JPH11257547A - 積層管 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】樹脂製の管のメリットである軽さを損なわず
に、凍結防止と紫外線による樹脂の劣化防止の効果が得
られる積層体、更に容易に曲げ施工ができる積層管を提
供することを目的としてなされたものである。 【解決手段】上水道管、下水道管又はガス管に用いる積
層管１であって、ポリオレフィン系樹脂からなる内装管
１１の周囲に、発泡材層からなる中間層１２を介して、
金属からなる外装管が積層されている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、上水道管、下水道
管又はガス管に用いる積層管に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、上水道管、下水道管又はガス管に
塩化ビニル等の樹脂製の管が多く用いられているが、ポ
オレフィン系樹脂等のプラスチックは総じて屋外に暴露
された状態（紫外線が照射される状態）で使用されると
樹脂が劣化し、長期的な性能が著しく低下する。そのた
め、配管替えの期間が短くなり、非常にコストが大きく
なる。

【０００３】また、合わせて、配管内の流体の完全制止
状態が続くと、管内の流体が凍結して配管の破損につな
がる恐れがある。

【０００４】また、上水道管、下水道管又はガス管等で
使用されている保温付管は、公知である。

【０００５】この従来技術においては、ポリエチレン管
の保温材の外装管がスパイラル鋼管など、剛性のある管
を用いているため、ポリエチレン管の裸管時のように、
曲げ施工ができない問題がある。

【０００６】図５は、従来の保温付管の断面図、図６
は、保温付管の施工状態図である。標準的な保温付管の
施工方法は図６において、電熱線ｆを内蔵したＥＦソケ
ットｄにポリエチレン管ａが挿入され、端子ｅより、専
用の融着機で電熱線ｆを電気で加熱し、ポリエチレン管
ａとＥＦソケットｄを融着し、一体化する。

【０００７】この場合、外装管の材質は鋼管またはスパ
イラル鋼管などのため、剛性が高く、容易に生曲げがで
きない問題がある。

【０００８】

【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記のよう
な問題点を解消し、樹脂製の管のメリットである軽さを
損なわずに、凍結防止と紫外線による樹脂の劣化防止の
効果が得られる積層管、更に容易に曲げ施工ができる積
層管を提供することを目的としてなされたものである。

【０００９】

【課題を解決するための手段】本願の請求項１の発明
（本発明１）は、上水道管、下水道管又はガス管に用い
る積層管であって、ポリオレフィン系樹脂からなる内装
管の周囲に、発泡材層からなる中間層を介して、金属か
らなる外装管が積層されている積層管である。

【００１０】本願の請求項２の発明（本発明２）は、本
発明１の外装管が、波形形状を有する積層管である。

【００１１】本発明に使用されるポリオレフィン系樹脂
は特に限定されず、高密度ポリエチレン等が好適に使用
される。

【００１２】

【作用】本発明１の積層管は、上水道管、下水道管又は
ガス管に用いる積層管であって、ポリオレフィン系樹脂
からなる内装管の周囲に、発泡材層からなる中間層を介
して、金属からなる外装管が積層されていることによ
り、樹脂製の管のメリットである軽さを損なわずに、凍
結防止と紫外線による樹脂の劣化防止の効果が得られ
る。

【００１３】本発明２の積層管は、本発明１の外装管
が、波形形状を有することにより、更に容易に曲げ施工
ができる。

【００１４】

【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態を図面
を参照して説明する。図１は、本発明１の積層管の一例
を示す断面図、図２は別の例を示す断面図である。

【００１５】図１に示すように、この積層管１は、内装
管１１の周囲に、中間層１２を介して、外装管１３が積
層されて、３層構造とされており、内装管１１を配水用
ポリエチレン管の呼び径１００とし、外装管１３をスパ
イラルダクト鋼管の呼び径１５０を用いて中間の中間層
１２を発泡硬質ウレタンフォームを用いた例を示す。

【００１６】図２に示すように、この積層管１′は、図
１を参照して説明した積層管１と同様に３層構造とされ
ており、内装管１１′を配水用ポリエチレン管の呼び径
１００とし、外装管１３′を断面形状が矩形である鋼製
のカバーとし、中間の中間層１２′を発泡硬質ウレタン
フォームを用いた例を示す。

【００１７】発泡材層１２、１２′は、発泡ウレタンフ
ォーム等の多孔質で熱伝導率の小さい材質が適してい
る。

【００１８】外装管１３、１３′の外形寸法を選択する
ことによって、発泡材層１２、１２′の肉厚を変化する
ことができ、管の使用環境に合わせた保温処理を施すこ
とができる。

【００１９】外装管１３、１３′の材質は、金属やプラ
スチック、コンクリート等が挙げられるが、薄肉の金属
管が好ましい。

【００２０】また、この外装菅の断面形状は円形でも、
矩形であっても構わない。断面が円形であれば、外力に
対して円周方向に一律な強度が期待できる。矩形であれ
ば、配管施工時に、転がることが無いので施工性が良く
なる効果も期待できる。

【００２１】図３は、本発明２の積層管の一例を示す断
面図、図４は、別の例を示す断面図である。

【００２２】図３に示すように、この積層管２は、内装
管２１の周囲に、中間層２２を介して、外装管２３が積
層されて、３層構造とされており、内装管２１を配水用
ポリエチレン管の呼び径１００とし、外装管２３を波形
形状を有する鋼管を用いて中間の中間層２２を発泡硬質
ウレタンフォームを用いた例を示す。波形形状の外装管
２３を有することにより、現場において、容易に曲げ施
工ができ、ベンドの必要もなく経済的な管路となる。

【００２３】また、図４に示す外装管２３′のように、
部分的に波形形状を有するものでもよい。

【００２４】

【発明の効果】本発明１の積層管は、上記のようになさ
れているので、樹脂製の管のメリットである軽さを損な
わずに、凍結防止と紫外線による樹脂の劣化防止の効果
が得られる。本発明２の積層管は、更に容易に曲げ施工
ができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明１の積層管の一例を示す断面図。

【図２】本発明１の積層管の別の例を示す断面図。

【図３】本発明２の積層管の一例を示す断面図。

【図４】本発明２の積層管の別の例を示す断面図。

【図５】従来の保温付管の断面図。

【図６】従来の保温付管の施工状態図。

【符号の説明】

１、１′、２、２′ 積層管 １１、１１′、２１、２１′ 内装管 １２、１２′、２２、２２′ 中間層 １３、１３′、２３、２３′ 外装管

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 吉川 秀世 滋賀県栗太郡栗東町野尻75 セキスイ管材 テクニックス株式会社内

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 上水道管、下水道管又はガス管に用いる
   積層管であって、ポリオレフィン系樹脂からなる内装管
   の周囲に、発泡材層からなる中間層を介して、金属から
   なる外装管が積層されていることを特徴とする積層管。
2. 【請求項２】 請求項１記載の外装管が、波形形状を有
   することを特徴とする積層管。