JP2003211587A - 導電性部材、プロセスカートリッジおよび画像形成装置 - Google Patents

導電性部材、プロセスカートリッジおよび画像形成装置

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JP2003211587A
JP2003211587A JP2002011532A JP2002011532A JP2003211587A JP 2003211587 A JP2003211587 A JP 2003211587A JP 2002011532 A JP2002011532 A JP 2002011532A JP 2002011532 A JP2002011532 A JP 2002011532A JP 2003211587 A JP2003211587 A JP 2003211587A
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Hiroshi Mayuzumi
博志 黛
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 溶媒として水が使用でき、塗液中の導電材料
の分散性に優れ、導電性が均一で、電気抵抗値の温度・
湿度依存性が小さく、成形性に優れた導電性部材、この
導電性部材を用いたプロセスカートリッジ、および、帯
電ムラや帯電不良による異常画像の発生が抑制された画
像形成装置を提供する。 【解決手段】 本発明の導電性部材は、導電性基体と、
この導電性基体を被覆または導電性基体に支持された弾
性抵抗層と、この弾性抵抗層を被覆または弾性抵抗層に
支持された被覆層とを有する導電性部材であって、前記
被覆層が、アニオン系高分子と、エポキシ系架橋剤と、
スルホン酸により置換されたポリアニリンとを含有する
ことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複写機やレーザー
プリンター(LBP)等の電子写真画像形成装置に用いられ
る帯電ローラ、現像ローラ等の導電性部材、この導電性
部材を用いたプロセスカートリッジ、および、画像形成
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の電子写真画像形成装置において、
感光体表面を均一に帯電するための帯電装置や、感光体
表面に形成した可転写のトナー像を紙を主とするシート
状の転写材に静電的に転写するための転写装置として
は、タングステン等の細いワイヤーに高電圧を印加し、
その結果発生するコロナ放電を利用したコロトロン帯電
器などが一般的である。しかし、このコロナ放電を利用
した方法では、高圧電源を必要とし、また、発生するオ
ゾンによる強酸化作用のために感光体の劣化などの悪影
響を招くことがある。
【0003】そのため、従来より数多くのオゾンレス帯
電やオゾンレス転写の方式が提案されている。それらは
主に、被帯電体である感光体に導電性の帯電部材あるい
は転写部材から直接電荷を供給することにより、放電電
流を極力減少させ、結果として放電に際してオゾンの発
生量を減少させるものである。また、この方式では、コ
ロナ放電を利用した方法と比べて低い印加電圧で帯電を
行うことができる。オゾンレス帯電の形態を簡単に分類
すると、例えば帯電部材に関しては、弾性ローラを用い
た方式、ファーブラシを用いた方式、固体放電素子を用
いた方式などがある。また、放電電界の形成方式につい
ては、直流電圧を帯電部材に印加する方式、交流電圧と
直流電圧とを同時に帯電部材に印加する方式がある。
【0004】このような導電部材は、例えば、導電性基
体上に少なくとも2つ以上の抵抗層、具体的には弾性抵
抗層と被覆層とを設けることが多い。下層の抵抗層(弾
性抵抗層)には、被帯電面または被転写体とのニップ幅
を適正にするための適度な弾性を保持させる。弾性抵抗
層は、通常、ゴムや樹脂などの弾性体中にオイルや可塑
剤等の軟化剤を添加させて構成されるが、これらの軟化
剤は一般に移行性があるので感光体を汚染する場合があ
る。そのため、弾性抵抗層の上(外側)には、必要に応
じて被覆層が形成される。
【0005】このような弾性抵抗層と被覆層の抵抗構成
について、導電性部材を帯電部材とした場合、一般に帯
電部材の体積抵抗が高すぎると、感光体の帯電ムラや帯
電不良により、砂地と呼ばれるベタ白およびハーフトー
ン画像上に白や黒の斑点が散乱した異常画像が発生する
ことがある。逆に帯電部材の体積抵抗が低すぎると、感
光体表面に製造上または取り扱い上等の原因でピンホー
ルが生じた場合、そのピンホール部に対応する画像上に
反転現像のとき菱形状の異常画像を発生することがあ
る。このように帯電部材の抵抗には適正な領域が存在す
る。
【0006】そこで、帯電部材の抵抗を調整するため、
被覆層には、アクリル、ウレタン、アクリルウレタン、
ヒドリンやナイロンなどの高分子材料にケッチェンブラ
ックなどの導電材料を分散させて適度な抵抗を保持させ
る方法(電子導電系)と、イオン導電性高分子およびイ
オン導電材を用いることで適度な抵抗を達成する方法
(イオン導電系)とがある。
【0007】後者のイオン導電系材料を使用する場合
は、一般に、その導電性は均一であるが、湿度や温度と
いった環境変化に対する電気抵抗値の変化が比較的大き
く、導電性部材として使用する場合に機械的に制約があ
ることもある。
【0008】一方、前者の導電材料(電子導電系材料)
を高分子マトリックス層中に分散させる場合は、一般
に、イオン導電系材料を使用する場合と比べて抵抗の環
境依存性は少なくなるものの、均一な導電性という点で
は懸念が残っている。
【0009】従来、導電性部材の被覆層に分散される導
電材料には、銀、ニッケル等の金属粉、固溶体、金属酸
化物、あるいはカーボンブラック等が用いられている。
また、ポリアニリン等の導電性高分子も導電材料として
用いられている。
【0010】銀、ニッケル等の金属粉、固溶体、金属酸
化物、カーボンブラック等を導電材料として使用する場
合、均一な分散が困難なため、電子写真装置に使用する
ような一般にいう中抵抗領域では、抵抗値を一定に制御
することが困難であった。
【0011】一方、電解酸化重合などにより得られるポ
リアニリンのような導電性高分子においても、ほとんど
全ての溶剤に不溶であり、その加工性に課題があった。
また、これらの導電材料を水系塗料などの液中に安定し
て分散させるには界面活性剤などの分散剤が必要とな
り、その結果、被覆層中の分散剤により被覆層の電気抵
抗が湿度依存性を示す場合があった。
【0012】そのため、スルホン酸基を導入して水溶性
としたポリアニリン系導電性高分子を塗料中に添加する
方法が提案されている。
【0013】例えば、特開平7−118524号公報に
は、スルホン基を全芳香環に対して15〜80%の割合
で含有するアニリン系導電性ポリマー類(a)、水溶性
高分子化合物及び水系でエマルジョンを形成する高分子
化合物よりなる群から選ばれた少なくとも一種の高分子
化合物(b)、水(c)とアミン類及び第四級アンモニ
ウム塩類よりなる群から選ばれた少なくとも一種の含窒
素化合物(d)を含有することを特徴とする導電性組成
物(導電性エマルジョン組成物)、また、(a)スルホ
ン基を全芳香環に対して15〜80%の割合で含有する
アニリン系導電性ポリマー類、および(b)水溶性高分
子化合物及び水系でエマルジョンを形成する高分子化合
物から選ばれた少なくとも一種の高分子化合物を含んで
なる透明導電性高分子膜から形成された導電体が開示さ
れている。しかしながら、このものは架橋剤を使用して
いない。後述の実施例で明らかになると思うが、水溶性
ポリアニリン系導電性高分子を含有する水溶性塗料に対
して架橋剤を使用しない場合には、温度および湿度の影
響によりその塗膜(被覆層)の物性は急激に変化してし
まう。例えば、高温・高湿度下に導電部材を放置する
と、求める抵抗値が水溶性高分子単独で示す抵抗値と近
い場合などは特に、水溶性高分子に空気中の水分が吸着
するために、抵抗値の低下を招きやすい。この結果、本
発明が使用される画像形成装置においては、過電流によ
る異常画像が発生することがある。
【0014】また、塗膜の機械的特性上、抵抗値の環境
依存性の低下のためにメラミン系架橋剤を使用すると、
皮膜の導電性が損なわれることがある。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、溶媒として
水が使用でき、塗液中の導電材料の分散性に優れ、導電
性が均一で、電気抵抗値の温度・湿度依存性が小さく、
成形性に優れた導電性部材、この導電性部材を用いたプ
ロセスカートリッジ、および、帯電ムラや帯電不良によ
る異常画像の発生が抑制された画像形成装置を提供する
ことを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は以下
の本発明により達成できる。 (1)導電性基体と、この導電性基体を被覆または導電
性基体に支持された弾性抵抗層と、この弾性抵抗層を被
覆または弾性抵抗層に支持された被覆層とを有する導電
性部材であって、前記被覆層が、アニオン系高分子と、
エポキシ系架橋剤と、スルホン酸により置換されたポリ
アニリンとを含有することを特徴とする導電性部材。 (2)前記アニオン系高分子が、水溶性高分子化合物、
または、水系でエマルジョンを形成する高分子化合物で
あることを特徴とする前記(1)の導電性部材。 (3)前記エポキシ系架橋剤のエチレンオキシド単位の
繰り返し数が4以上12以下であることを特徴とする前
記(1)または(2)の導電性部材。 (4)電子写真画像形成装置に用いる帯電部材であるこ
とを特徴とする前記(1)〜(3)のいずれかの導電性
部材。 (5)帯電手段、現像手段またはクリーニング手段の少
なくとも一つと電子写真感光体とを一体的にカートリッ
ジ化し、画像形成装置本体に対して着脱可能であるプロ
セスカートリッジであって、前記(1)〜(4)のいず
れかの導電性部材を有することを特徴とするプロセスカ
ートリッジ。 (6)少なくとも感光ドラムと前記(4)の帯電部材と
を有する前記(5)のプロセスカートリッジ。 (7)前記(1)〜(4)のいずれかの導電性部材を有
することを特徴とする画像形成装置。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明の導電性部材は、導電性基
体と、この導電性基体を被覆または導電性基体に支持さ
れた弾性抵抗層と、この弾性抵抗層を被覆または弾性抵
抗層に支持された被覆層とを有する導電性部材であっ
て、前記被覆層が、アニオン系高分子と、エポキシ系架
橋剤と、スルホン酸により置換されたポリアニリンとを
含有することを特徴とする。なお、ここで、被覆とはロ
ーラ状の導電性部材においてある層の外側に積層するこ
とをいい、支持とはブレード状の導電性部材においてあ
る層の上に積層することをいう。
【0018】スルホン酸により置換されたポリアニリン
は、水に溶解し、好ましくはpH7〜10の水溶液に溶解
する。アニオン系高分子は、特にpH7〜10におい
て、水に対して安定して分散する。このため、スルホン
酸により置換されたポリアニリンに対して、アニオン系
高分子をバインダー材料として使用することで、特に塩
基性雰囲気下において、バインダーのアニオン系高分子
の分散性と導電剤のポリアニリンの溶解性が塗料液中で
均一な状態となる。また、水系でエマルジョンを形成す
るアニオン系高分子を使用した場合も同様に、特に塩基
性雰囲気下において、バインダーのアニオン系高分子は
水に対して均一な分散状態となり、導電剤のポリアニリ
ンとは水に対して均一な溶解状態となる。これにより、
被覆抵抗層を均一な導電性にできる。
【0019】しかも、被覆層の形成に用いる塗液は、導
電材料の沈降や凝集がほとんどなく、安定して均一に分
散できるとともに、その導電性を失うことがあまりな
い。
【0020】また、エポキシ系架橋剤を用いることで、
スルホン酸により置換された水溶性ポリアニリン、特に
スルホン酸に対しての相互作用を抑制できるために、ポ
リアニリンの導電性を低下することがほとんどない。ま
た、アニオン系高分子との架橋反応により、機械的特性
が向上し、湿度・温度に対する導電特性の変化が少なく
なる。
【0021】さらには、エポキシ系架橋剤のエチレンオ
キシド単位の繰り返し数を4以上12以下にすること
で、硬度の低い導電性皮膜を形成でき、安定性が高い塗
料が得られる。
【0022】導電性塗膜の架橋剤としてメラミン系架橋
剤等を使用する場合、成膜性、加工性の点で優れるもの
の、ポリアニリンによる導電性が損なわれることがあ
る。また、水溶性塗料に対して架橋剤を使用しない場
合、温度および湿度の影響によりその塗膜物性は急激に
変化してしまうことがあり、本発明が使用される画像形
成装置において過電流による異常画像が発生することが
ある。エポキシ系架橋剤を用いることで、ポリアニリン
による導電性を損なうことなく、導電性の均一、湿度・
温度に対する導電特性の安定性を実現できる。
【0023】以下、本発明を図面に基づいて説明する。
【0024】図1は本発明の導電性部材の一実施例(接
触帯電装置)を示す概略断面図であり、図3は導電性部
材をローラ状の帯電部材として組み込んだ帯電装置を概
念的に示す図であり、図4は導電性部材を帯電部材とし
て画像形成装置に適用した例を示す概略図である。な
お、本発明の導電性部材はこれらに限定されるものでは
なく、非回転ローラやブレード状のパッド部材等であっ
てもよい。
【0025】図1に示す本発明の導電性部材(接触帯電
装置)は、導電性基体5を弾性抵抗層7と被覆層8とに
より覆設された構造を有する。弾性抵抗層7と被覆層8
とは、それぞれ、抵抗層の下層と上層(最表面層)とで
あるが、特にこれに限定されるものではなく、3層以上
の層からなっても構わない。
【0026】弾性抵抗層7の体積抵抗値は、被覆層に過
剰な電圧印加がおこらないように、1×102Ω・cm以
上が好ましく、また、被帯電体表面を帯電させるため
に、1×1013Ω・cm以下が好ましい。
【0027】弾性抵抗層7の厚さは特に限定されない
が、通常、0.1〜10mm程度である。
【0028】弾性抵抗層7に用いる弾性体としては、例
えばポリブタジエン、天然ゴム、ポリイソプレン、SBR
(スチレンブタジエンゴム)、CR(クロロプレンゴ
ム)、EPDM(エチレン・プロピレン・ジエンターゴ
ム)、IIR(ブチルゴム)、NBR(ニトリルブタジエンゴ
ム)、シリコーンゴム、ウレタンゴム、エピクロルヒド
リンゴム等のゴムや、RB(ブタジエン樹脂)、SBS(ス
チレン・ブタジエン・スチレンエラストマー)等のポリ
スチレン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル
系樹脂、ポリウレタン、PVC(ポリ塩化ビニル)、アク
リル系樹脂、スチレン・酢酸ビニル共重合体、ブタジエ
ン・アクリロニトリル共重合体等の高分子材料に弾性を
付与したものを用いることができる。このうち、ポリオ
レフィン系材料が広く使用されている。これは、ポリオ
レフィン系材料、特にEPDM等よりなる成型体は、その表
面に官能基がないため耐溶剤性、耐オゾン性、耐熱性等
がよく、また、成形加工性に優れ、比較的安価で、汚染
性も少ないので、電子写真装置等の長期の使用において
も安定した性能を維持することができる弾性体である等
の理由からである。弾性抵抗層を形成するために、これ
らの材料1種を用いても、2種以上を併用してもよい。
【0029】また、弾性抵抗層7は、ソリッドでも発泡
体(スポンジ状)でもよい。特に、弾性抵抗層7は、低
硬度で、感光体とのニップ幅が十分にとれ、均一な帯電
ができ、帯電部材に印加される電圧が直流電圧と交流電
圧の重畳の場合に生じる帯電音に対して消音効果のある
発泡体であることが好ましい。
【0030】また、弾性抵抗層7の表面は、ソリッドま
たは発泡体の研磨面でも、モールド内面が転写された面
やスキャン面でもよく、特に限定されるものではない。
特に、平滑なモールド内面が転写された面を持つことが
好ましい。
【0031】発泡剤を用いることで発泡体を製造する場
合、発泡剤としては、A.D.C.A.(アゾジカルボナミド)
系、D.P.T.(ジ―ニトロソペンタメチレンテトラミン)
系、O.B.S.H.(4,4’―オキシビス―ベンゼンサルフ
ォニル―ヒドラジド)系、T.S.H.(P―トリエンサルフ
ォニルヒドラジド)系、A.I.B.N.(アゾビスイソブチロ
ニトリル)系などを使用することができ、特にA.D.C.A.
系、O.B.S.H.系のブレンドでは緻密な発泡体でかつ加硫
のタイト(架橋密度が高い)な発泡体が得られる。発泡
剤は1種を用いても2種以上を併用してもよい。なお、
発泡剤の配合量は適宜決めればよい。
【0032】また、弾性抵抗層7には、必要に応じて加
硫剤を配合してもよい。加硫剤としては、イオウ、過酸
化物、オキシム等公知の加硫剤を使用できる。なお、加
硫材の配合量は適宜決めればよい。
【0033】弾性抵抗層7には、この他に、加硫促進
剤、老化防止剤、可塑剤等を添加してもよい。
【0034】このような弾性抵抗層7は、公知の方法に
より形成すればよい。例えば、発泡剤を混合した弾性体
素材を押出成形し、これを加熱して発泡、加硫硬化する
方法、弾性体素材を金型内に注入するインジェクション
やトランスファー等が挙げられる。
【0035】弾性抵抗層を被覆する、または、弾性抵抗
層に支持された被覆層8は、アニオン系高分子と、エポ
キシ系架橋剤と、スルホン酸により置換されたポリアニ
リンとを含有する。
【0036】被覆層8の体積抵抗値は、被帯電体への過
剰電流を防止する点で1×104Ω・cm以上が好まし
く、また、被帯電体表面を帯電させるためには1×10
13Ω・cm以下が好ましい。
【0037】被覆層8の厚さは特に限定されないが、通
常、1〜200μm程度である。
【0038】本発明に用いるアニオン系高分子として
は、例えば、ポリビニルエーテル、ポリウレタン、アク
リル樹脂、ポリエステル、ポリ酢酸ビニル等の樹脂およ
びゴムの側鎖にスルホン酸イオン、カルボン酸イオン等
のアニオン性官能基に由来する側鎖を有することで、そ
のイオン性をもって水に対して自己乳化性を有するもの
や、アニオン性官能基を有するオレフィン樹脂アイオノ
マー等が挙げられる。
【0039】このようなアニオン系高分子は、例えば、
東洋紡績株式会社のバイロナールシリーズ、第一工業製
薬株式会社のエラストロンシリーズ、旭電化工業株式会
社のアデカボンタイターシリーズ等として市販されてい
る。また、アルキルサルフェートナトリウム塩、ポリオ
キシエチレンアルキルエーテルサルフェートトリエタノ
ールアミン塩や、ヤシ脂肪酸カリウム、ステアリン酸ナ
トリウムなど、スルホン酸イオン、カルボン酸イオン等
のアニオン性官能基に由来するアニオン性界面活性剤に
より、本来は水に安定して分散することができない樹脂
材料を水に強制乳化させたエマルジョン型のアニオン系
高分子材料も使用できる。このようなアニオン系高分子
材料としては、大日本インキ化学工業株式会社のボンコ
ートシリーズ、第一工業製薬株式会社のエラストロンBN
シリーズ等として市販されている。
【0040】なお、本発明で用いるアニオン系高分子の
重量平均分子量は特に限定されない。
【0041】アニオン系高分子は1種を用いても2種以
上を併用してもよい。
【0042】本発明では、導電材料としてスルホン酸に
より置換されたポリアニリンを用いる。このものは、ス
ルホン酸を有することにより、水に溶解し、特に塩基性
水溶液に溶解する。
【0043】本発明で用いるスルホン酸により置換され
たポリアニリンは、溶解性と導電性の観点から、芳香環
5個に対して1個以上のスルホン酸基が存在することが好
ましい。
【0044】本発明で用いるポリアニリンは、スルホン
酸基の他に、例えば、アルキル基(置換基を有するもの
を含む)、水酸基、ニトロ基、アルコキシ基、アリール
基(置換基を有するものを含む)、ハロゲン等の置換基
を有していてもよい。
【0045】なお、本発明で用いるスルホン酸により置
換されたポリアニリンの重量平均分子量は特に限定され
ない。
【0046】スルホン酸により置換されたポリアニリン
の合成法としては、アニリンとm−アミノベンゼンスル
ホン酸を電気化学的に重合してスルホン化ポリアニリン
を合成する方法、化学的にあるいは電気化学的に重合し
て得られるエメラルディンタイプの重合体を濃硫酸でス
ルホン化する方法、発煙硫酸でスルホン化する方法など
が知られている。
【0047】スルホン酸により置換されたポリアニリン
は1種を用いても2種以上を併用してもよい。
【0048】スルホン酸により置換されたポリアニリン
の添加量は、被覆層の抵抗値を所望の抵抗値にするよう
に添加すればよく、それ以外は特に限定されないが、通
常、被覆層を中抵抗領域に抵抗のムラが少なく制御する
ため、アニオン系高分子100質量部に対して1質量部
以上が好ましい。また、スルホン酸により置換されたポ
リアニリンの添加量は、通常、被覆層の膜強度を損なわ
ないために、アニオン系高分子100質量部に対して5
00質量部以下が好ましい。
【0049】本発明では、架橋剤としてエポキシ系架橋
剤を用いる。
【0050】エポキシ系架橋剤は特に限定されず、公知
のものを用いることができるが、エポキシ系架橋剤の構
造中にエチレンオキシド単位の繰り返し構造を有し、エ
チレンオキシド単位の繰り返し数が特に4〜12である
ことが、硬度の低い導電性皮膜を形成でき、安定性の高
い塗料が得られるので好ましい。
【0051】このようなエポキシ系架橋剤は、共栄社化
学株式会社のエポライトシリーズ、長瀬産業株式会社の
デナコールシリーズ等として市販されている。
【0052】エポキシ系架橋剤は1種を用いても2種以
上を併用してもよい。
【0053】エポキシ系架橋剤の添加量は特に限定され
ないが、通常、温度および湿度の影響による被覆層の物
性の変化を抑制し、また被覆層の強度を高めるため、ア
ニオン系高分子100質量部に対して0.1質量部以上が
好ましい。また、エポキシ系架橋剤の添加量は、通常、
被覆層の柔軟性を保つため、アニオン系高分子100質
量部に対して500質量部以下が好ましい。
【0054】被覆層8には、この他に、消泡剤、補強剤
等を添加してもよい。
【0055】このような被覆層8は、これらのアニオン
系高分子とエポキシ系架橋剤とポリアニリンとを水、好
ましくは塩基性の水溶液に溶解、または、分散させ、こ
の溶液を塗布、スプレー、ディップ等により塗工し、乾
燥することで得られる。
【0056】水(水溶液)は、必要に応じてアンモニア
等の塩基を溶解させて用いる。ポリアニリンが十分に溶
解し、アニオン系高分子が安定的に分散するためには、
用いる水溶液のpHは7〜10程度が好ましい。
【0057】このとき、溶液(エマルジョンを形成する
場合、その全体量)中のアニオン系高分子、エポキシ系
架橋剤およびポリアニリンの合計量は適宜決めればよい
が、通常、塗工時のダレ等の防止の点から、1質量%以
上が好ましい。また、溶液(エマルジョンを形成する場
合、その全体量)中のアニオン系高分子、エポキシ系架
橋剤およびポリアニリンの合計量は、通常、被覆抵抗層
の層厚を制御しやすいことから、90質量%以下が好まし
い。
【0058】溶媒には水を用いるが、水と相溶性のある
アルコール等の有機溶媒1種以上を混合して用いてもよ
い。
【0059】通常、乾燥工程により溶媒である水を蒸発
させた後、加熱等を施すとことにより、アニオン系高分
子とエポキシ系架橋剤の架橋反応を行わせる。乾燥条件
(架橋条件)は用いる高分子、架橋剤等に応じて適宜決
めればよい。
【0060】導電性基体5(芯金)は特に限定されない
が、基体としての強度があり、導電性を示すものが好適
である。これらの材料としては鉄、ステンレス、アルミ
ニウム、導電性プラスチック等がある。
【0061】本発明の導電性部材は、通常、導電性基
体、弾性抵抗層および被覆層からなるが、その他にブリ
ード防止層、抵抗調整層等の層を設けてもよい。また、
弾性抵抗層や被覆層を2層以上設けてもよい。
【0062】図3は導電性部材をローラ状の帯電部材と
して組み込んだ帯電装置を概念的に示す図である。
【0063】図3に示す帯電装置1は、導電性基体5を
抵抗層6により覆設された構造を有する帯電部材2と電
源3とから構成され、前記抵抗層6は最表面層の被覆層
8と、下層の弾性抵抗層7からなっている。
【0064】また、ドラム状電子写真感光体である感光
ドラム10は、R方向に回動可能な接地された感光ドラ
ム基体11に、OPC(有機感光体)、アモルファスシリ
コン、セレン、酸化亜鉛等の感光体12を覆設した構造
をしている。
【0065】なお、前記感光体12はドラム状に限ら
ず、ベルト状またはシート状であってもよい。また、帯
電部材2としては、ローラ形状のものを用いているが、
非回転ローラやブレード状のパッド部材等であってもよ
い。
【0066】帯電部材2は感光体12に当接し、また電
源3を介して感光体12と接続されて電気回路が構成さ
れている。電源3により接触帯電装置2と感光体12と
のニップ部13が帯電し、ニップ部13が感光体12の
動きにつれて移動するので感光体12表面全体が帯電さ
れる。
【0067】図4は導電性部材を帯電部材として画像形
成装置に適用した例を示す概略図である。
【0068】画像形成装置4は、図1、3に示すような
帯電部材2と感光ドラム10とを有し、さらに、現像器
31、転写部材32、定着器33、クリーナ34、像形
成装置に一体的に着脱可能なユニットとしてプロセスカ
ートリッジ35を有している。
【0069】図3に示すように、感光体12表面全体が
帯電された後、画像情報に応じてレーザー光Lで露光し
て感光体12表面に潜像を形成し、次に現像器31でト
ナーにより現像し、転写部では転写部材32で転写材に
転写し、定着器33で熱定着する。一方、感光ドラム1
0は、転写後クリーナ34でクリーニングされ、次回像
形成に備える。
【0070】ここで、プロセスカートリッジとは、像担
持体としての電子写真感光体と、作用手段としての帯電
手段、現像手段またはクリーニング手段の少なくとも一
つとを一体的にカートリッジ化したものであり、画像形
成装置(例えば、複写機、LBP等)本体に対して着脱可
能である。プロセスカートリッジは少なくとも感光ドラ
ムと帯電部材とを備えていればよい。
【0071】感光ドラム10は、次のように構成され
る。
【0072】感光体12は、感光ドラム基体11の上に
設けられる。感光ドラム基体11としては、支持体自体
が導電性をもつもの、例えばアルミニウム、アルミニウ
ム合金、ステンレス、ニッケル等の金属を用いることが
でき、その他に、アルミニウム、アルミニウム合金、酸
化インジウム―酸化錫合金等を真空蒸着によって被膜形
成した層を有するプラスチック、導電性粒子(例えばカ
ーボンブラック、酸化錫粒子等)を適当なバインダーと
ともに金属やプラスチックに塗布した支持体、導電性バ
インダーを有するプラスチック等を用いることができ
る。
【0073】感光ドラム基体11と感光体12の中間
に、バリヤー機能と接着機能とをもつ下引層を設けるこ
ともできる。下引層は、カゼイン、ポリビニルアルコー
ル、ニトロセルロース、エチレン―アクリル酸コポリマ
ー、ポリアミド(ナイロン6、ナイロン66、ナイロン
610、共重合ナイロン等)、ポリウレタン、ゼラチ
ン、酸化アルミニウム等によって形成できる。下引層の
膜厚は5μm以下、特に0.5μm〜3μmが好まし
い。下引層は、その機能を発揮するためには、10×1
7Ω・cm以上であることが好ましい。
【0074】感光体12は、有機または無機の光導電体
を必要に応じてバインダー樹脂とともに塗工することで
形成でき、また蒸着によっても形成することができる。
感光層(感光体)の形態としては、電荷発生層と電荷輸
送層の機能分離型積層感光層が好ましい。
【0075】電荷発生層は、アゾ顔料、フタロシアニン
顔料、キノン顔料、ペリレン顔料等の電荷発生物質を蒸
着、または、適当なバインダー樹脂とともに(バインダ
ーがなくても可)塗工することによって形成できる。電
荷発生層の膜厚は、0.01μm〜5μm、特に0.05
μm〜2μmが好ましい。
【0076】電荷輸送層は、ヒドラゾン化合物、スチリ
ル化合物、オシサゾール化合物、トリアリールアミン化
合物等の電荷輸送物質を成膜性のあるバインダー樹脂に
溶解させて形成することができる。電荷輸送層の膜厚は
5μm〜50μm、特に10μm〜30μmが好まし
い。
【0077】
【実施例】<実施例1>本実施例で使用した帯電部材は
以下のような方法で製造した。
【0078】エピクロルヒドリン−エチレンオキサイド
−アリルグリシジルエーテル三元共重合体(三井石油化
学製、商品名:EPT4045)100質量部、ステア燐
酸1質量部、酸化亜鉛5質量部、炭酸カルシウム60質
量部、アジピン酸エステル10質量部を混合し、次い
で、硫黄0.5質量部、テトラエチルチウラムジスルフ
ィド1質量部、ジベンゾチアジルジスルフィド1.5質
量部、発泡剤としてOBSH5質量部を添加し、混練り
した。そして、得られた原料組成物からチューブ状に成
形するために、外径がφ5.0mmであるマンドレルと内
径がφ7.5mmであるダイをセットした押出機を用いて
チューブ状に押し出した後、長さを金型内の空孔部の長
さ224mmに対し略同一長さにカットし、外径はφ9.
8mm、内径はφ6.3mmであるチューブ状の原料組成物
を作成した。
【0079】次に、第2図に模式的に示すように、予め
接着剤(日本製紙株式会社製、商品名:スーパークロ
ン)を塗布した、直径がφ6mm、材質がSUMの芯金5
を、チューブ状の原料組成物22に挿入し、これを円筒
形金型20内部に、金型両端に設けられている蓋体21
で固定し、配置した。そして、予め180℃に熱した加
熱盤に挿入し、15分加熱して加硫、発泡を行い、直径
φ6mmの芯金上に、直径φ11.8mm、長さ224mm、
発泡による空孔部の直径が平均で100μmの導電性発
泡体を得た。その体積抵抗値は1×106Ω・cm、表面の1
0点平均粗さRzは0.9μmであった。
【0080】次に、この導電性発泡体(弾性抵抗層)を
形成した芯金を、オレフィン系接着剤(スーパークロン
851L 日本製紙)をトルエンに乾燥重量5質量%に希釈
した接着剤溶液に30秒間含浸し(ディッピング)、1
30℃のオーブンで2分間乾燥させた。
【0081】被覆層用塗料として、カルボン酸を側鎖に
もつ自己乳化型水系のアニオン系ウレタン(旭電化工業
社製、商品名:HUX386)の乾燥重量100質量部に対し
て、エチレンオキシドの繰り返し数が12のエポキシ系
架橋剤(長瀬産業株式会社製、商品名:デナコールEX84
1)3質量部、側鎖にスルホン酸基をもつポリアニリン
(三菱レイヨン株式会社製、商品名:アクアセイブ)4
0質量部を混合し、アニオン系ウレタン、エポキシ系架
橋剤およびポリアニリンの合計含有量が15%、アンモ
ニア濃度が0.01mol/Lとなるように0.1mol/Lアンモニ
ア水溶液および水を混合し、pH9.1の導電性塗液を作成
した。
【0082】用いたポリアニリンをイオンガスクロマト
グラフィーで測定した結果、芳香環5個に対して2個の
スルホン酸基が存在することがわかった。
【0083】次いで、接着剤処理をした導電性発泡体に
対して、塗液を1時間静置後、ディッピングにより塗工
し、常温で指触乾燥させた後、150℃で30分間オー
ブンで架橋反応を行い、厚み20μmの被覆層を形成し
た。このようにして形成した被覆層の体積抵抗値は、温
度20℃、湿度50%で2×108Ω・cmであった。
【0084】このようにして帯電ローラ1を作製し、こ
れを帯電部材2に用いて図3に概略図示される接触帯電
装置1を作製した。本実施例では、OPCの感光体を覆設
した感光ドラムを使用した。
【0085】15℃、室温湿度15%と30℃、室温湿
度80%の環境下において、帯電ローラ1を円柱状の金
属ドラムに当接させ、回転させた状態で、導電性基体と
金属ドラム間に直流100Vの電圧を印加し、金属ドラ
ムと直列に接続した抵抗体にかかる電圧を測定して、帯
電ローラの抵抗値を求めた。その結果を表1に示す。
【0086】帯電ローラ1の抵抗値の環境依存性は少な
く、使用上問題ないことがわかった。
【0087】また、帯電ローラ1を用いた接触帯電装置
について、帯電不良による異常画像の発生を、初期およ
び10000枚の通紙耐久後に検討した。その結果、お
よび、10000通紙耐久後のドラム表面の観察結果を
表1に示す。このとき、―670Vの直流電圧に920H
zの交流電圧を変化させながら重畳したものを印加し、O
PC感光体ドラムの周速度を100mm/secとした。
【0088】ここで、異常画像の発生の評価は、 ○:ハーフトーン画像において、過帯電による白斑点の
発生がない、 ×:ハーフトーン画像において、過帯電による白斑点の
発生がある、 とした。
【0089】また、ドラム表面の観察結果は、 ○:目視検査により、トナー等の固着跡がない、 △:目視検査により、トナー等の固着跡がわずかにある
が、異常画像として確認できない、 ×:目視検査により、トナー等の固着跡があり、異常画
像として確認できる、 とした。
【0090】帯電ローラ1を用いた接触帯電装置の画像
は、初期および10000枚通紙後も異常画像の発生が
なく、良好な画像が得られた。また、10000枚通紙
後のドラム表面はトナー等の付着跡が確認されなかっ
た。
【0091】また、被覆層の形成に使用した塗液を12
時間放置して塗液の安定性を調べた。その結果を表1に
示す。
【0092】ここで、塗液の安定性の評価は、 ○:塗液の分離(上澄みまたは沈降)が確認されない、 ×:塗液の分離(上澄みまたは沈降)が確認される、 とした。
【0093】帯電ローラ1の被覆層の形成に使用した塗
液は、12時間放置しても塗液の分離がなく、安定した
導電性を示した。
【0094】
【表1】 <実施例2>アニオン系高分子として、ウレタン樹脂の
アニオン系エマルジョン(旭電化工業社製、商品名:ア
デカボンタイター HUX290H)を使用し、架橋剤とし
て、エチレンオキシド単位の繰り返し数が4であるエポ
キシ系架橋剤(長瀬産業株式会社製、商品名:デナコー
ルEX821)を使用した以外は、実施例1と同様にして帯
電ローラ2を作製し、これを用いて接触帯電装置を作製
し、評価した。その結果を表1に示す。このようにして
形成した被覆層の体積抵抗値は、温度20℃、湿度50%で
3×108Ω・cmであった。
【0095】帯電ローラ2の抵抗値の環境依存性は少な
く、使用上問題ないことがわかった。
【0096】帯電ローラ2を用いた接触帯電装置の画像
は、初期および10000枚通紙後も異常画像の発生が
なく、良好な画像が得られた。また、10000枚通紙
後のドラム表面はトナー等の付着跡が確認されなかっ
た。
【0097】帯電ローラ2の被覆層の形成に使用した塗
液は、12時間放置しても塗液の分離がなく、安定した
導電性を示した。
【0098】<実施例3>アニオン系の高分子として、
オレフィン樹脂アイオノマーのアニオン系エマルジョン
(三井化学株式会社製、商品名:ケミパールSA-100)を
使用し、架橋剤として、4つのエポキシ末端を持つエポ
キシ系架橋剤(長瀬産業株式会社製、商品名:デナコー
ルEX821)を使用した以外は、実施例1と同様にして帯
電ローラ3を作製し、これを用いて接触帯電装置を作製
し、評価した。その結果を表1に示す。このようにして
形成した被覆層の体積抵抗値は、温度20℃、湿度50%で
3×108Ω・cmであった。
【0099】帯電ローラ3の抵抗値の環境依存性は少な
く、使用上問題ないことがわかった。
【0100】帯電ローラ3を用いた接触帯電装置の画像
は、初期および10000枚通紙後も異常画像の発生が
なく、良好な画像が得られた。また、10000枚通紙
後のドラム表面はトナーが固着したと思われる非常に小
さい痕跡を確認したが、画像評価では10000枚通紙
後でも良好な画像が得られた。
【0101】帯電ローラ3の被覆層の形成に使用した塗
液は、12時間放置しても塗液の分離がなく、安定した
導電性を示した。
【0102】<比較例1>アニオン系高分子の代わり
に、アミノ基を側鎖にもつことで自己乳化するカチオン
系高分子(旭電化株式会社製、商品名:アダカボンタイ
ターHUX670)を使用した以外は、実施例1と同様にして
帯電ローラ4を作製し、これを用いて接触帯電装置を作
製し、評価した。その結果を表1に示す。このようにし
て形成した被覆層の体積抵抗値は、温度20℃、湿度50%
で2×108Ω・cmであった。
【0103】帯電ローラ4の抵抗値の環境依存性は大き
く、使用上問題があることがわかった。
【0104】帯電ローラ4を用いた接触帯電装置の画像
は、初期および10000枚通紙後ともに過帯電による
白斑点が観察された。また、10000枚通紙後のドラ
ム表面はトナーの固着跡が確認された。
【0105】帯電ローラ4の被覆層の形成に使用した塗
液は、12時間放置すると塗液の分離が観察された。
【0106】<比較例2>エポキシ系架橋剤を使用せず
に被覆層を形成した以外は、実施例1と同様にして帯電
ローラ5を作製し、これを用いて接触帯電装置を作製
し、評価した。その結果を表1に示す。このようにして
形成した被覆層の体積抵抗値は、温度20℃、湿度50%で
3×108Ω・cmであった。
【0107】帯電ローラ5の抵抗値の環境依存性は大き
く、使用上問題があることがわかった。
【0108】帯電ローラ5を用いた接触帯電装置の画像
は、10000枚通紙後に過帯電による白斑点が観察さ
れた。また、10000枚通紙後のドラム表面はトナー
の固着跡が確認された。
【0109】<比較例3>フラスコ容器に蒸留水100g、
2mol/l塩酸12mlを入れ、アニリン20gを溶解させた。次
いで、混合液を−5℃に冷却後、3mol/lの硫酸水溶液を
加えた。次に、予めペルオキソ二硫酸アンモニウムを2m
ol/lで溶解させた酸化剤溶液を徐々に滴下し、黒緑色の
粉末を析出させた。最後に、水とアセトンを使用して洗
浄し、ポリアニリンの重合体粉末10gを得た。被覆層
用塗料として、カルボン酸を側鎖にもつ自己乳化型水系
のアニオン系ウレタン(旭電化工業社製、商品名:HUX3
86)の乾燥重量100質量部に対して、エチレンオキシ
ドの繰り返し数が12のエポキシ系架橋剤(長瀬産業株
式会社製、商品名:デナコールEX841)3質量部を混合
した。次いで、アニオン系ウレタンの乾燥重量に対し
て、ポリアニリン粉末100質量部をペイントシェイカー
により30分混合させて被覆層用塗料を作成した。そし
て、実施例1と同様に塗工を行い、帯電ローラ6を作製
し、これを用いて接触帯電装置を作製し、評価した。そ
の結果を表1に示す。このようにして形成した被覆層の
体積抵抗値は、温度20℃、湿度50%で9×109Ω・cmで
あった。
【0110】帯電ローラ6の抵抗値の環境依存性は少な
く、使用上問題ないことがわかった。
【0111】帯電ローラ6を用いた接触帯電装置の画像
は、初期および10000枚通紙後ともに過帯電による
白斑点が観察された。また、10000枚通紙後のドラ
ム表面はトナーの固着跡が確認された。
【0112】帯電ローラ6の被覆層の形成に使用した塗
液は、12時間放置すると塗液の分離が観察された。
【0113】<比較例4>被覆層用塗料として、アニオ
ン系ウレタン(旭電化工業社製、商品名:HUX386)の乾
燥重量100質量部に対して、架橋剤として、メラミン
系架橋剤(三和ケミカル製、商品名:MW30)8質量部、
側鎖にスルホン酸基をもつポリアニリン(三菱レイヨン
株式会社製、商品名:アクアセイブ)40質量部を混合
し、アニオン系ウレタン、メラミン系架橋剤およびポリ
アニリンの合計含有量が12%、アンモニア濃度が0.01
mol/Lとなるように0.1mol/Lアンモニア水溶液および
水を混合し、pH9.1の導電性塗液を作成した以外は、実
施例1と同様にして帯電ローラ7を作製し、これを用い
て接触帯電装置を作製し、評価した。その結果を表1に
示す。このようにして形成した被覆層の体積抵抗値は、
温度20℃、湿度50%で5×1011Ω・cmであった。
【0114】帯電ローラ7の抵抗値の環境依存性は少な
いが、抵抗値が非常に高く、メラミン系架橋剤を使用し
たことでポリアニリンの導電性が損なわれることが分か
った。
【0115】帯電ローラ7を用いた接触帯電装置の画像
は、初期および10000枚通紙後で帯電不良による異
常画像が確認された。また、10000枚通紙後のドラ
ム表面はトナー等の付着が激しかった。
【0116】帯電ローラ7の被覆層の形成に使用した塗
液は、12時間放置しても塗液の分離がなかった。
【0117】
【発明の効果】本発明によれば、溶媒として水が使用で
き、塗液中の導電材料の分散性に優れるため導電性が均
一で、電気抵抗値の温度・湿度依存性が小さく、成形性
に優れた導電性部材、この導電性部材を用いたプロセス
カートリッジ、および、帯電ムラや帯電不良による異常
画像の発生があまりない画像形成装置を提供することが
できる。
【0118】さらに、本発明の導電性部材は、プロセス
スピードの速い電子写真装置や低コストの電子写真装置
においても異常画像の発生がなくなり、導電性部材を安
定的かつ安価に提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の導電性部材の一実施例(接触帯電装
置)を示す概略断面図である。
【図2】本発明の実施例1、2、3および比較例1、
2、3で使用する導電性弾性体成形用金型の断面概略図
である。
【図3】本発明の導電性部材をローラ状の帯電部材とし
て組み込んだ帯電装置を概念的に示す断面図である。
【図4】本発明の導電性部材を帯電部材として画像形成
装置に適用した例を示す概略図である。
【符号の説明】
1 接触帯電装置 2 帯電部材 3 電源 4 画像形成装置 5 導電性基体 6 抵抗層 7 弾性抵抗層 8 被覆層 10 感光ドラム 11 感光ドラム基体 12 感光体 13 ニップ部 20 円筒形金型 21 蓋体 22 チューブ状原料組成物 31 現像器 32 転写部材 33 定着器 34 クリーナ 35 プロセスカートリッジ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H071 BA43 DA06 DA08 2H077 AD06 FA13 FA16 FA22 FA25 GA02 GA03 GA17 2H200 FA01 FA02 GA16 GA23 GA44 GA59 HA02 HA28 HB12 HB45 HB46 HB47 LC03 MA03 MA04 MA08 MA14 MA20 MB01 MB04 MC01 MC18 4F100 AK01C AK51 AK53C AK80C AL05C AR00C AT00A BA03 BA07 BA10A BA10C CA01 CA02C GB41 JG01A JG03 JG04B JK07B JM01C YY00C

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性基体と、この導電性基体を被覆ま
    たは導電性基体に支持された弾性抵抗層と、この弾性抵
    抗層を被覆または弾性抵抗層に支持された被覆層とを有
    する導電性部材であって、前記被覆層が、アニオン系高
    分子と、エポキシ系架橋剤と、スルホン酸により置換さ
    れたポリアニリンとを含有することを特徴とする導電性
    部材。
  2. 【請求項2】 前記アニオン系高分子が、水溶性高分子
    化合物、または、水系でエマルジョンを形成する高分子
    化合物であることを特徴とする請求項1に記載の導電性
    部材。
  3. 【請求項3】 前記エポキシ系架橋剤のエチレンオキシ
    ド単位の繰り返し数が4以上12以下であることを特徴
    とする請求項1または2に記載の導電性部材。
  4. 【請求項4】 電子写真画像形成装置に用いる帯電部材
    であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載
    の導電性部材。
  5. 【請求項5】 帯電手段、現像手段またはクリーニング
    手段の少なくとも一つと電子写真感光体とを一体的にカ
    ートリッジ化し、画像形成装置本体に対して着脱可能で
    あるプロセスカートリッジであって、請求項1〜4のい
    ずれかに記載の導電性部材を有することを特徴とするプ
    ロセスカートリッジ。
  6. 【請求項6】 少なくとも感光ドラムと請求項4に記載
    の帯電部材とを有する請求項5に記載のプロセスカート
    リッジ。
  7. 【請求項7】 請求項1〜4のいずれかに記載の導電性
    部材を有することを特徴とする画像形成装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012118273A (ja) * 2010-11-30 2012-06-21 Tokai Rubber Ind Ltd 電子写真機器用スポンジロールおよび電子写真機器用スポンジロールの製造方法
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