JP3400284B2 - オメガ型エネルギーフィルタ及び該フィルタを組み込んだ電子顕微鏡 - Google Patents

オメガ型エネルギーフィルタ及び該フィルタを組み込んだ電子顕微鏡

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JP3400284B2 JP04358597A JP4358597A JP3400284B2 JP 3400284 B2 JP3400284 B2 JP 3400284B2 JP 04358597 A JP04358597 A JP 04358597A JP 4358597 A JP4358597 A JP 4358597A JP 3400284 B2 JP3400284 B2 JP 3400284B2
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  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Analytical Chemistry (AREA)
  • Electron Tubes For Measurement (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エネルギー分光結
像を行うためのオメガ型エネルギーフィルタ及び該フィ
ルタを組み込んだ電子顕微鏡に関する。
【0002】
【従来の技術】図5は電子光学系にオメガ型エネルギー
フィルタを組み込んだ電子顕微鏡の構成例を示す図、図
6はAタイプのオメガ型エネルギーフィルタの構成を説
明するための図、図7はBタイプのオメガ型エネルギー
フィルタの構成を説明するための図、図8はAタイプの
オメガ型エネルギーフィルタの基本軌道を説明するため
の図、図9はBタイプのオメガ型エネルギーフィルタの
基本軌道を説明するための図である。
【0003】電子光学系にオメガ型エネルギーフィルタ
を組み込んだ電子顕微鏡では、図5に示すように電子銃
11で発生した電子ビームをコンデンサレンズ12、対
物レンズ13を通して試料14に照射し、中間レンズ1
5、入力絞り16、オメガ型エネルギーフィルタ17、
スリット18、投影レンズ19を通して蛍光板20に試
料の観察像を投影している。このオメガ型エネルギーフ
ィルタは、Ω字状の軌道に配置した4つの磁石M1 、M
2 、M3 、M4 (ビームの曲率半径R1 、R2、R3
4 )に連続してビームを通すことによって入射ビーム
と出射ビームとが同一直線上に並ぶようにしたものであ
り、図6及び図7にその光軸を含むマグネットポールピ
ースの形状と電子軌道の2つの例を示している。この図
6及び図7に示した2つの例は、実は異なる光学設定条
件の下で設計されたものであり、図6に示した磁極面に
平行方向Xにも磁界方向Yにも3回の結像を行うものが
Aタイプと呼ばれ、図7に示した磁極面に平行方向Xに
3回、磁界方向Yに2回の結像を行うものがBタイプと
呼ばれている。その基本的光学系の違いは、光軸を直線
に直して描いた図8に示すAタイプの軌道図及び図9に
示すBタイプの軌道図において明らかである。
【0004】さて、フィルタの直前にビームを収束する
面を絞り面、フィルタの直後においてスリットを挿入す
る面をスリット面とすると、フィルタは、絞り面に始ま
ってスリット面で終わる。この両面において高さ零とな
る軌道をxγ、yδとする。又、スクリーン場に像を出
す場合、この両面では、電子顕微鏡の回折図形が投影さ
れる。この時、像はスリットより手前に虚像が形成され
る。像はアクロマティックでなければならないが、スリ
ットの後方に置かれたラウンドレンズを通して初めて実
像を形成する。
【0005】オメガ型エネルギーフィルタは、2次収差
のいくつかを零にし残りの収差も小さくするために、第
2の磁石M2 と第3の磁石M3 の間の面を対称面(中心
面)として、その前後でのビーム軌道が対称となるよう
に設計されている。即ち、像面からスリット面までの距
離をLLとすると、入射ビームの像面は、絞り面から距離
LLに位置するように調整される。この様な条件の下で、
AタイプとBタイプの違いは、y方向(磁界方向)の軌
道において、Aタイプが図8に示すように対称面でyβ
=0、yδ′=0であるのに対して、Bタイプが図9に
示すように対称面でyβ′=0、yδ=0である。ここ
で「 ′」はZに対する微分、すなわち軌道の傾きであ
る。x軌道は、両ビームにおいて同一条件で、いずれの
タイプでも対称面でxα=0、xγ′=0となる。
【0006】このような初期条件を選ぶと、Aタイプで
は、図8に示すようにxγ軌道は3回フォーカスするの
に対し、yδ軌道も3回フォーカスするが、Bタイプで
は、図9に示すようにxγは3回フォーカスするもの
の、yδは2回のみのフォーカスとなる。即ち、像は裏
返しになる。このような2つのタイプのオメガ型エネル
ギーフィルタがあることは古くから知られている。
【0007】ところで、オメガ型エネルギーフィルタを
透過電子顕微鏡の結像レンズ系の中間に挿入した装置
は、電子線エネルギー分光結像法(ESI)のための装
置して近年盛んに用いられるようになった。通常、電子
顕微鏡に使用するエネルギー分析装置(EELS)のエ
ネルギー分解能は数eVであるが、ESI装置として用
いる場合には、像を作る必要から使用するビームの開き
角を大きく取らなければならず、困難な問題が発生し
た。それは、像の中心付近と周辺とで、ビームのエネル
ギーが異なるという問題がある。これは、イソクロマテ
ィックな性質と呼ばれている。
【0008】図10は従来型のオメガ型エネルギーフィ
ルタの電子軌道と、対称面、像面及びスリット面上のビ
ーム形状を示す図である。ビームスポットの図の上から
下へは、フォーカスの変化に対応する。対称面(中心
面)とは、オメガ型エネルギーフィルタの4つの磁石の
2番目と3番目の中間の面のことであり、この面に対し
てフィルタの形状と電子軌道は鏡面対象をなしている。
スリット面において、ビームは、エネルギーに応じて分
散を生ずる。
【0009】図10に示す例の場合、200kVの入射
ビームに対して、2kVのエネルギーをロスしたビーム
を描いている。また、ビームの開き角は0.75°であ
る。この面上にスリットを入れて、エネルギー範囲を選
択する。像面はフィルタの内部にあるが、実際に観察さ
れるのは、フィルタの出口におけるビームの傾斜を像面
まで延長したときに得られるもので、フィルタ内部のビ
ーム形状と同じではない。したがって、像は虚像であ
る。エネルギーをロスしたビームは、ダイレクトビーム
と異なる軌道を取るが、像面において両者は一致する。
すなわち、エネルギーの違ったビームも像面上では同じ
位置にフォーカスする。これをアクロマティックとい
う。図10に示す例の場合には、2kVもの大きなエネ
ルギーロスビームを描いているため、収差によってビー
ムの形が歪んで、零ロスビームとは完全に一致していな
い。図10(B)に示す対称面と図10(D)に示す像
面のビームを比較すれば分かるように、ビームの形は、
フィルタの場所によって異なっている。図10に示す例
では、ビームの開き角としてただ1種類だけを考えた
が、実際の装置では、開き角は零からある角度範囲にわ
たって連続している。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】図11は0.75、
0.5、0.25、0.125°のビーム開き角につい
てのスリット面上、像面上のビームの形を示す図であ
る。開き角が大きくなるにつれて、図11(C)に示す
ようにスリット面上のビームの形は大きくなると共に、
左側にシフトしている。ラウンドレンズにおけるコマ収
差と類似の収差が大きいことが分かる。ビームが丁度フ
ォーカスした上から3つめのスポットでは、各開き角の
ビームの幅が狭く、縦長の形をなしている。なお、これ
ら図11(A)、(B)、(C)の場合には、実線が零
ロスビーム、破線は100Vのエネルギーロスビームで
ある。
【0011】今、フイルムの対角線上の直径を170m
m(フイルムの幅120×120mm)の像を考えるこ
とにしよう。投影レンズの総合倍率を100倍とする
と、フィルタの虚像は、直径1.7mm(半径0.85
mm)の範囲までフイルムに露光されることになる。こ
れはおよそスリット面上で0.75°の角度に入射した
ビームに対応する。今、分散が1.1μm/eVとする
と、100Vエネルギーロスビームは、スリット上でダ
イレクトビームから0.11mmずれる。ところが、図
11(C)に示すように収差によってスリット面上のビ
ームは、角度に依存した幅を持つことになる。±0.7
5°のビームがスリット面上に作るビームの拡がりは
0.05mmである。図示のように100Vエネルギー
ロスビームは、ダイレクトビームと完全に分かれている
ので、両者は完全に分離できる。しかし、仮に50Vエ
ネルギーロスビームがあったとして、そのビームに着目
してスリットSを挿入したとしよう。図11(C)に示
す四角で囲った領域である。スリット幅は、ダイレクト
ビームの幅に合わせて0.05mmにしてある。スリッ
トを50Vエネルギーロスビームの全領域をカバーする
ように挿入したとすると、そのスリット内には、少なく
とも0.75°のダイレクトビームと、0.25までの
100Vエネルギーロスビームが混入する。
【0012】ここで、図11(C)の四角で示した位置
にスリットSを挿入したときに、像面上の像がどのよう
に見えるかを示したのが図11(A)である。図11
(B)の場合、中心付近は破線のみであるから、100
Vエネルギーロスビームだけの像が得られているが、一
番外側の零ロスビームだけから像ができている。外から
2番目の像は両エネルギーの混合である。もちろん、ス
リットの位置を変えれば、この関係をずらすことはでき
るし、スリット幅を狭くすれば、このような性質を弱め
ることはできる。しかし、せっかくスリットを入れなが
らエネルギーがキチンと分離できなかったり、場所によ
ってエネルギー値の異なる像が得られたりする現象を避
けることができない。
【0013】このような不都合を避ける方法は、できる
限り投影レンズの倍率を高くして使用することである。
例えば投影レンズの倍率を500倍で使用すれば、ここ
で述べた問題は生じない。しかしながら、ESIでは、
低倍から高倍までいろいろの倍率の像が必要とされるの
で、フィルタ後方のレンズ倍率をいつも大きく設定する
ことはできない。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の課題を
解決するものであって、イソマティックな性質のよいフ
ィルタを得るものである。そのために本発明は、エネル
ギー分光結像を行うためのオメガ型エネルギーフィルタ
において、瞳面上の像の中心付近と周辺部のエネルギー
値のずれを少なくするために、フィルタの出射側端面か
らスリット面までの距離をL5 とし、瞳面からスリット
面までの距離をLLとしたとき、LL/L5 >2となるよう
にしたことを特徴とし、フィルタの軌道方向zと磁極面
に平行な方向xを含むzx面の結像回数を3回、磁極面
に垂直な方向yを含むzy面の結像回数を2回とし、偏
向角Φを110°から120°の範囲としたことを特徴
とするものである。
【0015】また、エネルギー分光結像を行うためのオ
メガ型エネルギーフィルタを組み込んだ電子顕微鏡にお
いて、オメガ型エネルギーフィルを、瞳面上の像の中心
付近と周辺部のエネルギー値のずれを少なくするため
に、フィルタの出射側端面からスリット面までの距離を
5 とし、瞳面からスリット面までの距離をLLとしたと
き、LL/L5 >2となるようにし、フィルタ後方のレン
ズ系を3段以上とし、LLが長い場合においても100倍
以上の倍率を得るようにしたことを特徴とするものであ
る。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照しつつ説明する。図1は本発明に係るエネルギー
フィルタの実施の形態を説明するための図であり、オメ
ガ型エネルギーフィルタにおける像面とスリット面の関
係を示している。また、図2はオメガ型エネルギーフィ
ルタの設計パラメータを説明するための図、図3はイソ
クロマティックな性質の評価関数の収束距離パラメータ
LL/L5依存性を示す図、図4はL5 =40mmで固定
し、LL=65、95、130mmの場合について、スリ
ット上の収差図形を描いた図である。
【0017】オメガ型エネルギーフィルタにおいて、図
2に示すように対称面寄りの磁石M3 のビーム回転半径
をR3 、その入射側端面角度をθ1 、出射側端面角度を
θとし、スリット寄りの磁石Mのビーム回転半径
をR4 、その入射側端面角度をθ3 、出射側端面角度を
θ4 、偏向角をΦとする。また、対称面(中心面)から
対称面寄りの磁石M3 の入射側端面までの距離(ドリフ
ト長)をL3 、磁石M3の出射側端面から磁石M4 の入
射側端面までの距離をL4 、スリット寄りの磁石M4
出射側端面からスリット面までの距離をL5 とし、像面
からスリット面までの距離をLLとする。
【0018】オメガ型エネルギーフィルターの基本光学
特性を決める形状因子は、上記の回転半径R3 、R4
端面角度θ1 、θ2 、θ3 、θ4 、距離L3 、L4 、L
5 、LLの10個である。この他に磁石の実際の端面と磁
界分布の実効端面との距離もパラメータとなり得るが、
ここでは省略して考える。これらの10個のパラメータ
のうち、端面角度θ1 、θ2 、θ3 、θ4 を、像面及び
回折面で非点なしフォーカス(x方向とy方向とでフォ
ーカス位置が一致すること)を得るための調整用に用い
る。なお、これらをパラメータとして距離L3 、L4
5 等で調整することも可能である。
【0019】図1(A)の像面(Pupil plane)と図1
(C)のスリット面(Slit Plane) における収差Δ
P 、ΔYP 、ΔXS 、ΔYS は図1(E)のように表
され、その大きさは収差係数(Aααα、……、Bαβ
β、……、Cαα、……)と、像面又はスリット面とビ
ームのなす角α、β、γ、δに依存する。α、γはx軸
に対する、β、δはy軸に対する角度である。物面にお
けるビームの大きさは対物絞りによって制限されるが、
この大きさは低倍の場合でも5μm程度であり、フィル
タの前方の中間レンズを高倍率で使用した場合にはこれ
よりずっと小さな値となる。しかし、スリット面上で
は、スリット面の収差によってビームが広がっているの
で、像を見込むビームの角度はずっと大きなものとな
る。スリットを通り抜けるビームの半径を50μmとす
れば、α、βは、0.05/100=5×10-4rad
となる。これに対して、γ、δは、10-2rad程度な
ので、両者の間には100倍の開きがある。収差の大き
さは、収差係数と角度の積であるが、α、βとγ、δで
その大きさに大きな開きがあるため、収差量を決める収
差係数は、特定の係数だけが支配的となる。スリット面
上では、 ΔXP =(ri 2 /LL2 )(Aγγγ+Bγδδ/2) と近似することができる。ここで、ri はフィルタ像面
上の像の高さ、Aγγγ、Bγδδは収差係数(歪収差
や表面収差その他の幾何収差)である。スリット面上に
おいて、例えば収差によるビームの拡がりが大きくて
も、分散Dが大きければ、エネルギーの選択に支障はな
いので、フィルタの性能を表す指標として、 メリットファンクション(Merit Function)M M=Dri 2 /ΔXP =(DLL2 )/(Aγγγ+Bγ
δδ/2) を採用することができる。この値が大きいほど収差によ
るスリット面上での相対的なボケが小さく、したがっ
て、イソクロマティックな性質がよい。一方、像面上の
像ボケは、同様にして、 ΔYP ≒(ri a /LL2 ) (Bαβδ+Bγββ+Cβδ×LL×10-4/ra ) で近似される。ここで、ra はスリット面上の像の高
さ、Bαβδ、Bγββは収差係数(歪収差や表面収差
その他の幾何収差)、Cβδは収差係数(エネルギーの
違いによる色収差)である。以下の議論において使用す
るオメガ型エネルギーフィルタでは、この値は像の縁に
おいて0.2μm程度のボケを作るにすぎない。したが
って、投影レンズによって100倍に拡大されたとして
も問題はない。
【0020】多くのフィルタについて、図2に示す形状
の7つのパラメータ、回転半径R3、R4 、距離L3
4 、L5 、LL、偏向角Φを種々に変化させて上で示し
た評価関数ΔXP D/ri 2 をLL/L5 に対して求めた
ところ、図3のようになった。この図は、偏向角Φと距
離LLを固定してその他の形状パラメータを種々に変えた
場合のうち、最良の場合を示した。最良の評価関数は、
ほぼLL/L5 に比例して増大することが分かる。図3に
は偏向角Φを110°から120°まで変えた場合につ
いて示したが、評価関数値はあまり偏向角に依存しな
い。図4ではフィルタ像面上の像の高さri は0.8m
mとしたフリット上の収差図形を示している。LL=65
mmでは、図4(A)に示すように−50Vと+50V
のビームが重なっている。LL=95mmでは、図4
(B)に示すように0Vと±50Vのビームは完全に分
離している。LL=130mmでは、図4(C)に示すよ
うに3つのビームは遠く離れている。いくらのLLの値に
おいて50Vのビームが分離するかは、 DE/ΔXP =(E×10-3/ri 2 )M>1 の条件をエネルギー値E=50V、XP =0.8mmに
おいて求めればよい。この条件を満たす値は、M=1
2.5である。これまでの見積もりは、すべて加速電圧
200kVとして行ったので、 LL/L5 >2 でなければならないことが分かる。加速電圧を変えた場
合には、すべての寸法を相対論補正を行った加速電圧の
比の平方根に比例して変化させることによってほぼ同一
の特性が得られるからである。
【0021】なお、本発明は、上記実施の形態に限定さ
れるものではなく、種々の変形が可能である。例えば上
記実施の形態では、オメガ型エネルギーフィルタにより
説明したが、他のエネルギー分光結像を行うためのエネ
ルギーフィルタにも同様に適用でき、像を観察する場合
の像面だけでなく、電子回折図形を観察する場合の回折
像面等、瞳面上の像の中心付近と周辺部のエネルギー値
のずれを少なくするために同様に適用できる。像面から
スリット面までの距離LLが長くなるにしたがってエネル
ギーフィルタの後につながるレンズ系のうち、最初のレ
ンズは縮小レンズとなってしまうため、フィルタ後段の
レンズ系が、一般に行われているように2段しかない場
合には、100倍又はそれ以上の倍率を得ることが困難
となる。そこで、像面からスリット面までの距離LLが長
い場合においても、100倍又はそれ以上の倍率を得る
ようにするため、フィルタ後段のレンズ系を3段以上に
するように構成してもよい。
【0022】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、LL/L5 >2となる形状を選ぶことにより、
イソクロマティックな性質のよいオメガ型エネルギーフ
ィルタが得られた。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るオメガ型エネルギーフィルタの
実施の形態を説明するための図である。
【図2】 オメガ型エネルギーフィルタの設計パラメー
タを説明するための図である。
【図3】 イソクロマティックな性質の評価関数の収束
距離パラメータLL/L5 依存性を示す図である。
【図4】 L5 =40mmで固定し、LL=65、95、
130mmの場合について、スリット上の収差図形を描
いた図である。
【図5】 電子光学系にオメガ型エネルギーフィルタを
組み込んだ電子顕微鏡の構成例を示す図である。
【図6】 Aタイプのオメガ型エネルギーフィルタの構
成を説明するための図である。
【図7】 Bタイプのオメガ型エネルギーフィルタの構
成を説明するための図である。
【図8】 Aタイプのオメガ型エネルギーフィルタの基
本軌道を説明するための図である。
【図9】 Bタイプのオメガ型エネルギーフィルタの基
本軌道を説明するための図である。
【図10】 従来型のオメガ型エネルギーフィルタの電
子軌道と、対称面、像面及びスリット面上のビーム形状
を示す図である。
【図11】 0.75、0.5、0.25、0.125
°のビーム開き角についてのスリット面上、像面上のビ
ームの形を示す図である。
【符号の説明】
1 …第1の磁石、M2 …第1の磁石、M3 …第1の磁
石、M4 …第1の磁石 I…入射絞り面、S…スリット面
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01J 49/44 H01J 49/46 H01J 49/48 H01J 37/05 H01J 37/26

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エネルギー分光結像を行うためのオメガ
    型エネルギーフィルタにおいて、瞳面上の像の中心付近
    と周辺部のエネルギー値のずれを少なくするために、フ
    ィルタの出射側端面からスリット面までの距離をL5
    し、瞳面からスリット面までの距離をLLとしたとき、LL
    /L5 >2となるようにしたことを特徴とするオメガ型
    エネルギーフィルタ。
  2. 【請求項2】 フィルタの軌道方向zと磁極面に平行な
    方向xを含むzx面の結像回数を3回、磁極面に垂直な
    方向yを含むzy面の結像回数を2回とすることを特徴
    とする請求項1記載のオメガ型エネルギーフィルタ。
  3. 【請求項3】 偏向角Φを110°から120°の範囲
    としたことを特徴とする請求項1記載のオメガ型エネル
    ギーフィルタ。
  4. 【請求項4】 エネルギー分光結像を行うためのオメガ
    型エネルギーフィルタを組み込んだ電子顕微鏡におい
    て、オメガ型エネルギーフィルを、瞳面上の像の中心付
    近と周辺部のエネルギー値のずれを少なくするために、
    フィルタの出射側端面からスリット面までの距離をL5
    とし、瞳面からスリット面までの距離をLLとしたとき、
    LL/L5 >2となるようにし、フィルタ後方のレンズ系
    を3段以上とし、LLが長い場合においても100倍以上
    の倍率を得るようにしたことを特徴とするオメガ型エネ
    ルギーフィルタを組み込んだ電子顕微鏡。
JP04358597A 1997-02-27 1997-02-27 オメガ型エネルギーフィルタ及び該フィルタを組み込んだ電子顕微鏡 Expired - Fee Related JP3400284B2 (ja)

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