すように電流
狭窄用の絶縁膜16を成膜し、さらにこの上からフォト
レジスト(図示せず)を塗布し、このレジスト17をパ
ターニングしてリッジ導波路15上部の平坦部にちょう
ど一致するストライプ状の開口部(図示せず)を設け
る。そして、このパターニングされたフォトレジスト1
7をマスクとして用いてエッチングにより絶縁膜16を
選択的に除去すると、図2(j) に示すようにリッジ導波
路15上部の平坦部にストライプ状の絶縁膜の開口が形
成される。
狭窄用の絶縁膜16を成膜し、さらにこの上からフォト
レジスト(図示せず)を塗布し、このレジスト17をパ
ターニングしてリッジ導波路15上部の平坦部にちょう
ど一致するストライプ状の開口部(図示せず)を設け
る。そして、このパターニングされたフォトレジスト1
7をマスクとして用いてエッチングにより絶縁膜16を
選択的に除去すると、図2(j) に示すようにリッジ導波
路15上部の平坦部にストライプ状の絶縁膜の開口が形
成される。
【0039】その後、このウェハ上にp側電極19形成
し、基板1側にn側電極20を形成し、へき開によりレ
ーザ共振器端面を形成することにより、図1に示すよう
な窓構造を備えた半導体レーザが得られる。
し、基板1側にn側電極20を形成し、へき開によりレ
ーザ共振器端面を形成することにより、図1に示すよう
な窓構造を備えた半導体レーザが得られる。
【0040】次に動作について説明する。p側電極19
が正、n側電極20が負となるように電圧を印加する
と、ホールは、リッジ導波路15の上部からコンタクト
層10,第2上クラッド層9,及び第1上クラッド層4
を経て活性層3に注入され、電子は基板1及び下クラッ
ド層2を経て活性層3に注入され、この活性層3におい
て、電子とホールの再結合が発生し、活性層3において
誘電放出光が生ずる。そして、キャリアの注入量を十分
高くして導波路の損失を越える光が発生すれば、共振器
端面間においてレーザ発振が生ずる。
が正、n側電極20が負となるように電圧を印加する
と、ホールは、リッジ導波路15の上部からコンタクト
層10,第2上クラッド層9,及び第1上クラッド層4
を経て活性層3に注入され、電子は基板1及び下クラッ
ド層2を経て活性層3に注入され、この活性層3におい
て、電子とホールの再結合が発生し、活性層3において
誘電放出光が生ずる。そして、キャリアの注入量を十分
高くして導波路の損失を越える光が発生すれば、共振器
端面間においてレーザ発振が生ずる。
【0041】この半導体レーザにおいては、活性層3が
量子井戸構造からなっているため、Si,及びZnのイ
オン注入とそれに続く熱処理による量子井戸構造3にお
ける相互拡散現象によって、活性層3の共振器端面近傍
の量子井戸構造が破壊され均質化されている。このた
め、量子井戸活性層3の相互拡散された領域の実効的な
バンドギャップエネルギーが相互拡散されていない活性
層3の実効的なバンドギャップエネルギーより大きくな
るため、量子井戸活憧層3の相互拡散された領域がレー
ザ光に対して“透明”な窓構造として機能するようにな
り、量子井戸活性層3のレーザ共振器端面の近傍の領域
が窓構造領域となる。この窓構造領域を備えていること
により、CODレベルが向上するので50mW以上の高
出力動作においても長期に亘って安定に動作することが
可能となっている。
量子井戸構造からなっているため、Si,及びZnのイ
オン注入とそれに続く熱処理による量子井戸構造3にお
ける相互拡散現象によって、活性層3の共振器端面近傍
の量子井戸構造が破壊され均質化されている。このた
め、量子井戸活性層3の相互拡散された領域の実効的な
バンドギャップエネルギーが相互拡散されていない活性
層3の実効的なバンドギャップエネルギーより大きくな
るため、量子井戸活憧層3の相互拡散された領域がレー
ザ光に対して“透明”な窓構造として機能するようにな
り、量子井戸活性層3のレーザ共振器端面の近傍の領域
が窓構造領域となる。この窓構造領域を備えていること
により、CODレベルが向上するので50mW以上の高
出力動作においても長期に亘って安定に動作することが
可能となっている。
【0042】ここで、この半導体レーザにおいては、イ
オン注入元素として、n型不純物となるものとp型不純
物となるものの2種類を用いて共振器端面付近の活性層
3及び活性層3に隣接する上下クラッド層2,4の近傍
部分にイオン注入を行うことにより、そのp型第1上ク
ラッド層4側がn型領域であるSiイオン注入領域8b
からなり、そのn型下クラッド層2側がp型領域である
Znイオン注入領域8aからなる電流非注入領域8を形
成している。このため、この電流非注入領域8は、レー
ザ共振器端面近傍において第1上クラッド層4と下クラ
ッド層2との間で、サイリスタ型のpn接合を形成して
おり、レーザダイオードの動作バイアス時に、逆バイア
スとなるふたつのpn接合によって活性層3の相互拡散
領域が挟まれているので、相互拡散窓領域への電流注入
が非常に小さい半導体レーザが実現でき、しきい電流お
よび動作電流を低減されることができる。
オン注入元素として、n型不純物となるものとp型不純
物となるものの2種類を用いて共振器端面付近の活性層
3及び活性層3に隣接する上下クラッド層2,4の近傍
部分にイオン注入を行うことにより、そのp型第1上ク
ラッド層4側がn型領域であるSiイオン注入領域8b
からなり、そのn型下クラッド層2側がp型領域である
Znイオン注入領域8aからなる電流非注入領域8を形
成している。このため、この電流非注入領域8は、レー
ザ共振器端面近傍において第1上クラッド層4と下クラ
ッド層2との間で、サイリスタ型のpn接合を形成して
おり、レーザダイオードの動作バイアス時に、逆バイア
スとなるふたつのpn接合によって活性層3の相互拡散
領域が挟まれているので、相互拡散窓領域への電流注入
が非常に小さい半導体レーザが実現でき、しきい電流お
よび動作電流を低減されることができる。
【0043】また、共振器端面に電流が流れないように
することはそれ自体でもCODレベルを向上させ、長期
信頼性を向上させる効果があることから、長期信頼性を
向上させることができる。
することはそれ自体でもCODレベルを向上させ、長期
信頼性を向上させる効果があることから、長期信頼性を
向上させることができる。
【0044】また、窓構造領域を形成するための一工程
であるイオン注入工程において電流非注入領域8を形成
していることにより、窓構造領域と電流非注入領域8と
が同時に形成されるため、電流非注入領域8を新たに形
成する必要がなく、容易にリーク電流を低減できる構造
を得ることができる。
であるイオン注入工程において電流非注入領域8を形成
していることにより、窓構造領域と電流非注入領域8と
が同時に形成されるため、電流非注入領域8を新たに形
成する必要がなく、容易にリーク電流を低減できる構造
を得ることができる。
【0045】このように、本実施の形態1においては、
レーザ共振器端面近傍の,活性層3と該活性層3に接す
る第1上クラッド層4及び下クラッド層2の活性層3の
近傍部分とを含む領域に、下クラッド層2側の領域がZ
nイオン注入領域8aからなり、第1上クラッド層4側
の領域がSiイオン注入領域8bからなる電流非注入領
域8を形成し、アニールにより、この電流非注入領域8
内の活性層3を相互拡散させてバンドギャップエネルギ
ーが活性層3の他の領域よりも大きい窓構造領域を形成
するようにしたから、活性層3の共振器端面近傍の相互
拡散領域,即ち窓構造領域への電流注入を非常に少なく
することができ、しきい電流及び動作電流を低減させた
半導体レーザを提供できる効果がある。
レーザ共振器端面近傍の,活性層3と該活性層3に接す
る第1上クラッド層4及び下クラッド層2の活性層3の
近傍部分とを含む領域に、下クラッド層2側の領域がZ
nイオン注入領域8aからなり、第1上クラッド層4側
の領域がSiイオン注入領域8bからなる電流非注入領
域8を形成し、アニールにより、この電流非注入領域8
内の活性層3を相互拡散させてバンドギャップエネルギ
ーが活性層3の他の領域よりも大きい窓構造領域を形成
するようにしたから、活性層3の共振器端面近傍の相互
拡散領域,即ち窓構造領域への電流注入を非常に少なく
することができ、しきい電流及び動作電流を低減させた
半導体レーザを提供できる効果がある。
【0046】実施の形態2.図7は本発明の実施の形態
2に係る半導体レーザの構造を示す斜視図(図7(a)),
図7(a) における7b−7b線による断面図(図7(b))、図
7(a) における7c-7c線による断面図(図7(c))であ
り、図において、図1と同一符号は同一または相当する
部分を示している。
2に係る半導体レーザの構造を示す斜視図(図7(a)),
図7(a) における7b−7b線による断面図(図7(b))、図
7(a) における7c-7c線による断面図(図7(c))であ
り、図において、図1と同一符号は同一または相当する
部分を示している。
【0047】また、図8は本発明の実施の形態2に係る
半導体レーザの製造方法の主要工程を示す図であり、図
において、図2と同一符号は同一又は相当する部分を示
しており、7aはレジストパターン、30はレーザ共振
器端面に対して垂直な方向にストライプ状に伸びる、所
定幅を有するとともにレーザ共振器端面に達しない長さ
を有する活性領域である。なお、図7,図8においては
表面保護層やイオン注入工程に用いられる絶縁膜等は一
部省略している。
半導体レーザの製造方法の主要工程を示す図であり、図
において、図2と同一符号は同一又は相当する部分を示
しており、7aはレジストパターン、30はレーザ共振
器端面に対して垂直な方向にストライプ状に伸びる、所
定幅を有するとともにレーザ共振器端面に達しない長さ
を有する活性領域である。なお、図7,図8においては
表面保護層やイオン注入工程に用いられる絶縁膜等は一
部省略している。
【0048】この実施の形態2に係る半導体レーザは、
上記実施の形態1に係る半導体レーザにおいて、導波路
をリッジ構造とする代わりに、図7に示すようなプレー
ナ型導波路としたもので、上記活性層3及び上記上クラ
ッド層4及び下クラッド層2の活性層3近傍部分に設け
た電流非注入領域8を、共振器端面近傍部分のみなら
ず、上記基板3の共振器端面に対して垂直に伸びる所定
幅のストライプ状の領域を除く領域の上方に位置する領
域、即ち活性領域30以外の領域にも設けるようにした
ものである。
上記実施の形態1に係る半導体レーザにおいて、導波路
をリッジ構造とする代わりに、図7に示すようなプレー
ナ型導波路としたもので、上記活性層3及び上記上クラ
ッド層4及び下クラッド層2の活性層3近傍部分に設け
た電流非注入領域8を、共振器端面近傍部分のみなら
ず、上記基板3の共振器端面に対して垂直に伸びる所定
幅のストライプ状の領域を除く領域の上方に位置する領
域、即ち活性領域30以外の領域にも設けるようにした
ものである。
【0049】この半導体レーザは、図2を用いて説明し
た実施の形態1に係る半導体レーザの製造方法におい
て、図2(a) に示すように、基板1上に第1上クラッド
層4までを結晶成長により形成した後、図8(a) に示す
ような、共振器端面の近傍を除く領域に設けられた,共
振器端面に対して垂直な方向に伸びる所定幅のストライ
プ状のレジストパターン7aを用いてZn及びSiのイ
オン注入を行なってイオン注入領域8a,8bからなる
電流非注入領域8を活性領域となる領域以外の領域に形
成し(図8(b))、レジストパターン7を除去後、相互拡
散のためのアニールを行い、第2上クラッド層9,コン
タクト層10を再成長させた後(図8(c))、図2(g),
(h) で示したリッジ構造を形成するためのエッチング工
程を省いて、上記非イオン注入領域8を除く領域のコン
タクト層10,及び第2上クラッド層9の上部にストラ
イプ形状のフォトレジスト23をマスクとして用いてプ
ロトン注入を行うようにし(図8(d))、その後p側電極
19,及びn側電極20を形成するようにしたものであ
る。
た実施の形態1に係る半導体レーザの製造方法におい
て、図2(a) に示すように、基板1上に第1上クラッド
層4までを結晶成長により形成した後、図8(a) に示す
ような、共振器端面の近傍を除く領域に設けられた,共
振器端面に対して垂直な方向に伸びる所定幅のストライ
プ状のレジストパターン7aを用いてZn及びSiのイ
オン注入を行なってイオン注入領域8a,8bからなる
電流非注入領域8を活性領域となる領域以外の領域に形
成し(図8(b))、レジストパターン7を除去後、相互拡
散のためのアニールを行い、第2上クラッド層9,コン
タクト層10を再成長させた後(図8(c))、図2(g),
(h) で示したリッジ構造を形成するためのエッチング工
程を省いて、上記非イオン注入領域8を除く領域のコン
タクト層10,及び第2上クラッド層9の上部にストラ
イプ形状のフォトレジスト23をマスクとして用いてプ
ロトン注入を行うようにし(図8(d))、その後p側電極
19,及びn側電極20を形成するようにしたものであ
る。
【0050】このような半導体レーザにおいては、共振
器端面近傍の窓構造領域を形成する領域だけでなく、導
波路となる活性領域30の両脇の領域にもZn及びSi
のイオン注入を行ない、活性領域30以外の領域の量子
井戸活性層3をすべて相互拡散領域としている。このた
め、この相互拡散領域のバンドギャップエネルギーが活
性領域30のバンドギャップエネルギーよりも大きくな
るとともに屈折率が減少するため、この相互拡散領域に
挟まれた領域が屈折率導波路として働く。
器端面近傍の窓構造領域を形成する領域だけでなく、導
波路となる活性領域30の両脇の領域にもZn及びSi
のイオン注入を行ない、活性領域30以外の領域の量子
井戸活性層3をすべて相互拡散領域としている。このた
め、この相互拡散領域のバンドギャップエネルギーが活
性領域30のバンドギャップエネルギーよりも大きくな
るとともに屈折率が減少するため、この相互拡散領域に
挟まれた領域が屈折率導波路として働く。
【0051】このような実施の形態2に係る半導体レー
ザにおいては、レーザ共振器端面にZnイオン注入領域
とSiイオン注入領域からなる電流非注入領域8が形成
されるため、上記実施の形態1と同様の効果を得ること
ができるともに、活性領域30の両側に沿って設けられ
た,下クラッド層2と上クラッド層4との間でサイリス
タ構造となる電流非注入領域8によって、ストライプ状
の導波路となる活性領域30の両側の相互拡散領域を通
して流れるリーク電流も低減されるため、しきい電流お
よび動作電流が低減されたプレーナ型半導体レーザを実
現できる効果を奏する。
ザにおいては、レーザ共振器端面にZnイオン注入領域
とSiイオン注入領域からなる電流非注入領域8が形成
されるため、上記実施の形態1と同様の効果を得ること
ができるともに、活性領域30の両側に沿って設けられ
た,下クラッド層2と上クラッド層4との間でサイリス
タ構造となる電流非注入領域8によって、ストライプ状
の導波路となる活性領域30の両側の相互拡散領域を通
して流れるリーク電流も低減されるため、しきい電流お
よび動作電流が低減されたプレーナ型半導体レーザを実
現できる効果を奏する。
【0052】実施の形態3.図9は本発明の実施の形態
3に係る半導体レーザの構造を示す図であり、図におい
て、図1と同一符号は同一または相当する部分を示して
いる。
3に係る半導体レーザの構造を示す図であり、図におい
て、図1と同一符号は同一または相当する部分を示して
いる。
【0053】本実施の形態3に係る半導体レーザは、上
記実施の形態1に係る半導体レーザにおいて、図2(f)
に示したプロトン注入のための写真製板工程とプロトン
注入工程を行わないようにして、プロトン注入による半
絶縁領域12を設けないようにしたものである。
記実施の形態1に係る半導体レーザにおいて、図2(f)
に示したプロトン注入のための写真製板工程とプロトン
注入工程を行わないようにして、プロトン注入による半
絶縁領域12を設けないようにしたものである。
【0054】この実施の形態3に係る半導体レーザにお
いては、上記実施の形態1と同様の効果を奏するととも
に、プロトン注入のための写真製版工程とプロトン注入
工程を省略して、マスク枚数と工程数を低減でき、半導
体レーザを容易に形成できるとともに、また、活性層に
ダメージを与える懸念のあるプロトン注入を行わないの
で内部量子効率のよい半導体レーザが実現できる効果が
ある。
いては、上記実施の形態1と同様の効果を奏するととも
に、プロトン注入のための写真製版工程とプロトン注入
工程を省略して、マスク枚数と工程数を低減でき、半導
体レーザを容易に形成できるとともに、また、活性層に
ダメージを与える懸念のあるプロトン注入を行わないの
で内部量子効率のよい半導体レーザが実現できる効果が
ある。
【0055】なお、上記実施の形態1乃至3においては
n型基板を用いた場合について説明したが、本発明はp
型基板を用いた場合においても適用できるものであり、
この場合、上記各実施の形態において、p型導電型の部
分をn型導電型に置き換え、n型導電型の部分をp型導
電型に置き換えることにより、本願発明と同様の効果を
奏する。
n型基板を用いた場合について説明したが、本発明はp
型基板を用いた場合においても適用できるものであり、
この場合、上記各実施の形態において、p型導電型の部
分をn型導電型に置き換え、n型導電型の部分をp型導
電型に置き換えることにより、本願発明と同様の効果を
奏する。
【0056】
【発明の効果】以上のようにこの発明によれば、第1導
電型半導体基板上に配置された、第1導電型下クラッド
層,超格子構造を有する活性層,及び第2導電型上クラ
ッド層と、上記活性層に対して垂直である共振器端面
と、該共振器端面の,上記活性層と上記上クラッド層及
び下クラッド層の活性層近傍部分とを含む領域に設けら
れた、上記下クラッド層側の領域が第2導電型を有する
領域からなり,上クラッド層側の領域が第1導電型を有
する領域からなる電流非注入領域と、上記活性層の上記
電流非注入領域内に設けられた、その超格子構造が均質
化されている窓構造領域とを備えるようにしたから、窓
構造領域が含まれる電流非注入領域を上クラッド層と下
クラッド層との間でサイリスタ構造となるようにして、
活性層の共振器端面近傍の窓構造領域への電流注入を非
常に少なくすることができ、しきい電流及び動作電流を
低減させた半導体レーザを提供できる効果がある。
電型半導体基板上に配置された、第1導電型下クラッド
層,超格子構造を有する活性層,及び第2導電型上クラ
ッド層と、上記活性層に対して垂直である共振器端面
と、該共振器端面の,上記活性層と上記上クラッド層及
び下クラッド層の活性層近傍部分とを含む領域に設けら
れた、上記下クラッド層側の領域が第2導電型を有する
領域からなり,上クラッド層側の領域が第1導電型を有
する領域からなる電流非注入領域と、上記活性層の上記
電流非注入領域内に設けられた、その超格子構造が均質
化されている窓構造領域とを備えるようにしたから、窓
構造領域が含まれる電流非注入領域を上クラッド層と下
クラッド層との間でサイリスタ構造となるようにして、
活性層の共振器端面近傍の窓構造領域への電流注入を非
常に少なくすることができ、しきい電流及び動作電流を
低減させた半導体レーザを提供できる効果がある。
【0057】また、この発明によれば、上記電流非注入
領域の第2導電型を有する領域は、下クラッド層の材料
に対して第2導電型不純物となる元素をイオン注入する
ことにより形成されており、上記電流非注入領域の第1
導電型を有する領域は、上クラッド層の材料に対して第
1導電型不純物となる元素をイオン注入することにより
形成されており、上記活性層の窓構造領域は、上記電流
非注入領域にイオン注入された第1導電型不純物又は第
2導電型不純物の少なくとも一方を拡散させることによ
り、上記活性層の超格子構造を相互拡散させて均質化し
てなるようにしたから、活性層の共振器端面近傍の窓構
造領域への電流注入を非常に少なくすることができ、し
きい電流及び動作電流を低減させた半導体レーザを提供
できる効果がある。
領域の第2導電型を有する領域は、下クラッド層の材料
に対して第2導電型不純物となる元素をイオン注入する
ことにより形成されており、上記電流非注入領域の第1
導電型を有する領域は、上クラッド層の材料に対して第
1導電型不純物となる元素をイオン注入することにより
形成されており、上記活性層の窓構造領域は、上記電流
非注入領域にイオン注入された第1導電型不純物又は第
2導電型不純物の少なくとも一方を拡散させることによ
り、上記活性層の超格子構造を相互拡散させて均質化し
てなるようにしたから、活性層の共振器端面近傍の窓構
造領域への電流注入を非常に少なくすることができ、し
きい電流及び動作電流を低減させた半導体レーザを提供
できる効果がある。
【0058】また、この発明によれば、上記電流非注入
領域が、上記活性層及び上記上クラッド層及び下クラッ
ド層の活性層近傍部分の、上記共振器端面に対して垂直
に伸びる所定幅のストライプ状の活性領域を除く領域に
も設けられ、該電流非注入領域内に位置する上記活性層
が、その超格子構造が均質化されており、上記上クラッ
ド層上には第2導電型のコンタクト層を備えており、該
コンタクト層及び上クラッド層の上部の上記電流非注入
領域の上方に位置する領域に、プロトンが注入されてな
る半絶縁領域を備えているようにしたから、プレーナ型
半導体レーザにおいて活性層の導波路となるストライプ
状の領域に光を閉じ込めるために、この導波路となる領
域に沿って設けられた相互拡散領域に流れるリーク電流
を低減でき、しきい電流および動作電流が低減されたプ
レーナ型半導体レーザを提供できる効果がある。
領域が、上記活性層及び上記上クラッド層及び下クラッ
ド層の活性層近傍部分の、上記共振器端面に対して垂直
に伸びる所定幅のストライプ状の活性領域を除く領域に
も設けられ、該電流非注入領域内に位置する上記活性層
が、その超格子構造が均質化されており、上記上クラッ
ド層上には第2導電型のコンタクト層を備えており、該
コンタクト層及び上クラッド層の上部の上記電流非注入
領域の上方に位置する領域に、プロトンが注入されてな
る半絶縁領域を備えているようにしたから、プレーナ型
半導体レーザにおいて活性層の導波路となるストライプ
状の領域に光を閉じ込めるために、この導波路となる領
域に沿って設けられた相互拡散領域に流れるリーク電流
を低減でき、しきい電流および動作電流が低減されたプ
レーナ型半導体レーザを提供できる効果がある。
【0059】また、この発明によれば、上記上クラッド
層上には第2導電型のコンタクト層が配置されており、
上記上クラッド層の上部とコンタクト層とは、上記共振
器端面に垂直な方向に伸びるストライプ状のリッジ形状
を有しており、該リッジ形状部分の側面及び上クラッド
層の表面が絶縁膜により覆われているようにしたから、
プロトン注入のための工程を省略して、半導体レーザを
容易に形成できるとともに、活性層にダメージを与える
懸念のあるプロトン注入を行わないので内部量子効率の
よい半導体レーザが実現できる効果がある。
層上には第2導電型のコンタクト層が配置されており、
上記上クラッド層の上部とコンタクト層とは、上記共振
器端面に垂直な方向に伸びるストライプ状のリッジ形状
を有しており、該リッジ形状部分の側面及び上クラッド
層の表面が絶縁膜により覆われているようにしたから、
プロトン注入のための工程を省略して、半導体レーザを
容易に形成できるとともに、活性層にダメージを与える
懸念のあるプロトン注入を行わないので内部量子効率の
よい半導体レーザが実現できる効果がある。
【0060】また、この発明によれば、第1導電型半導
体基板上に、第1導電型下クラッド層,超格子構造を有
する活性層,及び第2導電型上クラッド層を順次結晶成
長させる工程と、上記基板の共振器端面を形成する位置
に沿った領域上の、上記上クラッド層の活性層近傍と下
クラッド層の活性層近傍とに挟まれた範囲内に、その下
クラッド層側の領域には該下クラッド層の材料に対して
第2導電型不純物となる元素を,その上クラッド層側の
領域には該上クラッド層の材料に対して第1導電型不純
物となる元素を、それぞれイオン注入する工程と、上記
イオン注入した領域を熱処理して該イオン注入した領域
内の活性層を相互拡散させてその超格子構造を均質化す
る工程と、上記共振器端面を形成する位置において共振
器端面を形成する工程とを備えるようにしたから、窓構
造領域を形成する際に、この窓構造が形成される領域の
近傍が、上クラッド層と下クラッド層との間でサイリス
タ構造となるようにして、活性層の共振器端面近傍の窓
構造領域への電流注入を非常に少なくすることができ、
しきい電流及び動作電流を低減させた半導体レーザを容
易に提供できる効果がある。
体基板上に、第1導電型下クラッド層,超格子構造を有
する活性層,及び第2導電型上クラッド層を順次結晶成
長させる工程と、上記基板の共振器端面を形成する位置
に沿った領域上の、上記上クラッド層の活性層近傍と下
クラッド層の活性層近傍とに挟まれた範囲内に、その下
クラッド層側の領域には該下クラッド層の材料に対して
第2導電型不純物となる元素を,その上クラッド層側の
領域には該上クラッド層の材料に対して第1導電型不純
物となる元素を、それぞれイオン注入する工程と、上記
イオン注入した領域を熱処理して該イオン注入した領域
内の活性層を相互拡散させてその超格子構造を均質化す
る工程と、上記共振器端面を形成する位置において共振
器端面を形成する工程とを備えるようにしたから、窓構
造領域を形成する際に、この窓構造が形成される領域の
近傍が、上クラッド層と下クラッド層との間でサイリス
タ構造となるようにして、活性層の共振器端面近傍の窓
構造領域への電流注入を非常に少なくすることができ、
しきい電流及び動作電流を低減させた半導体レーザを容
易に提供できる効果がある。
【図1】 本発明の実施の形態1に係る半導体レーザの
構造を示す一部切り欠き斜視図である。
構造を示す一部切り欠き斜視図である。
【図2】 本発明の実施の形態1に係る半導体レーザの
製造工程を示す斜視図である。
製造工程を示す斜視図である。
【図3】 従来の半導体レーザの素子構造を示す一部切
り欠き斜視図である。
り欠き斜視図である。
【図4】 従来の半導体レーザの製造工程を示す斜視図
である。
である。
【図5】 従来の半導体レーザの窓構造領域を説明する
ための、量子井戸構造活性層のアルミ組成比のプロファ
イルを示す図である。
ための、量子井戸構造活性層のアルミ組成比のプロファ
イルを示す図である。
【図6】 本発明の実施の形態1に係る半導体レーザに
おけるZn注入領域およびSi注入領域と量子井戸活性
層との相対位置を示す図である。
おけるZn注入領域およびSi注入領域と量子井戸活性
層との相対位置を示す図である。
【図7】 本発明の実施の形態2に係る半導体レーザの
構造を示す図である。
構造を示す図である。
【図8】 本発明の実施の形態2に係る半導体レーザの
製造工程を示す図である。
製造工程を示す図である。
【図9】 本発明の実施の形態3に係る半導体レーザの
構造を示す図である。
構造を示す図である。
1 n−GaAs基板、2 p−Al0.3 Ga0.7 As
下クラッド層、3 量子井戸活性層、4 p−Al0.3
Ga0.7 As第1上クラッド層、5 p−GaAs表面
保護層、6 第1の絶縁膜、7,11,23 フォトレ
ジスト、8 電流非注入領域、8a Znイオン注入領
域、8b,108 Siイオン注入領域、8c pn接
合界面、9 p−Al0.3 Ga0.7 As第2上クラッド
層、10 p−GaAsコンタクト層、12 半絶縁領
域、14 ストライプ状の絶縁膜パターン(第2の絶縁
膜)、15 リッジ導波路、16 電流狭窄用絶縁膜、
18 ストライプ状開口部、19 p側電極、20 n
側電極、21 ウエル層、22 バリア層(ガイド
層)、30 活性領域。
下クラッド層、3 量子井戸活性層、4 p−Al0.3
Ga0.7 As第1上クラッド層、5 p−GaAs表面
保護層、6 第1の絶縁膜、7,11,23 フォトレ
ジスト、8 電流非注入領域、8a Znイオン注入領
域、8b,108 Siイオン注入領域、8c pn接
合界面、9 p−Al0.3 Ga0.7 As第2上クラッド
層、10 p−GaAsコンタクト層、12 半絶縁領
域、14 ストライプ状の絶縁膜パターン(第2の絶縁
膜)、15 リッジ導波路、16 電流狭窄用絶縁膜、
18 ストライプ状開口部、19 p側電極、20 n
側電極、21 ウエル層、22 バリア層(ガイド
層)、30 活性領域。
Claims (5)
- 【請求項1】 第1導電型半導体基板上に配置された、
第1導電型下クラッド層,超格子構造を有する活性層,
及び第2導電型上クラッド層と、 上記活性層に対して垂直である共振器端面と、 該共振器端面の,上記活性層と上記上クラッド層及び下
クラッド層の活性層近傍部分とを含む領域に設けられ
た、上記下クラッド層側の領域が第2導電型を有する領
域からなり,上クラッド層側の領域が第1導電型を有す
る領域からなる電流非注入領域と、 上記活性層の上記電流非注入領域内に設けられた、その
超格子構造が均質化されている窓構造領域を備えたこと
を特徴とする半導体レーザ。 - 【請求項2】 請求項1に記載の半導体レーザにおい
て、 上記電流非注入領域の第2導電型を有する領域は、下ク
ラッド層の材料に対して第2導電型不純物となる元素を
イオン注入することにより形成されており、 上記電流非注入領域の第1導電型を有する領域は、上ク
ラッド層の材料に対して第1導電型不純物となる元素を
イオン注入することにより形成されており、 上記活性層の窓構造領域は、上記電流非注入領域にイオ
ン注入された第1導電型不純物又は第2導電型不純物の
少なくとも一方を拡散させることにより、上記活性層の
超格子構造を相互拡散させて均質化してなることを特徴
とする半導体レーザ。 - 【請求項3】 請求項1に記載の半導体レーザにおい
て、 上記電流非注入領域は、上記活性層及び上記上クラッド
層及び下クラッド層の活性層近傍部分の、上記共振器端
面に対して垂直に伸びる所定幅のストライプ状の活性領
域を除く領域にも設けられており、 該電流非注入領域内に位置する上記活性層は、その超格
子構造が均質化されており、 上記上クラッド層上には第2導電型のコンタクト層を備
えており、 該コンタクト層及び上クラッド層の上部の,上記電流非
注入領域の上方に位置する領域に、プロトンが注入され
てなる半絶縁領域を備えていることを特徴とする半導体
レーザ。 - 【請求項4】 請求項1に記載の半導体レーザにおい
て、 上記上クラッド層上には第2導電型のコンタクト層が配
置されており、 上記上クラッド層の上部とコンタクト層とは、上記共振
器端面に垂直な方向に伸びるストライプ状のリッジ形状
を有しており、 該リッジ形状部分の側面及び上クラッド層の表面が絶縁
膜により覆われていることを特徴とする半導体レーザ。 - 【請求項5】 第1導電型半導体基板上に、第1導電型
下クラッド層,超格子構造を有する活性層,及び第2導
電型上クラッド層を順次結晶成長させる工程と、 上記基板の共振器端面を形成する位置に沿った領域上
の、上記上クラッド層の活性層近傍と下クラッド層の活
性層近傍とに挟まれた範囲内に、その下クラッド層側の
領域には該下クラッド層の材料に対して第2導電型不純
物となる元素を,その上クラッド層側の領域には該上ク
ラッド層の材料に対して第1導電型不純物となる元素
を、それぞれイオン注入する工程と、 上記イオン注入した領域を熱処理して該イオン注入した
領域内の活性層を相互拡散させてその超格子構造を均質
化する工程と、 上記共振器端面を形成する位置において共振器端面を形
成する工程とを備えたことを特徴とする半導体レーザの
製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17933297A JPH1126866A (ja) | 1997-07-04 | 1997-07-04 | 半導体レーザ及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17933297A JPH1126866A (ja) | 1997-07-04 | 1997-07-04 | 半導体レーザ及びその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JPH1126866A true JPH1126866A (ja) | 1999-01-29 |
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ID=16063995
Family Applications (1)
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JP17933297A Pending JPH1126866A (ja) | 1997-07-04 | 1997-07-04 | 半導体レーザ及びその製造方法 |
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JP (1) | JPH1126866A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002261379A (ja) * | 2001-03-02 | 2002-09-13 | Mitsubishi Electric Corp | 半導体デバイスおよびそれを応用した光半導体デバイス |
JP2004048080A (ja) * | 2000-05-17 | 2004-02-12 | Sony Corp | 半導体レーザの製造方法 |
JP2004048079A (ja) * | 2000-05-17 | 2004-02-12 | Sony Corp | 半導体レーザ |
JP2013110267A (ja) * | 2011-11-21 | 2013-06-06 | Mitsubishi Electric Corp | 半導体レーザダイオードとその製造方法 |
US11245248B2 (en) | 2018-01-10 | 2022-02-08 | Sony Semiconductor Solutions Corporation | Semiconductor laser |
-
1997
- 1997-07-04 JP JP17933297A patent/JPH1126866A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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