JPH11257301A - アキュムレータ - Google Patents
アキュムレータInfo
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- JPH11257301A JPH11257301A JP10058395A JP5839598A JPH11257301A JP H11257301 A JPH11257301 A JP H11257301A JP 10058395 A JP10058395 A JP 10058395A JP 5839598 A JP5839598 A JP 5839598A JP H11257301 A JPH11257301 A JP H11257301A
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- Japan
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- oil
- accumulator
- pipe
- oil chamber
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 油圧回路でのオイルの脈動の吸収作用と突発
的に大きな力を十分に発生せしめる作用とが有利に発揮
され得ると共に、ウォーターハンマー現象の発生が効果
的に回避乃至は抑制され得るようにしたアキュムレータ
を提供する。 【解決手段】 オイル室30と油圧回路の配管54との
間に設けられた接続通路35内に、該オイル室30内か
らのオイル流出方向とその反対方向への移動により、該
接続通路35を開閉せしめる弁体52と、該弁体52を
該オイル流出方向に向かって付勢する付勢手段50と、
該接続通路35の該弁体52による閉塞状態下で、オイ
ルを前記配管54側から前記オイル室30側に漏洩させ
る漏洩部47とを設けて、前記配管54内の油圧の急激
な上昇により、該弁体52を前記付勢手段50の付勢力
に抗して移動させて、前記接続通路35が閉塞せしめら
れるように為すと共に、前記漏洩部47を通じてのオイ
ルの漏洩により、該弁体52による該接続通路35の急
速な閉塞に伴う前記配管54内での衝撃圧力の発生が抑
制され得るように構成した。
的に大きな力を十分に発生せしめる作用とが有利に発揮
され得ると共に、ウォーターハンマー現象の発生が効果
的に回避乃至は抑制され得るようにしたアキュムレータ
を提供する。 【解決手段】 オイル室30と油圧回路の配管54との
間に設けられた接続通路35内に、該オイル室30内か
らのオイル流出方向とその反対方向への移動により、該
接続通路35を開閉せしめる弁体52と、該弁体52を
該オイル流出方向に向かって付勢する付勢手段50と、
該接続通路35の該弁体52による閉塞状態下で、オイ
ルを前記配管54側から前記オイル室30側に漏洩させ
る漏洩部47とを設けて、前記配管54内の油圧の急激
な上昇により、該弁体52を前記付勢手段50の付勢力
に抗して移動させて、前記接続通路35が閉塞せしめら
れるように為すと共に、前記漏洩部47を通じてのオイ
ルの漏洩により、該弁体52による該接続通路35の急
速な閉塞に伴う前記配管54内での衝撃圧力の発生が抑
制され得るように構成した。
Description
【0001】
【技術分野】本発明は、アキュムレータに係り、特に、
本体の内部に、所定の圧力ガスが封入されたガス室と油
圧回路の配管に接続されたオイル室とが、変形乃至は変
位可能な仕切部材にて画成されてなるアキュムレータの
改良された構造に関するものである。
本体の内部に、所定の圧力ガスが封入されたガス室と油
圧回路の配管に接続されたオイル室とが、変形乃至は変
位可能な仕切部材にて画成されてなるアキュムレータの
改良された構造に関するものである。
【0002】
【背景技術】従来から、油圧回路においては、ポンプが
発生する周期的な圧力変動に伴う配管内での油圧変動、
換言すれば、配管内のオイル(圧油)の脈動に起因して
惹起される振動や騒音が、問題となっている。そのた
め、そのような油圧回路では、それらの振動や騒音を低
減せしめるための装置として、一般に、アキュムレータ
が、用いられている。
発生する周期的な圧力変動に伴う配管内での油圧変動、
換言すれば、配管内のオイル(圧油)の脈動に起因して
惹起される振動や騒音が、問題となっている。そのた
め、そのような油圧回路では、それらの振動や騒音を低
減せしめるための装置として、一般に、アキュムレータ
が、用いられている。
【0003】このアキュムレータは、よく知られている
ように、容器状の本体内部が、変形乃至は変位可能な仕
切部材により、二つの空間に、流体密に仕切られて、該
二つの空間のうちの一方が、油圧回路の配管に接続せし
められるオイル室とされ、また、他方の空間が、窒素ガ
ス等を所定の封入圧にて封入してなるガス室とされてお
り、そして、油圧回路の配管内における油圧変動に応じ
て、該配管内のオイルがオイル室内へ流入させられ、或
いはオイル室内からオイルが流出させられることによっ
て、前記油圧変動が吸収され得るようになっている。従
って、このような構成とされたアキュムレータを油圧回
路の配管に接続せしめることによって、その配管内のオ
イルの脈動が吸収され得て、かかる脈動に起因する振動
や騒音が低減され得ることとなるのである。
ように、容器状の本体内部が、変形乃至は変位可能な仕
切部材により、二つの空間に、流体密に仕切られて、該
二つの空間のうちの一方が、油圧回路の配管に接続せし
められるオイル室とされ、また、他方の空間が、窒素ガ
ス等を所定の封入圧にて封入してなるガス室とされてお
り、そして、油圧回路の配管内における油圧変動に応じ
て、該配管内のオイルがオイル室内へ流入させられ、或
いはオイル室内からオイルが流出させられることによっ
て、前記油圧変動が吸収され得るようになっている。従
って、このような構成とされたアキュムレータを油圧回
路の配管に接続せしめることによって、その配管内のオ
イルの脈動が吸収され得て、かかる脈動に起因する振動
や騒音が低減され得ることとなるのである。
【0004】ところが、かかるアキュムレータが油圧回
路に接続されている場合、該油圧回路において、突発的
に大きな力を得ようとしても、必要とされる力を効率的
に且つ十分に得ることが困難となるといった問題があっ
た。
路に接続されている場合、該油圧回路において、突発的
に大きな力を得ようとしても、必要とされる力を効率的
に且つ十分に得ることが困難となるといった問題があっ
た。
【0005】すなわち、油圧回路で、突発的に大きな力
を発生させるには、油圧回路の配管内の油圧を急上昇さ
せる必要があるが、この配管にアキュムレータが接続さ
れていると、前述の如く、配管内の油圧の上昇時に、該
配管内のオイルがアキュムレータ本体のオイル室内に流
入せしめられることになるところから、配管内の油圧の
上昇が、その初期段階において、アキュムレータにて吸
収され、それによって、かかる油圧の上昇により得られ
る力が、アキュムレータにて吸収せしめられた油圧の上
昇分に相当する分だけ減少してしまい、その結果とし
て、必要とされる力が十分に確保され得なくなってしま
うのである。
を発生させるには、油圧回路の配管内の油圧を急上昇さ
せる必要があるが、この配管にアキュムレータが接続さ
れていると、前述の如く、配管内の油圧の上昇時に、該
配管内のオイルがアキュムレータ本体のオイル室内に流
入せしめられることになるところから、配管内の油圧の
上昇が、その初期段階において、アキュムレータにて吸
収され、それによって、かかる油圧の上昇により得られ
る力が、アキュムレータにて吸収せしめられた油圧の上
昇分に相当する分だけ減少してしまい、その結果とし
て、必要とされる力が十分に確保され得なくなってしま
うのである。
【0006】そこで、かかる問題を解消すべく、本願出
願人は、先に、特願平9−263288号において、油
圧回路の配管とオイル室の間の接続通路内に、移動可能
に配置され、オイル室内からのオイル流出方向への移動
により、該接続通路を開放せしめる一方、その反対方向
への移動により、該接続通路を閉塞せしめる弁体と、該
弁体を、オイル室内からのオイル流出方向に向かって付
勢する付勢手段とを設けて、油圧回路の配管内の油圧の
急激な上昇によって、弁体を、付勢手段の付勢力に抗し
てオイル室側に移動させて、接続通路が閉塞せしめられ
るように構成されたアキュムレータを提案した。
願人は、先に、特願平9−263288号において、油
圧回路の配管とオイル室の間の接続通路内に、移動可能
に配置され、オイル室内からのオイル流出方向への移動
により、該接続通路を開放せしめる一方、その反対方向
への移動により、該接続通路を閉塞せしめる弁体と、該
弁体を、オイル室内からのオイル流出方向に向かって付
勢する付勢手段とを設けて、油圧回路の配管内の油圧の
急激な上昇によって、弁体を、付勢手段の付勢力に抗し
てオイル室側に移動させて、接続通路が閉塞せしめられ
るように構成されたアキュムレータを提案した。
【0007】このような構成を有するアキュムレータに
あっては、配管内の油圧が急激に上昇させられることの
ない通常の状態が保持されている間は、付勢手段の付勢
力により、弁体の、オイル室内からのオイル流出方向へ
の移動状態が維持されて、接続通路の開放状態が確保さ
れ、それによって、該配管内における油圧変動に応じ
た、配管内のオイルの、オイル室内への流入及び該オイ
ル室内からの流出が許容され得て、該配管内の油圧変動
が有利に吸収され得るのであり、その一方、配管内の油
圧が急激に上昇せしめられた際には、接続通路が弁体に
て急速に閉塞せしめられて、配管内とオイル室内との間
のオイルの流通が瞬間的に遮断され、それによって、配
管内の油圧変動の吸収作用が瞬時に停止させられ得て、
配管内の油圧の上昇が阻害されるようなことが効果的に
阻止され得るのである。
あっては、配管内の油圧が急激に上昇させられることの
ない通常の状態が保持されている間は、付勢手段の付勢
力により、弁体の、オイル室内からのオイル流出方向へ
の移動状態が維持されて、接続通路の開放状態が確保さ
れ、それによって、該配管内における油圧変動に応じ
た、配管内のオイルの、オイル室内への流入及び該オイ
ル室内からの流出が許容され得て、該配管内の油圧変動
が有利に吸収され得るのであり、その一方、配管内の油
圧が急激に上昇せしめられた際には、接続通路が弁体に
て急速に閉塞せしめられて、配管内とオイル室内との間
のオイルの流通が瞬間的に遮断され、それによって、配
管内の油圧変動の吸収作用が瞬時に停止させられ得て、
配管内の油圧の上昇が阻害されるようなことが効果的に
阻止され得るのである。
【0008】従って、かかるアキュムレータにおいて
は、油圧回路の通常の状態下で生じるオイルの脈動が有
利に吸収乃至は低減され得て、かかる脈動に起因する振
動や騒音が確実に抑制され得ると共に、該油圧回路にお
いて突発的に大きな力を発生させる際に必要とされる力
を効率的に且つ十分に得ることが出来、以て、従来のア
キュムレータの有する機能を十分に確保しつつ、それに
惹起せしめられる問題を解消することが、極めて効果的
に実現され得ることとなったのである。
は、油圧回路の通常の状態下で生じるオイルの脈動が有
利に吸収乃至は低減され得て、かかる脈動に起因する振
動や騒音が確実に抑制され得ると共に、該油圧回路にお
いて突発的に大きな力を発生させる際に必要とされる力
を効率的に且つ十分に得ることが出来、以て、従来のア
キュムレータの有する機能を十分に確保しつつ、それに
惹起せしめられる問題を解消することが、極めて効果的
に実現され得ることとなったのである。
【0009】しかしながら、そのような優れた特徴を有
するアキュムレータについて、本発明者等が更なる検討
を加えたところ、弁体を、オイル室内からのオイル流出
方向に向かって付勢する付勢手段の付勢力の大きさ等に
よっては、かかるアキュムレータが接続される油圧回路
において、突発的に大きな力を発生させるべく、該油圧
回路の配管とアキュムレータとの間の接続通路を弁体に
て急速に閉塞せしめた際に、配管内で衝撃圧力が生じ
て、所謂ウォーターハンマー現象が惹起せしめられ、そ
れによって、配管やそれに接続される各種機器において
振動や騒音が発生する恐れがあることが、判明したので
ある。
するアキュムレータについて、本発明者等が更なる検討
を加えたところ、弁体を、オイル室内からのオイル流出
方向に向かって付勢する付勢手段の付勢力の大きさ等に
よっては、かかるアキュムレータが接続される油圧回路
において、突発的に大きな力を発生させるべく、該油圧
回路の配管とアキュムレータとの間の接続通路を弁体に
て急速に閉塞せしめた際に、配管内で衝撃圧力が生じ
て、所謂ウォーターハンマー現象が惹起せしめられ、そ
れによって、配管やそれに接続される各種機器において
振動や騒音が発生する恐れがあることが、判明したので
ある。
【0010】
【解決課題】ここにおいて、本発明は、上述せる如き事
情を背景にして為されたものであって、その解決課題と
するところは、油圧回路に生ぜしめられるオイルの脈動
を吸収乃至は低減する作用と、油圧回路において突発的
に大きな力を効率的に且つ十分に発生せしめる作用とが
有利に発揮され得ると共に、油圧回路でのウォーターハ
ンマー現象の発生に伴う配管及びそれに接続される各種
機器の振動や騒音の発生が効果的に回避乃至は抑制され
得るアキュムレータを提供することにある。
情を背景にして為されたものであって、その解決課題と
するところは、油圧回路に生ぜしめられるオイルの脈動
を吸収乃至は低減する作用と、油圧回路において突発的
に大きな力を効率的に且つ十分に発生せしめる作用とが
有利に発揮され得ると共に、油圧回路でのウォーターハ
ンマー現象の発生に伴う配管及びそれに接続される各種
機器の振動や騒音の発生が効果的に回避乃至は抑制され
得るアキュムレータを提供することにある。
【0011】
【解決手段】そして、本発明にあっては、かかる課題の
解決のために、容器状のアキュムレータ本体の内部を、
変形乃至は変位可能な仕切部材にて、二つの空間に、流
体密に仕切ると共に、該二つの空間のうちの一方を油圧
回路の配管に接続せしめてオイル室とする一方、他方の
空間に圧力ガスを封入せしめてガス室と為し、前記油圧
回路の配管内における油圧変動に応じて、該配管内のオ
イルを前記オイル室内へ流入させ、或いは該オイル室内
からオイルを流出させることにより、前記油圧変動を吸
収させるように構成したアキュムレータにおいて、前記
オイル室と前記配管との間の接続通路内に移動可能に配
置され、該オイル室内からのオイル流出方向への移動に
より、該接続通路を開放せしめる一方、その反対方向へ
の移動により、該接続通路を閉塞せしめる弁体と、該弁
体を、前記オイル室内からのオイル流出方向に向かって
付勢する付勢手段とを設け、更に、前記接続通路及び弁
体の少なくとも一方に、該接続通路の該弁体による閉塞
状態下で、前記オイルを前記配管側から前記オイル室側
に漏洩させる漏洩部を設けて、前記油圧回路の配管内の
油圧の急激な上昇によって、前記弁体を、該付勢手段の
付勢力に抗して前記オイル室側に移動させて、前記接続
通路が閉塞せしめられるように為すと共に、かかる接続
通路の閉塞状態下での前記オイルの前記漏洩部を通じて
の漏洩により、該弁体による該接続通路の急速な閉塞に
伴う前記配管内での衝撃圧力の発生が抑制され得るよう
に構成したことを、その特徴とするものである。
解決のために、容器状のアキュムレータ本体の内部を、
変形乃至は変位可能な仕切部材にて、二つの空間に、流
体密に仕切ると共に、該二つの空間のうちの一方を油圧
回路の配管に接続せしめてオイル室とする一方、他方の
空間に圧力ガスを封入せしめてガス室と為し、前記油圧
回路の配管内における油圧変動に応じて、該配管内のオ
イルを前記オイル室内へ流入させ、或いは該オイル室内
からオイルを流出させることにより、前記油圧変動を吸
収させるように構成したアキュムレータにおいて、前記
オイル室と前記配管との間の接続通路内に移動可能に配
置され、該オイル室内からのオイル流出方向への移動に
より、該接続通路を開放せしめる一方、その反対方向へ
の移動により、該接続通路を閉塞せしめる弁体と、該弁
体を、前記オイル室内からのオイル流出方向に向かって
付勢する付勢手段とを設け、更に、前記接続通路及び弁
体の少なくとも一方に、該接続通路の該弁体による閉塞
状態下で、前記オイルを前記配管側から前記オイル室側
に漏洩させる漏洩部を設けて、前記油圧回路の配管内の
油圧の急激な上昇によって、前記弁体を、該付勢手段の
付勢力に抗して前記オイル室側に移動させて、前記接続
通路が閉塞せしめられるように為すと共に、かかる接続
通路の閉塞状態下での前記オイルの前記漏洩部を通じて
の漏洩により、該弁体による該接続通路の急速な閉塞に
伴う前記配管内での衝撃圧力の発生が抑制され得るよう
に構成したことを、その特徴とするものである。
【0012】すなわち、本発明に従うアキュムレータに
あっては、オイル室と配管との間の接続通路内におい
て、弁体が、付勢手段により、オイル室内からのオイル
の流出方向に向かって付勢された状態で、該流出方向と
同一方向及びそれとは反対方向の両方向に移動可能に配
置され、かかる弁体の該流出方向と同一方向への移動に
より接続通路が開放せしめられる一方、それとは反対方
向への移動により接続通路が閉塞せしめられるようにな
っているところから、本願出願人が先に提案した構造を
有するアキュムレータと同様に、油圧回路の通常の状態
下で生じるオイルの脈動が有利に吸収乃至は低減され得
ると共に、該油圧回路において突発的に大きな力を発生
させる際に必要とされる力を効率的に且つ十分に得るこ
とが出来るのである。
あっては、オイル室と配管との間の接続通路内におい
て、弁体が、付勢手段により、オイル室内からのオイル
の流出方向に向かって付勢された状態で、該流出方向と
同一方向及びそれとは反対方向の両方向に移動可能に配
置され、かかる弁体の該流出方向と同一方向への移動に
より接続通路が開放せしめられる一方、それとは反対方
向への移動により接続通路が閉塞せしめられるようにな
っているところから、本願出願人が先に提案した構造を
有するアキュムレータと同様に、油圧回路の通常の状態
下で生じるオイルの脈動が有利に吸収乃至は低減され得
ると共に、該油圧回路において突発的に大きな力を発生
させる際に必要とされる力を効率的に且つ十分に得るこ
とが出来るのである。
【0013】そして、この本発明に係るアキュムレータ
おいては、特に、接続通路や弁体に、該接続通路の該弁
体による閉塞状態下で、オイルを配管側からオイル室側
に漏洩させる漏洩部が設けられて、かかる漏洩部を通じ
ての漏洩により、弁体による接続通路の急速な閉塞に伴
う配管内での衝撃圧力の発生が抑制され得るようになっ
ているところから、かかる衝撃圧力の発生に伴うウォー
ターハンマー現象の発生も、効果的に回避乃至は抑制さ
れ得るのである。
おいては、特に、接続通路や弁体に、該接続通路の該弁
体による閉塞状態下で、オイルを配管側からオイル室側
に漏洩させる漏洩部が設けられて、かかる漏洩部を通じ
ての漏洩により、弁体による接続通路の急速な閉塞に伴
う配管内での衝撃圧力の発生が抑制され得るようになっ
ているところから、かかる衝撃圧力の発生に伴うウォー
ターハンマー現象の発生も、効果的に回避乃至は抑制さ
れ得るのである。
【0014】従って、本発明に従うアキュムレータにあ
っては、油圧回路に生ぜしめられるオイルの脈動を吸収
乃至は低減する作用と、油圧回路において突発的に大き
な力を効率的に且つ十分に発生せしめる作用とが有利に
発揮され得ると共に、油圧回路でのウォーターハンマー
現象の発生に伴う配管及びそれに接続される各種機器の
振動や騒音の発生が効果的に回避乃至は抑制され得るこ
ととなるのである。
っては、油圧回路に生ぜしめられるオイルの脈動を吸収
乃至は低減する作用と、油圧回路において突発的に大き
な力を効率的に且つ十分に発生せしめる作用とが有利に
発揮され得ると共に、油圧回路でのウォーターハンマー
現象の発生に伴う配管及びそれに接続される各種機器の
振動や騒音の発生が効果的に回避乃至は抑制され得るこ
ととなるのである。
【0015】また、このような本発明に従うアキュムレ
ータにおいては、有利には、前記漏洩部が、前記弁体の
前記オイル室側への移動による閉塞状態下での前記接続
通路の該弁体との接触部位に、前記配管側から前記オイ
ル室側に向かって延びるように形成された溝によって構
成されることとなる。
ータにおいては、有利には、前記漏洩部が、前記弁体の
前記オイル室側への移動による閉塞状態下での前記接続
通路の該弁体との接触部位に、前記配管側から前記オイ
ル室側に向かって延びるように形成された溝によって構
成されることとなる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明をより具体的に明ら
かにするために、本発明に係るアキュムレータの構成に
ついて、図面を参照しつつ、詳細に説明することとす
る。
かにするために、本発明に係るアキュムレータの構成に
ついて、図面を参照しつつ、詳細に説明することとす
る。
【0017】先ず、図1には、本発明に従うアキュムレ
ータの一例が、その縦断面形態において、概略的に示さ
れている。かかる図からも明らかなように、アキュムレ
ータ10は、本体12を有して、構成されている。
ータの一例が、その縦断面形態において、概略的に示さ
れている。かかる図からも明らかなように、アキュムレ
ータ10は、本体12を有して、構成されている。
【0018】より具体的には、この本体12は、略厚肉
円板状の上部分割体14と略椀形状を呈する下部分割体
16とから成っている。そして、該下部分割体16の椀
形状の上側開口部が、該上部分割体14にて閉塞せしめ
られるようにして、それら下部分割体16と上部分割体
14とが、互いに組み付けられ、溶接等により一体的に
接合されており、それによって、本体12が、中空の略
椀形容器状の全体形状をもって、構成されている。
円板状の上部分割体14と略椀形状を呈する下部分割体
16とから成っている。そして、該下部分割体16の椀
形状の上側開口部が、該上部分割体14にて閉塞せしめ
られるようにして、それら下部分割体16と上部分割体
14とが、互いに組み付けられ、溶接等により一体的に
接合されており、それによって、本体12が、中空の略
椀形容器状の全体形状をもって、構成されている。
【0019】また、そのような本体12を構成する上部
分割体14の中心部には、ガス注入孔18が、該上部分
割体14を厚さ方向に貫通して、設けられている。更
に、下部分割体16の中心部にも、それを厚さ方向に貫
通するオイル流通口20が、形成されている。これによ
って、本体12が、ガス注入孔18とオイル流通口20
とを通じて、上部側と下部側とにおいて、それぞれ、外
部に連通せしめられているのである。なお、本体12の
上部側に位置するガス注入孔18は、ガスプラグ22に
て、気密に閉塞せしめられている。
分割体14の中心部には、ガス注入孔18が、該上部分
割体14を厚さ方向に貫通して、設けられている。更
に、下部分割体16の中心部にも、それを厚さ方向に貫
通するオイル流通口20が、形成されている。これによ
って、本体12が、ガス注入孔18とオイル流通口20
とを通じて、上部側と下部側とにおいて、それぞれ、外
部に連通せしめられているのである。なお、本体12の
上部側に位置するガス注入孔18は、ガスプラグ22に
て、気密に閉塞せしめられている。
【0020】さらに、かかる本体12の内部には、仕切
部材としての可撓性膜24が、下部分割体16の内周面
の略全面を覆うようにして、配されている。この可撓性
膜24は、従来より公知の低ガス透過性を備えた、樹脂
・ゴム複合材料から成っており、下部分割体16の開口
部側内周面と、前記上部分割体14の下面外周部に形成
された膨出部26の外周面との間で、挟圧保持されてい
る。
部材としての可撓性膜24が、下部分割体16の内周面
の略全面を覆うようにして、配されている。この可撓性
膜24は、従来より公知の低ガス透過性を備えた、樹脂
・ゴム複合材料から成っており、下部分割体16の開口
部側内周面と、前記上部分割体14の下面外周部に形成
された膨出部26の外周面との間で、挟圧保持されてい
る。
【0021】すなわち、本体12にあっては、かかる可
撓性膜24によって、その内部が、上下方向に位置する
二つの空間に、流体密に仕切られており、それら二つの
空間のうち、可撓性膜24と上部分割体14との間に形
成された上側の空間が、ガス室28とされている一方、
可撓性膜24と下部分割体16との間の下側の空間が、
オイル室30とされている。そして、かかる本体12の
ガス室28内には、窒素ガス等の所定のガスが、前記上
部分割体14のガス注入孔18を通じて注入され、また
該ガス注入孔18が前記ガスプラグ22にて閉塞せしめ
られていることにより、所定の封入圧にて、封入されて
おり、また、オイル室30内には、後述する油圧回路の
配管内を流通するオイル(圧油)が、前記下部分割体1
6のオイル流通口20を通じて流入せしめられ得るよう
になっている。なお、ここでは、下部分割体16の開口
部側内周面との間で、可撓性膜24を挟圧する上部分割
体14の膨出部26の内周面形状が、オイル室30内へ
のオイル流入時における可撓性膜24の変形状態に対応
した形状とされている。また、図1中、32は、ポペッ
トである。
撓性膜24によって、その内部が、上下方向に位置する
二つの空間に、流体密に仕切られており、それら二つの
空間のうち、可撓性膜24と上部分割体14との間に形
成された上側の空間が、ガス室28とされている一方、
可撓性膜24と下部分割体16との間の下側の空間が、
オイル室30とされている。そして、かかる本体12の
ガス室28内には、窒素ガス等の所定のガスが、前記上
部分割体14のガス注入孔18を通じて注入され、また
該ガス注入孔18が前記ガスプラグ22にて閉塞せしめ
られていることにより、所定の封入圧にて、封入されて
おり、また、オイル室30内には、後述する油圧回路の
配管内を流通するオイル(圧油)が、前記下部分割体1
6のオイル流通口20を通じて流入せしめられ得るよう
になっている。なお、ここでは、下部分割体16の開口
部側内周面との間で、可撓性膜24を挟圧する上部分割
体14の膨出部26の内周面形状が、オイル室30内へ
のオイル流入時における可撓性膜24の変形状態に対応
した形状とされている。また、図1中、32は、ポペッ
トである。
【0022】ところで、そのような構成とされた本体1
2の下部分割体16の下面の中心部には、オイルポート
34が、配されている。このオイルポート34は、上側
が大径部とされた略段付円筒状の全体形状を呈してお
り、その内孔35を前記オイル流通口20に連通せしめ
た状態で位置せしめられ、そして、その上端面におい
て、該下部分割体16の下面に対して溶接等により固着
されている。また、該オイルポート34にあっては、そ
の下部側に、筒壁を径方向に貫通する二つの貫通孔3
6,36が、該筒壁の周方向に180°の位相差をもっ
て形成されており、更に、該下部側の先端外周面には、
雄ネジ部38が、所定長さにわたって設けられている。
2の下部分割体16の下面の中心部には、オイルポート
34が、配されている。このオイルポート34は、上側
が大径部とされた略段付円筒状の全体形状を呈してお
り、その内孔35を前記オイル流通口20に連通せしめ
た状態で位置せしめられ、そして、その上端面におい
て、該下部分割体16の下面に対して溶接等により固着
されている。また、該オイルポート34にあっては、そ
の下部側に、筒壁を径方向に貫通する二つの貫通孔3
6,36が、該筒壁の周方向に180°の位相差をもっ
て形成されており、更に、該下部側の先端外周面には、
雄ネジ部38が、所定長さにわたって設けられている。
【0023】一方、図2からも明らかなように、かかる
オイルポート34の中間部の内周面において、前記二つ
の貫通孔36,36の形成部位の直上には、径方向内方
に向かって所定高さで突出し、且つ周方向に所定長さ連
続して延びる四つの突起40が、周方向に等間隔をおい
て、それぞれ一体的に形成されており、またそれによっ
て、それら四つの突起40のうちの互いに隣り合うもの
同士の間に、上下方向に延びる凹溝42が、各々形成さ
れている。
オイルポート34の中間部の内周面において、前記二つ
の貫通孔36,36の形成部位の直上には、径方向内方
に向かって所定高さで突出し、且つ周方向に所定長さ連
続して延びる四つの突起40が、周方向に等間隔をおい
て、それぞれ一体的に形成されており、またそれによっ
て、それら四つの突起40のうちの互いに隣り合うもの
同士の間に、上下方向に延びる凹溝42が、各々形成さ
れている。
【0024】さらに、図1に示される如く、そのような
オイルポート34の内孔35内には、弁座44が、位置
せしめられている。この弁座44は、図3及び図4から
も明らかなように、全体として、略厚肉の円筒形状を呈
しており、その高さ方向に延びる内孔からなる連通孔4
8を有して、構成されている。また、かかる弁座44に
あっては、その高さ方向一方側の端部に、径方向外方に
突出し、且つ周方向に連続して延びる外向きフランジ部
45が一体的に設けられており、更に、その反対側の端
面における前記連通孔48の開口部には、球形凹面状の
座面46が形成されている。また、特に、そのような座
面46には、弁座44の径方向に連続して延びる、漏洩
部としての漏洩溝47が、その周方向に互いに等間隔を
おいて、四つ設けられている。なお、それら四つの漏洩
溝47は、何れも、0.5〜1.0mm程度の深さとそ
の寸法と同一程度の幅とを有して、構成されている。
オイルポート34の内孔35内には、弁座44が、位置
せしめられている。この弁座44は、図3及び図4から
も明らかなように、全体として、略厚肉の円筒形状を呈
しており、その高さ方向に延びる内孔からなる連通孔4
8を有して、構成されている。また、かかる弁座44に
あっては、その高さ方向一方側の端部に、径方向外方に
突出し、且つ周方向に連続して延びる外向きフランジ部
45が一体的に設けられており、更に、その反対側の端
面における前記連通孔48の開口部には、球形凹面状の
座面46が形成されている。また、特に、そのような座
面46には、弁座44の径方向に連続して延びる、漏洩
部としての漏洩溝47が、その周方向に互いに等間隔を
おいて、四つ設けられている。なお、それら四つの漏洩
溝47は、何れも、0.5〜1.0mm程度の深さとそ
の寸法と同一程度の幅とを有して、構成されている。
【0025】そして、図1に示されるように、オイルポ
ート34の内孔35内に位置せしめられ、且つ上述の如
き構造とされた弁座44が、外向きフランジ部45にお
いて、前記本体12の外面におけるオイル流通口20の
開口周縁部に対して、該オイル流通口20とオイルポー
ト34の内孔35との連通状態を遮るように固設されて
いる。これによって、オイルポート34の内孔35が、
弁座44の連通孔48のみを通じて、本体12のオイル
室30内に連通せしめられているのであり、また、該弁
座44の座面46に設けられた前記四つの漏洩溝47
が、オイルポート34の内孔35内において、本体12
のオイル室30側に向かって延びる状態で、配設される
ようになっているのである。
ート34の内孔35内に位置せしめられ、且つ上述の如
き構造とされた弁座44が、外向きフランジ部45にお
いて、前記本体12の外面におけるオイル流通口20の
開口周縁部に対して、該オイル流通口20とオイルポー
ト34の内孔35との連通状態を遮るように固設されて
いる。これによって、オイルポート34の内孔35が、
弁座44の連通孔48のみを通じて、本体12のオイル
室30内に連通せしめられているのであり、また、該弁
座44の座面46に設けられた前記四つの漏洩溝47
が、オイルポート34の内孔35内において、本体12
のオイル室30側に向かって延びる状態で、配設される
ようになっているのである。
【0026】さらに、かかるオイルポート34の内孔3
5内において、前記弁座44と、該オイルポート34の
内周面に形成された前記四つの突起40との間には、付
勢手段としての圧縮コイルバネ50と、弁体たるボール
弁52とが、上下に位置し、且つ前者が上下方向に伸縮
可能に配設される一方、後者が上下方向に移動可能に配
されている。また、ボール弁52は、四つの突起40の
各先端面にて囲まれた空間を通過不能な大きさと、弁座
44の前記座面46の形状に対応した球面形状とをもっ
て、構成されている。そして、そのような圧縮コイルバ
ネ50が、所定量だけ圧縮させられた状態で、上端部に
おいて、弁座44に対して離脱不能に係合せしめられ、
また、下端部において、ボール弁52の外周面に当接せ
しめられており、更に、そのような圧縮コイルバネ50
との当接状態下で、ボール弁52が、該圧縮コイルバネ
50との当接部位とは反対側の部位において、各突起4
0の上部側先端角部に、当接、係合させられている。
5内において、前記弁座44と、該オイルポート34の
内周面に形成された前記四つの突起40との間には、付
勢手段としての圧縮コイルバネ50と、弁体たるボール
弁52とが、上下に位置し、且つ前者が上下方向に伸縮
可能に配設される一方、後者が上下方向に移動可能に配
されている。また、ボール弁52は、四つの突起40の
各先端面にて囲まれた空間を通過不能な大きさと、弁座
44の前記座面46の形状に対応した球面形状とをもっ
て、構成されている。そして、そのような圧縮コイルバ
ネ50が、所定量だけ圧縮させられた状態で、上端部に
おいて、弁座44に対して離脱不能に係合せしめられ、
また、下端部において、ボール弁52の外周面に当接せ
しめられており、更に、そのような圧縮コイルバネ50
との当接状態下で、ボール弁52が、該圧縮コイルバネ
50との当接部位とは反対側の部位において、各突起4
0の上部側先端角部に、当接、係合させられている。
【0027】これによって、ボール弁52が、オイルポ
ート34の内孔35内で、圧縮コイルバネ50にて、下
方に向かって、換言すれば、弁座44から離隔する方向
に向かって付勢せしめられて、前記四つの突起40の上
部側先端角部に対して、所定の押圧力をもって当接、係
合させられるようになっている。それ故、ボール弁52
に対して作用力が何等加えられていない状態下では、該
オイルポート34の内孔35における前記二つの貫通孔
36,36が設けられる側の下部空間53が、その中間
部に位置する前記四つの凹溝42を通じて、該内孔35
における弁座44が設けられる側の上部空間55に連通
せしめられ、また、該上部空間55が、弁座44の連通
孔48を通じて、本体12のオイル室30内に連通せし
められるようになっている。一方、ボール弁52に対し
て所定の作用力が加えられた際には、該ボール弁52
が、圧縮コイルバネ50の付勢力に抗して上方に移動せ
しめられ、前記弁座44の座面46に着座させられて、
該ボール弁52により該弁座44における連通孔48の
下部側開口部が閉塞されて、該下部側開口部を通じて
の、オイルポート34の内孔35の前記オイル室30内
への連通が遮断されるようになっているものの、該弁座
44の座面46に設けられた前記四つの漏洩溝47を通
じての、該内孔35のオイル室30内への連通状態が、
確保され得るようになっているのである(図6参照)。
ート34の内孔35内で、圧縮コイルバネ50にて、下
方に向かって、換言すれば、弁座44から離隔する方向
に向かって付勢せしめられて、前記四つの突起40の上
部側先端角部に対して、所定の押圧力をもって当接、係
合させられるようになっている。それ故、ボール弁52
に対して作用力が何等加えられていない状態下では、該
オイルポート34の内孔35における前記二つの貫通孔
36,36が設けられる側の下部空間53が、その中間
部に位置する前記四つの凹溝42を通じて、該内孔35
における弁座44が設けられる側の上部空間55に連通
せしめられ、また、該上部空間55が、弁座44の連通
孔48を通じて、本体12のオイル室30内に連通せし
められるようになっている。一方、ボール弁52に対し
て所定の作用力が加えられた際には、該ボール弁52
が、圧縮コイルバネ50の付勢力に抗して上方に移動せ
しめられ、前記弁座44の座面46に着座させられて、
該ボール弁52により該弁座44における連通孔48の
下部側開口部が閉塞されて、該下部側開口部を通じて
の、オイルポート34の内孔35の前記オイル室30内
への連通が遮断されるようになっているものの、該弁座
44の座面46に設けられた前記四つの漏洩溝47を通
じての、該内孔35のオイル室30内への連通状態が、
確保され得るようになっているのである(図6参照)。
【0028】そして、そのような構成とされたオイルポ
ート34が、図5に示される如く、雄ネジ部38におい
て、図示しないポンプに直結された吐出パイプ54の雌
ネジ部56に螺合せしめられて、配置されている。ま
た、かかるオイルポート34は、そのような配置状態下
で、吐出パイプ54の端面と、該オイルポート34の外
周面に形成された段付面58との間で、パッキン60,
60を介して挟圧保持された、オイルが流通可能な流通
パイプ62の接続部64に対して、前記二つの貫通孔3
6,36を、該接続部64内の環状空間66に対応せし
めた状態で、挿通固定されており、以て、それら図示し
ないポンプと吐出パイプ54と流通パイプ62とを有す
る、所定の油圧回路に対して接続されるようになってい
る。
ート34が、図5に示される如く、雄ネジ部38におい
て、図示しないポンプに直結された吐出パイプ54の雌
ネジ部56に螺合せしめられて、配置されている。ま
た、かかるオイルポート34は、そのような配置状態下
で、吐出パイプ54の端面と、該オイルポート34の外
周面に形成された段付面58との間で、パッキン60,
60を介して挟圧保持された、オイルが流通可能な流通
パイプ62の接続部64に対して、前記二つの貫通孔3
6,36を、該接続部64内の環状空間66に対応せし
めた状態で、挿通固定されており、以て、それら図示し
ないポンプと吐出パイプ54と流通パイプ62とを有す
る、所定の油圧回路に対して接続されるようになってい
る。
【0029】かくして、吐出パイプ54から吐出される
オイル(圧油)が、オイルポート34の内孔35の下部
空間53から、前記二つの貫通孔36,36と接続部6
4内の環状空間66を通じて、流通パイプ62内に向か
って流通させられると共に、オイルポート34の前記四
つの凹溝42を通じて、該内孔35の上部空間55内に
流通させられるようになっている。
オイル(圧油)が、オイルポート34の内孔35の下部
空間53から、前記二つの貫通孔36,36と接続部6
4内の環状空間66を通じて、流通パイプ62内に向か
って流通させられると共に、オイルポート34の前記四
つの凹溝42を通じて、該内孔35の上部空間55内に
流通させられるようになっている。
【0030】そして、ここでは、特に、オイルポート3
4内に配された圧縮コイルバネ50の付勢力が、該オイ
ルポート34が接続せしめられる所定の油圧回路のポン
プ(図示せず)の定常作動時においては、前記ボール弁
52の四つの突起40への当接、係合状態を維持させる
ものの、該ポンプの急激な圧力上昇によって該内孔35
内の油圧が急激に上昇せしめられた際には、ボール弁5
2の前記弁座44側への移動を許容する大きさとされて
いる。
4内に配された圧縮コイルバネ50の付勢力が、該オイ
ルポート34が接続せしめられる所定の油圧回路のポン
プ(図示せず)の定常作動時においては、前記ボール弁
52の四つの突起40への当接、係合状態を維持させる
ものの、該ポンプの急激な圧力上昇によって該内孔35
内の油圧が急激に上昇せしめられた際には、ボール弁5
2の前記弁座44側への移動を許容する大きさとされて
いる。
【0031】これによって、本具体例に係るアキュムレ
ータ10にあっては、油圧回路のポンプが定常作動せし
められている間において、図5に示されるように、該ポ
ンプが生ずる周期的な圧力変動により、吐出パイプ54
のオイルの吐出圧力、換言すれば、該吐出パイプ54内
やオイルポート34の内孔35の前記下部空間53内の
油圧が高められた際に、オイルが、該下部空間53か
ら、前記四つの凹溝42、該内孔35の上部空間55、
前記弁座44の連通孔48、及び前記本体12のオイル
流通口20を通じて、オイル室30内に流入し、それに
伴って、前記本体12の可撓性膜24が、前記ガス室2
8の容積を小さく為すように変形せしめられるようにな
っている。一方、吐出パイプ54内やオイルポート34
の内孔35における下部空間53内の油圧が減少せしめ
られた際には、オイル室30内のオイルが、上述の如き
該下部空間53とオイル室30との間の流通路を通じ
て、該オイル室30内から該下部空間53に流出せしめ
られ、それに伴って、可撓性膜24が、図5に仮想線で
示される如く、ガス室28の容積を大きく為すように変
形せしめられるようになっている。
ータ10にあっては、油圧回路のポンプが定常作動せし
められている間において、図5に示されるように、該ポ
ンプが生ずる周期的な圧力変動により、吐出パイプ54
のオイルの吐出圧力、換言すれば、該吐出パイプ54内
やオイルポート34の内孔35の前記下部空間53内の
油圧が高められた際に、オイルが、該下部空間53か
ら、前記四つの凹溝42、該内孔35の上部空間55、
前記弁座44の連通孔48、及び前記本体12のオイル
流通口20を通じて、オイル室30内に流入し、それに
伴って、前記本体12の可撓性膜24が、前記ガス室2
8の容積を小さく為すように変形せしめられるようにな
っている。一方、吐出パイプ54内やオイルポート34
の内孔35における下部空間53内の油圧が減少せしめ
られた際には、オイル室30内のオイルが、上述の如き
該下部空間53とオイル室30との間の流通路を通じ
て、該オイル室30内から該下部空間53に流出せしめ
られ、それに伴って、可撓性膜24が、図5に仮想線で
示される如く、ガス室28の容積を大きく為すように変
形せしめられるようになっている。
【0032】また、かかるアキュムレータ10において
は、油圧回路のポンプの急激な圧力上昇により、吐出パ
イプ54内やオイルポート34の内孔35の下部空間5
3内の油圧が急激に上昇せしめられた際には、オイル
が、下部空間53から上部空間55内に向かって急速に
流動せしめられ、その流動圧力によって、図6に示され
る如く、ボール弁52が、圧縮コイルバネ50の付勢力
に抗して上方に移動せしめられて、前記弁座44の座面
46に着座させられる。そして、それにより、前記連通
孔48の下部側開口部が急速に閉塞せしめられて、上部
空間55に流動せしめられたオイルの、該下部側開口部
から該連通孔48を通じてのオイル室30内への流入が
遮断され、またその一方で、該オイルが、弁座44の座
面46に設けられた前記四つの漏洩溝47を通じて連通
孔48内に漏洩し、その漏洩された僅かな量だけ、オイ
ル室30内に流入せしめられるようになっている。この
ことから明らかなように、本具体例では、接続通路が、
オイルポート34の内孔35にて構成されており、ま
た、漏洩部が、漏洩溝47によって構成されているので
ある。
は、油圧回路のポンプの急激な圧力上昇により、吐出パ
イプ54内やオイルポート34の内孔35の下部空間5
3内の油圧が急激に上昇せしめられた際には、オイル
が、下部空間53から上部空間55内に向かって急速に
流動せしめられ、その流動圧力によって、図6に示され
る如く、ボール弁52が、圧縮コイルバネ50の付勢力
に抗して上方に移動せしめられて、前記弁座44の座面
46に着座させられる。そして、それにより、前記連通
孔48の下部側開口部が急速に閉塞せしめられて、上部
空間55に流動せしめられたオイルの、該下部側開口部
から該連通孔48を通じてのオイル室30内への流入が
遮断され、またその一方で、該オイルが、弁座44の座
面46に設けられた前記四つの漏洩溝47を通じて連通
孔48内に漏洩し、その漏洩された僅かな量だけ、オイ
ル室30内に流入せしめられるようになっている。この
ことから明らかなように、本具体例では、接続通路が、
オイルポート34の内孔35にて構成されており、ま
た、漏洩部が、漏洩溝47によって構成されているので
ある。
【0033】それ故、本具体例に係るアキュムレータ1
0にあっては、油圧回路のポンプの定常作動時等におい
て、吐出パイプ54やオイルポート34の内孔35内の
油圧が急激に上昇せしめられないように、該油圧回路の
通常状態が維持されている間は、本体12のオイル室3
0内へのオイルの流入、或いは該オイル室30内からの
オイルの流出に伴う可撓性膜24の変形に応じたガス室
28の容積変化によって、ガス室28の内圧変動が惹起
せしめられ、以て、吐出パイプ54内やオイルポート3
4の内孔35内の下部空間53内における油圧変動が有
利に吸収せしめられ得るのである。そして、その一方
で、前記ポンプが急激に圧力上昇せしめられて、吐出パ
イプ54やオイルポート34の内孔35内の油圧が急激
に上昇せしめられた際には、それら吐出パイプ54やオ
イルポート34の内孔35内における油圧変動の吸収作
用が瞬時に停止させられ得るのであり、また、前記連通
孔48の下部側開口部の急速な閉塞に伴う流通パイプ6
2や吐出パイプ54内での衝撃圧力の発生が効果的に回
避乃至は抑制され得るのである。
0にあっては、油圧回路のポンプの定常作動時等におい
て、吐出パイプ54やオイルポート34の内孔35内の
油圧が急激に上昇せしめられないように、該油圧回路の
通常状態が維持されている間は、本体12のオイル室3
0内へのオイルの流入、或いは該オイル室30内からの
オイルの流出に伴う可撓性膜24の変形に応じたガス室
28の容積変化によって、ガス室28の内圧変動が惹起
せしめられ、以て、吐出パイプ54内やオイルポート3
4の内孔35内の下部空間53内における油圧変動が有
利に吸収せしめられ得るのである。そして、その一方
で、前記ポンプが急激に圧力上昇せしめられて、吐出パ
イプ54やオイルポート34の内孔35内の油圧が急激
に上昇せしめられた際には、それら吐出パイプ54やオ
イルポート34の内孔35内における油圧変動の吸収作
用が瞬時に停止させられ得るのであり、また、前記連通
孔48の下部側開口部の急速な閉塞に伴う流通パイプ6
2や吐出パイプ54内での衝撃圧力の発生が効果的に回
避乃至は抑制され得るのである。
【0034】従って、かかるアキュムレータ10におい
ては、油圧回路の通常の状態下で生じるオイルの脈動が
有利に吸収乃至は低減され得て、かかる脈動に起因する
振動や騒音が効果的に抑制され得ると共に、該油圧回路
において、突発的に大きな力を発生させるべく、油圧を
急激に上昇せしめた際に、油圧の上昇が阻害されるよう
なことが効果的に阻止され得て、必要とされる力が、極
めて効率的に且つ十分に得られるのである。
ては、油圧回路の通常の状態下で生じるオイルの脈動が
有利に吸収乃至は低減され得て、かかる脈動に起因する
振動や騒音が効果的に抑制され得ると共に、該油圧回路
において、突発的に大きな力を発生させるべく、油圧を
急激に上昇せしめた際に、油圧の上昇が阻害されるよう
なことが効果的に阻止され得て、必要とされる力が、極
めて効率的に且つ十分に得られるのである。
【0035】しかも、それに加えて、本具体例のアキュ
ムレータ10にあっては、前記連通孔48の下部側開口
部の急速な閉塞に伴う流通パイプ62や吐出パイプ54
内での衝撃圧力の発生が効果的に回避乃至は抑制され得
ていることによって、それら流通パイプ62や吐出パイ
プ54内でのウォーターハンマー現象の発生も、効果的
に回避乃至は抑制され得るのであり、その結果として、
かかるウォーターハンマー現象の発生に伴う各パイプ6
2,54及びそれに接続される各種機器の振動や騒音の
発生が効果的に回避乃至は抑制され得ることとなるので
ある。
ムレータ10にあっては、前記連通孔48の下部側開口
部の急速な閉塞に伴う流通パイプ62や吐出パイプ54
内での衝撃圧力の発生が効果的に回避乃至は抑制され得
ていることによって、それら流通パイプ62や吐出パイ
プ54内でのウォーターハンマー現象の発生も、効果的
に回避乃至は抑制され得るのであり、その結果として、
かかるウォーターハンマー現象の発生に伴う各パイプ6
2,54及びそれに接続される各種機器の振動や騒音の
発生が効果的に回避乃至は抑制され得ることとなるので
ある。
【0036】また、かかるアキュムレータ10にあって
は、本体12内において、可撓性膜24を下部分割体1
6との間で挟圧保持する上部分割体14の膨出部26
が、オイル室30内へのオイル流入時における可撓性膜
24の変形状態に対応した内周面形状をもって構成され
ていることから、かかるオイル流入時における可撓性膜
24の変形に伴って、該可撓性膜24の被挟圧部位とそ
れ以外の部位との境界部分に応力が集中するようなこと
が有利に回避され得、それによって、該可撓性膜24の
耐久性が有利に向上され得るといった利点が、有利に発
揮され得るのである。
は、本体12内において、可撓性膜24を下部分割体1
6との間で挟圧保持する上部分割体14の膨出部26
が、オイル室30内へのオイル流入時における可撓性膜
24の変形状態に対応した内周面形状をもって構成され
ていることから、かかるオイル流入時における可撓性膜
24の変形に伴って、該可撓性膜24の被挟圧部位とそ
れ以外の部位との境界部分に応力が集中するようなこと
が有利に回避され得、それによって、該可撓性膜24の
耐久性が有利に向上され得るといった利点が、有利に発
揮され得るのである。
【0037】なお、このような優れた特徴を有する本具
体例のアキュムレータ10は、例えば、自動車の油圧パ
ワーステアリング等の油圧回路に対して、極めて有利に
適用され得ることとなる。
体例のアキュムレータ10は、例えば、自動車の油圧パ
ワーステアリング等の油圧回路に対して、極めて有利に
適用され得ることとなる。
【0038】すなわち、自動車の油圧パワーステアリン
グにおいては、脈動による振動や騒音が、ゆっくりとし
た操舵時、換言すれば、油圧の緩やかな上昇時に問題と
なるものの、急速な操舵時、つまり油圧の急激な上昇時
には、そのような振動や騒音は、ドライバーの感覚上、
さほど問題とならず、それよりも、操舵に対する大きな
アシスト力が得られるか否かが、大きな問題となる。そ
のため、前述の如く、油圧回路の通常の状態下で、脈動
を有利に低減し得ると共に、該油圧回路において、突発
的に大きな力を発生させるべく、油圧を急激に上昇せし
めた際に、必要とされる力を、極めて効率的に且つ十分
に得ることが出来るといった優れた特徴を有する、本具
体例に係るアキュムレータ10を用いれば、ゆっくりと
した操舵時に、脈動による振動や騒音が有利に低減され
得る一方、急速な操舵時には、操舵に対する大きなアシ
スト力が十分に且つ確実に得ることが出来るのであり、
それによって、油圧パワーステアリングの操舵性能が極
めて効果的に高められ得ることとなるのである。
グにおいては、脈動による振動や騒音が、ゆっくりとし
た操舵時、換言すれば、油圧の緩やかな上昇時に問題と
なるものの、急速な操舵時、つまり油圧の急激な上昇時
には、そのような振動や騒音は、ドライバーの感覚上、
さほど問題とならず、それよりも、操舵に対する大きな
アシスト力が得られるか否かが、大きな問題となる。そ
のため、前述の如く、油圧回路の通常の状態下で、脈動
を有利に低減し得ると共に、該油圧回路において、突発
的に大きな力を発生させるべく、油圧を急激に上昇せし
めた際に、必要とされる力を、極めて効率的に且つ十分
に得ることが出来るといった優れた特徴を有する、本具
体例に係るアキュムレータ10を用いれば、ゆっくりと
した操舵時に、脈動による振動や騒音が有利に低減され
得る一方、急速な操舵時には、操舵に対する大きなアシ
スト力が十分に且つ確実に得ることが出来るのであり、
それによって、油圧パワーステアリングの操舵性能が極
めて効果的に高められ得ることとなるのである。
【0039】しかも、本具体例のアキュムレータ10
は、前述の如く、オイル室30内へのオイルの流入を急
速に遮断せしめた際のウォーターハンマー現象の発生
が、有効に回避乃至は抑制され得るところから、かかる
アキュムレータ10を自動車の油圧パワーステアリング
等の油圧回路に適用した場合、上述の如き急速な操舵時
での操舵に対する大きなアシスト力を十分に且つ確実に
確保しつつ、その際のハンドル振動やボデー振動、或い
はそれらに起因する騒音等の発生が極めて効果的に防止
され得ることとなるのである。
は、前述の如く、オイル室30内へのオイルの流入を急
速に遮断せしめた際のウォーターハンマー現象の発生
が、有効に回避乃至は抑制され得るところから、かかる
アキュムレータ10を自動車の油圧パワーステアリング
等の油圧回路に適用した場合、上述の如き急速な操舵時
での操舵に対する大きなアシスト力を十分に且つ確実に
確保しつつ、その際のハンドル振動やボデー振動、或い
はそれらに起因する騒音等の発生が極めて効果的に防止
され得ることとなるのである。
【0040】以上、本発明の具体的な構成について詳述
してきたが、これはあくまでも例示であって、本発明
は、上記の記載によって、何等の制約をも受けるもので
はない。
してきたが、これはあくまでも例示であって、本発明
は、上記の記載によって、何等の制約をも受けるもので
はない。
【0041】例えば、前記具体例では、アキュムレータ
本体12が、略椀形容器状をもって構成されていたが、
かかる本体12は、容器状を呈するものであれば、その
具体的形状は、何等これに限定されるものではない。ま
た、そのような本体12を、二つの空間に、流体密に仕
切る可撓性膜24を与える材質も、前記具体例に示され
るものに、特に限定されるものでないことは、勿論であ
る。
本体12が、略椀形容器状をもって構成されていたが、
かかる本体12は、容器状を呈するものであれば、その
具体的形状は、何等これに限定されるものではない。ま
た、そのような本体12を、二つの空間に、流体密に仕
切る可撓性膜24を与える材質も、前記具体例に示され
るものに、特に限定されるものでないことは、勿論であ
る。
【0042】さらに、前記具体例では、本体12に対し
て一体的に固着された、アキュムレータ10の構成部材
たるオイルポート34の内孔35が、該本体12のオイ
ル室30と、油圧回路の配管たる吐出パイプ54や流通
パイプ62との間を接続する接続通路として構成されて
いたが、そのような接続通路の構造も、特にこれに限定
されるものではなく、例えば、アキュムレータ10の構
成部材とは別の部材にて構成された、該アキュムレータ
10と前記油圧回路の配管とを接続する特別な接続部材
に対して、かかる接続通路を設けるようにしても良い。
て一体的に固着された、アキュムレータ10の構成部材
たるオイルポート34の内孔35が、該本体12のオイ
ル室30と、油圧回路の配管たる吐出パイプ54や流通
パイプ62との間を接続する接続通路として構成されて
いたが、そのような接続通路の構造も、特にこれに限定
されるものではなく、例えば、アキュムレータ10の構
成部材とは別の部材にて構成された、該アキュムレータ
10と前記油圧回路の配管とを接続する特別な接続部材
に対して、かかる接続通路を設けるようにしても良い。
【0043】更にまた、前記具体例では、そのような接
続通路内に移動可能に配された弁体が、ボール弁52に
て構成されていたが、かかる弁体の形状は、何等これに
限定されるものではなく、弁座44の座面46の形状等
に応じて、適宜に決定されるものである。
続通路内に移動可能に配された弁体が、ボール弁52に
て構成されていたが、かかる弁体の形状は、何等これに
限定されるものではなく、弁座44の座面46の形状等
に応じて、適宜に決定されるものである。
【0044】また、かかる弁体による前記接続通路の開
閉構造も、前記具体例に示されるものに、決して限定さ
れるものではなく、接続通路内において、オイル室内か
らのオイル流出方向とその反対方向に移動せしめられる
ことによって、該接続通路を開閉せしめ得るものであれ
ば、如何なる構造も採用され得るのである。
閉構造も、前記具体例に示されるものに、決して限定さ
れるものではなく、接続通路内において、オイル室内か
らのオイル流出方向とその反対方向に移動せしめられる
ことによって、該接続通路を開閉せしめ得るものであれ
ば、如何なる構造も採用され得るのである。
【0045】さらに、前記具体例では、弁体たるボール
弁52をオイル室30内からのオイル流出方向に向かっ
て付勢する付勢手段が、圧縮コイルバネ50にて構成さ
れていたが、かかる付勢手段としては、オイルの流通状
態下で、所定の付勢力を発揮し得るものであれば、従来
より公知のものが、何れも有利に採用され得ることとな
る。
弁52をオイル室30内からのオイル流出方向に向かっ
て付勢する付勢手段が、圧縮コイルバネ50にて構成さ
れていたが、かかる付勢手段としては、オイルの流通状
態下で、所定の付勢力を発揮し得るものであれば、従来
より公知のものが、何れも有利に採用され得ることとな
る。
【0046】更にまた、前記具体例では、オイルポート
34の内孔35の内周面に形成された四つの突起40
が、ボール弁52の下方への移動を規制するためのスト
ッパ部材として設けられていたが、圧縮コイルバネ50
等の付勢手段に対して、ボール弁52等の弁体を固着さ
せる等すれば、そのようなストッパ部材を省略すること
が出来る。
34の内孔35の内周面に形成された四つの突起40
が、ボール弁52の下方への移動を規制するためのスト
ッパ部材として設けられていたが、圧縮コイルバネ50
等の付勢手段に対して、ボール弁52等の弁体を固着さ
せる等すれば、そのようなストッパ部材を省略すること
が出来る。
【0047】また、前記具体例では、漏洩部としての漏
洩溝47が、弁座44の座面46に対して、周方向に等
間隔をおいて四つ設けられていたが、その配設個数や配
設位置は、何等されに限定されるものではないことは、
勿論である。
洩溝47が、弁座44の座面46に対して、周方向に等
間隔をおいて四つ設けられていたが、その配設個数や配
設位置は、何等されに限定されるものではないことは、
勿論である。
【0048】さらに、前記具体例では、そのような漏洩
部たる漏洩溝47が、それぞれ、0.5〜1.0mm程
度の深さとそれと同一寸法程度の幅とをもって構成され
ていたが、かかる漏洩溝47の深さと幅も、決してこれ
に限定されるものではなく、油圧回路を構成する流通パ
イプ62や吐出パイプ54内での衝撃圧力の発生の抑制
作用と、油圧回路において突発的に大きな力を効率的に
且つ十分に発生せしめる作用とが、何れも有効に発揮さ
れ得るように、漏洩溝47を通じてのオイルの漏洩量を
考慮して、適宜に決定され得るものである。
部たる漏洩溝47が、それぞれ、0.5〜1.0mm程
度の深さとそれと同一寸法程度の幅とをもって構成され
ていたが、かかる漏洩溝47の深さと幅も、決してこれ
に限定されるものではなく、油圧回路を構成する流通パ
イプ62や吐出パイプ54内での衝撃圧力の発生の抑制
作用と、油圧回路において突発的に大きな力を効率的に
且つ十分に発生せしめる作用とが、何れも有効に発揮さ
れ得るように、漏洩溝47を通じてのオイルの漏洩量を
考慮して、適宜に決定され得るものである。
【0049】更にまた、漏洩部の構造も、前記具体例に
示されるものに何等限定されるものではなく、接続通路
の弁体による閉塞状態下で、オイルを配管側からオイル
室側に漏洩させ得るものであれば、如何なる構造も有利
に採用され得るのである。従って、例えば、円筒状の弁
座44の筒壁部や、該弁座44に一体形成された外向き
フランジ部45に、オイルポート34の内孔35におけ
る上部空間55と、該弁座44の連通孔48内、或いは
本体12のオイル流通口20とを連通する貫通孔を設け
て、これを漏洩部と為すことも、可能である。また、ボ
ール弁52に対して、凹溝や径方向に貫通する貫通孔
を、該ボール弁52の弁座44への着座状態下で、前記
上部空間55と弁体44の連通孔48とを連通せしめ得
るように形成し、そのような凹溝や貫通孔によって、漏
洩部を構成しても良いのである。
示されるものに何等限定されるものではなく、接続通路
の弁体による閉塞状態下で、オイルを配管側からオイル
室側に漏洩させ得るものであれば、如何なる構造も有利
に採用され得るのである。従って、例えば、円筒状の弁
座44の筒壁部や、該弁座44に一体形成された外向き
フランジ部45に、オイルポート34の内孔35におけ
る上部空間55と、該弁座44の連通孔48内、或いは
本体12のオイル流通口20とを連通する貫通孔を設け
て、これを漏洩部と為すことも、可能である。また、ボ
ール弁52に対して、凹溝や径方向に貫通する貫通孔
を、該ボール弁52の弁座44への着座状態下で、前記
上部空間55と弁体44の連通孔48とを連通せしめ得
るように形成し、そのような凹溝や貫通孔によって、漏
洩部を構成しても良いのである。
【0050】加えて、前記具体例では、アキュムレータ
本体を、オイル室とガス室との二つの空間に流体密に仕
切る仕切部材が可撓性の膜にて構成された、所謂ダイヤ
フラム型のアキュムレータに対して、本発明を適用した
ものの具体例を示したが、本発明は、その他、かかる仕
切部材が、本体内部に移動可能に配されたピストン部材
にて構成されたピストン型や、変形可能なベローズ部材
またはブラダ部材等からなるベローズ型またはブラダ型
等、オイル室内へのオイルの流入、或いはオイル室内か
らのオイルの流出に伴うガス室の内圧変動によって、油
圧回路の油圧変動を吸収させるようにした各種のアキュ
ムレータに対しても、有利に適用され得るものであるこ
とは、勿論である。
本体を、オイル室とガス室との二つの空間に流体密に仕
切る仕切部材が可撓性の膜にて構成された、所謂ダイヤ
フラム型のアキュムレータに対して、本発明を適用した
ものの具体例を示したが、本発明は、その他、かかる仕
切部材が、本体内部に移動可能に配されたピストン部材
にて構成されたピストン型や、変形可能なベローズ部材
またはブラダ部材等からなるベローズ型またはブラダ型
等、オイル室内へのオイルの流入、或いはオイル室内か
らのオイルの流出に伴うガス室の内圧変動によって、油
圧回路の油圧変動を吸収させるようにした各種のアキュ
ムレータに対しても、有利に適用され得るものであるこ
とは、勿論である。
【0051】以上、本発明の具体的な構成について詳述
してきたが、本発明が、上記の記載によって、何等の制
約をも受けるものでないことは、言うまでもないところ
である。また、本発明には、上記の具体例の他にも、本
発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて、当業者の知識に
基づいて種々なる変更、修正、改良等を加え得るもので
あることが、理解されるべきである。
してきたが、本発明が、上記の記載によって、何等の制
約をも受けるものでないことは、言うまでもないところ
である。また、本発明には、上記の具体例の他にも、本
発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて、当業者の知識に
基づいて種々なる変更、修正、改良等を加え得るもので
あることが、理解されるべきである。
【0052】
【発明の効果】上述の説明からも明らかなように、本発
明に従うアキュムレータにあっては、油圧回路に生ぜし
められるオイルの脈動の吸収乃至は低減する作用と、油
圧回路において突発的に大きな力を効率的に且つ十分に
発生せしめる作用とが有利に発揮され得ると共に、油圧
回路でのウォーターハンマー現象の発生に伴う配管及び
それに接続される各種機器の振動や騒音の発生が効果的
に回避乃至は抑制され得るのである。
明に従うアキュムレータにあっては、油圧回路に生ぜし
められるオイルの脈動の吸収乃至は低減する作用と、油
圧回路において突発的に大きな力を効率的に且つ十分に
発生せしめる作用とが有利に発揮され得ると共に、油圧
回路でのウォーターハンマー現象の発生に伴う配管及び
それに接続される各種機器の振動や騒音の発生が効果的
に回避乃至は抑制され得るのである。
【図1】本発明に従うアキュムレータの一例を示す縦断
面説明図である。
面説明図である。
【図2】図1におけるII−II断面拡大説明図である。
【図3】図1に示されたアキュムレータに配設される弁
座の縦断面拡大説明図である。
座の縦断面拡大説明図である。
【図4】図3におけるIV矢視説明図である。
【図5】図1に示されたアキュムレータを油圧回路に接
続せしめた際における、該油圧回路の通常の状態下で
の、弁体の作動状態とオイルの流動状態を示す縦断面説
明図である。
続せしめた際における、該油圧回路の通常の状態下で
の、弁体の作動状態とオイルの流動状態を示す縦断面説
明図である。
【図6】図1に示されたアキュムレータを油圧回路に接
続せしめた際における、該油圧回路で油圧が急激に上昇
せしめられた状態下での、弁体の作動状態とオイルの流
動状態を示す縦断面説明図である。
続せしめた際における、該油圧回路で油圧が急激に上昇
せしめられた状態下での、弁体の作動状態とオイルの流
動状態を示す縦断面説明図である。
10 アキュムレータ 12 本体 24 可撓性膜 28 ガス室 30 オイル室 34 オイルポー
ト 35 内孔 44 弁座 46 座面 47 漏洩溝 48 連通孔 50 圧縮コイル
バネ 52 ボール弁 54 吐出パイプ 62 流通パイプ
ト 35 内孔 44 弁座 46 座面 47 漏洩溝 48 連通孔 50 圧縮コイル
バネ 52 ボール弁 54 吐出パイプ 62 流通パイプ
Claims (2)
- 【請求項1】 容器状のアキュムレータ本体の内部を、
変形乃至は変位可能な仕切部材にて、二つの空間に、流
体密に仕切ると共に、該二つの空間のうちの一方を油圧
回路の配管に接続せしめてオイル室とする一方、他方の
空間に圧力ガスを封入せしめてガス室と為し、前記油圧
回路の配管内における油圧変動に応じて、該配管内のオ
イルを前記オイル室内へ流入させ、或いは該オイル室内
からオイルを流出させることにより、前記油圧変動を吸
収させるように構成したアキュムレータにおいて、 前記オイル室と前記配管との間の接続通路内に移動可能
に配置され、該オイル室内からのオイル流出方向への移
動により、該接続通路を開放せしめる一方、その反対方
向への移動により、該接続通路を閉塞せしめる弁体と、
該弁体を、前記オイル室内からのオイル流出方向に向か
って付勢する付勢手段とを設け、更に、前記接続通路及
び弁体の少なくとも一方に、該接続通路の該弁体による
閉塞状態下で、前記オイルを前記配管側から前記オイル
室側に漏洩させる漏洩部を設けて、前記油圧回路の配管
内の油圧の急激な上昇によって、前記弁体を、該付勢手
段の付勢力に抗して前記オイル室側に移動させて、前記
接続通路が閉塞せしめられるように為すと共に、かかる
接続通路の閉塞状態下での前記オイルの前記漏洩部を通
じての漏洩により、該弁体による該接続通路の急速な閉
塞に伴う前記配管内での衝撃圧力の発生が抑制され得る
ように構成したことを特徴とするアキュムレータ。 - 【請求項2】 前記漏洩部が、前記弁体の前記オイル室
側への移動による閉塞状態下での前記接続通路の該弁体
との接触部位に、前記配管側から前記オイル室側に向か
って延びるように形成された溝によって構成されている
ことを特徴とする請求項1に記載のアキュムレータ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10058395A JPH11257301A (ja) | 1998-03-10 | 1998-03-10 | アキュムレータ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10058395A JPH11257301A (ja) | 1998-03-10 | 1998-03-10 | アキュムレータ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11257301A true JPH11257301A (ja) | 1999-09-21 |
Family
ID=13083172
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10058395A Pending JPH11257301A (ja) | 1998-03-10 | 1998-03-10 | アキュムレータ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11257301A (ja) |
Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS53161414U (ja) * | 1977-05-25 | 1978-12-18 | ||
JPS54117492U (ja) * | 1978-02-03 | 1979-08-17 | ||
JPH08145236A (ja) * | 1994-11-25 | 1996-06-07 | Nok Corp | 逆圧減衰弁 |
-
1998
- 1998-03-10 JP JP10058395A patent/JPH11257301A/ja active Pending
Patent Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS53161414U (ja) * | 1977-05-25 | 1978-12-18 | ||
JPS54117492U (ja) * | 1978-02-03 | 1979-08-17 | ||
JPH08145236A (ja) * | 1994-11-25 | 1996-06-07 | Nok Corp | 逆圧減衰弁 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20041109 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20050315 |