JPH11268147A - 半導電性無端プラスチックベルトの製法およびそれにより得られた半導電性無端プラスチックベルト - Google Patents

半導電性無端プラスチックベルトの製法およびそれにより得られた半導電性無端プラスチックベルト

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JPH11268147A
JPH11268147A JP7432398A JP7432398A JPH11268147A JP H11268147 A JPH11268147 A JP H11268147A JP 7432398 A JP7432398 A JP 7432398A JP 7432398 A JP7432398 A JP 7432398A JP H11268147 A JPH11268147 A JP H11268147A
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JP
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shaft
plastic belt
belt
liquid film
endless
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Application number
JP7432398A
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English (en)
Inventor
Keisuke Tokoro
圭輔 所
Kazunori Toyama
和徳 遠山
Tsukasa Fujita
司 藤田
Eiji Yasui
栄治 安井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Riko Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Riko Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】寸法安定性に優れた半導電性無端プラスチック
ベルトの製法およびそれにより得られた半導電性無端プ
ラスチックベルトを提供する。 【解決手段】液膜形成用軸体の外周に多層からなる樹脂
液膜を形成し、これを乾燥して溶剤を除去した後液膜形
成用軸体を抜き取ることにより無端ベルト21を準備
し、この無端ベルト21で囲われた中空部22に上記液
膜形成用軸体より外周長の短い軸体23を挿通させ、そ
の後上記無端ベルト21を収縮させることにより上記軸
体23の外周面に被着させ、上記軸体23を抜き取るよ
うにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、フルカラー複写機
等の電子写真技術を採用した機器において、感光体上の
トナー像を写し取る転写中間体等に用いられる半導電性
無端プラスチックベルトの製法およびそれにより得られ
た半導電性無端プラスチックベルトに関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】近年、フルカラー複写機等の電子写真複
写機の実用化に伴って、感光体上に現像されたトナー像
を複写紙に転写する際に、一旦トナー像を転写中間体に
写し取った後、複写紙に転写するというプロセスが採用
されている。
【0003】その一例を図4に示す。すなわち、このプ
ロセスでは、感光ドラム1の表面が帯電ロール2により
帯電された後、露光機構部3を介して原稿光像のスリッ
ト露光4が感光ドラム1表面に到達し、原稿像に対応し
た静電潜像が感光ドラム1表面に形成され、現像装置5
により現像剤が供給されてトナー像が形成されるように
なっている。また、上記感光ドラム1の下部には、転写
中間体である無端ベルト6が、一次転写ローラ7を介し
て感光ドラム1に圧接されており、上記感光ドラム1上
に現像されたトナー像が、上記無端ベルト6の順逆両方
向の繰り返し走行により、この無端ベルト6表面に各色
順に転写されるようになっている。そして、この無端ベ
ルト6の走行により、上記トナー像は、この無端ベルト
6と二次転写ローラ8との間に挟まれた複写紙9に転写
される。なお、二次転写後に無端ベルト6の表面上に残
留する現像剤はクリーニングブレード10によって回収
され、無端ベルト6はつぎの転写に備えるようになって
いる。また、一次転写後に感光ドラム1表面上に残留す
る現像剤はクリーニング装置11によって回収され、そ
の後、感光ドラム1表面はイレーザーランプ12により
除電される。
【0004】上記無端ベルト6は、例えばつぎのように
して製造されている。すなわち、まず、液膜形成用軸体
の外周に、スプレー,ディッピング等により樹脂液膜を
形成する。ついで、乾燥し溶剤を除去することにより、
液膜形成用軸体の外周に固形コーティング層を形成す
る。そして、上記液膜形成用軸体を抜き取ることによ
り、無端ベルト6を得る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記のようにして得ら
れた無端べルト6は、液膜形成用軸体を抜き取る際に、
径方向および軸方向に収縮してしまうという問題があ
る。また、製造後、高温環境になりやすい倉庫等に保管
しておいても、径方向および軸方向に収縮してしまうと
いう問題がある。このように、寸法が経時的に変化する
と、蛇行するため、高画質な複写画像が得られない。
【0006】本発明は、このような事情に鑑みなされた
もので、寸法安定性に優れた半導電性無端プラスチック
ベルトの製法およびそれにより得られた半導電性無端プ
ラスチックベルトの提供をその目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明は、液膜形成用軸体の外周に多層からなる樹
脂液膜を形成し、これを乾燥して溶剤を除去した後液膜
形成用軸体を抜き取ることにより無端ベルトを準備し、
この無端ベルトで囲われた中空部に上記液膜形成用軸体
より外周長の短い軸体を挿通させ、その後上記無端ベル
トを収縮させることにより上記軸体の外周面に被着さ
せ、上記軸体を抜き取る半導電性無端プラスチックベル
トの製法を第一の要旨とする。
【0008】そして、本発明は、上記製法により得られ
たものである半導電性無端プラスチックベルトを第二の
要旨とする。
【0009】すなわち、本発明の半導電性無端プラスチ
ックベルトの製法は、液膜形成用軸体の外周に多層から
なる樹脂液膜を形成し、これを乾燥して溶剤を除去した
後液膜形成用軸体を抜き取ることにより無端ベルトを準
備し、この無端ベルトで囲われた中空部に上記液膜形成
用軸体より外周長の短い軸体を挿通させ、その後上記無
端ベルトを収縮させることにより上記軸体の外周面に被
着させ、上記軸体を抜き取るようにする。このため、液
膜形成用軸体から抜き取った無端ベルトをそのまま使用
する場合に比べ、寸法安定性に優れたものを得ることが
できる。すなわち、液膜形成用軸体を抜き取った後、無
端ベルトを収縮させることにより、内部応力を緩和する
ことができるからである。したがって、製造後初期の収
縮率が小さくなり、しかも倉庫での保管等、高温環境に
なりやすいところでの収縮率も小さくなるため、寸法安
定性に優れた製品となる。そして、このような半導電性
無端プラスチックベルトをフルカラー複写機等の転写中
間体として用いた場合、フルカラー複写機の初期設定条
件を長く維持することにより、高画質を維持できるとい
う利点がある。
【0010】特に、上記製法において、収縮時の寸法規
制を加熱後の冷却中に軸体に被着させるか、あるいは、
加熱中に軸体に被着させその後冷却を行うかすること
が、半導電性無端プラスチックベルトの製法として特に
好ましいことを突き止めた。
【0011】また、上記半導電性無端プラスチックベル
トの初期収縮率が特定の範囲に設定されていることが、
半導電性無端プラスチックベルトとして特に好ましいこ
とを突き止めた。また、上記半導電性無端プラスチック
ベルトの高温収縮率が特定の範囲に設定されていること
が、半導電性無端プラスチックベルトとして特に好まし
いことを突き止めた。
【0012】なお、本発明において、「半導電性」と
は、JIS K 6911の抵抗率試験法に準じて測定
される体積抵抗率の測定値が、106 〜1014Ω・cm
の範囲であることをいう。また、「初期収縮率」とは、
製造直後から室温環境下に放置し、収縮が完遂した際の
収縮率をいう。そして、「高温収縮率」とは、50℃で
80日間放置した際の収縮率をいう。
【0013】
【発明の実施の形態】つぎに、本発明の実施の形態につ
いて説明する。
【0014】本発明の半導電性無端プラスチックベルト
(以下単に「プラスチックベルト」という)の製法につ
いて、図1に示すプラスチックベルト16を例に具体的
に説明する。このプラスチックベルト16は、内層13
と、これに隣接する中間層14と、この中間層14に隣
接する外層15とからなっている。
【0015】上記内層13の形成材料としては、特に限
定するものではないが、フッ素樹脂、塩化ビニル系樹
脂、ABS樹脂、ポリメチルメタクリレート(PMM
A)、ポリカーボネート(PC)、ポリエチレンテレフ
タレート(PET)等があげられる。
【0016】上記フッ素樹脂としては、フッ化ビニリデ
ン−四フッ化エチレン共重合体〔以下「Poly(Vd
F−TFE)」という〕、エチレン−四フッ化エチレン
共重合体(ETFE)、ポリクロロトリフルオロエチレ
ン(PCTFE)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフ
ルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロ
エチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合
体(PFA)等のフッ素樹脂が用いられる。なかでも、
Poly(VdF−TFE)が好ましい。そして、上記
フッ素樹脂の溶剤としては、メチルエチルケトン、アセ
トン、メチルイソブチルケトン、トルエン、酢酸エチ
ル、テトラヒドロフラン等があげられる。これらは単独
で用いてもよいし、二種以上併用してもよい。
【0017】上記塩化ビニル系樹脂としては、塩化ビニ
ル−酢酸ビニル共重合体等があげられる。なかでも、数
平均分子量が4000〜40000の塩化ビニル−酢酸
ビニル共重合体が好ましい。そして、上記塩化ビニル系
樹脂の溶剤としては、テトラヒドロフラン、シクロヘキ
サン、アセトン、トルエン、メチルイソブチルケトン等
があげられる。これらは単独で用いてもよいし、二種以
上併用してもよい。
【0018】つぎに、上記内層13に隣接して形成され
る中間層14の形成材料としては、特に限定するもので
はないが、N−メトキシメチル化ナイロン、ナイロン1
2、共重合ナイロン等のポリアミド樹脂があげられる。
なかでも、N−メトキシメチル化ナイロンが好ましい。
そして、上記ポリアミド樹脂の溶剤としては、メタノー
ル、エタノール等の単独溶剤またはそれら単独溶剤に
水、トルエン等を混合させた混合溶剤、1−プロパノー
ル、2−プロパノール等があげられる。
【0019】そして、上記中間層14に隣接して形成さ
れる外層15の形成材料としては、特に限定するもので
はないが、上記内層13に用いるものと同種の材料が例
示できる。この内層13の形成材料と外層15の形成材
料は同一であってもよいし、異なっていてもよい。
【0020】なお、上記内層13、中間層14および外
層15の各形成材料には、必要に応じて、導電性フィラ
ー、帯電防止剤、架橋剤等を含有させてもよい。
【0021】上記導電性フィラーとしては、アルミニウ
ム粉末、ステンレス粉末等の金属粉末、c−ZnO、c
−TiO2 、c−Fe3 4 、c−SnO2 等の導電性
金属酸化物、グラファイト、カーボンブラック等の導電
性粉末、四級アンモニウム塩、リン酸エステル、スルホ
ン酸塩、脂肪族多価アルコール、脂肪族アルコールサル
フェート塩等のイオン性導電剤等があげられる。これら
導電性フィラーは、単独でもしくは二種以上を併せて用
いられる。これら導電性フィラーのなかでも、分散性の
点から、c−TiO2 およびc−SnO2 が好ましい。
なお、上記「c−」とは、導電性を有するという意味で
ある。
【0022】上記各層13〜15の形成材料を用い、例
えばつぎのようにして各層13〜15形成用のコーティ
ング液を調製する。すなわち、各層13〜15の形成材
料である合成樹脂およびその溶剤、ならびに必要に応じ
て導電性フィラー等を、それぞれ適宜の割合で配合し、
サンドミル等で分散することにより調製する。
【0023】一方、液膜形成用軸体を準備する。この液
膜形成用軸体は、樹脂液膜を外周面に形成できるもので
あれば特に限定されるものではなく、ステンレス,アル
ミニウム等の金属製のものが好適に用いられる。また、
液膜形成用軸体の形状も中実形状、中空形状のいずれも
用いることができる。
【0024】つぎに、図2に示すように、上記各コーテ
ィング液をそれぞれ槽17、槽18、槽19に収容す
る。そして、上記液膜形成用軸体20を垂直に立てて、
まず槽17に収容されている内層13形成用のコーティ
ング液中に繰り返し浸漬する。そして、所定の回数浸漬
を繰り返した後、コーティング液中から液膜形成用軸体
20を引き上げる。ついで、中間層14形成用のコーテ
ィング液および外層15形成用のコーティング液を用い
て、この順に同様の操作を行い、三層からなる樹脂液膜
を形成する。そして、乾燥し溶剤を除去した後、加熱処
理(例えば60〜150℃×60分間)を行い、上記液
膜形成用軸体20を抜き取ることにより、無端ベルトを
得ることができる。
【0025】一方、上記液膜形成用軸体20より外周長
の短い軸体を準備する。この軸体は、外周長が液膜形成
用軸体20より短いものであれば、特に限定されるもの
ではなく、液膜形成用軸体20と同種のものを用いるこ
とができる。
【0026】つぎに、図3に示すように、無端ベルト2
1で囲まれた中空部22に上記軸体23を挿通させる。
そして、挿通させた状態のまま加熱処理(例えば60〜
150℃×15分間)を行い、その後冷却(例えば、1
5〜30℃×20分間)することにより、上記無端ベル
ト21を収縮させる(アニーリング)。これによって、
上記無端ベルト21が軸体23の外周面に被着する。す
なわち、上記無端ベルト21と軸体23によってできた
空間部がなくなって、無端ベルト21内周面と軸体23
外周面とが過不足なくくっつく。このように被着するこ
とによって、収縮に伴う寸法むらを防止でき、寸法精度
が良好な製品となり得る。なお、図3において、1
3′,14′,15′は、それぞれ収縮させる前の無端
ベルト21の、内層,中間層,外層である。
【0027】そして、上記軸体23を抜き取ることによ
って、図1に示すプラスチックベルト16を得ることが
できる。
【0028】上記製法によれば、液膜形成用軸体20を
抜き取った後、それより外周長の短い軸体23を用いて
無端ベルト21を収縮させているので、無端ベルト21
内部に残存する応力を上記中空部22から逃がすことが
でき、内部応力を緩和することができる。このため、得
られるプラスチックベルト16は常温環境下および高温
環境下に放置しても寸法が大きく変化しない、寸法安定
性に優れた製品となる。
【0029】上記プラスチックベルト16の初期収縮率
は、0.2%以下に設定されていることが好ましい。す
なわち、この程度の収縮であれば、寸法安定性に優れた
ものとなり、またフルカラー複写機等に組み込んで転写
中間体として用いたとしても、複写画像の画質に悪影響
を生じさせないからである。この初期収縮率は、つぎの
ようにして測定する。すなわち、まず、製造直後のプラ
スチックベルト16の内周長(X1 )を測定する。つい
で、室温環境下(23℃)に収縮が完遂するまで放置
し、放置後のプラスチックベルト16の内周長(Y1
を測定する。そして、両内周長より内周長変化量〔Z1
(=Y1 −X1 )〕を算出し、下記の数式(1)によっ
て、初期収縮率を算出する。
【0030】
【数1】 初期収縮率=(−Z1 /X1 )×100 …(1)
【0031】上記プラスチックベルト16の高温収縮率
は、0.4%以下に設定されていることが好ましい。す
なわち、この程度の収縮であれば、寸法安定性に優れた
ものとなり、またフルカラー複写機等に組み込んで転写
中間体として用いたとしても、複写画像の画質に悪影響
を生じさせないからである。この高温収縮率は、つぎの
ようにして測定する。すなわち、まず、高温環境下(5
0℃)に放置する前のプラスチックベルト16の内周長
(X2 )を測定する。その後、50℃×80日間放置
し、放置後のプラスチックベルト16の内周長(Y2
を測定する。そして、両内周長より内周長変化量〔Z2
(=Y2 −X2 )〕を算出し、下記の数式(2)によっ
て、高温収縮率を算出する。
【0032】
【数2】 高温収縮率=(−Z2 /X2 )×100 …(2)
【0033】上記無端ベルト21を収縮させて軸体23
に被着させる方法としては、上記加熱処理後、冷却中に
軸体に被着させる方法以外に、加熱処理中に軸体に被着
させ、その後冷却する方法がある。このように、加熱処
理後、冷却を行うか否かは、収縮に用いる軸体23の外
周長によって決定される。すなわち、上記収縮させる前
の無端ベルト21について、液膜形成用軸体20の外周
長よりも充分に短い軸体(アニーリング処理で軸体に被
着させない)を使用して加熱処理を行ない冷却後得られ
た無端ベルト21の内周長変化量(Z3 )を測定してお
き、この測定値を用いて、下記の数式(3)によって算
出される割合(Q)を80%未満に設定する場合は加熱
処理中に軸体に被着させる方法を選択し、80〜100
%に設定する場合は加熱処理後冷却中に軸体に被着させ
る方法を選択する。
【0034】
【数3】Q=〔(P−R)/Z3 〕×100 …(3) 〔上記数式(3)において、Pは液膜形成用軸体20の
外周長であり、Rは軸体23の外周長である。〕
【0035】なお、上記プラスチックベルト16におい
て、内層13、中間層14および外層15の合計厚み
は、50〜250μmであることが好ましい。より好ま
しくは、100〜200μmである。すなわち、厚みが
50μm未満であると強度が不足するおそれがあり、2
50μmを超えると耐屈曲疲労性に劣るおそれがあるか
らである。
【0036】また、上記プラスチックベルト16は、内
周長が500〜600mmで、幅が300〜400mm
程度のものが好ましい。このような寸法であると、電子
写真複写機等に組み込んで用いるのに適当な大きさとな
るからである。
【0037】本発明のプラスチックベルトは、上記三層
構造に限定されるものではなく、例えば上記外層の外周
面にトナー離型性に優れた現像剤担持層を形成して四層
構造にしてもよい。
【0038】また、本発明のプラスチックベルトは、主
としてフルカラー複写機等の転写中間体として用いられ
るが、フルカラーではない、単色の電子写真複写機等の
転写中間体として用いることもできる。
【0039】つぎに、実施例について比較例と併せて説
明する。
【0040】まず、実施例および比較例に先立って、内
層形成用コーティング液a,b,中間層形成用コーティ
ング液および外層形成用コーティング液を調製した。
【0041】〔内層形成用コーティング液aの調製〕す
なわち、まず、Poly(VdF−TFE)〔エルフ・
アトケム・ジャパン社製のカイナーSL〕100重量部
と、c−TiO2 〔三菱マテリアル社製のチタンブラッ
ク13M〕36重量部とを準備した。ついで、Poly
(VdF−TFE)をアセトン400重量部に溶解した
後、上記c−TiO2 を添加し、サンドミルで攪拌し、
分散し、リン酸エステル系帯電防止剤を所定量添加し
て、内層形成用コーティング液aを調製した。
【0042】〔内層形成用コーティング液bの調製〕一
方、塩化ビニルー酢酸ビニル共重合体〔ユニオンカーバ
イド社製のソリューションビニル樹脂VAGH〕100
重量部と、c−TiO2 〔石原産業社製のタイペークE
T−500W〕7重量部と、c−TiO2 〔石原産業社
製のタイペークFT−1000〕30重量部とを準備し
た。ついで、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体をアセト
ン/トルエン混合溶剤(アセトン/トルエン=3/1)
400重量部に溶解した後、上記c−TiO2 を添加
し、サンドミルで攪拌し、分散し、リン酸エステル系帯
電防止剤を所定量添加して、内層形成用コーティング液
bを調製した。
【0043】〔中間層形成用コーティング液の調製〕つ
づいて、N−メトキシメチル化ナイロン〔帝国化学産業
社製のトレジンEF−30T〕100重量部と、c−S
nO2 〔三菱マテリアル社製の導電性酸化スズT−1〕
64重量部とを準備した。ついで、N−メトキシメチル
化ナイロンをメタノール/水混合溶剤(メタノール/水
=3/1)480重量部に溶解した後、上記c−SnO
2 を添加し、サンドミルで攪拌し、分散して、中間層形
成用コーティング液を調製した。
【0044】〔外層形成用コーティング液の調整〕つぎ
に、外層形成用コーティング液として、上記内層形成用
コーティング液aと同じものを用いた。
【0045】
【実施例1,2】そして、上記のようにして調製された
各層のコーティング液を、それぞれ別々の槽に収容した
(図2参照)。なお、使用した内層形成用コーティング
液の種類については、表1に示した。そして、前述の方
法に従い、同表に示す外周長のアルミニウム製の液膜形
成用軸体の周囲に順次、内層,中間層,外層となる樹脂
液膜を形成し、乾燥し溶剤を除去した後、加熱処理(1
05℃×60分間)を行うことにより各層を形成した。
ついで、上記液膜形成用軸体を抜き取って、三層からな
る無端ベルトを作製した。
【0046】つぎに、上記無端ベルトで囲まれた中空部
に、同表に示す外周長の軸体を挿通した(図3参照)。
そして、挿通させた状態のまま同表に示す条件で無端ベ
ルトを収縮させ、軸体に被着させた。そして、上記軸体
を抜き取った。このようにして、図1に示すような、内
層13と、これに隣接する中間層14と、この中間層1
4に隣接する外層15とからなるプラスチックベルトを
作製した。
【0047】
【比較例1,2】上記軸体を用いて収縮させることをし
ないこと以外は実施例1に準じて、プラスチックベルト
を作製した。
【0048】上記プラスチックベルトについて、前述の
方法に従って初期収縮率および高温収縮率を算出し、下
記の表2に示した。また、下記の方法にて複写画像の画
質を評価し、その結果を同表に併せて示した。
【0049】〔複写画像の画質〕得られたプラスチック
ベルトを転写中間体としてフルカラー複写機に組み込
み、常温常湿下(23℃×50%)で起動させて画出し
を行い、初期画質を評価した。また、上記プラスチック
ベルトを50℃×80日間の高温環境下に放置した後、
初期画質と同様にして評価を行った。そして、複写画像
が良好なものを○、ハーフトーン画像に濃度むらが確認
できたものを×として表記した。
【0050】
【表1】
【0051】
【表2】
【0052】上記表2の結果から、上記実施例1品(8
5%アニール品)および実施例2品(75%アニール
品)は、ともに良好な複写画像が得られた。これに対し
て、比較例1品および2品は、良好な複写画像が得られ
なかった。
【0053】
【発明の効果】以上のように、本発明の半導電性無端プ
ラスチックベルトの製法は、液膜形成用軸体の外周に多
層からなる樹脂液膜を形成し、これを乾燥して溶剤を除
去した後液膜形成用軸体を抜き取ることにより無端ベル
トを準備し、この無端ベルトで囲われた中空部に上記液
膜形成用軸体より外周長の短い軸体を挿通させ、その後
上記無端ベルトを収縮させることにより上記軸体の外周
面に被着させ、上記軸体を抜き取るようにする。このた
め、液膜形成用軸体から抜き取った無端ベルトをそのま
ま使用する場合に比べ、寸法安定性に優れたものを得る
ことができる。
【0054】特に、上記収縮を、加熱処理を行ったのち
冷却中に軸体に被着させることによって行う場合は、よ
り寸法安定性に優れたプラスチックベルトを得ることが
できるという利点がある。また、上記収縮を、加熱処理
中に軸体に被着させ、その後冷却することにより行う場
合は、製造時間が短縮でき、生産性の増大が図れるとい
う利点がある。
【0055】そして、上記製法により得られたプラスチ
ックベルトは、寸法精度が良好で、経時的な寸法変化が
ほとんどない良好な製品になるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のプラスチックベルトの一例を示す断面
図である。
【図2】本発明のプラスチックベルトの製法を説明する
ための説明図である。
【図3】本発明のプラスチックベルトの製法を説明する
ための説明図である。
【図4】電子写真複写機の複写機構を示す説明図であ
る。
【符号の説明】
21 無端ベルト 22 中空部 23 軸体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 安井 栄治 愛知県小牧市大字北外山字哥津3600番地 東海ゴム工業株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 液膜形成用軸体の外周に多層からなる樹
    脂液膜を形成し、これを乾燥して溶剤を除去した後液膜
    形成用軸体を抜き取ることにより無端ベルトを準備し、
    この無端ベルトで囲われた中空部に上記液膜形成用軸体
    より外周長の短い軸体を挿通させ、その後上記無端ベル
    トを収縮させることにより上記軸体の外周面に被着さ
    せ、上記軸体を抜き取ることを特徴とする半導電性無端
    プラスチックベルトの製法。
  2. 【請求項2】 上記収縮を、加熱処理を行ったのち冷却
    中に軸体に被着させることにより行う請求項1記載の半
    導電性無端プラスチックベルトの製法。
  3. 【請求項3】 上記収縮を、加熱処理中に軸体に被着さ
    せ、その後冷却することにより行う請求項1記載の半導
    電性無端プラスチックベルトの製法。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載された製法により得られ
    た半導電性無端プラスチックベルト。
  5. 【請求項5】 上記半導電性無端プラスチックベルトの
    初期収縮率が、0.2%以下に設定されている請求項4
    記載の半導電性無端プラスチックベルト。
  6. 【請求項6】 上記半導電性無端プラスチックベルトの
    高温収縮率が、0.4%以下に設定されている請求項4
    または5記載の半導電性無端プラスチックベルト。
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