JPH11260563A - 有機el素子 - Google Patents

有機el素子

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JPH11260563A
JPH11260563A JP10061255A JP6125598A JPH11260563A JP H11260563 A JPH11260563 A JP H11260563A JP 10061255 A JP10061255 A JP 10061255A JP 6125598 A JP6125598 A JP 6125598A JP H11260563 A JPH11260563 A JP H11260563A
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organic
cathode
adhesion
sample
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JP10061255A
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English (en)
Inventor
Hitoshi Ikeda
等 池田
Hiroo Miyamoto
裕生 宮本
Shinko Kamikawa
真弘 上川
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Oki Electric Industry Co Ltd
Original Assignee
Oki Electric Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 有機層と陰極との密着性を向上させること。 【解決手段】 少なくとも陽極13と、有機層15と、
陰極17とを具える有機EL素子20において、有機層
と陰極との間にAg密着層19が介在していて、このA
g密着層は、陰極から有機層へ注入される電子の注入効
率を低下させない程度の厚さを有する層である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、有機エレクトロ
ルミネッセンス(以下、単に有機ELという。)素子
の、特に陰極に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、有機EL素子の研究が進められて
いる(例えば、文献1:「有機EL素子開発戦略」、次
世代表示デバイス研究会編集、(株)サイエンスフォー
ラム、1992、pp.95−133)。
【0003】基本的な有機EL素子の構造は、文献1に
も開示されているように、有機層を構成する層の数か
ら、2層型の素子と3層型の素子とに大別される。2層
型の素子として、陽極、有機正孔輸送性発光層、有機電
子輸送層および陰極を具えた型のものと、陽極、有機正
孔輸送層、有機電子輸送性発光層および陰極を具えた型
のものとがあり、また、3層型の素子として、陽極、有
機正孔輸送層、有機発光層、有機電子輸送層および陰極
を具えた型のものなどがある。
【0004】いずれの型の素子も、陽極と陰極との間に
電圧を印加させることによって、両電極に挟まれた部分
の有機発光層から発光が生じる。
【0005】典型的な有機EL素子の例として、有機層
が有機正孔輸送層と有機電子輸送性発光層とからなる2
層型の素子につき、簡単に説明する。
【0006】陽極材料として、例えば、仕事関数の大き
な(概ね4.0eV以上)金属や電気伝導材料が用いら
れる。一般には、酸化インジウムスズ(ITO)が用い
られる。
【0007】有機正孔輸送層の材料として、例えば、
N,N’−ジフェニル−N,N’−(3−メチルフェニ
ル)−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミン(以
下、TPD)が用いられる。
【0008】有機電子輸送性発光層の材料として、例え
ば、文献1に開示のトリス(8−キノリノール)アルミ
ニウム(以下、Alqと略称する。)が、よく用いられ
ている。
【0009】陰極材料には、素子の発光特性を向上させ
るために、より低い仕事関数を有する、例えばMg、C
a、Li等の金属を用いる。しかしながら、これらの仕
事関数の低い金属は非常に不安定で、大気中の酸素や水
分によって酸化しやすい。その中でも比較的安定である
Mgが有機EL素子用の陰極材料としてよく用いられて
いる。なお、陰極は、有機発光層(若しくは有機電子輸
送層)等の有機層上に陰極材料を蒸着させることによっ
て形成される。また、このMgの安定性をさらに向上さ
せ、かつ有機層との密着性を向上させるためにAgやI
n等の金属をMgと同時に蒸着させて、Mg中にこれら
の金属が微量に混合されて合金化した金属層も陰極とし
て用いられる(例えば、文献2:特開平2−15595
号公報)。有機層と陰極との密着性が低いと、有機EL
素子に長時間定電流を流して駆動させた場合に、有機層
から陰極が剥離してしまう原因の一つとなる。その結
果、電圧の上昇やダークスポットの発生等を引き起こし
て素子を劣化させてしまうおそれがある。したがって、
有機層と陰極との密着性を向上させることによって、有
機EL素子の耐久性等の信頼性を向上させることができ
る。
【0010】例えば、文献2においては、MgおよびA
gを、蒸着前の組成が原子比で10:1となるように調
整して合金化されたMgAgを陰極材料として用いてい
る。これにより、陰極と有機層との密着性を陰極中にA
gを添加することによって向上させている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】ここで、有機EL素子
の発光効率の向上を図るためには、発光層に効率よく電
子を注入させる必要があり、また、有機EL素子の信頼
性を考慮すると、有機層と陰極との密着性は高くする必
要がある。
【0012】発光層への電子の注入効率を向上させるた
めには、仕事関数の低いMgを単体で用いた陰極を用い
るのが望ましい。一方、有機層と陰極との密着性を向上
させるためには、Ag単体を用いて陰極を構成するほう
が好ましい。
【0013】上記文献2において用いられているよう
な、MgAgは、有機EL素子としての総合的な特性が
最適となるように組成比(原子比)を10:1に調整し
てある。しかしながら、このMgAgを陰極として用い
た素子において、素子の電子注入効率若しくは密着性
は、Mg若しくはAgを単体で用いた場合に得られる各
特性ほど、優れた特性は得られない。
【0014】また、密着性が改善されたMgAgの陰極
を用いても、その密着性は基本的には弱く、有機層の種
類によっては、この有機層上へMgAg電極を形成する
ことができない。例えば、オキサジアゾール誘導体やト
リフェニル誘導体からなる有機層上にMgAgが付着し
にくく、良質な陰極を成膜することができない。
【0015】さらに、MgとAgとの合金で構成された
陰極は、2つの別々の材料源から、MgとAgとを共に
蒸発させる同時二元蒸着法を用いて形成される。この方
法は、MgとAgの組成を膜中で均一に制御することが
非常に困難である。そして、組成が膜中で変化すること
によって偏析が生じるおそれがある。しかもこの陰極
は、100〜200nmという薄い膜として形成される
ため、偏析の影響をより受けやすい。偏析部分は素子の
発光のムラやダークスポットの発生する原因となる。ま
た、偏析部分は、大気中の水分や酸素によって腐食され
やすい部分となって、Mg単体を用いた陰極よりも安定
性に乏しい電極となるおそれがある。
【0016】このため、陰極から有機層への電子の注入
効率を低下させずに有機層と陰極との密着性を向上させ
る有機EL素子の出現が望まれていた。
【0017】
【課題を解決するための手段】このため、この発明によ
れば、少なくとも陽極と、有機層と、陰極とを具える有
機EL素子において、有機層と陰極との間に直接介在さ
せたAg密着層を具えている。
【0018】このAg密着層は、密着性に優れた層であ
るため、このAg密着層を密着性の低い陰極と有機層と
の間に介在させれば、これらの陰極と有機層との密着性
を向上させることができる。また、このAg密着層は陰
極から有機層への電子の注入効率に影響を及ぼさない程
度の厚さの層としている。このため、陰極の材料に仕事
関数の低い金属を用いれば、陰極から有機層への電子注
入効率に影響を与えずに密着性を向上させることができ
る。したがって発光効率がよく、しかも信頼性に優れた
有機EL素子が得られる。
【0019】また、好ましくは、Ag密着層の厚さは、
厚くても4nmであるのがよい。
【0020】陰極から有機層への電子の注入効率を低下
させないようにするには、Ag密着層を4nm以下の厚
さの層にするのがよい。
【0021】また、後述する実験の結果から、Ag密着
層の厚さは1.8nm以上で4.0nm以下の厚さにす
るのが望ましい。この範囲内の膜厚にAg密着層を形成
しておくと、発光効率のよい有機EL素子が得られる。
【0022】また、Ag密着層は、少なくとも、陰極と
陽極とが重なる領域内にある層であるのが好ましい。
【0023】例えば、基板上に陽極が帯状に形成されて
いて、この陽極を覆うように有機層が設けられてあり、
この有機層上に帯状の陰極が陽極と直交するように形成
されている有機EL素子であった場合、この発明のAg
密着層は、素子を上から見て陽極と陰極とが交わってい
る(重なっている)領域内の、有機層と陰極との間に設
けられているのがよい。このような素子においては、陰
極と陽極が重なっている領域に電流が流れるため、少な
くともこの領域内の有機層と陰極とがAg密着層によっ
て密着されていれば、陰極から有機層へ好ましく電子を
注入することができる。また、従来よりも素子の耐久性
を向上させることができる。
【0024】また、好ましくは、陰極を構成する材料
を、Mg、若しくはMgを主成分とする合金、若しくは
AlおよびLiの合金とするのがよい。
【0025】陰極を、低い仕事関数(約3.6eV)を
有し、かつ大気中の水分や酸素に対して安定しているM
gの単体で構成すれば、有機層へ電子を効率よく注入す
ることができる。その結果、発光効率の高い有機EL素
子が得られる。また、Mgの陰極と有機層との間に薄い
Ag層を介することで、Mgと有機層とを直接結合させ
るよりも強い力で陰極と有機層とを結合させることがで
きるために、素子の耐久性を向上させることができる。
そして、これにより有機EL素子の信頼性を向上させる
ことができる。また、陰極の材料には、Mgを主成分と
する合金や、有機膜との密着性が比較的良好であるAl
と仕事関数の低いLiとの合金を用いてもよい。Mgを
主成分とする合金としては、例えばMgとAgとの合金
やMgとInとの合金を用いるのがよい。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、図を参照してこの発明の有
機EL素子の実施の形態につき説明する。なお、各図は
発明を理解できる程度に各構成成分の形状、大きさ、配
置関係を概略的に示してあるに過ぎず、したがってこの
発明を図示例に限定するものではない。
【0027】図1は、基板11上に、陽極13、有機層
15および陰極17をこの順に具える有機EL素子20
に、この発明を適用した例を示した図であり、この有機
EL素子20の構造を説明するための概略的な断面図で
ある。有機層15と陰極17との間にAg層19が設け
られている。
【0028】ここでは、有機層15を有機正孔輸送層2
1および有機電子輸送性発光層23とする。よって、有
機電子輸送性発光層23と陰極17との間にAg層19
が存在している。
【0029】基板11は、典型的には透明基板で構成す
る。例えばガラス基板や透明フィルムで構成することが
できる。
【0030】陽極13、有機層15および陰極17のそ
れぞれは、例えば、従来技術で示した材料により構成で
きる。
【0031】有機層15は、有機発光層のみとしてもよ
いし、または有機正孔輸送性発光層および有機電子輸送
層で構成してあってもよいし、有機正孔輸送層および有
機電子輸送性発光層で構成してあってもよい。或いは有
機層15は、有機正孔輸送層と有機発光層と有機電子輸
送層とで構成してあってもよい。有機層の材料としては
種々の有機化合物を用いることができ、その積層構造を
構成する各層の材料の組み合わせ等に関しては文献1に
詳細に記載されている。また、この有機層15には電流
ブロック層やバッファ層、電荷注入層などの層がさらに
加えられてあってもよい。
【0032】基板11上に陽極13としてITO(酸化
インジウム錫)膜を蒸着やスパッタリングによって形成
する。その後この陽極13上に有機層15を形成する。
この有機層15は、真空蒸着法、有機分子線蒸着(OM
BD)法およびプラズマ重合法などのドライな方法や、
スピンコート法、ディップコート法、ラングミュア・ブ
ロジェット(LB)法、ミセル分解法等のウェットな方
法を用いて形成することができる。
【0033】その後、この有機層15上にAg密着層1
9を形成し、続いてAg密着層19上に陰極17を形成
する。この発明では、有機層15への電子注入効率の高
いMg等の陰極材料を用いて陰極17を形成し、この陰
極17と有機層15との密着性を向上させるために、有
機層15と密着性の高いAg密着層19を、陰極17と
有機層15との間に介在させる。また、このAg密着層
19の厚さは陰極17から有機層15への電子注入効率
を低下させないような厚さに形成する。
【0034】従来のように、電子注入効率の良好な金属
と有機層との密着性に優れた金属との合金で以て陰極を
構成したのでは、ある程度の発光効率特性および有機E
L素子の信頼性は得られる。しかしながら、この合金を
用いた場合には、2種類の金属のもつ特性を有しながら
も、ひとつの特性についてみると、各金属を単体で用い
て得られる各特性には及ばない。また、この合金の最適
な組成を維持して陰極を形成するのは困難であるため、
形成された陰極と有機層との界面付近にはダークスポッ
トの原因のひとつとなる偏析が生じるおそれがある。と
ころが、この発明のように、電子注入効率の高い金属を
例えば単体で陰極材料として用いて陰極を形成し、この
陰極と有機層との間に、陰極と有機層との密着性を向上
させるAg密着層を、陰極の電子注入効率を低下させな
い厚さで介在させれば、Ag密着層のもつ密着性と、陰
極として用いた金属の電子注入効率特性とを、どちらの
特性も低下させずにもたせることができる。また、これ
らの層の形成は容易である。なお、陰極は、陰極の安定
性等の他の特性を向上させるために、他の金属との合金
で構成されていてもよい。この場合においても、有機層
と陰極との間にAg密着層を介在させれば、有機EL素
子の耐久性等の信頼性を従来よりも向上させることがで
きる。
【0035】また、この発明の有機EL素子において、
陰極の表面の酸化等を防止するために、耐酸化性および
耐腐蝕性を有する貴金属を陰極上に設けてもよい。ま
た、陰極や有機層を封止して、大気中の水分や酸素から
遮蔽してもよい。例えば陰極および有機層を覆うよう
に、酸化ゲルマニウムやシリコン酸化物等の絶縁膜を蒸
着したり、紫外線硬化樹脂で封止してもよい。また、陰
極および有機層を密閉性の筺体中に入れ、この筐体内に
不活性のガスを導入するような封止構造を採用してもよ
いし、あるいは筐体内を真空にするような封止構造を採
用してもよい。
【0036】
【実施例】次に、実施例により、この発明の発光材料お
よび有機EL素子について、さらに具体的に説明する。
ただし、以下の説明中の薬品等の使用量、処理温度、処
理時間等の数値的条件、使用薬品等は、この発明の範囲
内の一例に過ぎない。
【0037】<第1の実施例>第1の実施例として、こ
の発明の有機EL素子の一好適例について、図2を参照
して説明する。図2は、第1の実施例の有機EL素子の
構造を説明するための概略的な斜視図である。
【0038】この例では、2層型の有機EL素子を次の
ように作製する。
【0039】まず、石英ガラス基板11に、陽極として
ITOをスパッタリング法を用いて成膜する。このIT
O膜の膜厚は180nmで、シート抵抗は10Ω/sq
以下であった。ITO膜に対してフォトリソグラフィお
よびこれにつづくエッチング処理を行って2mm幅の帯
状の陽極13を形成する。この陽極13を形成した石英
ガラス基板11を、アセトンおよびIPA(2−プロパ
ノール)を用いて各溶液で10分ずつ超音波洗浄した
後、乾燥させる。
【0040】次に、陽極13が形成された基板11を有
機膜形成用の真空蒸着装置内に設置して、陽極13を含
む基板11上に、有機正孔輸送層21として、上記した
TPDを真空蒸着法を用いて、0.5nm/秒の蒸着速
度で50nmの厚さに形成する(図2参照。)。
【0041】続いて、有機電子輸送性発光層23とし
て、上記したAlqを、有機正孔輸送層21上に真空蒸
着法を用いて0.5nm/秒の蒸着速度で50nmの厚
さに形成する。
【0042】この後、有機電子輸送性発光層23、有機
正孔輸送層21および陽極13が形成された基板11を
電極膜形成用の真空蒸着装置に移動して、装置内に設置
した後、有機電子輸送性発光層23上にAg密着層19
を真空蒸着法を用いて形成する。この例では、Ag密着
層をステンレス製の金属マスクを用いて、上から見た平
面的な形状が2mm幅の帯状となるように、陽極と直角
に交わるようにして設ける(図2参照。)。
【0043】ここでは、Ag密着層の材料であるAgを
Ta製のボートに入れてあり、このボートを加熱してA
gを蒸発させる。その際、水晶振動子式膜厚計を用いて
蒸着するAg密着層の厚さをモニターしながら、ボート
と基板との間にあるシャッターを開閉することによって
層の厚さを調節する。この例では、Ag密着層の好適な
厚さを調べるために、膜厚の異なる3種類のサンプルを
形成する。そのため、膜厚計の表示で、1.8nm、
4.0nm、および11.0nmの膜厚を有する3種類
のサンプルを作成した。これらの膜厚のAg密着層の蒸
着速度はいずれも0.4nm/秒とする。
【0044】その後、これらのサンプルのAg密着層1
9上に陰極17としてのMg膜を1.0nm/秒の蒸着
速度で、200nmの厚さで形成する。
【0045】これにより、少なくとも陽極13と、有機
層15と、陰極17とを具える有機EL素子20であっ
て、この有機層15の陰極側の層23と陰極17との間
にAg密着層19が介在している素子が得られる。な
お、Ag密着層19の膜厚を1.8nmにした素子をサ
ンプルAとし、Ag密着層19の厚さを4.0nmとし
た素子をサンプルBとし、Ag密着層19の厚さを1
1.0nmとした素子をサンプルCとする。
【0046】ここで、第1の実施例で得られる3種類の
素子(サンプルA、サンプルBおよびサンプルC)の、
それぞれの陽極と陰極との間に電圧を印加して発光輝度
を測定してみると、3種類のサンプルA〜Cはいずれも
6Vの印加電圧で、黄緑色の発光を示した。また、15
Vの電圧を印加したときに最大輝度9000cd/m2
が得られた。
【0047】また、4.0nmの厚さのAg密着層を有
するサンプルBを、大気中で50mA/cm2 の定電流
で駆動させて、輝度半減寿命を測定したところ、輝度半
減寿命は60時間であり、このとき、電圧は10.7V
から12.3Vまで変化した。よってこのサンプルにお
いては、輝度が半減する間に1.6Vの電圧上昇が見ら
れた。
【0048】(第1の比較例)ここで、第1の実施例の
素子と同様の工程で形成される陽極および有機層を有
し、この有機層上に直接単体のMgの陰極を設けたサン
プルXと、前記有機層上に直接MgAg合金(Mg:A
g=10:1(原子比))の陰極を設けたサンプルYを
用意する。
【0049】まず、第1の実施例と同様にして、石英ガ
ラス基板上にITO膜を陽極として形成し、その後、こ
の陽極を覆うよう基板上に、有機層としてTPDからな
る有機正孔輸送層と、Alqからなる有機電子輸送性発
光層とを真空蒸着法を用いて形成する。
【0050】その後、この有機電子輸送性発光層上に真
空蒸着法を用いて、Mgを1.0nm/秒の蒸着速度で
200nmの厚さに蒸着する。これにより、サンプルX
が形成される。
【0051】また、サンプルYは、サンプルXと同様
に、石英ガラス基板上に陽極および有機層を形成した
後、この有機層のうちの一番上側の層である有機電子輸
送性発光層上に真空蒸着法を用いて、Mgを1.0nm
/秒の蒸着速度で、また、Agを0.1nm/秒の蒸着
速度で以て共蒸着させる。これにより、約200nmの
厚さのMgAg合金からなる陰極を有するサンプルYが
形成される。
【0052】サンプルXの最大輝度は、印加電圧が17
Vのときに得られる4000cd/m2 程度であった。
サンプルYにおいては、15Vの電圧を印加して800
0cd/m2 程度の最大輝度が得られた。
【0053】また、サンプルYを、大気中で、50mA
/cm2 の定電流で駆動させて、輝度半減寿命を測定し
たところ、輝度半減寿命は55時間であり、このとき、
電圧は10.9Vから13.5Vまで変化した。よっ
て、このサンプルYにおいては、輝度が半減する間に
2.6Vの電圧上昇が見られた。
【0054】また、輝度が半減した時点でのサンプルY
に発生しているダークスポットは、第1の実施例のサン
プルBと比較して40%程度多かった。
【0055】よって、まず、サンプルXとサンプルYと
を比較すると、陰極をMgとAgとの合金で構成してい
るサンプルYのほうが、陰極と有機層との密着性が改善
されているため、サンプルXよりも低い印加電圧で最大
輝度が得られる。また、サンプルYと第1の実施例のサ
ンプルBとを比較すると、陰極にはMgの単体を用い、
この陰極と有機層とを密着させるためにAgの単体の層
を介在させているサンプルBの方が、輝度の半減時にお
ける電圧上昇の度合いが小さい。これはサンプルBの耐
久性がサンプルYよりも向上していることを意味する。
さらに、輝度半減時でのダークスポットの数はサンプル
Yの方が多いことからも、第1の実施例で得られる素子
の耐久性が向上していることが裏付けられる。
【0056】次に、第1の実施例の3つのサンプルの、
電圧−発光効率特性を調べる。図3は、3つのサンプル
の電圧−発光効率特性を示す特性図である。発光効率の
値は、ある単位電力(電圧×電流密度)あたりの発光輝
度(任意単位)で示されている。また、図3にはAg密
着層を設けずに、有機層に直接Mgの陰極を形成した素
子(第1の比較例のサンプルX。)の電圧−発光効率特
性も合わせて示してある。なお、この図3には、横軸に
印加電圧(V)をとり、縦軸に発光効率(任意単位)を
とって示してある、また、サンプルXの特性曲線を黒丸
の曲線で示し、サンプルAの特性曲線を黒四角の曲線で
示し、サンプルBの特性曲線を黒三角の曲線で示し、サ
ンプルCの特性曲線を白丸の曲線で示してある。
【0057】どの素子においても、印加電圧が6Vのと
きに発光が始まり、印加電圧が8V(サンプルA)ある
いは9V(サンプルB、CおよびX)まで、発光効率は
急激に高くなる。そして、最大発光効率が得られる8V
あるいは9Vからさらに印加電圧を上げていくと、徐々
に発光効率は低下していく。
【0058】また、サンプルB、サンプルCおよびサン
プルXにおいては、9Vの電圧を印加したときに最大発
光効率が得られている。その中でも、Ag密着層の厚さ
を4.0nmにしたサンプルBは、他の2つのサンプル
と比べて、明らかに高い発光効率が得られている。ま
た、サンプルAは、より低い印加電圧である8Vにおい
てサンプルBとほとんど同じくらいの最大発光効率が得
られている。
【0059】図3によれば、サンプルCとサンプルX
は、ほとんど同じ特性曲線が得られている。サンプルX
は、Ag密着層がまったくない素子である。よって有機
層への陰極の密着性がよくないためにサンプルAおよび
Bよりも全体的に発光効率が低くなっていると考えられ
る。一方サンプルCは、有機層と陰極との間にAg密着
層が介在しているために密着性は向上しているが、Ag
自体は、陰極から有機層への電子注入効率を低下させる
材料であるため、11.0nmという厚さにAg密着層
を設けると、電子注入効率が低下するためサンプルXと
同じ程度の発光効率しか得られないということが示唆さ
れる。このため、有機EL素子としての発光効率を得る
ためにはAg密着層の厚さを11nmよりも薄くする必
要があることが分かる。よって、Ag密着層の優れた密
着性という利点と電子注入効率を低下させるという欠点
とを考慮すると、Ag密着層の厚さは4.0nm以下に
するのがよい。また、Ag層の厚さを1.8nmとした
場合においては、より低電圧で最大発光効率が得られて
いるため、有機EL素子として使用するには好適である
と考えられる。
【0060】(第2の比較例)また、陰極と有機層との
密着性を向上させるために用いるAg密着層の代わり
に、Ni層、Cr層、Zr層を用いたサンプルを容易す
る。
【0061】これらのサンプルの形成は、Ag密着層を
設ける工程以外は第1の実施例と同様にして行う。Ni
層を用いるサンプルでは、有機層上に真空蒸着法を用い
て、0.5nm/秒の蒸着速度で4.0nmの厚さのN
i層を形成する。また、Ag密着層の代わりにCr層を
用いるサンプルでは、有機層上に真空蒸着法を用いて、
0.2nm/秒の蒸着速度で4.0nmの厚さのCr層
を形成する。また、Zr層を用いるサンプルでは、有機
層上に真空蒸着法を用いて、0.6nm/秒の蒸着速度
で、4.0nmの厚さのZr層を形成する。これらの層
の上に、それぞれMgを陰極として形成して、これらの
サンプルが得られる。
【0062】ここで、これらのサンプル、第1の実施例
のサンプルB(4.0nmの厚さのAg密着層を有する
サンプル)およびAg密着層を設けずに有機層上に直接
Mgの陰極を形成したサンプルXの電圧−輝度特性を調
べる。
【0063】図4は、有機層と陰極との間に介在させる
層(以下、密着層と称する場合もある。)の材料を変え
た5種類のサンプルにそれぞれ印加させる電圧の増加に
伴う輝度の変化を示す特性曲線を示す図である。なお、
これらの曲線は、横軸に印加電圧(V)をとり、縦軸に
輝度(cd/m2 )をとって示している。また、密着層
をAg層としたサンプル(サンプルB)の特性曲線を黒
丸の曲線とし、密着層をNi層としたサンプルの特性曲
線を白三角の曲線で示し、密着層をCr層としたサンプ
ルの特性曲線を黒四角の曲線で示し、密着層をZr層と
したサンプルの特性曲線を白丸の曲線で示し、密着層を
設けていないサンプルXの特性曲線を黒三角の曲線で示
してある。
【0064】図4によれば、密着層としてAg層を用い
たサンプルBにおいて、他のサンプルよりも明らかに低
い印加電圧で発光が始まり、しかも高い輝度が得られて
いることが分かる。他の3種類の材料を用いて形成した
密着層を有するサンプルはどれも15V以上の電圧を印
加しないと発光せず、また20V以上の電圧を印加して
も十分な輝度を得ることができない。また、これら3つ
の材料(Ni、CrおよびZr)を用いた密着層を有す
るサンプルにおいては、密着層を設けていないサンプル
Xよりも輝度特性が著しく低いため、これらの材料を用
いて密着層を構成することはできない。よって、有機E
L素子としての発光輝度が十分得られ、かつ信頼性に優
れた素子を形成するためには、Ag密着層を有機層と陰
極との間に設けるのがよい。
【0065】<第2の実施例>第2の実施例として、有
機層として有機正孔輸送層と有機発光層と有機電子輸送
層とを含む3層型で、MgAg合金電極を形成しにく
い、オキサジアゾール誘導体を含んだ有機電子輸送層を
有する有機EL素子に、この発明を適用した例につき説
明する。
【0066】この例では、第1の実施例と同様にして、
石英ガラス基板上にITO膜で2mm幅の帯状の陽極を
形成した後、この陽極を覆うように基板上に有機正孔輸
送層としてTPDを真空蒸着法を用いて、0.5nm/
秒の蒸着速度で50nmの厚さに形成する。
【0067】この後、有機正孔輸送層上に有機発光層と
して、オキサジアゾール誘導体(1,3,4−オキサジ
アゾール:以下、PBDと称する。)にユーロピウム錯
体(トリス(1,3−ジフェニル−1,3−プロパンジ
オノ)(モノフェナントロリン)ユーロピウム(III
):以下、Eu(DBM)3 (Phen)と称す
る。)をドーピングさせた層を真空蒸着法を用いて30
0nmの膜厚で形成する。このとき、PBDの蒸着速度
は0.7nm/秒とし、Eu(DBM)3 (Phen)
の蒸着速度は0.1nm/秒とした。
【0068】その後、この有機発光層上に有機電子輸送
層として、上記PBDの層を、真空蒸着法を用いて蒸着
速度0.7nm/秒で200nmの厚さで形成する。
【0069】次に、第1の実施例と同様にして、この有
機電子輸送層上にAg密着層を4.0nmの厚さで設け
た後、Mgからなる陰極を200nmの厚さで設けて、
第2の実施例の有機EL素子を形成する。
【0070】この有機EL素子の陽極と陰極との間に電
圧を印加して発光輝度を測定したところ、15Vの電圧
を印加して100cd/m2 の赤色発光が得られた。
【0071】この例においては、このPBDの有機電子
輸送層とMgの陰極との間に密着性に優れたAg密着層
を介在させることによって、良好な膜質の陰極を形成す
ることができる。
【0072】(第3の比較例)ここで、第3の比較例と
して、PBDの有機電子輸送層上にAg密着層を設けず
にMgの陰極を形成する例につき、説明する。ここで
は、Ag密着層を形成する工程以外の工程を第2の実施
例と同様にして行う。
【0073】この結果、このPBDの有機電子輸送層上
にはMgの陰極を形成することができなかった。
【0074】よって、この発明のように、有機電子輸送
層と陰極との間にAg密着層を介することによって、P
BDのように上に電極を形成しにくい材料からなる層の
上にも、Mgの陰極のような金属の膜を密着性よく形成
することができる。
【0075】(第4の比較例)また、第4の比較例とし
て、PBDの有機電子輸送層上にAg密着層を設けずに
MgAg合金からなる陰極を形成する例につき、説明す
る。ここでは、第2の実施例と同様にして、陽極が形成
された基板上に、TPDの有機正孔輸送層と、PBDに
Eu(DBM)3 (Phen)がドーピングされた有機
発光層と、PBDの有機電子輸送層とを順次積層した
後、真空蒸着法を用いて、Mgを1.0nm/秒の蒸着
速度で、またAgを0.1nm/秒の蒸着速度で有機電
子輸送層上に共蒸着させて、MgAg合金からなる陰極
を形成する。
【0076】この結果、水晶振動子式膜厚計の測定値に
よれば、200nmの厚さのMgAg合金層が形成され
ている。しかしながら、実際に形成されたMgAg合金
層の厚さは100nm程度であった。しかも、形成され
たMgAg合金の陰極の表面は、白っぽく、金属光沢が
なくなっていた。これは、MgAg合金の膜質の劣化を
意味する。
【0077】また、この例で形成された有機EL素子か
ら発光は観察されなかった。
【0078】したがって、PBDの有機電子輸送層上に
は、Mgよりも密着性が向上しているMgAg合金の陰
極も形成することができない。たとえ、形成することが
できたとしても有機EL素子として用いることができる
ような陰極は得られない。
【0079】よって、この発明のように、陰極と有機層
との間にAg密着層を設ければ、上に金属膜を成膜しに
くい材料の上にも、膜質よく陰極等の金属膜を形成する
ことができる。また、このAg密着層の厚さを4.0n
m以下にすれば、陰極から有機層への電子注入効率を低
下させずに陰極を設けることができる。このため、発光
効率が良好で信頼性に優れた有機EL素子が得られる。
【0080】<第3の実施例>第3の実施例として、陰
極の材料としてAlLi合金を用いた例につき、説明す
る。
【0081】この例では、第1の実施例と同様にして、
石英ガラス基板上に陽極、正孔輸送層、有機電子輸送性
発光層および4.0nmの厚さのAg密着層を形成す
る。この後、Al中ににLiを2重量%の濃度で含有さ
せたAlLi合金を蒸発源として用いて、真空蒸着法に
より、1.0nm/秒の蒸着速度でAg密着層上に12
0nmの厚さのAlLiの陰極を形成する。これによ
り、第3の実施例の有機EL素子が得られる。陰極の材
料として用いたAlLi合金は、有機層との密着性に優
れているAlに低い仕事関数(2.4eV)を有するL
iを添加したものである。
【0082】この有機EL素子の陽極と陰極との間に電
圧を印加して発光輝度を測定したところ、18Vの電圧
を印加したときに最大輝度11940cd/m2 が得ら
れた。
【0083】また、この素子を大気中で50mA/cm
2 の定電流で駆動させて、輝度半減寿命を測定したとこ
ろ、輝度半減寿命は72時間であった。また、このと
き、電圧は13.5Vから15.2Vまで変化した。よ
って、第3の実施例の有機EL素子においては、輝度が
半減する間に1.7Vの電圧上昇が見られた。
【0084】(第5の比較例)ここで、第5の比較例と
して、Ag密着層を設けずに有機電子輸送性発光層上に
直接AlLiの陰極を形成したこと以外は、第3の実施
例の有機EL素子と同様にして形成した有機EL素子を
用意する。
【0085】この有機EL素子に電圧を印加して発光輝
度を測定した結果、18Vの印加電圧で最大輝度110
70cd/m2 が得られた。
【0086】また、第3の実施例と同様にして測定した
輝度半減寿命は、68時間であった。また、輝度が半減
する間に電圧は、13.8Vから15.7Vまで2.1
V上昇していた。
【0087】第3の実施例と第5の比較例とを比較する
と、AlLi合金の陰極と有機層との間にAg密着層を
介在させた第3の実施例の素子においては、得られる最
大輝度が、Ag密着層を挿入しない第5の比較例の素子
とほとんど同じであったことから、Ag密着層を陰極と
有機層との間に設けても、陰極から有機層への電子注入
効率は低下しないことが示唆された。
【0088】また、輝度が半減する間の電圧上昇の度合
いは、第3の実施例の素子のほうが抑えられているため
に、素子の耐久性を向上させることができたと考えられ
る。
【0089】したがって、陰極をMg以外の材料で構成
した場合においても、この発明のように、陰極と有機層
との間に4.0nm以下の厚さのAg密着層を介在させ
ることにより、発光効率の良好な、信頼性にも優れた有
機EL素子を得ることができる。
【0090】
【発明の効果】上述した説明から明らかなように、この
発明の有機EL素子は、少なくとも陽極と、有機層と、
陰極とを具える有機EL素子であって、有機層と陰極と
の間に直接介在させたAg密着層を具えている。さら
に、このAg密着層は、陰極から有機層へ注入される電
子の注入効率を低下させない程度の厚さを有する層であ
る。
【0091】このAg密着層によって、陰極と有機層と
の密着性を向上させることができる。また、このAg密
着層は陰極から有機層への電子の注入効率に影響を及ぼ
さない程度の厚さの層であるため、陰極の材料に仕事関
数の低い金属を用いれば、陰極から有機層へ電子を効率
よく注入することができる。これにより、発光効率がよ
く、しかも信頼性に優れた有機EL素子が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態の説明に供する、有機E
L素子の概略的な断面図である。
【図2】第1の実施例の説明に供する、有機EL素子の
概略的な斜視図である。
【図3】第1の実施例の説明に供する、有機EL素子の
電圧−発光効率特性を示した図である。
【図4】第1の実施例の説明に供する、有機EL素子の
電圧−発光輝度特性を示した図である。
【符号の説明】
11:石英ガラス基板、基板 13:陽極(ITO膜) 15:有機層 17:陰極(Mg膜) 19:Ag密着層 20:有機EL素子 21:有機正孔輸送層 23:有機電子輸送性発光層

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも陽極と、単数或いは複数の層
    からなる有機層と、陰極とを具える有機EL素子におい
    て、 前記有機層と前記陰極との間に直接介在させたAg密着
    層を具え、 該Ag密着層は、前記陰極から前記有機層へ注入される
    電子の注入効率に影響を与えない程度の厚さを有する層
    であることを特徴とする有機EL素子。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の有機EL素子におい
    て、 前記Ag密着層の厚さは、最大でも4nmであることを
    特徴とする有機EL素子。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の有機EL素子におい
    て、 前記Ag密着層の厚さを、1.8nm以上でかつ4.0
    nm以下の厚さとすることを特徴とする有機EL素子。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか一項に記載の有
    機EL素子において、 前記Ag密着層は、少なくとも、前記陰極と陽極とが重
    なる領域内にある層とすることを特徴とする有機EL素
    子。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれか一項に記載の有
    機EL素子において、 前記陰極を構成する材料を、Mg、若しくはMgを主成
    分とする合金、若しくはAlおよびLiの合金とするこ
    とを特徴とする有機EL素子。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載の有機EL素子におい
    て、 前記Mgを主成分とする合金を、MgとAgとの合金と
    することを特徴とする有機EL素子。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006135101A (ja) * 2004-11-05 2006-05-25 Fuji Electric Holdings Co Ltd 有機el素子
US7301511B2 (en) 2001-06-07 2007-11-27 Seiko Epson Corporation EL display, EL illumination device and driving method therefor, liquid crystal device and electronic apparatus
US9614188B2 (en) * 2013-07-12 2017-04-04 Panasonic Intellectual Property Management Co., Ltd. Organic electroluminescent element and lighting device
JP2020518107A (ja) * 2017-04-26 2020-06-18 オーティーアイ ルミオニクス インコーポレーテッドOti Lumionics Inc. 表面上のコーティングをパターン化する方法およびパターン化されたコーティングを含むデバイス

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