JP2002025485A - エネルギーフィルタ - Google Patents

エネルギーフィルタ

Info

Publication number
JP2002025485A
JP2002025485A JP2000204744A JP2000204744A JP2002025485A JP 2002025485 A JP2002025485 A JP 2002025485A JP 2000204744 A JP2000204744 A JP 2000204744A JP 2000204744 A JP2000204744 A JP 2000204744A JP 2002025485 A JP2002025485 A JP 2002025485A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
magnetic field
magnet
field region
energy
energy filter
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000204744A
Other languages
English (en)
Inventor
Michiyoshi Tanaka
通義 田中
Masami Terauchi
正己 寺内
Kenji Tsuda
健治 津田
Katsushige Tsuno
勝重 津野
Toshikazu Honda
敏和 本田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Jeol Ltd
Original Assignee
Jeol Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Jeol Ltd filed Critical Jeol Ltd
Priority to JP2000204744A priority Critical patent/JP2002025485A/ja
Priority to US09/897,767 priority patent/US6624412B2/en
Publication of JP2002025485A publication Critical patent/JP2002025485A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • GPHYSICS
    • G21NUCLEAR PHYSICS; NUCLEAR ENGINEERING
    • G21KTECHNIQUES FOR HANDLING PARTICLES OR IONISING RADIATION NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; IRRADIATION DEVICES; GAMMA RAY OR X-RAY MICROSCOPES
    • G21K1/00Arrangements for handling particles or ionising radiation, e.g. focusing or moderating
    • G21K1/08Deviation, concentration or focusing of the beam by electric or magnetic means
    • G21K1/093Deviation, concentration or focusing of the beam by electric or magnetic means by magnetic means

Landscapes

  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Spectroscopy & Molecular Physics (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • High Energy & Nuclear Physics (AREA)
  • Electron Tubes For Measurement (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 比較的簡便な構成で、2次収差をキャンセル
しつつエネルギー分散をより増大させることができるエ
ネルギーフィルタを得る。 【解決手段】 また、エネルギーフィルタは、中心面C
に対して鏡面対称になるように構成されている。第1磁
石10による第1の不均一磁場領域に入射したビーム1
は、曲げられた後、第2磁石20による第2の不均一磁
場領域に入射する。ビーム軌道は、第2磁石20による
磁場領域によって湾曲し第2磁石20による磁場領域か
ら出射して、第1磁石10による第3の磁場領域に入射
する。第1磁石10による第3の磁場領域に入射したビ
ームは、曲げられた後、出射スリットに至る。第1磁石
10および第2磁石20は中心面対称であるから、エネ
ルギーフィルタへの入射ビームの光軸とエネルギーフィ
ルタからの出射ビームの光軸は一致し、また、2次収差
はキャンセルされている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、荷電粒子ビームを
用いたエネルギー分析装置として用いられ、高エネルギ
ー分解能やイメージングのために使用されるエネルギー
フィルタに関する。
【0002】
【従来の技術】電子顕微鏡等において、イメージング用
エネルギーフィルタとしてオメガフィルタ(Ωフィル
タ)等が用いられている。エネルギーフィルタには、エ
ネルギー分散を増大させることが要求される。Ωフィル
タのエネルギー分散は、一般に、入射窓から出射窓(ス
リット位置)までの間の距離が長いほど大きい。しか
し、その距離を長くすると、フィルタが取り付けられる
装置全体を大きくする。よって、エネルギー分散を大き
くするために、入射窓から出射窓までの間の距離を大き
くすることには限界がある。
【0003】また、イメージング用エネルギーフィルタ
は、2次収差をキャンセルするために、中心面に対して
鏡面対称性(中心面対称性)を有している必要がある。
従って、エネルギー分散を大きくするために、倍率を大
きくするといった手法を適用することは困難である。従
って、一般に、入射窓と出射窓との間で、または、入射
瞳と出射瞳との間で倍率は1倍に固定される。
【0004】上記のような制約のもとで大きなエネルギ
ー分散を得るための一方法として、分散方向に凹レンズ
作用をする場を導入し、形状を大きくすることなく、一
様場による偏向作用およびフォーカス作用を増大させる
方法がある。例えば、4極子場を実現する磁極片の端面
(ビームの入出射側の面)に傾斜を設ける方法がある。
しかし、その方法では、傾斜角が大きくなるにつれて2
次収差が増大し、また、フィルタ設計におけるシミュレ
ーションの精度が低下する。よって、実質的に端面傾斜
角は40°程度以内に制限される。その結果、エネルギ
ー分散は、実用的なフィルタの大きさで、加速電圧20
0kVにおいて1μm程度にしかならない。
【0005】2次収差をキャンセルしつつエネルギー分
散を増大させる他の方法として、4極子場を作るための
磁極の表面に傾斜を設ける方法がある。図6は、特開平
6−162977号公報に記載された、そのようなΩフ
ィルタの概略構成を示すブロック図である。(A)は平
面図であり、(B)は(A)におけるIII−III断
面を示す断面図である。図6に示すように、磁極片2
1,21’の対向する表面には、所定量の傾斜が光軸O
に沿って設けられている。磁極片22,22’(ただし
磁極片22’は図示せず)にも同様に傾斜が設けられて
いる。磁極片21,21’,22,22’は、それぞ
れ、円錐の上部を切り取った形状物の一部であり、符号
21a,21bは円錐の母線に相当する。
【0006】このような構成は、Ωフィルタにおけるエ
ネルギー分散を高めるのに効果的であり、また、磁極端
面に傾斜を設ける場合に比べて、発生する2次収差が小
さいという特徴がある。
【0007】エネルギー分散を増大させる他のエネルギ
ーフィルタとして、特開平7−37536号公報に記載
されたエネルギーフィルタがある。図7は、そのような
エネルギーフィルタの概略構成を示す横断面図である。
図7に示すエネルギーフィルタは、3つのセクタ型磁石
を備えている。符号31,32,33は、それぞれ、第
1〜第3のセクタ型磁石の下側の磁極片を示す。第1の
セクタ型磁石の磁極片31は、内側において、上側磁極
片の磁極面と平行な平らな磁極面を有し、均一磁界を発
生する。第2のセクタ型磁石および第3のセクタ型磁石
において、磁極面には、図6に示されたものと同様な傾
斜が施されている。従って、第2のセクタ型磁石および
第3のセクタ型磁石は、不均一磁界を発生する。
【0008】光軸34に沿って入射したビームの軌道
は、第1のセクタ型磁石によって軌道を大きく曲げられ
た後(回転半径R1)、第2のセクタ型磁石による不均
一磁場領域に垂直に入射する。さらに、ビームは、第2
のセクタ型磁石による磁界から第3のセクタ型磁石によ
る不均一磁場領域に入射する。第2のセクタ型磁石およ
び第3のセクタ型磁石による磁界においてビーム軌道が
曲げられ、ビームは、第1のセクタ型磁石による磁場に
再び戻る。そして、再び第1のセクタ型磁石によってビ
ーム軌道を大きく曲げられて、ビームは出射スリットに
至る。
【0009】このような構成によれば、エネルギーフィ
ルタに入射したビームの軌道が計4回曲げられるので、
軌道長を長くとることができ、エネルギー分散を増大さ
せることができる。また、第1のセクタ型磁石によっ
て、入射窓側からのビーム軌道と出射スリット側へのビ
ーム軌道が交差するように大きく曲げられるので、軌道
長をより長くとることができる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかし、そのような構
成では、第1のセクタ型磁石による磁場において2つの
ビーム軌道を交差させる必要があるので、特に、第1の
セクタ型磁石の設計条件等が複雑になってしまう。すな
わち、エネルギーフィルタのサイズを大型化させないよ
うにするのには効果的な構成ではあるが、2つのビーム
軌道を交差させるための構造が複雑化してしまう。
【0011】そこで、本発明は、比較的簡便な構成で、
2次収差をキャンセルしつつエネルギー分散をより増大
させることができるエネルギーフィルタを得ることを目
的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明によるエネルギー
フィルタは、荷電ビームが順次通過する少なくとも3つ
の磁場領域を備えたエネルギーフィルタであって、荷電
ビームが最初に入射し出射するビーム回転半径R1の磁
場領域と、該ビーム回転半径R1の磁場領域を出射した
荷電ビームが入射し出射するビーム回転半径R2の磁場
領域と、ビーム回転半径R2の磁場領域を出射したビー
ムが最後に入射し出射するビーム回転半径R1の磁場領
域とを備え、前記荷電ビームが最初に入射し出射するビ
ーム回転半径R1の磁場領域への入射ビームの光軸と前
記ビームが最後に入射し出射するビーム回転半径R1の
磁場領域からの出射ビームの光軸とが同一直線上にある
ように前記少なくとも3つの磁場領域が配置されると共
に、前記前記少なくとも3つの磁場領域には、各磁場領
域におけるビームの回転中心に向かうにつれて強まる不
均一な磁場が形成されることを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照して説明する。
【0014】図1は、本発明によるエネルギーフィルタ
の一構成例を示す平面図である。このエネルギーフィル
タは3つの不均一磁場を発生させる2つの電磁石を含
み、図1には、第1磁石10の下側の磁極片11Bと第
2磁石20の下側の磁極片12Bとが示されている。図
1に示すように、エネルギーフィルタは、中心面Cに対
して鏡面対称になるように構成されている。以下、図1
における中心面Cを示す線の方向をz方向、紙面上でz
方向と直交する方向をx方向、紙面に直交する方向をy
方向とする。
【0015】図2(A)は、図1に示すエネルギーフィル
タをI−I断面で切断した断面を示す断面図である。ま
た、図2(B)は、図1に示すエネルギーフィルタをII
−II断面で切断した断面を示す断面図である。ただ
し、図2(A)において、縦方向の距離が横方向の距離に
比べて10倍に拡大されている。また、図2(B)におい
て、縦方向の距離が横方向の距離に比べて5倍に拡大さ
れている。
【0016】すなわち、図2(A)において、第1磁石1
0の上側の磁極片11Aと下側の磁極片11Bとの間の
間隔は、実際に作製されるものよりも広く示されてい
る。また、図2(B)において、第2磁石20の上側の磁
極片12Aと下側の磁極片12Bとの間の間隔は、実際
に作製されるものよりも広く示されている。図2(A)お
よび(B)において、符号Oは中心ビームが通る光軸を示
す。
【0017】さらに、図1に示すように、第1磁石の磁
極片の磁極端面(ビームの入出射側の面)11a,11
bは、ビーム入射方向およびビーム出射方向に対して垂
直な面からαだけ傾いている。
【0018】第1磁石10の磁極片11A,11Bの対
向する表面には、図6(B)に示された構造と同様に、所
定量の傾斜が光軸Oに沿って設けられている。すなわ
ち、磁極片11A,11Bの対向する部分において、ビ
ーム軌跡に沿った部分は、円錐台の一部分の形状となっ
ている。従って、図2(A)に示すように、第1磁石10
の磁極片11A,11Bは、I−I断面において中心面
対称のやや湾曲したV字形を呈する。これにより、磁極
片11A,11B間には、中心面Cを境にして2つの不
均一磁場領域が形成される。
【0019】なお、製作を容易にするために、磁極片1
1A,11Bを、中心(中心面Cに対応する部分)の付
近を平面上にして、I−I断面で見ると、台形が削られ
たような形状にしてもよい。
【0020】図3に示すように、第2磁石20の磁極片
12Bの中心面Cよりも左側(図1および図2における
左側)の部分Pは、円柱の上に円錐台が載せられたもの
の一部分(中央部分が削除された残りの部分)であり、
さらに、中心の円柱部分Tがくり抜かれたような形状で
ある。よって、中心面Cと、もとになる円錐の頂点Sと
は、ずれている。磁極片12Bの中心面Cよりも右側の
部分Qは、左側の部分Rと、中心面Cに対して鏡面対称
である。図2(B)および図3において、符号12c,
12dは円錐の母線に相当する。第2磁石20の磁極片
12Aの形状は、磁極片12Bを逆さまにした形状であ
る。なお、図3の下側に示されているものは、図1の紙
面下側から磁極片12Bを見た形状に相当する。
【0021】第1磁石10により発生される第1の不均
一磁場領域に入射したビーム1は、図1における右回り
(時計方向)に曲げられた後、第2磁石20による第2
の不均一磁場領域に入射する。なお、第1磁石10によ
るビーム軌道の半径をR1とする。ビーム軌道は、第2
磁石20による磁場領域によって図1における左回り
(反時計方向)に湾曲し第2磁石20による磁場領域か
ら出射して、再び第1磁石10により発生される第3の
不均一磁場領域に入射する。なお、第2の磁場領域にお
ける磁石20によるビーム軌道の半径をR2とする。
【0022】そして、第1磁石10による第3の不均一
磁場領域に入射したビームは、再び右回りに曲げられた
後、出射窓(出射スリット)に至る。第1磁石10およ
び第2磁石20はそれぞれ中心面対称であるから、エネ
ルギーフィルタへの入射ビームの光軸とエネルギーフィ
ルタからの出射ビームの光軸は一致し、また、2次収差
はキャンセルされている。
【0023】また、図7に示された構造では、第1磁石
による2つの磁場領域、第2磁石による磁場領域および
第3磁石による磁場領域の4つの磁場領域があったのに
対して、この実施の形態では、第1磁石10による2つ
の磁場領域と第2磁石による磁場領域との3つの磁場領
域があるといえる。
【0024】以上のような構成において、第1磁石10
による第1の磁場領域および第3の磁場領域におけるビ
ーム軌道の半径R1に対して、第2磁石20による第2
の磁場領域におけるビーム軌道の半径R2を大きくすれ
ばするほど、エネルギー分散は大きくなる。従って、こ
の実施の形態でも、図1に示すように、R2はR1より
も大きくなるように、第2の磁石10は第1の磁石より
も大きく作製されている。
【0025】次に、第1磁石10および第2磁石20の
磁極面(他方の磁極片に対向する面)の傾斜および磁極
端面(ビームの入出射側の面)の傾斜について説明す
る。
【0026】図4は、第1磁石10の磁極片11A,1
1Bの中心面Cよりも左側の部分であってビーム1が通
る部分の断面を示す断面図である。磁極片11A,11
Bの形状作成のもとになった円錐の頂点S1と、ビーム
1の中心ビームが通る光軸Oとの間の距離L1をR1/
n1とする。R1はビーム1の回転半径(回転中心D1
と光軸Oとの間の距離)である。すると、n1は傾斜の
程度を決めるパラメータに相当する。n1=1の場合
が、円錐の頂点S1と回転中心D1とが一致する場合で
ある。なお、この例では、ビーム1の回転半径R1は2
0mmであり、磁極片11A,11Bの間隙(光軸Oの
箇所での間隙)2G=10mmである。n1=0の場合
は、磁極面がxy平面と直交する平面の場合である。
【0027】また、n1=0.5の場合が、よく知られ
たラウンドビーム条件の場合で、その条件下では、磁極
片11A,11Bの磁極端面11a,11bに傾斜を設
けなくても、軸対称レンズのように、ビーム1を軸対称
にフォーカスすることができる。すなわち、端面傾斜を
施すことなく、磁場方向にもそれと直交する方向にも、
同様にフォーカス作用を生じさせる。
【0028】第1磁石10の磁極片11A,11Bの中
心面Cよりも右側の部分にも、図4に示された傾斜と同
様の傾斜が設けられている。
【0029】図5は、第2磁石20の磁極片12A,1
2Bの中心面Cよりも右側の部分であってビーム1が通
る部分の断面を示す断面図である。磁極片12A,12
Bの形状作成のもとになった円錐の頂点S2と、ビーム
1の中心ビームが通る光軸Oとの間の距離L2をR2/
n2とする。R2はビーム1の回転半径である。n2は
傾斜の程度を決めるパラメータである。n2=1の場合
が、円錐の頂点S2と回転中心D2とが一致する場合で
ある。なお、この例では、ビーム1の回転半径R2は4
8mmであり、磁極片12A,12Bの間隙(光軸Oの
箇所での間隙)2G=20mmである。
【0030】第2磁石20の磁極片12A,12Bの中
心面Cよりも左側の部分にも、図5に示された傾斜と同
様の傾斜が設けられている。
【0031】大きな分散を得るための条件は、ラウンド
ビーム条件である0.5よりもn1が小さくなるよう
に、第1磁石10の磁極面の傾斜を設定し、第2磁石2
0の磁極面の傾斜を、ラウンドビーム条件である0.5
よりもn2が大きくなるように設定することである。す
なわち、n1<0.5(ただしn1は0より大きな
値)、n2>0.5である。
【0032】なお、図4に示す例では、R1=20、θ
1(磁極面の傾斜角)=1.43゜であって、tanθ
1=tan(1.43゜)=L1/GよりL1=200
となって、n1=0.1となっている。
【0033】また、図5に示す例では、R2=48、θ
2(磁極面の傾斜角)=8.30゜であって、tanθ
2=tan(8.30゜)=L2/GよりL2=68.
5となって、n2=0.7となっている。
【0034】第2の磁石20の磁極面の傾斜の程度がよ
り大きいことから、磁場方向(y方向)のビームの収束
の程度は、磁場方向に直交する方向(x方向)のビーム
の収束の程度よりも大きい。そこで、エネルギーフィル
タ全体として軸対称にフォーカスさせるために、第1磁
石10では、ビームの収束の度合いを逆にしなければな
らない。ところが、第1磁石10では、磁極面の傾斜の
程度がより小さいのであるから(n1<0.5)、他の
方法によって、磁場方向に直交する方向のビームの収束
の程度を大きくしなければならない。
【0035】そこで、この実施の形態では、第1磁石1
0の磁極端面11a,11bの傾斜角度αによって、磁
場方向に直交する方向のビームの収束の程度を大きくす
る。すなわち、ビームが磁場方向に発散し、エネルギー
分散方向(磁場方向と直交する方向)に収束するよう
に、端面の磁極端面11a,11bの傾斜角度αは選定
される。なお、第2磁石20においては、磁極端面の傾
斜角度によってビームの収束性を制御する必要はなく、
ビーム入出射方向と第2磁石の磁極端面とがせいぜい傾
き数度以下のほぼ直交する状態になるように、第2磁石
の磁極端面は形成される。
【0036】また、パラメータn2で表される第2磁石
20の磁極面の傾斜の程度に応じて第1磁石10の磁極
端面11a,11bの傾斜角度αを調整することは、換
言すれば、n2選択の自由度が増すことになる。すなわ
ち、エネルギーフィルタ全体でビーム収束の軸対称性を
維持しつつエネルギー分散をより大きくするようなn2
を容易に選定できることになる。
【0037】なお、上述した実施の形態における第2の
磁場領域は、例えば中心面Cを境に2分割しても良く、
その場合には、磁場領域の数は合計4つとなる。また、
上述した実施の形態では、1つの第1磁石10により第
1及び第3の2つの磁場領域を発生させるようにした
が、磁極片11A,11Bを中心面Cを境にして分割す
ることにより、別個の磁石で2つの磁場領域を発生させ
るようにしても良い。
【0038】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、荷電ビ
ームが順次通過する少なくとも3つの磁場領域を備えた
エネルギーフィルタであって、荷電ビームが最初に入射
し出射するビーム回転半径R1の磁場領域と、該ビーム
回転半径R1の磁場領域を出射した荷電ビームが入射し
出射するビーム回転半径R2の磁場領域と、ビーム回転
半径R2の磁場領域を出射したビームが最後に入射し出
射するビーム回転半径R1の磁場領域とを備え、前記荷
電ビームが最初に入射し出射するビーム回転半径R1の
磁場領域への入射ビームの光軸と前記ビームが最後に入
射し出射するビーム回転半径R1の磁場領域からの出射
ビームの光軸とが同一直線上にあるように前記少なくと
も3つの磁場領域が配置されると共に、前記前記少なく
とも3つの磁場領域には、各磁場領域におけるビームの
回転中心に向かうにつれて強まる不均一な磁場が形成さ
れる様にしたため、エネルギー分散を増大させることが
できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明によるエネルギーフィルタの一構成例
を示す平面図である。
【図2】 図1に示すエネルギーフィルタのI−I断面
およびII−II断面を示す断面図である。
【図3】 第2磁石の磁極片の形状を説明するための図
である。
【図4】 第1磁石の磁極面の傾斜を説明するための図
である。
【図5】 第2磁石の磁極面の傾斜を説明するための図
である。
【図6】 Ωフィルタの概略構成を示すブロック図であ
る。
【図7】 従来のエネルギーフィルタの概略構成を示す
ブロック図である。
【符号の説明】
1 ビーム 10 第1磁石 11a,11b 磁極端面 11A,11B 磁極片 12A,12B 磁極片 20 第2磁石
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 津野 勝重 東京都昭島市武蔵野三丁目1番2号 日本 電子株式会社内 (72)発明者 本田 敏和 東京都昭島市武蔵野三丁目1番2号 日本 電子株式会社内 Fターム(参考) 5C033 AA03 AA05 5C038 KK12

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 荷電ビームが順次通過する少なくとも3
    つの磁場領域を備えたエネルギーフィルタであって、荷
    電ビームが最初に入射し出射するビーム回転半径R1の
    磁場領域と、該ビーム回転半径R1の磁場領域を出射し
    た荷電ビームが入射し出射するビーム回転半径R2の磁
    場領域と、ビーム回転半径R2の磁場領域を出射したビ
    ームが最後に入射し出射するビーム回転半径R1の磁場
    領域とを備え、前記荷電ビームが最初に入射し出射する
    ビーム回転半径R1の磁場領域への入射ビームの光軸と
    前記ビームが最後に入射し出射するビーム回転半径R1
    の磁場領域からの出射ビームの光軸とが同一直線上にあ
    るように前記少なくとも3つの磁場領域が配置されると
    共に、前記少なくとも3つの磁場領域には、各磁場領域
    におけるビームの回転中心に向かうにつれて強まる不均
    一な磁場が形成されることを特徴とするエネルギーフィ
    ルタ。
  2. 【請求項2】 前記少なくとも3つの磁場領域を形成す
    るためそれぞれ対向配置される磁極面部分は円錐の一部
    の周部分に対応する形状に形成されることを特徴とする
    請求項1記載のエネルギーフィルタ。
  3. 【請求項3】 前記2つのビーム回転半径R1の磁場領
    域における磁極面形状を決めるための円錐の頂点とビー
    ム中心軌道との間の距離を(R1/n1)とし、前記ビー
    ム回転半径R2の磁場領域における磁極面形状を決める
    ための円錐の頂点とビーム中心軌道との間の距離を(R
    2/n2)とした場合、0<n1<0.5、n2>0.
    5となるように、前記少なくとも3つの磁場領域におけ
    る磁極面を傾斜させたことを特徴とする請求項2記載の
    エネルギーフィルタ。
  4. 【請求項4】 エネルギー発散方向にビームが収束しそ
    れと直交する方向に発散するように、荷電ビームが最初
    に入射し出射するビーム回転半径R1の磁場領域におけ
    る磁極の入射及び出射端面が、ビーム入出射方向に直行
    する平面に対して傾斜していることを特徴とする請求項
    1乃至3のいずれかに記載のエネルギーフィルタ。
JP2000204744A 2000-07-06 2000-07-06 エネルギーフィルタ Pending JP2002025485A (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000204744A JP2002025485A (ja) 2000-07-06 2000-07-06 エネルギーフィルタ
US09/897,767 US6624412B2 (en) 2000-07-06 2001-07-02 Energy filter

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000204744A JP2002025485A (ja) 2000-07-06 2000-07-06 エネルギーフィルタ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002025485A true JP2002025485A (ja) 2002-01-25

Family

ID=18701957

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000204744A Pending JP2002025485A (ja) 2000-07-06 2000-07-06 エネルギーフィルタ

Country Status (2)

Country Link
US (1) US6624412B2 (ja)
JP (1) JP2002025485A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008293977A (ja) * 2007-05-24 2008-12-04 Ceos Corrected Electron Optical Systems Gmbh モノクロメータおよびモノクロメータを備えた放射源

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4048925B2 (ja) * 2002-11-18 2008-02-20 株式会社日立製作所 電子顕微鏡
JP3867048B2 (ja) * 2003-01-08 2007-01-10 株式会社日立ハイテクノロジーズ モノクロメータ及びそれを用いた走査電子顕微鏡
US7205542B1 (en) 2005-11-14 2007-04-17 Kla-Tencor Technologies Corporation Scanning electron microscope with curved axes

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE4310559A1 (de) 1993-03-26 1994-09-29 Zeiss Carl Fa Abbildendes Elektronenenergiefilter
US6066852A (en) * 1994-07-15 2000-05-23 Hitachi, Ltd. Electron energy filter
JP3571523B2 (ja) * 1998-03-09 2004-09-29 日本電子株式会社 オメガ型エネルギーフィルタ
DE60037071T2 (de) * 1999-06-01 2008-02-28 Jeol Ltd. Magentischer Energiefilter
US6501076B1 (en) * 2000-10-11 2002-12-31 Fei Company Electron analyzer having an integrated low pass filter

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008293977A (ja) * 2007-05-24 2008-12-04 Ceos Corrected Electron Optical Systems Gmbh モノクロメータおよびモノクロメータを備えた放射源

Also Published As

Publication number Publication date
US20020017614A1 (en) 2002-02-14
US6624412B2 (en) 2003-09-23

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3269575B2 (ja) 鏡補正器を有する、荷電素粒子ビーム用結像系
JP5340930B2 (ja) マルチビーム荷電粒子光学システム
JPH0737536A (ja) 結像用の電子エネルギーフィルタ
US5801388A (en) Particle beam, in particular ionic optic imaging system
US4434367A (en) Electron microscope
EP1793410A1 (en) Spherical aberration correction electrostatic lens, input lens, electron spectroscopic device, photoelectron microscope, and measurement system
JPH06105598B2 (ja) 荷電ビーム用レンズ
JP2002025485A (ja) エネルギーフィルタ
KR20020018981A (ko) 전자빔 리소그라피 장치 및 방법
JP3571523B2 (ja) オメガ型エネルギーフィルタ
JP2000228162A (ja) 電子ビーム装置
JP2007266003A (ja) 収差補正器
CZ302974B6 (cs) Filtr energie elektronu s magnetickými vychylovacími oblastmi a elektronový mikroskop
JP2003092078A (ja) 電子顕微鏡の球面収差補正装置
JP3363718B2 (ja) オメガ型エネルギーフィルター
JP5934517B2 (ja) 色収差補正装置及び色収差補正装置の制御方法
JP2002025489A (ja) 荷電粒子線投影系に用いる、最適化された曲線軸を有するダブレット
JPH06223767A (ja) 直接写像型反射電子顕微鏡
JPH10302711A (ja) オメガ型エネルギーフィルタ
JP3734380B2 (ja) 透過電子顕微鏡
JP3692011B2 (ja) 磁界型エネルギーフィルタ
KR101423408B1 (ko) 대전 입자 리소그래피 시스템
JPH03102813A (ja) 可変成形型荷電粒子線露光装置
JP3942341B2 (ja) 磁界型エネルギーフィルタ
JP2002524869A (ja) 荷電粒子を利用する投影リソグラフィ装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050411

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060725

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20060914

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20070116