JPH11260552A - 有機el素子 - Google Patents

有機el素子

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Publication number
JPH11260552A
JPH11260552A JP10063512A JP6351298A JPH11260552A JP H11260552 A JPH11260552 A JP H11260552A JP 10063512 A JP10063512 A JP 10063512A JP 6351298 A JP6351298 A JP 6351298A JP H11260552 A JPH11260552 A JP H11260552A
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JP
Japan
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group
rare earth
earth metal
complex
carbon atoms
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Pending
Application number
JP10063512A
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English (en)
Inventor
Seiya Hasegawa
靖哉 長谷川
Yuichiro Kawamura
祐一郎 河村
Yuji Wada
雄二 和田
Shozo Yanagida
祥三 柳田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
New Japan Chemical Co Ltd
Original Assignee
New Japan Chemical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】発光特性に優れたEL素子を提供する。 【解決手段】一般式(I) 【化1】(R1COCR2COR33M (I) 〔式中、R1、R3は同一または異なって炭素数1〜20
のパーフルオロアルキル基、炭素数2〜20のパーフル
オロアルケニル基、パーフルオロアリール基、パーフル
オロアラルキル基を示す。Mは希土類金属を示す。R2
は水素、炭素数1〜20のパーフルオロアルキル基、炭
素数2〜20のパーフルオロアルケニル基、パーフルオ
ロアリール基、パーフルオロアラルキル基、炭素数3〜
20のパーフルオロシクロアルキル基、炭素数3〜20
のパーフルオロシクロアルケニル基、ハロゲン原子、シ
アノ基を示す。〕で表される希土類金属錯体を発光材料
として用いることを特徴とする有機EL素子。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、有機EL素子に関
する。
【0002】
【従来の技術およびその課題】有機EL素子の発光剤と
しては、種々のものが用いられ、希土類錯体型のEL素
子として、例えば特開平1−256584号公報には希
土類金属とβ−ジケトン類との希土類錯体が幅広く記載
されている。ところが、前記公報中で例示されているβ
−ジケトン類は、その側鎖官能基として多様なもの、即
ちアルキル基、ハロゲン化アルキル基、アリール基及び
複素環式基が同列で記載されており、従って、EL素子
としての性能もそれらの官能基に差異は存在しない内容
の開示がされている。
【0003】しかしながらこれらの化合物のうち側鎖官
能基中にCH結合を有する金属錯体は、金属の光励起状
態から高振動C−H伸縮(3500cm-1)への振動励起
に起因するエネルギー失活が起こるため、金属の励起状
態が短寿命化し、発光量子効率及び寿命が小さくなる。
その結果、発光強度が弱くなる傾向にある(Hasegawaet
al,J.Physical.Chem.100巻、10201頁、19
96年)。
【0004】従って、エネルギーの損失が少なく、発光
強度の強い有機EL素子の開発が求められていた。
【0005】本発明は、発光効率の高い有機EL素子を
提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、希土類金属
錯体の強発光を実現するため検討を重ねた結果、意外に
もジケトン配位子の側鎖官能基の全ての水素原子をフッ
素化することにより、錯体が低振動化され、発光強度が
著しく強くなることを見出した。
【0007】本発明は、以下の有機EL素子を提供する
ものである。
【0008】項1. 一般式(I)
【0009】
【化3】(R1COCR2COR33M (I) 〔式中、R1、R3は同一または異なって炭素数1〜20
のパーフルオロアルキル基、炭素数2〜20のパーフル
オロアルケニル基、パーフルオロアリール基、パーフル
オロアラルキル基を示す。Mは希土類金属を示す。R2
は水素、炭素数1〜20のパーフルオロアルキル基、炭
素数2〜20のパーフルオロアルケニル基、パーフルオ
ロアリール基、パーフルオロアラルキル基、炭素数3〜
20のパーフルオロシクロアルキル基、炭素数3〜20
のパーフルオロシクロアルケニル基、ハロゲン原子、シ
アノ基を示す。〕で表される希土類金属錯体を発光材料
として用いることを特徴とする有機EL素子。
【0010】項2. 一般式(I)
【0011】
【化4】(R1COCR2COR33M (I) 〔式中、R1、R2、R3及びMは前記に定義された通り
である。〕 で表される希土類金属錯体を含む、基体上に形成された
薄膜有機EL素子。
【0012】項3. 項1または2に記載の有機EL素
子を備えたディスプレイ。
【0013】項4. 項1の希土類金属錯体に芳香族化
合物が更に配位してなる有機EL素子。
【0014】
【発明の実施の形態】炭素数1〜20のパーフルオロア
ルキル基としては、トリフルオロメチル、ペンタフルオ
ロエチル、n−ヘプタフルオロプロピル、ヘプタフルオ
ロイソプロピル、n−ノナフルオロブチル、sec−ノ
ナフルオロブチル、t−ノナフルオロブチル、ウンデカ
フルオロペンチル、ドデカフルオロヘキシル、C
817、C1021、C1225、C1429、C1633、C
1837、C2041などが挙げられる。
【0015】炭素数1〜20のパーフルオロアルケニル
基としては、パーフルオロビニル、パーフルオロアリ
ル、パーフルオロブテニル、パーフルオロペンテニル、
パーフルオロヘキセニル、パーフルオロデセニル、パー
フルオロドデセニル、パーフルオロヘキサデセニル、パ
ーフルオロオクタデセニル、パーフルオロエイコセニル
などが挙げられる。
【0016】パーフルオロアリール基としては、パーフ
ルオロフェニル、パーフルオロトルイル、パーフルオロ
キシリル、パーフルオロナフチル、パーフルオロビフェ
ニルなどが挙げられる。
【0017】パーフルオロアラルキル基としては、パー
フルオロベンジル、パーフルオロフェネチル等が挙げら
れる。
【0018】パーフルオロシクロアルキル基としては、
パーフルオロシクロペンチル、パーフルオロシクロプロ
ピル、パーフルオロシクロヘキシルなどの炭素数3〜2
0のパーフルオロシクロアルキル基が挙げられる。
【0019】パーフルオロシクロアルケニル基として
は、パーフルオロシクロペンテニル、パーフルオロシク
ロヘキセニルなどの炭素数3〜20のパーフルオロシク
ロアルケニル基が挙げられる。
【0020】Rがパーフルオロアルケニル基である一般
式(I)の希土類錯体を必要に応じてテトラフルオロエチ
レン、ヘキサフルオロプロピレンなどの炭素数1〜20
のパーフルオロオレフィンと重合させて高分子希土類錯
体としてもよい。
【0021】前記パーフルオロアリール基、パーフルオ
ロアラルキル基の芳香環に結合したフッ素原子の1また
は複数は、シアノ、ニトロ、ニトロソ、C1〜C4パーフ
ルオロアルコキシ、C1〜C4パーフルオロアルキル、C
2〜C5パーフルオロアルコキシカルボニル、C2〜C20
パーフルオロアルキルカルボニルオキシ等の水素原子を
含まない置換基で置換されていてもよい。
【0022】また、C1〜C20パーフルオロアルキル
基、C2〜C20パーフルオロアルケニル基、C3〜C20
ーフルオロシクロアルキル基、C3〜C20パーフルオロ
シクロアルケニル基、の任意の位置のC−C単結合の間
に−O−、−COO−、−CO−、を1個または複数個
介在させて、エーテル、エステルまたはケトン構造とし
てもよい。
【0023】Mで表される希土類元素としては、La、
Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、D
y、Ho、Er、Tm、Yb、Luなどのランタン系列
元素が挙げられ、好ましくはNd、Eu、TbおよびY
b、より好ましくはEu及びTbが挙げられる。
【0024】本発明の錯体と結合する配位子は、例えば
以下のスキーム1のようにして合成できる。
【0025】スキーム1
【0026】
【化5】
【0027】〔式中、R1、R3は前記に同じ。X及びR
2bはハロゲン原子を示す。R2aはハロゲン原子以外のR
2の各置換基を示す。〕 ケトン化合物(1)をエステル化合物(2)と、溶媒中
塩基の存在下に反応させてジケトン化合物(3)を得
る。反応は、ケトン化合物(1)1モルに対し、エステ
ル化合物(2)1〜2モル程度、塩基を1モル〜過剰量
用い、−78℃から溶媒の還流する温度下に1〜24時
間反応させることにより、ジケトン化合物(3)を得
る。塩基としては、ナトリウムアルコキシド、NaH、
ブチルリチウム、リチウムジイソプロピルアミド(LD
A)などが用いられ、溶媒としては、THF、エーテル
等のエーテル系溶媒、DMF、DMSO、ホルムアミド
などが挙げられる。
【0028】ジケトン化合物(3)を溶媒中塩基の存在下
にR2a−Xと反応させて、化合物(4)を得る。反応は、
化合物(3)の化合物1モルに対し、R−Xを1モル程
度、塩基を1モル〜過剰量用い、−78℃から溶媒の還
流する温度下に1〜24時間反応させることにより、一
般式(4)の化合物を得る。塩基としては、ナトリウム
アルコキシド、NaH、ブチルリチウム、LDAなどが
用いられ、溶媒としては、THF、エーテル等のエーテ
ル系溶媒、DMF、DMSO、ホルムアミドなどが挙げ
られる。
【0029】化合物(3)を溶媒中塩基の存在下にハロ
ゲン化剤と反応させて、化合物(5)を得る。反応は、化
合物(3)1モルに対し、ハロゲン化剤を1モル程度用
い、氷冷下〜室温程度の温度下に30分〜5時間反応さ
せることにより、化合物(5)を得る。ハロゲン化剤とし
ては、臭素、塩素、フッ素などの分子状ハロゲン、N−
ブロムコハク酸イミド、N−クロロコハク酸イミド、N
−フルオロコハク酸イミドなどが用いられ、溶媒として
は、クロロホルム、四塩化炭素、塩化メチレン、アセト
ン、エーテル、THFなどが挙げられる。
【0030】一般式(I)で表される本発明の錯体は、
式(3)〜(5)の配位子と、希土類金属酸化物、希土
類金属水酸化物、希土類金属アルコキシド、希土類金属
アミド及び希土類金属塩からなる群から選ばれる少なく
とも1種の希土類金属化合物を、例えば溶媒中で混合し
て製造することができる。
【0031】一般式(I)で表される希土類錯体の具体
的な製造方法は以下の通りである。
【0032】即ち、式(3)〜(5)の配位子を溶媒に
溶かし、さらに希土類金属化合物(粉末状顆粒状等の形
態を問わない)を加え、室温〜100℃の温度下、1時
間〜100時間程度撹拌する。次いで生成物を晶析或い
は液−液抽出等の精製手段を行うことにより希土類錯体
を得ることができる。更に、クロロホルム、メタノール
等の溶媒を用いて再結晶を行っても差し支えない。
【0033】希土類金属化合物中、希土類金属酸化物と
しては、3価であるM23(Mは希土類元子を示す。)
が挙げられるが、MO、M47等の他の形態の酸化物を
使用してもよい。同様に希土類金属水酸化物としてはM
(OH)n1が例示され;希土類金属アルコキシドとして
は、M(OR1)n1(R1は、アルキル基)が例示され;
希土類金属アミドとしては、M(NRab3(Ra及び
bは同一又は異なって水素、アルキル、フェニル)が
例示され;希土類金属塩としてはM3+(Z)n1(Zは塩
素イオン、臭素イオン、ヨウ素イオン、フッ素イオン、
1/2硫酸イオン、硝酸イオン、酢酸イオン等のモノカル
ボン酸イオン、1/2(シュウ酸イオン、コハク酸イオ
ン、マロン酸イオンなどのジカルボン酸イオン)、1/3
(クエン酸などのトリカルボン酸イオン)、1/3リン酸
イオン等の陰イオン)が例示される(n1は前記に定義
された通りである)。
【0034】一般式(I)で表される錯体を製造するに
際し用いる溶媒としては、特に限定されず、いずれの溶
媒でも用いることが可能である。具体的にはプロトン性
溶媒、非プロトン性溶媒が挙げられる。プロトン性溶媒
としては、水、メタノール、エタノール糖のアルコール
性溶媒が挙げられ、非プロトン性溶媒としてはアセト
ン、メチルエチルケトン等のケトン系溶媒、ジエチルエ
ーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒、クロ
ロホルム、塩化メチレン等のハロゲン系溶媒、DMS
O、DMF等が挙げられる。中でも水が好ましい。ま
た、用いる溶媒の量としては、配位子と希土類金属化合
物の総量(1重量部とする)に対して1〜100重量部
程度が例示され、好ましくは1〜20重量部程度であ
る。
【0035】一般式(I)で表される希土類錯体を製造
するに際し用いられる希土類金属化合物の量としては、
式(3)〜(5)の配位子1当量に対し1〜10当量で
あり、好ましくは1.05〜3当量である。
【0036】一般式(I)の希土類錯体に更に配位でき
る芳香族化合物としては、フェナントロリン、ポリフィ
リン、クマリン、キナクリドン、キナゾリン、キノリ
ン、ビピリジン等が挙げられる。これらの配位子は、通
常希土類錯体1分子に対し1分子配位する。
【0037】EL素子は、通常、基体、透明電極(陽
極)、ホール輸送層、発光層、電子輸送層、そして背面
電極(陰極)とからなっている(高分子機能材料シリー
ズ6、光機能材料、232頁、高分子学会編、共立出版
株式会社)。
【0038】基体としては、ガラス、プラスチックフィ
ルム、金属薄膜等が挙げられる。基体はEL素子の片側
のみでも、両側でサンドイッチしてもよい。EL素子の
両側に基体を配置する場合、一方の基体は透明性を有す
ることが好ましい。
【0039】透明電極(陽極)としては、インジウムス
ズオキシド(ITO)、In23、SnO2、TiO2
ZnOなどの材料が用いられ、好ましくはITOが挙げ
られる。これらの透明電極は通常、真空蒸着、スパッタ
法又はソルゲル法にて薄膜形成する。陽極の厚みとして
は10nm〜500nmが例示される。
【0040】ホール輸送層としては、アミン化合物が用
いられ、例えば、TPD(Bis-(3-methylphenyl)-N,N'-
diphenylbenzidine;Appl.Phys.Lett. 57巻、531頁、19
90年)、フェニレンジアミン(米国特許3180729
号、同4278746号、特開平3−152897
号)、トリフェニルアミン(特開昭63−295695
号、特開平3−152897号)等が例示される。ホー
ル輸送層は、通常蒸着法、スピンコート法等により薄膜
形成する。その厚みとしては、10nm〜500nmが
例示される。
【0041】本発明に係るEL素子は発光層として一般
式(1)で表される希土類錯体を用いる。
【0042】当該希土類錯体は、公知の方法により薄膜
形成することが可能であり、具体的には、真空蒸着、ス
ピンコート法、キャスト法、LB(ラングミュア・ブロ
ジェット)法等の方法による。中でも、膜の均一性の面
からは真空蒸着法が好ましい。
【0043】発光層の厚みとしては10nm〜5μmが
例示され、好ましくは20nm〜500nmである。
【0044】電子輸送層には、通常PBD(2-[4-Biphe
nylyl]-5-[4-tert-butylphenyl]-1,3,4-oxadiazole;Ap
pl.Phys.Lett. 57巻、531頁、1990年)、ニトロ置換フ
ルオレノン誘導体(特開平3−152897号)、アン
トラキノジメタン誘導体(特開平3−152897
号)、ジフェニルキノン誘導体(特開平3−15289
7号)、アントロン誘導体(特開平3−152897
号)等が用いられ、その厚みとしては20nm〜500
nmが例示できる。
【0045】背面電極(陰極)としては、リチウム、ア
ルミニウム、マグネシウム、銀等が挙げられ、コントラ
ストを増大するため黒色電極(Al−Ge、MnO2
等も使用できる。陰極の厚みとしては、10nm〜50
0nmが例示される。
【0046】一方、本発明に係るEL素子は、一般式
(1)で表される希土類錯体を発光層として含む構造で
あれば特に制限されず、上記構造のうち、ホール輸送
層、電子輸送層等を有しない構造であっても差し支えな
い。
【0047】具体的には、El素子は図1に示されるよ
うに陽極と陰極とをサンドイッチして使用することがで
きる。図1では陽極としてITOを用い、ホール輸送層
としてTPDを、発光層としてEu(CF3COCHC
OCF33を、更に陰極としてAlを用いている。
【0048】EL素子はディスプレイ、パイロットラン
プ、ELレーザーなどへ応用することができる。
【0049】
【発明の効果】本発明によれば、既存の有機EL素子と
比べて発光強度の強いEL素子を得ることができる。
【0050】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づきより詳細に説
明するが、本発明はこれら実施例に限定されない。
【0051】実施例1:Eu(CF3COCHCOC
33錯体の合成 市販のCF3COCH2COCF3(5g、24mmo
l)を30mlの蒸留水に溶かし、Eu(NO33・6H
2O(5g、11mmol)を加え、室温で3日間撹拌
した。沈殿した固体を濾過、水洗後、エーテルに溶解さ
せて遠心分離し、濾過を行って未反応のEu(NO33
を除去した。次いで、エーテル層を水洗した後、Mg2
SO4上で乾燥した。エーテルを留去して目的の錯体
(Eu(CF3COCHCOCF33;白色固体)を得
た。固体を得たのち、CHCl3/MeOHにより再結
晶を行った。得られた錯体は、示差熱分析(DSC)に
より、2水和物であることを確認した。
【0052】得られた錯体のIRスペクトルを図2に示
す。
【0053】比較例1:Eu(CH3COCHCOC
33錯体の合成 CF3COCH2COCF3をCH3COCH2COCH3
代えた他は実施例1と同様にしてEu(CH3COCH
COCH33錯体を得た。
【0054】得られた錯体のIRスペクトルを図3に示
す。
【0055】実施例1で得た錯体と比較すると、比較例
1で得た錯体は、2950cm-1付近にCH−伸縮のピ
ークが観察され、これは実施例1で得た錯体の1200
〜1000cm-1付近のCF−伸縮ピークよりも高波数
である。
【0056】このことは、CH結合を多く有する錯体
は、CH伸縮によるエネルギーの損失が大きいが、CH
結合が1または0である本発明の錯体は、CF伸縮が低
波数であり、エネルギーの損失が少ないことを示すと予
測される。
【0057】実施例2:EL素子の製造 市販のITO(インジウムスズオキシド)付きガラス基
体を特開平9−245967号記載の方法により処理
し、ITO電極を調製した。この電極(陽極)に、TP
Dを真空蒸着(膜厚50nm)し、次いで実施例1で得
たEu(CF3COCHCOCF33錯体を真空蒸着し
た(膜厚50nm)。次に、アルミニウムを真空蒸着
(膜厚50nm)し、陰極とした。真空蒸着は、真空蒸
着装置(VPC260;真空機工社製)を用い、2×1
-5Torr、蒸着速度0.1〜0.2nm/secの条件
で行った。得られたEL素子の構造を図1に示す。
【0058】該素子に電流を流すと、620nmの強い
発光が認められた。結果を表1に示す。
【0059】また、得られたEL素子の電圧、電流、発
光強度の関係を図4に示す。また、発光検知システムを
図5に示す。
【0060】実施例3:EL素子の製造 実施例2と同様に処理したITO(インジウムスズオキ
シド)電極(陽極)に、TPDを真空蒸着(膜厚50n
m)し、次いで実施例1で得たEu(CF3COCHC
OCF33錯体を真空蒸着した(膜厚50nm)。次
に、マグネシウムおよび銀を共蒸着(膜厚50nm)
し、陰極とした。
【0061】該素子に電流を流すと、620nmの強い
発光が認められた。結果を表1に示す。
【0062】上記の錯体に代えて、Eu(C25COC
HCOC253、Eu(C65COCH2COC65
3、Eu(CF3COCHCOC653、を用いて同様
に強い発光を有するEL素子が製造される。
【0063】実施例4:EL素子の製造 実施例1で得たEu(CF3COCHCOCF33錯体
をPBDと真空共蒸着した以外は、実施例2と同様にし
てEL素子を得た。
【0064】比較例2:EL素子の製造 実施例1で得たEu(CF3COCHCOCF33錯体
に代えて比較例1で得たEu(CH3COCHCOC
33錯体を用いた他は実施例2と同様にしてEL素子
を得た。該素子に電流を流したが、発光の程度は弱かっ
た。結果を表1に示す。
【0065】
【表1】EL素子 発光の強さ 実施例2 ○ 実施例3 ○比較例1 × なお、表1中、”○”は強い光が肉眼で明瞭に観察でき
ることを示し、”×”は弱い光しか肉眼で観察できない
ことを示す。
【0066】なお、比較例1のEu(CH3COCHC
OCH33錯体と同様にして一方のメチル基をトリフル
オロメチル基で置換したEu(CH3COCHCOC
33錯体を製造し、該錯体を用いたEL素子を実施例
2と同様にして製造及び発光させると、その発光の程度
は実施例1のEu(CF3COCHCOCF33錯体及
び比較例1のEu(CH3COCHCOCH33錯体の
中間の発光の強さを有している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のEL素子の一例を示す図である。
【図2】実施例1で得た錯体のIRスペクトルである。
【図3】比較例1で得た錯体のIRスペクトルである。
【図4】実施例2で得たEL素子の印加電圧(Voltag
e)、EL素子を流れた電流(Current)、発光強度(Intens
ity)の関係を示す図である。
【図5】実施例2の発光検知システムの図である。図5
のシステムは、積分球中にEL素子を導入し、減圧下印
加電圧を加えることにより、EL素子が発光する。この
発光を、bandpass filter(VPF-25C-40-50-60000, シグ
マ光機社製、600nm±15nmの光を通過)を通過させた
後、フォトマルチプライヤー(689型、愛宕物産社
製)により検知する。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式(I) 【化1】(R1COCR2COR33M (I) 〔式中、R1、R3は同一または異なって炭素数1〜20
    のパーフルオロアルキル基、炭素数2〜20のパーフル
    オロアルケニル基、パーフルオロアリール基、パーフル
    オロアラルキル基を示す。Mは希土類金属を示す。R2
    は水素、炭素数1〜20のパーフルオロアルキル基、炭
    素数2〜20のパーフルオロアルケニル基、パーフルオ
    ロアリール基、パーフルオロアラルキル基、炭素数3〜
    20のパーフルオロシクロアルキル基、炭素数3〜20
    のパーフルオロシクロアルケニル基、ハロゲン原子、シ
    アノ基を示す。〕で表される希土類金属錯体を発光材料
    として用いることを特徴とする有機EL素子。
  2. 【請求項2】一般式(I) 【化2】(R1COCR2COR33M (I) 〔式中、R1、R2、R3及びMは前記に定義された通り
    である。〕で表される希土類金属錯体を含む、基体上に
    形成された薄膜有機EL素子。
  3. 【請求項3】請求項1または2に記載の有機EL素子を
    備えたディスプレイ。
  4. 【請求項4】請求項1の希土類金属錯体に芳香族化合物
    が更に配位してなる有機EL素子。
JP10063512A 1998-03-13 1998-03-13 有機el素子 Pending JPH11260552A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2002033022A3 (en) * 2000-10-18 2002-07-04 Gen Electric Lanthanide complexes for phosphor applications
CN103694266A (zh) * 2014-01-02 2014-04-02 华东理工大学 一种氢键型稀土金属铕配合物荧光材料及其制备方法
JPWO2012150712A1 (ja) * 2011-05-02 2015-02-23 国立大学法人北海道大学 希土類錯体ポリマー及びプラスチック成形体

Cited By (3)

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