JPH11263992A - さび止め油組成物 - Google Patents

さび止め油組成物

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JPH11263992A
JPH11263992A JP10089337A JP8933798A JPH11263992A JP H11263992 A JPH11263992 A JP H11263992A JP 10089337 A JP10089337 A JP 10089337A JP 8933798 A JP8933798 A JP 8933798A JP H11263992 A JPH11263992 A JP H11263992A
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Japan
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isomers
acid
branched
linear
rust
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JP10089337A
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Tsunetoshi Sugawara
常年 菅原
Yukio Matsuzaki
幸雄 松崎
Satoshi Suda
聡 須田
Tadaaki Motoyama
忠昭 本山
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Eneos Corp
Original Assignee
Nippon Mitsubishi Oil Corp
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 さび止め油組成物は、40℃での動粘度
が1.5〜50mm2/sであり、金属元素の総含有量
が0.1%未満であるさび止め油組成物であって、組成
物全量基準で(A)鉱油および/または合成油の中から
選ばれる少なくとも1種の基油を50〜99質量%含有
すると共に、(B)(B−1)有機酸のアミン塩および
/または(B−2)多価アルコールの部分エステルの中
から選ばれる少なくとも1種のさび止め添加剤を1〜2
0重量%含有してなる。 【効果】 さび止め性に優れると共に、表面に一部残留
した金属製部品を冷凍システムに使用してもシステムへ
の悪影響を最小限に抑えられるさび止め油組成物が得ら
れる。

Description

【発明の詳細な説明】
【発明の属する技術分野】本発明はさび止め油組成物に
関し、特に、冷凍庫、冷蔵庫、エアコンなどの冷凍サイ
クルシステムに組み込まれる金属製部品に対して良好な
性能を発揮するさび止め油組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、金属製部品のさび止めに用いられ
るさび止め油は、さび止め剤としてスルホン酸の金属
塩,ワックス類の酸化物のエステル,ワックス類の酸化
物の金属塩,ペトロラタム,ワックス類などを単独また
はこれらを組み合わせて使用するものであった。そして
これらのさび止め油が冷凍サイクルシステムの内部に混
入すると、冷凍サイクルシステムを閉塞してしまうよう
な事態を招くことがある。したがってさび止め剤が付着
した金属製部品を冷凍サイクルシステムに組み込む場合
には、さび止め油を除去するために塩素系溶剤またはフ
ッ素系溶剤などを用いる十分な脱脂が必要であった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】近年、環境保全の観点
からオゾン層の破壊が問題視されて来ているが、冷凍シ
ステムの冷媒として従来使用されて来たCFC(クロロ
フルオロカーボン)およびHCFC(ハイドロクロロフ
ルオロカーボン)も、オゾン層を破壊する原因物質とし
て規制の対象となり、これらに代わってHFC(ハイド
ロフルオロカーボン)が冷媒として使用されつつあり、
これにともないコンプレッサに用いられる潤滑油も冷媒
に応じて代わり、この潤滑油と金属製部品表面に残留し
たさび止め油とが反応して冷凍サイクルシステムを閉塞
しトラブルを起こす場合が増加している。一方、金属製
部品の脱脂に塩素系溶剤やフッ素系溶剤を使用すること
も制限され、現在ではこれらハロゲン化炭化水素系溶剤
以外が溶剤として使用されている。しかしながら、ハロ
ゲン化炭化水素系溶剤以外の溶剤による脱脂除去や蒸発
除去は、ハロゲン化炭化水素系溶剤を用いる洗浄法に比
較して加工油の除去効率が劣り、どうしてもさび止め油
が一部、金属製部品表面に残留してしまう不都合があっ
た。そこで、本発明は、このような実状に鑑みなされた
ものであり、その目的は、さび止め性に優れ、かつ、一
部残留した金属製部品を冷凍システムに使用してもシス
テムへの悪影響を最小限に抑えられるさび止め油組成物
を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記したよ
うな様々な問題の解決を目指して、鋭意研究を重ねた結
果、特定の組成を有するさび止め油が、金属製部品に対
するさび止め性に優れるばかりでなく、さび止め油の除
去が必ずしも完全でない金属製部品を冷凍システムに使
用しても、これを閉塞してしまうような事態を招くこと
がないことを見出し、本発明を完成するに至った。すな
わち、本発明のさび止め組成物は、40℃での動粘度が
1.5〜50mm2/sであり、金属元素の総含有量が
0.1%未満であるさび止め油組成物であって、組成物
全量基準で(A)鉱油および/または合成油の中から選
ばれる少なくとも1種の基油を50〜99質量%含有す
ると共に、(B)(B−1)有機酸のアミン塩および/
または(B−2)多価アルコールの部分エステルの中か
ら選ばれる少なくとも1種のさび止め添加剤を1〜20
重量%含有してなるものである。
【0005】
【発明の実施の形態】以下、本発明の内容をさらに詳細
に説明する。本発明のさび止め油組成物の40℃におけ
る動粘度は、1.5〜50mm2/sであることが必要
である。防錆性の点から、下限値は、1.5mm2/s
以上、好ましくは2mm2/s以上とすることが望まし
い。また、取り扱い性および付着量の点から、上限値
は、50mm2/s以下、好ましくは25mm2/s以
下、より好ましくは15mm2/s以下とすることが望
ましい。本発明のさび止め油組成物は、さび止め油が冷
凍サイクル中に混入した場合にトラブルを起こす可能性
があるため、金属元素の含有量が0.1質量%未満、好
ましくは0.05質量%未満であることが必要である。
尚、本発明において金属元素の含有量とは、ASTM D 518
5-95 "Standard TestMethod for Determination of Add
itive Elements, Wear Metals, andContaminants in Us
ed Lubricating Oils and Determination of SelectedE
lements in Base Oils by Inductively Coupled Plasma
Atomic EmissionSpectrometry(ICP-AES)"に準拠して測
定される組成物全量基準の金属元素の含有量を意味して
いる。本発明のさび止め油組成物は、上記条件を満たす
と共に下記(A)および(B)の成分を所定量含有する
ことが必要である。 (A)鉱油および/または合成油の中から選ばれる少な
くとも1種の基油50〜99質量%、 (B)下記の中から選ばれる少なくとも1種のさび止め
添加剤1〜20重量% (B−1)有機酸のアミン塩 (B−2)多価アルコールの部分エステル
【0006】本発明の(A)成分の基油は、鉱油および
/または合成油であるが、鉱油としては、具体的には例
えば、原油を常圧蒸留および減圧蒸留して得られた潤滑
油留分に対して、溶剤脱れき、溶剤抽出、水素化分解、
溶剤脱ろう、接触脱ろう、水素化精製、硫酸洗浄、白土
処理の1種もしくは2種以上の精製手段を適宜組み合わ
せて適用して得られるパラフィン系またはナフテン系の
鉱油などが挙げられる。また、合成油としては、具体的
には例えば、ポリオレフィン、アルキルベンゼン、エス
テル、エーテル、シリケート、ポリシロキサン等の合成
含酸素油等が挙げられるが、この中でもポリオレフィ
ン、アルキルベンゼン、エステル、エーテルがより好ま
しい。上記ポリオレフィンとしては、炭素数2〜16、
好ましくは2〜12のオレフィンを単独重合体または共
重合したもの並びにこれらの水素化物等が挙げられる。
このポリオレフィンが、構造の異なるオレフィンの共重
合体である場合、その共重合体に於けるモノマー比やモ
ノマー配列には特別な制限はなく、ランダム共重合体、
交互共重合体およびブロック共重合体のいずれもが使用
できる。またポリオレフィンを形成するオレフィンモノ
マーは、α−オレフィンであっても、内部オレフィンで
あっても良く、また直鎖状オレフィンであっても、分枝
状オレフィンであっても良い。本発明のポリオレフィン
を製造する際に使用可能なオレフィンを具体的に例示す
れば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、2−ブテ
ン、イソブテン、直鎖状または分枝状のペンテン(α−
オレフィン、内部オレフィンを含む)、直鎖状または分
枝状のヘキセン(α−オレフィン、内部オレフィンを含
む)、直鎖状または分枝状のヘプテン(α−オレフィ
ン、内部オレフィンを含む)、直鎖状または分枝状のオ
クテン(α−オレフィン、内部オレフィンを含む)、直
鎖状または分枝状のノネン(α−オレフィン、内部オレ
フィンを含む)、直鎖状または分枝状のデセン(α−オ
レフィン、内部オレフィンを含む)、直鎖状または分枝
状のウンデセン(α−オレフィン、内部オレフィンを含
む)、直鎖状または分枝状のドデセン(α−オレフィ
ン、内部オレフィンを含む)、直鎖状または分枝状のト
リデセン(α−オレフィン、内部オレフィンを含む)、
直鎖状または分枝状のテトラデセン(α−オレフィン、
内部オレフィンを含む)、直鎖状または分枝状のペンタ
デセン(α−オレフィン、内部オレフィンを含む)、直
鎖状または分枝状のヘキサデセン(α−オレフィン、内
部オレフィンを含む)およびこれらの混合物などを挙げ
ることができるが、なかでも、エチレン、プロピレン、
1−ブテン、2−ブテン、イソブテン、炭素数5〜12
のα−オレフィンおよびこれらの混合物などが好ましく
用いれられる。また、炭素数5〜12のα−オレフィン
の中でも、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセンお
よびこれらの混合物などがより好ましい。上記したポリ
オレフィンは任意の方法で製造することができる。例え
ば、無触媒による熱反応によって製造することができる
ほか、過酸化ベンゾイルなどの有機過酸化物触媒;塩化
アルミニウム、塩化アルミニウム−多価アルコール系、
塩化アルミニウム−四塩化チタン系、塩化アルミニウム
−アルキル錫ハライド系、フッ化ホウ素などのフリーデ
ルクラフツ型触媒;有機塩化アルミニウム−四塩化チタ
ン系、有機アルミニウム−四塩化チタン系などのチーグ
ラー型触媒;アルミノキサン−ジルコノセン系、イオン
性化合物−ジルコノセン系などのメタロセン型触媒;塩
化アルミニウム−塩基系、フッ化ホウ素−塩基系などの
ルイス酸コンプレックス型触媒などの公知の触媒系を用
いて、上記のオレフィンを単独重合または共重合させる
ことで製造することができる。本発明の基油成分には、
上記したポリオレフィンを用いることができるが、当該
重合体は通常二重結合を有しているので、その熱・酸化
安定性を考慮すると、重合体中の二重結合を水素化し
た、いわゆるポリオレフィンの水素化物を、基油として
用いるのが好ましい。ポリオレフィンの水素化物を取得
するには、適宜の方法が採用可能であり、例えば、ポリ
オレフィンを公知の水素化触媒の存在下で水素で水素化
し、ポリオレフィン中に存在する二重結合を飽和化する
ことによって得ることができる。また、使用触媒を選択
することによって、オレフィンの重合と重合体の水素化
という2工程を経ることなく、オレフィンの重合と重合
体中に存在する二重結合の水素化を1工程で完遂させる
ことも可能である。本発明で使用可能なポリオレフィン
の中にあって、エチレン−プロピレン共重合体、ポリブ
テン(ナフサ熱分解の際に副生するブタン−ブテン(1
−ブテン、2−ブテンおよびイソブテンの混合物)留分
の重合によって得られる共重合体)、1−オクテンオリ
ゴマー、1−デセンオリゴマー、1−ドデセンオリゴマ
ー並びにこれらの水素化物、さらにはこれらの混合物な
どが、熱・酸化安定性、粘度−温度特性、低温流動性に
優れている点で好ましく、特にエチレン−プロピレン共
重合体水素化物、ポリブテン水素化物、1−オクテンオ
リゴマー水素化物、1−デセンオリゴマー水素化物、1
−ドデセンオリゴマー水素化物並びにこれらの混合物が
好ましい。なお、潤滑油用基油として現在市販されてい
るエチレン−プロピレン共重合体、ポリブテンおよびポ
リ−α−オレフィンなどの合成油は、通常、その二重結
合が既に水素化されているものであり、これらの市販品
も本発明の基油として用いることができる。上記アルキ
ルベンゼンとしては、任意のものが使用可能であるが、
通常炭素数1〜40のアルキル基を1〜4個有するもの
等が好ましく挙げられる。ここでいう炭素数1〜40の
アルキル基としては、具体的には例えば、メチル基、エ
チル基、プロピル基(すべての異性体を含む)、ブチル
基(すべての異性体を含む)、ペンチル基(すべての異
性体を含む)、ヘキシル基(すべての異性体を含む)、
ヘプチル基(すべての異性体を含む)、オクチル基(す
べての異性体を含む)、ノニル基(すべての異性体を含
む)、デシル基(すべての異性体を含む)、ウンデシル
基(すべての異性体を含む)、ドデシル基(すべての異
性体を含む)、トリデシル基(すべての異性体を含
む)、テトラデシル基(すべての異性体を含む)、ペン
タデシル基(すべての異性体を含む)、ヘキサデシル基
(すべての異性体を含む)、ヘプタデシル基(すべての
異性体を含む)、オクタデシル基(すべての異性体を含
む)、ノナデシル基(すべての異性体を含む)、イコシ
ル基(すべての異性体を含む)、ヘンイコシル基(すべ
ての異性体を含む)、ドコシル基(すべての異性体を含
む)、トリコシル基(すべての異性体を含む)、テトラ
コシル基(すべての異性体を含む)、ペンタコシル基
(すべての異性体を含む)、ヘキサコシル基(すべての
異性体を含む)、ヘプタコシル基(すべての異性体を含
む)、オクタコシル基(すべての異性体を含む)、ノナ
コシル基(すべての異性体を含む)、トリアコンチル基
(すべての異性体を含む)、ヘントリアコンチル基(す
べての異性体を含む)、ドトリアコンチル基(すべての
異性体を含む)、トリトリアコンチル基(すべての異性
体を含む)、テトラトリアコンチル基(すべての異性体
を含む)、ペンタトリアコンチル基(すべての異性体を
含む)、ヘキサトリアコンチル基(すべての異性体を含
む)、ヘプタトリアコンチル基(すべての異性体を含
む)、オクタトリアコンチル基(すべての異性体を含
む)、ノナトリアコンチル基(すべての異性体を含
む)、テトラコンチル基(すべての異性体を含む)など
が挙げられる。このアルキル基としては直鎖状であって
も、分枝状であっても良いが、安定性、粘度特性などの
点から分枝状アルキル基が好ましく、特に入手可能性の
点から、プロピレン、ブテン、イソブチレンなどのオレ
フィンのオリゴマーから誘導される分枝状アルキル基が
より好ましい。上記アルキルベンゼン中のアルキル基の
個数は1〜4個が好ましいが、安定性、入手可能性の点
から1個または2個のアルキル基を有するアルキルベン
ゼン、すなわちモノアルキルベンゼン、ジアルキルベン
ゼン、またはこれらの混合物が最も好ましい。またもち
ろんのこと、アルキルベンゼンとしては、単一の構造の
アルキルベンゼンだけでなく、異なる構造を有するアル
キルベンゼンの混合物であっても良い。上記アルキルベ
ンゼンの製造方法は任意であり、何ら限定されるもので
ないが、一般に以下に示す合成法によって製造できる。
原料となる芳香族化合物としては、具体的には例えば、
ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、メチ
ルエチルベンゼン、ジエチルベンゼン、およびこれらの
混合物などが挙げられる。またアルキル化剤としては、
具体的には例えば、エチレン、プロピレン、ブテン、イ
ソブチレンなどの低級モノオレフィン、好ましくはプロ
ピレンの重合によって得られる炭素数6〜40の直鎖状
または分枝状のオレフィン;ワックス、重質油、石油留
分、ポリエチレン、ポリプロピレンなどの熱分解によっ
て得られる炭素数6〜40の直鎖状または分枝状のオレ
フィン;灯油、軽油などの石油留分からn−パラフィン
を分離し、これを触媒によりオレフィン化することによ
って得られる炭素数9〜40の直鎖状オレフィン;およ
びこれらの混合物などが挙げられる。またアルキル化の
際のアルキル化触媒としては、塩化アルミニウム、塩化
亜鉛などのフリーデルクラフツ型触媒;硫酸、リン酸、
ケイタングステン酸、フッ化水素酸、活性白土などの酸
性触媒;など、公知の触媒が挙げられる。
【0007】上記エステルとしては、二塩基酸エステ
ル、ポリオールエステル、コンプレックスエステル、炭
酸エステルなどが挙げられる。ここでいうエステルと
は、エステルを構成する酸およびアルコールとして二塩
基酸等の多塩基酸や多価アルコールを用いた場合には、
実質的に全てエステル化されたもののみを表し、カルボ
キシル基や水酸基がエステル化されずに残っている部分
エステルは含まない。二塩基酸エステルとしては、グル
タル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼラ
イン酸、セバシン酸などの炭素数5〜10の二塩基酸
と、メタノール、エタノール、直鎖状または分岐状のプ
ロパノール、直鎖状または分岐状のブタノール、直鎖状
または分岐状のペンタノール、直鎖状または分岐状のヘ
キサノール、直鎖状または分岐状のヘプタノール、直鎖
状または分岐状のオクタノール、直鎖状または分岐状の
ノナノール、直鎖状または分岐状のデカノール、直鎖状
または分岐状のウンデカノール、直鎖状または分岐状の
ドデカノール、直鎖状または分岐状のトリデカノール、
直鎖状または分岐状のテトラデカノール、直鎖状または
分岐状のペンタデカノール、直鎖状または分岐状のヘキ
サデカノール、直鎖状または分岐状のオクタデカノー
ル、直鎖状または分岐状のノナデカノール、直鎖状また
は分岐状のイコサノール、直鎖状または分岐状のヘンイ
コサノール、直鎖状または分岐状のドコサノール、直鎖
状または分岐状のトリコサノール、直鎖状または分岐状
のテトラコサノールなどの直鎖状または分岐状アルキル
基を有する炭素数1〜24の一価アルコールとのエステ
ルおよびこれらの混合物が好ましく用いられ、より具体
的には例えば、ジトリデシルグルタレート、ジ2−エチ
ルヘキシルアジペート、ジイソデシルアジペート、ジト
リデシルアジペート、ジ2−エチルヘキシルセバケー
ト、およびこれらの混合物などが挙げられる。ポリオー
ルエステルとしては、ジオールあるいは水酸基を3〜2
0個有するポリオールと、炭素数6〜20の脂肪酸との
エステルが好ましく用いられる。ここで、ジオールとし
ては、具体的には例えば、エチレングリコール、1,3
−プロパンジオール、プロピレングリコール、1,4−
ブタンジオール、1,2−ブタンジオール、2ーメチル
−1,3−プロパンジオール、1,5−ペンタンジオー
ル、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオー
ル、2−エチル−2−メチル−1,3−プロパンジオー
ル、1,7−ヘプタンジオール、2−メチル−2−プロ
ピル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジエチル−
1,3−プロパンジオール、1,8−オクタンジオー
ル、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオー
ル、1,11−ウンデカンジオール、1,12−ドデカ
ンジオールなどが挙げられる。ポリオールとしては、具
体的には例えば、トリメチロールエタン、トリメチロー
ルプロパン、トリメチロールブタン、ジ−(トリメチロ
ールプロパン)、トリ−(トリメチロールプロパン)、
ペンタエリスリトール、ジ−(ペンタエリスリトー
ル)、トリ−(ペンタエリスリトール)、グリセリン、
ポリグリセリン(グリセリンの2〜20量体)、1,
3,5ーペンタントリオール、ソルビトール、ソルビタ
ン、ソルビトールグリセリン縮合物、アドニトール、ア
ラビトール、キシリトール、マンニトールなどの多価ア
ルコール、キシロース、アラビノース、リボース、ラム
ノース、グルコース、フルクトース、ガラクトース、マ
ンノース、ソルボース、セロビオース、マルトース、イ
ソマルトース、トレハロース、シュクロース、ラフィノ
ース、ゲンチアノース、メレジトースなどの糖類、なら
びにこれらの部分エーテル化物、およびメチルグルコシ
ド(配糖体)などが挙げられる。脂肪酸としては、具体
的には例えば、ペンタン酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、
オクタン酸、ノナン酸、デカン酸、ウンデカン酸、ドデ
カン酸、トリデカン酸、テトラデカン酸、ペンタデカン
酸、ヘキサデカン酸、ヘプタデカン酸、オクタデカン
酸、ノナデカン酸、イコサン酸、オレイン酸などの直鎖
または分岐のもの、あるいはα炭素原子が4級であるい
わゆるネオ酸などが挙げられる。さらに具体的には、吉
草酸、イソペンタン酸、カプリン酸、ペラルゴン酸、2
−メチルヘキサン酸、2−エチルペンタン酸、カプリル
酸、2−エチルヘキサン酸、ノルマルノナン酸、3,
5,5−トリメチルヘキサン酸などがより好ましい。ポ
リオールエステルは、遊離の水酸基を有していてもよ
い。なお、特に好ましいものとしては、ネオペンチルグ
リコール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロ
パン、トリメチロールブタン、ジ−(トリメチロールプ
ロパン)、トリ−(トリメチロールプロパン)、ペンタ
エリスリトール、ジ−(ペンタエリスリトール)、トリ
−(ペンタエリスリトール)などのヒンダードアルコー
ルのエステルで、具体的には例えば、ネオペンチルグリ
コール2−エチルヘキサノエート、トリメチロールプロ
パンカプリレート、トリメチロールプロパンペラルゴネ
ート、ペンタエリスリトール2−エチルヘキサノエー
ト、ペンタエリスリトールペラルゴネート、およびこれ
らの混合物などが挙げられる。またコンプレックスエス
テルとは、脂肪酸および二塩基酸と、一価アルコールお
よびポリオールとのエステルのことであり、脂肪酸、二
塩基酸、一価アルコール、ポリオールとしては、二塩基
酸エステルおよびポリオールエステルのところで例示し
たものと同様のものが使用できる。また、炭酸エステル
とは、炭酸と一価アルコールおよびポリオールとのエス
テルのことであり、ここでいう一価アルコールおよびポ
リオールとしては、先に例示したものと同様のもの、ア
ルキレンオキサイドを単独重合あるいは共重合したポリ
グリコール、あるいは先に例示したポリオールにポリグ
リコールを付加したものなどが使用できる。
【0008】上記エーテルとしては、ポリグリコール、
ポリビニルエーテル、ポリフェニルエーテル、環状エー
テル、パーフルオロエーテル等が挙げられるが、この中
でもポリグリコール、ポリビニルエーテルが好まし
い。。ポリグリコールとしては、ポリアルキレングリコ
ール、そのエーテル化物、およびそれらの変性化合物等
などが好ましく使用される。ポリアルキレングリコール
としては、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブ
チレンオキシドなどのアルキレンオキシドを単独重合あ
るいは共重合したものが用いられる。なお、ポリアルキ
レングリコールにおいて、構造の異なったアルキレンオ
キシドが共重合している場合、オキシアルキレン基の重
合形式に特に制限はなく、ランダム共重合していても、
ブロック共重合していてもよい。またポリアルキレング
リコールのエーテル化物とは上記のポリアルキレングリ
コールの水酸基をエーテル化したものである。ポリアル
キレングリコールのエーテル化物の具体例としては、モ
ノメチルエーテル、モノエチルエーテル、モノプロピル
エーテル、モノブチルエーテル、モノペンチルエーテ
ル、モノヘキシルエーテル、モノヘプチルエーテル、モ
ノオクチルエーテル、モノノニルエーテル、モノデシル
エーテル、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジプ
ロピルエーテル、ジブチルエーテル、ジペンチルエーテ
ル、ジヘキシルエーテル、ジヘプチルエーテル、ジオク
チルエーテル、ジノニルエーテル、ジデシルエーテルな
どが挙げられる。またポリグリコールの変性化合物とし
ては、ポリオールのアルキレンオキシド付加物、あるい
はそのエーテル化物などが挙げられる。ここでいうポリ
オールとしては、ポリオールエステルのところで例示し
たものと同様のものが使用できる。上記ポリビニルエー
テルとしては、下記一般式(1)で表される構成単位を
有するものが挙げられる。 (上記式(1)において、R1、R2およびR3はそれぞ
れ水素原子または炭素数1〜8の炭化水素基を示し、そ
れらは互いに同一であっても異なっていても良く、R4
は炭素数2〜10の2価の炭化水素基を、R5は炭素数
1〜10の炭化水素基をそれぞれ示し、mはその平均値
が0〜10の数を示し、R1〜R5は構成単位毎に同一で
あっても異なっていても良く、またR4Oが複数ある場
合には複数のR4Oは同一でも異なっていても良い。)
【0009】本発明の(A)成分としては、上記したも
のの中から選ばれる1種の基油を単独で用いても良い
し、2種以上の基油を混合して用いても良い。また、良
好な取り扱い性を維持しつつ、かつ防錆性能をさらに強
化したい場合には、(A−1)40℃における動粘度が
1mm2/s以上6mm2/s未満の基油および(A−
2)40℃における動粘度が6mm2/s以上2000
mm2/sの基油を混合して用いることが好ましい。こ
の場合、特に(A−1)としては鉱油および/またはポ
リオレフィンを用いることが好ましい。なお、最終的に
得られるさび止め油組成物の40℃における動粘度が
1.5〜50mm2/sを満たすように、(A)成分の
基油の粘度を調整しなければならないことは言うまでも
ない。本発明のさび止め油組成物において、上記(A)
成分の含有量は組成物全量基準で、50〜99質量%で
あることが必要である。含有量が50質量%未満である
場合には、防錆性が低下し好ましくない。また、防錆性
のみならず冷凍システムへの影響を考慮すると、70質
量%以上であることが好ましく、80質量%以上である
ことがより好ましい。また、99質量%を越える場合に
は、やはり防錆性が低下し好ましくない。同様の点か
ら、98質量%以下であることが好ましく、96質量%
以下であることがより好ましい。
【0010】本発明の(B)成分は、下記の中から選ば
れる少なくとも1種のさび止め添加剤である。 (B−1)有機酸のアミン塩 (B−2)多価アルコールの部分エステル (B−1)でいう有機酸としては、カルボン酸、スルホ
ン酸、酸性(亜)リン酸エステルなどが挙げられる。カ
ルボン酸としては、脂肪酸、二塩基酸、二塩基酸の部分
エステル、ナフテン酸、樹脂酸、ラノリン脂肪酸、アミ
ノ酸誘導体、酸化ワックス等が挙げられるが、この中で
も脂肪酸、二塩基酸、二塩基酸の部分エステルが好まし
い。ここでいう脂肪酸の炭素数には、特に制限はない
が、耐ステイン性の点から、炭素数12〜24のものが
好ましい。炭素数12〜24の脂肪酸としては、具体的
には例えば、直鎖または分枝ドデカン酸、直鎖または分
枝トリデカン酸、直鎖または分枝テトラデカン酸、直鎖
または分枝ペンタデカン酸、直鎖または分枝ヘキサデカ
ン酸、直鎖または分枝ヘプタデカン酸、直鎖または分枝
オクタデカン酸、直鎖または分枝ノナデカン酸、直鎖ま
たは分枝イコサン酸、直鎖または分枝ヘンイコサン酸、
直鎖または分枝ドコサン酸、直鎖または分枝トリコサン
酸、直鎖または分枝テトラコサン酸などの飽和脂肪酸;
直鎖または分枝ドデセン酸、直鎖または分枝トリデセン
酸、直鎖または分枝テトラデセン酸、直鎖または分枝ペ
ンタデセン酸、直鎖または分枝ヘキサデセン酸、直鎖ま
たは分枝ヘプタデセン酸、直鎖または分枝オクタデセン
酸、直鎖または分枝ノナデセン酸、直鎖または分枝イコ
セン酸、直鎖または分枝ヘンイコセン酸、直鎖または分
枝ドコセン酸、直鎖または分枝トリコセン酸、直鎖また
は分枝テトラコセン酸などの不飽和脂肪酸;およびこれ
らの混合物などが挙げられる。この中でも、より防錆性
に優れる点から、炭素数14〜20の脂肪酸がより好ま
しい。また、二塩基酸としては具体的には例えば、エタ
ン二酸(シュウ酸)、直鎖状または分岐状のプロパン二
酸(マロン酸を含む)、直鎖状または分岐状のブタン二
酸(コハク酸を含む)、直鎖状または分岐状のペンタン
二酸(グルタル酸を含む)、直鎖状または分岐状のヘキ
サン二酸(アジピン酸を含む)、直鎖状または分岐状の
ヘプタン二酸(ピメリン酸を含む)、直鎖状または分岐
状のオクタン二酸(スベリン酸を含む)、直鎖状または
分岐状のノナン二酸(アゼライン酸を含む)、直鎖状ま
たは分岐状のデカン二酸(セバシン酸を含む)等が挙げ
られる。また、二塩基酸としては、炭素数9〜24のア
ルキル基またはアルケニル基を有するアルキルまたはア
ルケニルコハク酸等が挙げられる。また、二塩基酸の部
分エステルとしては、上記した二塩基酸とアルコールと
の部分エステルであり、ここでいう部分エステルとは、
二塩基酸の2つのカルボキシル基のうち一方のみがエス
テル化され、残りの一方はカルボキシル基のまま残って
いるエステルをいう。二塩基酸とのエステルに用いられ
るアルコールは、その炭素数は特に制限されないが、好
ましくは炭素数1〜24、より好ましくは炭素数1〜1
8のアルコールが用いられる。このようなアルコールと
しては、具体的には例えば、メタノール、エタノール、
直鎖状または分岐状のプロパノール、直鎖状または分岐
状のブタノール、直鎖状または分岐状のペンタノール、
直鎖状または分岐状のヘキサノール、直鎖状または分岐
状のヘプタノール、直鎖状または分岐状のオクタノー
ル、直鎖状または分岐状のノナノール、直鎖状または分
岐状のデカノール、直鎖状または分岐状のウンデカノー
ル、直鎖状または分岐状のドデカノール、直鎖状または
分岐状のトリデカノール、直鎖状または分岐状のテトラ
デカノール、直鎖状または分岐状のペンタデカノール、
直鎖状または分岐状のヘキサデカノール、直鎖状または
分岐状のオクタデカノール、直鎖状または分岐状のノナ
デカノール、直鎖状または分岐状のイコサノール、直鎖
状または分岐状のヘンイコサノール、直鎖状または分岐
状のドコサノール、直鎖状または分岐状のトリコサノー
ル、直鎖状または分岐状のテトラコサノールなどの直鎖
状または分岐状アルキル基を有する炭素数1〜24の一
価アルコールが挙げられる。
【0011】上記スルホン酸としては、具体的には例え
ば、平均分子量100〜1500、好ましくは200〜
700のアルキル芳香族化合物をスルホン化することに
よって得られるアルキル芳香族スルホン酸等が好適に用
いられる。ここでいうアルキル芳香族スルホン酸として
は、一般に鉱油の潤滑油留分のアルキル芳香族化合物を
スルホン化したものやホワイトオイル製造時に副生す
る、いわゆるマホガニー酸などの石油スルホン酸や、例
えば洗剤の原料となるアルキルベンゼン製造プラントか
ら副生したり、ポリオレフィンをベンゼンにアルキル化
することにより得られる、直鎖状や分枝状のアルキル基
を有するアルキルベンゼンをスルホン化したもの、ある
いはジノニルナフタレンなどのアルキルナフタレンをス
ルホン化したものなどの合成スルホン酸などが挙げられ
る。
【0012】上記酸性(亜)リン酸エステルとしては、
下記一般式(2)で表される酸性リン酸エステル(n=
1の場合)および酸性亜リン酸エステル(n=0の場
合)等が挙げられる。 (一般式(2)において、R6およびR7は個別に水素ま
たは炭素数1〜24の炭化水素基を示すが、ただしR6
およびR7が同時に水素である場合を除く。nは0また
は1の整数を示す。) 上記式(2)において、炭化水素基としては、炭素数1
〜24の直鎖状または分枝状のアルキル基、炭素数3〜
24の直鎖状または分枝状のアルケニル基、炭素数5〜
13のシクロアルキル基またはアルキルシクロアルキル
基、炭素数6〜18のアリール基または直鎖状もしくは
分枝状のアルキルアリール基、炭素数7〜19のアリー
ルアルキル基などが挙げられる。上記式(2)で表され
る酸性リン酸エステルの好ましい具体例を例示すれば、
モノブチルアシッドホスフェート、モノペンチルアシッ
ドホスフェート、モノヘキシルアシッドホスフェート、
モノヘプチルアシッドホスフェート、モノオクチルアシ
ッドホスフェート、モノノニルアシッドホスフェート、
モノデシルアシッドホスフェート、モノウンデシルアシ
ッドホスフェート、モノドデシルアシッドホスフェー
ト、モノトリデシルアシッドホスフェート、モノテトラ
デシルアシッドホスフェート、モノペンタデシルアシッ
ドホスフェート、モノヘキサデシルアシッドホスフェー
ト、モノヘプタデシルアシッドホスフェート、モノオク
タデシルアシッドホスフェート、モノオレイルアシッド
ホスフェート、ジブチルアシッドホスフェート、ジペン
チルアシッドホスフェート、ジヘキシルアシッドホスフ
ェート、ジヘプチルアシッドホスフェート、ジオクチル
アシッドホスフェート、ジノニルアシッドホスフェー
ト、ジデシルアシッドホスフェート、ジウンデシルアシ
ッドホスフェート、ジドデシルアシッドホスフェート、
ジトリデシルアシッドホスフェート、ジテトラデシルア
シッドホスフェート、ジペンタデシルアシッドホスフェ
ート、ジヘキサデシルアシッドホスフェート、ジヘプタ
デシルアシッドホス フェート、ジオクタデシルアシッ
ドホスフェート、ジオレイルアシッドホスフェートなど
が例示できる。同様にして、上記式(2)で表される酸
性亜リン酸エステルの好ましき具体例を例示すると、モ
ノブチルハイドロジェンホスファイト、モノペンチルハ
イドロジェンホスファイト、モノヘキシルハイドロジェ
ンホスファイト、モノヘプチルハイドロジェンホスファ
イト、モノオクチルハイドロジェンホスファイト、モノ
ノニルハイドロジェンホスファイト、モノデシルハイド
ロジェンホスファイト、モノウンデシルハイドロジェン
ホスファイト、モノドデシルハイドロジェンホスファイ
ト、モノトリデシルハイドロジェンホスファイト、モノ
テトラデシルハイドロジェンホスファイト、モノペンタ
デシルハイドロジェンホスファイト、モノヘキサデシル
ハイドロジェンホスファイト、モノヘプタデシルハイド
ロジェンホスファイト、モノオクタデシルハイドロジェ
ンホスファイト、モノオレイルハイドロジェンホスファ
イト、ジブチルハイドロジェンホスファイト、ジペンチ
ルハイドロジェンホスファイト、ジヘキシルハイドロジ
ェンホスファイト、ジヘプチルハイドロジェンホスファ
イト、ジオクチルハイドロジェンホスファイト、ジノニ
ルハイドロジェンホスファイト、ジデシルハイドロジェ
ンホスファイト、ジウンデシルハイドロジェンホスファ
イト、ジドデシルハイドロジェンホスファイト、ジトリ
デシルハイドロジェンホスファイト、ジテトラデシルハ
イドロジェンホスファイト、ジペンタデシルハイドロジ
ェンホスファイト、ジヘキサデシルハイドロジェンホス
ファイト、ジヘプタデシルハイドロジェンホスファイ
ト、ジオクタデシルハイドロジェンホスファイト、ジオ
レイルハイドロジェンホスファイトなどが例示できる。
【0013】(B−1)成分は上記した有機酸のアミン
塩であるが、ここでいうアミンとしては、モノアミン、
ポリアミン、アルカノールアミン等が挙げられる。上記
モノアミンとしては、具体的には例えば、モノメチルア
ミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、モノエチル
アミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、モノプロ
ピルアミン(全ての異性体を含む)、ジプロピルアミン
(全ての異性体を含む)、トリプロピルアミン(全ての
異性体を含む)、モノブチルアミン(全ての異性体を含
む)、ジブチルアミン(全ての異性体を含む)、トリブ
チルアミン(全ての異性体を含む)、モノペンチルアミ
ン(全ての異性体を含む)、ジペンチルアミン(全ての
異性体を含む)、トリペンチルアミン(全ての異性体を
含む)、モノヘキシルアミン(全ての異性体を含む)、
ジヘキシルアミン(全ての異性体を含む)、モノヘプチ
ルアミン(全ての異性体を含む)、ジヘプチルアミン
(全ての異性体を含む)、モノオクチルアミン(全ての
異性体を含む)、ジオクチルアミン(全ての異性体を含
む)、モノノニルアミン(全ての異性体を含む)、モノ
デシルアミン(全ての異性体を含む)、モノウンデシル
(全ての異性体を含む)、モノドデシルアミン(全ての
異性体を含む)、モノトリデシルアミン(全ての異性体
を含む)、モノテトラデシルアミン(全ての異性体を含
む)、モノペンタデシルアミン(全ての異性体を含
む)、モノヘキサデシルアミン(全ての異性体を含
む)、モノヘプタデシルアミン(全ての異性体を含
む)、モノオクタデシルアミン(全ての異性体を含
む)、モノノナデシルアミン(全ての異性体を含む)、
モノイコシルアミン(全ての異性体を含む)、モノヘン
イコシルアミン(全ての異性体を含む)、モノドコシル
アミン(全ての異性体を含む)、モノトリコシルアミン
(全ての異性体を含む)、ジメチル(エチル)アミン、
ジメチル(プロピル)アミン(全ての異性体を含む)、
ジメチル(ブチル)アミン(全ての異性体を含む)、ジ
メチル(ペンチル)アミン(全ての異性体を含む)、ジ
メチル(ヘキシル)アミン(全ての異性体を含む)、ジ
メチル(ヘプチル)アミン(全ての異性体を含む)、ジ
メチル(オクチル)アミン(全ての異性体を含む)、ジ
メチル(ノニル)アミン(全ての異性体を含む)、ジメ
チル(デシル)アミン(全ての異性体を含む)、ジメチ
ル(ウンデシル)アミン(全ての異性体を含む)、ジメ
チル(ドデシル)アミン(全ての異性体を含む)、ジメ
チル(トリデシル)アミン(全ての異性体を含む)、ジ
メチル(テトラデシル)アミン(全ての異性体を含
む)、ジメチル(ペンタデシル)アミン(全ての異性体
を含む)、ジメチル(ヘキサデシル)アミン(全ての異
性体を含む)、ジメチル(ヘプタデシル)アミン(全て
の異性体を含む)、ジメチル(オクタデシル)アミン
(全ての異性体を含む)、ジメチル(ノナデシル)アミ
ン(全ての異性体を含む)、ジメチル(イコシル)アミ
ン(全ての異性体を含む)、ジメチル(ヘンイコシル)
アミン(全ての異性体を含む)、ジメチル(トリコシ
ル)アミン(全ての異性体を含む)等のアルキルアミ
ン;モノビニルアミン、ジビニルアミン、トリビニルア
ミン、モノプロペニルアミン(全ての異性体を含む)、
ジプロペニルアミン(全ての異性体を含む)、トリプロ
ペニルアミン(全ての異性体を含む)、モノブテニルア
ミン(全ての異性体を含む)、ジブテニルアミン(全て
の異性体を含む)、トリブテニルアミン(全ての異性体
を含む)、モノペンテニルアミン(全ての異性体を含
む)、ジペンテニルアミン(全ての異性体を含む)、ト
リペンテニルアミン(全ての異性体を含む)、モノヘキ
セニルアミン(全ての異性体を含む)、ジヘキセニルア
ミン(全ての異性体を含む)、モノヘプテニルアミン
(全ての異性体を含む)、ジヘプテニルアミン(全ての
異性体を含む)、モノオクテニルアミン(全ての異性体
を含む)、ジオクテニルアミン(全ての異性体を含
む)、モノノネニルアミン(全ての異性体を含む)、モ
ノデセニルアミン(全ての異性体を含む)、モノウンデ
セニル(全ての異性体を含む)、モノドデセニルアミン
(全ての異性体を含む)、モノトリデセニルアミン(全
ての異性体を含む)、モノテトラデセニルアミン(全て
の異性体を含む)、モノペンタデセニルアミン(全ての
異性体を含む)、モノヘキサデセニルアミン(全ての異
性体を含む)、モノヘプタデセニルアミン(全ての異性
体を含む)、モノオクタデセニルアミン(全ての異性体
を含む)、モノノナデセニルアミン(全ての異性体を含
む)、モノイコセニルアミン(全ての異性体を含む)、
モノヘンイコセニルアミン(全ての異性体を含む)、モ
ノドコセニルアミン(全ての異性体を含む)、モノトリ
コセニルアミン(全ての異性体を含む)等のアルケニル
アミン;ジメチル(ビニル)アミン、ジメチル(プロペ
ニル)アミン(全ての異性体を含む)、ジメチル(ブテ
ニル)アミン(全ての異性体を含む)、ジメチル(ペン
テニル)アミン(全ての異性体を含む)、ジメチル(ヘ
キセニル)アミン(全ての異性体を含む)、ジメチル
(ヘプテニル)アミン(全ての異性体を含む)、ジメチ
ル(オクテニル)アミン(全ての異性体を含む)、ジメ
チル(ノネニル)アミン(全ての異性体を含む)、ジメ
チル(デセニル)アミン(全ての異性体を含む)、ジメ
チル(ウンデセニル)アミン(全ての異性体を含む)、
ジメチル(ドデセニル)アミン(全ての異性体を含
む)、ジメチル(トリデセニル)アミン(全ての異性体
を含む)、ジメチル(テトラデセニル)アミン(全ての
異性体を含む)、ジメチル(ペンタデセニル)アミン
(全ての異性体を含む)、ジメチル(ヘキサデセニル)
アミン(全ての異性体を含む)、ジメチル(ヘプタデセ
ニル)アミン(全ての異性体を含む)、ジメチル(オク
タデセニル)アミン(全ての異性体を含む)、ジメチル
(ノナデセニル)アミン(全ての異性体を含む)、ジメ
チル(イコセニル)アミン(全ての異性体を含む)、ジ
メチル(ヘンイコセニル)アミン(全ての異性体を含
む)、ジメチル(トリコセニル)アミン(全ての異性体
を含む)等のアルキル基およびアルケニル基を有するモ
ノアミン;モノベンジルアミン、(1−フェニルチル)
アミン、(2−フェニルエチル)アミン(別名:モノフ
ェネチルアミン)、ジベンジルアミン、ビス(1−フェ
ニエチル)アミン、ビス(2−フェニルエチレン)アミ
ン(別名:ジフェネチルアミン)等の芳香族置換アルキ
ルアミン;モノシクロペンチルアミン、ジシクロペンチ
ルアミン、トリシクロペンチルアミン、モノシクロヘキ
シルアミン、ジシクロヘキシルアミン、モノシクロヘプ
チルアミン、ジシクロヘプチルアミン等の炭素数5〜1
6のシクロアルキルアミン;ジメチル(シクロペンチ
ル)アミン、ジメチル(シクロヘキシル)アミン、ジメ
チル(シクロヘプチル)アミン等のアルキル基およびシ
クロアルキル基を有するモノアミン;(メチルシクロペ
ンチル)アミン(全ての置換異性体を含む)、ビス(メ
チルシクロペンチル)アミン(全ての置換異性体を含
む)、(ジメチルシクロペンチル)アミン(全ての置換
異性体を含む)、ビス(ジメチルシクロペンチル)アミ
ン(全ての置換異性体を含む)、(エチルシクロペンチ
ル)アミン(全ての置換異性体を含む)、ビス(エチル
シクロペンチル)アミン(全ての置換異性体を含む)、
(メチルエチルシクロペンチル)アミン(全ての置換異
性体を含む)、ビス(メチルエチルシクロペンチル)ア
ミン(全ての置換異性体を含む)、(ジエチルシクロペ
ンチル)アミン(全ての置換異性体を含む)、(メチル
シクロヘキシル)アミン(全ての置換異性体を含む)、
ビス(メチルシクロヘキシル)アミン(全ての置換異性
体を含む)、(ジメチルシクロヘキシル)アミン(全て
の置換異性体を含む)、ビス(ジメチルシクロヘキシ
ル)アミン(全ての置換異性体を含む)、(エチルシク
ロヘキシル)アミン(全ての置換異性体を含む)、ビス
(エチルシクロヘキシル)アミン(全ての置換異性体を
含む)、(メチルエチルシクロヘキシル)アミン(全て
の置換異性体を含む)、(ジエチルシクロヘキシル)ア
ミン(全ての置換異性体を含む)、(メチルシクロヘプ
チル)アミン(全ての置換異性体を含む)、ビス(メチ
ルシクロヘプチル)アミン(全ての置換異性体を含
む)、(ジメチルシクロヘプチル)アミン(全ての置換
異性体を含む)、(エチルシクロヘプチルアミン(全て
の置換異性体を含む)、(メチルエチルシクロヘプチ
ル)アミン(全ての置換異性体を含む)、(ジエチルシ
クロヘプチル)アミン(全ての置換異性体を含む)等の
アルキルシクロアルキルアミン;等が挙げられる。ま
た、このモノアミンには牛脂アミン等に代表されるよう
な、油脂から誘導されるモノアミンも含まれる。
【0014】上記ポリアミンとしては、具体的には例え
ば、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエ
チレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタ
エチレンヘキサミン、プロピレンジアミン、ジプロピレ
ントリアミン、トリプロピレンテトラミン、テトラプロ
ピレンペンタミン、ペンタプロピレンヘキサミン、ブチ
レンジアミン、ジブチレントリアミン、トリブチレンテ
トラミン、テトラブチレンペンタミン、ペンタブチレン
ヘキサミン等のアルキレンポリアミン;N−メチルエチ
レンジアミン、N−エチルエチレンジアミン、N−プロ
ピルエチレンジアミン(全ての異性体を含む)、N−ブ
チルエチレンジアミン(全ての異性体を含む)、N−ペ
ンチルエチレンジアミン(全ての異性体を含む)、N−
ヘキシルエチレンジアミン(全ての異性体を含む)、N
−ヘプチルエチレンジアミン(全ての異性体を含む)、
N−オクチルエチレンジアミン(全ての異性体を含
む)、N−ノニルエチレンジアミン(全ての異性体を含
む)、N−デシルエチレンジアミン(全ての異性体を含
む)、N−ウンデシル(全ての異性体を含む)、N−ド
デシルエチレンジアミン(全ての異性体を含む)、N−
トリデシルエチレンジアミン(全ての異性体を含む)、
N−テトラデシルエチレンジアミン(全ての異性体を含
む)、N−ペンタデシルエチレンジアミン(全ての異性
体を含む)、N−ヘキサデシルエチレンジアミン(全て
の異性体を含む)、N−ヘプタデシルエチレンジアミン
(全ての異性体を含む)、N−オクタデシルエチレンジ
アミン(全ての異性体を含む)、N−ノナデシルエチレ
ンジアミン(全ての異性体を含む)、N−イコシルエチ
レンジアミン(全ての異性体を含む)、N−ヘンイコシ
ルエチレンジアミン(全ての異性体を含む)、N−ドコ
シルエチレンジアミン(全ての異性体を含む)、N−ト
リコシルエチレンジアミン(全ての異性体を含む)等の
N−アルキルエチレンジアミン;N−ビニルエチレンジ
アミン、N−プロペニルエチレンジアミン(全ての異性
体を含む)、N−ブテニルエチレンジアミン(全ての異
性体を含む)、N−ペンテニルエチレンジアミン(全て
の異性体を含む)、N−ヘキセニルエチレンジアミン
(全ての異性体を含む)、N−ヘプテニルエチレンジア
ミン(全ての異性体を含む)、N−オクテニルエチレン
ジアミン(全ての異性体を含む)、N−ノネニルエチレ
ンジアミン(全ての異性体を含む)、N−デセニルエチ
レンジアミン(全ての異性体を含む)、N−ウンデセニ
ル(全ての異性体を含む)、N−ドデセニルエチレンジ
アミン(全ての異性体を含む)、N−トリデセニルエチ
レンジアミン(全ての異性体を含む)、N−テトラデセ
ニルエチレンジアミン(全ての異性体を含む)、N−ペ
ンタデセニルエチレンジアミン(全ての異性体を含
む)、N−ヘキサデセニルエチレンジアミン(全ての異
性体を含む)、N−ヘプタデセニルエチレンジアミン
(全ての異性体を含む)、N−オクタデセニルエチレン
ジアミン(全ての異性体を含む)、N−ノナデセニルエ
チレンジアミン(全ての異性体を含む)、N−イコセニ
ルエチレンジアミン(全ての異性体を含む)、N−ヘン
イコセニルエチレンジアミン(全ての異性体を含む)、
N−ドコセニルエチレンジアミン(全ての異性体を含
む)、N−トリコセニルエチレンジアミン(全ての異性
体を含む)等のN−アルケニルエチレンジアミン;N−
アルキルジエチレントリアミン、N−アルケニルジエチ
レントリアミン、N−アルキルトリエチレンテトラミ
ン、N−アルケニルトリエチレンテトラミン、N−アル
キルテトラエチレンペンタミン、N−アルケニルテトラ
エチレンペンタミン、N−アルキルペンタエチレンヘキ
サミン、N−アルケニルペンタエチレンヘキサミン、N
−アルキルプロピレンジアミン、N−アルケニルプロピ
レンジアミン、N−アルキルジプロピレントリアミン、
N−アルケニルジプロピレントリアミン、N−アルキル
トリプロピレンテトラミン、N−アルケニルトリプロピ
レンテトラミン、N−アルキルテトラプロピレンペンタ
ミン、N−アルケニルテトラプロピレンペンタミン、N
−アルキルペンタプロピレンヘキサミン、N−アルケニ
ルペンタプロピレンヘキサミン、N−アルキルブチレン
ジアミン、N−アルケニルブチレンジアミン、N−アル
キルジブチレントリアミン、N−アルケニルジブチレン
トリアミン、N−アルキルトリブチレンテトラミン、N
−アルケニルトリブチレンテトラミン、N−アルキルテ
トラブチレンペンタミン、N−アルケニルテトラブチレ
ンペンタミン、N−アルキルペンタブチレンヘキサミ
ン、N−アルケニルペンタブチレンヘキサミン等のN−
アルキルまたはN−アルケニルアルキレンポリアミン;
等が挙げられる。また、このポリアミンには牛脂ポリア
ミン等に代表されるような、油脂から誘導されるポリア
ミンも含まれる。
【0015】上記アルカノールアミンとしては、具体的
には例えば、モノメタノールアミン、ジメタノールアミ
ン、トリメタノールアミン、モノエタノールアミン、ジ
エタノールアミン、トリエタノールアミン、モノ(n−
プロパノール)アミン、ジ(n−プロパノール)アミ
ン、トリ(n−プロパノール)アミン、モノイソプロパ
ノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプ
ロパノールアミン、モノブタノールアミン(全ての異性
体を含む)、ジブタノールアミン(全ての異性体を含
む)、トリブタノールアミン(全ての異性体を含む)、
モノペンタノールアミン(全ての異性体を含む)、ジペ
ンタノールアミン(全ての異性体を含む)、トリペンタ
ノールアミン(全ての異性体を含む)、モノヘキサノー
ルアミン(全ての異性体を含む)、ジヘキサノールアミ
ン(全ての異性体を含む)、モノヘプタノールアミン
(全ての異性体を含む)、ジヘプタノールアミン(全て
の異性体を含む)、モノオクタノールアミン(全ての異
性体を含む)、モノノナノールアミン(全ての異性体を
含む)、モノデカノールアミン(全ての異性体を含
む)、モノウンデカノールアミン(全ての異性体を含
む)、モノドデカノールアミン(全ての異性体を含
む)、モノトリデカノールアミン(全ての異性体を含
む)、モノテトラデカノールアミン(全ての異性体を含
む)、モノペンタデカノールアミン(全ての異性体を含
む)、モノヘキサデカノールアミン(全ての異性体を含
む)、ジエチルモノエタノールアミン、ジエチルモノプ
ロパノールアミン(全ての異性体を含む)、ジエチルモ
ノブタノールアミン(全ての異性体を含む)、ジエチル
モノペンタノールアミン(全ての異性体を含む)、ジプ
ロピルモノエタノールアミン(全ての異性体を含む)、
ジプロピルモノプロパノールアミン(全ての異性体を含
む)、ジプロピルモノブタノールアミン(全ての異性体
を含む)、ジプロピルモノペンタノールアミン(全ての
異性体を含む)、ジブチルモノエタノールアミン(全て
の異性体を含む)、ジブチルモノプロパノールアミン
(全ての異性体を含む)、ジブチルモノブタノールアミ
ン(全ての異性体を含む)、ジブチルモノペンタノール
アミン(全ての異性体を含む)、モノエチルジエタノー
ルアミン、モノエチルジプロパノールアミン(全ての異
性体を含む)、モノエチルジブタノールアミン(全ての
異性体を含む)、モノエチルジペンタノールアミン(全
ての異性体を含む)、モノプロピルジエタノールアミン
(全ての異性体を含む)、モノプロピルジプロパノール
アミン(全ての異性体を含む)、モノプロピルジブタノ
ールアミン(全ての異性体を含む)、モノプロピルジペ
ンタノールアミン(全ての異性体を含む)、モノブチル
ジエタノールアミン(全ての異性体を含む)、モノブチ
ルジプロパノールアミン(全ての異性体を含む)、モノ
ブチルジブタノールアミン(全ての異性体を含む)、モ
ノブチルジペンタノールアミン(全ての異性体を含む)
等を挙げることができる。上記したアミンの中でも、冷
凍システムへの影響が少ないことから、モノアミンが好
ましく、モノアミンの中でも特にアルキルアミン、アル
キル基およびアルケニル基を有するモノアミン、シクロ
アルキルアミン、アルキル基およびシクロアルキル基を
有するモノアミンおよびアルキルシクロアルキルアミン
がより好ましい。また、耐ステイン性の点から、アミン
分子中の合計炭素数が3以上のアミンが好ましく、合計
炭素数が5以上のアミンがより好ましい。
【0016】また、本発明の(B−2)成分は、多価ア
ルコールの部分エステルであるが、ここでいう多価アル
コールとしては、ジオールおよび水酸基を3〜20個有
するポリオール等が挙げられる。ここで、ジオールとし
ては、具体的には例えば、エチレングリコール、1,3
−プロパンジオール、プロピレングリコール、1,4−
ブタンジオール、1,2−ブタンジオール、2ーメチル
−1,3−プロパンジオール、1,5−ペンタンジオー
ル、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオー
ル、2−エチル−2−メチル−1,3−プロパンジオー
ル、1,7−ヘプタンジオール、2−メチル−2−プロ
ピル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジエチル−
1,3−プロパンジオール、1,8−オクタンジオー
ル、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオー
ル、1,11−ウンデカンジオール、1,12−ドデカ
ンジオールなどが挙げられる。また、ポリオールとして
は、具体的には例えば、トリメチロールエタン、トリメ
チロールプロパン、トリメチロールブタン、ジ−(トリ
メチロールプロパン)、トリ−(トリメチロールプロパ
ン)、ペンタエリスリトール、ジ−(ペンタエリスリト
ール)、トリ−(ペンタエリスリトール)、グリセリ
ン、ポリグリセリン(グリセリンの2〜20量体)、
1,3,5ーペンタントリオール、ソルビトール、ソル
ビタン、ソルビトールグリセリン縮合物、アドニトー
ル、アラビトール、キシリトール、マンニトールなどの
多価アルコール、キシロース、アラビノース、リボー
ス、ラムノース、グルコース、フルクトース、ガラクト
ース、マンノース、ソルボース、セロビオース、マルト
ース、イソマルトース、トレハロース、シュクロース、
ラフィノース、ゲンチアノース、メレジトースなどの糖
類、ならびにこれらの部分エーテル化物、およびメチル
グルコシド(配糖体)などが挙げられる。これら多価ア
ルコールの中でも、防錆性の点から、水酸基を3〜6個
有するポリオールが好ましく、トリメチロールエタン、
トリメチロールプロパン、トリメチロールブタン、ペン
タエリスリトール、グリセリン、ソルビタン、ソルビト
ールがより好ましい。また、エステルを構成する酸とし
ては、炭素数10〜24の脂肪酸等が挙げられる。この
ような脂肪酸としては、具体的には例えば、直鎖または
分枝デカン酸、直鎖または分枝ウンデカン酸、直鎖また
は分枝ドデカン酸、直鎖または分枝トリデカン酸、直鎖
または分枝テトラデカン酸、直鎖または分枝ペンタデカ
ン酸、直鎖または分枝ヘキサデカン酸、直鎖または分枝
ヘプタデカン酸、直鎖または分枝オクタデカン酸、直鎖
または分枝ノナデカン酸、直鎖または分枝イコサン酸、
直鎖または分枝ヘンイコサン酸、直鎖または分枝ドコサ
ン酸などの飽和脂肪酸;直鎖または分枝デセン酸、直鎖
または分枝ウンデセン酸、直鎖または分枝ドデセン酸、
直鎖または分枝トリデセン酸、直鎖または分枝テトラデ
セン酸、直鎖または分枝ペンタデセン酸、直鎖または分
枝ヘキサデセン酸、直鎖または分枝ヘプタデセン酸、直
鎖または分枝オクタデセン酸、直鎖または分枝ノナデセ
ン酸、直鎖または分枝イコセン酸、直鎖または分枝ヘン
イコセン酸、直鎖または分枝ドコセン酸などの不飽和脂
肪酸;等が挙げられる。本発明の(B−2)成分でいう
部分エステルとは、多価アルコールの1個以上の水酸基
がエステル化されずに残存するものをいう。
【0017】本発明の(B)成分としては、上記したも
のの中から選ばれる単一の構造を有するさび止め添加剤
を単独で用いても良く、2種以上の異なる構造を有する
さび止め添加剤を併用して用いても良い。また、より防
錆性を向上させることができる点から、(B−1)成分
と(B−2)成分を併用して用いることが好ましい。こ
の場合、(B−1)成分および(B−2)成分として
は、それぞれ単一の構造を有するさび止め添加剤を単独
で用いても良く、2種以上の異なる構造を有するさび止
め添加剤を併用して用いてもよいことは言うまでもな
い。本発明のさび止め油組成物において、上記(B)成
分の含有量(合計量)は組成物全量基準で、1〜20質
量%であることが必要である。含有量が1質量%未満で
ある場合には、防錆性が低下し好ましくない。その下限
値は、より防錆性を高めることができることから、2質
量%以上であることが好ましく、4質量%以上であるこ
とがより好ましい。また、20質量%を越える場合に
は、冷凍システムへの影響が大きくなる恐れがあり好ま
しくない。同様の点から、上限値は、15質量%以下で
あることが好ましい。
【0018】本発明において、上記(A)成分および
(B)成分をそれぞれ所定量含有していれば、防錆性に
優れかつ冷凍サイクルへの悪影響を最小限に抑えたさび
止め油組成物が得られるが、さらにその酸化防止性能を
向上させるために、(C)フェノール系またはアミン系
酸化防止剤を含有させることができる。上記フェノール
系酸化防止剤としては、具体的には例えば、2,6−ジ
−tert−ブチル−p−クレゾール、4,4’−メチレン
ビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、4,
4’−ビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、
4,4’−チオビス(6−tert−ブチル−o−クレゾー
ル)等が挙げられる。また、アミン系酸化防止剤として
は、具体的には例えば、フェニルナフチルアミン、アル
キルフェニルナフチルアミン、p,p−ジアルキルジフ
ェニルアミン等が挙げられる。(C)成分を含有させる
場合、上記の中から選ばれる単一の構造を有する酸化防
止剤を単独で用いても良く、2種以上の異なる構造を有
する酸化防止剤を併用して用いても良い。本発明のさび
止め油組成物において、(C)成分を含有させる場合の
含有量(合計量)は組成物全量基準で、0.01〜5質
量%であることが好ましい。含有量が0.01質量%未
満である場合には効果が得られず好ましくない。十分な
酸化防止性を得るためには、下限値は、0.05質量%
以上であることが好ましく、0.1質量%以上であるこ
とがより好ましい。また、5質量%を越えてもそれ以上
の効果が得られないだけでなく、冷凍サイクルへ悪影響
を及ぼす恐れがあることから好ましくない。コストと性
能のバランスの点から、上限値は、2質量%以下である
ことが好ましく、1質量%以下であることがより好まし
い。
【0019】また、本発明のさび止め油組成物は、その
腐食防止性能を向上させるために、下記の中から選ばれ
る(D)腐食防止剤を含有させることができる。 (D−1)ベンゾトリアゾールまたはその誘導体 (D−2)チアジアゾール (D−3)ベンゾチアゾール ここでいう(D−1)成分のベンゾトリアゾールとして
は、下記の一般式(3)で表される化合物等が挙げられ
る。
【化1】 また(D−1)成分のベンゾトリアゾール誘導体として
は、具体的には例えば、下記の一般式(4)で表される
アルキルベンゾトリアゾールや、一般式(5)で表され
る(アルキル)アミノアルキルベンゾトリアゾール等が
挙げられる。
【化2】
【化3】 上記(4)式中、R8は炭素数1〜4の直鎖状または分
枝状のアルキル基を、好ましくはメチル基またはエチル
基を示し、またcは1〜3、好ましくは1または2の数
を示している。また上記(5)式中、R9は炭素数1〜
4の直鎖状または分枝状のアルキル基を、好ましくはメ
チル基またはエチル基を示し、R10はメチレン基または
エチレン基を示し、R11およびR12は別個に水素原子ま
たは炭素数1〜18の直鎖状または分枝状のアルキル
基、好ましくは炭素数1〜12の直鎖状または分枝状の
アルキル基を示し、またdは0〜3、好ましくは0また
は1の数を示している。上記(D−2)成分のチアジア
ゾールとしては、具体的には例えば、下記の一般式
(6)で表されるチアジアゾール化合物等が挙げられ
る。
【化4】 上記(6)式中、R13は、炭素数1〜30、好ましくは
6〜24の、直鎖状または分枝状のアルキル基を示し、
14は、水素または炭素数1〜30の直鎖状または分枝
状のアルキル基、好ましくは水素または炭素数1〜24
の直鎖状または分枝状のアルキル基をそれぞれ示し、a
およびbは別個に、1〜3、好ましくは1または2の数
を示している。上記(D−3)成分のベンゾチアゾール
としては、下記の一般式(7)で表される化合物等が挙
げられる。
【化5】 上記(7)式中、R15は炭素数1〜4の直鎖状または分
枝状のアルキル基、好ましくはメチル基またはエチル基
を示し、R16は炭素数1〜30、好ましくは6〜24
の、直鎖状または分枝状のアルキル基を示し、またeは
0〜3、好ましくは0または1の数を示し、fは1〜
3、好ましくは1または2の数を示している。(D)成
分を含有させる場合、上記の中から選ばれる単一の構造
を有する腐食防止剤を単独で用いても良く、2種以上の
異なる構造を有する腐食防止剤を併用して用いても良
い。本発明のさび止め油組成物において、(D)成分を
含有させる場合の含有量(合計量)は、組成物全量基準
で、0.001〜5質量%であることが好ましい。含有
量が0.001質量%未満である場合には効果が得られ
ず好ましくない。5質量%を越える場合には、冷凍サイ
クルに悪影響を及ぼす可能性がある。含有量は2質量%
以下であることが好ましく、1質量%以下であることが
より好ましい。
【0020】従って、本発明のさび止め油組成物は、4
0℃での動粘度が1.5〜50mm2/sであり、金属
元素の総含有量が0.1%未満であるさび止め油組成物
であって、組成物全量基準で(A)鉱油および/または
合成油の中から選ばれる少なくとも1種の基油を50〜
99質量%含有すると共に、(B)(B−1)有機酸の
アミン塩および/または(B−2)多価アルコールの部
分エステルの中から選ばれる少なくとも1種のさび止め
添加剤を1〜20重量%含有してなるものである。ま
た、本発明のさび止め油組成物は、上記(A)および
(B)成分に加えて(C)フェノール系および/または
アミン系酸化防止剤の中から選ばれる少なくとも1種の
酸化防止剤を組成物全量基準で0.01〜5質量%含有
してなることが好ましい。また、本発明のさび止め油組
成物は、上記(A)および(B)成分に加えて(D)成
分として下記の中から選ばれる少なくとも1種の腐食防
止剤を組成物全量基準で0.001〜5質量%含有して
なることが好ましい。 (D−1)ベンゾトリアゾールまたはその誘導体 (D−2)チアジアゾール (D−3)ベンゾチアゾール また、本発明のさび止め油組成物は、上記(A)、
(B)、(C)および(D)成分をそれぞれ上記規定量
含有してなることが好ましい。
【0021】また、本発明のさび止め油組成物には、そ
の性能をさらに高める目的で他の公知の添加剤を単独
で、または数種類組み合わせて添加することができる。
これら添加剤としては、具体的には例えば、トリクレジ
ルフォスフェートなどのリン酸エステル、豚脂などの油
脂、脂肪酸などに代表される潤滑性向上剤;ジエチレン
グリコールモノアルキルエーテルなどの湿潤剤;アクリ
ルポリマー、パラフィンワックス、マイクロワックス、
スラックワックス、ポリオレフィンワックスなどの造膜
剤;上記(B)成分以外のさび止め添加剤;メチルシリ
コーン、フルオロシリコーン、ポリアクリレートなどの
消泡剤;などが挙げられ、これらを単独で使用してもよ
く、また2種類以上組み合わせて使用してもよい。これ
ら公知の添加剤を併用する場合の含有量は任意である
が、通常、これら公知の添加剤の合計含有量が組成物全
量基準で10質量%以下となるような量を添加するのが
望ましい。なお、本発明のさび止め油組成物を冷凍サイ
クルシステムの金属部品用として用いる場合には、上記
添加剤を選定するにあたっては当然のことながら、該シ
ステム内に残存した場合にでも悪影響を及ぼさないよう
な添加剤を選ばなければならない。
【0022】本発明のさび止め油組成物は、金属製部品
に対するさび止め性に優れるばかりでなく、さび止め油
の除去が必ずしも完全でない金属製部品を冷凍システム
に使用しても、これを閉塞してしまうような事態を招く
ことがないという優れた性能を発揮する。
【0023】参考までに、本発明で言う冷凍システムに
ついて付言すると、用いられる冷媒としては、HFC冷
媒、炭化水素(HC冷媒)およびこれらの混合冷媒等が
挙げられる。HFC冷媒としては、炭素数1〜3のフッ
化アルカン(HFC)が知られており、その具体例とし
ては、ジフルオロメタン(HFC−32)、トリフルオ
ロメタン(HFC−23)、ペンタフルオロエタン(H
FC−125)、1,1,2,2−テトラフルオロエタ
ン(HFC−134)、1,1,1,2−テトラフルオ
ロエタン(HFC−134a)、1,1,1−トリフル
オロエタン(HFC−143a)、1,1−ジフルオロ
エタン(HFC−152a)などのHFC;またはこれ
らの2種以上の混合物等が挙げられる。そして、上記混
合冷媒としては、例えば、HFC−134a/HFC−
32=60〜80質量%/40〜20質量%の混合物、
HFC−32/HFC−125=40〜70質量%/6
0〜30質量%の混合物、HFC−125/HFC−1
43a=40〜60質量%/60〜40質量%の混合
物、HFC−134a/HFC−32/HFC−125
=60質量%/30質量%/10質量%の混合物、HF
C−134a/HFC−32/HFC−125=40〜
70質量%/15〜35質量%/5〜40質量%の混合
物、HFC−125/HFC−134a/HFC−14
3a=35〜55質量%/1〜15質量%/40〜60
質量%の混合物などを挙げることができ、さらに具体的
には、HFC−134a/HFC−32=70/30質
量%の混合物、HFC−32/HFC−125=60/
40質量%の混合物、HFC−32/HFC−125=
50/50質量%の混合物(R410A;アライドシグ
ナル社製 Genetron AZ−20)、HFC−
32/HFC−125=45/55質量%の混合物(R
410B;デュポン社製SUVA AC9100)、H
FC−125/HFC−143a=50/50質量%の
混合物(R507C;アライドシグナル社製 Gene
tron AZ−50)、HFC−32/HFC−12
5/HFC−134a=30/10/60質量%の混合
物、HFC−32/HFC−125/HFC−134a
=23/25/52質量%の混合物(R407C;デュ
ポン社製 SUVA AC9000)、HFC−125
/HFC−134a/HFC−143a=44/4/5
2質量%の混合物(R404A;デュポン社製 SUV
A HP−62)などが挙げられる。
【0024】また、炭化水素冷媒としては、具体的には
炭素数1〜6、好ましくは1〜5、より好ましくは2〜
4のアルカン、シクロアルカン、アルケンまたはこれら
の混合物である。具体的には例えば、メタン、エチレ
ン、エタン、プロピレン、プロパン、シクロプロパン、
ブタン、イソブタン、シクロブタン、メチルシクロプロ
パンまたはこれらの2種以上の混合物などがあげられ
る。これらの中でも、プロパン、ブタン、イソブタンま
たはこれらの混合物が好ましい。HFC冷媒と炭化水素
冷媒の混合比は任意であるが、冷媒は難燃性であるのが
好ましく、通常HFC/炭化水素=50〜97質量%/
50〜3質量%、好ましくは70〜95質量%/30〜
5質量%、特に好ましくは80〜90質量%/20〜1
0質量%とすることができる。熱力学的特性から最も好
ましい組み合わせはHFC−32/プロパン、ブタンお
よび/またはイソブタン=80/20〜90/10であ
る。
【0025】また、本発明でいう冷凍システムに用いら
れる冷凍機油としては、鉱油および合成油の中から選ば
れる少なくとも1種を基油とし、必要に応じて各種添加
剤を配合したものたものが使用される。鉱油および/ま
たは合成油としては上記本発明のさび止め油組成物の
(A)成分として説明した基油等が挙げられる。また、
本発明で言う冷凍システムとしては、具体的には例え
ば、ルームエアコン、自動車用エアコン、冷蔵庫、除湿
機、冷凍庫、冷凍冷蔵倉庫、自動販売機、ショーケー
ス、化学プラント等が挙げられる。
【0026】
【実施例】以下、実施例と比較例により、本発明の内容
を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に
何ら限定されるものではない。実施例1〜9および比較例1〜3 表1の各例に示すような組成を有する各種の本発明に係
るさび止め油組成物および比較例1〜3に示すような比
較のための配管加工用潤滑油組成物をそれぞれ調製し
た。各組成物の調製に用いた成分は、以下のとおりであ
る。 (A)基油 A1:鉱油(40℃の動粘度が2mm2/s) A2:鉱油(40℃の動粘度が22mm2/s) A3:ハードタイプアルキルベンゼン(40℃での動粘
度22mm2/s) A4:ペンタエリスリトールと2−エチルヘキサン酸お
よび3,5,5−トリメチルヘキサン酸の混合脂肪酸
(モル比50:50)とのテトラエステル(40℃の動
粘度が68mm2/s) A5:ポリエチレングリコール−プロピレングリコール
共重合体のモノブチルエーテル(40℃の動粘度が68
mm2/s) (B)さび止め添加剤 B1:トリメチロールプロパンモノオレート B2:ソルビタンモノオレート B3:アルキルベンゼンスルホン酸(アルキル基の平均
炭素数20)のジメチルドデシルアミン塩 B4:牛脂から得られる脂肪酸(平均炭素数18)のジ
メチルドデシルアミン塩 B5:牛脂から得られる脂肪酸(平均炭素数18)のエ
チルアミン塩 (C)酸化防止剤 C1:DBPC C2:フェニルナフチルアミン (D)腐食防止剤 D1:ベンゾトリアゾール D2:下記式(8)で表されるベンゾトリアゾール誘導
【化6】 式(8)中、R9はプロピル基、R10はメチレン基、R
11およびR12はメチル基をそれぞれ示し、dは1を示
す。 (E)その他の成分 E1:アルキルスルホン酸バリウム塩 E2:酸化パラフィン(全酸価10mgKOH/g)の
バリウム塩
【0027】
【表1】
【0028】次に調製した各実施例1〜9および比較例
1〜3の組成物について、それぞれ下記の性能評価試験
を行った。その結果を表2に示した。 [さび止め性試験]JIS K2246「さび止め油」
に規定された湿潤試験で錆が発生するまでの時間を用い
て評価した。ただし評価は3日間ごとに行った。 [冷凍システムへの影響試験]下記の冷媒および冷凍機
油を用いた各冷凍システムに対する各試験油の影響を調
べるため、シールドチューブ試験および低温析出性試験
を行った。 冷凍システム1:冷媒=R134a 冷凍機油=ポリプロピレングリコールモノブチルエーテル(4 0℃の動粘度が180mm2/s) 冷凍システム2:冷媒=R134a 冷凍機油=ペンタエリスリトールと2−エチルヘキサン酸およ び3,5,5−トリメチルヘキサン酸の混合脂肪酸 (モル比50:50)とのテトラエステル(40℃ の動粘度が68mm2/s) 冷凍システム3:冷媒=R134a 冷凍機油=ハードタイプアルキルベンゼン(40℃の動粘度が 22mm2/s) 冷凍システム4:冷媒=R410A 冷凍機油=ペンタエリスリトールと2−エチルヘキサン酸およ び3,5,5−トリメチルヘキサン酸の混合脂肪酸 (モル比50:50)とのテトラエステル(40℃ の動粘度が68mm2/s) 冷凍システム5:冷媒=R410A 冷凍機油=ハードタイプアルキルベンゼン(40℃の動粘度が 22mm2/s) 冷凍システム6:冷媒=R407C 冷凍機油=ペンタエリスリトールと2−エチルヘキサン酸およ び3,5,5−トリメチルヘキサン酸の混合脂肪酸 (モル比50:50)とのテトラエステル(40℃ の動粘度が68mm2/s) [シールドチューブ試験]冷凍システムに多く用いられ
る金属である、鉄、銅、純アルミニウムを用いてシール
ドチューブ試験を行った。内径10mmのパイレックス
ガラス管に冷媒1ml、冷凍機油1mlおよび試料油2
mgをとり、さらに鉄、アルミ、銅線を入れた。その後
ガラス管上部を溶融して密閉し、175℃で100時間
保持した。評価は、スラッジの発生量および3種類の金
属線の変色の有無で行った。なお金属線は太さ1.6m
mΦ、長さ50mmのものを用いた。 [低温析出性試験]内径10mmのパイレックスガラス
管に冷媒9mlおよび冷凍機油1mlをとり、さらに試
料油を不揮発分化させたものを10mg入れた。その後
ガラス管上部を溶融して密閉し、よく撹拌してから−2
0℃で72時間保持した。評価はくもり、沈殿の有無で
行った。なお揮発分化させた試料油は、JIS K22
46の湿潤試験法と同じ方法で試験片に塗油を行い、2
4時間後に試験片上に残存している試料油を回収するこ
とにより得た。上記のシールドチューブ試験および低温
析出性試験での評価基準は次のようにした。鉄,銅,純
アルミニウムの変色度合いについては、A=変色なし,
B=ごく僅かに変色あり,C=僅かに変色あり,D=明
瞭な変色あり,E=激しい変色あり,とした。スラッジ
発生量については、A=スラッジの発生なし,B=ごく
僅かにスラッジを発生,C=僅かにスラッジを発生,D
=明瞭なスラッジを発生,E=多量のスラッジを発生,
とした。くもり、沈殿の発生量については、A=くも
り、沈殿の発生なし,B=ごく僅かにくもり、沈殿を発
生,C=僅かにくもり、沈殿を発生,D=明瞭なくも
り、沈殿を発生,E=多量のくもり、沈殿が発生、とし
た。
【0029】
【表2】
【0030】表1、2からも明らかなとおり、本発明に
係る実施例1〜9のさび止め油組成物は、さび止め性に
優れるだけでなく冷凍機油に混入した場合でもシステム
中の金属との相性がよく、キャピラリ閉塞などの問題を
引き起こさないことが分かる。
【0031】
【発明の効果】以上要するに本発明によれば、さび止め
性に優れると共に、表面に一部残留した金属製部品を冷
凍システムに使用してもシステムへの悪影響を最小限に
抑えられるさび止め油組成物が得られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 本山 忠昭 神奈川県横浜市中区千鳥町8番地 日本石 油株式会社中央技術研究所内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 40℃での動粘度が1.5〜50mm2
    /sであり、金属元素の総含有量が0.1%未満である
    さび止め油組成物であって、組成物全量基準で(A)鉱
    油および/または合成油の中から選ばれる少なくとも1
    種の基油を50〜99質量%含有すると共に、(B)
    (B−1)有機酸のアミン塩および/または(B−2)
    多価アルコールの部分エステルの中から選ばれる少なく
    とも1種のさび止め添加剤を1〜20重量%含有してな
    るさび止め油組成物。 【0001】
JP10089337A 1998-03-18 1998-03-18 さび止め油組成物 Pending JPH11263992A (ja)

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