JP2000095926A - 熱可塑性ポリエステル樹脂組成物及びそれからなる射出ブロー成形体 - Google Patents

熱可塑性ポリエステル樹脂組成物及びそれからなる射出ブロー成形体

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JP2000095926A
JP2000095926A JP26614598A JP26614598A JP2000095926A JP 2000095926 A JP2000095926 A JP 2000095926A JP 26614598 A JP26614598 A JP 26614598A JP 26614598 A JP26614598 A JP 26614598A JP 2000095926 A JP2000095926 A JP 2000095926A
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resin
polyester resin
thermoplastic resin
thermoplastic
resin composition
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JP26614598A
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English (en)
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Kazumi Kawakami
和美 川上
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Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 成形時の金型汚染をなくして表面外観に優れ
た成形体が得られると共に、結晶化速度を速め、よっ
て、透明性を低下させることなく成形体に耐熱性を付与
でき、特に射出ブロー成形体の成形に有用な熱可塑性ポ
リエステル樹脂組成物、及びそれからなる射出ブロー成
形体を提供する。 【解決手段】 テレフタル酸又はそのアルキルエステル
を主成分とするジカルボン酸単位とエチレングリコール
を主成分とするグリコール単位とからなり、エステル
化、並びに重縮合触媒の存在下で溶融重縮合及び固相重
縮合することにより得られ、更に該重縮合触媒を失活処
理された熱可塑性ポリエステル樹脂と、該樹脂とは異種
の結晶性熱可塑性樹脂、及び、非晶性熱可塑性樹脂とか
らなる樹脂組成物であって、結晶性熱可塑性樹脂の含有
量が0.1〜45ppbであり、非晶性熱可塑性樹脂の
含有量が前記範囲の結晶性熱可塑性樹脂の含有量の1〜
250000倍である熱可塑性ポリエステル樹脂組成
物、及び該組成物からなる射出ブロー成形体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱可塑性ポリエス
テル樹脂組成物及びそれからなる射出ブロー成形体に関
し、更に詳しくは、成形時の金型汚染をなくして表面外
観に優れた成形体が得られると共に、結晶化速度を速
め、よって、透明性を低下させることなく成形体に耐熱
性を付与でき、特に射出ブロー成形体の成形に有用な熱
可塑性ポリエステル樹脂組成物、及びそれからなる射出
ブロー成形体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、飲料、液体洗剤、化粧品等の
ボトル容器として、ポリエチレンテレフタレート樹脂
が、優れた機械的性質及び化学的特性に加え、その優れ
た透明性、ガスバリア性、水蒸気バリア性、安全衛生性
等の面から注目され、著しい伸びを示している。
【0003】これらのポリエチレンテレフタレート樹脂
のボトル容器は、通常、射出成形したプリフォームをブ
ロー金型内で延伸ブロー成形して成形されるが、成形
時、ポリエチレンテレフタレート樹脂の重縮合時に副生
する環状三量体等のオリゴマー類や成形時に生成するこ
れらのオリゴマー類等が成形金型等を汚染し、得られる
成形体の表面外観が不良となるという問題があり、これ
に対しては、固相重縮合後の樹脂を水分と接触させて重
縮合触媒を失活させることにより満足し得る解決が得ら
れることが知られている(例えば、特公平7−1499
7号、同7−37515号、同7−64920号各公報
参照。)。
【0004】一方、そのように重縮合触媒を失活処理さ
れたポリエチレンテレフタレート樹脂を用いて成形され
たボトルであっても、通常、ポリエチレンテレフタレー
ト樹脂のボトルは、果汁飲料等のように熱充填を必要と
する内容物のボトルにおいては、ボトルの耐熱性を上げ
るために、プリフォーム又はボトルの口栓部を熱処理し
て結晶化させることが行われており、又、小容量のボト
ルにおいては、ボトル胴部の密度を上げるために、ブロ
ー金型の温度を120〜180℃程度の高温に設定して
胴部の結晶化を促進することが行われている。そして、
これらの処理は、必然的にボトルの透明性を低下させる
こととなっている。
【0005】これに対して、ポリエチレンテレフタレー
ト樹脂の結晶化温度を高温化せしめ、前記熱処理におけ
る透明性の低下を抑えるべく、樹脂を共重合化する方
法、及び、非晶性熱可塑性樹脂を1〜20重量%配合す
る方法(例えば、特開平3−207750号公報参
照。)等が提案されているが、前者方法では、前記熱処
理によるボトルへの耐熱性の付与自体が困難となり、
又、後者方法では、本発明者の検討によれば、透明性の
低下を満足し得る程には抑え得ないものであった。
【0006】そして、本願出願人は、先に、ポリエチレ
ンテレフタレート樹脂を流動条件下にポリエチレン等の
結晶性熱可塑性樹脂製の部材と接触させるか(特開平9
−71639号公報参照。)、或いは、ポリエチレンテ
レフタレート樹脂にポリエチレン等の結晶性熱可塑性樹
脂を微量配合して(特開平9−152308号、特開平
9−194697号各公報参照。)、結晶性熱可塑性樹
脂を微量含有せしめることにより、ポリエチレンテレフ
タレート樹脂の結晶化温度を低温化ならしめる方法を提
案したが、この方法も、ポリエチレンテレフタレート樹
脂の結晶化速度にある程度の改良を与えるものの、透明
性とのバランスにおいて、市場の要求を十分に満足させ
得ているとは言い難かった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前述の従来
技術に鑑みてなされたもので、成形時の金型汚染をなく
して表面外観に優れた成形体が得られると共に、結晶化
速度を速め、よって、透明性を低下させることなく成形
体に耐熱性を付与でき、特に射出ブロー成形体の成形に
有用な熱可塑性ポリエステル樹脂組成物、及びそれから
なる射出ブロー成形体を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者は、前記目的を
達成すべく鋭意検討した結果、重縮合触媒を失活処理さ
れたポリエチレンテレフタレート樹脂に、前述の如くし
て結晶性熱可塑性樹脂を微量含有せしめると共に、非晶
性熱可塑性樹脂をも微量含有せしめることにより、意外
にも前記目的が達成できることを見い出し本発明を完成
したものであって、即ち、本発明は、テレフタル酸又は
そのアルキルエステルを主成分とするジカルボン酸単位
とエチレングリコールを主成分とするグリコール単位と
からなり、エステル化、並びに重縮合触媒の存在下で溶
融重縮合及び固相重縮合することにより得られ、更に該
重縮合触媒を失活処理された熱可塑性ポリエステル樹脂
と、該樹脂とは異種の結晶性熱可塑性樹脂、及び、非晶
性熱可塑性樹脂とからなる樹脂組成物であって、結晶性
熱可塑性樹脂の含有量が0.1〜45ppbであり、非
晶性熱可塑性樹脂の含有量が前記範囲の結晶性熱可塑性
樹脂の含有量の1〜250000倍である熱可塑性ポリ
エステル樹脂組成物、及び該組成物からなる射出ブロー
成形体、を要旨とする。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明において、熱可塑性ポリエ
ステル樹脂は、テレフタル酸又はそのアルキル(炭素数
1〜4程度)エステルを主成分とするジカルボン酸単位
とエチレングリコールを主成分とするグリコール単位と
の重縮合体であるポリエチレンテレフタレート系樹脂で
あって、このエチレンテレフタレート単位が構成繰り返
し単位の80モル%以上を占めるものが好ましく、90
モル%以上を占めるものが更に好ましい。エチレンテレ
フタレート単位が80モル%未満では、成形体としての
機械的性質や耐熱性が劣る傾向となる。
【0010】尚、テレフタル酸及びそのアルキルエステ
ル以外のジカルボン酸単位として、例えば、フタル酸、
イソフタル酸、4,4’−ジフェニルジカルボン酸、
4,4’−ジフェノキシエタンジカルボン酸、4,4’
−ジフェニルエーテルジカルボン酸、4,4’−ジフェ
ニルスルホンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカル
ボン酸等の芳香族ジカルボン酸、ヘキサヒドロテレフタ
ル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸等の脂環式ジカルボン
酸、マロン酸、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、
セバシン酸等の脂肪族ジカルボン酸の一種又は二種以上
が、又、エチレングリコール以外のグリコール単位とし
て、例えば、プロピレングリコール、トリメチレングリ
コール、テトラメチレングリコール、ペンタメチレング
リコール、ヘキサメチレングリコール、デカメチレング
リコール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコ
ール等の脂肪族グリコール、1,1−シクロヘキサンジ
メタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等の
脂環式グリコール、4,4’−ジヒドロキシビフェニ
ル、2,2−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)プロパ
ン、2,2−ビス(4’−β−ヒドロキシエトキシフェ
ニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スル
ホン、ビス(4−β−ヒドロキシエトキシフェニル)ス
ルホン酸等の芳香族グリコールの一種又は二種以上が、
更に、例えば、p−ヒドロキシ安息香酸、p−β−ヒド
ロキシエトキシ安息香酸等のヒドロキシカルボン酸やア
ルコキシカルボン酸、並びに、ステアリン酸、安息香
酸、ステアリルアルコール、ベンジルアルコール等の単
官能成分、トリメリット酸、ピロメリット酸、トリメタ
ノールエタン、ペンタエリスリトール等の三官能以上の
多官能成分、等の一種又は二種以上が、共重合成分とし
て用いられていてもよく、中で、ジカルボン酸単位とし
てはイソフタル酸等が、又、グリコール単位としてはジ
エチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノ
ール等が好適である。これらは、各々、好ましくは15
モル%以内、更に好ましくは5モル%以内の範囲で用い
られる。
【0011】これらのテレフタル酸又はそのアルキルエ
ステルを主成分とするジカルボン酸単位とエチレングリ
コールを主成分とするグリコール単位等を含む原料は、
常法により、エステル化触媒、又は、マンガン化合物等
の金属化合物等のエステル交換触媒の存在下、240〜
280℃程度の温度、1〜3kg/cm2 G程度の圧力
でエステル化反応又はエステル交換反応を行ってビス
(β−ヒドロキシエチル)テレフタレート及び/又はそ
のオリゴマーとされた後、ゲルマニウム化合物、アンチ
モン化合物等の金属化合物等の重縮合触媒及び燐酸等の
燐化合物等の安定剤の存在下、250〜300℃程度の
温度、500〜0.1mmHg程度の圧力で溶融重縮合
を行ってポリマーとされ、溶融重縮合槽の底部に設けた
抜き出し口からストランド状に抜き出される等した後、
カッターで切断されてチップ状とされ、更に、溶融重縮
合により得られたチップ状ポリマーは、通常、120〜
200℃程度の温度で1分間以上加熱する等して予備結
晶化がなされた後、窒素等の不活性ガス流通下、190
〜230℃程度の温度、1kg/cm2 G〜10mmH
g程度の圧力で1〜50時間、固相重縮合を行ってチッ
プ状の熱可塑性ポリエステル樹脂とされる。
【0012】尚、ここで、重縮合触媒としてのゲルマニ
ウム化合物としては、二酸化ゲルマニウム、四酸化ゲル
マニウム、ゲルマニウムテトラエトキシド、ゲルマニウ
ムテトラn−ブトキシド等が挙げられ、その使用量は、
樹脂中のゲルマニウム原子としての含有量が10〜20
0ppmの範囲となる量とするのが好ましく、25〜1
20ppmの範囲となる量とするのが更に好ましい。
又、アンチモン化合物としては、三酸化アンチモン、酢
酸アンチモン、メトキシアンチモン等が挙げられ、その
使用量は、樹脂中のアンチモン原子としての含有量が1
00〜400ppmの範囲となる量とするのが好まし
く、150〜300ppmの範囲となる量とするのが更
に好ましい。中で、本発明は、重縮合触媒としてゲルマ
ニウム化合物を用いた熱可塑性ポリエステル樹脂におい
て、特に有用である。
【0013】本発明における熱可塑性ポリエステル樹脂
は、前記重縮合触媒を失活処理されたものであることが
必須であり、失活処理されていない樹脂では、樹脂組成
物としての成形時に金型汚染が起こり、表面外観に優れ
た成形体が得られないこととなる。
【0014】ここで、重縮合触媒の失活処理は、固相重
縮合後の樹脂を、40℃以上の温水、熱水、又は水蒸
気、或いは水蒸気含有ガスに10分〜100時間の間接
触させることによりなされ、具体的には、例えば、樹脂
チップの連続供給設備及び温度調節した水の循環設備を
備え、傾斜した底面を有する水槽中に、樹脂チップを連
続的に供給しつつ、傾斜底面の最低部に取り付けた気液
縁切り用のロータリーバルブで樹脂チップを連続的に排
出しつつ水切りを行う水浸漬処理法、樹脂チップの滞留
時間を制御するための連続供給及び排出設備を備えた塔
型装置に、樹脂チップを一定の滞留時間になるように連
続供給及び排出しつつ、並流又は向流で圧力及び温度を
調節した水蒸気又は水蒸気含有空気を供給する方法等が
挙げられる。尚、水分と接触させて重縮合触媒を失活せ
られた樹脂チップは、通常、乾燥処理が施される。
【0015】本発明における前記熱可塑性ポリエステル
樹脂は、その固有粘度が、フェノール/テトラクロロエ
タン(重量比1/1)の混合溶媒中で30℃で測定した
値として、通常、0.5〜1.2dl/gの範囲であ
り、又、副生物としての環状三量体の含有量が0.5重
量%以下、同じくアセトアルデヒドの含有量が10pp
m以下であるのが、それぞれ好ましい。
【0016】本発明において、前記熱可塑性ポリエステ
ル樹脂に含有される、該樹脂とは異種の結晶性熱可塑性
樹脂としては、代表的には、ポリオレフィン系樹脂、ポ
リアミド系樹脂等が挙げられ、これらは単独で、又は二
種以上を混合して用いることができる。
【0017】そのポリオレフィン系樹脂としては、例え
ば、エチレン、プロピレン、ブテン−1等の炭素数2〜
8程度のα−オレフィンの単独重合体、それらのα−オ
レフィンと、エチレン、プロピレン、ブテン−1、3−
メチルブテン−1、ペンテン−1、4−メチルペンテン
−1、ヘキセン−1、オクテン−1、デセン−1等の炭
素数2〜20程度の他のα−オレフィンや、酢酸ビニ
ル、塩化ビニル、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル
酸エステル、メタクリル酸エステル、スチレン等のビニ
ル化合物との共重合体等が挙げられ、具体的には、例え
ば、低・中・高密度ポリエチレン等(分岐状又は直鎖
状)のエチレン単独重合体、エチレン−プロピレン共重
合体、エチレン−ブテン−1共重合体、エチレン−4−
メチルペンテン−1共重合体、エチレン−ヘキセン−1
共重合体、エチレン−オクテン−1共重合体、エチレン
−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合
体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−アク
リル酸エチル共重合体等のエチレン系樹脂、プロピレン
単独重合体、プロピレン−エチレン共重合体、プロピレ
ン−エチレン−ブテン−1共重合体等のプロピレン系樹
脂、及び、ブテン−1単独重合体、ブテン−1−エチレ
ン共重合体、ブテン−1−プロピレン共重合体等のブテ
ン−1系樹脂等が挙げられる。
【0018】又、そのポリアミド系樹脂としては、例え
ば、ブチロラクタム、δ−バレロラクタム、ε−カプロ
ラクタム、エナントラクタム、ω−ラウロラクタム等の
ラクタムの重合体、6−アミノカプロン酸、11−アミ
ノウンデカン酸、12−アミノドデカン酸等のアミノカ
ルボン酸の重合体、ヘキサメチレンジアミン、ノナメチ
レンジアミン、デカメチレンジアミン、ドデカメチレン
ジアミン、ウンデカメチレンジアミン、2,2,4−又
は2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン等の
脂肪族ジアミン、1,3−又は1,4−ビス(アミノメ
チル)シクロヘキサン、ビス(p−アミノシクロヘキシ
ルメタン)等の脂環式ジアミン、m−又はp−キシリレ
ンジアミン等の芳香族ジアミン等のジアミン単位と、グ
ルタル酸、アジピン酸、スベリン酸、セバシン酸等の脂
肪族ジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸等の脂
環式ジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸等の芳
香族ジカルボン酸等のジカルボン酸単位との重縮合体、
及びこれらの共重合体等が挙げられ、具体的には、例え
ば、ナイロン4、ナイロン6、ナイロン7、ナイロン
8、ナイロン9、ナイロン11、ナイロン12、ナイロ
ン66、ナイロン69、ナイロン610、ナイロン61
1、ナイロン612、ナイロン6T、ナイロン6I、ナ
イロンMXD6、ナイロン6/66、ナイロン6/61
0、ナイロン6/12、ナイロン6/6T、ナイロン6
I/6T等が挙げられる。
【0019】又、本発明において、前記熱可塑性ポリエ
ステル樹脂に含有される非晶性熱可塑性樹脂としては、
例えば、ポリカーボネート系樹脂、ポリアリレート系樹
脂、ポリスチレン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリフェニ
レンエーテル系樹脂、ポリスルフォン系樹脂、ポリエー
テルスルフォン系樹脂、ポリエーテルイミド系樹脂、ポ
リアミドイミド系樹脂等が挙げられ、中で、ポリカーボ
ネート系樹脂、ポリアリレート系樹脂、及び、ポリスチ
レン系樹脂が好ましく、これらは単独で、又は二種以上
を混合して用いることができる。
【0020】そのポリカーボネート系樹脂としては、ジ
ヒドロキシジアリール化合物とホスゲンとを反応させる
ホスゲン法、及び、ジヒドロキシジアリール化合物とジ
フェニルカーボネート等の炭酸エステルとを反応させる
エステル交換法のいずれによって得られたものでもよ
く、又、一種のジヒドロキシジアリール化合物からなる
ホモポリマーであっても、二種以上のジヒドロキシジア
リール化合物からなるコポリマーであってもよい。
【0021】ここで、ジヒドロキシジアリール化合物と
しては、例えば、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタ
ン、1,1−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)エタ
ン、2,2−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)プロパ
ン、2,2−ビス(4’−ヒドロキシ−3’−メチルフ
ェニル)プロパン、2,2−ビス(4’−ヒドロキシフ
ェニル)ブタン、2,2−ビス(4’−ヒドロキシフェ
ニル)オクタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)フェ
ニルメタン等のビス(ヒドロキシアリール)アルカン
類、1,1−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)シクロ
ペンタン、1,1−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)
シクロヘキサン等のビス(ヒドロキシアリール)シクロ
アルカン類、4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテ
ル、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフ
ェニルエーテル等のジヒドロキシジアリールエーテル
類、4,4’−ジヒドロキシジフェニルケトン、4,
4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルケ
トン等のジヒドロキシジアリールケトン類、4,4’−
ジヒドロキシジフェニルスルフィド、4,4’−ジヒド
ロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルスルフィド等の
ジヒドロキシジアリールスルフィド類、4,4’−ジヒ
ドロキシジフェニルスルホキシド、4,4’−ジヒドロ
キシ−3,3’−ジメチルジフェニルスルホキシド等の
ジヒドロキシジアリールスルホキシド類、4,4’−ジ
ヒドロキシジフェニルスルホン、4,4’−ジヒドロキ
シ−3,3’−ジメチルジフェニルスルホン等のジヒド
ロキシジアリールスルホン類等が挙げられ、中で、2,
2−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)プロパンが好ま
しく、又、そのホモポリマーが更に好ましい。かかるポ
リカーボネート系樹脂は、粘度平均分子量で12000
〜50000のものが好ましい。
【0022】又、ポリアリレート系樹脂としては、芳香
族ジカルボン酸化合物又はその誘導体と、ビスフェノー
ル化合物又はその誘導体との重縮合体であって、その芳
香族ジカルボン酸化合物としては、例えば、フタル酸、
イソフタル酸、テレフタル酸の他、前記熱可塑性ポリエ
ステル樹脂において挙げたと同様のものが挙げられる
が、中で、イソフタル酸とテレフタル酸との併用のもの
が好ましく、又、ビスフェノール化合物としては、前記
熱可塑性ポリエステル樹脂及びポリカーボネート系樹脂
において挙げたと同様のものの他、例えば、1,1−ビ
ス(4’−ヒドロキシフェニル)−2,2,2−トリク
ロロエタン、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジク
ロロジフェニルエーテル等が挙げられ、中で、2,2−
ビス(4’−ヒドロキシフェニル)プロパンが好まし
い。かかるポリアリレート系樹脂の固有粘度は、通常、
0.4〜1.1dl/gの範囲である。
【0023】又、ポリスチレン系樹脂としては、例え
ば、スチレン、α−メチルスチレン、α−エチルスチレ
ン等のα−置換アルキルスチレン、m−メチルスチレ
ン、p−メチルスチレン、2,5−ジメチルスチレン等
の核置換スチレン、p−クロロスチレン、p−ブロモス
チレン、ジブロモスチレン等の核置換ハロゲン化スチレ
ン等の単独重合体、又は共重合体が挙げられ、中で、ス
チレンの単独重合体が好ましい。
【0024】本発明の熱可塑性ポリエステル樹脂組成物
における前記結晶性熱可塑性樹脂の含有量は、0.1〜
45ppbであることが必須であり、1〜25ppbで
あるのが好ましい。結晶性熱可塑性樹脂の含有量が前記
範囲未満では、組成物として結晶化速度を速める効果を
発現できず、結果として、透明性を低下させることなく
成形体に耐熱性を付与することができなくなる。
【0025】又、本発明の熱可塑性ポリエステル樹脂組
成物における、前記非晶性熱可塑性樹脂の含有量は、前
記範囲の結晶性熱可塑性樹脂の含有量の1〜25000
0倍であることが必須であり、10〜150000倍で
あるのが好ましく、100〜100000倍であるのが
更に好ましい。非晶性熱可塑性樹脂の含有量が前記範囲
未満では、組成物として結晶化速度を速める効果を発現
できず、結果として、透明性を低下させることなく成形
体に耐熱性を付与することができなくなる。一方、前記
範囲超過でも、組成物として結晶化速度を速める効果を
発現できず、結果として、透明性を低下させることなく
成形体に耐熱性を付与することができなくなると共に、
成形体が白濁するという問題も発生する。
【0026】本発明における熱可塑性ポリエステル樹脂
組成物の製造は、前記熱可塑性ポリエステル樹脂に前記
結晶性熱可塑性樹脂及び非晶性熱可塑性樹脂を、その含
有量がそれぞれ前記範囲となるように、直接に添加し溶
融混練する方法、又は、マスターバッチとして添加し溶
融混練する方法等の慣用の方法による外、前記結晶性熱
可塑性樹脂及び/又は非晶性熱可塑性樹脂を、前記熱可
塑性ポリエステル樹脂の製造段階、例えば、溶融重縮合
時(原料、スラリー、触媒等)、溶融重縮合直後、予備
結晶化直後、固相重縮合時、固相重縮合直後等のいずれ
かの段階、又は、製造段階を終えてから成形段階に到る
までの間等、で粉粒体として直接に添加するか、又は、
粉粒体として分散させた水等の液体とポリエステル樹脂
チップ状体を接触させるか、粉粒体として混入させたエ
ア等の気体とポリエステル樹脂チップ状体を接触させる
か、或いは、ポリエステル樹脂チップ状体の流動条件下
に結晶性熱可塑性樹脂及び/又は非晶性熱可塑性樹脂製
の部材に接触させる等の方法で混入させた後、溶融混練
する方法等によることもできる。後者方法の中では、ポ
リエステル樹脂の溶融重縮合後のチップ状体の、予備結
晶化機への気力輸送時、又は固相重縮合槽への気力輸送
時、又は、固相重縮合後のチップ状体の、貯蔵槽への気
力輸送時、又は成形機への気力輸送時等に、気力輸送用
エアに結晶性熱可塑性樹脂及び/又は非晶性熱可塑性樹
脂を混入しておく方法が好ましい。
【0027】ここで、ポリエステル樹脂チップ状体の流
動条件下に結晶性熱可塑性樹脂及び/又は非晶性熱可塑
性樹脂製の部材に接触させる方法としては、結晶性熱可
塑性樹脂又は非晶性熱可塑性樹脂製の部材が存在する空
間内で、ポリエステル樹脂チップを該部材に衝突接触さ
せることが好ましく、具体的には、例えば、ポリエステ
ル樹脂の溶融重縮合直後、予備結晶化直後、固相重縮合
直後等の製造工程時、又、ポリエステル樹脂チップの製
品としての輸送段階等での輸送容器充填・排出時、又、
ポリエステル樹脂チップの成形段階での成形機投入時、
等における気力輸送配管、重力輸送配管、サイロ、振動
篩のパンチング板、マグネットキャッチャーのマグネッ
ト部等の一部を結晶性熱可塑性樹脂又は非晶性熱可塑性
樹脂製とするか、又は、結晶性熱可塑性樹脂又は非晶性
熱可塑性樹脂をライニングするとか、或いは前記移送経
路内に棒状又は網状体等の結晶性熱可塑性樹脂又は非晶
性熱可塑性樹脂製部材を設置する等して、ポリエステル
樹脂チップを移送する方法が挙げられる。ポリエステル
樹脂チップの前記部材との接触時間は、通常、0.01
〜1秒程度の極短時間であるが、ポリエステル樹脂に結
晶性熱可塑性樹脂及び/又は非晶性熱可塑性樹脂を微量
混入させることができる。
【0028】尚、本発明において、前記熱可塑性ポリエ
ステル樹脂組成物には、酸化防止剤、紫外線吸収剤、帯
電防止剤、染料や顔料等の着色剤、ガラス繊維、フレ
カ、マイカ、カーボンファイバー、チタン酸カリファイ
バー等の強化材、粒子径0.01〜10μm程度のシリ
コーン樹脂等の有機微粒子、炭酸カルシウム、硫酸バリ
ウム、酸化チタン、酸化アルミニウム、シリカ、カオリ
ン、クレー等の無機微粒子等のブロッキング防止剤、無
機系及び有機系の核剤、可塑剤、難燃剤、難燃助剤等が
含有されていてもよい。
【0029】前述の如くして、熱可塑性ポリエステル樹
脂と、結晶性熱可塑性樹脂、非晶性熱可塑性樹脂、及
び、必要に応じて加えられる配合剤とを常法により溶融
混練することにより製造される本発明の熱可塑性ポリエ
ステル樹脂組成物は、例えば、押出成形によってフィル
ムやシート等に成形され、又、射出成形によってプリフ
ォームに成形された後、延伸ブロー成形によってボトル
等に成形される。尚、その際の押出成形条件としては、
通常採用されている範囲であって、例えば、シリンダー
温度240〜300℃、スクリュー回転数40〜300
rpm、冷却ドラム温度5〜60℃等の範囲で成形する
ことができる。又、射出成形条件としては、シリンダー
温度260〜300℃、金型温度5〜40℃、スクリュ
ー回転数40〜300rpm、射出圧力40〜140k
g/cm2 等の範囲で成形することができる。又、延伸
ブロー成形条件としては、延伸温度70〜120℃、延
伸倍率は縦方向に1.5〜3.5倍、円周方向に2〜5
倍等の範囲で成形し、更に、温度100〜200℃で数
秒〜数分間の熱固定がなされる。
【0030】尚、本発明の熱可塑性ポリエステル樹脂組
成物からなる成形体は、詳細後述する180℃での等温
結晶化速度における1/2結晶化時間(τ)が、30〜
90秒の範囲を有するものとなる。
【0031】本発明の熱可塑性ポリエステル樹脂組成物
は、前記の成形方法による成形体の中で、射出成形方法
によって得られたプリフォームを、再加熱後に二軸延伸
するコールドパリソン法等のブロー成形法よってボトル
等に成形された、射出ブロー成形体として好適であり、
例えば、炭酸飲料、果汁飲料、アルコール飲料、茶やミ
ネラルウォーター等の飲料、醤油、ソース、みりん、ド
レッシング等の液体調味料、食用油、液体洗剤、化粧品
等の容器として好適に用いられる。
【0032】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に詳細に説明
するが、本発明はその要旨を越えない限り以下の実施例
に限定されるものではない。 実施例1 テレフタル酸13.0重量部とエチレングリコール5.
82重量部とからなるスラリーを重縮合槽に供給して、
常圧下250℃でエステル化反応を行い、エステル化反
応率95%のビス(β−ヒドロキシエチル)テレフタレ
ート及びその低重合体を調製した後、正燐酸0.001
2重量部と二酸化ゲルマニウム0.0012重量部とを
加えて、1mmHgの減圧下280℃で重縮合を行っ
た。生成したポリマーを、重縮合槽の底部に冷却水槽に
直結させて設けた抜き出し口からストランド状に抜き出
して水冷した後、チップ状にカットした。引き続いて、
得られたポリマーチップを攪拌結晶化機(Bepex社
式)に移送し、ポリマーチップ表面を150℃で結晶化
させた後、窒素流通下140℃で3時間乾燥させ、続い
て静置固相重縮合塔に移し、窒素流通下210℃で20
時間固相重縮合してチップ状のポリエチレンテレフタレ
ート樹脂(固有粘度0.75dl/g)を製造した。
【0033】得られたポリエチレンテレフタレート樹脂
チップを、予め径1.5mmの大きさに機械粉砕したポ
リカーボネート樹脂(三菱エンジニアリングプラスチッ
ク社製「ユーピロンH4000」)の粉粒体を0.6g
/m3 の割合で混入した気力輸送用エアを用いて微粉除
去装置に移送し、余分な粉粒体を除去した後、1段に5
本の棒状マグネット(直径21mm)がセットでき、そ
の1段分を低密度ポリエチレン(日本ポリケム社製、
「UE320」)製パイプに換えたマグネットキャッチ
ャー内を所定速度で通過させて処理することにより、低
密度ポリエチレンとポリカーボネート樹脂を混入したポ
リエチレンテレフタレート樹脂チップを得た。
【0034】得られたチップを連続的に、直径約20c
m、高さ約50cmで下部に金網を取り付けたSUS3
04製の塔状容器に投入し、下部導入口から80℃で相
対湿度90%の水蒸気含有空気を毎時100リットルの
速度で15時間導入して接触させ、重縮合触媒の失活処
理を行った後、120℃で10時間乾燥させることによ
り、凝縮付着水と吸湿した水分を除去した。
【0035】この樹脂チップを真空乾燥機にて130℃
で10時間乾燥させた後、射出成形機(日精樹脂工業社
製「FE−80S」)にて、シリンダー温度280℃、
スクリュー回転数120rpm、1次圧時間1.0秒、
金型温度20℃、成形サイクル40秒で、溶融混練した
組成物から、外径約30mm、内径約20mm、長さ1
65mm、重量約60gの円筒状のプリフォームを射出
成形した。
【0036】得られたプリフォームについて、以下の方
法で、結晶性樹脂としての低密度ポリエチレン、及び非
晶性樹脂としてのポリカーボネート樹脂の各含有量を測
定し、結果を表1に示した。低密度ポリエチレン及びポリカーボネート樹脂含有量 試料約15mgをトリフルオロ酢酸0.7mlに溶解さ
せ、NMRにて定量した。
【0037】更に、得られたプリフォームについて、そ
の外観を目視観察すると共に、以下の方法で、結晶化速
度を評価し、結果を表1に示した。結晶化速度 プリフォームの口栓部をサポートリング下より切断し、
口栓部のみを180℃オイルバス中に15秒間隔で最長
180秒間浸漬させて結晶化させた各試料について、水
中で急冷後、口栓部天面のねじ切り開始部を約1.5m
m立法角に切り出し、浸漬液として臭化ナトリウム/エ
チルアルコール/水系を用いてJISK7112に準拠
して密度勾配管法により密度を測定し、得られた密度と
浸漬時間との関係図から、下式で算出される1/2結晶
化密度(ρ)に到達する時間を1/2結晶化時間(τ)
として読み取った。 1/2結晶化密度(ρ)=(浸漬前密度+180秒間浸
漬後密度)/2
【0038】又、得られたプリフォームを、180〜2
50℃の加熱炉内で加熱した後、ブロー圧力5〜30k
g/cm2 、金型温度50℃に設定したブロー成形機に
て延伸ブロー成形し、外径約100mm、高さ約300
mm、胴部平均肉厚約0.35mm、内容積約1.5リ
ットルのボトルを成形するにおいて、以下に示す方法
で、透明性を評価し、結果を表1に示した。
【0039】透明性 前記加熱時間を55秒として成形したボトル胴部より4
0mm×40mmの大きさに切り出した試料について、
ヘーズメーター(日本電色社製「NDH−300A」)
にてヘーズを測定し、その値が3%未満の場合は更めて
加熱時間を0.5秒長くして、又、その値が3%超過の
場合は更めて加熱時間を0.5秒短くして、同様にボト
ルを成形し、ヘーズを測定してこの操作を繰り返すこと
により、ヘーズ値が3.0%となる加熱時間(これを最
大許容加熱時間(t)とした。)を求めた。この時間が
長い程、結晶化による耐熱性の付与時の透明性の低下を
抑えることができることを意味する。
【0040】別に、金型汚染性を評価すべく、得られた
チップを真空乾燥機にて130℃で10時間乾燥させた
後、射出成形機(日精ASB社製「ASB−50T
H」)にて、シリンダー温度280℃、スクリュー回転
数120rpm、射出圧力40〜120kg/cm2
射出保圧時間14秒、金型温度20℃、冷却時間8秒
で、プリフォームを射出成形し、引き続いて、ブロー圧
力5〜30kg/cm2 、ブロー金型温度130℃でブ
ロー成形することにより、外径約95mm、高さ約30
5mm、胴部平均肉厚約0.37mm、重量約60g、
内容積約1.5リットルのボトルを1000個連続成形
し、その1000個目成形のボトルについて前述と同様
の方法でヘーズを測定し、結果を表1に示した。
【0041】実施例2〜6、比較例1〜3 気力輸送用エアに混入するポリカーボネート樹脂の量を
表1に示すように変更した外は、実施例1と同様にして
得られた樹脂チップについて、プリフォームを成形して
結晶化速度を評価し、更に、そのプリフォームを延伸ブ
ロー成形して透明性を評価し、結果を表1に示した。
【0042】実施例7 気力輸送用エアに混入するポリカーボネート樹脂の量を
表1に示すように変更すると共に、マグネットキャッチ
ャーの2段分を低密度ポリエチレン製パイプに換えた外
は、実施例1と同様にして得られた樹脂チップについ
て、プリフォームを成形して結晶化速度を評価し、更
に、そのプリフォームを延伸ブロー成形して透明性を評
価し、結果を表1に示した。
【0043】実施例8〜9 気力輸送用エアに混入するポリカーボネート樹脂の量を
表1に示すように変更すると共に、マグネットキャッチ
ャーに低密度ポリエチレンを用いる代わりに、その粉粒
体を0.015g/m3 の割合で気力輸送用エアに混入
して用いた外は、実施例1と同様にして得られた樹脂チ
ップについて、プリフォームを成形して結晶化速度を評
価し、更に、そのプリフォームを延伸ブロー成形して透
明性を評価し、結果を表1に示した。
【0044】比較例4〜5 気力輸送用エアに混入するポリカーボネート樹脂の量を
表1に示すように変更すると共に、マグネットキャッチ
ャーに低密度ポリエチレンを用いなかった外は、実施例
1と同様にして得られた樹脂チップについて、プリフォ
ームを成形して結晶化速度を評価し、更に、そのプリフ
ォームを延伸ブロー成形して透明性を評価し、結果を表
1に示した。
【0045】比較例6〜7 気力輸送用エアに混入するポリカーボネート樹脂の量を
表1に示すように変更すると共に、マグネットキャッチ
ャーに低密度ポリエチレンを用いる代わりに、その粉粒
体を0.033g/m3 (比較例6)、及び0.050
g/m3 (比較例7)の割合で気力輸送用エアに混入し
て用いた外は、実施例1と同様にして得られた樹脂チッ
プについて、プリフォームを成形して結晶化速度を評価
し、更に、そのプリフォームを延伸ブロー成形して透明
性を評価し、結果を表1に示した。
【0046】実施例10 非晶性樹脂として、ポリカーボネート樹脂に代えてポリ
スチレン樹脂(三菱化学社製「HH102」)を用いる
と共に、気力輸送用エアへの混入量を表1に示すように
変更した外は、実施例1と同様にして得られた樹脂チッ
プについて、プリフォームを成形して結晶化速度を評価
し、更に、そのプリフォームを延伸ブロー成形して透明
性を評価し、結果を表1に示した。
【0047】比較例8 気力輸送用エアに混入するポリカーボネート樹脂の量を
0g/m3 とすると共に、固相重縮合のチップについて
重縮合触媒の失活処理を行わなかった外は、実施例1と
同様にして、試験を実施し、諸物性を測定、評価し、結
果を表1に示した。
【0048】比較例9 気力輸送用エアに混入するポリカーボネート樹脂の量を
0g/m3 とし、かつ、マグネットキャッチャーに低密
度ポリエチレンを用いないと共に、固相重縮合のチップ
について重縮合触媒の失活処理を行わなかった外は、実
施例1と同様にして、試験を実施し、諸物性を測定、評
価し、結果を表1に示した。
【0049】
【表1】
【0050】
【発明の効果】本発明によれば、成形時の金型汚染をな
くして表面外観に優れた成形体が得られると共に、結晶
化速度を速め、よって、透明性を低下させることなく成
形体に耐熱性を付与でき、特に射出ブロー成形体の成形
に有用な熱可塑性ポリエステル樹脂組成物、及びそれか
らなる射出ブロー成形体を提供することができる。
フロントページの続き Fターム(参考) 3E033 BA14 BA17 BA21 BA22 BA26 BB04 BB05 CA16 CA18 FA03 GA02 4F208 AA03 AA13 AA24 AA27 AA28 AA29 AG07 AH55 LA05 LB01 LG01 4J002 BB033 BB053 BB123 BB143 BB153 BC032 BC082 BC092 BC112 BD043 BF023 BG013 BG053 CF041 CF051 CF061 CF162 CG012 CG022 GG01 4J029 AA03 AA04 AA10 AB05 AB07 AC01 AC02 AD01 AE18 BA02 BA03 BA04 BA05 BA08 BA10 BB10A BB12A BB13A BB13C BD06A BD07A BD09A BE05A BE05B BF09 BF14A BF14B BG24X BG24Y BH02 CA02 CA03 CA04 CA06 CB04A CB05A CB06A CB10A CC06A CD03 CF08 CF15 CH02 DB07 DB13 EB05A EB06A FA02 FB02 FB06 FB07 FC02 FC08 FC35 FC36 HB01 HB03A HC01 HC05A JA091 JB131 JC583 JF361 JF471 JF541 KB05 KD01 KD07 KD09 KE02 KE03 KE05 KE12 KF02 KH08

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 テレフタル酸又はそのアルキルエステル
    を主成分とするジカルボン酸単位とエチレングリコール
    を主成分とするグリコール単位とからなり、エステル
    化、並びに重縮合触媒の存在下で溶融重縮合及び固相重
    縮合することにより得られ、更に該重縮合触媒を失活処
    理された熱可塑性ポリエステル樹脂と、該樹脂とは異種
    の結晶性熱可塑性樹脂、及び、非晶性熱可塑性樹脂とか
    らなる樹脂組成物であって、結晶性熱可塑性樹脂の含有
    量が0.1〜45ppbであり、非晶性熱可塑性樹脂の
    含有量が前記範囲の結晶性熱可塑性樹脂の含有量の1〜
    250000倍であることを特徴とする熱可塑性ポリエ
    ステル樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 結晶性熱可塑性樹脂の含有量が1〜25
    ppbであり、非晶性熱可塑性樹脂の含有量が前記範囲
    の結晶性熱可塑性樹脂の含有量の100〜100000
    倍である請求項1に記載の熱可塑性ポリエステル樹脂組
    成物。
  3. 【請求項3】 結晶性熱可塑性樹脂がポリオレフィン系
    樹脂、及びポリアミド系樹脂からなる群から選ばれたい
    ずれかの樹脂である請求項1又は2に記載の熱可塑性ポ
    リエステル樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 非晶性熱可塑性樹脂がポリカーボネート
    系樹脂、ポリアリレート系樹脂、及びポリスチレン系樹
    脂からなる群から選ばれたいずれかの樹脂である請求項
    1乃至3のいずれかに記載の熱可塑性ポリエステル樹脂
    組成物。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至4のいずれかに記載の熱可
    塑性ポリエステル樹脂組成物からなることを特徴とする
    射出ブロー成形体。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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