JP5519237B2 - 液封型防振装置 - Google Patents
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Description
その制限通路を、内向きフランジと内向きフランジの基端からの立上がり筒部とを具え、内向きフランジをもって環状の窪み部を形成する絞り金具と、円筒状、角筒状等の筒状部分を、絞り金具の内向きフランジの内周側に、たとえば緊密に嵌め込まれ、絞り金具の立上がり筒部に掛け渡したフランジ部分で、前記環状窪み部の頂部を閉止するフランジ金具とで構成するとともに、
この制限通路の、それぞれの液室への開口部の間を、通路閉塞部材によって閉塞状態とし、この通路閉塞部材と、フランジ金具のフランジ部分との対向面間に、通路閉塞部材もしくはフランジ金具から突出させて設けられて外筒部材の内外方向に延びる弾性シール突条を、この弾性シール突条の弾性変形下で挟み込み、
通路閉塞部材上の弾性シール突条の延長部分を、通路閉塞部材と、フランジ金具の筒状部分との接触域の全長にわたって連続させて、軸線方向への延在姿勢で設けてなるものである。
また好ましくは、ダイアフラムを、絞り金具の内向きフランジに直接的に、または間接的に固着させて設ける。
また、横断面形状を山形とした、二本の弾性シール突条のそれぞれを、通路閉塞部材の周方向のそれぞれの端部分に偏せて配設するときは、それぞれの弾性シール突条を、制限通路の、最も近接するそれぞれの開口部側に向けて対称に倒伏させるべく、それぞれの弾性シール突条の頂点を、最も近接するそれぞれの開口部側に偏せて位置させることが好ましい。
これらの場合はいずれも、弾性シール突条は、頂点の偏り側へ倒伏されることになる。
なお、メンブランは、従来の防振装置と同様、制限通路内の液体の流動が不能になるほどの高周波数の振動入力に対し、高圧の液室側から、低圧の液室側へ撓み変形して、装置の動的ばね定数の増加を抑制するべく機能する。
なおここで、倒伏姿勢とされた弾性シール突条が、突条収納溝部内に完全に収納され、そのシール突条が、立ち上がり方向の弾性復元力をもってフランジ金具のフランジ部分に接触しているだけの場合であっても、弾性シール突条が、液圧の作用下で、立ち上がり方向の外力を受けたときには、そのシール突条の、フランジ部分に対する密着度が高まることになって、セルフシール機能が十分に発揮されることになるので、不測の液洩れの発生は常に確実に阻止されることになる。
なお、ゴムライニング層は、絞り金具とフランジ金具との間に区画形成される制限通路に、意図しない変形等を生じるおそれがない限り、絞り金具の、立上がり筒部内周面、内向きフランジ等の他、フランジ金具の筒状部分外周面、フランジ部分面等にも形成することができる。
ちなみに、上記延長部分を、装置の中心軸線に対して、いずれかの方向に傾いた姿勢で延在させたときは、絞り金具に対してフランジ金具の筒状部分を圧入するに当って、その連続延長部分が意図しない方向へ倒伏したり、圧潰変形等されたりして、所期したシール機能を発揮させ得ない場合が生じるおそれがある。
しかるに、この場合は、絞り金具に対するフランジ金具の拘束力を高めることが困難であるので、弾性シール突条としては、倒伏変形だけを行って、起立復帰に伴うセルフシール機能を発揮するものとすることが好ましい。
なおここで、コア部材1の、図の下端部分を本体ゴム3から露出させることもでき、また、外筒部材2の、他方の端部分側の内周面を、流体室6の寸法その他との関連の下で、本体ゴム3から露出させることもできる。
なおこの仕切部材7は、剛性プレートその他の剛性部材にて構成することもできる。
この一方で、主液室8と副液室9とのそれぞれを制限通路5によって相互に連通させる。両液室8,9のこの連通は、制限通路5に形成されて、主液室8に開口する一方の開口部と、この開口部から周方向に所定の間隔をおいて副液室9に開口する他方の開口部とによって行わせることができる。
このような制限通路5では、フランジ金具12の、フランジ部分12bの上面および、筒状部分12aの内周面が、本体ゴム3およびダイアフラム4とともに、流体室6の区画に寄与することになる。
なおこの通路閉塞部材15は、剛性部材および弾性部材のいずれによっても構成できることはもちろんであるが、絞り金具11へのダイアフラム4の固着形成と併せて、また、絞り金具11への所要のゴムライニング層16の固着形成と併せて、ゴム材料の同時の射出成形等によって、それらと一体的に形成するときは、少ない作業工程数の下で、液体の不測の洩れ出し等のおそれなしに、簡易に、かつ、所期した通りに確実に構成することができる。
ここで、絞り金具11への所要のゴムライニング層16は、たとえば、対をなす剛性フランジ金具12との対向面ないしは接合面等に形成されて、絞り金具12と剛性フランジ金具12との当接部の液体シール機能を発揮するべく機能する。
そして、制限通路5内の液体は、予め選択された共振周波数での液柱共振、制限通路5による流動抵抗等に基いて、所要の振動減衰機能を発揮し、また、動的ばね定数の増加を抑制する。
従って、二本の弾性シール突条21,22のそれぞれを、上述したように、近接する一方の開口部側に向けて対称に倒伏変形させる場合は、各シール突条21,22に、近接する一方の開口部側から他方の開口部側に向かう洩出液体に対するすぐれたセルフシール機能を発揮させることができる。
これによれば、洩出液体の液圧の作用に基いて、一本以上の弾性シール突条の全てに、所期した通りのセルフシール機能を発揮させることができる。
ところで、弾性シール突条のこのようなセルフシール機能は、それの倒伏変形方向を高圧側とするが限りにおいて、通路閉塞部材15の他方側の端部分に偏せて配設した場合にもまた同様に発揮させることができる。
ここにおいて、溝部23,24の容積を、倒伏変形された弾性シール突条21,22に、圧潰変形ないしは窘迫変形が生じない程度の大きさとしたときは、弾性シール突条21,22を、それらの立ち上がり方向の弾性復元力だけによってフランジ金具12のフランジ部12bに接触させることができ、それらの突条21,22が圧潰変形等される場合の、突条21,22へのへたりの発生を十分に防止して、所要のセルフシール機能を長期間にわたって発揮させることができる。
2 外筒部材
3 本体ゴム
4 ダイアフラム
5 制限通路
6 流体室
7 仕切部材
8 主液室
9 副液室
11 絞り金具
11a 内向きフランジ
11b 立上がり筒部
11c 下向き筒部
11d 窪み部
12 フランジ金具
12a 筒状部分
12b フランジ部分
13,14 開口部
15 通路閉塞部材
16 ゴムライニング層
17,21,22 弾性シール突条
17a,21a,22a 延長部分
Claims (9)
- コア部材および外筒部材と、外筒部材の一方の端部分側で、外筒部材の内周面をコア部材の外周面に液密に連結する本体ゴムと、外筒部材の他方の端部分に液密に連結したダイアフラムとを具え、内部空間内に非圧縮性の液体を封入してなる流体室を、仕切部材をもって、本体ゴム側の主液室と、ダイアフラム側の副液室とに区画するとともに、それらの両液室を、制限通路によって相互に連通させてなる液封型防振装置であって、
前記制限通路を、内向きフランジとそこからの立上がり筒部とを具え、環状の窪み部を形成する絞り金具と、筒状部分を、絞り金具の内向きフランジの内周側に嵌め込まれて、フランジ部分で、前記環状窪み部の頂部を閉止するフランジ金具とで構成するとともに、その制限通路の、それぞれの液室への開口部の間を、通路閉塞部材によって閉塞状態とし、この通路閉塞部材と、フランジ金具のフランジ部分との対向面間に、通路閉塞部材もしくはフランジ金具から突出させて設けられて、外筒部材の内外方向に延びる弾性シール突条を挟み込み、
通路閉塞部材上の弾性シール突条の延長部分を、通路閉塞部材と、フランジ金具の筒状部分との接触域の全長にわたって連続させて、軸線方向への延在姿勢で形成してなる液封型防振装置。 - 仕切り部材を、フランジ金具の筒状部分の内周面に固着させたメンブランにより構成してなる請求項1に記載の液封型防振装置。
- ダイアフラムを、絞り金具の内向きフランジに固着させて設けてなる請求項1もしくは2に記載の液封型防振装置。
- 通路閉塞部材を、ゴム材料によって、ダイアフラムと一体に構成するとともに、この通路閉塞部材上に弾性シール突条を設けてなる請求項1〜3のいずれかに記載の液封型防振装置。
- 横断面形状を山形とした弾性シール突条を、通路閉塞部材の周方向の、少なくとも一方の端部分に偏せて配設し、その弾性シール突条の頂点を、制限通路の、近接する一方の開口部側へ偏せて位置させてなる請求項1〜4のいずれかに記載の液封型防振装置。
- 横断面形状を山形とした二本の弾性シール突条のそれぞれを、通路閉塞部材の周方向のそれぞれの端部分に偏せて配設し、それぞれの弾性シール突条の頂点を、制限通路の、最も近接するそれぞれの開口部側に偏せて位置させてなる請求項1〜5のいずれかに記載の液封型防振装置。
- 弾性シール突条を、頂点の偏り側へ倒伏させてなる請求項5もしくは6に記載の液封型防振装置。
- 弾性シール突条の倒伏側の基部に、突条収納溝部を設けてなる請求項7に記載の液封型防振装置。
- 絞り金具の、少なくともフランジ金具との接触部の全体にゴムライニング層を設けてなる請求項1〜8のいずれかに記載の液封型防振装置。
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