JPH11262266A - 交直変換装置の制御装置、その制御方法および記録媒体 - Google Patents

交直変換装置の制御装置、その制御方法および記録媒体

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JPH11262266A
JPH11262266A JP10056462A JP5646298A JPH11262266A JP H11262266 A JPH11262266 A JP H11262266A JP 10056462 A JP10056462 A JP 10056462A JP 5646298 A JP5646298 A JP 5646298A JP H11262266 A JPH11262266 A JP H11262266A
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control
converter
angle
lower limit
voltage
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Application number
JP10056462A
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English (en)
Inventor
Takayoshi Sano
孝義 佐野
Hisataka Iio
尚隆 飯尾
Yasuhiro Noro
康宏 野呂
Teruo Yoshino
輝雄 吉野
Hiroaki Sato
浩彰 佐藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
GIJUTSU SOKEN KK
Toshiba Corp
Original Assignee
GIJUTSU SOKEN KK
Toshiba Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 変圧器と変換器との間にコンデンサを挿
入した場合でも、制御角を適切に制限し、変換器を適切
な運転範囲で運転することにある。 【解決手段】 変圧器4と変換器6との間にコンデンサ
41を挿入した交直変換装置の制御装置では、制御角を
演算出力する制御手段14,53に上下限リミット設定
値51,52を設定するが、これが変換器出力電圧位相
を基準とした値であるので、上下限リミット補正値演算
部61を設け、交流電圧位相を基準となるように上下限
リミット補正値を算出し、上下限リミット設定値を補正
するものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、直流送電システ
ム、周波数変換システム、系統連係システム等に利用さ
れる交直変換装置の制御装置、その制御方法および記録
媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】この種のシステムに利用される交直変換
装置の制御装置は図13に示すような構成となってい
る。
【0003】交流母線2,3にそれぞれ変換器用変圧器
4,5を介してサイリスタブリッジで構成される変換器
6,7が接続され、また変換器6,7相互間を直流リア
クトル8を介して接続し、交直変換装置1を構成してい
る。
【0004】これら変換器6,7のうち、一方が順変換
器、他方が逆変換器として動作するものであるが、説明
の便宜上,変換器6を順変換器、変換器7を逆変換器と
して説明する。
【0005】順変換器6は、交流母線2から給電される
交流電力を直流電力に変換し、直流リアクトル8を介し
て逆変換器7に送る。この逆変換器7は、送られてくる
直流電力を交流電力に変換した後、交流母線3の背後の
交流系統に送る。
【0006】一方、制御装置10は、順変換器6側と逆
変換器7側とに対応してそれぞれ同じ構成のものが2組
使用されるので、以下,順変換器6側の制御部,つまり
順変換器側制御部の構成について説明する。
【0007】順変換器側制御部は、直流電流Id を検出
する直流電流検出器11、直流電圧Ed を検出する直流
電圧検出器12および交流母線2の交流電圧Vacを検出
する交流電圧検出器13等の信号検出系が設けられ、さ
らに検出器11〜13の出力から運転制御角を算出する
点弧角制御回路14、交流電圧から交流系統の電圧位相
を求める位相検出回路15およびこれら両回路14,1
5の出力に基づいて順変換器6へのサイリスタ点孤パル
スを作成し出力するパルス発生回路16が設けられてい
る。
【0008】なお、逆変換器側制御部は、順変換器側制
御部と共に直流電流検出器11および直流電圧検出器1
2を共用し、さらに交流電圧検出器17、点弧角制御回
路18、位相検出回路19およびパルス発生回路20な
どによって構成されている。
【0009】前記点弧角制御回路14の内部の基本的な
構成は、図14に示すように直流電流設定値Idpと直流
電流検出値Id との偏差に基づいてPI等(P:比例,
I:積分)演算を実行し、直流電流検出値Id が電流設
定値Idpとなるような制御角α1 を算出する上限リミッ
タ31および下限リミッタ32をもつ定電流制御部33
と、直流電圧設定値Edpと直流電圧検出値Ed との偏差
に基づきPI等の演算を実行し、直流電圧検出値Edpが
電圧設定値Edpとなるような制御角α2 を算出する上限
リミッタ34および下限リミッタ35をもつ定電圧制御
部36と、直流電流検出値Id 、交流母線2からの交流
電圧検出値Vacおよび最小余裕角指令値γmin が入力さ
れ、下記する(1)式の演算を実行し最小余裕角指令値
γmin を確保するような制御角α3 を算出する上限リミ
ッタ37および下限リミッタ38をもつ定余裕角制御部
39とが設けられている。
【0010】
【数1】
【0011】各制御部33,36,39から出力される
各制御角α1 〜α3 は最小値選択回路40に送出され、
ここで制御角α1 〜α3 の中から最も小さな値のものを
選択し最終的な運転制御角αとして出力する。
【0012】なお、逆変換器7側では、直流電流設定値
は順変換器側の設定値Idpよりも10%程度小さな値I
dp′を用いているので、定常時の運転点は図15のA点
となり、その結果,通常,順変換器側が直流電流検出値
Id の制御となり、逆変換器側が直流電圧検出値Ed の
制御による運転を行うことになる。図中、21は順変換
器動作領域、22は逆変換器動作領域を示す。
【0013】また、上限リミッタ31,34,37のリ
ミット値は、順変換器側運転の場合には120°程度、
逆変換器側運転の場合には160°程度の値が使用され
る。下限リミッタ32,35,38のリミット値は、順
変換器側運転の場合には10°程度、逆変換器側運転の
場合には70°程度の値が使用される。
【0014】変換器の運転領域としては、運転制御角α
が90°以下であれば順変換器、90°以上であれば逆
変換器として動作する。
【0015】従って、以上のような点弧角制御回路14
を用いて運転制御角αを求めた後、この運転制御角αと
位相検出回路15により検出される交流系統の電圧位相
θとをパルス発生回路16に導入し、ここで点弧パルス
の発生タイミングを決定し、このタイミングに従ってサ
イリスタ点弧パルス23を発生し、順変換器6のサイリ
スタを点弧制御する。逆変換器側でも同様にパルス発生
回路20からサイリスタ点弧パルス24を発生し、逆変
換器7のサイリスタを点弧制御する。
【0016】なお、図14は各制御部33,36,39
に個別に上・下限リミッタを設けたが、これら各制御部
のリミッタを削除し、例えば最小値選択回路40の出力
側に各制御部33,36,39共通の1個の上・下限リ
ミッタ回路を設けた構成でもよい。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】ところで、近年、図1
6に示すように変換器用変圧器4と変換器6との間、変
圧器5と変換器7との間にそれぞれ転流コンデンサ4
1,42を挿入したコンデンサ転流型変換装置が開発さ
れているが、この場合には変圧器4,5の入力側または
出力側であるイ点またはイ′点の交流電圧位相とコンデ
ンサ26,27を挟んで反対側であるロ点の変換器出力
電圧位相とがコンデンサ端子電圧の影響により異なる。
【0018】一般に、交直変換装置の制御方式では、運
転制御角αは交流電圧位相を基準にして定められている
が、図16のように変換器出力電圧位相を基準とした場
合にはその運転制御角αが交流電圧位相基準とは異なっ
てくる。
【0019】そのため、従来、変換器出力電圧位相が交
流電圧位相と等しいものと仮定して設定される上下限リ
ミット値が運転制御角αとして生かされるような場合、
実際には変換器に対して交流電圧位相を基準とした運転
制御角の下に作用するので、予め設定されるリミット値
がずれた状態で作用していることになる。
【0020】その結果、例えば許容できる直流電圧検出
値Ed が1.2puまで出力できるのに対し、実際には
上下限リミット値に引っ掛かることから1.1puが上
限となり、それ以上は上げられなくなるなどの不都合が
生じる。
【0021】また、定余裕角制御については、変換器の
構成要素であるサイリスタのアノードA・カソードK間
の電圧を一定に保持して転流失敗を防ぐことを目的とし
ているが、運転制御角と同様,A・K間の逆電圧期間を
示す余裕角γも、事前に最小余裕角指令値として設定す
るγmin が交流電圧位相を基準とした値となっているの
で、これを変換器出力電圧位相を基準とした場合には、
かかるサイリスタのA・K間の逆電圧期間は最小余裕角
γmin より大きな値になり、交流電圧位相基準に比して
余裕角を確保し過ぎることになって効率の悪い運転とな
ってしまう。
【0022】本発明は上記事情に鑑みてなされたもの
で、変圧器と変換器との間にコンデンサを挿入した場合
でも、変換器の適切な運転を確保可能とする交直変換装
置の制御装置およびその制御方法を提供することにあ
る。
【0023】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明に係わる交直変換装置の制御装置は、交流系
統に接続される変圧器と変換器との間に転流コンデンサ
を挿入し順変換または逆変換を行う構成とするととも
に、前記変換器の点弧制御に用いるための制御角を求め
る交直変換装置の制御装置において、前記転流コンデン
サの端子電圧を検出するコンデンサ端子電圧検出手段
と、前記変換器の直流ラインの直流電流が所定の電流設
定値となるような前記制御角を演算出力する電流制御手
段と、この電流制御手段自身または電流制御手段の出力
側に上下限リミット設定値を設けた上下限リミッタ設定
手段と、前記コンデンサ端子電圧検出手段で検出したコ
ンデンサ端子電圧を用いて上下限リミット補正値を算出
する電流上下限リミット補正値演算手段とを備え、この
上下限リミット補正値を用いて前記上下限リミット設定
値を補正するものである。
【0024】本発明は、以上のような手段を講じること
により、電流制御手段自身または電流制御手段の出力側
に上下限リミット設定値を設定するが、これは変換器出
力電圧位相を基準とする上下限リミット設定値であるの
で、コンデンサ端子電圧検出手段で検出したコンデンサ
端子電圧を用いて上下限リミット補正値を算出し、前記
上下限リミット設定値を補正することにより、交流電圧
位相を基準とする上下限リミットとすることができ、電
流制御手段にて求められる制御角を適切に制限しつつ出
力でき、変換器の適切な運転を確保できる。
【0025】本発明に係わる交直変換装置の制御方法
は、交流系統に接続される変圧器と変換器との間に転流
コンデンサを挿入し順変換または逆変換を行う構成とす
るとともに、前記変換器の点弧制御に用いるための制御
角を求める交直変換装置の制御装置において、転流コン
デンサの端子電圧および前記変換器の直流ラインの直流
電流を含む電気的諸量を検出し、この電気的諸量のうち
直流電流検出値が所定の電流設定値となるような前記制
御角を演算出力する電流制御部自身またはこの電流制御
部の出力側に変換器出力電圧位相を基準とする上下限リ
ミット値を設定した後、前記電気的諸量に基づいて上下
限リミット補正値を算出し、前記上下限リミット設定値
に加算することにより交流電圧位相を基準とする上下限
リミット値とするので、前記制御角を演算出力するとき
に交流電圧位相を基準とする上下限リミットを用いて制
限でき、変換器を安定、かつ、適切な状態で運転でき
る。
【0026】また、本発明に係わる記憶媒体は、系統に
接続される変圧器と変換器との間に転流コンデンサを挿
入してなる交直変換装置の前記変換器の点弧制御に用い
るための制御角を求めるコンピュータに、前記交直変換
装置の所要の個所から前記転流コンデンサの端子電圧を
含む電気的諸量を取り組むデータ変換機能と、この電気
的諸量に基づいて交流電圧位相を基準とする上下限リミ
ットに相当する制御角を算出する上下限制御角算出機能
と、この上下限制御角算出機能により算出される上下限
制御角を用いて上下限リミット補正値を算出する補正値
算出機能と、この補正値算出機能によって算出される上
下限リミット補正値を用いて、前記電気的諸量の所定の
1つの電気量を所定の設定値に調節演算し制御角を求め
る制御部の予め設定される上下限リミット設定値を補正
する補正処理機能とを実現させるためのプログラムを記
録することにより、電気的諸量からディジタル的に上下
限リミット補正値を求めて、変換器出力電圧位相を基準
とする上下限リミット値を交流電圧位相を基準とする上
下限リミットに設定でき、変換器の適切な運転を確保で
きる。
【0027】また、別の発明は、電気的諸量のうち直流
電圧検出値が所定の電圧設定値となるような前記制御角
を演算出力する電圧制御部に対しても、前述とほぼ同様
な手段を用いて、予め電圧制御部に設定する変換器出力
電圧位相基準の上下限リミット設定値を交流電圧位相を
基準とする上下限リミット値に補正する。
【0028】また、別の発明は、転流コンデンサの端子
電圧を検出するコンデンサ端子電圧検出手段と、このコ
ンデンサ端子電圧検出手段で検出したコンデンサ端子電
圧および予め設定される変換器の逆電圧期間となる実余
裕角を用いて、交流電圧位相を基準とする余裕角を算出
する余裕角補正演算手段と、この演算手段で算出された
余裕角および前記変換器の直流ラインの直流電流を用い
て、前記余裕角となるような制御角を演算出力する余裕
角制御手段とを設けことにより、サイリスタのA・Kの
逆電圧期間を適切な値に制御することにより、適切な運
転効率を維持できる。
【0029】さらに、別の発明は、電流,電圧および余
裕角制御手段自身に個別に上下限リミット設定値を設け
ずに、これら電流,電圧および余裕角制御手段の出力側
に共通に上下限リミッタを設定し、前記発明のような上
下限リミット補正値を算出し補正するようにすれば、簡
単な構成で各電流,電圧および余裕角制御手段から得ら
れる制御角を適切に制限出力できる。
【0030】さらに、別の発明は、交流系統から検出さ
れる交流電圧位相を変換器出力電圧位相に変換し点弧角
制御に用いれば、各電流,電圧および余裕角制御手段に
対して上下限リミット設定値の補正機能をもつことな
く、各電流,電圧および余裕角制御手段で得られる制御
角を利用できる。
【0031】さらに、別の発明は、各発明のコンデンサ
端子電圧検出手段に代えて、変換器の直流ラインから検
出される直流電流を用いて転流コンデンサの端子電圧を
演算するようにすれば、特にコンデンサ端子電圧検出手
段を設けずに、転流コンデンサの端子電圧を得ることが
できる。
【0032】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して説明する。
【0033】図1は本発明に係わる交直変換装置の制御
装置の一実施の形態を示す構成図である。なお、同図に
おいて図13および図16と同一機能部分には同一符号
を付し、その詳しい説明を省略する。
【0034】この装置は、各変換器用変圧器4,5と各
変換器6,7との間にそれぞれ転流コンデンサ41,4
2が直列に接続され、これら転流コンデンサ41,42
にはそれぞれコンデンサ端子電圧を検出するコンデンサ
端子電圧検出器43,44が接続されている。
【0035】各コンデンサ端子電圧検出器43,44
は、対応する転流コンデンサ41,42の端子電圧ピー
ク値Vcpを検出し、それぞれ対応する点弧角制御回路1
4,18に送出する。各点弧角制御回路14,18は後
記するように各請求項に応じて異なる構成となってい
る。
【0036】図2は点弧角制御回路14の内部構成を示
す図である。なお、点弧角制御回路18は点弧角制御回
路14と同じ構成であるので、ここでは省略する。
【0037】この点弧角制御回路14は、具体的には、
直流電流検出値Id と直流電流設定値Idpとの偏差に基
づいてPI等(P:比例,I:積分)の調節演算を実行
し、直流電流検出値Id が電流設定値Idpとなるような
制御角α1 を算出する上限リミッタ51および下限リミ
ッタ52をもつ定電流制御部(ACR)53と、直流電
圧設定値Edpと直流電圧検出値Ed との偏差に基づいて
PI等の調節演算を実行し、検出値Ed が電圧設定値E
dpとなるような制御角α2 を算出する上限リミッタ54
および下限リミッタ55をもつ定電圧制御部(AVR)
56と、前記直流電流検出値Id 、交流電圧検出値Vac
および最小余裕角指令値γmin が入力され、前記(1)
式の演算式に基づいて最小余裕角指令値γmin を確保す
るような制御角α3 を算出する上限リミッタ57および
下限リミッタ58をもつ定余裕角制御部(AγR)59
とが設けられている。これら制御部53,56,59の
出力は最小値選択回路60に送られ、ここで最も小さい
制御角を運転制御角αとして選択し出力する。
【0038】さらに、点弧角制御回路14には電流上下
限リミット補正値演算部61が設けられている。この電
流上下限リミット補正値演算部61は、直流電流検出値
Id、転流コンデンサ端子電圧ピーク値Vcpおよび交流
母線2の交流電圧検出値Vacを入力とし、上・下限リミ
ット補正値を求める機能を有する。
【0039】この電流上下限リミット補正値演算部61
による上下限リミット補正値を求める例について説明す
る。
【0040】今、交流電圧位相を基準とする制御角αに
対して、変換器出力電圧位相を基準とした制御角を実制
御角α′とすると、演算の一例として例えば下記(2)
式のような関係式が成立する。
【0041】
【数2】
【0042】ここで、上式においてVac2 は交流母線2
の交流電圧検出値Vacを変換器用変圧器4の2次側電圧
に換算した値であって、変換器用変圧器4の2次側電圧
を直接検出する場合にはその必要はない。
【0043】この電流上下限リミット補正値演算部61
は、前記(2)式から求められる実制御角α′に対し
て、予め設定される上限リミット設定値y1 および下限
リミット設定値x1 を入力し、交流電圧位相を基準とし
た制御角αに対する上限リミット値Y1 および下限リミ
ット値X1 を求めた後、(3)式および(4)式に基づ
いて上限リミット補正値MAXHおよび下限リミット補
正値MINHを算出する。
【0044】 MAXH=Y1 −y1 ……(3) MINH=X1 −x1 ……(4) 従って、以上のようにして上・下限リミット補正値を求
めたならば、下記式によりこれら補正値を定電流制御部
53の上・下限リミット設定値y1 ,x1 に加算補正
し、交流電圧位相を基準とする適切な補正ずみ上・下限
リミット値Y1,X1を設定することが可能となる。
【0045】 補正ずみ上限リミット値Y1=y1 +MAXH ……(5) 補正ずみ下限リミット値X1=x1 +MINH ……(6) その結果、定電流制御部53は、調節演算によって得ら
れる最終出力となる制御角α1 をX1 からY1 の範囲で
制限し出力する。
【0046】次に、以上のような装置の動作について説
明する。
【0047】交直変換装置は、変換器用変圧器4と変換
器6との間に転流コンデンサ41が挿入されているの
で、このコンデンサ41に電流が流れると、コンデンサ
両端の電圧位相が異なることになる。
【0048】定電流制御部53自体では、リミッタ作用
を除けば、直流電流検出値Id を直流電流設定値Idpに
一致させるようにPI調節演算を実行し、交流電圧位相
を基準とする制御角α1 を算出し出力するので、本来の
制御の目的を果たすことができる。
【0049】しかし、制御角α1 は交流電圧位相を基準
とするが、上下限リミット値y1 ,x1 は変換器出力電
圧位相が交流電圧位相と等しいと仮定し設定しているこ
とから、実際に制御角α1 が上下限リミット値y1 ,x
1 に引っ掛かる運転領域では適切な上下限リミット値に
基づく制御角α1 を出力できない問題があり、交流電圧
位相を基準とする適切な上下限リミット値とする必要が
ある。
【0050】そこで、電流上下限リミット補正値演算部
61では、直流電流検出値Id 、コンデンタ端子電圧ピ
ーク値Vcpおよび交流電圧検出値Vacを取り込み、前記
(2)式の関係式を用いて実制御角α′から制御角αを
求める。因みに、下限リミット設定値を例えば10°と
したい場合、これは変換器出力電圧位相を基準とする下
限リミット設定値x1 が10°であるので、前記(2)
式から交流電圧位相を基準とする制御角X1 (α1 )を
求める。この値が例えば6°であるとすると、 MINH=X1 −x1 =6°−10°=−4° となる下限リミット補正値が得られる。
【0051】一方、上限リミット設定値を例えば160
°としたい場合、y1 =160°であるので、同様に
(2)式から交流電圧位相を基準とする制御角Y1 を算
出する。Y1 =170°であるとすると、 MAXH=Y1 −y1 =170°−160°=10° となる上限リミット補正値が得られる。
【0052】よって、定電流制御部53の最終的な補正
ずみ上下限リミット値Y1 ,X1 は、 Y1 =160°+10°=170° X1 = 10°−4°=6° となる。よって、定電流制御部53の調節制御によって
出力される制御角α1 は6°から170°の範囲で制限
出力され、交流電圧位相を基準とする場合の適正な補正
ずみ上下限リミット値で変換器6,7を運転制御でき
る。
【0053】従って、以上のような実施の形態によれ
ば、電流上下限リミット補正値演算部61により変換器
出力電圧位相を基準とする定電流制御部53の上下限リ
ミット設定値y1 ,x1 に対し、前記(2)式から交流
電圧位相を基準とする制御角を求めた後、上下限リミッ
ト補正値を算出し、定電流制御部53の上下限リミット
設定値を補正するので、交流電圧位相を基準とする上下
限リミット値に反映された状態で運転制御角を出力でき
る。よって、変換器6,7は適切な運転範囲で運転する
ことができる。
【0054】なお、図2は定電流制御部53に上下限リ
ミッタ51,52を設けた例であるが、例えば図3に示
すように定電流制御部53から上下限リミッタ51,5
2を独立させ、定電流制御部53′の出力側に上下限リ
ミッタ54を設けた構成であってもよい。他の構成およ
び動作・効果は図1,図2と全く同様であるので、ここ
ではその説明を省略する。
【0055】(交直変換装置の制御方法の実施の形態)
図4は本発明に係わる交直変換装置の制御方法を説明す
る図である。
【0056】この制御方法は、直流電流検出値Id 、コ
ンデンサ端子電圧ピーク値Vcp、交流電圧検出値Vacを
検出する,いわゆる電力系統の電気的諸量を検出する電
気的諸量検出ステップ63と、定電流制御部53および
リミット補正値演算部61の上下限リミット設定値x1
,y1 を設定するための制御準備処理ステップ64
と、電気的諸量検出処理ステップ63で検出される電気
的諸量Id ,Vcp,Vacおよび制御準備処理ステップ6
4で設定される上下限リミット値x1 ,y1 を用い、前
記(2)式〜(4)式の補正演算処理を行って上下限リ
ミット補正値を求める補正演算処理ステップ65と、こ
の補正演算処理ステップ65で得られる上下限リミット
補正値を用いて、定電流制御部53の上下限リミット設
定値x1 ,y1 を補正するリミット補正処理ステップ6
6とからなる。なお、先にステップ64を実行し、その
後ステップ63を実行してもよい。
【0057】従って、以上のような制御方法によれば、
電気的諸量検出処理ステップ63では、図1に示すごと
く直流電流検出器11により変換器6の変換出力である
直流電流Id を検出し、コンデンサ端子電圧検出器33
により変圧器4と変換器6との間の転流コンデンサ41
のコンデンサ端子電圧ピーク値Vcpを検出し、また交流
電圧検出器13により交流交流母線2の交流電圧Vacを
検出し、それぞれ点弧角制御回路14に送出する。
【0058】次に、制御準備処理ステップ64では、予
め変換器出力電圧位相を基準とした制御角の上限リミッ
ト値y1 および下限リミット値x1 を定電流制御部53
および電流上下限リミット補正値演算部61に入力設定
する処理を行うものである。
【0059】しかる後、補正演算処理ステップ65で
は、電気的諸量検出ステップ63による検出値および制
御準備処理ステップ64による上下限リミット設定値y
1 ,x1を用いて、前記(2)式に示す制御角αと実制御
角α′との関係式から、交流電圧位相を基準とする制御
角αに対応する上下限リミット値Y1,X1を算出す
る。具体的には、直流電流検出値Id 、コンデンサ端子
電圧ピーク値Vcpおよび交流電圧検出値Vacを入力と
し、前記(2)式の関係式を用いて制御角αと実制御角
α′とを求める。例えば下限リミット設定値が10°の
場合、これは変換器出力電圧位相を基準とする値x1 が
10°であるので、前記(2)式から交流電圧位相を基
準とする制御角X1 を求める。この値が例えば6°であ
れば、 MINH=X1 −x1 =6°−10°=−4° なる下限リミット補正値を求めることができる。また、
上限リミット設定値として例えば160°としたい場
合、y1 =160°であるので、同様に(2)式から交
流電圧位相を基準とする制御角Y1 を算出する。Y1 =
170°であれば、 MAXH=Y1 −y1 =170°−160°=10° なる上限リミット補正値を求めることができる。
【0060】引き続き、リミッタ補正処理ステップ66
では、補正演算処理ステップ65により得られるMIN
H、MAXHを用いて定電流制御部53の上下限リミッ
ト設定値y1 ,x1 を補正する。その結果、補正ずみ上
限リミット値Y1は、 Y1 =160°+MAXH=160°+10°=170
° となる。また、補正ずみ下限リミット値X1は、 X1 =10°+MINH=10°−4°=6° となる。従って、最終的には、リミッタ補正処理ステッ
プ66の出力が定電流制御部53の上下限リミット値Y
1 ,X1 となる。これら一連の処理は一定時間間隔で行
われる。
【0061】従って、以上のような実施の形態によれ
ば、補正演算処理ステップ65およびリミット補正処理
ステップ66にて変換器出力電圧位相を基準として設定
された定電流制御部53の上下限リミット設定値に対
し、前記(2)式から交流電圧位相を基準とする制御角
に対応する上下限リミッタ補正値を算出し、定電流制御
部53の上下限リミット設定値を補正するので、適切な
上下限リミット値の下に制御角を出力でき、目的とする
運転範囲で変換器を運転することができる。
【0062】(記録媒体の発明に係わる実施の形態)次
に、図5は本発明に係わる記録媒体を説明するための図
であって、さらに詳しくはコンピュータが記録媒体に記
録されるプログラムを読み取って点弧角制御回路14に
相当する機能を実現するコンピュータシステムのハード
システム構成図である。
【0063】このコンピュ−タシステムは、図1と同様
な機能をもつ構成要素2〜8、31、32などの交直変
換装置1、直流電流検出器11、交流電圧検出器13、
コンデンサ端子電圧検出器43、位相検出回路15およ
びパルス発生回路16の他、新たに後続処理で扱える信
号に変換するデ−タ変換部71と、点弧角制御回路14
に相当する機能を実現させるためのプログラムが記録さ
れている記憶媒体72と、この記憶媒体72に記憶され
ているプログラムを読み取って点弧角制御回路14に相
当する機能を実現するCPUをもつコンピュ−タ73と
が設けられている。74はコンピュ−タ73の処理上必
要なデ−タや制御指示を入力する入力手段、75はコン
ピュ−タ73の処理上必要なデ−タ、処理途中および処
理結果のデ−タを記憶するデ−タ記憶部である。
【0064】なお、記録媒体72としては、CD−RO
M以外に、磁気テ−プ、DVD−ROM、フロッピ−デ
ィスク、MO、MD、CD−R、メモリカ−ドを用いて
もよい。
【0065】次に、コンピュ−タ73が記録媒体72の
プログラムを読み取って一連の処理を実行する例につい
て図6に示すフロチャートに従って説明する。
【0066】先ず、コンピュータシステムの動作を開始
すると、コンピュータ73は記録媒体72に記録される
プログラムに従って所定の処理を実行する。すなわち、
コンピュタ73は、入力手段72から入力される変換器
出力電圧を基準とした上下限リミット設定値y1 、x1
を取り組み、デ−タ記憶部75の所定のエリアに設定記
憶する(STI)。
【0067】さらに、コンピュ−タ73は、所定の周期
ごとにデ−タ変換部71で変換される電気的諸量である
例えば直流電流検出値Id、転流コンデンサ端子電圧ピ
−ク値Vcpおよび交流電圧検出値Vacを取り組んで
デ−タ記憶部75に記録する(ST2)。
【0068】しかる後、コンピュ−タ73は、プログラ
ムに基づいて上限リミット補正か下限リミット補正かを
判断する(ST3)。ここで、上限リミット補正である
場合、デ−タ記憶部75に記憶される電気的諸量Id、
Vcp、Vacの他、(2)式を用いて実制御角α′か
ら制御角α、つまり交流電圧位相基準の制御角Y1を求
める(ST4)。このようにして制御角Y1を求めたな
らば、次のステップST5に移行し、上限リミット設定
値y1 と制御角Y1とを用いて(3)式に基づき上限リ
ミット補正値MAXHを算出する(ST5)。例えば上
限リミット設定値y1 が160°のとき、(2)式から
交流電圧位相を基準としたY1を算出する。今、Y1=
170°とすると、上限リミット補正値MAXHは、 MAXH=Y1−y1 =170°−160°=10° となる。そして、上限リミット補正値MAXHを用い、
(5)式に基づいて上限リミット設定値y1 を補正し、
下記式により定電流制御部53の補正ずみ上限リミット
値Y1を求める(ST6)。
【0069】Y1=160°+MAXH=160°+1
0°=170° さらに、上限リミット値Y1を求めた後、上下限リミッ
ト補正完了か否かを判断するが(ST7)、未だフラグ
等から下限リミット補正が完了していないと判断したと
きステップST3に戻り、下限リミット補正を行う必要
があると判断し、ステップST8に移行する。このステ
ップST8では、ST4と同様にId、Vcp、Vac
および(2)式を用いて、交流電圧位相を基準とする制
御角X1を求める。そして、この制御角X1と下限リミ
ット設定値x1 とを用いて(4)式から下限リミット補
正値MINHを算出する(ST9)。
【0070】因みに、下限リミット設定値x1 が10°
のとき、(2)式から交流電圧位相を基準とした制御角
X1を算出する。今、制御角X1が例えば6°であると
すると、下限リミット補正値MINHは、 MINH=X1−x1 =6°−10°=4° となる。
【0071】そこで、この下限リミット補正値MINH
を用い、(6)式に基づいて下限リミット設定値x1 を
補正し、下記式により定電流制御部53の補正ずみ下限
リミット値X1を求める(ST10)。
【0072】 X1=10°+MINH=10°−4°=6° 以上のようにして求めた補正ずみ上下限リミット値Y
1、X1はデ−タ記憶部75に保存し、上下限リミッタ
51、52の上下限リミット値Y1,X1として用いら
れる。
【0073】なお、以上の説明は、定電流制御部53の
上下限リミット設定値について述べたが、定電圧制御部
56についてもほぼ同様のプログラムに従って補正ずみ
上下限リミット値を算出すること、また上下限リミット
設定値y1 ,x1 の補正処理後、同様に各制御部53,
56,59が制御用プログラムに従ってPI調節演算を
実行することによりそれぞれ制御角α1 , α2 ,α3 を
算出し、またこれら制御角α1 〜α3 の中から最小制御
角を選択する一連の処理を実行することは言うまでもな
い。
【0074】従って、以上のような実施の形態によれ
ば、コンピュータ73が記憶媒体72に記録されるプロ
グラムを読み取り、交直変換装置の各箇所から電気的諸
量を検出し、前記(2)式の演算式に基づいて交流電圧
位相を基準とする上下限リミットに相当する制御角を求
めた後、(3)式および(4)式に従って上下限リミッ
ト補正値MAXH,MINHを算出し、変換器出力電圧
位相を基準とする上下限リミット設定値y1 ,x1 を補
正し、交流電圧位相を基準とする上下限リミット値とす
るので、目的とする上下限リミット値を反映した制御角
を出力でき、適切な運転範囲で変換装置を運転すること
が可能となる。
【0075】(その他の実施の形態) (1) 図7は本発明に係わる交直変換装置の制御装置
の一部を構成する点弧角制御回路の他の実施の形態を示
す構成図である。
【0076】この実施の形態は、点弧角制御回路のうち
特に定電圧制御部の上下リミット設定値を補正する電圧
上下限リミット値補正演算部81を設けた例であり、そ
の他の構成は図1および図2と同一であるので、同一の
構成ないし機能部分には同一符号を付してその詳しい説
明は省略する。なお、この実施の形態においては、定電
流制御部53に電流上下限リミット値補正演算部61を
設けるか否かは任意である。また、順変換器側も逆変換
器側も回路構成および制御方式も同一であるので、図7
では順変換器側のみについて説明する。
【0077】すなわち、定電圧制御部56は、直流電圧
検出値Ed と直流電圧設定値Edpとの偏差を入力値と
し、PI調節演算によって直流電圧検出値Ed が直流電
圧設定値Edpとなるような制御角α2 を算出し出力す
る。この定電圧制御部56は、制御角α2 を求めて出力
するが、当該制御角α2 を一定の範囲で制限し出力する
ために上限リミッタ54および下限リミッタ55が設け
られている。この上下限リミッタ54,55の上下限リ
ミット値y2 ,x2 は変換器出力電圧位相を基準ととし
たリミット設定値であるので、このリミット設定値を補
正し、交流電圧位相を基準とした場合の適切な値に設定
する必要がある。
【0078】そこで、直流電流検出値Id 、転流コンデ
ンサ端子電圧ピーク値Vcpおよび交流電圧検出値Vacを
入力とし、上下限リミッタ54,55の上下限リミット
値y2 ,x2 を補正する補正値を求めるために電圧上下
限リミット値補正演算部81が設けられている。
【0079】以下、この電圧上下限リミット値補正演算
部81による上下限リミット補正値を求める例について
説明する。
【0080】今、交流電圧位相を基準とする制御角αに
対し、変換器出力電圧位相を基準ととした制御角を実制
御角α′とすると、前述する(2)式の関係が成立す
る。なお、Vac2 は、交流母線2の交流電圧検出値Vac
を変換器用変圧器4の2次側電圧に換算した値であっ
て、変換器用変圧器4の2次側電圧を直接検出する場合
にはその必要はない。
【0081】この電圧上下限リミット補正値演算部81
は、前記(2)式から求められる実制御角α′に対し
て、予め設定される上限リミット設定値y2 および下限
リミット設定値x2 を入力設定し、交流電圧位相を基準
とした制御角αに対する上限リミット値Y2 および下限
リミット値X2 を求めた後、(7)式,(8)式に基づ
いて上限リミット補正値MAXHおよび下限リミット補
正値MINHを算出する。
【0082】 MAXH=Y2 −y2 ……(7) MINH=X2 −x2 ……(8) 従って、以上のようにして上・下限リミット補正値を求
めたならば、下記式によりこれら補正値を定電圧制御部
56の上・下限リミット設定値y2 ,x2 に加算補正
し、交流電圧位相を基準とする適切な補正ずみ上下限リ
ミット値Y2 ,X2 を設定することが可能となる。
【0083】 補正ずみ上限リミット値Y2 =y2 +MAXH ……(9) 補正ずみ下限リミット値X2 =x2 +MINH ……(10) その結果、定電圧制御部56の最終出力となる制御角α
1 はX2 からY2 の範囲で制限出力される。
【0084】次に、以上のような装置の動作について説
明する。なお、この定電圧制御部56の変換器出力電圧
位相を基準とする上下限リミット設定値y2 、x2 を、
交流電圧位相を基準とする上下限リミット値とする必要
性については、定電流制御部53の動作で説明したの
で、ここでは省略する。
【0085】この電圧上下限リミット補正値演算部81
は、コンデンサ端子電圧ピーク値Vcp、交流電圧検出値
Vacおよび直流電流検出値Id を取り組み、前記(2)
式の関係式を用いて実制御角α′から制御角αを求め
る。
【0086】今、下限リミット設定値を例えば10°と
したい場合、この値は変換器出力電圧位相を基準とする
下限リミット設定値x2 が10°であるので、前記
(2)式から交流電圧位相を基準とする制御角X2 (α
2 )を求める。この値が例えば6°であるとすると、 MINH=X2 −x2 =6°−10°=−4° となる下限リミット補正値が得られる。
【0087】一方、上限リミット設定値を例えば160
°としたい場合、y2 =160°となるので、同様に
(2)式から交流電圧位相を基準とする制御角Y2 を算
出する。Y2 =170°であるとすると、 MAXH=Y2 −y2 =170°−160°=10° となる上限リミット補正値が得られる。
【0088】よって、定電圧制御部56の最終的な補正
ずみ上下限リミット値Y2 ,X2 は、 Y2 =160°+10°−170° X2 =10°−4°=6° となる。よって、定電圧制御部56の制御演算によって
出力される制御角α2 は6°〜170°の範囲で制御出
力され、交流電圧位相を基準とした場合の適正な上下限
リミット値で変換器6,7を運転制御できる。
【0089】なお、図7は定電圧制御部56に上下限リ
ミッタ54,55を設けた例であるが、例えば図8に示
すように定電圧制御部56から上下限リミッタ54,5
5を独立させ、定電圧制御部56′の出力側に上下限リ
ミッタ82を設けた構成であってもよい。他の構成およ
び動作・効果は図1,図7と全く同様であるので、ここ
ではその説明を省略する。
【0090】(2) 図9は本発明に係る交直変換装置
の制御装置を構成する点弧角制御回路の他の実施の形態
を示す構成図である。
【0091】この実施の形態は、点弧角制御回路のうち
特に定余裕角制御部59の余裕角指令値を補正する余裕
角補正演算部83を設けた例であり、その他の構成は図
1、図2、図7と同一であるので、同一の構成および機
能部分には同一符号を付してその詳しい説明は省略す
る。なお、この実施の形態においては定電流制御部53
や定電圧制御部56に補正演算部61、81を設けるか
否かは任意である。また、順変換器側も逆変換器側も回
路構成および制御方式も同一であるので、図9では順変
換器側のみについて説明する。
【0092】この点弧角制御回路の定余裕角制系に関す
る部分は、直流電圧検出値Id 、交流電圧検出値Vacお
よび余裕角指令値γが入力され、前記(1)式の演算式
に基づいて当該余裕角指令値を確保するような制御角α
3 を演算し出力する定余裕角制御59と、余裕角補正演
算部83とが設けられている。
【0093】この余裕角補正演算部73は、直流電流検
出値Id、交流電圧検出値Vac、コンデンサ端子電圧ピ
−ク値Vcpを入力とし、かつ、サイリスタ等のバルブの
逆電圧期間(実余裕角と定義する)の指令値が設定さ
れ、交流電圧位相を基準とする余裕角rを出力する機能
をもっている。すなわち,この余裕角補正演算部83
は、例えば(2)式の演算式を用いて、(2)式の実制
御角α′に変換器出力電圧位相を基準とした実余裕角
r′を代入し、交流電圧位相を基準とする。制御角αを
余裕角rとして算出し、前記定余裕角制御部59に設定
する。従って定余裕角制御部59は設定された余裕角
r、直流電流検出値Id および交流電圧検出値Vacを入
力とし、前記(1)式の演算式に基づいて制御角α3 を
求めて出力する。
【0094】次に、以上のような構成された定余裕角制
御系の動作について説明する。交直変換装置は、変換器
用変圧器4と変換器6との間に転流コンデンサ41が挿
入されているので、このコンデンサ41に電流が流れる
と、コンデンサ両端で電圧位相が異なる。その結果、交
流電圧位相を基準とする余裕角rは変換器6を構成する
サイリスタバルブA(アノ−ド)−K(カソ−ド)間逆
電圧期間である実余裕角r′とは一致しない。
【0095】そこで、余裕角補正演算部83では、直流
電圧検出値Id 、交流電圧検出値Vac、コンデンサ端子
電圧ピ−ク値Vcpおよびバルブ逆電圧期間の指令値r′
に基づき、例えば(2)式の余裕角と実余裕角との関係
を示す演算式を用いて、指令値である余裕角r′を保つ
ために必要な交流電圧位相を基準とする余裕角rを算出
できる。この算出された余裕角rは定余裕角制御部59
に設定する。
【0096】この定余裕角制御部59では、余裕角rか
ら例えば(1)式に示すr→α変換式を用いて、余裕角
rを確保するための制御角α3 を算出する。この制御角
α3は定余裕角制御の最終出力値となる。
【0097】従って、以上のような実施の形態によれ
ば、変換器6を構成するサイリスタバルブA−K間電圧
の逆電圧期間を検出することなく、指令値どうりの定余
裕角制御を行うことができ、所望の実余裕角(バルブA
−K間逆電圧期間)を確保した変換器の運転が可能とな
る。
【0098】(3) 図10は本発明に係わる交直変換
装置の制御装置の−部を構成する点弧角制御回路のさら
に他の実施の形態を示す構成図である。
【0099】この実施の形態は、点弧角制御回路の各制
御部53,56,59からそれぞれ上下限リミッタを削
除し、最小値選択回路60の出力側に複数の制御部に共
用する上下限リミッタ86を設け、さらにこの上下限リ
ミッタ86の上下限リミット値を補正する上下限リミッ
タ補正演算部87を設けた例であり、その他の構成は図
1および図2と同一であるので同一の構成ないし機能部
分には同一符号を付してその詳しい説明は省略する。ま
た、順変換器側も逆変換器側も回路構成および制御方式
も同一であるので、ここでは順変換器側のみについて説
明する。
【0100】この点弧角制御回路14は、直流電流検出
値Idpと直流電圧設定値Idpとの偏差に基づいてPI調
節演算を実行し制御角α1 を算出するリミッタ無し定電
流制御部53′と、直流電圧検出値Ed と直流電圧設定
値Edpとの偏差に基づいてPI調節演算を実行し制御角
α2 を算出するリミッタ無し定電圧制御制部56′と、
直流電流検出値Id 、交流電圧検出値Vacおよび最小余
裕角指令値γminを入力とし、(1)式に基づいて制
御角α3 を算出するリミッタ無し定余裕角制御部59′
と、これら制御部53′、56′、59′から出力され
る制御角α1 〜α3 の中から最も小さい制御角を選択出
力する最小値選択回路60とが設けられている。さら
に、この最小値選択回路60の出力側には各の制御部5
3′、56′、59′の何れか1つの出力である制御角
を制限出力する上下限リミッタ86が設けられている。
【0101】前記上下限リミット補正演算部87は、直
流電流検出値Id 、交流電圧検出値Vacおよびコンデン
サ端子電圧ピ−ク値Vcpを用い、かつ、変換器出力電圧
位相を基準とする制御角相当の値である実制御角α′に
予め設定される変換器出力電圧位相を基準とする上下限
リミット設定値y、xを代入し、前記(2)式の演算式
により交流電圧位相を基準とする制御角αとなる上限リ
ミット値Yおよび下限リミット値Xを算出し、さらに下
式によって上限リミット補正値MAXTおよび下限リミ
ット補正値MINTを求める。
【0102】 MAXT=Y−y・・・・・・・・・・・・・・・・(11) MINT=X−x・・・・・・・・・・・・・・・・(12) 以上のようにして上下限リミット補正値MAXT、MI
NTを求めたならば、この上下限リミット補正値MAX
T、MINTを用いて上下限リミッタ86の上下限リミ
ット設定値y,xに加算補正し、交流電圧位相を基準と
する補正ずみ上下限リミット値Y,Xを得るものであ
る。
【0103】 補正ずみ上限リミット値Y=y+MAXT・・・・・(13) 補正ずみ下限リミット値X=x+MINT・・・・・(14) よって、最小値選択回路60で選択された運転制御角α
はXからYの範囲で制限され出力される。
【0104】次に、以上のような実施の形態の動作につ
いて説明する。
【0105】先ず、各制御部53′、56′、59′
は、所要の電気的諸量を取り込み、それぞれ調節演算に
より制御角α1 、α2 、α3 を算出し、最小値選択回路
60に導入する。この最小値選択回路60では、各制御
角α1 〜α3 の中から最も小さな制御角を選択し、上下
限リミッタ86に送出する。
【0106】ここで、上下限リミッタ86は、入力され
る制御角αに対し、予め設定された上下限リミット設定
値y、xに上下限リミット補正演算部87により求めた
上下限リミット補正値MAXT,MINTを加算補正し
た上下限リミットを用いて制限出力する。
【0107】一方、上下限リミット補正演算部87は、
直流電流検出値Id 交流電圧検出値Vacおよびコンデン
サ端子電圧ピーク値Vcpを入力値とし、かつ、予め設定
される変換器出力電圧位相を基準とする上下限リミット
設定値y、xを実制御角α′とすると、前記(2)式の
演算式から交流電圧位相を基準とする制御角αとなる上
限リミット値Yおよび下限リミット値Xを求める。
【0108】今、下限リミット設定値を例えば10°と
したい場合、この値は変換器出力電圧位相基準の下限リ
ミット設定値xが10°であるので、前記(2)式から
交流電圧位相を基準とした制御角Xを求める。この値が
例えば6°であるとすると、 MINT=X−x=6°−10°=−4° となる下限リミット補正値が得られる。
【0109】一方、上限リミット設定値を例えば160
°としたい場合、y=160°となるので、同様に
(2)式から交流電圧位相基準の制御角Yを算出する。
Y=170°であるとすると, MINT=Y−y=170°−160°=10° となる上限リミット補正値が得られる。
【0110】よって、これら上下限リミット補正値を上
下限リミッタ86の上下限リミット設定値に加算補正す
れば、上下限リミッタ86には、 Y=160°+10°=170° X=10°−4°=6° の上下限リミット値を設定することができる。
【0111】よって、最小値選択回路60で選択出力さ
れる運転制御角αは、6°〜170°の範囲で制限出力
され、交流電圧位相を基準とした場合の適正な上下限リ
ミット値を反映させて出力できる。
【0112】従って、以上のような実施の形態によれ
ば、最小値選択回路60の出力側に各制御部53′,5
6′,59′に共通する上下限リミッタ86を設け、こ
の上下限リミッタ86の変換器出力電圧位相を基準とし
て設定された上下限リミット設定値に対し、上下限リミ
ッタ補正演算部87にて交流電圧位相を考慮した上下限
リミット値の補正値を求めて加算補正することにより、
適正な上下限リミッタ値を反映させた状態で運転制御角
を出力できる。また、定電圧制御部56′の出力は一般
に逆変換器運転における運転制御角αに関与してくる
が、上下限リミット値の補正により、余裕角制御部5
9′との関係も含めて所要の運転範囲で変換器を運転す
ることを可能とする。
【0113】(4) 図11は本発明に係わる交直変換
装置の制御装置の他の実施の形態を示す構成図であり、
図1と同一構成部分および機能部分には同一符号を付し
てその詳しい説明は省略する。なお、順変換器側も逆変
換器側も同一構成であるので、順変換器側のみについて
説明する。
【0114】この実施の形態は、定電流制御部53等の
上下限リミット設定値を補正することなく適正に変換器
6を運転可能とする例である すなわち、この制御装置は、系統の交流電圧位相を検出
する位相検出回路15の出力側に、前記(2)式の演算
式を用いて交流電圧位相を変換器出力電圧位相に変換す
るための位相変換回路91を設けた構成である。
【0115】次に、以上のような実施の形態の動作につ
いて説明する。
【0116】先ず、位相検出回路15は、系統の電圧位
相を検出するが、この検出位相はあくまでも系統の交流
電圧位相である。一方、定電流制御部53、定電圧制御
部56および定余裕角制御部59の出力である制御角は
変換器出力電圧位相を基準とした値,すなわち実制御角
α′である。
【0117】そこで、位相検出回路15の出力側に位相
変換回路91を設け、例えば(2)式の演算式を用い
て、変換器出力電圧位相に変換し各制御部の出力に合わ
せるようにする。
【0118】すなわち、位相変換回路91は、直流電圧
検出値Id 、コンデンサ端子電圧ピーク値Vcpおよび交
流電圧検出値Vacを入力値とし、かつ、制御角αに位相
検出回路15の出力である交流電圧位相を代入し、
(2)式の演算式に従って実制御角α′に代る変換器出
力電圧位相を取り出す。なお、(2)式のVac2 は系統
の交流電圧を変換器用変圧器4の2次側電圧に換算した
値出あるが、変換器用変換器2次側電圧を直流検出する
場合にはその必要はない。
【0119】この制御装置においては、変換器用変圧器
4と変換器6の間に転流コンデンサ41を設けたことに
起因し、コンデンサ両端の電圧位相にずれが生じてい
る。また、位相検出回路15では、系統の交流電圧を検
出していることから、出力としては交流電圧位相とな
る。
【0120】そこで、位相変換回路91を設け、変換器
出力電圧位相相当に変換することにより、各制御部5
3、56、59の出力である変換器出力電圧を基準とし
た制御角をそのまま使用でき、特に定電流制御等の上下
限リミット設定値を補正せずに利用することができる。
【0121】(5) 図12は本発明に係わる交直変換
装置の制御装置の更に他の実施の形態を示す構成図であ
る。
【0122】この実施の形態は、コンデンサ端子電圧検
出器41、42に代えて、コンデンサ端子電圧を演算に
よって求める手段を設けた例である。
【0123】従って、その他の構成は図1〜図11と同
一であるので、同一の構成部分および機能部分には同一
の符号を付してその詳しい説明は省略する。また、本実
施の形態は、前述と同様に順変換器側のみについて説明
する。
【0124】この交直変換装置の制御装置は、直流電流
検出器11の出力である直流電流検出値Id を入力と
し、この直流電流検出値Id からコンデンサ端子電圧ピ
ーク値Vcpを算出するコンデンサ端子電圧演算回路9
3,94を設け、ここで得られたコンデンサ端子電圧ピ
ーク値Vcpを点弧角制御回路14に導入する構成であ
る。
【0125】次に、以上のような実施の形態について動
作を説明する。
【0126】直流電流検出器11は、変換器6の出力側
直流電流Id を検出し、点弧角制御回路14の他、コン
デンサ端子電圧演算回路93に送出する。
【0127】ここで、コンデンサ端子電圧演算回路93
は、直流電流検出値Id を取り込み、下記する(15)
式の演算式に基づきコンデンサ端子電圧ピーク値Vcpを
算出し、点弧角制御回路14に送出する。
【0128】 Vcp=πId /3ωc ……(15) この点弧角制御回路14は、演算によって求めたコンデ
ンサ端子電圧ピーク値をコンデンサ端子電圧検出ちとし
て用い、前記図2,図3,図7〜図10の何れかの構成
に用い、制御角を求めるものである。
【0129】従って、以上のような実施の形態によれ
ば、定電流制御等に必要なコンデンサ端子電圧ピーク値
を直流電流検出器11の出力から算出することにより、
新たにコンデンサ端子電圧検出器を設置する必要がなく
なり、特にデイジタル的に演算処理するときに有効とな
る。
【0130】その他、本発明はその要旨を逸脱しない範
囲で種々変形実施可能である。
【0131】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、次
のような種々の効果を奏する。
【0132】請求項1の発明によれば、変換器の直流ラ
インの直流電流から制御角を演算出力する電流制御手段
に設定される上下限リミット設定値に対し、変圧器と変
換器との間に挿入されるコンデンサの端子電圧から上下
限リミット補正値を求めて補正し、交流電圧位相基準の
上下限リミットとするので、電流制御手段で求める制御
角と同じ交流電圧位相基準となり、電流制御手段の制御
角を適切に制限でき、変換器を適切な運転範囲で運転で
きる。
【0133】請求項2の発明によれば、電流制御手段の
変換器出力電圧位相の上下限リミット設定値を交流電圧
位相基準の上下限リミットに補正することにより、電流
制御手段から出力される制御角を交流電圧位相基準に基
づいて制限出力でき、変換器を安定、かつ、適切な状態
で運転できる。
【0134】請求項3の発明によれば、電気的諸量をデ
ィジタル的に処理しつつ、上下限リミット設定値を迅速
に交流電圧位相基準の上下限リミットに補正でき、変換
器の適切な運転を確保できる記録媒体を提供できる。
【0135】請求項4の発明によれば、変換器の直流ラ
インの直流電圧から制御角を演算出力する電圧制御手段
に設定される上下限リミット設定値に対し、変圧器と変
換器との間に挿入されるコンデンサの端子電圧から上下
限リミット補正値を求めて補正し、交流電圧位相基準の
上下限リミットとするので、電圧制御手段で求める制御
角と同じ交流電圧位相基準にすることができ、電圧制御
手段の制御角を適切に制限でき、適切な運転範囲で変換
器を運転できる。
【0136】請求項5の発明によれば、変圧器と変換器
との間に挿入されるコンデンサの端子電圧と変換器の逆
電圧期間となる実余裕角とを用いて、交流電圧位相を基
準とする余裕角を求め、制御角を演算出力する余裕角制
御手段に設定するので、変圧器と変換器との間にコンデ
ンサを挿入した場合でも、変換器のA・K間の逆電圧期
間が大きくなることがなく、ひいては大きな余裕角の下
に変換器を運転することがなくなり、効率のよい運転を
確保できる。
【0137】請求項6の発明によれば、電流制御手段、
電圧制御手段および余裕角制御手段に対して共通に上下
限リミット設定値を設定し、交流電圧位相基準の上下限
リミット値となるように補正するので、簡単な構成で各
電流,電圧および余裕角制御手段の上下限リミット設定
値を保障でき、コストの低減化および変換器の安定運転
に貢献する。
【0138】請求項7の発明によれば、交流系統の交流
電圧位相を変換器出力電圧位相に変換し、出力電圧位相
基準の制御角を演算出力する点弧角制御手段に供給する
ことにより、特に上下限リミットの補正機能をもつこと
なく、変換器を適切に運転可能である。
【0139】請求項8の発明によれば、コンデンサ端子
電圧検出手段に代えて、前記変換器の直流ラインから検
出される直流電流を用いてコンデンサの端子電圧を演算
によって算出することにより、コンデンサ端子電圧検出
器を設置することなく、上記各発明の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係わる交直変換装置の制御装置の全
体構成図。
【図2】 本発明の要旨となる点弧角制御回路の一実施
の形態を示す構成図。
【図3】 点弧角制御回路の他の実施の形態を示す構成
図。
【図4】 本発明に係わる交直変換装置の制御方法を説
明する図。
【図5】 本発明に係わる記録媒体を用いたコンピュー
タシステムの構成図。
【図6】 図5の記録媒体に記録されるプログラムに基
づいて処理するコンピュータの処理動作を説明する図。
【図7】 点弧角制御回路の他の実施の形態を示す構成
図。
【図8】 点弧角制御回路のさらに他の実施の形態を示
す構成図。
【図9】 点弧角制御回路のさらに他の実施の形態を示
す構成図。
【図10】 点弧角制御回路のさらに他の実施の形態を
示す構成図。
【図11】 本発明に係わる交直変換装置の制御装置の
他の実施形態を説明する全体構成図。
【図12】 本発明に係わる交直変換装置の制御装置の
他の実施形態を説明する全体構成図。
【図13】 従来の交直変換装置の制御装置を示す構成
図。
【図14】 従来の点弧角制御回路の構成図。
【図15】 従来装置の定常時の運転点を示す特性図。
【図16】 変圧器と変換器との間にコンデンサを挿入
した従来の交直変換装置の制御装置を示す構成図。
【符号の説明】
1…交直変換装置 4,5…変圧器 6,7…変換器 10…制御装置 11…直流電流検出器 12…直流電圧検出器 13…交流電圧検出器 14,18…点弧角制御回路 15,19…位相検出回路 43,44…コンデンサ端子電圧検出器 51,52,54,55,57,58…上下限リミッタ 53…定電流制御部 56…定電圧制御部 59…定余裕角制御部 60…最小値選択回路 61…電流上下限リミット補正値演算部 81…電圧上下限リミット補正値演算部 83…余裕角補正演算部 87…上下限リミット補正値演算部 91,92…位相変換回路 93,94…コンデンサ端子電圧演算回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 野呂 康宏 東京都府中市東芝町1番地 株式会社東芝 府中工場内 (72)発明者 吉野 輝雄 東京都府中市東芝町1番地 株式会社東芝 府中工場内 (72)発明者 佐藤 浩彰 東京都港区芝浦一丁目1番1号 株式会社 東芝本社事務所内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 交流系統に接続される変圧器と変換器
    との間に転流コンデンサを挿入し順変換または逆変換を
    行う構成とするとともに、前記変換器の点弧制御に用い
    るための制御角を求める交直変換装置の制御装置におい
    て、 前記転流コンデンサの端子電圧を検出するコンデンサ端
    子電圧検出手段と、 前記変換器の直流ラインの直流電流が所定の電流設定値
    となるような前記制御角を演算出力する電流制御手段
    と、 この電流制御手段自身または電流制御手段の出力側に上
    下限リミット設定値を設けた上下限リミッタ設定手段
    と、 前記コンデンサ端子電圧検出手段で検出したコンデンサ
    端子電圧を用いて上下限リミット補正値を算出する電流
    上下限リミット補正値演算手段と、 を備え、この上下限リミット補正値を用いて前記上下限
    リミット設定値を補正することを特徴とする交直変換装
    置の制御装置。
  2. 【請求項2】 交流系統に接続される変圧器と変換器
    との間に転流コンデンサを挿入し順変換または逆変換を
    行う構成とするとともに、前記変換器の点弧制御に用い
    るための制御角を求める交直変換装置の制御装置におい
    て、 前記転流コンデンサの端子電圧および前記変換器の直流
    ラインの直流電流を含む電気的諸量を検出し、この電気
    的諸量のうち直流電流検出値が所定の電流設定値となる
    ような前記制御角を演算出力する電流制御部自身または
    この電流制御部の出力側に変換器出力電圧位相を基準と
    する上下限リミット値を設定した後、前記電気的諸量に
    基づいて上下限リミット補正値を算出し、この算出され
    た上下限リミット補正値を前記上下限リミット設定値に
    加算することにより交流電圧位相を基準とする上下限リ
    ミット値に補正し、この上下限リミット値を用いて、前
    記電流制御部で得られる制御角を制限することを特徴と
    する交直変換装置の制御方法。
  3. 【請求項3】 交流系統に接続される変圧器と変換器
    との間に転流コンデンサを挿入してなる交直変換装置の
    前記変換器の点弧制御に用いるための制御角を求めるコ
    ンピュータに、 前記交直変換装置の所要の個所から前記転流コンデンサ
    の端子電圧を含む電気的諸量を取り組むデータ変換機能
    と、 この電気的諸量に基づいて交流電圧位相を基準とする上
    下限リミットに相当する制御角を算出する上下限制御角
    算出機能と、 この上下限制御角算出機能により算出される上下限制御
    角を用いて上下限リミット補正値を算出する補正値算出
    機能と、 この補正値算出機能によって算出される上下限リミット
    補正値を用いて、前記電気的諸量の所定の1つの電気量
    を所定の設定値に調節演算し制御角を求める制御部の予
    め設定される上下限リミット設定値を補正する補正処理
    機能とを実現させるためのプログラムを記録したコンピ
    ュータ読取り可能な記録媒体。
  4. 【請求項4】 交流系統に接続される変圧器と変換器
    との間に転流コンデンサを挿入し順変換または逆変換を
    行う構成とするとともに、前記変換器を点弧制御するた
    めに用いる制御角を求める交直変換装置の制御装置にお
    いて 前記転流コンデンサの端子電圧を検出するコンデンサ端
    子電圧検出手段と、 前記変換器の直流ラインの直流電圧が所定の電圧設定値
    となるような制御角を演算出力する電圧制御手段と、 この電圧制御手段自身または電圧制御手段の出力側に上
    下限リミット設定値を設定する上下限リミッタ設定手段
    と、 前記コンデンサ端子電圧検出手段で検出したコンデンサ
    端子電圧を用いて上下限リミット補正値を算出する電圧
    上下限リミット補正値演算手段と、 を備え、この上下限リミット補正値を用いて前記上下限
    リミット設定値を補正することを特徴とする交直変換装
    置の制御装置。
  5. 【請求項5】 交流系統に接続される変圧器と変換器
    との間に転流コンデンサを挿入し順変換または逆変換を
    行う構成とするとともに、前記変換器を点弧制御するた
    めに用いる制御角を求める交直変換装置の制御装置にお
    いて 前記転流コンデンサの端子電圧を検出するコンデンサ端
    子電圧検出手段と、 このコンデンサ端子電圧検出手段で検出したコンデンサ
    端子電圧および予め設定される変換器の逆電圧期間とな
    る実余裕角を用いて、交流電圧位相を基準とする余裕角
    を算出する余裕角補正演算手段と、 この演算手段で算出された余裕角および前記変換器の直
    流ラインの直流電流を用いて、前記余裕角となるような
    制御角を演算出力する余裕角制御手段と、 を備えたことを特徴とする交直変換装置の制御装置。
  6. 【請求項6】 交流系統に接続される変圧器と変換器
    との間に転流コンデンサを挿入し順変換または逆変換を
    行う構成とするとともに、前記変換器の点弧制御に用い
    るための制御角を求める交直変換装置の制御装置におい
    て、 前記変換器の直流ラインの直流電流が所定の電流設定値
    となるような第1の制御角を演算出力する電流制御手段
    と、 前記変換器の直流ラインの直流電圧が所定の電圧設定値
    となるような第2の制御角を演算出力する電圧制御手段
    と、 前記直流電流、前記交流系統の交流電圧および最小余裕
    角を用いて第3の制御角を演算出力する余裕角制御手段
    と、 これら第1ないし第3の制御角のうち最も小さな制御角
    を選択出力する最小値選択手段と、 前記転流コンデンサの端子電圧を検出するコンデンサ端
    子電圧検出手段と、 このコンデンサ端子電圧検出手段で検出したコンデンサ
    端子電圧を用いて上下限リミット補正値を算出する上下
    限リミット補正演算手段と、 前記最小値選択手段の出力側に設けられ、予め変換器出
    力電圧位相を基準として設定される前記上下限リミット
    設定値に対し、前記上下限リミット補正値を加算補正し
    て得られる交流電圧位相を基準とする上下限リミット値
    を用いて、前記最小値選択手段の出力である制御角を制
    限出力する上下限リミッタ手段と、限リミット補正値を
    算出する電圧上下限リミット補正値演算手段と、 を備えたことを特徴とする交直変換装置の制御装置。
  7. 【請求項7】 交流系統に接続される変圧器と変換器
    との間に転流コンデンサを挿入し順変換または逆変換を
    行う構成とするとともに、前記変換器の点弧制御に用い
    るための制御角を求める交直変換装置の制御装置におい
    て、 交・直流系統から検出される所要の電気量を所定の設定
    量とするための変換器出力電圧位相基準の制御角を演算
    出力する点弧角制御手段と、 前記交流系統の交流電圧位相を検出する位相検出手段
    と、 この位相検出手段で検出される交流電圧位相を変換器出
    力電圧位相に変換する位相変換手段と、 を備え、これら位相変換手段および点弧角制御手段の出
    力を用いて前記変換器の点弧制御を行うことを特徴とす
    る交直変換装置の制御装置。
  8. 【請求項8】 請求項1,請求項4〜請求項6の何れ
    か1つに記載する交直変換装置の制御装置において、前
    記コンデンサ端子電圧検出手段に代えて、前記変換器の
    直流ラインから検出される直流電流を用いて転流コンデ
    ンサの端子電圧を演算によって算出するコンデンサ端子
    電圧演算手段を設けたことを特徴とする交直変換装置の
    制御装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002034257A (ja) * 2000-07-17 2002-01-31 J P Ii Kk コンデンサ転流型変換器の制御装置および制御方式
JP2008067581A (ja) * 2006-09-11 2008-03-21 Kayaba Ind Co Ltd モータ制御装置
JP2013179781A (ja) * 2012-02-28 2013-09-09 Central Research Institute Of Electric Power Industry 変換器、変換器の制御方法及び変換器の制御プログラム

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