JPH11263900A - 熱可塑性ポリエステル樹脂組成物及びそれからなる射出ブロー成形体 - Google Patents

熱可塑性ポリエステル樹脂組成物及びそれからなる射出ブロー成形体

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JPH11263900A
JPH11263900A JP6998498A JP6998498A JPH11263900A JP H11263900 A JPH11263900 A JP H11263900A JP 6998498 A JP6998498 A JP 6998498A JP 6998498 A JP6998498 A JP 6998498A JP H11263900 A JPH11263900 A JP H11263900A
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polyester resin
thermoplastic
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 結晶化温度を高温化せしめ、よって、透明性
を低下させることなく耐熱性を付与できると共に、水蒸
気バリア性の低下も抑えることができ、又、射出成形時
の計量安定性をも備えた熱可塑性ポリエステル樹脂組成
物、及びそれからなる射出ブロー成形体を提供する。 【解決手段】 テレフタル酸又はそのアルキルエステル
を主成分とするジカルボン酸単位とエチレングリコール
を主成分とするグリコール単位とからなり、アンチモン
化合物を触媒として重縮合することにより得られた熱可
塑性ポリエステル樹脂と、非晶性熱可塑性樹脂とからな
る樹脂組成物であって、該非晶性熱可塑性樹脂の含有量
が1ppb以上10000ppm未満である熱可塑性ポ
リエステル樹脂組成物、及び、該樹脂組成物からなる射
出ブロー成形体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱可塑性ポリエス
テル樹脂組成物及びそれからなる射出ブロー成形体に関
し、更に詳しくは、結晶化温度を高温化せしめ、よっ
て、透明性を低下させることなく耐熱性を付与できると
共に、水蒸気バリア性の低下も抑えることができ、又、
射出成形時の計量安定性をも備え、特に射出ブロー成形
体の成形に有用な熱可塑性ポリエステル樹脂組成物、及
び該樹脂組成物からなる射出ブロー成形体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、炭酸飲料、果汁飲料、アルコ
ール飲料、茶やミネラルウォーター等の飲料、液体調味
料、食用油、液体洗剤、化粧品等のボトル容器として、
ポリエチレンテレフタレート樹脂が、優れた機械的性質
及び化学的特性に加え、その優れた透明性、ガスバリア
性、水蒸気バリア性、安全衛生性等の面から注目され、
著しい伸びを示している。
【0003】これらのポリエチレンテレフタレート樹脂
のボトルは、通常、射出成形したプリフォームをブロー
金型内で延伸ブロー成形して成形されるが、特にアンチ
モン化合物を触媒として重縮合され結晶化温度の低いポ
リエチレンテレフタレート樹脂の場合、果汁飲料等のよ
うに熱充填を必要とする内容物のボトルにおいては、ボ
トルの耐熱性を上げるために、プリフォーム又はボトル
の口栓部を熱処理して結晶化させることが行われてお
り、又、小容量のボトルにおいては、ボトル胴部の密度
を上げるために、ブロー金型の温度を120〜180℃
程度の高温に設定して胴部の結晶化を促進することが行
われている。そして、これらの処理は、必然的にボトル
の透明性を低下させることとなっている。
【0004】一方、ポリエチレンテレフタレート樹脂の
結晶化温度を高温化せしめ、前記熱処理における透明性
の低下を抑えるべく、樹脂を共重合化する方法、及び、
非晶性熱可塑性樹脂を1〜20重量%配合する方法(例
えば、特開平3−207750号公報参照。)等が提案
されているが、前者方法では、前記熱処理によるボトル
への耐熱性の付与自体が困難となり、又、後者方法で
は、本発明者の検討によれば、透明性の低下を抑えて耐
熱性を付与するにおいてかなりの効果が得られるもの
の、ポリエチレンテレフタレート樹脂が本来有する水蒸
気バリア性が低下してしまい、又、射出成形時の材料樹
脂の計量安定性に欠けるという新たな問題が生じること
が判明した。
【0005】本発明は、前述の従来技術に鑑みてなされ
たもので、結晶化温度を高温化せしめ、よって、透明性
を低下させることなく耐熱性を付与できると共に、水蒸
気バリア性の低下も抑えることができ、又、射出成形時
の計量安定性をも備えた熱可塑性ポリエステル樹脂組成
物、及びそれからなる射出ブロー成形体を提供すること
を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記目的を達
成すべくなされたものであって、即ち、本発明は、テレ
フタル酸又はそのアルキルエステルを主成分とするジカ
ルボン酸単位とエチレングリコールを主成分とするグリ
コール単位とからなり、アンチモン化合物を触媒として
重縮合することにより得られた熱可塑性ポリエステル樹
脂と、非晶性熱可塑性樹脂とからなる樹脂組成物であっ
て、該非晶性熱可塑性樹脂の含有量が1ppb以上10
000ppm未満である熱可塑性ポリエステル樹脂組成
物、及び、該樹脂組成物からなる射出ブロー成形体、を
要旨とする。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明において、熱可塑性ポリエ
ステル樹脂としては、テレフタル酸又はそのアルキル
(炭素数1〜4程度)エステルを主成分とするジカルボ
ン酸単位とエチレングリコールを主成分とするグリコー
ル単位との重縮合体であつて、このエチレンテレフタレ
ート単位が全構成繰り返し単位の80モル%以上を占め
ることが好ましい。
【0008】尚、テレフタル酸及びそのアルキルエステ
ル以外のジカルボン酸単位としては、例えば、フタル
酸、イソフタル酸、4,4’−ジフェニルジカルボン
酸、4,4’−ジフェノキシエタンジカルボン酸、4,
4’−ジフェニルエーテルジカルボン酸、4,4’−ジ
フェニルスルホンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジ
カルボン酸等の芳香族ジカルボン酸、ヘキサヒドロテレ
フタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸等の脂環式ジカル
ボン酸、マロン酸、コハク酸、アジピン酸、アゼライン
酸、セバシン酸等の脂肪族ジカルボン酸等の一種又は二
種以上を、又、エチレングリコール以外のグリコール単
位としては、例えば、プロピレングリコール、トリメチ
レングリコール、テトラメチレングリコール、ペンタメ
チレングリコール、ヘキサメチレングリコール、デカメ
チレングリコール、ネオペンチルグリコール、ジエチレ
ングリコール等の脂肪族グリコール、1,1−シクロヘ
キサンジメチロール、1,4−シクロヘキサンジメチロ
ール等の脂環式グリコール、4,4’−ジヒドロキシビ
フェニル、2,2−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)
プロパン、2,2−ビス(4’−β−ヒドロキシエトキ
シフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)スルホン、ビス(4−β−ヒドロキシエトキシフェ
ニル)スルホン酸等の芳香族グリコールの一種又は二種
以上を、更に、例えば、p−ヒドロキシ安息香酸、p−
β−ヒドロキシエトキシ安息香酸等のヒドロキシカルボ
ン酸やアルコキシカルボン酸等の一種又は二種以上を、
共重合成分として各々好ましくは15モル%以内、更に
好ましくは5モル%以内の範囲で用いられる。
【0009】これらのテレフタル酸又はそのアルキルエ
ステルを主成分とするジカルボン酸単位とエチレングリ
コールを主成分とするグリコール単位等を含む原料は、
常法により、エステル化触媒、又は、マンガン化合物等
の金属化合物等のエステル交換触媒の存在下、240〜
280℃程度の温度、1〜3kg/cm2 G程度の圧力
でエステル化反応又はエステル交換反応を行ってビス
(β−ヒドロキシエチル)テレフタレート及び/又はそ
のオリゴマーとされた後、アンチモン化合物、ゲルマニ
ウム化合物等の金属化合物等の重縮合触媒及び燐酸等の
燐化合物等の安定剤の存在下、250〜300℃程度の
温度、500〜0.1mmHg程度の圧力で溶融重縮合
を行ってポリマーとされ、溶融重縮合槽の底部に設けた
抜き出し口からストランド状に抜き出される等した後、
カッターで切断されてチップ状とされ、更に、溶融重縮
合により得られたチップ状ポリマーは、通常、120〜
200℃程度の温度で1分間以上加熱する等して予備結
晶化がなされた後、窒素等の不活性ガス流通下、190
〜230℃程度の温度、1kg/cm2 G〜10mmH
g程度の圧力で1〜50時間、固相重合を行ってチップ
状の熱可塑性ポリエステル樹脂とされる。
【0010】尚、本発明の熱可塑性ポリエステル樹脂組
成物は、前記熱可塑性ポリエステル樹脂の中で、重縮合
触媒としてアンチモン化合物を用いたポリエステル樹脂
において、特に有用である。ここで、重縮合触媒として
のアンチモン化合物としては、三酸化アンチモン、酢酸
アンチモン、メトキシアンチモン等が挙げられ、その使
用量は、樹脂中のアンチモン原子としての含有量が10
0〜400ppmの範囲となる量とするのが好ましく、
150〜300ppmの範囲となる量とするのが更に好
ましい。
【0011】又、前記熱可塑性ポリエステル樹脂の固有
粘度は、フェノール/テトラクロロエタン(重量比1/
1)の混合溶媒中で30℃で測定した値として、溶融重
縮合後のポリマーで、通常、0.45〜0.7dl/g
の範囲であり、固相重合後のポリマーで、通常、0.5
〜1.2dl/gの範囲である。又、本発明における熱
可塑性ポリエステル樹脂は、グリコール単位としてのジ
エチレングリコールの含有量が、1〜4モル%であるの
が好ましく、1.2〜3.3モル%であるのが更に好ま
しい。又、環状三量体の含有量が、0.6重量%以下で
あるのが好ましく、0.4重量%以下であるのが更に好
ましい。
【0012】本発明において、非晶性熱可塑性樹脂とし
ては、例えば、ポリカーボネート系樹脂、ポリアリレー
ト系樹脂、ポリスチレン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリ
フェニレンエーテル系樹脂、ポリスルフォン系樹脂、ポ
リエーテルスルフォン系樹脂、ポリエーテルイミド系樹
脂、ポリアミドイミド系樹脂等が挙げられ、中で、ポリ
カーボネート系樹脂、ポリアリレート系樹脂、及び、ポ
リスチレン系樹脂が好ましく、これらは単独で、又は二
種以上を混合して用いることができる。
【0013】そのポリカーボネート系樹脂としては、ジ
ヒドロキシジアリール化合物とホスゲンとを反応させる
ホスゲン法、及び、ジヒドロキシジアリール化合物とジ
フェニルカーボネート等の炭酸エステルとを反応させる
エステル交換法のいずれによって得られたものでもよ
く、又、一種のジヒドロキシジアリール化合物からなる
ホモポリマーであっても、二種以上のジヒドロキシジア
リール化合物からなるコポリマーであってもよい。
【0014】ここで、ジヒドロキシジアリール化合物と
しては、例えば、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタ
ン、1,1−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)エタ
ン、2,2−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)プロパ
ン、2,2−ビス(4’−ヒドロキシ−3’−メチルフ
ェニル)プロパン、2,2−ビス(4’−ヒドロキシフ
ェニル)ブタン、2,2−ビス(4’−ヒドロキシフェ
ニル)オクタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)フェ
ニルメタン等のビス(ヒドロキシアリール)アルカン
類、1,1−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)シクロ
ペンタン、1,1−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)
シクロヘキサン等のビス(ヒドロキシアリール)シクロ
アルカン類、4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテ
ル、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフ
ェニルエーテル等のジヒドロキシジアリールエーテル
類、4,4’−ジヒドロキシジフェニルケトン、4,
4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルケ
トン等のジヒドロキシジアリールケトン類、4,4’−
ジヒドロキシジフェニルスルフィド、4,4’−ジヒド
ロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルスルフィド等の
ジヒドロキシジアリールスルフィド類、4,4’−ジヒ
ドロキシジフェニルスルホキシド、4,4’−ジヒドロ
キシ−3,3’−ジメチルジフェニルスルホキシド等の
ジヒドロキシジアリールスルホキシド類、4,4’−ジ
ヒドロキシジフェニルスルホン、4,4’−ジヒドロキ
シ−3,3’−ジメチルジフェニルスルホン等のジヒド
ロキシジアリールスルホン類等が挙げられ、中で、2,
2−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)プロパンが好ま
しく、又、そのホモポリマーが更に好ましい。かかるポ
リカーボネート系樹脂は、粘度平均分子量で12000
〜50000のものが好ましい。
【0015】又、ポリアリレート系樹脂としては、芳香
族ジカルボン酸化合物又はその誘導体と、ビスフェノー
ル化合物又はその誘導体との重縮合体であって、その芳
香族ジカルボン酸化合物としては、例えば、フタル酸、
イソフタル酸、テレフタル酸の他、前記熱可塑性ポリエ
ステル樹脂において挙げたと同様のものが挙げられる
が、中で、イソフタル酸とテレフタル酸との併用のもの
が好ましく、又、ビスフェノール化合物としては、前記
熱可塑性ポリエステル樹脂において挙げたと同様のもの
の他、例えば、1,1−ビス(4’−ヒドロキシフェニ
ル)−2,2,2−トリクロロエタン、4,4’−ジヒ
ドロキシ−3,3’−ジクロロジフェニルエーテル等が
挙げられ、中で、2,2−ビス(4’−ヒドロキシフェ
ニル)プロパンが好ましい。かかるポリアリレート系樹
脂の固有粘度は、通常、0.4〜1.1dl/gの範囲
である。
【0016】又、ポリスチレン系樹脂としては、例え
ば、スチレン、α−メチルスチレン、α−エチルスチレ
ン等のα−置換アルキルスチレン、m−メチルスチレ
ン、p−メチルスチレン、2,5−ジメチルスチレン等
の核置換スチレン、p−クロロスチレン、p−ブロモス
チレン、ジブロモスチレン等の核置換ハロゲン化スチレ
ン等の単独重合体、又は共重合体が挙げられ、中で、ス
チレンの単独重合体が好ましい。
【0017】本発明において、前記熱可塑性ポリエステ
ル樹脂と前記非晶性熱可塑性樹脂とからなる熱可塑性ポ
リエステル樹脂組成物は、後者非晶性熱可塑性樹脂の含
有量が1ppb以上10000ppm未満であることが
必須であり、10ppb〜7000ppmであるのが好
ましく、100ppb〜4000ppmであるのが更に
好ましい。非晶性熱可塑性樹脂の含有量が前記範囲未満
では、組成物又は射出ブロー成形体等として結晶化温度
の高温化効果が期待できず、結果として透明性が劣るも
のとなり、一方、前記範囲以上では、組成物又は射出ブ
ロー成形体等として水蒸気バリア性の低下を抑えること
ができないと共に、組成物として射出成形時の計量安定
性に欠けるものとなる。
【0018】本発明の熱可塑性ポリエステル樹脂組成物
の製造は、前記熱可塑性ポリエステル樹脂に前記非晶性
熱可塑性樹脂をその含有量が前記範囲となるように、直
接に添加し溶融混練する方法、又は、マスターバッチと
して添加し溶融混練する方法等の慣用の方法による外、
前記非晶性熱可塑性樹脂を、前記熱可塑性ポリエステル
樹脂の製造段階、例えば、溶融重合時(原料、スラリ
ー、触媒等)、溶融重合直後、予備結晶化直後、固相重
合時、固相重合直後等のいずれかの段階、又は、製造段
階を終えてから成形段階に到るまでの間、で粉粒体とし
て直接に添加するか、又は、粉粒体として分散させた水
等の液体とポリエステル樹脂チップ状体を接触させる
か、粉粒体として混入させたエア等の気体とポリエステ
ル樹脂チップ状体を接触させる等の方法で混入させた
後、溶融混練する方法等によることもできる。中で、ポ
リエステル樹脂の溶融重縮合後のチップ状体の、予備結
晶化機への気力輸送時、又は固相重合槽への気力輸送
時、又は、固相重合後のチップ状体の、貯蔵槽への気力
輸送時、又は成形機への気力輸送時等に、気力輸送用エ
アに非晶性熱可塑性樹脂を混入しておく方法が好まし
い。
【0019】以上の方法によって製造される本発明の熱
可塑性ポリエステル樹脂組成物は、例えば、押出成形に
よってフィルムやシート等に成形され、又、射出成形に
よってプリフォームに成形された後、延伸ブロー成形に
よってボトル等に成形される。尚、その際の押出成形条
件としては、通常採用されている範囲であって、例え
ば、シリンダー温度240〜300℃、スクリュー回転
数40〜300rpm、吐出圧力40〜140kg/c
2 、冷却ドラム温度5〜40℃等の範囲で成形するこ
とができる。又、射出成形条件としては、シリンダー温
度260〜300℃、金型温度5〜40℃、スクリュー
回転数40〜300rpm、射出圧力40〜140kg
/cm2 等の範囲で成形することができる。又、延伸ブ
ロー成形条件としては、延伸温度70〜120℃、延伸
倍率は縦方向に1.5〜3.5倍、円周方向に2〜5倍
等の範囲で成形し、更に、温度100〜200℃で数秒
〜数分間の熱固定がなされる。
【0020】本発明の熱可塑性ポリエステル樹脂組成物
は、成形体とされた後の結晶化温度を高温化ならしめ得
るが、具体的には、成形体とされた樹脂組成物の示差走
査熱量計による昇温結晶化温度が140〜160℃であ
るのが好ましい。尚、ここで、昇温結晶化温度とは、示
差走査熱量計にて、室温から285℃まで20℃/分の
速度で昇温させ、その途中で観察される結晶化ピークの
トップ温度を言う。
【0021】本発明の樹脂組成物は、前記の成形方法に
よる成形体の中で、射出成形方法によって得られたプリ
フォームを、再加熱後に二軸延伸するコールドパリソン
法等のブロー成形法よってボトルを成形するのに好適で
あり、例えば、炭酸飲料、果汁飲料、アルコール飲料、
茶やミネラルウォーター等の飲料、醤油、ソース、みり
ん、ドレッシング等の液体調味料、食用油、液体洗剤、
化粧品等の容器として好適に用いられる。
【0022】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に詳細に説明
するが、本発明はその要旨を越えない限り以下の実施例
に限定されるものではない。 実施例1 テレフタル酸86.5部とエチレングリコール39.0
部とからなるスラリーを重縮合槽に供給して、常圧下2
50℃でエステル化反応を行い、エステル化反応率95
%のビス(β−ヒドロキシエチル)テレフタレート及び
その低重合体を調製した後、正燐酸0.012部と三酸
化アンチモン0.025部とを加えて、1mmHgの減
圧下280℃で重縮合を行った。生成したポリマーを、
重縮合槽の底部に冷却水槽に直結させて設けた抜き出し
口からストランド状に抜き出して水冷した後、チップ状
にカットしてポリマーチップとした。
【0023】引き続いて、得られたポリマーチップを攪
拌結晶化機(Bepex社式)に移送し、ポリマーチッ
プ表面を150℃で結晶化させた後、窒素流通下140
℃で3時間乾燥させ、続いて静置固相重合塔に移し、窒
素流通下210℃で20時間固相重合してチップ状のポ
リエチレンテレフタレート樹脂を製造した。得られたポ
リエチレンテレフタレート樹脂チップを、予め径1.5
mmの大きさに機械粉砕したポリカーボネート樹脂(三
菱エンジニアリングプラスチック社製「ユーピロンH4
000」)の粉粒体を25g/m3 の割合で混入した気
力輸送用エアを用いて、微粉除去装置に移送した後、余
分な粉粒体を除去することにより、ポリカーボネート樹
脂粉粒体を混入したポリエチレンテレフタレート樹脂チ
ップを得た。
【0024】得られたチップを真空乾燥機にて130℃
で10時間乾燥させた後、射出成形機(日精樹脂工業社
製「FE−80S」)にて、シリンダー温度275℃、
スクリュー回転数120rpm、1次圧時間1.0秒、
金型温度20℃で、外径約30mm、内径約20mm、
長さ165mm、重量約60gの円筒状のプリフォーム
を射出成形した。得られたプリフォームについて、ポリ
エチレンテレフタレート樹脂組成物中のポリカーボネー
ト樹脂の含有量、及び樹脂組成物の結晶化温度を測定
し、結果を表1に示した。又、前記プリフォームの射出
成形を、前記と同一の条件で1000回実施し、その各
々における材料樹脂組成物の計量時間を計測して、その
平均値及び標準偏差を算出し、結果を表1に示した。
【0025】引き続いて、口栓部結晶化装置にて180
℃、3分間でプリフォームのボトル口栓部相当部分のみ
を結晶化させた後、180〜250℃の加熱炉内に60
秒間入れて予熱し、ブロー圧力5〜30kg/cm2
金型温度150℃に設定したブロー成形機にて延伸ブロ
ー成形し、胴部平均肉厚370μm、内容積約1.5リ
ットルのボトルを成形した。得られたボトルについて、
ヘーズを測定し、更に、耐熱性、及び水蒸気バリア性を
評価し、結果を表1に示した。尚、前述の樹脂組成物の
結晶化温度、及び、ボトルのヘーズ、耐熱性、水蒸気バ
リア性の測定及び評価方法は、それぞれ以下に示す方法
で行った。
【0026】樹脂組成物の結晶化温度 プリフォームのボトル口栓部天面に相当する部分から切
り出した試料について、示差走査熱量計(セイコー電子
社製「DSC220C」)にて、室温から285℃まで
20℃/分の速度で昇温させ、その途中で観察される結
晶化ピークのトップ温度を測定した。ヘーズ ボトル胴部より50mm×50mmの大きさに切り出し
た試料について、ヘーズメーター(日本電色社製「ND
H−300A」)にて測定した。耐熱性 温度40℃、湿度75%に設定された恒温恒湿槽(タバ
イエスペック社製「PR−1G」)内に1週間放置して
吸湿させたボトルについて、温水充填機(能力2.5リ
ットル/分)を用いて80℃の温水を天面より約30m
m下の部分まで充填し、キャッピングした後、1分間横
倒し、5分間正立させ、その後、約5℃の恒温水槽に入
れてボトル内温が室温になるまで冷却してから取り出
し、冷却後のボトルの減圧変形等の有無を目視観察し、
変形がない場合、充填する温水の温度を1℃上げて同様
の操作を繰り返し、ボトルに変形が起こらない最高温度
を測定した。尚、一般に、耐熱ボトルの耐熱性は、同上
の評価法によって85℃で変形が起こらないことが要求
されている。水蒸気バリア性 20℃のイオン交換水1.5リットルを充填しキャッピ
ングしたボトルを、温度22℃、湿度50%に設定され
た恒温恒湿槽(タバイエスペック社製「PR−1G」)
内に52週間保存した後の内容水の減量割合を測定し
た。尚、一般に、耐熱ボトルの水蒸気バリア性は、同上
の評価法によって1重量%以下が要求されている。
【0027】実施例2〜8、比較例1〜3 気力輸送用エアに混入するポリカーボネート樹脂の量を
表1に示すように変更した外は、実施例1と同様にし
て、プリフォームを射出成形し、更にボトルをブロー成
形した。得られたプリフォームについて、ポリエチレン
テレフタレート樹脂組成物中のポリカーボネート樹脂の
含有量、及び樹脂組成物の結晶化温度、並びに、射出成
形時の材料樹脂組成物の計量時間、又、得られたボトル
について、ヘーズ、耐熱性、及び水蒸気バリア性を、そ
れぞれ測定、評価し、結果を表1に示した。
【0028】実施例9〜11 非晶性樹脂として、ポリカーボネート樹脂に代えてポリ
スチレン樹脂(三菱化学社製「HH102」)を用いた
外は、実施例1と同様にして、プリフォームを射出成形
し、更にボトルをブロー成形した。得られたプリフォー
ムについて、ポリエチレンテレフタレート樹脂組成物中
のポリカーボネート樹脂の含有量、及び樹脂組成物の結
晶化温度、並びに、射出成形時の材料樹脂組成物の計量
時間、又、得られたボトルについて、ヘーズ、耐熱性、
及び水蒸気バリア性を、それぞれ測定、評価し、結果を
表1に示した。
【0029】
【表1】
【0030】
【発明の効果】本発明によれば、結晶化温度を高温化せ
しめ、よって、透明性を低下させることなく耐熱性を付
与できると共に、水蒸気バリア性の低下も抑えることが
でき、又、射出成形時の計量安定性をも備えた熱可塑性
ポリエステル樹脂組成物、及びそれからなる射出ブロー
成形体を提供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI (C08L 67/02 69:00) (C08L 67/02 25:04) B29K 67:00 B29L 22:00

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 テレフタル酸又はそのアルキルエステル
    を主成分とするジカルボン酸単位とエチレングリコール
    を主成分とするグリコール単位とからなり、アンチモン
    化合物を触媒として重縮合することにより得られた熱可
    塑性ポリエステル樹脂と、非晶性熱可塑性樹脂とからな
    る樹脂組成物であって、該非晶性熱可塑性樹脂の含有量
    が1ppb以上10000ppm未満であることを特徴
    とする熱可塑性ポリエステル樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 非晶性熱可塑性樹脂がポリカーボネート
    系樹脂である請求項1に記載の熱可塑性ポリエステル樹
    脂組成物。
  3. 【請求項3】 非晶性熱可塑性樹脂がポリアリレート系
    樹脂である請求項1に記載の熱可塑性ポリエステル樹脂
    組成物。
  4. 【請求項4】 非晶性熱可塑性樹脂がポリスチレン系樹
    脂である請求項1に記載の熱可塑性ポリエステル樹脂組
    成物。
  5. 【請求項5】 成形体とされた樹脂組成物の昇温結晶化
    温度が140〜160℃の範囲にある請求項1乃至4の
    いずれかに記載の熱可塑性ポリエステル樹脂組成物。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至5のいずれかに記載の熱可
    塑性ポリエステル樹脂組成物からなることを特徴とする
    射出ブロー成形体。
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