JP2006028300A - ポリエステル及びそれかなる中空成形体、シート状物、フィルム - Google Patents
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Abstract
【課題】透明性及び耐熱寸法安定性の優れた成形体、特に小型中空成形品を高速成形により効率よく生産することができ、なおかつ、非常に耐熱寸法安定性が良好で弾性率が高く、また金型を汚すことの少ない長時間連続成形性に優れたポリエステル及びそれからなる成形体を提供することを目的とする。
【解決手段】 主として芳香族ジカルボン酸成分とグリコール成分とからなる繰り返し単位を有する芳香族系ポリエステルと式(1)に示した、アミノ安息香酸が0.01〜40モル%共重合されていることを特徴とするポリエステルを提供するもので容器、シート等の分野における高い要求品質にこたえることができる。
【化1】
【解決手段】 主として芳香族ジカルボン酸成分とグリコール成分とからなる繰り返し単位を有する芳香族系ポリエステルと式(1)に示した、アミノ安息香酸が0.01〜40モル%共重合されていることを特徴とするポリエステルを提供するもので容器、シート等の分野における高い要求品質にこたえることができる。
【化1】
Description
本発明は、飲料用ボトルをはじめとする中空成形体、シート状物、延伸フィルムなどの成形体の素材として好適に用いられるポリエステル及びそれから成る成形体、特に耐熱寸法安定性や弾性率に優れた小型中空成形体や透明性、滑り性及び成形後の寸法安定性に優れたシート状物及び延伸フィルムに関するものである。また、本発明は,小型中空成形体を成形する際に熱処理金型からの離型性が良好で、長時間連続成形性に優れたポリエステルに関するものである。
主たる繰り返し単位がエチレンテレフタレートであるポリエステル(以下PETと略称することがある)は、その優れた透明性、機械的強度、耐熱性、ガスバリアー性などの特性により、炭酸飲料、ジュース、ミネラルウォータなどの容器の素材として採用されており、その普及はめざましいものがある。これらの用途において、ポリエステル製ボトルに高温で殺菌した飲料を熱充填したり、また飲料を充填後高温で殺菌したりするが、通常のポリエステル製ボトルでは、このような熱充填処理時などに収縮、変形が起こり問題となる。ポリエステル製ボトルの耐熱性を向上させる方法として、ボトル口栓部を熱処理して結晶化度を高めたり、また延伸したボトルを熱固定させたりする方法が提案されている。特に口栓部の結晶化が不十分であったり、また結晶化度のばらつきが大きい場合にはキャップとの密封性が悪くなり、内容物の漏れが生ずることがある。
また、果汁飲料、ウーロン茶及びミネラルウオータなどのように熱充填を必要とする飲料の場合には、プリフォーム又は成形されたボトルの口栓部を熱処理して結晶化する方法(例えば、特許文献1及び2参照)が一般的である。このような方法、すなわち口栓部、肩部を熱処理して耐熱性を向上させる方法は、結晶化処理をする時間・温度が生産性に大きく影響し、低温でかつ短時間で処理できる、結晶化速度が速いPETであることが好ましい。一方、胴部についてはボトル内容物の色調を悪化させないように、成形時の熱処理を施しても透明であることが要求されており、口栓部と胴部では相反する特性が必要である。
また、ボトル胴部の耐熱性を向上させるため、例えば、延伸ブロー金型の温度を高温にして熱処理する方法が採られる(例えば特許文献3参照)。しかし、このような方法によって同一金型を用いて多数のボトル成形を続けると、長時間の運転に伴って得られるボトルが白化して透明性が低下し、商品価値のないボトルしか得られなくなる。これは金型表面にPETに起因する付着物が付き、その結果金型汚れとなり、この金型汚れがボトルの表面に転写するためであることが分かった。特に、近年では、ボトルの小型化とともに成形速度が高速化されてきており、生産性の面から口栓部の結晶化のための加熱時間短縮や金型汚れはより大きな問題となってきている。
また、PETをシート状物に押出し、これを真空成形して得た容器に食品を充填後同一素材からなる蓋をし、放置しておくと収縮が起こり蓋の開封性が悪くなったり、また該容器を長期間放置しておくと収縮が起こり蓋が出来なくなったりする。
このような問題を解決するために種々の提案がなされている。例えば、ポリエチレンテレフタレートにカオリン、タルクなどの無機核剤を添加する方法(例えば、特許文献4及び5参照)、モンタン酸ワックス塩などの有機核剤を添加する方法(例えば、特許文献6及び7参照)があるが、これらの方法は異物やくもりの発生を伴い実用化には問題がある。また、原料ポリエステルに、該ポリエステルから溶融成形して得たポリエステル成形体を粉砕した処理ポリエステルを添加する方法(例えば、特許文献8参照)があるが、この方法は溶融成形粉砕という余分な工程が必要であり、さらにこのような後工程でポリエステル以外の夾雑物が混入する危険性があり、経済的及び品質的に好ましい方法ではない。また、耐熱性樹脂製ピースを口栓部に挿入する方法(例えば、特許文献9及び10参照)が提案されているが、ボトルの生産性が悪く、また、リサイクル性にも問題がある。また、上記問題点を改善した提案がされているが、透明性及び耐熱寸法安定性の優れた成形体、特に小型中空成形品を高速成形により効率よく生産することができ、また金型を汚すことの少ない長時間連続成形性に優れたポリエステルが提案されているがボトル口栓部の熱処理時間が長く問題である(例えば、特許文献11参照)。
本発明は、上記従来の方法の有する問題点を解決し、耐熱寸法安定性の優れた成形体、特に小型中空成形品を高速成形により効率よく生産することができ、なおかつ、非常に弾性率が高く変形しにくい、また金型を汚すことの少ない長時間連続成形性に優れたポリエステル及びそれからなる成形体を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意検討した結果、主として芳香族ジカルボン酸成分とグリコール成分とからなる繰り返し単位を有する芳香族系ポリエステルであって式(1)に示した、アミノ安息香酸を0.01〜40モル%共重合することにより耐熱寸法安定性の優れた成形体、特に小型中空成形品を高速成形により効率よく生産することができ、従って生産性が高くまた金型を汚すことの少ない長時間連続成形性に優れたポリエステルを与えることができる。また、成形後の寸法安定性に優れたシート状物を与えることも出来る。
(式(1)中、R1、R2、R3は水素及び/又は炭素数1〜20のアルキル、シクロアルキルもしくはフェニールを表す。R1、R2、R3は同一であっても相異なっていてもよい)
この場合において、芳香族系ポリエステルが主としてテレフタル酸成分とエチレングリコール成分とからなる繰り返し単位を有するものであることができる。
この場合において、主としてテレフタル酸成分とエチレングリコール成分とからなる繰り返し単位を有する芳香族系ポリエステルの密度が、1.37g/cm3以上、環状3量体が0.40重量%以下であることができる
この場合において、主としてテレフタル酸成分とエチレングリコール成分とからなる繰り返し単位を有する芳香族系ポリエステルの極限粘度が、0.55〜1.30デシリットル/グラムであることができる。
この場合において、ポリエステルが、重合後チップ状に形成したものを、処理槽中において下記(a)及び(b)の条件を満たす処理水で処理されたものであることができる。((a)温度40〜120℃(b)処理槽からの排水を含む処理水)
本発明は、主として芳香族ジカルボン酸成分とグリコール成分とからなる繰り返し単位を有する芳香族系ポリエステルと式(1)に示した、アミノ安息香酸が0.01〜40モル%共重合されていることを特徴とするポリエステルを提供するもので容器、シート等の分野における高い要求品質にこたえることができる。
以下、本発明のポリエステルの実施の形態を具体的に説明する。
すなわち、本発明は、主として芳香族ジカルボン酸成分とグリコール成分とからなる繰り返し単位を有する芳香族系ポリエステルと式(1)に示した、アミノ安息香酸を0.01〜40モル%共重合であることを特徴とするポリエステルで、好ましくはアミノ安息香酸が0.05モル%から35モル%で、さらに好ましくは0.1モル%から30モル%でアミノ安息香酸が0.01モル%未満では、耐熱寸法安定性が低下する傾向にあり、40モル%以上では着色する傾向にある。
(式(1)中、R1、R2、R3は水素及び/又は炭素数1〜20のアルキル、シクロアルキルもしくはフェニールを表す。R1、R2、R3は同一であっても相異なっていてもよい)
すなわち、本発明は、主として芳香族ジカルボン酸成分とグリコール成分とからなる繰り返し単位を有する芳香族系ポリエステルと式(1)に示した、アミノ安息香酸を0.01〜40モル%共重合であることを特徴とするポリエステルで、好ましくはアミノ安息香酸が0.05モル%から35モル%で、さらに好ましくは0.1モル%から30モル%でアミノ安息香酸が0.01モル%未満では、耐熱寸法安定性が低下する傾向にあり、40モル%以上では着色する傾向にある。
なお、アミノ安息香酸が分子中に共重合されるためには、R1及びR2のいずれか一方は、水素であることが好ましく、さらには両方とも水素であることが好ましい。R1,R2は反応性の面から、水素以外である場合には炭素数1〜5であることが好ましく、さらには1〜3であることが好ましい。R3も反応性の面から、水素以外であれば炭素数1〜5であることが好ましく、さらには1〜3であることが好ましい。最も好ましいのはメチルもしくは水素である。
また、カルボン酸基とアミノ基はパラ位、メタ位、オルト位いずれの位置関係にあっても良いが、反応性の面等で、パラ位またはメタ位が好ましく、さらには目対のものが好ましい。
また、カルボン酸基とアミノ基はパラ位、メタ位、オルト位いずれの位置関係にあっても良いが、反応性の面等で、パラ位またはメタ位が好ましく、さらには目対のものが好ましい。
本発明で用いる芳香族系ポリエステルは、主として芳香族ジカルボン酸成分とグリコール成分とからなる結晶性ポリエステルであり、好ましくは芳香族ジカルボン酸成分が酸成分の85モル%、更に好ましくは90モル%上含む結晶性ポリエステルであり、最も好ましくは、芳香族ジカルボン酸成分が酸成分の95モル%以上含む結晶性ポリエステルである。典型的な芳香族系ポリエステルとしては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレート、ポリブチレンテレフタレート及びそれらの一部に他のジカルボン酸成分又はグリコール成分を共重合した共重合体を例示することができる。
前記芳香族系ポリエステル中に共重合して使用されるジカルボン酸としては、テレフタル酸、イソフタル酸、オルソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、ジフェニル−4,4’−ジカルボン酸、ジフェノキシエタンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸及びその機能的誘導体、p−オキシ安息香酸、オキシカプロン酸等のオキシ酸及びその機能的誘導体、アジピン酸、セバシン酸、コハク酸、グルタル酸、ダイマー酸などの脂肪族ジカルボン酸及びその機能的誘導体、ヘキサヒドロテレフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環族ジカルボン酸及びその機能的誘導体などが挙げられる。
また、前記芳香族系ポリエステル中に共重合するグリコ−ル成分としては、具体的にはエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール,1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1、5−ペンタンジオール,2−メチル−1、5−ペンタンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコールなどが挙げられる。脂環族グリコールとしては1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,2−シクロヘキサンジメタノール、3,8−ビスビドロキシメチルトリシクロジシカン、水素添加ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールF、TCDグリコールなどが挙げられ、これらを単独又は2種類以上併用して使用できる。
発明の内容を損なわない範囲で、カルボン酸を付与しても良い、カルボキシル基の導入する方法としては、上記ポリエステル樹脂を重合した後に無水トリメリット酸、無水フタル酸、無水ピロメリット酸、無水コハク酸、無水1,8−ナフタル酸、無水1,2−シクロヘキサンジカルボン酸などを後付加して酸価を付与、変性ポリエステルとしては、ジメチロールプロピオン酸、ジメチロールブタン酸等で鎖延長する方法が挙げられる。さらに、本発明で用いる、芳香族系ポリエステル中に共重合して使用されるその他の共重合成分として、多官能化合物として、酸成分として、トリメリット酸、ピロメリット酸等を挙げることができ、グリコール成分として、グリセリン、ペンタエリスリトールを挙げることができる。以上の共重合成分の使用量は、芳香族系ポリエステルが実質的に線状を維持する程度でなければならない。
発明の内容を損なわない範囲でシリカ等の無機物を添加できる、シリカを単独成分とするものはもちろん、シリカをベースにその他の混合物等をも含有する複合組成物も含めて、シリカゾル又はシリカゲルと称する。この、シリカゾル又はシリカゲルは液状体及び/または、水溶性物質の水溶液であってもよい。ここでいう水溶性物質としては、シリカと共に複合酸化物を形成する各種金属塩、具体的には、硝酸、塩酸、硫酸、又は燐酸等の無機酸、あるいは酢酸、蓚酸等の有機酸といった酸と、金、パラジウム、ロジウム等の貴金属、ニッケル、亜鉛、鉄、銅等の遷移金属といった金属との化合物、より具体的には、例えば、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、硫酸アルミニウム、硫酸チタン、硫酸ジルコニウム、塩化鉄、アルミン酸ソーダ、硝酸銀、硝酸鉄等を挙げることができる。これらは、シリカと直接結合して複合酸化物(例えば、シリカアルミナ、シリカチタニア等)を生成する。また、金属塩の他に、アンモニウム塩などでもよい。あるいは、シリカゲルを着色するための各種色素の水溶液でもよい。
前記の芳香族系ポリエステルは、従来から公知の製造方法によって製造することができる。
例えば、テレフタール酸とエチレングリコールを上記共重合成分を直接反応させて水を留去しエステル化した後、減圧下に重縮合を行う直接エステル化法、又はテレフタル酸ジメチルとエチレングリコール及び必要により上記共重合成分を反応させてメチルアルコールを留去しエステル交換させた後、減圧下に重縮合を行うエステル交換法により製造される。
前記溶融重縮合反応は、回分式反応装置で行っても良いしまた連続式反応装置で行っても良い。これらいずれの方式においても、溶融重縮合反応は1段階で行っても良いし、また多段階に分けて行っても良い。固相重合反応は、溶融重縮合反応と同様、回分式装置や連続式装置で行うことが出来る。溶融重縮合と固相重合は連続で行っても良いし、分割して行ってもよい。
直接エステル化法による場合は、重縮合触媒としてGe、Sb、Tiの化合物が用いられるが、特にGe化合物またはこれとTi化合物の混合使用が好都合である。
Ge化合物としては、無定形二酸化ゲルマニウム、結晶性二酸化ゲルマニウム粉末またはエチレングリコールのスラリー、結晶性二酸化ゲルマニウムを水に加熱溶解した溶液またはこれにエチレングリコールを添加加熱処理した溶液等が使用されるが、特に本発明で用いるポリエステルを得るには二酸化ゲルマニウムを水に加熱溶解した溶液、またはこれにエチレングリコールを添加加熱した溶液を使用するのが好ましい。これらの重縮合触媒はエステル化工程中に添加することができる。Ge化合物を使用する場合、その使用量はポリエステル樹脂中のGe残存量として好ましくは10〜150ppm、より好ましくは13〜100ppm、更に好ましくは15〜70ppmである。
Ti化合物としては、テトラエチルチタネ−ト、テトライソプロピルチタネ−ト、テトラ−n−プロピルチタネ−ト、テトラ−n−ブチルチタネ−ト等のテトラアルキルチタネ−トおよびそれらの部分加水分解物、蓚酸チタニル、蓚酸チタニルアンモニウム、蓚酸チタニルナトリウム、蓚酸チタニルカリウム、蓚酸チタニルカルシウム、蓚酸チタニルストロンチウム等の蓚酸チタニル化合物、トリメリット酸チタン、硫酸チタン、塩化チタン等が挙げられる。Ti化合物は、生成ポリマ−中のTi残存量として好ましくは0.1〜10ppmの範囲になるように添加する。
Sb化合物としては、三酸化アンチモン、酢酸アンチモン、酒石酸アンチモン、酒石酸アンチモンカリ、オキシ塩化アンチモン、アンチモングリコレ−ト、五酸化アンチモン、トリフェニルアンチモン等が挙げられる。Sb化合物は、生成ポリマ−中のSb残存量として好ましくは50〜250ppmの範囲になるように添加する。
重縮合触媒として用いられるAl化合物としては、具体的には、ギ酸アルミニウム、酢酸アルミニウム、塩基性酢酸アルミニウム、プロピオン酸アルミニウム、蓚酸アルミニウム、アクリル酸アルミニウム、ラウリン酸アルミニウム、ステアリン酸アルミニウム、安息香酸アルミニウム、トリクロロ酢酸アルミニウム、乳酸アルミニウム、クエン酸アルミニウム、サリチル酸アルミニウムなどのカルボン酸塩、塩化アルミニウム、水酸化アルミニウム、水酸化塩化アルミニウム、ポリ塩化アルミニウム、硝酸アルミニウム、硫酸アルミニウム、炭酸アルミニウム、リン酸アルミニウム、ホスホン酸アルミニウムなどの無機酸塩、アルミニウムメトキサイド、アルミニウムエトキサイド、アルミニウムn-プロポキサイド、アルミニウムiso-プロポキサイド、アルミニウムn-ブトキサイド、アルミニウムt−ブトキサイドなどアルミニウムアルコキサイド、アルミニウムアセチルアセトネート、アルミニウムアセチルアセテート、アルミニウムエチルアセトアセテート、アルミニウムエチルアセトアセテートジiso-プロポキサイドなどのアルミニウムキレート化合物、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウムなどの有機アルミニウム化合物およびこれらの部分加水分解物、酸化アルミニウムなどが挙げられる。これらのうちカルボン酸塩、無機酸塩およびキレート化合物が好ましく、これらの中でもさらに塩基性酢酸アルミニウム、塩化アルミニウム、水酸化アルミニウム、水酸化塩化アルミニウムおよびアルミニウムアセチルアセトネートがとくに好ましい。Al化合物は、生成ポリマー中のAl残存量として5〜200ppmの範囲になるように添加する。
また、安定剤として、燐酸、ポリ燐酸やトリメチルフォスフェート等の燐酸エステル類等を使用するのが好ましい。これらの安定剤はテレフタル酸とエチレングリコールのスラリー調合槽からエステル化反応工程中に添加することができる。P化合物は、生成ポリマ−中のP残存量として好ましくは5〜100ppmの範囲になるように添加する。
また、ジエチレングリコール(以下「DEG」という)とトリエチレングリコール(以下「TEG」という)については、重合反応中にエチレングリコールより一部副生してくるため、DEG及び/又はTEGとそのエステル形成性誘導体の所定量を重合原料として用いる場合のほか、反応条件、添加剤などを適宜選択することのみでDEG成分及び/又はTEG成分の含有量を制御することができる。また、添加剤としては、例えば、トリエチルアミン、トリ−n−ブチルアミン、ベンジルジメチルアミンなどの第3級アミン、水酸化テトラエチルアンモニウム、水酸化テトラブチルアンモニウム、水酸化トリメチルベンジルアンモニウムなどの水酸化第4級アンモニウムおよび炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、酢酸ナトリウムなどの塩基性化合物を少量添加し、DEG及び/又はTEGの生成を抑制することができる。一方、硫酸などの無機酸を重合原料中に少量添加すれば、DEG及び/又はTEGの生成を促進し、含有量を増加させることもできる。これらのDEG及び/又はTEGの生成量をコントロールする添加剤は、必要ならば、通常、全重合原料の0.001〜10重量%、好ましくは、0.005〜1重量%の範囲で使用してもよい。
さらに芳香族系ポリエステルの極限粘度を増大させ、アセトアルデヒド含量を低下させるために固相重合を行ってもよい。
本発明において、主としてテレフタル酸成分とエチレングリコール成分とからなる繰り返し単位を有する芳香族系ポリエステルのチップ(a)を形成する芳香族系ポリエステルの極限粘度は0.55〜1.30デシリットル/グラムであるのが好ましく、0.58〜1.00デシリットル/グラム、さらには0.6〜0.9デシリットル/グラムであるのがより好ましい。上記ポリエステルのチップ(a)の極限粘度が0.55デシリットル/グラムより小さい場合は、本発明のポリエステルを溶融成形して得られた成形体の透明性、耐熱性、機械特性等が充分満足されないことがある。また、極限粘度が1.30デシリットル/グラムより大きくなるに従って成形体のアセトアルデヒド含量が多くなる傾向にあり、飲料用ボトルには使用するのは向かなくなる。
また、本発明において、主としてテレフタル酸成分とエチレングリコール成分とからなる繰り返し単位を有する芳香族系ポリエステルのファイン(b)の極限粘度は通常、0.55〜1.30、好ましくは0.57〜1.00、さらに好ましくは0.58〜0.90である。極限粘度が0.55より小さい場合は得られた成形体の透明性が悪くなり、口栓部の結晶化度が大きくなりすぎる。また、好ましくはPET樹脂のチップの極限粘度と同一か、又はPET樹脂のチップの極限粘度からPET樹脂のチップの極限粘度より0.03高い極限粘度の範囲であることが好ましい。
また、本発明のポリエステルは、環状3量体を含むが、その含量は0.45重量%以下、好ましくは0.40重量%以下、さらに好ましくは0.35重量%以下である。本発明のポリエステルから耐熱性の中空成形体を成形する場合は加熱金型内で熱処理を行うが、環状3量体の含量が0.45重量%以上含有する場合には、加熱金型表面へのオリゴマー付着が急激に増加し、得られた中空成形体の透明性が非常に悪化する。
本発明のポリエステルは、290℃の温度で60分間溶融したときの環状3量体の増加量が0.30重量%以下、好ましくは0.25重量%以下、さらに好ましくは0.20重量%以下である。環状3量体増加量が0.30重量%を超えるポリエステルを用いて中空成形を行うと、環状3量体などのオリゴマー類が金型内面や金型のガスの排気口、排気管に付着し、透明な中空成形容器を得ようとすると頻繁に金型掃除をしなければならない。
290℃の温度で60分間溶融したときの環状3量体の増加量が0.40重量%以下である本発明のポリエステルは、溶融重縮合後や固相重合後に得られたポリエステルの重縮合触媒を失活処理することにより製造することができる。
芳香族系ポリエステルの重縮合触媒を失活処理する方法としては、溶融重縮合後や固相重合後に芳香族系ポリエステルチップを水や水蒸気又は水蒸気含有気体と接触処理する方法が挙げられる。
前記の目的を達成するために芳香族系ポリエステルチップを水や水蒸気又は水蒸気含有気体と接触処理する方法を次に述べる。
なお、芳香族系ポリエステルのチップ(A)の形状は、シリンダー型、角型、又は扁平な板状等のいずれでもよく、その大きさは、縦、横、高さがそれぞれ通常1.8〜4mm、好ましくは2〜4mmの範囲である。例えばシリンダー型の場合は、長さは2〜4mm、径は2〜4mm程度であるのが実用的である。
熱水処理方法としては、水中に浸ける方法やシャワーでチップ上に水をかける方法等が挙げられる。処理時間としては5分〜2日間、好ましくは10分〜1日間、さらに好ましくは30分〜10時間で、水の温度としては20〜180℃、好ましくは40〜150℃、さらに好ましくは50〜120℃である。
以下に水処理を工業的に行う方法を例示するが、これに限定するものではない。また処理方法は連続方式、バッチ方式のいずれであっても差し支えないが、工業的に行うためには連続方式の方が好ましい。
芳香族系ポリエステルのチップをバッチ方式で水処理する場合は、サイロタイプの処理槽が挙げられる。即ちバッチ方式で芳香族系ポリエステルのチップをサイロへ受け入れ水処理を行う。あるいは回転筒型の処理槽に芳香族系ポリエステルのチップを受け入れ、回転させながら水処理を行い水との接触をさらに効率的にすることもできる。
芳香族系ポリエステルのチップを連続方式で水処理する場合は、塔型の処理槽に継続的又は間欠的に芳香族系ポリエステルのチップを上部より受け入れ、水処理させることができる。この概念図を図3に示す。
芳香族系ポリエステルのチップと水蒸気又は水蒸気含有ガスとを接触させて処理する場合は、50〜150℃、好ましくは50〜110℃の温度の水蒸気又は水蒸気含有ガスあるいは水蒸気含有空気を好ましくは粒状ポリエチレンテレフタレート1kg当り、水蒸気として0.5g以上の量で供給させるか、又は存在させて粒状ポリエチレンテレフタレートと水蒸気とを接触させる。
この、芳香族系ポリエステルのチップと水蒸気との接触は、通常10分間〜2日間、好ましくは20分間〜10時間行われる。
以下に粒状ポリエチレンテレフタレートと水蒸気又は水蒸気含有ガスとの接触処理を工業的に行う方法を例示するが、これに限定されるものではない。また処理方法は連続方式、バッチ方式のいずれであっても差し支えない。
芳香族系ポリエステルのチップをバッチ方式で水蒸気と接触処理をする場合は、サイロタイプの処理装置が挙げられる。即ち芳香族系ポリエステルのチップをサイロへ受け入れ、バッチ方式で、水蒸気又は水蒸気含有ガスを供給し接触処理を行う。あるいは回転筒型の接触処理装置に粒状ポリエチレンテレフタレートを受け入れ、回転させながら接触処理を行い接触をさらに効率的にすることもできる。
芳香族系ポリエステルのチップを連続で水蒸気と接触処理する場合は塔型の処理装置に連続で粒状ポリエチレンテレフタレートを上部より受け入れ、並流あるいは向流で水蒸気を連続供給し水蒸気と接触処理させることができる。
上記の如く、水又は水蒸気で処理した場合は粒状ポリエチレンテレフタレートを必要に応じて振動篩機、シモンカーターなどの水切り装置で水切りし、次の乾燥工程へ移送する。
水又は水蒸気と接触処理した芳香族系ポリエステルのチップの乾燥は通常用いられる芳香族系ポリエステルの乾燥処理を用いることができる。連続的に乾燥する方法としては、上部より芳香族系ポリエステルのチップを供給し、下部より乾燥ガスを通気するホッパー型の通気乾燥機が通常使用される。乾燥ガス量を減らし、効率的に乾燥する方法としては回転ディスク型加熱方式の連続乾燥機が用いられ、少量の乾燥ガスを通気しながら、回転ディスクや外部ジャケットに加熱蒸気、加熱媒体などを供給し芳香族系ポリエステルのチップを間接的に加熱乾燥することができる。
バッチ方式で乾燥する乾燥機としてはダブルコーン型回転乾燥機が用いられ、真空下であるいは真空下少量の乾燥ガスを通気しながら乾燥することができる。あるいは大気圧下で乾燥ガスを通気しながら乾燥してもよい。
乾燥ガスとしては大気空気でも差し支えないが、芳香族系ポリエステルの加水分解や熱酸化分解による分子量低下を防止する点からは乾燥窒素、除湿空気が好ましい。
上記のように芳香族系ポリエステルに水又は水蒸気処理を施すことによって、該ポリエチレンテレフタレートを290℃の温度に加熱溶融した後のオリゴマー増加量を抑制することができる。
本発明のポリエステルは、芳香族系ポリエステルが主としてテレフタル酸成分とエチレングリコール成分とからなる繰り返し単位を有する芳香族系ポリエステルである場合、290℃の温度に加熱溶融して成形した成形体のTc1を測定したときに、そのTc1が155〜180℃、ヘイズが15%以下であることが好ましい。Tc1が155℃より低い場合は、成形体とした場合の透明性が非常に悪くなる。また、Tc1が180℃より高い場合は、成形体の透明性は非常によいが、ボトルの場合口栓部の結晶化度が低く、内容物を充填、キャッピング後内容物の漏れが起こることがある。また、成形体のヘイズが15%以上となるようなポリエステルを使用した場合は、ボトルの場合透明性は非常に悪くなる。
本発明のポリエステルは、公知のホットパリソン法、又はコールドパリソン法等の方法によって透明性な、耐熱性に優れた中空成形体を製造することができる。また、フィルム、シート等の成形体や多層中空成形体を製造することも好ましい。
本発明のポリエステルには、必要に応じて公知の紫外線吸収剤、滑剤、離型剤、核剤、安定剤、帯電防止剤、顔料などの各種の添加剤を配合してもよい。
以下本発明を実施例を用いて説明する。実施例中、単に部とあるのは重量部を示す。また、各測定項目は以下の方法に従った。
(1)アミノ安息香酸含量(以下[TAB含量」という)
メタノールにより分解し、ガスクロマトグラフィーにより量を定量し、全グリコール成分に対する割合(モル%)で表した。
メタノールにより分解し、ガスクロマトグラフィーにより量を定量し、全グリコール成分に対する割合(モル%)で表した。
(2)芳香族系ポリエステルの極限粘度(IV)
1,1,2,2−テトラクロルエタン/フェノール(2:3重量比)混合溶媒中30℃での溶液粘度から求めた。
1,1,2,2−テトラクロルエタン/フェノール(2:3重量比)混合溶媒中30℃での溶液粘度から求めた。
(3)キャッピング性とキャッピング後の口栓部の変形状態
金型汚れの評価ポリエステルを脱湿空気を用いた乾燥機で乾燥し、名機製作所製M−150C−DM射出成型機により樹脂温度290℃でプリフォームを成形した。このプリフォームの口栓部を自家製の口栓部結晶化装置で30秒加熱結晶化させた後、コーポプラスト社製LB−01延伸ブロー成型機を用いて二軸延伸ブロー成形し、引き続き約155℃に設定した金型内で7秒間熱固定し、1500ccの中空成形容器を得た。成形したボトルに93℃の水1500ccを入れ、ポリプロピレン樹脂製のインナーシールを備えたポリプロピレン樹脂製のスクリューキャップを用いて行った。この、水を充填したボトルを横に倒し、5℃で10時間、引き続いて80℃で10時間の放置テストを行い、内容物の漏れをチェックした。5本のボトルでテストを行い、内容物の漏れが認められたボトルの本数をカウントした。また、キャッピング後の口栓部の変形状態も調べた。
金型汚れの評価ポリエステルを脱湿空気を用いた乾燥機で乾燥し、名機製作所製M−150C−DM射出成型機により樹脂温度290℃でプリフォームを成形した。このプリフォームの口栓部を自家製の口栓部結晶化装置で30秒加熱結晶化させた後、コーポプラスト社製LB−01延伸ブロー成型機を用いて二軸延伸ブロー成形し、引き続き約155℃に設定した金型内で7秒間熱固定し、1500ccの中空成形容器を得た。成形したボトルに93℃の水1500ccを入れ、ポリプロピレン樹脂製のインナーシールを備えたポリプロピレン樹脂製のスクリューキャップを用いて行った。この、水を充填したボトルを横に倒し、5℃で10時間、引き続いて80℃で10時間の放置テストを行い、内容物の漏れをチェックした。5本のボトルでテストを行い、内容物の漏れが認められたボトルの本数をカウントした。また、キャッピング後の口栓部の変形状態も調べた。
(4)成形板の成形
(10)段付成形板の成形
減圧乾燥機を用いて140℃、0.1mmHg以下で16時間程度減圧乾燥したポリエステルを名機製作所製射出成形機M−150C−DM型射出成形機により図1、図2に示すようにゲート部(G)を有する、2mm〜11mm(A部の厚み=2mm、B部の厚み=3mm、C部の厚み=4mm、D部の厚み=5mm、E部の厚み=10mm、F部の厚み=11mm)の厚さの段付成形板を射出成形した。
(10)段付成形板の成形
減圧乾燥機を用いて140℃、0.1mmHg以下で16時間程度減圧乾燥したポリエステルを名機製作所製射出成形機M−150C−DM型射出成形機により図1、図2に示すようにゲート部(G)を有する、2mm〜11mm(A部の厚み=2mm、B部の厚み=3mm、C部の厚み=4mm、D部の厚み=5mm、E部の厚み=10mm、F部の厚み=11mm)の厚さの段付成形板を射出成形した。
ヤマト科学製真空乾燥器DP61型を用いて予め減圧乾燥したポリエステルを用い、成形中に吸湿を防止するために、成形材料ホッパー内は乾燥不活性ガス(窒素ガス)パージを行った。M−150C−DM射出成形機による可塑化条件としては、フィードスクリュウ回転数=70%、スクリュウ回転数=120rpm、背圧0.5MPa、シリンダー温度はホッパー直下から順に45℃、250℃、以降ノズルを含め280℃あるいは290℃に設定した。射出条件は射出速度及び保圧速度は20%、また成形品重量が146±0.2gになるように射出圧力及び保圧を調整し、その際保圧は射出圧力に対して0.5MPa低く調整した。
射出時間、保圧時間はそれぞれ上限を10秒、7秒,冷却時間は50秒に設定し、成形品取出時間も含めた全体のサイクルタイムは概ね75秒程度である。
金型には常時、水温10℃の冷却水を導入し温調するが、成形安定時の金型表面温度は22℃前後である。
成形品特性評価用のテストプレートは、成形材料導入し樹脂置換を行った後、成形開始から11〜18ショット目の安定した成形品の中から任意に選ぶものとした。
金型には常時、水温10℃の冷却水を導入し温調するが、成形安定時の金型表面温度は22℃前後である。
成形品特性評価用のテストプレートは、成形材料導入し樹脂置換を行った後、成形開始から11〜18ショット目の安定した成形品の中から任意に選ぶものとした。
なお、成形温度とは、前記のノズルを含めバレルの設定温度を言う。成形板のAA含有量測定には290℃成形温度の成形板を用いた。
2mm厚みのプレート(図1のA部)は昇温時の結晶化温度(Tc1)測定、4mm厚みのプレート(図1のC部)カラーb値測定、に使用する。
(5)Tc1(DSC測定)
セイコー電子工業株式会社製の示差熱分析計(DSC)、RDC−220により、(4)で成形した成形板の2mm厚みのプレートの中央部からの試料10mgを使用し、昇温速度は20℃/分で測定した。
セイコー電子工業株式会社製の示差熱分析計(DSC)、RDC−220により、(4)で成形した成形板の2mm厚みのプレートの中央部からの試料10mgを使用し、昇温速度は20℃/分で測定した。
(6)成形版(4mm)のカラーb値
前記の成形版(4mm)を(有)東京電色のTC−1500MC−88を用いて色差(Δb)を測定した。評価基準:Δb値の値が高いほど黄色の着色をしている。
前記の成形版(4mm)を(有)東京電色のTC−1500MC−88を用いて色差(Δb)を測定した。評価基準:Δb値の値が高いほど黄色の着色をしている。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこの実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
予め反応物を含有している第1エステル化反応器に、高純度テレフタル酸とエチルグリコールとm−アミノ安息香酸を1モル%連続的に供給し、撹拌下、約250℃、0.5kg/cm2Gで平均滞留時間3時間反応を行った。また、結晶性二酸化ゲルマニウムを水に加熱溶解し、これにエチレングリコールを添加加熱処理した触媒溶液及び燐酸のエチレングリコール溶液とエチレングリコールを別々にこの第1エステル化反応器に連続的に供給した。この反応物を第2エステル化反応器に送付し、撹拌下、約260℃、0.05kg/cm2Gで所定の反応度まで反応を行った。このエステル化反応生成物を連続的に第1重合反応器に送り、撹拌下、約265℃、25torrで1時間、次いで第2重合反応器で撹拌下、約265℃、3torrで1時間、さらに第3重合反応器で撹拌下、約275℃、0.5〜1torrで1時間重合させた。得られたPET樹脂の極限粘度(IV)は0.53、m−アミノ安息香酸含量は0.9モル%であった。
予め反応物を含有している第1エステル化反応器に、高純度テレフタル酸とエチルグリコールとm−アミノ安息香酸を1モル%連続的に供給し、撹拌下、約250℃、0.5kg/cm2Gで平均滞留時間3時間反応を行った。また、結晶性二酸化ゲルマニウムを水に加熱溶解し、これにエチレングリコールを添加加熱処理した触媒溶液及び燐酸のエチレングリコール溶液とエチレングリコールを別々にこの第1エステル化反応器に連続的に供給した。この反応物を第2エステル化反応器に送付し、撹拌下、約260℃、0.05kg/cm2Gで所定の反応度まで反応を行った。このエステル化反応生成物を連続的に第1重合反応器に送り、撹拌下、約265℃、25torrで1時間、次いで第2重合反応器で撹拌下、約265℃、3torrで1時間、さらに第3重合反応器で撹拌下、約275℃、0.5〜1torrで1時間重合させた。得られたPET樹脂の極限粘度(IV)は0.53、m−アミノ安息香酸含量は0.9モル%であった。
この樹脂を引き続き窒素雰囲気下、約155℃で結晶化し、さらに窒素雰囲気下で約200℃に予熱後、連続固相重合反応器に送り窒素雰囲気下約205℃で固相重合した。固相重合後篩分工程およりファイン除去工程で連続的に処理しファインを除去した。
得られたPET樹脂の極限粘度は0.74デシリットル/グラム、環状3量体の含量は0.30重量%、密度は1.400g/cm3であった。
PET樹脂チップの水処理には、図3に示す装置を用い、処理槽上部の原料チップ供給口(1)、処理槽の処理水上限レベルに位置するオーバーフロー排出口(2)、処理槽下部の芳香族系ポリエステルチップと処理水の混合物の排出口(3)、このオーバーフロー排出口から排出された処理水と、処理槽から排出された処理水と、処理槽下部の排出項から排出された水切り装置(4)を経由した処理水が、濾材が紙製の30μmの連続式フィルターである微粉除去装置(5)を経由して再び水処理槽へ送られる配管(6)、これらの微粉除去済み処理水の導入口(7)、微粉除去済み処理水中のアセトアルデヒドを吸着処理させる吸着塔(8)、及び新しいイオン交換水の導入口(9)を備えた内容量約320リットルの塔型の処理槽を使用した。
処理水温度95℃にコントロールされた水処理槽へ50kg/時間の速度で処理槽上部の供給口(1)から連続投入し、微粉含量が約130ppmの処理水を用いて水処理時間4時間で処理槽下部の排出口(3)からPETチップとして50kg/時間の速度で処理水と共に連続的に抜き出した。得られたPET樹脂の極限粘度(IV)は0.74、アセトアルデヒド(AA)含有量は5ppmで、m−アミノ安息香酸含量は0.9モル%、DEG含量は1.0モル%であった。
この組成物について未延伸シートによる評価と二軸延伸成形ボトルによる評価を実施した。結果を表1に示す。
(比較例1)
予め反応物を含有している第1エステル化反応器に、高純度テレフタル酸とエチルグリコールのスラリーを連続的に供給し、撹拌下、約250℃、0.5kgG/cm2で平均滞留時間3時間反応を行った。また、結晶性二酸化ゲルマニウムを水に加熱溶解し、これにエチレングリコールを添加加熱処理した触媒溶液、及び酢酸ナトリウムを75ppm、燐酸のエチレングリコール溶液を別々にこの第1エステル化反応器に連続的に供給した。この反応物を第2エステル化反応器に送付し、撹拌下、約260℃、0.05kgG/cm2で所定の反応度まで反応を行った。このエステル化反応生成物を連続的に第1重合反応器に送り、撹拌下、約265℃、25torrで1時間、次いで第2重合反応器で撹拌下、約265℃、3torrで1時間、さらに第3重合反応器で撹拌下、約275℃、0.5〜1torrで1時間重合させた。得られたPET樹脂の極限粘度(IV)は0.53、DEG含量は1.0モル%であった。実施例1と同じ固相重合したPET樹脂をガラス容器内で蒸留水に浸漬させ、外部より加熱し内温約95℃で4時間処理した。これを乾燥し本発明のポリエステルを得た。
予め反応物を含有している第1エステル化反応器に、高純度テレフタル酸とエチルグリコールのスラリーを連続的に供給し、撹拌下、約250℃、0.5kgG/cm2で平均滞留時間3時間反応を行った。また、結晶性二酸化ゲルマニウムを水に加熱溶解し、これにエチレングリコールを添加加熱処理した触媒溶液、及び酢酸ナトリウムを75ppm、燐酸のエチレングリコール溶液を別々にこの第1エステル化反応器に連続的に供給した。この反応物を第2エステル化反応器に送付し、撹拌下、約260℃、0.05kgG/cm2で所定の反応度まで反応を行った。このエステル化反応生成物を連続的に第1重合反応器に送り、撹拌下、約265℃、25torrで1時間、次いで第2重合反応器で撹拌下、約265℃、3torrで1時間、さらに第3重合反応器で撹拌下、約275℃、0.5〜1torrで1時間重合させた。得られたPET樹脂の極限粘度(IV)は0.53、DEG含量は1.0モル%であった。実施例1と同じ固相重合したPET樹脂をガラス容器内で蒸留水に浸漬させ、外部より加熱し内温約95℃で4時間処理した。これを乾燥し本発明のポリエステルを得た。
この組成物について未延伸シートによる評価と二軸延伸成形ボトルによる評価を実施した。結果を表2に示す。 表2から明らかなように、このボトルに93℃の温湯を充填し、キャッピング機によりキャッピングをした後ボトルを倒し放置し、口栓部の変形及び内容物の漏洩を調べたが、口栓部の変形及び内容物の漏洩があった。
(実施例2〜5、比較例1)
以下、同様にして実施例2〜5、比較例2,3のポリエステルを合成し、未延伸シートによる評価と二軸延伸成形ボトルによる評価を実施した。結果を表1、2に示す。
以下、同様にして実施例2〜5、比較例2,3のポリエステルを合成し、未延伸シートによる評価と二軸延伸成形ボトルによる評価を実施した。結果を表1、2に示す。
本発明は、主として芳香族ジカルボン酸成分とグリコール成分とからなる繰り返し単位を有する芳香族系ポリエステルと式(1)に示した、アミノ安息香酸が0.01〜40モル%共重合されていることを特徴とするポリエステルを提供するもので容器、シート等の分野における高い要求品質にこたえることができる。
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