JPH11258932A - 加熱装置、像加熱装置、及び画像形成装置 - Google Patents

加熱装置、像加熱装置、及び画像形成装置

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JPH11258932A
JPH11258932A JP8020798A JP8020798A JPH11258932A JP H11258932 A JPH11258932 A JP H11258932A JP 8020798 A JP8020798 A JP 8020798A JP 8020798 A JP8020798 A JP 8020798A JP H11258932 A JPH11258932 A JP H11258932A
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JP
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image
fixing
heating
heat
induction heating
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JP8020798A
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Kenji Karashima
賢司 辛島
Tokuyoshi Abe
篤義 阿部
Hideo Nanataki
秀夫 七瀧
Tetsuya Sano
哲也 佐野
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Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電磁誘導加熱方式の加熱装置100におい
て、誘導発熱部材10に容易にバイアスを印加して静電
オフセットを防止できるようにすること。 【解決手段】 誘導発熱部材10の、被加熱材Pの移動
方向に直交する方向である長手方向の熱分布をほぼ均一
化させるために、該誘導発熱部材10にその長手に接触
させて具備させた伝熱性部材40の少なくとも一部を導
電性材料で構成するとともに、該導電性材料部材の少な
くとも一部を誘導発熱部材に接触させることにより導通
をとるとともに、該導電性材料部材にバイアスを印加す
るバイアス印加手段と整流器の少なくとも一方を備えた
こと。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、加熱装置、像加熱
装置、及び画像形成装置に関する。
【0002】より詳しくは、磁場発生手段と、該磁場発
生手段の磁場の作用により電磁誘導発熱する誘導発熱部
材と、磁場発生手段と誘導発熱部材を隔てるとともに磁
場発生手段を支持する絶縁性支持部材と、誘導発熱部材
と相互圧接して被加熱材を挟持搬送して誘導発熱部材の
熱により被加熱材を加熱する加熱ニップ部を形成する加
圧部材を有する電磁(磁気)誘導加熱方式の加熱装置、
像加熱装置、及び該加熱装置を像加熱装置として備えた
電子写真装置・静電記録装置などの画像形成装置に関す
る。
【0003】
【従来の技術】便宜上、複写機・プリンタ等の画像形成
装置に具備させる、トナー画像を被記録材に加熱定着さ
せる像加熱装置(加熱定着装置)を例にして説明する。
【0004】画像形成装置において、電子写真プロセス
・静電記録プロセス・磁気記録プロセス等の適宜の画像
形成プロセス手段部で被記録材(転写材シート・エレク
トロファックスシート・静電記録紙・OHPシート・印
刷用紙・フォ一マット紙など)に転写方式あるいは直接
方式にて形成担持させた目的の画像情報の未定着画像
(トナー画像)を被記録材面に永久固着画像として加熱
定着させる定着装置としては熱ローラ方式の装置が広く
用いられていた。近時は、フイルム加熱方式の装置が実
用化されている。また電磁誘導加熱方式の装置も提案さ
れている。
【0005】a)熱ローラ方式の定着装置 これは、定着ローラ(加熱ローラ)と加圧ローラとの圧
接ローラ対を基本構成とし、該ローラ対を回転させ、該
ローラ対の相互圧接部である定着ニップ部(加熱ニップ
部)に画像定着すべき未定着トナー画像を形成担持させ
た被記録材を導入して挟持搬送させて、定着ローラの熱
と、定着ニップ部の加圧力にて未定着トナー画像を被記
録材面に熱圧定着させるものである。
【0006】b)フイルム加熱方式の定着装置 これは、例えば特開昭63−313182号公報・特開
平2−157878号公報・特開平4−44075号公
報・特開平4−204980号公報等に提案されてい
る。即ち、加熱体としての一般にセラミックヒータと、
加圧部材としての加圧ローラとの間に耐熱性フィルム
(定着フィルム)を挟ませてニップ部を形成させ、該ニ
ップ部のフィルムと加圧ローラとの間に画像定着すべき
未定着トナー画像を形成担持させた被記録材を導入して
フィルムと一緒に挟持搬送させることで、ニップ部にお
いてセラミックヒータの熱をフィルムを介して被記録材
に与え、またニップ部の加圧力にて未定着トナー画像を
被記録材面に熱圧定着させるものである。
【0007】c)電磁誘導加熱方式の定着装置 実開昭51−109736号公報には、磁束により定着
ローラに電流を誘導させてジュール熱によって発熱させ
る誘導加熱定着装置が開示されている。これは、誘導電
流の発生を利用することで直接定着ローラを発熱させる
ことができて、ハロゲンランプを熱源として用いた熱ロ
ーラ方式の定着装置よりも高効率の定着プロセスを達成
している。
【0008】しかしながら、磁場発生手段としての励磁
コイルによる交番磁束のエネルギーが定着ローラ全体の
昇温に使われるため放熱損失が大きく、投入エネルギー
に対する定着エネルギーの密度が低く効率が悪いという
欠点があった。
【0009】そこで、定着に作用するエネルギーを高密
度で得るために発熱体である定着ローラに励磁コイルを
接近させたり、励磁コイルの交番磁束分布を定着ニップ
部近傍に集中させたりして、高効率の定着装置が考案さ
れた。
【0010】図11に、励磁コイルの交番磁束分布を定
着ニップ部に集中させて効率を向上させた電磁誘導加熱
方式の定着装置の一例の概略構成を示した。
【0011】10は電磁誘導発熱層(導電体層、磁性体
層、抵抗体層)を有する、電磁誘導発熱性の回転体とし
ての円筒状の定着フイルムである。
【0012】16は横断面略半円弧状樋型のフィルムガ
イド部材であり、円筒状定着フィルム10はこのフィル
ムガイド部材16の外側にルーズに外嵌させてある。
【0013】15はフィルムガイド部材16の内側に配
設した磁場発生手段であり、励磁コイル18とE型の磁
性コア(芯材)17とからなる。
【0014】30は弾性加圧ローラであり、定着フィル
ム10を挟ませてフィルムガイド部材16の下面と所定
の圧接力をもって所定幅の定着ニップ部Nを形成させて
相互圧接させてある。上記磁場発生手段15の磁性コア
17は定着ニップ部Nと対応した位置に配設してある。
【0015】加圧ローラ30は駆動手段Mにより矢示の
反時計方向に回転駆動される。この加圧ローラ30の回
転駆動による該加圧ローラ30と定着フィルム10の外
面との摩擦力で定着フィルム10に回転力が作用して、
該定着フィルム10がその内面を定着ニップ部Nにおい
てフィルムガイド部材16の下面に密着させて摺動しな
がら矢示の時計方向に加圧ローラ30の回転周速度にほ
ぼ対応した周速度をもってフィルムガイド部材16の外
回りを回転状態になる(加圧ローラ駆動方式)。
【0016】フィルムガイド部材16は、定着ニップ部
Nへの加圧、磁場発生手段15としての励磁コイル18
と磁性コア17の支持、定着フィルム10の支持、該フ
ィルム10の回転時の搬送安定性を図る役目をする。こ
のフィルムガイド部材16は磁束の通過を妨げない絶縁
性の部材であり、高い荷重に耐えられる材料が用いられ
る。
【0017】定着ニップ部Nの温度は、不図示の温度検
知手段を含む温調系により励磁コイル18に対する電流
供給が制御されることで所定の温度が維持されるように
温調される。
【0018】而して、加圧ローラ30が回転駆動され、
それに伴って円筒状の定着フィルム10がフィルムガイ
ド部材16の外回りを回転し、励磁回路から励磁コイル
18への給電により定着フィルム10の電磁誘導発熱が
なされて定着ニップ部Nが所定の温度に立ち上がって温
調された状態において、不図示の画像形成手段部から搬
送された未定着トナー画像tが形成された被記録材Pが
定着ニップ部Nの定着フィルム10と加圧ローラ30と
の間に画像面を上向き、即ち定着フィルム面に対向させ
て導入され、定着ニップ部Nにおいて画像面が定着フィ
ルム10の外面に密着して定着フィルム10と一緒に該
定着ニップ部Nを挟持搬送されていく。
【0019】この定着ニップ部Nを定着フィルム10と
一緒に被記録材Pが挟持搬送されていく過程において、
定着フィルム10の電磁誘導発熱で加熱されて被記録材
P上の未定着トナー画像tが加熱定着される。
【0020】被記録材Pは定着ニップ部Nを通過すると
回転定着フィルム10の外面から分離して排出搬送され
ていく。
【0021】上述したような定着装置においては、定着
フィルムの熱容量が小さく、厚さが薄いために、定着フ
ィルムの長手方向の熱伝導率が悪い。このため、定着フ
ィルムよりも幅の狭い被記録材を通紙した場合、被記録
材が通過しない部分において熱が被記録材に奪われない
ために、非通紙部においてフィルムの温度が上昇(非通
紙部昇温)してしまう。
【0022】この非通紙部昇温現象によって、封筒のよ
うな小サイズ紙とA4サイズ紙を交互にプリントする場
合に、小サイズ紙を通紙した後に非通紙部の温度がトナ
ーのオフセット温度に達してしまうので、次にA4サイ
ズ紙が通紙されると、A4サイズ紙上のトナーが定着フ
ィルムにオフセットし、良好な定着画像を得ることがで
きないという問題が発生する。
【0023】そこで、この非通紙部昇温現象を緩和する
ために、ニップ部Nにおいて加圧ローラ30の定着フィ
ルム10を介した対向部に伝熱性部材を配設する構成の
加熱定着装置が提案されている。即ち、ニップNの長手
方向つまり被記録材の移動方向に直交する方向である長
手方向で誘導発熱部材である定着フィルム10に接触し
て該定着フィルム10の長手方向の熱分布をほぼ均一化
させるための伝熱性部材を備えた装置である。
【0024】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した定
着装置においては被記録材(転写材)上のトナーが定着
部材(定着フィルム)に静電的に転移し、その後の画像
を汚すいわゆる静電オフセットが発生した。この静電オ
フセットには大きく分けて2つの発生原因がある。
【0025】.一つは「全面オフセット」と呼ばれる
もので、定着部材の表面電位が摩擦帯電により過度に上
昇した場合や被記録材からトナーの保持電荷がリークす
る場合に、被記録材表面にトナーを引きつける電界が形
成されて発生する。この場合、オフセット画像は画像全
面に発生する。
【0026】.もう一つは「剥離オフセット」と呼ば
れるもので、被記録材後端が定着装置を抜ける際の剥離
放電によって定着部材表面が局所的に強く帯電し、それ
によってその帯電部位が被記録材に対向したときにオフ
セット電界が形成されて発生するもので、画像上は主走
査方向に一直線に発生する。
【0027】定着部材表面は高離型性が求められるた
め、一般にテトラフルオロエチレンパーフルオロアルキ
ルビニルエーテル共重合体(PFA)、ポリテラフルオ
ロエチレン(PTFE)等の耐熱性・高離型性樹脂のチ
ューブを被覆したり、コーティングしたりして離型層を
形成している。このように定着部材表面は絶縁材料で覆
われていることから帯電しやすく、一度帯電した場合の
減衰が起こりにくい性質をもっている。
【0028】これらの静電オフセットを防止するため
に、特開平5−6115号公報には定着部材の導電性の
芯金とアース間にダイオード、電源等を接続してオフセ
ット防止電界を強制的に形成するなどの防止策が提案さ
れている。
【0029】しかし、本発明で対象としている、磁場発
生手段と、該磁場発生手段の磁場の作用により電磁誘導
発熱する誘導発熱部材と、磁場発生手段と誘導発熱部材
を隔てるとともに磁場発生手段を支持する絶縁性支持部
材と、誘導発熱部材と相互圧接して被加熱材を挟持搬送
して誘導発熱部材の熱により被加熱材を加熱する加熱ニ
ップ部を形成する加圧部材を有する電磁誘導加熱方式の
加熱装置においては、定着部材である誘導発熱部材が従
来の定着装置のような芯金を持ったローラ形状ではな
く、導電性を有する誘導発熱層が定着部材の外部にでて
いない。そのため従来のように容易にバイアスを印加す
ることができない。
【0030】本発明は、上記のような電磁誘導加熱方式
の加熱装置についても、誘導発熱部材に容易にバイアス
を印加して静電オフセットを防止できるようにすること
を目的とする。
【0031】
【課題を解決するための手段】本発明は下記の構成を特
徴とする、加熱装置、像加熱装置、及び画像形成装置で
ある。
【0032】(1)磁場発生手段と、該磁場発生手段の
磁場の作用により電磁誘導発熱する誘導発熱部材と、磁
場発生手段と誘導発熱部材を隔てるとともに磁場発生手
段を支持する絶縁性支持部材と、誘導発熱部材と相互圧
接して被加熱材を挟持搬送して誘導発熱部材の熱により
被加熱材を加熱する加熱ニップ部を形成する加圧部材
と、被加熱材の移動方向に直交する方向である長手方向
で誘導発熱部材に接触して誘導発熱部材の長手方向の熱
分布をほぼ均一化させるための伝熱性部材を備えた加熱
装置において、上記伝熱性部材の少なくとも一部を導電
性材料で構成するとともに、該導電性材料部材の少なく
とも一部を誘導発熱部材に接触させることにより導通を
とるとともに、該導電性材料部材にバイアスを印加する
バイアス印加手段と整流器の少なくとも一方を備えたこ
とを特徴とする加熱装置。
【0033】(2)被記録材上の像を加熱処理あるいは
熱定着する像加熱装置であり、像加熱手段が前記(1)
に記載の加熱装置であることを特徴とする像加熱装置。
【0034】(3)被記録材上に像を形成する像形成手
段と、被記録材上の像を加熱処理あるいは熱定着する像
加熱手段とを有し、該像加熱手段が前記(1)に記載の
加熱装置であることを特徴とする画像形成装置。
【0035】〈作 用〉即ち、誘導発熱部材に常時接触
して、該誘導発熱部材の長手方向の熱分布をほぼ均一化
させるための伝熱性部材に着目して、該伝熱性部材の少
なくとも一部を導電性材料で構成するとともに、該導電
性材料部材の少なくとも一部を誘導発熱部材に接触させ
ることにより導通をとるとともに、該導電性材料部材に
バイアスを印加するバイアス印加手段と整流器の少なく
とも一方を備えさせて、該誘導発熱部材にバイアスを印
加するので、誘導発熱部材に容易にバイアスを印加して
静電オフセットを防止できる。
【0036】誘導発熱部材へのバイアス印加部材を伝熱
性部材と共通にすることによりコストの低減を図ること
ができる。
【0037】
【発明の実施の形態】〈第1の実施形態例〉(図1〜図
9) (1)画像形成装置例 図1は画像形成装置の一例の概略構成図である。本例の
画像形成装置は電子写真カラープリンタである。
【0038】101は有機感光体やアモルファスシリコ
ン感光体でできた感光体ドラム(像担持体)であり、矢
示の反時計方向に所定のプロセススピード(周速度)で
回転駆動される。
【0039】感光体ドラム101はその回転過程で帯電
ローラ等の帯電装置102で所定の極性・電位の一様な
帯電処理を受ける。
【0040】次いでその帯電処理面にレーザ光学箱(レ
ーザスキャナー)110から出力されるレーザ光103
による、目的の画像情報の走査露光処理を受ける。
【0041】レーザ光学箱110は不図示の画像読み取
り装置等の画像信号発生装置からの目的画像情報の時系
列電気デジタル画素信号に対応して変調(オン/オフ)
したレーザ光103を出力して回転感光体ドラム101
面を走査露光して、該ドラム101面に目的画像情報に
対応した静電潜像を形成する。
【0042】109はレーザ光学箱110からの出力レ
ーザ光103を感光体ドラム101の露光位置に偏向さ
せるミラーである。
【0043】フルカラー画像形成の場合は、目的のフル
カラー画像の第1の色分解成分画像、例えばイエロー成
分画像についての走査露光・潜像形成がなされ、その潜
像が4色カラー現像装置104のうちのイエロー現像器
104Yの作動でイエロートナー画像として現像され
る。
【0044】そのイエロートナー画像は感光体ドラム1
01と中間転写体ドラム105との接触部(或いは近接
部)である1次転写部T1において中間転写体ドラム1
05の面に転写される。
【0045】中間転写体ドラム105は、金属ドラム上
に中抵抗の弾性層と高抵抗の表層を有するもので、感光
体ドラム101に接触して或いは近接して感光体ドラム
101と略同じ周速度で矢示の時計方向に回転駆動さ
れ、バイアス電位を与えられて感光体ドラム101との
電位差で感光体ドラム101側のトナー画像を該中間転
写体ドラム105面側に転写させる。
【0046】中間転写体ドラム105面に対するトナー
画像転写後の回転感光体ドラム101面はクリーナ10
7により転写残りトナー等の付着残留物の除去を受けて
清掃される。
【0047】上記のような帯電・走査露光・現像・一次
転写・清掃のプロセスサイクルが、目的のフルカラー画
像の第2の色分解成分画像(例えばマゼンタ成分画像、
マゼンタ現像器104Mが作動)、第3の色分解成分画
像(例えばシアン成分画像、シアン現像器104Cが作
動)、第4の色分解成分画像(例えば黒成分画像、黒現
像器104BKが作動)の各色分解成分画像について順
次実行され、中間転写体ドラム105面にイエロートナ
ー画像・マゼンタトナー画像・シアントナー画像・黒ト
ナー画像の都合4色のトナー画像が順次重ねて転写され
て、目的のフルカラー画像に対応したカラートナー画像
が合成形成される。
【0048】上記の回転中間転写体ドラム105面に合
成形成されたカラートナー画像は、該回転中間転写体ド
ラム105と転写ローラ106との接触ニップ部である
二次転写部T2において、該二次転写部T2に不図示の
給紙部から所定のタイミングで送り込まれた被記録材P
の面に転写されていく。転写ローラ106は被記録材P
の背面からトナーと逆極性の電荷を供給することで中間
転写体ドラム105面側から被記録材P側へ合成カラー
トナー画像を順次に一括転写する。
【0049】二次転写部T2を通過した被記録材Pは、
中間転写体ドラム105の面から分離されて定着装置
(像加熱装置)100へ導入され、未定着トナー画像の
加熱定着処理を受けてカラー画像形成物として機外の不
図示の排紙トレーに排出される。本例においては、トナ
ーは低軟化物質を含有させたものを用いている。定着装
置100については次の(2)項で詳述する。
【0050】被記録材Pに対するカラートナー画像転写
後の回転中間転写体ドラム105はクリーナ108によ
り転写残りトナー・紙粉等の付着残留物の除去を受けて
清掃される。このクリ−ナ108は常時は中間転写体ド
ラム105に非接触状態に保持されており、中間転写体
ドラム105から被記録材Pに対するカラートナー画像
の二次転写実行過程においてトナー画像転写後の中間転
写体ドラム105面に接触状態に保持される。
【0051】また転写ローラ106も常時は中間転写体
ドラム105に非接触状態に保持されており、中間転写
体ドラム105から被記録材Pに対するカラートナー画
像の二次転写実行過程において中間転写体ドラム105
に被記録材Pを介して接触状態に保持される。
【0052】本例装置は、白黒画像などモノカラー画像
のプリントモードも実行できる。また両面画像プリント
モード、或いは多重画像プリントモードも実行できる。
【0053】両面画像プリントモードの場合は、定着装
置100を出た1面目画像プリント済みの被記録材Pが
不図示の再循環搬送機構を介して表裏反転されて再び二
次転写部T2へ送り込まれて2面目に対するトナー画像
転写を受け、再度、定着装置100に導入されて2面目
に対するトナー画像の定着処理を受けることで両面画像
プリントが出力される。
【0054】多重画像プリントモードの場合は、定着装
置100を出た1回目画像プリント済みの被記録材Pが
不図示の再循環搬送機構を介して表裏反転されずに再び
二次転写部T2へ送り込まれて1回目画像プリント済み
の面に2回目のトナー画像転写を受け、再度、定着装置
100に導入されて2回目のトナー画像の定着処理を受
けることで多重画像プリントが出力される。
【0055】(2)定着装置100 図2は本例の定着装置100の要部の横断面模型図、図
3は要部の正面模型図である。
【0056】本例の定着装置100は、円筒状の電磁誘
導発熱性フィルムを用いた、加圧ローラ駆動方式・電磁
誘導加熱方式の装置である。前述した図11の装置と共
通の構成部材・部分には同一の符号を付して再度の説明
を省略する。
【0057】磁性コア17a、17b、17cは高透磁
率の部材であり、フェライトやパーマロイ等といったト
ランスのコアに用いられる材料がよく、より好ましくは
100kHz以上でも損失の少ないフェライトを用いる
のがよい。
【0058】励磁コイル18には励磁回路27(図6)
を接続してある。この励磁回路27は20kHzから5
00kHzの高周波をスイッチング電源で発生できるよ
うになっている。励磁コイル18は励磁回路27から供
袷される交番電流(高周波電流)によって交番磁束を発
生する。
【0059】16aと16bは絶縁性支持部材としての
横断面略半円弧状樋型の左右のフィルムガイド部材であ
り、両者16a・16bのつき合わせで略円筒体のフィ
ルムガイドアセンブリが構成される。その外側に誘導発
熱部材としての円筒状の電磁誘導発熱性フィルム(定着
フィルム)10をルーズに外嵌させてある。LF は定着
フィルム10の長さ寸法である。
【0060】フィルムガイド部材16a・16bの材質
としては、定着フィルム10との絶縁を確保するために
絶縁性に優れ、耐熱性がよいものがよい。例えば、フェ
ノール樹脂、フッ素樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド
樹脂、ポリアミドイミド樹脂、PEEK樹脂、PES樹
脂、PS樹脂、PFA樹脂、PTFE樹脂、FEP樹
脂、LCP樹脂などを選択するとよい。
【0061】23a、23bはフィルムガイド部材16
a・16bとのアセンブリの左右両端部に外嵌させて位
置固定して取り付けた、定着フィルム10の端部を規制
・保持するフランジ部材である。
【0062】フィルムガイド部材16aの内側には、磁
性コア17a、17b、17cと、励磁コイル18を保
持させてある。
【0063】40は伝熱性部材であり、ニップ部Nの加
圧ローラ30の対向面側で定着フィルム10の内面の誘
導発熱層に接触するように、ニップ部Nの長手に沿って
配設してある。
【0064】22はフィルムガイド部材16bのニップ
部Nに対応する内面平面部に当接させて配設した横長の
加圧用剛性ステイである。
【0065】19は、磁性コア17a、17b、17c
及び励磁コイル18と、加圧用剛性ステイ22の間を絶
縁するための絶縁性部材である。
【0066】上記の伝熱性部材40は定着フィルム10
の内面の誘導発熱層に常時接触して、該定着フィルム1
0の長手方向の熱分布をほぼ均一化させる役目をする。
本実施例ではこの伝熱性部材40を全体に導電性・良熱
伝導部材にした。具体的には、該導電性・良熱伝導部材
40には鉄を用いている。鉄の熱伝導率kは、k=72
[W・m-1・K-1]であり、厚さ1[mm]である。
【0067】導電性・良熱伝導部材40は鉄以外ののも
でも勿論よく、ニッケル(k=83[W・m-1
-1])などのように熱伝導率kが k≧70[W・m-1・K-1] の材料を用いることが好ましい。
【0068】この導電性・良熱伝導部材40には、図4
のように、整流器61が所定の向きに接続されるととも
に電源62より所定の極性・大きさのバイアスが印加さ
れる。また加圧ローラ30に対しても整流器63が所定
の向きに接続されるとともに電源64より所定の極性・
大きさのバイアスが印加される。このような構成により
静電的なオフセットを防止することができる。
【0069】本例における導電性・良熱伝導部材40へ
の整流器61の接続方法としては、図5のように、導電
性・良熱伝導部材40をニップ部Nの長手においてフィ
ルムガイド部材16bの外面に沿わせてフィルムガイド
部材端部のフランジ部材23bの内側をくぐらせて外部
まで延長し、そこで接触端子60を介して接続してい
る。
【0070】加圧ローラ30は、芯金30aと、該芯金
周りに同心一体にローラ状に成形被覆させた、シリコー
ンゴム・フッ素ゴム・フッ素樹脂などの耐熱性・弾性材
層30bとで構成されており、芯金30aの両端部を装
置の不図示のシャーシ側板間に回転自由に軸受け保持さ
せて配設してある。LR は加圧ローラ30の長さ寸法で
ある。
【0071】加圧用剛性ステイ22の両端部と装置シャ
ーシ側のバネ受け部材29a、29bとの間にそれぞれ
加圧バネ25a、25bを縮設することで加圧用剛性ス
テイ22に押し下げ力を作用させている。これによりフ
ィルムガイド部材16bの下面に配設した導電性・良熱
伝導部材40の下面と加圧ローラ30の上面とが定着フ
ィルム10を挟んで圧接して所定幅の定着ニップ部Nが
形成される。
【0072】加圧ローラ30は駆動手段Mにより矢示の
反時計方向に回転駆動される。この加圧ローラ30の回
転駆動による該加圧ローラ30と定着フィルム10の外
面との摩擦力で定着フィルム10に回転力が作用して、
該定着フィルム10が定着ニップ部Nにおいてその内面
が導電性・良熱伝導部材40の下面に密着して摺動しな
がら矢示の時計方向に加圧ローラ30の回転周速度にほ
ぼ対応した周速度をもってフィルムガイド部材16a・
16bのアセンブリの外回りを回転状態になる。
【0073】ここで、導電性・良熱伝導部材40が鉄の
ような場合には、鉄の表面滑り性がよくないために、こ
の部材面に密着摺動する定着フィルムの内面に傷をつけ
てしまいやすくて定着フィルム10の耐久性が悪化しや
すい。このような場合、定着ニップ部Nにおける導電性
・良熱伝導部材40の下面と定着フィルム10の内面と
の相互摺動摩擦力を低減化させるために定着ニップ部N
の導電性・良熱伝導部材40の下面と定着フィルム10
の内面との間に耐熱性・導電性グリスなどの潤滑剤を介
在させることもできる。
【0074】上述したように、左右のフィルムガイド部
材16a・16bのうちの、一方のフィルムガイド部材
16aは、磁性コア17a、17b、17cおよび励磁
コイルの支持、他方のフィルムガイド部材16bは、導
電性・良熱伝導部材40の保持、定着ニップ部Nへの加
圧をそれぞれ担うとともに、両者16a・16b共同し
て定着フィルム10を支持し、該フィルム10のの回転
時の搬送安定性を図る役目をする。
【0075】16eはフィルムガイド部材16aの側面
にフィルムガイド部材長手に沿って間隔をおいて形成具
備させた複数本のフィルムガイド部材周方向の凸リブ部
である。この凸リブ部16eはフィルムガイド部材16
aの側面と定着フィルム10の内面との接触摺動抵抗を
低減させて定着フィルム10の回転負荷を少なくする作
用をする。このような凸リブ部は他方のフィルムガイド
部材16bの側面にも同様に形成具備させることもでき
る。
【0076】図7は磁場発生手段である励磁コイル18
と磁性コア17a、17b、17cからの交番磁束の発
生の様子を模式的に表したものである。磁束Cは発生し
た交番磁束の一部を表す。
【0077】磁性コア17a、17b、17cに導かれ
た交番磁束Cは、磁性コア17aと17bとの間、磁性
コア17aと17cとの間において、定着フィルム10
の電磁誘導発熱層1(図8)に渦電流を発生させる。こ
の渦電流は電磁誘導発熱層1の固有抵抗によって電磁誘
導発熱層1にジュール熱を発生させる。
【0078】ここでの発熱量Qは電磁誘導発熱層1を通
る磁束の密度によって決まり、図7のグラフのような分
布を示す。図7のグラフは、縦軸に磁性コア17aの中
心を0として、中心からの角度θにより定着フィルム1
0の位置を表している。横軸は定着フィルム10の電磁
誘導発熱層1での発熱量を表す。ここで、発熱域Hは最
大発熱量をQとした場合、発熱量がQ/e以上の領域と
定義する。これは定着に必要な発熱量が得られる領域で
ある。
【0079】定着ニップ部Nの温度は温度センサ26
(図2)を含む不図示の温調系により励磁コイル18に
対する電流供給が制御されることで所定の温度が維持さ
れるように温調される。
【0080】本例装置においては、定着フィルム10の
温度を検知するサーミスタなどの温度センサ26を定着
フィルム10の内面側で定着ニップ部の直後部に対応す
る位置の、フィルムガイド部材16bの外面部に配設
し、定着ニップ部Nの温度を制御するようにしている。
【0081】而して、加圧ローラ30が回転駆動され、
それに伴って円筒状の定着フィルム10がフィルムガイ
ド部材16aと16bの外回りを回転し、励磁回路27
(図6)から励磁コイル18への給電により上記のよう
に定着フィルム10の電磁誘導発熱がなされて定着ニッ
プ部Nが所定の温度に立ち上がって温調された状態にお
いて、不図示の画像形成手段部から搬送された未定着ト
ナー画像tが形成された被記録材Pが定着ニップ部Nの
定着フィルム10と加圧ローラ30との間に画像面を上
向き、すなわち定着フィルム面に対向させて導入され、
定着ニップ部Nにおいて画像面が定着フィルム10の外
面に密着して定着フィルム10と一緒に該定着ニップ部
Nを挟持搬送されていく。
【0082】この定着ニップ部Nを定着フィルム10と
一緒に被記録材Pが挟持搬送されていく過程において、
定着フィルム10の電磁誘導発熱で加熱されて被記録材
P上の未定着トナー画像tが加熱定着される。
【0083】なお、本実施例の装置において、定着ニッ
プ部Nには磁界発生手段17・18の発生磁束は実質的
に及ばず、したがって定着ニップ部Nに対応位置してい
る導電性・良熱伝導部材40はそれが電磁誘導発熱性の
材質材であっても実質的に発熱せず、該部材40の非通
紙部昇温の抑制効果は損なわれない。
【0084】被記録材Pは定着ニップ部Nを通過すると
回転定着フィルム10の外面から分離して排出搬送され
ていく。被記録材上の加熱定着トナー画像は定着ニップ
部通過後、冷却して永久固着像となる。
【0085】フランジ部材23a、23bは定着フィル
ム10の回転時に該定着フィルム10の端部を受けて定
着フィルム10のフィルムガイド部材16a、16bの
長手に沿う寄り移動を規制する役目をする。このフラン
ジ部材23a、23bは定着フィルム10に従動で回転
する構成にしてもよい。
【0086】本例では、トナーtに低軟化物質を含有さ
せたトナーを使用したため、定着装置にオフセット防止
のためのオイル塗布機構を設けていないが、低軟化物質
を含有させていないトナーを使用した場合にはオイル塗
布機構を設けてもよい。また、低軟化物資地を含有させ
たトナーを使用した場合にもオイル塗布や冷却分離を行
ってもよい。
【0087】A)磁界発生手段17・18 磁界発生手段の励磁コイル18はコイル(線輪)を構成
させる導線(電線)として、一本ずつがそれぞれ絶縁被
覆された銅製の細線を複数本束ねたもの(束線)を用
い、これを複数回巻いて励磁コイルを形成している。
【0088】絶縁被覆は定着フイルム10の発熱による
熱伝導を考慮して耐熱性を有する被覆を用いるのがよ
い。本例においてはポリイミドによる被覆を用いており
耐熱温度は220℃である。また、励磁コイル18の外
部から圧力をかけて密集度を向上させてもよい。
【0089】また磁界発生手段としての磁性コア17
a、17b、17c及び励磁コイル18と、定着フィル
ム10の発熱層1との間に距離はできる限り近づけた方
が磁束の吸収効率が高いのであるが、この距離が5mm
を越えるとこの効率が著しく低下するため5mm以内に
するのがよい。また5mm以内であれば定着フィウム1
0の発熱層1と励磁コイル18の距離が一定である必要
はない。励磁コイル18のフィルムガイド部材16aか
らの引出線18a・18b(図6)については、フィル
ムガイド部材16aから外の部分について束線の外側に
絶縁被覆を施している。
【0090】B)定着フイルム10 図8は本例における定着フィルム10の層構成模型図で
ある。本例の定着フィルム10は、電磁誘導発熱性定着
フィルムの基層となる、金属フィルム等でできた電磁誘
導発熱層1と、その外面に積層した弾性層2と、さらに
その外面に積層した離型層3の複合構造のものである。
電磁誘導発熱層1と弾性層2との間の接着、弾性層2と
離型層3との間の接着のため、各層間にプライマー層
(不図示)を設けてもよい。
【0091】円筒状の定着フィルム10において、電磁
誘導発熱層1が内面側であり、離型層3が外面側として
いる。前述したように、電磁誘導発熱層1に交番磁束が
作用することで該電磁誘導発熱層1に渦電流が発生して
該電磁誘導発熱層1が発熱する。その熱が弾性層2・離
型層3を介して定着ニップNに通紙される被加熱材とし
ての被記録材Pを加熱してトナー画像tの加熱定着がな
される。
【0092】a.電磁誘導発熱層1 電磁誘導発熱層1は非磁性の金属でも良いが、ニッケ
ル、鉄、強磁性SUS、ニッケル−コバル卜合金といっ
た強磁性体の金属を用いるとよい。
【0093】その厚みは次の式で表される表皮深さより
厚くかつ200μm以下にすることが好ましい。表皮深
さσ[m]は、励磁回路の周波数f[Hz]と透磁率μ
と固有抵抗ρ[Ωm]で、 σ=503×(ρ/fμ)1/2 と表される。
【0094】これは電磁誘導で使われる電磁波の吸収の
深さを示しており、これより深いところでは電磁波の強
度は1/e以下になっており、逆にいうと殆どのエネル
ギーはこの深さまでで吸収されている(図9)。
【0095】そこで電磁誘導発熱層1の厚さは好ましく
は1〜100μmがよい。電磁誘導発熱層1の厚みが1
μmよりも小さいとほとんどの電磁エネルギーが吸収し
きれないため効率が悪くなる。また、電磁誘導発熱層1
が100μmを超えると剛性が高くなりすぎ、また屈曲
性が悪くなり回転体として使用するには現実的ではな
い。従って、電磁誘導発熱層1の厚みは1〜100μm
が好ましい。
【0096】b.弾性層2 弾性層2は、シリコーンゴム、フッ素ゴム、フルオロシ
リコーンゴム等で耐熱性がよく、熱伝導率がよい材質で
ある。
【0097】弾性層2の厚さは10〜1000μmが好
ましい。この弾性層2は定着画像品質を保証するために
必要な厚さである。
【0098】カラー画像を印刷する場合、特に写真画像
などでは被記録材P上で大きな面積に渡ってベタ画像が
形成される。この場合、被記録材の凹凸あるいはトナー
層の凹凸に加熱面(離型層3)が追従できないと加熱ム
ラが発生し、伝熱量が多い部分と少ない部分で画像に光
沢ムラが発生する。伝熱量が多い部分は、光沢度が高
く、伝熱量が少ない部分では光沢度が低い。弾性層2の
厚さとしては、10μm以下では被記録材あるいはトナ
ー層の凹凸に追従しきれず画像光沢ムラが発生してしま
う。また、弾性層2が1000μm以上の場合には弾性
層の熱抵抗が大きくなりクイックスタートを実現するの
が難しくなる。より好ましくは弾性層2の厚みは50〜
500μmがよい。
【0099】また、弾性層2の硬度が高すぎても被記録
材あるいはトナー層の凹凸に追従しきれず画像光沢ムラ
が発生してしまう。そこで、弾性層2の硬度としては6
0°(JIS−A)以下、より好ましくは45°(JI
S−A)以下がよい。
【0100】弾性層2の熱伝導率λに関しては、 6×10-4〜2×10-3[cal/cm・sec・deg.] がよい。
【0101】熱伝導率λが6×10-4[cal/cm・sec・de
g.]よりも小さい場合には、熱抵抗が大きく、定着フィ
ルムの表層(離型層3)における温度上昇が遅くなる。
【0102】また、熱伝導率λが2×10-3[cal/cm・se
c・deg.]よりも大きい場合には、硬度が高くなりすぎた
り、圧縮永久歪みが悪化する。
【0103】よって熱伝導率λは6×10-4〜2×10
-3[cal/cm・sec・deg.]がよい。より好ましくは8×10
-4〜1.5×10-3[cal/cm・sec・deg.]がよい。
【0104】c.離型層3離型層3はフッ素樹脂、シリ
コーン樹脂、フルオロシリコーンゴム、フッ素ゴム、シ
リコーンゴム、PFA、PTFE、FEP等の離型性か
つ耐熱性のよい材料を選択することができる。
【0105】離型層3の厚さは1〜100μmが好まし
い。離型層3の厚さが1μmよりも小さいと塗膜の塗ム
ラで離型性の悪い部分ができたり、耐久性が不足すると
いった問題が発生する。また、離型層が100μmを超
えると熱伝導が悪化するという問題が発生し、特に樹脂
系の離型層の場合は硬度が高くなりすぎ、弾性層2の効
果がなくなってしまう。
【0106】〈第2の実施形態例〉(図10) 本実施形態例においては、図10のように、導電性・良
熱伝導部材40を定着ニップ部Nではなく、常時定着フ
ィルム10の裏面に接触することができる、磁性コア1
7aの右側面と定着フィルム10の対向部のフィルムガ
イド部材16aと定着フィルム10の間に配置してい
る。
【0107】その他の装置構成は前述の第1の実施形態
例における定着装置構成と同様であるから共通の構成部
材・部分には同一の符号を付して再度の説明を省略す
る。
【0108】図10のような装置構成をとることによ
り、第1の実施形態例における定着装置100と同様
に、導電性・良熱伝導部材40を介して定着フィルム1
0にバイアスを印加することができる。
【0109】また、導電性・良熱伝導部材40にはニッ
プ部Nのような強い圧力がかからないためそれほど摺動
性のよい材料でなくともフィルムの損傷や回転トルクの
アップが問題にならない。
【0110】本例においては導電性・良熱伝導部材40
を非磁性の材料であるアルミニウムとしている。これ
は、本例のように導電性・良熱伝導部材40を磁場発生
手段による磁場の中に配設する場合、磁性材料を使用す
ると発生交番磁界の影響により導電性・良熱伝導部材4
0自体も発熱してしまい、導電性・良熱伝導部材40の
もう一つの効果である非通紙部昇温の抑制効果が減少し
てしまう恐れがあるためである。
【0111】そこで本例のように発生磁場の中に導電性
・良熱伝導部材40を配設する場合には非磁性の材料を
使用することが好ましい。そのような材料としては、 アルミニウム(熱伝導率k=240[W・m-1
-1]) 真鍮(k=128[W・m-1・K-1]) 銅(k=395[W・m-1・K-1]) 亜鉛(k=112[W・m-1・K-1]) などが挙げられ、熱伝導性の観点から、k≧100[W
・m-1・K-1]の材料が好ましい。
【0112】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、磁
場発生手段と、該磁場発生手段の磁場の作用により電磁
誘導発熱する誘導発熱部材と、磁場発生手段と誘導発熱
部材を隔てるとともに磁場発生手段を支持する絶縁性支
持部材と、誘導発熱部材と相互圧接して被加熱材を挟持
搬送して誘導発熱部材の熱により被加熱材を加熱する加
熱ニップ部を形成する加圧部材を有する電磁誘導加熱方
式の加熱装置について、誘導発熱部材に常時接触して、
該誘導発熱部材の長手方向の熱分布をほぼ均一化させる
ための伝熱性部材に着目して、該伝熱性部材の少なくと
も一部を導電性材料で構成するとともに、該導電性材料
部材の少なくとも一部を誘導発熱部材に接触させること
により導通をとるとともに、該導電性材料部材にバイア
スを印加するバイアス印加手段と整流器の少なくとも一
方を備えさせて、該誘導発熱部材にバイアスを印加する
ので、誘導発熱部材に容易にバイアスを印加して静電オ
フセットを防止できる。
【0113】誘導発熱部材へのバイアス印加部材を伝熱
性部材と共通にすることによりコストの低減を図ること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1の実施形態例における画像形成装置の概
略構成図
【図2】 第1の実施形態例における定着装置の要部の
横断側面模型図
【図3】 同じく定着装置の要部の正面模型図
【図4】 定着装置に対する整流器およびバイアス電源
の接続図
【図5】 導電性・良熱伝導部材に対するバイアス印加
端子の構成図
【図6】 内部に励磁コイルと磁性コアを配設支持させ
た右側のフィルムガイド部材の斜視模型図
【図7】 磁束と定着フィルム(電磁誘導発熱性フィル
ム)の発熱量の関係を示した図
【図8】 定着フィルムの層構成模型図
【図9】 発熱層深さと電磁波強度の関係を示した図
【図10】 第2の実施形態例における定着装置の要部
の横断側面模型図
【図11】 従来の電磁誘導加熱方式の定着装置の一例
の概略構成図
【符号の説明】
10 電磁誘導発熱性の定着フィルム 17a、17b、17c 磁性コア 18 励磁コイル 30 加圧部材(加圧ローラ) 40 導電性・良熱伝導性部材 60 バイアス印加端子 61・63 整流器 62・64 バイアス電源 100 定着装置 P 被記録材 t トナー像
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐野 哲也 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁場発生手段と、該磁場発生手段の磁場
    の作用により電磁誘導発熱する誘導発熱部材と、磁場発
    生手段と誘導発熱部材を隔てるとともに磁場発生手段を
    支持する絶縁性支持部材と、誘導発熱部材と相互圧接し
    て被加熱材を挟持搬送して誘導発熱部材の熱により被加
    熱材を加熱する加熱ニップ部を形成する加圧部材と、被
    加熱材の移動方向に直交する方向である長手方向で誘導
    発熱部材に接触して誘導発熱部材の長手方向の熱分布を
    ほぼ均一化させるための伝熱性部材を備えた加熱装置に
    おいて、 上記伝熱性部材の少なくとも一部を導電性材料で構成す
    るとともに、該導電性材料部材の少なくとも一部を誘導
    発熱部材に接触させることにより導通をとるとともに、
    該導電性材料部材にバイアスを印加するバイアス印加手
    段と整流器の少なくとも一方を備えたことを特徴とする
    加熱装置。
  2. 【請求項2】 被記録材上の像を加熱処理あるいは熱定
    着する像加熱装置であり、像加熱手段が請求項1に記載
    の加熱装置であることを特徴とする像加熱装置。
  3. 【請求項3】 被記録材上に像を形成する像形成手段
    と、被記録材上の像を加熱処理あるいは熱定着する像加
    熱手段とを有し、該像加熱手段が請求項1に記載の加熱
    装置であることを特徴とする画像形成装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010078825A (ja) * 2008-09-25 2010-04-08 Fuji Xerox Co Ltd 定着装置、及び画像形成装置
JP2011170239A (ja) * 2010-02-22 2011-09-01 Brother Industries Ltd 定着装置

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