JP3427539B2 - 有機薄膜エレクトロルミネッセンス素子 - Google Patents

有機薄膜エレクトロルミネッセンス素子

Info

Publication number
JP3427539B2
JP3427539B2 JP02415895A JP2415895A JP3427539B2 JP 3427539 B2 JP3427539 B2 JP 3427539B2 JP 02415895 A JP02415895 A JP 02415895A JP 2415895 A JP2415895 A JP 2415895A JP 3427539 B2 JP3427539 B2 JP 3427539B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
hole transport
layer
transport layer
anode
film
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP02415895A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH08222373A (ja
Inventor
慎太郎 原
明 行徳
秀明 岩永
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Corp
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Panasonic Corp
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Panasonic Corp, Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Panasonic Corp
Priority to JP02415895A priority Critical patent/JP3427539B2/ja
Publication of JPH08222373A publication Critical patent/JPH08222373A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3427539B2 publication Critical patent/JP3427539B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明は液晶ディスプレイのバッ
クライト,表示,光通信の光源などに用いられる電界発
光素子である有機薄膜エレクトロルミネッセンス素子に
関するものである。 【0002】 【従来の技術】近年、固体,固体蛍光性物質の電界発光
(エレクトロルミネッセンス:EL)を利用した発光素
子が広く利用されている。現在、無機系材料を発光体と
して用いた無機エレクトロルミネッセンス素子が実用化
され、液晶ディスプレイのバックライトやフラットディ
スプレイ等へ応用されている。しかしながら、無機エレ
クトロルミネッセンス素子は発光させるために100〜
200Vの高電圧が必要とされることや無機材料である
ために色の三原色の1つである青色発光を行うことが困
難であるために、カラー化することに限界がある。 【0003】一方、有機系材料を用いた有機薄膜エレク
トロルミネッセンス素子に関しても古くから研究が行わ
れてきたが、無機系に比べて発光効率等の性能が著しく
劣っていたため、本格的な実用化には至っていなかっ
た。しかし、1987年にTangらにより提案された
有機薄膜エレクトロルミネッセンス素子(C.W.Ta
ng and S.A.Vanslyke:Appl.
Lett.,51(1987)913)は、有機化合物
層を正孔輸送層と発光層の2層に分けた積層構造とし、
発光層に効率よく正孔と電子を輸送することにより、直
流で作動し10V以下の低電圧で1000cd/m2
上の高輝度発光を実現した。以後、陽極/正孔輸送層/
発光層/陰極からなる構成の有機薄膜エレクトロルミネ
ッセンス素子の研究が盛んに行われている。有機薄膜エ
レクトロルミネッセンス素子は有機材料を発光層に用い
ているため、発光材料や層構造を変化させることによ
り、無機系では難しかった青色発光を含む種々の発光波
長を比較的簡単に得られる等の特徴を有する。そのため
実用化に向けて、有機薄膜エレクトロルミネッセンス素
子の高性能化や高効率化を図るために種々のアプローチ
が行われており、より正孔輸送能の高い正孔輸送層や量
子効率の高い発光層など各層に求められる有機材料の物
性を高めるための材料の開発が行われている。ここで、
積層型の有機薄膜エレクトロルミネッセンス素子は注入
型のエレクトロルミネッセンス素子であり、その動作原
理は無機半導体における発光ダイオードやレーザーに対
応する。そのため、陽極から注入された正孔と陰極から
注入された電子を効率よく発光層に到達させ、再結合さ
せることが素子の高効率化のために求められる。 【0004】以下に従来の有機薄膜エレクトロルミネッ
センス素子について説明する。図5は従来の有機薄膜エ
レクトロルミネッセンス素子の要部断面図である。1は
透明電極よりなる陽極層であり、ITO(インジウム,
チン,オキサイド)等がスパッタリング又はEB蒸着等
により薄膜形成される。2は正孔輸送能を有する正孔輸
送層で、有機化合物から形成される。3は可視領域に蛍
光を有する成膜性が良い蛍光体からなる発光層で、注入
された正孔と電子の再結合が行われて発光する。4は陰
極層で、電子を発光層3に注入する。5は陽極層1/正
孔輸送層2/発光層3/陰極層4を積層する下地基板と
なる透明なガラス基板である。正孔輸送層2から陰極層
4までは、一般的にガラス基板5上に抵抗加熱蒸着法や
EB加熱蒸着法等の真空薄膜形成技術を用いて形成され
る。正孔輸送層2としては、N,N′−ジフェニル−
N,N′−ビス(3−メチルフェニル)−1,1′−ジ
フェニル−4,4′−ジアミン(以下TPDと称す)、
発光層3としては、トリス(8−ヒドロキシキノリン)
アルミニウム(以下Alqと称す)、陰極層4として
は、MgとAgを10:1の比率で共蒸着したMgAg
電極が用いられる。 【0005】以上のように構成された従来の有機薄膜エ
レクトロルミネッセンス素子において、以下その動作原
理について説明する。図6は、図5のITO/TPD/
Alq/MgAgの積層構造を有する従来の有機薄膜エ
レクトロルミネッセンス素子のエネルギーダイヤグラム
である。動作原理は、陽極層1から注入された正孔と陰
極層4から注入された電子が効率よく発光層3に到達
し、この発光層3において、正孔と電子が再結合し、そ
のときの放出エネルギーにより発光する。発光効率を高
めるためには、いかに効率よく正孔及び電子を発光層3
に到達させるかが重要である。 【0006】現在、有機薄膜エレクトロルミネッセンス
素子の正孔と電子の移動については各構成層のバンド構
造を示すエネルギーダイヤグラムを用いることにより説
明されている。有機分子では、電子軌道準位が存在し、
そのうち電子で満たされた最高の準位(higest occupie
d molecular orbital: 以下HOMOと称す)、空の最
低の準位(lowest occupied molecular orbital: 以下
LUMOと称す)があり真空準位からHOMO、LUM
Oまでのエネルギーをそれぞれイオン化ポテンシャル、
電子親和力としこの値を基本としてエネルギーダイヤグ
ラムを構成する。正孔は陽極層1の荷電子帯の表面のエ
ネルギー準位から正孔輸送層2のHOMO準位までの障
壁を越えて移動し、さらに正孔輸送層2から発光層3ま
でお互いのHOMO準位の障壁の差を越えて移動する。
陽極層1の場合、価電子帯の最表面の準位はフェルミ準
位と一致し、真空準位までのエネルギー差は仕事関数の
値となる。従って、陽極層1と正孔輸送層2のエネルギ
ー障壁の差は陽極層1の仕事関数と正孔輸送層2のイオ
ン化ポテンシャルの差であり、正孔輸送層2と発光層3
のエネルギー障壁の差はお互いのイオン化ポテンシャル
の差となる。これに対して、電子の移動は、陰極層4の
伝導帯の表面準位から発光層3のLUMOまでの準位ま
でのエネルギー障壁の差を超えて発光層3に注入され
る。従って、電子は陰極層4の仕事関数と、発光層3の
電子親和力の障壁の差を越えて発光層3に注入されるこ
とになる。このようにして、発光層3に注入された電子
と正孔は発光層3内を移動し、再結合するときに発光を
起こす。効率良く再結合を起こすためには正孔と電子の
移動時になるべくエネルギー障壁の少ない積層構成が望
まれる。 【0007】さて、実際の有機薄膜エレクトロルミネッ
センス素子での正孔の障壁について考察する場合、陽極
層1と正孔輸送層2の仕事関数、イオン化ポテンシャル
の値を測定することが必要である。この測定は理研計器
(株)製の大気中紫外光表面分析装置(AC−1)を用
いた。測定値は同一物質でも表面の状態(洗浄方法、処
理方法)や蒸着法での成膜条件等により多少変わること
がある。文献値においても多少の相違が見られるが、引
用値は、今回実際に有機薄膜エレクトロルミネッセンス
素子を作製するのと同一の条件において測定されたもの
による。 【0008】図6のITO/TPD/Alq/MgAg
により構成された従来の有機薄膜エレクトロルミネッセ
ンス素子のエネルギーダイヤグラムにおいて、ITOの
仕事関数,TPD,Alqのイオン化ポテンシャルはそ
れぞれ、4.6eV,5.4eV,5.6eVである。
ここで、正孔の注入に対する各層間において、陽極層1
であるITOと正孔輸送層2のTPDのエネルギー障壁
の差は0.8eVであり、正孔輸送層2のTPDと発光
層3であるAlqのエネルギー障壁の差は0.2eVと
なっている。電子の注入においては、発光層3であるA
lqの電子親和力(直接、真空準位からの値が求めにく
いため、Alqのイオン化ポテンシャルの値に光学的な
波長の吸収端から見積もったバンドギャップの値を差し
引いて求めた値)と陰極層4であるMgAgの仕事関数
の差がエネルギー障壁となっている。通常は、金属電極
の仕事関数が高いためLi,NaやCa等の仕事関数の
低い金属電極が用いられる場合がある。有機薄膜エレク
トロルミネッセンス素子の高効率化のためには、構成す
る各層間のエネルギー障壁の差が小さいことが求められ
る。 【0009】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら前記の従
来の構成では、発光領域への高密度のキャリア注入を行
うために、有機薄膜エレクトロルミネッセンス素子を構
成する各層間のエネルギー障壁が大きく、また、陽極で
あるITOと正孔輸送層との密着性が悪いという問題点
を有していた。特に、エネルギー障壁が大きいことに関
しては、各層間の仕事関数,イオン化ポテンシャルの値
の差に起因する正孔のスムーズな移動の妨げがあり、ま
た、正孔輸送層とその下地である無機層からなる陽極と
の密着性の欠如に関しては、密着性の欠如による各層の
良好な接触が得られないための空間的な電荷移動の損失
がある。実際、正孔輸送層を構成する有機蒸着膜は陽極
を構成するITO等の下地の影響を受けやすい。すなわ
ち、ITOと正孔輸送層の間にはエネルギーダイヤグラ
ム上では見られるエネルギー障壁の他に界面の密着性欠
如による障壁があり、その影響で素子の抵抗が大きくな
り、正孔移動の大きな障害となっていた。そのため、正
孔の注入効率が大きく低下して、発光開始閾値電圧が高
いという問題点を有していた。また、正孔輸送層を構成
する有機化合物層の正孔移動度も有機薄膜エレクトロル
ミネッセンス素子の高効率化に重要で、正孔輸送層の構
成によっては、正孔の移動効率が悪いという問題点を有
していた。 【0010】本発明は上記従来の問題点を解決するもの
で、各層間のエネルギー障壁を小さくし、また、複数の
正孔輸送層の中で発光層と接する正孔輸送層の移動度を
最も高くすることにより、発光開始閾値電圧の低下及び
電流密度対発光輝度特性の向上を図り、発光効率の優れ
た有機薄膜エレクトロルミネッセンス素子を提供するこ
とを目的とする。 【0011】 【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に本発明の請求項1に記載の有機薄膜エレクトロルミネ
ッセンス素子は、基板上に順に積層された、陽極と、有
機化合物からなる正孔輸送層と、有機化合物からなる発
光層と、陰極と、を有する有機薄膜エレクトロルミネッ
センス素子であって、正孔輸送層が正孔輸送能を有する
2層以上の有機化合物の積層構造からなり、正孔輸送層
の中で発光層と接する正孔輸送層の正孔移動度が他の正
孔輸送層よりも大きく、陽極が2層以上の電極層の積層
構造からなり、電極層の中で正孔輸送層と接する電極層
として、1〜30nmの膜厚のカーボン膜を用い、正孔
輸送層の中でカーボン膜と接する有機化合物層のイオン
化ポテンシャルが、カーボン膜の仕事関数よりも小さい
構成を有している。 【0012】 【0013】 【0014】 【0015】ここで、陽極として、カーボン膜の他に、
ITO,SnO:Sb,ZnO:Al等の透明電極が用
いられる。正孔輸送層としては、銅フタロシアニン、
N,N′−ジフェニル−N,N′−ビス(3−メチルフ
ェニル)−1,1′−ジフェニル−4,4′−ジアミン
やポリフィリン系,ジアミン誘導体,ヒゾラジン誘導体
等の正孔輸送能を有する材料等が用いられる。発光層と
しては、トリス(8−ヒドロキシキノリン)アルミニウ
ムやBe,Mg等を中心金属とするキノリノール系金属
錯体等が用いられる。陰極として、Al,InやMgと
Agを10:1の比率で共蒸着したMgAg等の金属が
用いられる。正孔輸送層から陰極までは、一般的にガラ
ス基板上に抵抗加熱蒸着法、EB加熱蒸着法等の真空薄
膜形成技術を用いて連続して形成されることが好まし
い。カーボン膜の膜厚は、1〜30nm、好ましくは、
5〜20nmに形成される。このことにより、より安定
した透明で平滑な密着性のよい膜を形成することができ
る。 【0016】 【作用】この構成によって、正孔輸送層が2層以上の積
層構造を有し、陽極と接する側の正孔輸送層のイオン化
ポテンシャルが陽極の仕事関数よりも小さい構成とした
ため、陽極から正孔輸送層へのエネルギー障壁が極めて
小さくなり、陽極から正孔輸送層への正孔の移動が円滑
に行われる。また、発光層と接する側の正孔輸送層の正
孔移動度を最も高くしたことにより、正孔輸送層から発
光層への正孔の注入が最も効率よく行われる。また、陽
極を2層以上の構成とし、正孔輸送層と接する側の陽極
の仕事関数を最も大きくすることにより、陽極と正孔輸
送層とのエネルギー障壁の差がより小さくなるため、陽
極から正孔輸送層への正孔の注入が容易となる。特に、
陽極を2層構造として、ITOの薄膜の上に窒素やアル
ゴンを分圧導入してスパッタリングすることにより1〜
30nm程度の薄い膜で緻密で平滑な透明なカーボン膜
を積層したことにより、さらに、その上に積層される正
孔輸送層の密着性が著しく改善される。また、陽極とそ
れに接する正孔輸送層のエネルギー障壁に関しては、陽
極のカーボン膜(仕事関数5.2eV)と正孔輸送層で
ある銅フタロシアニン(イオン化ポテンシャル4.9e
V)の間にはエネルギー障壁がほとんどなく効率良く正
孔が注入される。このことにより、素子の低抵抗化が図
れ、正孔の注入、移動が円滑かつ高効率に行われ、有機
薄膜エレクトロルミネッセンス素子の発光開始閾値電圧
の低下や同一電流値における発光輝度特性の向上が実現
でき、有機薄膜エレクトロルミネッセンス素子の高性能
化を図ることができる。 【0017】 【実施例】以下本発明の一実施例について、図面を参照
しながら説明する。 【0018】図1は本発明の一実施例における有機薄膜
エレクトロルミネッセンス素子の要部断面図である。3
は発光層、4は陰極層、5はガラス基板である。これら
は従来例と同様のものなので、同一の符号を付して説明
を省略する。従来例と異なるのは、陽極と正孔輸送層の
構成で、陽極はITOからなる第1電極層1aとカーボ
ン膜からなる第2電極層1bの2層構造から構成され、
正孔輸送層は銅フタロシアニンからなる第1正孔輸送層
2aとTPDからなる第2正孔輸送層2bの2層構造か
ら構成されている。ここで、第2電極層1bの仕事関数
は第1電極層1aの仕事関数よりも大きい材料を用いた
構成をしている。また、発光層3と接する第2正孔輸送
層2bは第1正孔輸送層2aに対して正孔移動度の大き
い材料を用いた構成をしている。また、第1正孔輸送層
2aのイオン化ポテンシャルが第2電極層1bの仕事関
数よりも小さい構成をしている。 【0019】以上のように構成された本発明の一実施例
における有機薄膜エレクトロルミネッセンス素子につい
て、以下その製造方法を説明する。まず、市販のITO
付きのガラス基板5(日本板硝子製、P110E−H−
PX)をパターニングするために王水によりエッチング
し、ITOからなる第1電極層1aが形成される。この
ガラス基板5を洗剤(ユ−アイ化成(株)、ホワイト7
−L)が入った水溶液中で一時間超音波洗浄した後、イ
オン交換水中で1時間超音波洗浄を行い、更に、アセト
ン中で30分間超音波洗浄を行った。そのうえにカーボ
ンをスパッタリングにより5〜20nmの膜厚で第2電
極層1bが形成される。スパッタリング時に窒素、アル
ゴン等のガスをプロセスガスとして導入することによ
り、透明なカーボン膜が形成される。次に、東京化成工
業製のフタロシアニンブルーを用いて真空抵抗加熱蒸着
法により、銅フタロシアニンを10〜20nmの間の膜
厚で第1正孔輸送層2aが形成される。さらに、真空抵
抗加熱蒸着装置により、TPDを40〜60nmの膜厚
で第2正孔輸送層2bを形成する。この正孔輸送層とな
る銅フタロシアニンとTPDは共に0.1〜0.2nm
/secの蒸着レートにより形成される。次にAlqを
40〜80nmの膜厚で積層し発光層3が形成される。
次に、MgとAgを蒸着レート10:1の比でコントロ
ールして共蒸着することにより、MgAg合金電極を1
50〜300nmの膜厚で陰極層4が形成される。ま
た、図1に示す有機薄膜エレクトロルミネッセンス素子
の構成には示していないが、陰極の上に大気中の酸素や
水分の影響を遮断するために、SiOやGeO等の無機
質の酸化物等を封止膜として形成してもよい。ここで、
正孔輸送層から陰極もしくは封止膜までは真空抵抗加熱
蒸着法により連続して形成される。 【0020】以上のように製造された本発明の一実施例
における有機薄膜エレクトロルミネッセンス素子は陽極
と陰極の間に直流電界又は交流電界を印加することによ
り発光する。 【0021】図2に本発明の一実施例における有機薄膜
エレクトロルミネッセンス素子のエネルギーダイヤグラ
ムを示す。図2において、陽極の仕事関数もしくは正孔
輸送層、発光層のイオン化ポテンシャルの値は大気中紫
外光表面分析装置(AC−1)により各層の形成条件と
同じ膜を作成し、その測定値を用いた。ここで、ITO
である第1電極層1aの仕事関数は4.6eV、カーボ
ン膜である第2電極層1bの仕事関数は5.2eV、銅
フタロシアニンである第1正孔輸送層2aのイオン化ポ
テンシャルは4.9eV、TPDである第2正孔輸送層
2bのイオン化ポテンシャルは5.4eV、Alqであ
る発光層3のイオン化ポテンシャルは5.6eVであっ
た。 【0022】まず、陽極層においては、第1電極層1a
(ITO 4.6eV)と第2電極層1b(カーボン
5.2eV)の界面におけるエネルギー障壁は0.6e
Vと比較的大きいが、カーボン膜がスパッタリングによ
り形成されているため、膜が緻密で密着性が良好である
ため、第1電極層1aから第2電極層1bへの正孔の注
入は容易に起こる。また、カーボン膜は窒素やアルゴン
を分圧として導入してスパッタリングすることにより、
5nm以下の薄い膜でも緻密で平滑な膜を形成できる。
すなわち、第2電極層1bのカーボン膜は膜の緻密性、
平滑性に優れるため、第1正孔輸送層2aの銅フタロシ
アニンとの密着性も向上する。ここで、従来例の陽極が
ITOだけの有機薄膜エレクトロルミネッセンス素子の
構成では、陽極であるITOと正孔輸送層の間にはエネ
ルギーダイヤグラム上で見られるエネルギー障壁の他に
ITO等の下地の影響を受けた界面の密着性欠如等によ
る障壁があり、正孔の注入効率は非常に劣っていたのに
対して、本発明の一実施例による構成では、カーボン膜
上に形成される正孔輸送層である有機化合物層の蒸着膜
において、陽極との密着性や平滑性の向上を図ることが
できる。これにより、素子の低抵抗化が図れ、空間的な
電荷移動の損失を小さくでき、正孔の注入、移動の効率
を著しく向上させることができる。さらに、陽極とそれ
に接する正孔輸送層のエネルギー障壁の問題を考えた場
合、本実施例では、第2電極層1bのカーボン膜の仕事
関数は5.2eV、第1正孔層2aの銅フタロシアニン
のイオン化ポテンシャルは4.9eVであり、第1正孔
輸送層2aのイオン化ポテンシャルが第2電極層1bの
仕事関数よりも小さい構成をしている。このため、ほと
んどエネルギー障壁が無く効率よく正孔が注入される。 【0023】(実験例1)以上のようなエネルキーダイ
ヤグラムを有する本発明の一実施例におけるITO/カ
ーボン膜/銅フタロシアニン/TPD/Alq/MgA
gの構成と、比較例1として従来例であるITO/TP
D/Alq/MgAgの構成、比較例2として本発明の
第1実施例に対してカーボン膜のないITO/銅フタロ
シアニン/TPD/Alq/MgAgの構成をもつ有機
薄膜エレクトロルミネッンス素子に対して、印加電圧に
対する発光輝度特性を比較測定した。図3にその結果を
示す。 【0024】この結果から明らかなように、比較例2は
比較例1に対して正孔輸送層の積層効果により発光開始
電圧が8Vから6Vに低下した。さらに本発明の一実施
例においては、さらに陽極と正孔輸送層の間のエネルギ
ー障壁が改善され、発光開始閾値電圧は4Vとさらに低
くなった。 【0025】この比較例1と比較例2により、ITOと
TPDの間に銅フタロシアニンを挿入することによっ
て、エネルギー障壁の差が階段状に構成され、各層間の
エネルギー差が極めて小さくなっている。従って、比較
例2は比較例1に対して、発光開始閾値電圧が2V低下
し、各層間のエネルギー障壁が階段状に小さくなったこ
とによる発光開始閾値電圧の低下を得ることができた。 【0026】さらに、本発明の一実施例は比較例2に対
して、ITOの仕事関数が正孔輸送層のイオン化ポテン
シャルより一般的にかなり小さいため、正孔輸送層と接
するようにカーボン膜を挿入し、陽極を2層以上の電極
層の積層構造として、陽極の電極層の中で正孔輸送層と
接する電極層の仕事関数が他の陽極の電極層よりも大き
くすることにより、大きな仕事関数を有する陽極の電極
層から正孔輸送層に正孔を効率よく注入することができ
た。 【0027】このように本実施例において、正孔輸送層
を2層の積層構造とし、さらに、正孔輸送層と接するよ
うにカーボン膜を挿入し、陽極を2層以上の電極層の積
層構造として、陽極の電極層の中で正孔輸送層と接する
電極層の仕事関数を他の陽極の電極層よりも大きくする
ことにより、正孔輸送層の中で陽極と接する有機化合物
層のイオン化ポテンシャルが、正孔輸送層と接する陽極
の仕事関数よりも小さくなり、大きな仕事関数を有する
陽極の電極層から正孔輸送層に正孔を注入することによ
り、陽極と正孔輸送層の正孔注入効率を向上させること
ができ、発光開始閾値電圧の著しい低下を得ることがで
きた。 【0028】次に、本発明の一実施例における有機薄膜
エレクトロルミネッセンス素子の正孔輸送層の正孔移動
度について以下に説明する。本発明の一実施例におい
て、発光層と接する正孔輸送層に正孔移動度の最も大き
い材料を用いた構成をしている。正孔移動度はタイムオ
ブフライト(T.O.F:Time Of Flight)法により測
定される。ここで、電子写真のOPC材料の評価に用い
られる方法では、バインダー材の中に分散された系での
測定値が得られている。正孔輸送層であるTPDは正孔
移動度が最も高い材料の1つとして知られ、ビスフェノ
ールAポリカーボネートと1:1の混合物のキャスト膜
について測定された値として、移動度μp=1.2×1
-5cm2 /Vs(電界E=2.5×105 V/cm)
が報告されている。有機薄膜エレクトロルミネッセンス
素子で用いられる蒸着膜の状態ではキャリアのトラップ
等が減る分、同一電界では、もう1桁ほど移動度が向上
することが予想される。これに対して、銅フタロシアニ
ンについては蒸着膜についての測定を行った結果、移動
度μp =4.3×10-6cm2 /Vs(電界E=3.5
×105 V/cm)であった。銅フタロシアニンは蒸着
膜で、しかも電界も若干大きい条件にもかかわらず、1
桁ほどTPDのキャスト膜に対して、移動度が劣ってい
た。TPDの蒸着膜では移動度が大きく、キャリアの到
達時間が短いため、観測系の精度の問題により、精密な
測定ができにくいため、正確な比較はできなかった。し
かし、蒸着膜同士の比較では、2桁ほど移動度が違って
いることが推測される。このように、正孔移動度がかな
り違う材料を有機薄膜エレクトロルミネッセンス素子の
正孔輸送層に用いた場合、発光輝度特性は同一の発光層
を用いた場合でも差が生じている。 【0029】(実験例2)実験例2として、正孔輸送層
の正孔移動度の効果を調べるため、正孔輸送層の構成の
条件として、有機薄膜エレクトロルミネッセンス素子に
流れる電流密度対発光輝度特性を測定比較した。比較例
3として従来のITO/TPD/Alq/MgAgの構
成による素子、比較例4としてITO/銅フタロシアニ
ン/Alq/MgAgの構成による素子、比較例5とし
てITO/銅フタロシアニン/TPD/Alq/MgA
gの構成による素子を用いた。この結果を図4に示す。 【0030】この結果から明らかなように、比較例3と
比較例4により、正孔輸送層の材料の違いにより一定電
流密度に対する輝度特性に差があることが判った。すな
わち、銅フタロシアニンに対し、正孔移動度の大きなT
PDは高効率な有機薄膜エレクトロルミネッセンス素子
が得られている。また、比較例5は正孔輸送層が銅フタ
ロシアニン/TPDの積層構造で正孔移動度の小さい銅
フタロシアニンがあるにもかかわらず、TPDが発光層
の隣にあることによりTPD単独で正孔輸送層を構成し
た有機薄膜エレクトロルミネッセンス素子と同じ電流密
度対発光輝度特性が得られている。すなわち、正孔輸送
層の材料の違いにより一定電流密度に対する輝度特性に
差があり、正孔移動度の大きなTPDは銅フタロシアニ
ンに対して高効率の有機薄膜エレクトロルミネッセンス
素子が得られている。このように、発光層に近接する正
孔輸送層の正孔移動度が有機薄膜エレクトロルミネッセ
ンス素子の電流密度対発光輝度特性を左右し、その位置
に最も大きな正孔移動度を有する正孔輸送層を配するこ
とにより極めて良好な電流密度対発光輝度特性を得るこ
とができる。このように、陽極と接する正孔輸送層に正
孔移動度の小さい銅フタロシアニンを用いて、陽極から
の正孔輸送層への正孔の注入効率を高め、更に、発光層
に接する正孔輸送層に正孔移動度の最も大きいTPDを
用いることによって、正孔輸送層から発光層への正孔の
注入効率を更に高めることができた。 【0031】このように本実施例において、発光層に接
する正孔輸送層の正孔移動度が有機薄膜エレクトロルミ
ネッセンス素子の電流密度対発光輝度特性を左右し、そ
の位置に最も大きな正孔移動度を有する正孔輸送層を配
したことにより、高効率な有機薄膜エレクトロルミネッ
センス素子を得ることができた。 【0032】 【発明の効果】以上のように本発明は、陽極と接する正
孔輸送層の有機化合物のイオン化ポテンシャルが、正孔
輸送層と接する陽極の仕事関数よりも小さくしたことに
より、陽極と正孔輸送層の界面のエネルギー障壁が低下
し、正孔輸送層、さらに発光層への正孔の注入が効率よ
く行われ、発光開始閾値電圧の低下や電流密度に対する
発光輝度特性が向上するため、高効率である優れた有機
エレクトロルミネッセンス素子を実現することができ
る。特に、正孔輸送層と接する陽極にカーボン膜を用い
ることにより、界面の平滑性及び密着性が向上し、接触
抵抗を低下させ、正孔注入効率を高くすることができ、
より発光輝度の高い優れた有機薄膜エレクトロルミネッ
センス素子を実現することができる。また、発光層に近
接する正孔輸送層に正孔移動度の最も高い有機化合物層
を配することにより発光層への正孔の注入が効率よく行
われるため、高効率である優れた有機薄膜エレクトロル
ミネッセンス素子を実現することができる。
【図面の簡単な説明】 【図1】本発明の一実施例における有機薄膜エレクトロ
ルミネッセンス素子の要部断面図 【図2】本発明の一実施例における有機薄膜エレクトロ
ルミネッセンス素子のエネルギーダイヤグラム 【図3】本発明の一実施例及び比較例における印加電圧
に対する発光輝度特性図 【図4】比較例における電流密度に対する発光輝度特性
図 【図5】従来の有機薄膜エレクトロルミネッセンス素子
の要部断面図 【図6】図5における従来の有機薄膜エレクトロルミネ
ッセンス素子のエネルギーダイヤグラム 【符号の説明】 1,1a,1b 陽極層 2,2a,2b 正孔輸送層 3 発光層 4 陰極層 5 ガラス基板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平8−167479(JP,A) 特開 平6−5369(JP,A) 特開 平6−200244(JP,A) 特開 昭63−295695(JP,A) 特開 平5−125361(JP,A) 特開 平6−158040(JP,A) 特開 平7−130468(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H05B 33/00 - 33/28

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 基板上に順に積層された、陽極と、有機
    化合物からなる正孔輸送層と、有機化合物からなる発光
    層と、陰極と、を有する有機薄膜エレクトロルミネッセ
    ンス素子であって、 前記正孔輸送層が正孔輸送能を有する2層以上の有機化
    合物の積層構造からなり、前記正孔輸送層の中で前記発
    光層と接する正孔輸送層の正孔移動度が他の正孔輸送層
    よりも大きく、 前記陽極が2層以上の電極層の積層構造からなり、前記
    電極層の中で前記正孔輸送層と接する電極層として、1
    〜30nmの膜厚のカーボン膜を用い、 前記正孔輸送層の中で前記カーボン膜と接する有機化合
    物層のイオン化ポテンシャルが、前記カーボン膜の仕事
    関数よりも小さいことを特徴とする有機薄膜エレクトロ
    ルミネッセンス素子。
JP02415895A 1995-02-13 1995-02-13 有機薄膜エレクトロルミネッセンス素子 Expired - Lifetime JP3427539B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP02415895A JP3427539B2 (ja) 1995-02-13 1995-02-13 有機薄膜エレクトロルミネッセンス素子

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP02415895A JP3427539B2 (ja) 1995-02-13 1995-02-13 有機薄膜エレクトロルミネッセンス素子

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH08222373A JPH08222373A (ja) 1996-08-30
JP3427539B2 true JP3427539B2 (ja) 2003-07-22

Family

ID=12130538

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP02415895A Expired - Lifetime JP3427539B2 (ja) 1995-02-13 1995-02-13 有機薄膜エレクトロルミネッセンス素子

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3427539B2 (ja)

Families Citing this family (17)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH08138868A (ja) * 1994-09-16 1996-05-31 Ricoh Co Ltd 有機薄膜el素子
JP3764218B2 (ja) * 1996-10-01 2006-04-05 出光興産株式会社 有機電界発光素子
JP2001167886A (ja) 1999-12-13 2001-06-22 Nec Corp 有機エレクトロルミネッセンス素子
JP2001284059A (ja) * 2000-03-29 2001-10-12 Honda Motor Co Ltd 透明電極、有機エレクトロルミネッセンス素子、透明電極処理装置および透明電極の処理方法
JP2002216976A (ja) * 2001-01-15 2002-08-02 Sony Corp 発光素子及びその製造方法
JP4994564B2 (ja) * 2001-03-02 2012-08-08 ザ、トラスティーズ オブ プリンストン ユニバーシティ 二重ドープ層燐光有機発光装置
US6737177B2 (en) * 2001-11-08 2004-05-18 Xerox Corporation Red organic light emitting devices
JP2004362914A (ja) 2003-06-04 2004-12-24 Idemitsu Kosan Co Ltd 有機エレクトロルミネッセンス素子及びそれを用いた表示装置
JP4969086B2 (ja) * 2004-11-17 2012-07-04 富士フイルム株式会社 有機電界発光素子
JP4854279B2 (ja) * 2005-11-25 2012-01-18 東芝モバイルディスプレイ株式会社 有機el表示装置及びその製造方法
JP5105739B2 (ja) * 2005-11-25 2012-12-26 株式会社ジャパンディスプレイセントラル 有機el表示装置及びその製造方法
JP4915913B2 (ja) * 2006-11-13 2012-04-11 パナソニック株式会社 有機エレクトロルミネッセンス素子
JP5277588B2 (ja) * 2007-08-21 2013-08-28 東ソー株式会社 有機el素子
JP5551344B2 (ja) * 2008-05-23 2014-07-16 ローム株式会社 有機el素子
JP2010287565A (ja) * 2009-05-14 2010-12-24 Mitsubishi Materials Corp 上部発光型有機EL素子の陽極層を形成するAl合金反射電極膜
DE102009047883A1 (de) * 2009-09-30 2011-03-31 Osram Opto Semiconductors Gmbh Optoelektronisches organisches Bauelement und Verfahren zu dessen Herstellung
US20220384754A1 (en) * 2019-11-12 2022-12-01 Sharp Kabushiki Kaisha Light-emitting element and light-emitting device

Also Published As

Publication number Publication date
JPH08222373A (ja) 1996-08-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3427539B2 (ja) 有機薄膜エレクトロルミネッセンス素子
US6551725B2 (en) Inorganic buffer structure for organic light-emitting diode devices
JP4292246B2 (ja) 有機電界発光素子及びその製造方法
US7161295B2 (en) Display device with cathode containing lithium
US6797129B2 (en) Organic light-emitting device structure using metal cathode sputtering
WO2001058222A1 (en) Organic electroluminescent element and method of manufacture thereof
JPH08102360A (ja) 有機無機複合薄膜型電界発光素子
JPH0741759A (ja) 有機エレクトロルミネッセンス素子
JPH02250292A (ja) 電界発光素子
US20030129447A1 (en) Sputtered cathode having a heavy alkaline metal halide-in an organic light-emitting device structure
EP1715728A1 (en) Organic electroluminescent device
JPWO2007004563A1 (ja) 有機エレクトロルミネッセンス素子
WO2004091262A1 (ja) 有機エレクトロルミネッセンス素子及び有機エレクトロルミネッセンスディスプレイ
WO2004082338A1 (ja) 有機エレクトロルミネッセンス素子及び有機エレクトロルミネッセンスディスプレイ
JPH04137485A (ja) 電界発光素子
US20070108898A1 (en) Organic electroluminescence device
JP4578642B2 (ja) 有機発光素子
US6917158B2 (en) High-qualty aluminum-doped zinc oxide layer as transparent conductive electrode for organic light-emitting devices
JP3531680B2 (ja) 有機el素子の製造方法
JPH10335066A (ja) 有機電界発光素子およびこれを用いたフラットパネルディスプレイ
JP3967946B2 (ja) 有機電界発光素子
JPH03141588A (ja) 電界発光素子
JP2003133080A (ja) 発光素子
JP2003282265A (ja) 有機電界発光素子
JPH10223372A (ja) 有機電界発光素子およびこれを用いたフラットパネルディスプレイ

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090516

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100516

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110516

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110516

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120516

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120516

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130516

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130516

Year of fee payment: 10

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

EXPY Cancellation because of completion of term