JPH11268130A - 樹脂フレーム組立品およびその組立方法 - Google Patents
樹脂フレーム組立品およびその組立方法Info
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- JPH11268130A JPH11268130A JP10074398A JP7439898A JPH11268130A JP H11268130 A JPH11268130 A JP H11268130A JP 10074398 A JP10074398 A JP 10074398A JP 7439898 A JP7439898 A JP 7439898A JP H11268130 A JPH11268130 A JP H11268130A
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Abstract
を保有し、かつ落下等の衝撃や冷熱サイクル等の環境変
化等にも充分耐える樹脂フレーム組立品を提供するこ
と。 【解決手段】 (A)ポリカーボネート樹脂14〜83
重量%、(B)熱可塑性ポリエステル樹脂7〜57重量
%、(C)ゴム状重合体に、芳香族ビニル単量体、シア
ン化ビニル単量体、およびメタクリル酸エステルよりな
る群から選ばれたビニル系単量体の1種類以上をグラフ
ト共重合したグラフト共重合体2〜28重量%、並びに
(D)繊維状強化材5〜40重量%からなる繊維強化熱
可塑性樹脂組成物を用いて、該繊維強化熱可塑性樹脂組
成物による成形体の樹脂フレーム、および組立品を構成
する機能部品をインサート成形した成形体を得、さらに
樹脂フレームとインサート成形した成形体の樹脂部分を
熱溶接法で接合する方法によって樹脂フレーム組立品と
すること。
Description
熱・高剛性の両立した特性を有し、熱可塑性樹脂フレー
ム組立品を構成する機能部品が発熱してもフレームが変
形せず、さらに落下等の衝撃や厳しい条件での冷熱サイ
クルによっても破損・変形することの無い樹脂フレーム
組立品およびその組立方法に関するものである。
製品形状の保持を主目的とした構造部品である。組立品
においてはフレームを中心にその他各種の機能部品が接
合されており、組立後の使用環境下において様々な性能
を維持できるように設計されている。したがってフレー
ムには各種機能部品を確実に固定した状態で十分な強
度、剛性、耐熱性等が要求されるため、安全性の高さか
ら金属材料が使用されることが多い。
ては製品の軽量化要請が強いため、金属よりも比重の小
さい樹脂フレームの開発が盛んに行われている。特に熱
可塑性樹脂は射出成形、押出成形等の溶融成形加工法が
適用できるため、比較的複雑な形状を有するフレームで
も容易に量産できるメリットがある。そこでフレーム単
独はもちろんフレームと筐体の一体成形等、組立工数お
よび組立部品数低減のための様々な検討がなされてい
る。
可能な温度範囲は狭く、耐久性も乏しい。樹脂フレーム
に発熱性機能部品を組付けて使用したり、また組立品を
寒冷地で使用したり、輸送用車両に搭載したりする場合
には、樹脂フレーム部分の耐熱性、低温強度、耐衝撃強
度、および耐疲労性等で性能不足となる場合がある。そ
こでエンジニアリング樹脂、ポリマーアロイ、フィラー
強化樹脂等の高性能樹脂を使用し、樹脂フレームの性能
を向上させて対応することが可能である。とりわけ金属
材料からの代替という観点で様々な厳しい要求特性が課
せられる中にあっては、要求特性に応じて比較的自由に
樹脂性能を設計できるポリマーアロイは特に有効であ
る。
レームに接合する必要があり、ネジ締め、カシメ、接着
剤、溶接等の接合方法がとられている。しかしフレーム
が樹脂の場合、ネジ締め、カシメの様に点で接合する方
法によって接合すると、局所的に応力が集中してフレー
ムが割れやすくなる。これを避けるために接合点数を増
やす方法も考えられるが、組立工数や接合用部品点数の
増大につながるため得策とはいえない。さらに製品の小
型化やデザイン形状の多様化により接合部に空間的制約
が生じ、ネジ締めやカシメができない場合も多い。
で接合できるために接合部の応力集中は緩和できるが、
別の問題を含んでいる。溶接の場合は各機能部品が必ず
しも樹脂フレームと同じ材質ではないので、機能部品側
に何らかの細工をしない限り樹脂フレームと直接接合す
ることは困難である。また、接着剤は異種の材料同士で
あっても接合できるため状況に応じて様々な用途で利用
されているが、接着剤による樹脂のクラック誘発、接着
工程での取扱いの煩雑さ、乾燥工程を必要とすること、
廃棄時の困難な解体性による機能部品の回収しにくさ等
の問題点がある。以上のように、フレームが樹脂である
場合には機能部品との接合において何らかの問題を抱え
ることになる。
ーム成形時にインサート成形法を適用し、樹脂が各機能
部品を包みこむ形でフレームごと一気に組立品を完成す
る方法が考えられる。これにより組立工程における接合
が不要になるため、樹脂フレーム組立法としては理想的
といえる。
金属やセラミックスである場合、組立後に新たな問題が
生じる。一つは樹脂とインサートする機能部品の密着性
の問題である。密着性が悪いと落下等の衝撃により機能
部品が樹脂フレームからズレてしまい、最悪の場合はは
ずれてしまう。特開平4−169214号公報において
は熱可塑性ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、
繊維状強化材等を配合した樹脂材料を用いてインサート
成形することが提案され、熱可塑性ポリエステル樹脂成
分をアロイ化技術によって導入することにより金属やセ
ラミックスとの密着性を改良している例も報告されてい
る。
と樹脂の線膨張率は著しく大きく、成形後樹脂の収縮に
より機能部品周囲の樹脂に引張応力が発生し、割れが発
生しやすくなる。これらの対策としては製品形状の肉厚
化で対応可能であるが、製品のデザインが制約される。
製品のデザインや耐熱性等の要求に幅広く対応するため
には、熱可塑性樹脂に金属または無機の繊維状フィラー
を練り込み、樹脂組成物としての線膨張率を低下させる
という方法が有効である。
状フィラーを練り込んだ、いわゆる繊維強化熱可塑性樹
脂組成物を用いたならば、製品設計いかんによっては樹
脂フレーム組立にインサート成形法を適用し、一度の成
形工程ですべての機能部品を樹脂フレームに組みつけて
一気に組立品を完成することも可能と思われる。しかし
現実には完成品形状や各機能部品のレイアウト等、立体
的な制約があるため、汎用性のある組立方法とはいい難
い。
ート成形可能な単位まで分割することを考える。すなわ
ち各機能部品を1つまたは複数ずつにグループ分けを
し、各々の機能部品または機能部品グループに対してイ
ンサート成形を行う。そして次の段階でインサートした
各成形体の樹脂部分と樹脂フレームを接合し、組立品を
完成するという方法である。この場合は機能部品と樹脂
フレームのような異種材料を接合する場合と異なり、樹
脂同士の接合を考えればよいので熱溶接法が適用でき
る。したがって熱溶接法により接合することで、点での
接合による応力集中や接着剤使用による取扱い上の煩雑
さ等の問題を回避することができると考えられる。
態で混合することによってなされるため、理想的に行わ
れた場合は接合部の強度が材料そのものの強度になるは
ずである。しかしながら、実際には接合部に残留歪みが
生じるため接合部強度は著しく低下してしまう。確かに
繊維強化熱可塑性樹脂組成物は剛性および耐熱性に優
れ、各機能部品に近い線膨張率を有するため、製品に高
度なデザイン性を付与するとともに厳しい環境下での使
用が想定される場合等においてはフレーム材として最適
であるといえるが、繊維強化熱可塑性樹脂組成物の場合
は、接合部に残留歪が生じたりする上に接合面に対して
繊維状強化材が平行に揃ってしまい、繊維による補強効
果が得られないため、接合部の強度が相対的に弱くなる
という問題点がある。そこで、接合部の強度を改良する
目的で接合部の形状に幾何学的な工夫を凝らすことで対
応しているが、未だ十分な接合強度を得るには至らず、
樹脂フレームの材質そのものを改良せざるを得ない状況
である。このような課題を抱える中で、樹脂フレームと
しての剛性や耐熱性を犠牲にせずに、樹脂フレームの接
合部の強度を改良することを目的として行った。
ポリマーアロイ技術を応用しながら種々の樹脂での組み
合わせを検討した結果、ポリカーボネート樹脂、熱可塑
性ポリエステル樹脂、特定のグラフト共重合体、及び繊
維状強化材からなる熱可塑性樹脂組成物を樹脂フレーム
として使用し、機能部品をインサート成形した後にフレ
ームを熱溶接法で接合したところ、他の組み合わせの繊
維強化樹脂組成物に比較して落下等による耐衝撃強度が
著しく高くなることがわかり、本発明に至った。すなわ
ち本発明は、(A)ポリカーボネート樹脂14〜83重
量%、(B)熱可塑性ポリエステル樹脂7〜57重量
%、(C)ゴム状重合体に、芳香族ビニル単量体、シア
ン化ビニル単量体、およびメタクリル酸エステルよりな
る群から選ばれたビニル系単量体の1種類以上をグラフ
ト共重合したグラフト共重合体2〜28重量%、並びに
(D)繊維状強化材5〜40重量%からなる繊維強化熱
可塑性樹脂組成物を用いて、該繊維強化熱可塑性樹脂組
成物による成形体の樹脂フレーム、および組立品を構成
する機能部品をインサート成形した成形体を得、更に樹
脂フレームとインサート成形した成形体の樹脂部分を熱
溶接法によって接合した樹脂フレーム組立品である。
物について詳しく説明する。本発明の繊維強化熱可塑性
樹脂組成物に使用できる(A)ポリカーボネート樹脂と
は、芳香族ヒドロキシ化合物を原料とし、ホスゲン法ま
たはエステル交換法によって得られる重合体または共重
合体であれば特に限定はしない。上記の芳香族ヒドロキ
シ化合物としては、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メ
タン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタ
ン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−プロパ
ン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)オクタン、ビ
ス(4−ヒドロキシフェニル)フェニルメタン、2,2
−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパ
ン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−t−ブチルフ
ェニル)プロパンのようなビス(ヒドロキシアリール)
アルカン類、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)
シクロペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)シクロヘキサンのようなビス(ヒドロキシアリー
ル)シクロアルカン類、4,4’−ジヒドロキシジフェ
ニルエーテル、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジ
メチルジフェニルエーテルのようなジヒドロキシジアリ
ールエーテル類、4,4’−ジヒドロキシジフェニルス
ルフィド、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチ
ルジフェニルスルフィドのようなジヒドロキシジアリー
ルスルフィド類、4,4’−ジヒドロキシジフェニルス
ルホキシド、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメ
チルジフェニルスルホキシドのようなジヒドロキシジア
リールスルホキシド類、4,4’−ジヒドロキシジフェ
ニルスルホン、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジ
メチルジフェニルスルホンのようなジヒドロキシジアリ
ールスルホン類等が挙げられる。これらは単独でもまた
は2種類以上混合しても使用されるが、これらの他にピ
ペラジン、ジピペリジル、ハイドロキノン、レゾルシ
ン、4,4’−ジヒドロキシジフェニル等を混合して使
用しても良い。これらを原料としたポリカーボネート樹
脂の中では、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)
−プロパン(ビスフェノールA型)ポリカーボネートが
特に好ましい。
は、衝撃強度の点から15,000以上であることが必
要である。一方、粘度平均分子量が30,000を越え
ると溶融粘度が高くなるため射出成形しにくくなる。し
たがって、本発明に用いるポリカーボネート樹脂の粘度
平均分子量は18,000〜28,000の範囲が好適
である。
ステル樹脂は、アルキレンテレフタレート繰り返し単位
を主成分とするものであれば特に制限はない。アルキレ
ンテレフタレート繰り返し単位としては、エチレンテレ
フタレート、テトラメチレンテレフタレート、1,4−
シクロヘキシレンテレフタレート等が挙げられ、共重合
可能な成分としてはイソフタル酸等のジカルボン酸や
1,3−プロパンジオール等のジオールが挙げられる。
具体的にはポリエチレンテレフタレート、ポリブチレン
テレフタレート、ポリ1,4−シクロヘキシレンテレフ
タレートであり、特にポリエチレンテレフタレートまた
はポリブチレンテレフタレートが好ましい。
チレンテレフタレートの固有粘度はフェノール/テトラ
クロロエタン=6/4(重量比)を溶媒として温度30
℃で測定した値が0.5〜1.5(dl/g)の範囲の
ものが用いられ、ポリエチレンテレフタレートの場合は
0.6〜1.1(dl/g)、ポリブチレンテレフタレ
ートの場合は0.8〜1.4(dl/g)の範囲が特に
好ましい。
体は、ゴム状重合体に、芳香族ビニル単量体、シアン化
ビニル単量体、およびメタクリル酸エステルよりなる群
から選ばれたビニル系単量体の1種類以上をグラフト共
重合したグラフト共重合体である。ゴム状重合体として
は、ブタジエン重合体、ブタジエンとこれと共重合可能
なビニル単量体との共重合体、アクリル酸−N−ブチル
とアクリル酸エチル共重合体、アクリル酸−N−ブチル
とアクリロニトリル共重合体、エチレン、プロピレン、
およびジエンとの共重合体、ブタジエンと芳香族ビニル
とのブロック共重合体等が挙げられる。
単量体としては、例えばスチレン、α−メチルスチレ
ン、ビニルトルエン、t−ブチルスチレン、クロロスチ
レン等のスチレン系単量体およびその置換単量体が挙げ
られ、特にスチレン、α−メチルスチレンが好ましい。
グラフト共重合体を構成するシアン化ビニル単量体とし
ては、例えばアクリロニトリル、メタクリロニトリル、
α−クロロアクリロニトリル等が挙げられ、特にアクリ
ロニトリルが好ましい。グラフト共重合体を構成するメ
タクリル酸エステルとしては、メタクリル酸メチル、メ
タクリル酸エチル等が挙げられ、特にメタクリル酸メチ
ルが好ましい。
単量体0〜70モル%、シアン化ビニル単量体0〜60
モル%およびメタクリル酸エステル0〜100モル%の
単量体混合物20〜70重量部がゴム状重合体30〜8
0重量部に対してグラフト率30〜100%の範囲で共
重合したABSグラフト共重合体、MBSグラフト共重
合体、AESグラフト共重合体、アクリル系グラフト共
重合体等の単独または上記共重合体のうち2種類以上の
混合物でもよく、特にABSまたはMBSグラフト共重
合体が好ましい。なお、本発明のグラフト共重合体は、
ゴム状重合体に単量体混合物をグラフト共重合したもの
であり、未グラフトの重合体を含有していてもよい。
(A)成分〜(D)成分で構成される繊維強化熱可塑性
樹脂組成物の溶融加工温度において可塑化せず、繊維形
状を保持しているものであれば特に限定するものではな
い。
イ素繊維、アルミナ繊維、アルミナ/シリカ系繊維等の
無機繊維、アラミド繊維等の有機繊維、ステンレススチ
ール繊維等の金属繊維、カーボン単結晶、チタン酸カリ
ウム単結晶等のウイスカ等を挙げることができる。上記
の繊維状強化材は熱可塑性樹脂組成物との接着性向上を
目的として繊維表面をシランカップリング剤で表面処理
したり、製造時の取扱い性向上を目的としてエポキシ、
ウレタン等の樹脂溶液を繊維束に塗布して乾燥させるよ
うな集束処理をされたものが好ましい。
(A)ポリカーボネート樹脂14〜83重量%、(B)
熱可塑性ポリエステル樹脂7〜57重量%、(C)ゴム
状重合体に、芳香族ビニル単量体、シアン化ビニル単量
体、およびメタクリル酸エステルよりなる群から選ばれ
たビニル系単量体の1種類以上をグラフト共重合したグ
ラフト共重合体2〜28重量%、並びに(D)繊維状強
化材5〜40重量%からなる。
未満では該繊維強化熱可塑性樹脂組成物からなる成形体
を熱溶接した場合に、十分な接合強度が得られないた
め、樹脂フレーム組立品を使用中に割れが発生しやすく
なる。83重量%を越えると成形加工時の流動性が不足
し、インサート成形品を作製することができない可能性
があるとともに、インサートした機能部品と樹脂との密
着性が不足して機能部品がズレてしまう可能性がある。
%未満ではやはり成形加工時の流動性が不足するととも
に樹脂フレーム組立品においてインサートした機能部品
との密着性が不足するため機能部品がズレやすくなり、
57重量%を越えると該繊維強化熱可塑性樹脂組成物の
耐衝撃強度が劣るとともに、成形体を熱溶接した場合に
十分な接合強度が得られないために、樹脂フレーム組立
品を使用中に破損が発生しやすくなる。
は該繊維強化熱可塑性樹脂組成物に十分な耐衝撃強度が
得られないため樹脂フレーム組立品の使用中に破損が発
生しやすくなり、28重量%を越えると剛性および耐熱
性の不足から樹脂フレーム組立品が容易に熱変形してし
まう。
脂フレームの剛性が不足するとともに、インサート部品
と該繊維強化熱可塑性樹脂組成物の線膨張率の差が大き
いために、ヒートショックによりインサート部品の周辺
樹脂が割れてしまう。一方、40重量%を越えると成形
加工時の流動性および耐衝撃強度が不足するため、樹脂
フレーム組立品を使用中に破損が発生しやすくなる。
物は、一般的な熱可塑性樹脂組成物の製造方法が適用で
きる。例えば、各成分をタンブラー、スリーハンズミキ
サー、ヘンシェルミキサー等のブレンダーで予め混合し
た後、バンバリーミキサー、ブラベンダー、混練ロー
ル、単軸および2軸押出機等によってペレット化するこ
とができる。とりわけ定量フィーダー等の供給装置を複
数利用し、2軸押出機のメインフィード口から熱可塑性
樹脂原料の全部または熱可塑性ポリエステル樹脂原料分
を除いた部分を、サイドフィード口から繊維状強化材ま
たは繊維状強化材と熱可塑性ポリエステル樹脂をそれぞ
れ供給し、ペレット化する方法が好適である。ペレット
化した繊維強化熱可塑性樹脂組成物は、一般的な射出成
形機等によってインサート成形に用いることができる。
また、押出機によるペレット化を省き、各成分を予備混
合した後、直接射出成形機の可塑化工程で混練し、その
ままインサート成形することもできる。
組成物には、さらにその目的に応じて熱安定剤、酸化防
止剤、酸無水物、難燃剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤、
滑剤、着色剤等を添加することも可能である。
形する際に、溶融した樹脂組成物の熱劣化を抑制するの
に有効であり、ヒンダードフェノール系、リン系等の化
合物が使用できる。ヒンダードフェノール系化合物とし
ては、トリエチレングリコール−ビス[3−(3−t−
ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピ
オネート]、1,6−ヘキサンジオール−ビス[3−
(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)
プロピオネート]、ペンタエリスリチル−テトラキス
[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェ
ニル)プロピオネート]、オクタデシル−3−(3,5
−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオ
ネート、N,N’−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−
t−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナマミド)、
3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ベンジルフ
ォスフォネート−ジエチルエステル等が挙げられる。
およびフォスフェイト系有機化合物が好ましく、トリフ
ェニルフォスファイト、トリクレジルホスファイト、ト
リスノニルフェニルホスファイト、トリイソオクチルホ
スファイト、トリイソデシルホスファイト、トリステア
リルホスファイト、トリオレイルホスファイト、ビス
(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリト
ール−ジ−ホスファイト、ビス(2,6−ジ−t−ブチ
ル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトール−ジ−
ホスファイト等の第3級ホスファイト、ジ−2−エチル
ヘキシルハイドロゼンホスファイト、ジラウリルハイド
ロゼンホスファイト、ジオレイルハイドロゼンホスファ
イト等の第2級ホスファイト、エチルアシッドホスフェ
イト、ブチルアシッドホスフェイト、2−エチルヘキシ
ルアシッドホスフェイト、ラウリルアシッドホスフェイ
ト、ステアリルアシッドホスフェイト、オレイルアシッ
ドホスフェイト、ジ−2−エチルヘキシルホスフェイト
等のアシッドホスフェイト等が挙げられる。
説明する。本発明の樹脂フレーム組立品は当該繊維強化
熱可塑性樹脂組成物を用いて、該繊維強化熱可塑性樹脂
組成物による成形体の樹脂フレーム、および組立品を構
成する機能部品をインサート成形した成形体を得、さら
に樹脂フレームとインサート成形した成形体の樹脂部分
を熱溶接法で接合する方法によって組み立てることがで
きる。
態にある樹脂を冷却することによって形状付与する際
に、インサートする機能部品と樹脂を一体化するもので
あれば、成形方法を特に限定するものではない。例え
ば、射出成形において金型のキャビティー内に予めイン
サートする機能部品をセットしておいた状態で溶融樹脂
を金型に射出して作製する方法、押出成形においてはイ
ンサートする機能部品を連続的に被覆する形で作製する
方法等が挙げられる。
構成する機能部品は、インサート成形時の溶融樹脂との
接触による温度上昇によって部品の形状および機能が損
なわれない限りにおいて特に限定するものではないが、
金属またはセラミックス材料で構成されているかまたは
金属またはセラミックス材料でパッケージングされてい
ることが好ましい。
形した成形体の樹脂部分を熱溶接する方法は、加熱によ
り樹脂フレームおよびインサート成形体の樹脂部分を溶
接する方法であれば特に限定するものではないが、樹脂
材料自身の発熱による溶接方法が好ましい。具体的には
摩擦溶接法、超音波溶接法、高周波溶接法等が挙げられ
る。
するが、本発明は実施例にのみ限定されるものではな
い。なお特別なことわり書きのない場合、添加量につい
て使用した単位は重量%または重量部を意味する。
型ポリカーボネート樹脂「カリバー200−13」[住
友ダウ(株)製](粘度平均分子量21,500)を用
いた。
リエチレンテレフタレート樹脂「NEH−2050」
[ユニチカ(株)製]を用いた。(B−2)ポリブチレ
ンテレフタレート樹脂:市販のポリブチレンテレフタレ
ート樹脂「1200S」[東レ(株)製]を用いた。
ジエングラフト共重合体:ポリブタジエンラテックス1
00部(固形分50%、平均粒径0.35μm、ゲル含
有率90%)、ステアリン酸ナトリウム1部、ナトリウ
ムホルムアルデヒドスルホキシレート0.1部、EDT
Aテトラナトリウム塩0.08部、硫酸第一鉄0.00
3部および純水200部を窒素ガスで置換された撹拌機
付き反応缶に仕込んだ。温度65℃に加熱した後、アク
リロニトリル25%およびスチレン75%よりなる単量
体混合物50部、t−ドデシルメルカプタン0.3部、
キュメンハイドロパーオキシド0.2部を4時間で連続
添加し、さらに添加終了後温度65℃で2時間重合させ
た。グラフト率は78%、重合率は97%であった。得
られたラテックスに酸化防止剤を添加した後、塩化カル
シウムで塩析し、水洗、乾燥後得られた白色粉末状の共
重合体を用いた。
mm、平均直径13μmであり、アミノシラン系カップ
リング剤により表面処理し、かつエポキシ樹脂により集
束処理した無アルカリガラス繊維を用いた。
方法 実施例および比較例における繊維強化熱可塑性樹脂組成
物は、表1および表2に示した原料樹脂の重量部配合比
でタンブラーを用いて均一に混合した後、単軸押出機
「MS40−32V」[アイ・ケー・ジー(株)製]を
使用し、シリンダー温度270℃でペレット化して作製
した。作製したペレットから射出成形機「IS−55E
PN」[東芝機械(株)製]により、シリンダー温度2
70℃、金型温度60℃でテストピースを作製し、物性
測定に用いた。
る組立 上記(2)で作製した繊維強化熱可塑性樹脂組成物のペ
レットを用い、直径36mm×厚み4mmの金属円盤を
機能部品として、射出成形機「ネスタール75」[住友
重機械工業(株)製]によりシリンダー温度280℃、
金型温度60℃でインサート成形を行った。インサート
成形体の平面図を図1に、図1のAA’における断面図
を図2に示す。インサート成形品は2個の金属円盤の中
心が80mmの距離で、金属円盤の周囲を厚み2mm
で、かつ金属円盤間を厚み2mmで繋ぐようにインサー
ト成形したものである。また、同成形条件にて上記イン
サート成形品2個を組み付けるためのフレーム用成形品
を作製した。フレーム用成形品は、長さ120mm×幅
40mmで両端から40mmまでは厚さ2mmでかつイ
ンサート成形品と溶接する面であり、その部分に底面が
直径1mmの円で高さが1mmの円錐状の溶接リブを複
数設けた。また、中心部40mm幅は厚み4mmとし
た。このフレーム用成形品の平面図を図3に、図3のB
B’における断面図を図4に示す。図3のフレーム用成
形品1個に対して図1のインサート成形品2個を超音波
溶接し、樹脂フレーム組立品を完成した。使用した超音
波ウエルダーは、精電舎電子工業(株)製1201B/
P46Aで、圧力3kg/cm2 、発振時間2.0秒、
保持時間2秒にて溶接を行った。完成した樹脂フレーム
組立品の平面図を図5に、図5のCC’における断面図
を図6に示した。
る。 (a)高荷重下の耐熱性:ASTM D−648に従
い、試験応力18.6kgf/cm2 で、長さ127m
m、幅12.7mm、厚さ6.35mmのテストピース
の加熱変形温度を測定した。
に従い、長さ127mm、幅12.7mm、厚さ6.3
5mmのテストピースの曲げ弾性率を測定した。
D−256に従い、厚さ3.2mmのテストピースに対
し、雰囲気温度23℃、湿度50%のJIS標準状態で
ノッチ付きアイゾットを測定した。
試験用JIS1号形状のダンベル支点間の中点におい
て、ダンベル表面上の片側に引張方向と垂直に直線状に
溶接用リブを走らせたものを射出成形で作製した。溶接
用リブの断面形状は一辺1mmの正三角形である。続い
てダンベルを溶接用リブと平行方向にリブから2.5m
m離れた位置において切断した。この切断した二つのダ
ンベルを図7のように配置し、リブをはさむ形で重ね合
わせ部分を作り、そのまま冶具に固定する。重ね合わせ
部分に対してダンベル表面と垂直方向に超音波溶接用ホ
ーンを当てて圧力をかけながら超音波を発振させてリブ
を中心に溶接を行った。この時使用した超音波ウエルダ
ーは、精電舎電子工業(株)製1201B/P46A
で、圧力2kg/cm2 、発振時間1.5秒、保持時間
2秒で溶接を行った。溶接後のダンベル試験片をAST
M D−638に従って引張試験を行い、溶接部強度を
測定した。
繊維強化熱可塑性樹脂組成物を用いて作製した樹脂フレ
ーム組立品をコンクリートの床に対して1.0mの高さ
から自由落下させ、落下時の衝撃による樹脂フレームの
破損状況並びに部品ズレの有無を観察した。特に樹脂フ
レームの破損状況について、熱溶接による接合部付近が
破損した場合は「接合割れ」とした。
繊維強化熱可塑性樹脂組成物を用いて作製した樹脂フレ
ーム組立品を、環境温度−40℃と120℃において3
時間ずつ冷熱サイクルを5回繰り返した後、組立品を観
察した。組立品冷熱テストにおいて、インサートした機
能部品の周囲の樹脂に割れが発生した場合、「インサー
ト割れ」とした。
用いて、該繊維強化熱可塑性樹脂組成物の成形体の樹脂
フレーム、および組立品を構成する機能部品をインサー
ト成形をした成形体を得、さらに樹脂フレームとインサ
ート成形した成形体の樹脂部分を熱溶接法で組み立てた
樹脂フレーム組立品は、高耐衝撃性で高耐熱性・高剛性
の両立した特性を保有し、かつ落下等の激しい衝撃や環
境温度が極端に変化するような厳しい環境下でも破損・
変形することなく使用することができる。
ンサート成形体の平面図である。
図である。
射出成形法で作製した樹脂フレーム用成形品の平面図で
ある。
インサート成形体を2個超音波溶接して組み立てた樹脂
フレーム組立品の平面図である。
面図である。
超音波溶接するための配置図である。
Claims (3)
- 【請求項1】 (A)ポリカーボネート樹脂14〜83
重量%、(B)熱可塑性ポリエステル樹脂7〜57重量
%、(C)ゴム状重合体に、芳香族ビニル単量体、シア
ン化ビニル単量体、およびメタクリル酸エステルよりな
る群から選ばれたビニル系単量体の1種類以上をグラフ
ト共重合したグラフト共重合体2〜28重量%、並びに
(D)繊維状強化材5〜40重量%からなる繊維強化熱
可塑性樹脂組成物を用いて、該繊維強化熱可塑性樹脂組
成物による成形体の樹脂フレーム、および組立品を構成
する機能部品をインサート成形した成形体を得、さらに
樹脂フレームをインサート成形した樹脂部分を熱溶接法
で接合する方法によって得ることを特徴とする樹脂フレ
ーム組立品。 - 【請求項2】 請求項1記載の繊維強化熱可塑性樹脂成
形物を用いて、該繊維強化熱可塑性樹脂組成物による成
形体の樹脂フレーム、および組立品を構成する機能部品
をインサート成形した成形体を得、さらに樹脂フレーム
とインサート成形した成形体の樹脂部分を熱溶接法で接
合する方法によって組み立てることを特徴とする樹脂フ
レーム組立品の組立方法。 - 【請求項3】 (A)ポリカーボネート樹脂が2,2−
ビス(4−ヒドロキシフェニル)−プロパン(ビスフェ
ノールA型)ポリカーボネート、(B)熱可塑性ポリエ
ステル樹脂がポリエチレンテレフタレートおよびポリブ
チレンテレフタレートから選ばれた1種以上、(C)グ
ラフト共重合体がABSグラフト共重合体、並びに
(D)繊維状強化材がアミノシラン系カップリング剤で
表面処理し、かつエポキシ樹脂により集束処理した無ア
ルカリガラス繊維強化材からなる繊維強化熱可塑性樹脂
組成物を用いることを特徴とする請求項1記載の樹脂フ
レーム組立品。
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Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2001000399A1 (de) * | 1999-06-25 | 2001-01-04 | Basf Aktiengesellschaft | Verbunde mit schweissbereichen bestehend aus formteilen |
JPWO2003085046A1 (ja) * | 2002-04-08 | 2005-08-11 | ウィンテックポリマー株式会社 | レーザー溶着用ポリブチレンテレフタレート系樹脂組成物及び成形品 |
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TWI398355B (zh) * | 2010-10-21 | 2013-06-11 | Advanced Int Multitech Co Ltd | Manufacturing method of composite workpiece for embedded metal parts |
-
1998
- 1998-03-23 JP JP07439898A patent/JP4044669B2/ja not_active Expired - Fee Related
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