JP4308560B2 - 有機金属錯体、その配位子、および有機el素子 - Google Patents

有機金属錯体、その配位子、および有機el素子 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、有機金属錯体、それらの配位子、それらの製造法、および電極からの電荷の注入により発光するエレクトロルミネッセンス(EL)を利用する発光装置であって、有機薄膜を発光層として用いる有機エレクトロルミネッセンス(EL)素子に関し、表示素子、ディスプレイ、バックライト、電子写真、照明光源、記録光源、露光光源、読み取り光源、標識、看板、インテリア等の分野に好適に使用できる発光素子に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、有機EL素子の高効率化の方策として、熱的に失活しほとんど利用することができなかった励起三重項状態を、d電子を持つ金属錯体を利用して室温でも高効率発光を示す有機金属錯体を発光材料として使用する事が試みられている。例えば、トリス(2フェニルピリジン)イリジウム(III)錯体が開示され(例えば、非特許文献1、特許文献1、特許文献2参照)、これを発光層のドーパントに用いた有機EL素子が外部量子収率8%を示すことが報告されている。また、オルトメタル化配位子のほかに、ジケトン配位子や、含窒素ヘテロ環配位子を含むイリジウム(III)錯体が開示され(例えば、非特許文献2、特許文献3参照)、これらを発光層のドーパントに用いた有機EL素子が高い外部量子収率を示すことが報告されている。
【0003】
しかしながら、前記文献に開示されたトリス(2フェニルピリジン)イリジウム(III)錯体は、発光色が緑色のみに制限されており、極端に寿命が短く、大電流領域での効率低下が大きく、高輝度な高効率素子には適さない。また、オルトメタル化配位子のほかにジケトン配位子や含窒素ヘテロ環配位子を含むイリジウム(III)錯体は、青緑〜橙色までの発光を示すものの、りん光発光の量子収率が十分ではなく高効率な素子は得られておらず、錯体の安定性が低いため素子の連続発光寿命は非常に短く、実用的ではなかった。
【0004】
また、他の有機金属錯体も色々試されているが、特にイリジウム以外の白金やパナジウムで高効率に発光する有機金属錯体は得られていなかった。
【0005】
【特許文献1】
米国特許第6,310,360号明細書
【特許文献2】
特開2001−313178号公報
【特許文献3】
特開2001−247859号公報
【非特許文献1】
Appl.Phys.Lett.,75,4(1999)
【非特許文献2】
J.Am.Chem.Soc.,123,4304(2001)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、8族から10族金属を中心金属とし、炭素−金属結合と硫黄金属結合を有する事で、励起一重項と励起三重項の系間交差が室温でも効率よく行われ、安定性が極めて良好な金属錯体を提供する事である。特に配位子にホスフィンスルフィドを持った炭素アクティベーションによるオルトメタル化錯体は、世界で初めてである。この安定化された有機金属錯体に代表される炭素アクティベーションによるオルトメタル化錯体を発光材料として用いる事で、高温時の保存・駆動安定性に優れ、発光効率が高く、かつ発光効率の電流密度依存性が小さく、長寿命化が可能である有機EL(エレクトロルミネッセンス)素子を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的は、下記の本発明によって達成される。
(1)下記式(A)で示されるピンサー型有機金属錯体化合物。
【0008】
【化4】
【0009】
(ここで、Mはパラジウム原子または白金原子を表す。)
(2)下記式(B)で示される配位性の有機化合物。
【0010】
【化5】
【0011】
(3)少なくとも1対の電極間に有機層からなる発光層を挟持してなる有機EL素子において、下記式(A)で示される有機金属錯体を含有する有機EL素子。
【0012】
【化6】
【0013】
(ここで、Mはパラジウム原子または白金原子を表す。)
(4)発光層中に前記式(A)で示される有機金属錯体を含有する上記(3)の有機EL素子。
(5)発光層中に前記式(A)で示される有機金属錯体を、0.1%(質量百分率)から20%(質量百分率)含有する上記(3)の有機EL素子。
(6)発光層中に前記式(A)で示される有機金属錯体を、0.1%(質量百分率)から20%(質量百分率)含有し、かつキャリア注入と輸送に式(A)で示される有機金属錯体が寄与する上記(3)の有機EL素子。
(7)前記発光層のホスト材料として有機化合物を含有し、この有機化合物の最低励起三重項エネルギーが前記式(A)で示される有機金属錯体の最低励起三重項エネルギーより大きい値をもつ上記(3)の有機EL素子。
(8)前記発光層が、さらに、前記ホスト材料と前記式(A)で示される有機金属錯体とは異なる有機化合物を含有し、この有機化合物の最低励起三重項エネルギーが前記式(A)で表される化合物の最低励起三重項エネルギーより大きい値をもつ上記(3)の有機EL素子。
(9)前記式(A)で示される有機金属錯体を含有する有機層が発光層であり、この発光層に隣接して、これとは異なる極大発光波長を示す発光層を有する上記(3)の有機EL素子。
(10)前記式(A)で表される有機金属錯体を含有する有機層が発光層であり、この発光層に隣接して、これとは異なる、蛍光発光性有機化合物を含有する発光層を有する上記(3)の有機EL素子。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
前記のようにして製造された前記の新規な式(B)で示される配位子から、前記のようにして前記の新規な式(A)で示される有機金属錯体を製造するが、こうした新規なホスフォンスルフィド配位子を持った炭素アクティベーションによるオルトメタル化錯体は、本発明の有機EL素子に用いられる。
【0015】
式(A)で示される有機金属錯体は、本発明の有機EL素子において、発光材料として、発光層に1種のみ用いても2種以上を併用してもよい。
【0353】
この場合、本発明の有機金属錯体は、発光層において、ドーパントとして用いることが好ましく、これと組み合わせて用いられるホスト材料は有機化合物であり、この有機化合物の最低励起三重項エネルギーは、白金族金属錯体の最低励起三重項エネルギーより大きい値をもつものが好ましい。このような最低励起三重項エネルギーは、有機合物のりん光スペクトルから求めた値であり、通常、これらの差は0.1〜2.0eV、さらには0.1〜1.0eVが好ましい。
【0016】
ホスト材料に関しては、本発明有機金属錯体の最低励起三重項エネルギーよりも大きな最低励起三重項エネルギーを有する条件を満たしていれば、特に制限はないが、具体的には、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、チアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、オリゴフェニレン誘導体、ナフタルイミド誘導体、芳香族アミン誘導体、カルバゾール誘導体、フェノキサジン誘導体、フェノチアジン誘導体、キノリン誘導体、フェナントロリン誘導体、シクロペンタジエン誘導体などが挙げられる。
【0017】
ホスト材料およびドーパント材料の混合比率は、これらの合計を100%(質量百分率)としたとき、ドーパント材料が0.1〜30%(質量百分率)であることが好ましい。
【0018】
そして、さらに好ましくは、上記のホスト材料のほか、さらに、これとは異なる有機化合物を発光層に含有させることも好ましい。この有機化合物も、最低励起三重項エネルギーが、ドーパントである有機金属錯体よりも大きい値をもつものであればよく、これらの差は0.1〜2.0eV、さらには0.1〜1eVが好ましい。
【0019】
このような有機化合物は、発光層へのホールおよび/または電子の注入を促進し、発光層中のホールと電子のバランスを向上させて、発光強度を増大させる機能を有する補助材料であり、ホスト材料が電子輸送性を有するときは、補助材料はホール輸送性の化合物を用いることが好ましく、ホスト材料がホール輸送性を有するときは、補助材料は電子輸送性の化合物を用いることが好ましい。具体的には、前記のホスト材料のなかから条件を満足するものを選択することができる。
【0020】
発光層中におけるホスト材料、ドーパント材料、および補助材料の混合比率は特に制限されないが、これらの合計を100%(質量百分率)としたとき、ホスト材料は50〜99%(質量百分率)、ドーパント材料は0.1〜30%(質量百分率)、補助材料は1〜50%(質量百分率)含まれることが好ましい。
【0021】
発光層を、上述のような混合層とすることも好ましいが、本発明では、有機金属錯体を含有する発光層(りん光発光層)と、この発光層に隣接して、蛍光発光性有機化合物を含有する発光層(蛍光発光層)との積層構造とすることもできる。
【0022】
このような積層構造とすることによって、発光層中で生成した励起一重項状態と励起三重項状態を、それぞれ、蛍光発光層から蛍光として、りん光発光層からりん光として、外部に取り出すことも可能となるため、発光強度を向上させることができる。また、各層の膜厚やドーパントの濃度等を変えることで、発光波長の調整が可能になる。
【0023】
有機金属錯体を含有する発光層は、本発明の有機金属錯体をドーパントとし、ホスト材料を含有する層であることが好ましい。ホスト材料としては、上記と同様の有機化合物を用いることもできる。
【0024】
このような有機金属錯体を含有する発光層における有機金属錯体の含有量は0.1〜30%(質量百分率)であることが好ましい。このような有機金属錯体を含有する発光層は、上述のような混合層と同構成の層であってもよい。
【0025】
また、上記の有機金属錯体を含有する発光層と積層される発光層は、蛍光発光性有機化合物を含有する層である。具体的には、有機金属錯体を含まず、かつ少なくとも1種類の蛍光発光性有機化合物を含む層としては、ホスト材料とドーパント材料とを含有することが好ましい。
【0026】
ホスト材料としては、有機金属錯体を含む層に好適に用いられるオキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、チアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、オリゴフェニレン誘導体、ナフタルイミド誘導体、芳香族アミン誘導体、カルバゾール誘導体、フェノキサジン誘導体、フェノチアジン誘導体、キノリン誘導体、フェナントロリン誘導体、シクロペンタジエン誘導体であってもよく、これら以外にもアントラセン誘導体、ナフタセン誘導体、キノキサリン誘導体、およびトリス(8キノリノレート)アルミニウムなどの金属錯体を好適に用いることができる。また、前記ホスト材料のうち2種以上を任意の比率で混合してもよい。
【0027】
蛍光発光するドーパントとしては、特に限定されないが、アントラセン誘導体、ナフタセン誘導体、ペンタセン誘導体、ピレン誘導体、ペリレン誘導体、フルオランテン誘導体、キナクリドン誘導体、クマリン誘導体、ビススチリルアリーレン誘導体、ビススチリルアリールアミン誘導体、チオフェン誘導体、ピリジン誘導体などを好適に用いることができるが、縮合多環芳香族等ドーパントの化学構造によっては三重項のエネルギーギャップが狭い場合、三重項励起子を失活する場合があるので、エネルギーレベルや層構成を考慮して組み合わせる必要がある。
【0028】
このような発光性有機化合物を含有する発光層におけるドーパント材料の含有量は、0.1〜30%(質量百分率)であることが好ましい。
【0029】
なお、本発明における有機化合物は、通常の炭素系化合物のほか、他の有機金属錯体のような金属を含むものであってもよい。
【0030】
本発明の有機金属錯体を含有する発光層は、塗布法で形成することも、真空蒸着法等の蒸着法で形成することもできる。前述の混合層タイプの発光層では、塗布法によるとき、1層当たり0.5〜1000nmが好ましく、より好ましくは10〜500nmである。蒸着法によるときは、1〜500nmである。一方、積層タイプの発光層とするときは、合計厚を10〜200nmとすることが好ましく、形成方法によって、有機金属錯体を含有する発光層と、これに積層される発光層の1層当たりの厚さを、上記範囲から選択すればよい。
【0031】
このような発光層をもつ有機EL素子の構成例を以下に示す。
【0032】
例えば、前述の混合層タイプの発光層をもつ素子構成例としては、基板上に陽極を有し、この上に、順次、ホール注入層、ホール輸送層、有機金属錯体を含有する発光層(混合層)、電子輸送層および電子注入層が設層され、さらに、この上に陰極を有するものである。
【0033】
また、前述の積層タイプの発光層をもつ素子構成例としては、上記において、さらに、ホール輸送層と発光層との間に、蛍光発光層を設けたものである。
【0034】
上記では、ホール注入層とホール輸送層とを別層として設ける構成としているが、ホール注入輸送性の機能を同一層にもたせたホール注入輸送層として設けてもよい。電子輸送層と電子注入層においても同様であり、電子注入輸送層として設けてもよい。
【0034】
本発明において、前記の白金族金属錯体以外の有機層を形成するための有機材料としては、一部前記したが、これらも含め、一般に有機EL素子に用いられているような発光材料、電荷輸送材料(電子輸送性材料とホール輸送性材料の総称である。)などを用いることができる。また、これら電子注入および/または輸送層、ホール注入および/または輸送層に代えて、無機材料による高抵抗の電子注入および/または輸送層や、ホール注入および/または輸送層を有していてもよい。
【0035】
本発明において、塗布型の素子における有機層は、塗布型の素子としての機能を確保する上で、高分子化合物を含有することが好ましい。このような高分子化合物の分子量は、重合体の場合、重量平均分子量Mwで表して、5000以上、通常、5000〜300万程度である。
【0036】
具体的には、主に、発光材料、ホール輸送性材料として用いられるものであるが、ポリエチレンジオキシチオフェン/ポリスチレンサルフォネート(PEDOT/PSS)、ポリビニルカルバゾール(PVK)、金属フタロシアニン化合物、ポリアニリン/ポリスチレンサルフォネート(Pani/PSS)、下記式(P1)のポリパラフェニレンビニレン誘導体(PPV誘導体)、および下記式(P2)のポリアリールフルオレン誘導体のいずれか、またはこれらの混合物を用いる事が出来る。
【0037】
【化7】
【0038】
(Rは2−エチルヘキシルオキシ基であり、R’はメトキシ基であり、
は重合度を表し、Mwは50000である。)
【0039】
【化8】
【0040】
(RおよびR’ は各々アルキル基であり、
Arは置換基を有していてもよい芳香環基または複素環基であり、
は重合度を表し、Mwは5000〜300万である。)
【0041】
本発明に使用することのできる電荷輸送性材料としては、種々の電子輸送性材料、ホール輸送性材料を用いることができ、特に限定されるものではない。
【0042】
ホール輸送性材料としては、ピラゾリン誘導体、アリールアミン誘導体、スチルベン誘導体、トリフェニルジアミン誘導体等を挙げることができる。
【0043】
電子輸送性材料としては、オキサジアゾール誘導体、アントラキノジメタンおよびその誘導体、ベンゾキノンおよびその誘導体、ナフトキノンおよびその誘導体、アントラキノンおよびその誘導体、テトラシアノアンスラキノジメタンおよびその誘導体、フルオレンおよびその誘導体、ジフェニルジシアノエチレンおよびその誘導体、ジフェノキノン誘導体、8ヒドロキシキノリンおよびその誘導体、フェナントロリンおよびその誘導体、等の金属錯体等を挙げることができる。
【0044】
具体的には、特開昭6370257号公報、同63175860号公報、特開平2135359号公報、同2135361号公報、同2209988号公報、同337992号公報、同3152184号公報に記載されているものなどを挙げることができる。
【0045】
特にホール輸送性材料としては4,4ビス(N(3メチルフェニル)フェニルアミノ)ビフェニル、電子輸送性材料としては2(4ビフェニリル)(4ブチルフェニル)1,3,4オキサジアゾール、ベンゾキノン、アントラキノン、トリス(8キノリノラト)アルミニウム、フェナントロリンおよびその誘導体が好ましい。
【0046】
なお、塗布法により薄膜化した場合には、溶媒を除去するため、減圧下あるいは不活性雰囲気下、30〜200℃、好ましくは60〜100℃の温度で加熱乾燥することが望ましい。
【0047】
また、電荷注入輸送層を発光層の下層に形成する場合、発光層の形成に加熱重合工程を要するときは、ある程度の耐熱性が必要となる。この場合、好ましくはガラス転移温度が100℃以上、より好ましくは150℃以上、特に200℃以上の化合物が好ましい。ガラス転移温度の上限に特に制限はないが、300℃程度である。
【0048】
有機のホール注入輸送層の厚さおよび電子注入輸送層の厚さは、特に制限されるものではなく、形成方法によっても異なるが、通常5〜500nm程度、特に10〜300nmとすることが好ましい。ホールの注入層と輸送層とを設ける場合は、注入層は1nm以上、輸送層は1nm以上とするのが好ましい。このときの注入層、輸送層の厚さの上限は、通常、注入層で500nm程度、輸送層で500nm程度である。
【0049】
本発明の塗布による有機層形成に用いられる溶媒としては、有機材料が溶解し、塗布に際して障害が生じないものであれば特に限定されるものではない。具体的には、アルコール系、炭化水素系、ケトン系、エーテル系等一般に用いられているものを使用することができる。なかでも、クロロホルム、塩化メチレン、ジクロロエタン、テトラヒドロフラン、トルエン、キシレンなどが好ましい。高分子材料は、その構造や分子量にもよるが、通常はこれらの溶媒に0.1%(質量百分率)以上溶解させることができる。
【0050】
陰極(電子注入電極)は、無機電子注入層としてLiFやCsI等の電子注入層とを組み合わせて用いる場合は、低仕事関数で電子注入性を有している必要がないため、その材料として、特に限定される必要はなく、通常の金属を用いることができる。なかでも、導電率や扱い易さの点で、Al,Ag,In,Ti,Cu,Au,Mo,W,Pt,PdおよびNi、特にAl,Agから選択される1種または2種以上の金属元素が好ましい。これら陰極の厚さは、電子を高抵抗の無機電子注入輸送層に与えることのできる一定以上の厚さとすれば良く、50nm以上、好ましくは100nm以上とすればよい。また、その上限値には特に制限はないが、通常、厚さは50〜500nm程度とすればよい。
【0051】
また、陰極(電子注入電極)として必要に応じて下記のものを用いてもよい。例えば、K、Cs、Li、Na、Mg、La、Ce、Ca、Sr、Ba、Sn、Zn、Zr等の金属元素単体、または安定性を向上させるためにそれらを含む2成分、3成分の合金系、例えばAg・Mg合金(Ag量0.1〜50%(原子比))、Al・Li合金(Li量0.01〜14%(原子比))、In・Mg合金(Mg:50〜80%(原子比))、Al・Ca合金(Ca量0.01〜20%(原子比))等が挙げられる。陰極(電子注入電極)の厚さは、電子注入を十分行える一定以上の厚さとすれば良く、0.1nm以上、好ましくは0.5nm以上、特に1nm以上とすればよい。また、その上限値には特に制限はないが、通常、厚さは1〜500nm程度とすればよい。陰極(電子注入電極)の上には、さらに補助電極(保護電極)を設けてもよい。
【0052】
補助電極の厚さは、電子注入効率を確保し、水分や酸素あるいは有機溶媒の進入を防止するため、一定以上の厚さとすればよく、好ましくは50nm以上、さらには100nm以上、特に100〜500nmの範囲が好ましい。補助電極層が薄すぎると、その効果が得られず、また、補助電極層の段差被覆性が低くなってしまい、端子電極との接続が十分ではなくなる。一方、補助電極層が厚すぎると、補助電極層の応力が大きくなるため、ダークスポットの成長速度が速くなってしまう等といった弊害が生じてくる。補助電極は、組み合わせる電子注入電極の材料により最適な材料を選択して用いればよい。例えば、電子注入効率を確保することを重視するのであればAl等の低抵抗の金属を用いればよく、封止性を重視する場合には、TiN等の金属化合物を用いてもよい。
【0053】
陰極(電子注入電極)と補助電極とを併せた全体の厚さとしては、特に制限はないが、通常50〜500nm程度とすればよい。なお、陰極(電子注入電極)および補助電極の組合せは、電子注入層および陰極の組合せと同義に用いられることもある。
【0054】
陽極(ホール注入電極)の材料は、無機ホール注入輸送層、または有機のホール注入輸送層へホールを効率よく注入することのできるものが好ましく、仕事関数4.5eV〜5.5eVの物質が好ましい。具体的には、錫ドープ酸化インジウム(ITO)、亜鉛ドープ酸化インジウム(IZO)、酸化インジウム(In)、酸化スズ(SnO)および酸化亜鉛(ZnO)のいずれかを主組成としたものが好ましい。これらの酸化物はその化学量論組成から多少偏倚していてもよい。Inに対するSnOの混合比は、1〜20%(質量百分率)、さらには5〜12%(質量百分率)が好ましい。また、IZOでのInに対するZnOの混合比は、通常、12〜32%(質量百分率)程度である。
【0055】
陽極(ホール注入電極)は、仕事関数を調整するため、酸化シリコン(SiO)を含有していてもよい。酸化シリコン(SiO)の含有量は、ITOに対するSiOのモル比で0.5〜10%程度が好ましい。SiOを含有することにより、ITOの仕事関数が増大する。
【0056】
光を取り出す側の電極は、発光波長帯域、通常400〜700nm、特に各発光光に対する光透過率が50%以上、さらには80%以上、特に90%以上であることが好ましい。透過率が低くなりすぎると、発光層からの発光自体が減衰され、発光素子として必要な輝度を得難くなってくる。その場合の電極の厚さは、50〜500nm、特に50〜300nmの範囲が好ましい。また、その上限は特に制限はないが、あまり厚いと透過率の低下や剥離などの心配が生じる。厚さが薄すぎると、十分な効果が得られず、製造時の膜強度等の点でも問題がある。このような電極は陽極であることが多い。
【0057】
さらに、素子の有機層や電極の劣化を防ぐために、素子上を封止板等により封止することが好ましい。封止板は、湿気の浸入を防ぐために、接着性樹脂層を用いて、封止板を接着し密封する。封止ガスは、Ar、He、N等の不活性ガス等が好ましい。また、この封止ガスの水分含有量は、100ppm以下、より好ましくは10ppm以下、特には1ppm以下であることが好ましい。この水分含有量に下限値は特にないが、通常0.1ppm程度である。
【0058】
本発明において、有機EL構造体を形成する基板としては、非晶質基板(例えばガラス、石英など)、結晶基板(例えば、Si、GaAs、ZnSe、ZnS、GaP、InPなど)が挙げられ、また、これらの結晶基板に結晶質、非晶質あるいは金属のバッファ層を形成した基板も用いることができる。また、金属基板としては、Mo、Al、Pt、Ir、Au、Pdなどを用いることができ、好ましくはガラス基板が用いられる。基板は、光取り出し側となる場合、上記電極と同様な光透過性を有することが好ましい。
【0059】
さらに、本発明の素子を、平面上に多数並べてもよい。平面上に並べられたそれぞれの素子の発光色を変えて、カラーのディスプレーにすることができる。
【0060】
基板に色フィルター膜や蛍光性物質を含む色変換膜、あるいは誘電体反射膜を用いて発光色をコントロールしてもよい。
【0061】
本発明の有機EL素子は、通常、直流駆動型、パルス駆動型のEL素子として用いられるが、交流駆動とすることもできる。印加電圧は、通常、2〜30V程度とされる。
【0062】
本発明の有機EL素子は、例えば、前述のように、基板/陽極/有機層(発光層を含む。)/陰極とが順次積層された構成としてもよいし、この逆の積層構成としてもよい。積層構成は、例えば、ディスプレーの仕様や作製プロセス等により、適宜最適なものに決定すればよい。
【0063】
本発明の有機EL素子は、ディスプレイとしての応用の他、例えばメモリ読み出し/書き込み等に利用される光ピックアップ、光通信の伝送路中における中継装置、フォトカプラ等、種々の光応用デバイスに用いることができる。
【0064】
【実施例】
以下、本発明を実施例によって具体的に説明する。合成例、比較例を併記する。
【0065】
合成例1
配位子1,3−ビス(1−ピロリジノチオカルボニル)ベンゼン:1,3−bis(1−pyrrolidinothiocarbonyl)benzeneの合成
アルゴン置換した100ml三つ口フラスコにイソフタルジアルデヒド671mgと硫黄711mgを秤取り、25mlの脱水DMFを加え溶解させた後、ピロリジン711mgを加え、100℃で6時間撹拌した。反応溶液に純水を加え、クロロホルムで抽出した後、純水で洗浄した。溶媒を溜去した後、クロロホルムを抽出溶媒としてシリカゲルカラムクロマトグラフ精製、メタノールからの再結晶を行い、黄色結晶を1.32g得た。
【0066】
得られた黄色結晶が目的物と矛盾しない事を、溶液中のH−NMR、13C−NMR、IRで確認した。
【0067】
合成例2
{1,3−ビス(1−ピロリジノチオカルボニル)フェニル−C ,S,S’}クロロパラジウム(II):[1,3−bis(1−pyrrolidinothiocarbonyl)phenyl−C ,S,S’]chloropalladium(II)の合成
100mlナスフラスコに塩化パラジウム(II)88.7mgと塩化リチウム(無水)42.4mgを秤取り、25mlのメタノールを加え室温で10時間撹拌し溶液に、配位子1,3−bis(1−pyrrolidinothiocarbonyl)benzeneを183mgを20mlのメタノールに溶解したものを加え4時間還流を行った。反応後沈殿物を濾別し、固形物をメタノールで洗浄後、黄色固体として195mg得た。
【0068】
得られた黄色固体が目的物である事を、DMSOより得られた単結晶のX線構造解析、溶液中のH−NMR、13C−NMR、IRで確認した。
【0069】
合成例3
1,3−ビス(1−ピロリジノチオカルボニル)フェニル−C ,S,S’}クロロ白金(II):[1,3−bis(1−pyrrolidinothiocarbonyl)phenyl−C ,S,S’]chloroplatinum(II)の合成
100mlナスフラスコにcis−ビス(ベンゾニトリル)ジクロロ白金(II)47.2mgを秤取り、5mlのクロロホルムを加え撹拌溶解させた。この溶液に、配位子1,3−bis(1−pyrrolidinothiocarbonyl)benzene30.4mgを25mlのアセトニトリルに溶解したものを加え、65℃で15時間加熱撹拌した。反応後沈殿物を濾別し、固形物をアセトニトリルとクロロホルムで洗浄後、橙色固体35.7mgを得た。
【0070】
得られた黄色固体が目的物である事を、DMSOより得られた単結晶のX線構造解析、溶液中のH−NMR、13C−NMR、およびIRで確認した。
【0071】
合成例4
{1,3−ビス(1−ピロリジノチオカルボニル)フェニル−C ,S,S’}(フェニルエチニル)白金(II):[1,3−bis(1−pyrrolidinothiocarbonyl)phenyl−C ,S,S’](phenylethynyl)platinum(II)の合成
アルゴン置換した25mlのシュレンク管に実施例3の化合物26.7mgを秤量し、3mgのCuIと脱水DMF1mlと蒸留したトリエチルアミン1mlを加えた。この懸濁液にフェニルアセチレン0.1mlを加え、120hr室温で撹拌した。反応溶液を濾別し、DMFで洗浄する事で、橙色の固体24.6mgを得た。得られた橙色結晶が目的物と矛盾しない事を、溶液中のH−NMR、13C−NMR、IRで確認した。
【0072】
実施例1
配位子3,5−(ジフェニルホスフィンスルフィド)トルエン:3,5−bis(diphenylphosphine sulfide)tolueneの合成
アルゴン置換した50ml三つ口フラスコに3,5−ジブロモトルエン1.5gとジフェニルホスフィン2.8mgと塩化パラジウム53mgと酢酸カリウム1.7gを秤取り、脱水DMF20mlを加え、130℃で16hr撹拌した。反応溶液を室温まで冷却後、その反応溶液に硫黄480mgを加え、120℃で4hr攪拌した。反応溶液にEDTA−2K水溶液を加え4hr攪拌した後、クロロホルムで抽出し、純水で洗浄した。溶媒を溜去した後、クロロホルムを抽出溶媒としてシリカゲルカラムクロマトグラフで精製し、アセトンからの再結晶を行い、3,5−bis(diphenylphosphine sulfide)tolueneの白色結晶を2.2g得た。
【0073】
得られた白色結晶が目的物と矛盾しない事を、溶液中のH−NMR、31P−NMR、IRで確認した。
【0074】
赤外吸収スペクトル:図3
NMR:図5
31NMR:図4
【0075】
実施例2
{3,5−ビス(1−ジフェニルホスフィンスルフィド)トリル−C ,S,S’}クロロパラジウム(II):[3,5−bis(1−diphenylphosphine sulfide)tolyl−C ,S,S’]chloropalladium(II)の合成
25mlナスフラスコに配位子3,5−bis(diphenylphosphine sulfide)toluene53mgとテトラクロロパラジウム(II)酸カリウム33mgを秤取り、3mlの酢酸を加え115℃で20時間環流を行った。反応後、沈殿物を濾別し、固形物を蒸留水、メタノール、エーテルで洗浄後、黄色固体として38mg得た。
【0076】
得られた黄色固体が目的物である事を、DMSOより得られた単結晶のX線構造解析、溶液中のH−NMR、31P−NMR、IRで確認した。
【0077】
X線構造解析結果:図1
赤外吸収スペクトル:図3
NMR:図5
31NMR:図4
【0078】
実施例3
{3,5−ビス(1−ジフェニルスルホスフォンスルフィド)トリル−C ,S,S’}クロロパラジウム(II):[3,5−bis(1−diphenylphosphine sulfide)tolyl−C ,S,S’]chloropalladium(II)の合成2
25mlナスフラスコに配位子3,5−bis(diphenylphosphine sulfide)toluene53mgとジクロロビス(ベンゾニトリル)パラジウム38mgを秤取り、10mlの酢酸を加え65℃で20時間環流を行った。反応後、沈殿物を濾別し、固形物をアセトニトリル、メタノールで洗浄後、黄色固体として44mg得た。
【0079】
得られた黄色固体が実施例1の目的物と同一である事を、DMSOより得られた単結晶のX線構造解析、溶液中のH−NMR、31P−NMR、IRで確認した。
【0080】
実施例4
{3,5−ビス(ジフェニルホスフィンスルフィド)トリル−C ,S,S’}クロロ白金(II):[3,5−bis(diphenylphosphine sulfide)tolyl−C ,S,S’]chloroplatinum(II)の合成
25mlナスフラスコに配位子3,5−bis(diphenylphosphine sulfide)toluene53mgとテトラクロロ白金(II)酸カリウム42mgを秤取り、3mlの酢酸を加え115℃で20時間環流を行った。反応後、沈殿物を濾別し、固形物を蒸留水、メタノール、エーテルで洗浄後、黄色固体として67mg得た。
【0081】
得られた黄色固体が目的物である事を、DMSOより得られた単結晶のX線構造解析、溶液中のH−NMR、31P−NMR、IRで確認した。
【0082】
X線構造解析結果:図2
赤外吸収スペクトル:図3
NMR:図5
31NMR:図4
【0083】
参考例1
ITO透明電極がパターニングされたガラス基板を、UV/O洗浄した後、ホール注入層としてポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェンーポリスチレンスルホネート)(PEDOT/PSS)水溶液(1.6%(質量百分率))を室温大気下でスピンコーティング(50nm)した後、窒素雰囲気下200℃で5分間乾燥した。次に、N−ポリビニルカルバゾール(PVK)52.5mg、2−(4,4’−ビフェニル)−5−(4−tert−ブチルフェニル)−オキサジアゾール(t−BuPBD)22.5mg、および合成例3の有機金属錯体化合物4.0mgを3.0mlのトルエンに溶解させたのち、0.5mmのフィルターにてろ過した溶液を、室温・窒素雰囲気下において、PEDOT/PSS層を形成した基板上にスピンコート(100nm)し、発光層とした。次に、この基板を真空蒸着装置の基板ホルダーに固定して、5×10−4Pa以下まで減圧し、バトフェナントロリンを蒸着速度0.1nm/secで15nmの厚さに蒸着し、電子輸送層とした。さらに、電子注入層としてLiFを蒸着速度0.01nm/secで0.4nmの厚さに蒸着し、この後、陰極としてアルミニウムを蒸着速度1.5nm/secで150nm蒸着し、有機EL素子を作製した。この有機EL素子を、直流電流で駆動したところ、図6に示すような発光スペクトルで発光し、電流密度100mAcm−2時に259cdm−2の赤色(λmax=640nm)の発光を得た。
【0084】
参考例2
発光層に用いる有機金属錯体を合成例4の化合物とした以外は、参考例1と同様の方法で有機EL素子を作製した。この有機EL素子を直流電流で駆動したところ、図7に示すような発光スペクトルで発光し、電流密度100mAcm−2時に230cdm−2赤橙色(λmax=600nm)の発光を得た。
【0085】
参考例3
発光層に用いる金属錯体を合成例2の化合物とした以外は、参考例1と同様の方法で有機EL素子を作製した。この有機EL素子を直流電流で駆動したところ、図8に示すような発光スペクトルで発光し、100mAcm−2時に100cdm−2の橙色(λmax=575nm)の発光を得た。
【0086】
実施例8
発光層に用いる有機金属錯体を実施例2の化合物とした以外は、参考例1と同様の方法で有機EL素子を作製した。この有機EL素子を直流電流で駆動したところ、図9に示すような発光スペクトルで発光し電流密度100mAcm−2時に190cdm−2の橙色(λmax=575nm)の発光を得た。
【0087】
比較例
発光層に用いられる金属錯体を比較例化合物1とした以外は、参考例1と同様の方法で有機EL素子を作製した。この有機EL素子を直流電流で駆動したところ、電流密度100mAcm−2時に50cdm−2のPVKの発光スペクトルに相当する紫色(λmax=420nm)の発光しか得られなかった。
【0088】
【化9】
【0089】
【発明の効果】
本発明によれば、8族から10族金属を中心金属とし、炭素−金属結合と硫黄金属結合を有する事で、励起一重項と励起三重項の系間交差が室温でも効率よく行われ、安定性が極めて良好な金属錯体を得ることができる。特に配位子にホスフィンスルフィドを持った炭素アクティベーションによるオルトメタル化錯体は、世界で初めてである。この安定化された有機金属錯体に代表される炭素アクティベーションによるオルトメタル化錯体を発光材料として用いる事で、高温時の保存・駆動安定性に優れ、発光効率が高く、かつ発光効率の電流密度依存性が小さく、長寿命化が可能である有機EL(エレクトロルミネッセンス)素子が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例2の化合物のX線構造解析結果を示す図である。
【図2】実施例4の化合物のX線構造解析結果を示す図である。
【図3】実施例1、2、4の化合物の赤外吸収スペクトル図である。
【図4】実施例1、2、4の化合物の31P−NMRスペクトル図である。
【図5】実施例1、2、4の化合物のH−NMRスペクトル図である。
【図6】参考例1のEL発光スペクトル図である。
【図7】参考例2のEL発光スペクトル図である。
【図8】参考例3のEL発光スペクトル図である。
【図9】実施例8のEL発光スペクトル図である。

Claims (10)

  1. 下記式(A)で示されるピンサー型有機金属錯体化合物。
    (ここで、Mはパラジウム原子または白金原子を表す。)
  2. 下記式(B)で示される配位性の有機化合物。
  3. 少なくとも1対の電極間に有機層からなる発光層を挟持してなる有機EL素子において、下記式(A)で示される有機金属錯体を含有する有機EL素子。
    (ここで、Mはパラジウム原子または白金原子を表す。)
  4. 発光層中に前記式(A)で示される有機金属錯体を含有する請求項3の有機EL素子。
  5. 発光層中に前記式(A)で示される有機金属錯体を、0.1%(質量百分率)から20%(質量百分率)含有する請求項3の有機EL素子。
  6. 発光層中に前記式(A)で示される有機金属錯体を、0.1%(質量百分率)から20%(質量百分率)含有し、かつキャリア注入と輸送に式(A)で示される有機金属錯体が寄与する請求項3の有機EL素子。
  7. 前記発光層のホスト材料として有機化合物を含有し、この有機化合物の最低励起三重項エネルギーが前記式(A)で示される有機金属錯体の最低励起三重項エネルギーより大きい値をもつ請求項3の有機EL素子。
  8. 前記発光層が、さらに、前記ホスト材料と前記式(A)で示される有機金属錯体とは異なる有機化合物を含有し、この有機化合物の最低励起三重項エネルギーが前記式(A)で表される化合物の最低励起三重項エネルギーより大きい値をもつ請求項3の有機EL素子。
  9. 前記式(A)で示される有機金属錯体を含有する有機層が発光層であり、この発光層に隣接して、これとは異なる極大発光波長を示す発光層を有する請求項3の有機EL素子。
  10. 前記式(A)で表される有機金属錯体を含有する有機層が発光層であり、この発光層に隣接して、これとは異なる、蛍光発光性有機化合物を含有する発光層を有する請求項3の有機EL素子。
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