JPH11260312A - オメガ型エネルギーフィルタ - Google Patents

オメガ型エネルギーフィルタ

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JPH11260312A
JPH11260312A JP10056324A JP5632498A JPH11260312A JP H11260312 A JPH11260312 A JP H11260312A JP 10056324 A JP10056324 A JP 10056324A JP 5632498 A JP5632498 A JP 5632498A JP H11260312 A JPH11260312 A JP H11260312A
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    • H01J49/46Static spectrometers
    • H01J49/48Static spectrometers using electrostatic analysers, e.g. cylindrical sector, Wien filter
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    • G21NUCLEAR PHYSICS; NUCLEAR ENGINEERING
    • G21KTECHNIQUES FOR HANDLING PARTICLES OR IONISING RADIATION NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; IRRADIATION DEVICES; GAMMA RAY OR X-RAY MICROSCOPES
    • G21K1/00Arrangements for handling particles or ionising radiation, e.g. focusing or moderating
    • G21K1/08Deviation, concentration or focusing of the beam by electric or magnetic means
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 小さい収差の3磁石系のオメガ型エネルギー
フィルタを実現する。 【解決手段】 入射絞り面からスリット面までの電子ビ
ームの軌道を連続的にΩ字状に偏向するオメガ型エネル
ギーフィルタにおいて、電子ビームの軌道を含む平面に
垂直な対称面を有し、電子ビームの入射側から偏向角を
Φ、2Φ、Φとした3つの磁場領域M1、M23、M4
からなり、各磁極端面とビーム回転半径をパラメータと
して用いフォーカス合わせを行う。前記偏向角Φは 102°≦Φ≦115° の範囲に選定し、前記2Φの偏向角を有する磁場領域の
ビーム回転半径R3を前記Φの偏向角を有する磁場領域
のビーム回転半径R4より小さくする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、入射絞り面からス
リット面までの電子ビームの軌道を連続的にΩ字状に偏
向するオメガ型エネルギーフィルタに関する。
【0002】
【従来の技術】図10は電子光学系にオメガ型エネルギ
ーフィルタを組み込んだ電子顕微鏡の構成例を示す図、
図11はAタイプのオメガ型エネルギーフィルタの構成
を説明するための図、図12はBタイプのオメガ型エネ
ルギーフィルタの構成を説明するための図、図13はA
タイプのオメガ型エネルギーフィルタの基本軌道を説明
するための図、図14はBタイプのオメガ型エネルギー
フィルタの基本軌道を説明するための図である。
【0003】電子光学系にオメガ型エネルギーフィルタ
を組み込んだ電子顕微鏡では、図10に示すように電子
銃11で発生した電子ビームをコンデンサレンズ12、
対物レンズ13を通して試料14に照射し、中間レンズ
15、入力絞り16、オメガ型エネルギーフィルタ1
7、スリット18、投影レンズ19を通して蛍光板20
に試料の観察像を投影している。このオメガ型エネルギ
ーフィルタは、Ω字状の軌道に配置した4つの磁石M
1、M2、M3、M4(ビームの回転半径R1、R2、
R3、R4)に連続してビームを通すことによって入射
ビームと出射ビームとが同一直線上に並ぶようにしたも
のであり、図11及び図12にその光軸を含むマグネッ
トポールピースの形状と電子軌道の2つの例を示してい
る。
【0004】このようにオメガ型エネルギーフィルタを
透過電子顕微鏡の結像レンズ系の中間あるいは後方に挿
入した装置は、電子線エネルギー分光結像法(ESI)
のための装置して近年盛んに用いられるようになった。
オメガ型エネルギーフィルタやアルファ型エネルギーフ
ィルタ等の装置では、入射ビームの光軸と出射ビームの
光軸とが一直線上にあるため、結像レンズ系の中間に挿
入して用いられ、インコラム型のESI装置と呼ばれて
いる。これに対して、単一セクター型磁石と、多極子補
正装置を組み合わせたフィルタは、出射ビームの光軸が
入射ビームからおよそ90°の方向に変化するため、顕
微鏡筒の後ろに設置され、ポストコラム型のフィルタと
呼ばれる。
【0005】オメガ型エネルギーフィルタは、インコラ
ム型フィルタの代表的なものであり、このフィルタは、
元々キャスターンヘンリー型フィルタと呼ばれた磁界プ
リズム−静電ミラー−磁界プリズムの組み合わせからな
るインコラム型フィルタの静電ミラーを磁界プリズムで
置き換えて、すべての偏向要素を磁界で構成したものに
始まる。そこで1970年代にフランスで開発されたフ
ィルタは、3つの磁界で構成されていたが、その後ドイ
ツでフィルタの収差理論などの研究が行われ、3つの磁
石を用いるよりも、4つの磁石を用いる方が有利である
ことが明らかにされ、その後の研究は4つの磁石を用い
る系で検討がなされた。
【0006】一様場を有するセクター型磁石では、磁極
面に並行な方向x、即ちエネルギー分散を生じる方向に
はビームの収束作用を有するものの、磁界方向yには収
束作用はない。そこでオメガ型エネルギーフィルタの場
合、磁極端面に傾斜をつけて、端面傾斜が作る4極子レ
ンズ作用によって磁界方向の収束を得ている。図11及
び図12に示した2つの例は、実は異なる光学設定条件
の下で設計されたものであり、図11に示した磁極面に
平行方向xにも磁界方向yにも3回の結像を行うものが
Aタイプと呼ばれ、図12に示した磁極面に平行方向x
に3回、磁界方向yに2回の結像を行うものがBタイプ
と呼ばれている。その基本的光学系の違いは、光軸を直
線に直して描いた図13に示すAタイプの軌道図及び図
14に示すBタイプの軌道図において明らかである。
【0007】ここで、xα、yβの両軌道は、最終的に
検出器上に結ぶ像の軌道である。一方、xγ、yδは前
段のレンズによってフィルタの入射窓にフォーカスし、
フィルタ通過後、スリット上にフォーカスする軌道でこ
の分散を生じさせる。分散したビームの一部を残してほ
かのエネルギーのビームを切り捨てるのが、スリットの
役割である。一方、検出器上の像はスリットを通過した
エネルギー範囲のビームによって形成されるが、分散を
有したままではぼけの原因となるので、像面上では分散
が消滅していなければならない。これはアクロマティッ
ク条件と呼ばれている。さらに、オメガ型エネルギーフ
ィルタでは、中心面対称な軌道を取ることによって、像
面上の開口収差と歪み収差をうち消していることが大き
な特徴である。
【0008】オメガ型エネルギーフィルタは、2次収差
のいくつかを零にし残りの収差も小さくするために、第
2の磁石M2と第3の磁石M3の間の面を対称面(中心
面)として、その前後でのビーム軌道が対称となるよう
に設計されている。即ち、像面からスリット面までの距
離をLLとすると、入射ビームの像面は、絞り面から距
離LLに位置するように調整される。この様な条件の下
で、AタイプとBタイプの違いは、y方向(磁界方向)
の軌道において、Aタイプが図13に示すように対称面
でyβ=0、yδ′=0であるのに対して、Bタイプが
図14に示すように対称面でyβ′=0、yδ=0であ
る。ここで「 ′」はZに対する微分、すなわち軌道の
傾きである。x軌道は、両ビームにおいて同一条件で、
いずれのタイプでも対称面でxα=0、xγ′=0とな
る。
【0009】このような初期条件を選ぶと、Aタイプで
は、図13に示すようにxγ軌道は3回フォーカスする
のに対し、yδ軌道も3回フォーカスするが、Bタイプ
では、図14に示すようにxγは3回フォーカスするも
のの、yδは2回のみのフォーカスとなる。即ち、像は
裏返しになる。このような2つのタイプのオメガ型エネ
ルギーフィルタがあることは古くから知られている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】さて、オメガ型エネル
ギーフィルタにおいて、スリット面上にxγ、yδ軌道
をフォーカスさせ、像面上にxα、yβ軌道をフォーカ
スさせるためには、あわせて4つのパラメータが必要で
ある。これらの調整を全て磁極端面傾斜角によって行う
ためには、2つの磁石による4つの端面を利用するのが
便利である。磁石は4つあるが、中心対称を維持しなけ
ればならないので、2つの磁石の形状を決定すると、残
りの2つの磁石の条件は自動的に決まる。これが、4つ
の磁石が用いられる基本的な理由である。
【0011】一方、オメガ型エネルギーフィルタと類似
のインコラム型のエネルギーフィルタとして、アルファ
型エネルギーフィルタが知られている。アルファ型エネ
ルギーフィルタは、全磁石の偏向角の合計が360°に
なるフィルタで、最初と、最後の磁石に対して、その中
間の磁石の極性が同一で、これが逆転しているため全磁
石の偏向角が0°となるオメガ型エネルギーフィルタと
区別される。アルファ型エネルギーフィルタは最初の磁
石と最後の磁石が共用されるので、見かけ上はオメガ型
エネルギーフィルタに比べて磁石が一つ少ない。アルフ
ァ型エネルギーフィルタも最初提案されたときは2磁石
系であり、やがて3磁石系が提案されたが、2磁石系も
用いられている。
【0012】本発明は、小さい収差の3磁石系のオメガ
型エネルギーフィルタを実現するものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】そのために本発明は、入
射絞り面からスリット面までの電子ビームの軌道を連続
的にΩ字状に偏向するオメガ型エネルギーフィルタにお
いて、電子ビームの軌道を含む平面に垂直な対称面を有
し、電子ビームの入射側から偏向角をΦ、2Φ、Φとし
た3つの磁場領域を持ち、各磁極端面とビーム回転半径
をパラメータとして用いフォーカス合わせを行うことを
特徴とするものであり、前記偏向角Φを102°≦Φ≦
115°の範囲に選定し、前記2Φの偏向角を有する磁
場領域のビーム回転半径R3を前記Φの偏向角を有する
磁場領域のビーム回転半径R4より小さくしたことを特
徴とするものである。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照しつつ説明する。図1は本発明に係るオメガ型エ
ネルギーフィルタの実施の形態を示す図、図2はオメガ
型エネルギーフィルタの設計パラメータを説明するため
の図、図3はオメガ型エネルギーフィルタにおける像面
とスリット面の関係を示す図、図4は種々のオメガ型エ
ネルギーフィルタについてL3を変えて求めた収差を示
す図、図5はL3の端面のみをフリンジング磁界なしに
して求めた収差を示す図である。図中、M1、M2、M
23、M3、M4は磁石、R3、R4はビーム回転半
径、L3、L4は空間の長さを示す。
【0015】図1において、磁石M1は、電子入力側に
あって偏向角がΦの磁場領域(方向変換領域)を有する
磁石であり、磁石M4は、磁石M1と対称位置の電子出
力側にあって偏向角がΦの磁場領域を有する磁石であ
る。磁石M23は、磁石M1と磁石M4の中間にあって
偏向角が2Φの磁場領域を有する磁石であり、従来の中
心面(対称面)から中心面寄りの磁石の入射側端面まで
の距離(ドリフト長)L3をゼロにすることにより2つ
の磁石を1つにしたものである。本発明は、このように
3つの磁場領域を有し、これら3つの偏向角が、電子入
射側からおおむねΦ、2Φ、Φであり、電子ビームの軌
道を含む平面に垂直な中心面を有する3磁石系のオメガ
型エネルギーフィルタを構成したものである。
【0016】従来の4磁石系のオメガ型エネルギーフィ
ルタにおいて、図2に示すように中心面寄りの磁石M3
のビーム回転半径をR3、その入射側端面角度をθ1、
出射側端面角度をθ2とし、スリット寄りの磁石M4の
ビーム回転半径をR4、その入射側端面角度をθ3、出
射側端面角度をθ4、偏向角をΦとする。また、中心面
から中心面寄りの磁石M3の入射側端面までの距離(ド
リフト長)をL3、磁石M3の出射側端面から磁石M4
の入射側端面までの距離をL4、スリット寄りの磁石M
4の出射側端面からスリット面までの距離をL5とし、
像面からスリット面までの距離をLLとする。
【0017】オメガ型エネルギーフィルタの基本光学特
性を決める形状因子は、上記の回転半径R3、R4、端
面角度θ1、θ2、θ3、θ4、距離L3、L4、L
5、LLの10個である。この他に磁石の実際の端面と
磁界分布の実効端面との距離もパラメータとなり得る
が、ここでは省略して考える。これらの10個のパラメ
ータのうち、端面角度θ1、θ2、θ3、θ4を、像面
及び回折面で非点なしフォーカス(x方向とy方向とで
フォーカス位置が一致すること)を得るための調整用に
用いる。なお、これらをパラメータとして距離L3、L
4、L5等で調整することも可能である。
【0018】オメガ型エネルギーフィルタの図3(A)
に示す像面(Pupil plane)と図3(C)に示すスリット
面(Slit Plane) における収差ΔXP 、ΔYP 、Δ
S 、ΔYS は、図3(E)のように表され、その大き
さは収差係数(Aααα、……、Bαββ、……、Cα
α、……)と、像面又はスリット面とビームのなす角
α、β、γ、δに依存する。α、γはx軸に対する角度
であり、β、δはy軸に対する角度である。物面におけ
るビームの大きさは対物絞りによって制限されるが、こ
の大きさは低倍の場合でも5μm程度であり、フィルタ
の前方の中間レンズを高倍率で使用した場合にはこれよ
りずっと小さな値となる。しかし、スリット面上では、
スリット面の収差によってビームが広がっているので、
像を見込むビームの角度はずっと大きなものとなる。ス
リットを通り抜けるビームの半径を50μmとすれば、
α、βは、0.05/100=5×10-4radとな
る。これに対して、γ、δは、10-2rad程度なの
で、両者の間には100倍の開きがある。収差の大きさ
は、収差係数と角度の積であるが、α、βとγ、δでそ
の大きさに大きな開きがあるため、収差量を決める収差
係数は、特定の係数だけが支配的となる。
【0019】いま、中心面の両側のドリフト空間の長さ
L3に着目してみると、オメガ型エネルギーフィルタの
収差は、像面上およびスリット面上で図3のように示さ
れるが、これらの2次収差のうちで長さL3によって大
きく変化するのはCβδ、Bαβδ、Bγββである。
これらはいずれも像面上の収差に関係している。種々の
オメガ型エネルギーフィルタについて長さL3を変えて
求めた収差を示したのが図4であり、ここでDを分散と
すると、縦軸は(Cβδ+Bαβδ+Bγββ)/Dで
ある。この3つの収差係数の合計は、長さL3を小さく
するほど減少の傾向を示すが、L3<5mm付近から上
昇に転ずる。すなわち、長さL3が小さすぎると収差の
増大を招くのである。しかしここで注意しなければなら
ないのは、長さL3を5mmより小さくした場合には、
フリンジング磁界分布が鋭くなってしまうことである。
鋭いフリンジング磁界によって収差が増大した可能性が
ある。そこで便宜的にL3の端面のみをフリンジング磁
界なしにして計算してみると、図5に示すように収差の
増大はほとんどないことがわかる。この場合、L3=0
というのは、磁石M2と磁石M3が接触し、一つの磁石
M23になったものである。これは3磁石系となり、図
1に示すよう磁石M1と磁石M4とを1つの磁石で構成
すると3つの磁場領域を実質的に2磁石で実現できる。
【0020】こうしてみると、3磁石系と、4磁石系を
比較したとき、4磁石系の収差が小さいということはな
いと結論することができる。すなわち4磁石系が197
0年代に選ばれて、それ以降ずっと4磁石系のみについ
て研究が行われてきたのは、設計の便宜上の問題であっ
たことになる。
【0021】電子入力側の磁石M1と電子出力側の磁石
M4で電子ビームの軌道は、図1から明らかなように偏
向角Φを大きくすると、また、磁石M23と磁石M4の
磁極間の空間の長さL4を大きくすると、中心面に近づ
き、さらにそれらを大きくしてゆくと、中心面の反対側
にはみ出してしまう。このような場合には、フォーカス
合わせのための端面傾斜角が反対向きになって、フォー
カスができなくなる恐れがあるので、かかる不具合を回
避するためには、空間の長さL4、偏向角Φ、ビーム回
転半径R3を制限することが必要となる。これらは、次
の式によって制限される。
【0022】R3/ tan(Φ−90)>L4 例えば200kVにおいて、1μm/eVという実用的
分散を得るために、磁極3のビーム回転半径R3を50
mmに選んだ場合、磁極間の空間の長さL4の最大値は、 Φ=102°の場合 L4<235mm Φ=115°の場合 L4<107mm となる。
【0023】また、上記本発明に係るオメガ型エネルギ
ーフィルタのような3磁石系においては、既に述べたよ
うに必要な4つのフォーカスに対して3つの磁極端面し
か持たないので、磁極端面以外のパラメータを4つの軌
道の全てをフォーカスさせるために使わなければならな
い。そこで、本発明では、このパラメータとして磁石の
ビーム回転半径を採用する。
【0024】次に、本発明に係る3磁石系のオメガ型エ
ネルギーフィルタについて、収差の小さい最適条件を求
める。図6は電子ビームの偏向角Φを種々に変えた場合
の磁石3のビーム回転半径R3の変化を示す図、図7は
電子ビームの偏向角Φを変えた場合の分散の変化を示す
図である。ここで、磁石4のビーム回転半径R4は一定
値65mmである(200kvにおいて)。以下、他の
加速電圧については、例えばR3の場合であれば、R3
{U* /U*(200kV)}1/2 によって求めること
ができるので、200kvを一例として述べる。この図
6から、R3はΦを大きくするほど増大することがわか
る。Φが115°を越えたあたりで広がっているのは、
この領域ではフォーカスがかなり困難になるために、極
端な条件に振れやすいためである。ここに示した例で
は、Φは102°から120°までであるが、これ以外
の角度では収差の小さい条件の下でフォーカスを得るこ
とが困難であった。ここに示した結果は、次のような条
件を満足するフィルタ形状を求めたものである。
【0025】 (1)Aγγγ、Bγδδ/2<500mm (2)Bαβδ、Bγββ/2、Cβδ<1000mm (3)Dispersion 1μm/eV at 200kV (4)端面傾斜角0<θ2、θ3、θ4<45° 分散も図7に示すようにΦを大きくするほど増大する。
【0026】図8はNon−Isochromatis
ityを評価するための評価関数Mを偏向角Φに対して
示す図であり、評価関数Mは、Φが113°あたりから
減少していることがわかる。しかしいずれの場合もM>
10を満足している。図9は像面上の収差の目安となる
Bαβδ+Bγββ+Cβδを示す図である。いずれの
角度においても、合計3500以下を示すことができ
た。
【0027】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、従来の4磁石系のオメガ型エネルギーフィル
タにおける中心面の両側のドリフト空間の長さをゼロに
して3磁石系でオメガ型エネルギーフィルタを構成する
ので、収差が上記ドリフト空間の影響を受けなくなり収
差を小さくすることができ、フィルタを小型化すること
ができる。しかも、そのことにより必要な4つのフォー
カスに対して3つの磁極端面しか持たなずパラメータが
1つ少なくなるが、ビーム回転半径により補うことがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るオメガ型エネルギーフィルタの
実施の形態を示す図である。
【図2】 オメガ型エネルギーフィルタの設計パラメー
タを説明するための図である。
【図3】 オメガ型エネルギーフィルタにおける像面と
スリット面の関係を示す図である。
【図4】 種々のオメガ型エネルギーフィルタについて
L3を変えて求めた収差を示す図である。
【図5】 L3の端面のみをフリンジング磁界なしにし
て求めた収差を示す図である。
【図6】 電子ビームの偏向角Φを種々に変えた場合の
磁石3のビーム回転半径R3の変化を示す図である。
【図7】 電子ビームの偏向角Φを変えた場合の分散の
変化を示す図である。
【図8】 Non−Isochromatisityを
評価するための評価関数Mを偏向角Φに対して示す図で
ある。
【図9】 像面上の収差の目安となるBαβδ+Bγβ
β+Cβδを示す図である。
【図10】 電子光学系にオメガ型エネルギーフィルタ
を組み込んだ電子顕微鏡の構成例を示す図である。
【図11】 Aタイプのオメガ型エネルギーフィルタの
構成を説明するための図である。
【図12】 Bタイプのオメガ型エネルギーフィルタの
構成を説明するための図である。
【図13】 Aタイプのオメガ型エネルギーフィルタの
基本軌道を説明するための図である。
【図14】 Bタイプのオメガ型エネルギーフィルタの
基本軌道を説明するための図である。
【符号の説明】
M1、M2、M23、M3、M4…磁石、R3、R4…
ビーム回転半径、L3、L4…空間の長さ

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入射絞り面からスリット面までの電子ビ
    ームの軌道を連続的にΩ字状に偏向するオメガ型エネル
    ギーフィルタにおいて、電子ビームの軌道を含む平面に
    垂直な対称面を有し、電子ビームの入射側から偏向角を
    Φ、2Φ、Φとした3つの磁場領域を持ち、各磁極端面
    とビーム回転半径をパラメータとして用いフォーカス合
    わせを行うことを特徴とするオメガ型エネルギーフィル
    タ。
  2. 【請求項2】 前記偏向角Φを 102°≦Φ≦115° の範囲に選定したことを特徴とする請求項1記載のオメ
    ガ型エネルギーフィルタ。
  3. 【請求項3】 前記2Φの偏向角を有する磁場領域のビ
    ーム回転半径R3を前記Φの偏向角を有する磁場領域の
    ビーム回転半径R4より小さくしたことを特徴とする請
    求項1記載のオメガ型エネルギーフィルタ。
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