JPH11256498A - 艶消し塗被紙 - Google Patents

艶消し塗被紙

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JPH11256498A
JPH11256498A JP5959698A JP5959698A JPH11256498A JP H11256498 A JPH11256498 A JP H11256498A JP 5959698 A JP5959698 A JP 5959698A JP 5959698 A JP5959698 A JP 5959698A JP H11256498 A JPH11256498 A JP H11256498A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明の課題は、製本工程等で発生する印刷
後の印刷インキが対向する白紙部に転移する問題を起こ
さず、かつ白紙光沢が低い艶消し塗被紙を提供すること
にある。 【解決手段】 原紙に顔料と接着剤を有する塗被層液を
少なくとも二層有する艶消し塗被紙のおいて、原紙上に
顔料成分として炭酸カルシウムを70重量%以上含む下
塗り塗被層と顔料成分として平均粒子径が0.3〜1.
5μmの合成樹脂粒子を10〜50重量%含む上塗り塗
被層を設けたことを特徴とする艶消し塗被紙。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、製本工程等で発生
する印刷インキが対向する白紙部に転移する問題を改善
した艶消し塗被紙に関するものである。
【0002】
【従来の技術】出版、印刷用塗被紙のユーザーニーズの
多様化が進む中、艶がなくしっとり感があり、目に優し
い、読みやすいといった特徴を有する艶消し塗被紙は、
その特徴を生かし、カタログ、パンフレット、カレンダ
ーや商業出版用本文用紙等に幅広く使用されている。艶
消し塗被紙は、白紙光沢度を低く押さえるために、グロ
ス調の塗被紙に比較して、粒子の粗い顔料を多く配合し
た塗被液を塗被し、そのまま製品化するかあるいは軽度
のカレンダー処理を行って製品化する。これら艶消し塗
被紙はオフセット印刷機を用いて枚葉で印刷されるケー
スが多く、(1) 印刷後の工程において、枚葉で積み重ね
られた状態で上下の紙の印刷部と白紙部が接触し、こす
れが生じた場合、(2) 出版物の製本工程での折り機や丁
合機で上下の紙の印刷部と白紙部が接触した場合に、印
刷インキが白紙部に転移し印刷物の品質を大きく損ねる
トラブル(以後インキ落ちと称す)を抱えているのが現
状である。
【0003】一般に艶消し塗被紙を大別すると二つのタ
イプに分けられ、一つは白紙光沢、印刷光沢共に低いマ
ット−マットタイプ、もう一つは白紙光沢は低いが比較
的印刷光沢の高いマット−ダルタイプである。
【0004】マット−マットタイプは塗被後カレンダー
処理をせずそのまま製品化されるのが一般的であり、嵩
高で手肉感に優れているものの、平滑度や印刷光沢は劣
る。一方マット−ダルタイプは、印刷品質を向上するた
め、塗被後軽度のカレンダー処理等の表面処理を施すの
が一般的であり、マット−マットタイプと比較して平滑
度、印刷光沢に優れているものの、嵩が低下し、手肉感
が失われる。従って、両者のタイプはユーザーの使途、
目的、好みによって使い分けられている場合が多い。し
かし、これら艶消し塗被紙のいずれにも共通して大きな
問題となっているのが、インキ落ちの問題である。
【0005】インキ落ちの主な原因としては、白紙光沢
を低く抑えるために不定形で比較的粗い炭酸カルシウム
を多く配合していることにより、上下の紙の印刷部と白
紙部が接触した際に、白紙が印刷インキを掻き取ってし
まうことが考えられる。艶消し塗被紙は比較的高級な印
刷物に多く用いられていることから、艶消し塗被紙特有
のインキ落ちの問題を抱えていると、高級印刷用途とし
ての機能を果たさなくなるのが現状である。
【0006】そこでこのような問題を改善する手段とし
て、本発明者等はこれまで塗被液中にデラミネーテッド
クレーを配合する方法(特開平5-5297号公報)、炭酸カ
ルシウムを50〜80重量%、クレーを50〜20重量
%配合した塗被液を塗被後、高温でソフトカレンダー処
理する方法(特開平5-117995号公報)、平均粒子径が3
μm以下の炭酸カルシウムを20重量%以上配合した塗
被液を下塗り後、クレーを60重量%以上配合した塗被
液を上塗り塗被する方法(特開平5-214699号公報)、平
均粒子径が0.6 〜1.6 μmの重質炭酸カルシウムを70
〜85重量%とカオリン15〜30重量%及び接着剤と
してガラス転移温度が10℃以上であるラテックスを配
合する方法(特開平7-212599号公報)等を見い出した。
また、平均粒子径が0.5 〜1.5 μmの重質炭酸カルシウ
ムを50〜95重量%とカオリンを5〜50重量%を含
む塗被液を原紙に塗被した後、表面粗さ(Rmax. )が2
〜8μmである粗面化ロールで処理する方法(特開平6-
73697 号公報)を見い出した。
【0007】しかしながら、これらの方法を用いても、
印刷面と白紙面との接触において、製本工程の折り機や
丁合機等でこすれが強く起こった場合にはインキ落ち等
の問題が生じる場合があり、インキ落ちを更に改善した
艶消し塗被紙が求められている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】以上のような状況に鑑
み、本発明の課題は艶消し塗被紙として低白紙光沢度を
維持しつつ、上記のごとき艶消し塗被紙固有の問題であ
るインキ落ちを大幅に改善した艶消し塗被紙を提供する
ことにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者等は上記の課題
について鋭意研究を重ねた結果、原紙に顔料と接着剤を
含有する塗被層を少なくとも二層有する艶消し塗被紙に
おいて、該二層を顔料成分として炭酸カルシウムを顔料
中に70重量%以上含む下塗り塗被層と、顔料成分とし
て合成樹脂粒子を顔料中に10〜50重量%含む上塗り
塗被層とすることによって、更に平均粒子径が0.3〜
1.5μmの合成樹脂粒子を使用することによって、艶
消し塗被紙の特徴を維持しつつインキ落ちを改善し得る
ことを見いだし本発明を成すに至った。
【0010】以下発明の詳細を示す。
【0011】本発明で用いる合成樹脂粒子は、プラスチ
ックピグメントと称され、主としてポリスチレンあるい
はその変性物である。プラスチックピグメントは、他の
製紙用無機顔料と比較して著しく比重が低いという特徴
を有しているため、嵩高な塗被層を形成することが特徴
である。また、熱可塑性が高く、球状に近い形状を有す
るため、熱や圧力に感応して変形し易いため、白紙光沢
の向上に大きな効果がある。従って、このような合成樹
脂粒子は、一般に不透明度が低く、印刷品質の劣る軽量
塗被紙の嵩高化、高不透明度化や白紙光沢の向上あるい
は塗工板紙の白紙光沢向上を目的に、カレンダー処理し
て製造される強光沢塗被紙に使用され、逆に低い白紙光
沢が要求される艶消し塗被紙の製造に使用されることは
極めて希であった。
【0012】合成樹脂粒子を艶消し塗被紙に使用する例
として、本発明者等は特開平7-238493号公報において、
顔料100重量部に対して平均粒子径0.3〜2.0μ
mの合成樹脂粒子を、10〜30重量部含有した塗被組
成物を原紙に対して片面10〜20g/m2 塗被、乾燥
し、JIS B-0601で規定される表面粗さRzが2〜8μm
である粗面化ロールを用い100〜160℃でカレンダ
ー処理し、白紙光沢度(JIS P-8142)を40%以下になる
ように仕上げることを提案した。しかし、この方法によ
り嵩高、高平滑で、印刷光沢に優れる艶消し塗被紙を得
ることはできたが、インキ落ちの問題は改善されなかっ
た。
【0013】また、本発明者等は前記のごとく、エッジ
の少ない板状の形状を有するカオリンやクレーを配合す
ることでインキ落ちの改善を図ってきたが、配合量が増
えるとともに白紙光沢が高くなり、マット−マットタイ
プの艶消し面が得られにくい問題があった。
【0014】本発明においては、顔料成分として炭酸カ
ルシウムを顔料中に70重量%以上含む下塗り塗被層上
に、顔料成分として合成樹脂粒子を顔料中に10〜50
重量%含む上塗り塗被層を設け、特に平均粒子径が0.
3〜1.5μmの合成樹脂粒子を用いることによって、
白紙光沢度が低く、かつインキ落ちの問題を大幅に改善
した艶消し塗被紙を得ることができた。これは、不定形
でエッジの多い形状の炭酸カルシウムは、印刷面のイン
キを掻き取り易いのに対し、エッジが少なく球形、梅干
し状あるいはおにぎり状の形を有する合成樹脂粒子を単
層塗被紙ではなく、多層塗被紙の上塗り顔料中に多く使
用し、塗被紙のごく表層部に出来る限り多くの合成樹脂
粒子を留めることによって、白紙が印刷面のインキを掻
き取り難くなるためと考えられる。
【0015】合成樹脂粒子の粒子径は併用する他の顔料
の粒径や形状、下塗り塗被層の表面性状などを考慮して
決定するが、本発明の場合、0.3〜1.5μmが好適
な範囲であった。平均粒子径が0.3μmより小さい場
合には、インキ落ちの改善が実質的に生じにくい。この
理由は明確ではないが、合成樹脂粒子の粒子径が小さす
ぎて、併用する粒子径の大きな他の無機顔料間隙等に充
填される結果、塗被層表層部に合成樹脂粒子が多く留ま
らないためと考えられる。また粒子径が1.5μmより
大きい場合には、インキ落ちの改善効果がむしろ少なく
なる上、平滑性が低下し高級印刷物に必要な印刷光沢が
不十分となりやすい。また、上塗り顔料中の合成樹脂粒
子の配合量が10%より少ない場合には、塗被層中の合
成樹脂粒子の効果が出にくく、インキ落ちの改善が充分
でない。配合量が50%より多い場合には、合成樹脂粒
子が全体に緻密な塗被層を形成し白紙光沢が高くなりす
ぎ艶消し塗被紙としての特徴が損なわれる。
【0016】本発明の艶消し塗被紙は白紙光沢度がJI
S−P8142で規定する方法で75度の角度で測定し
たとき、40%以下好ましくは35%以下のものであ
る。白紙光沢度が40%を超えるのものは例え平滑度が
低いものであっても均一な艶消し感が得られない。また
本発明においては、下塗り顔料成分として炭酸カルシウ
ムを70重量%以上配合することが必要である。配合量
が70%より少ない場合には、白紙光沢度が高くなりす
ぎて艶消し塗被紙でなくなってしまう。また、炭酸カル
シウムの平均粒子径は0.4〜1.0μmが好ましい。
平均粒子径が0.4μmより小さい場合、緻密な下塗り
塗被層を形成するために白紙光沢が高くなり易い。ま
た、平均粒子径が1.0μmより大きい場合には、上塗
り塗被後においても塗被紙の平滑性が劣る傾向にある。
炭酸カルシウムとしては不定形の重質炭酸カルシウムが
本発明の目的にとって好適である。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明において上塗り塗被層に使
用する合成樹脂粒子は、スチレン、メチルメタクリレー
ト、あるいはスチレン−メチルメタクリレート等の重合
体及び共重合体、あるいはこれらと共重合可能なモノマ
ーであるα−メチルスチレン、β−メチルスチレン、ク
ロロスチレン、ジメチルスチレン等のオレフィン系芳香
族モノマー、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチ
ル、メタクリル酸ブチル、メタクリロニトリル等のアク
リル系モノマーの他に、アクリル酸、メタクリル酸、マ
レイン酸、フマール酸、イタコン酸等のオレフィン系不
飽和カルボン酸モノマー、ヒドロキシエチル、メタクリ
ル酸ヒドロキシエチル、メタクリル酸ヒドロキシプロピ
ル等のオレフィン系不飽和ヒドロキシモノマー、アクリ
ルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−メトキ
シメチルアクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチ
ロールメタクリルアミド、N−メトキシメチルメタクリ
ルアミド等のオレフィン系不飽和アミドモノマー、ジビ
ニルベンゼン、ジビニルアルコール等の二量体ビニルモ
ノマー、酢酸セルロース、三酢酸セルロース等のセルロ
ース誘導体を少なくとも一種類、あるいは二種類以上を
用いて合成されたものが使用される。
【0018】また上記合成樹脂粒子と併用しうる上塗り
塗被層用無機顔料は、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カ
ルシウム、カオリン、クレー、タルク、サチンホワイ
ト、酸化チタン、シリカ等通常塗被紙用顔料として知ら
れているものの中から選択して1種以上使用する。ま
た、下塗り塗被液に炭酸カルシウムと併用しうる無機顔
料は上記上塗り塗被液に使用しうる無機顔料と同様であ
る。
【0019】本発明に使用する塗被液に使用する接着剤
は、ラテックスあるいはその他の水性接着剤から必要に
応じ1種あるいは2種以上を選択して使用する。ラテッ
クスとしては、スチレン・ブタジエン共重合体、メタク
リレート・ブタジエン共重合体等の共役ジエン系共重合
体ラテックス、アクリル酸エステルおよび/またはメタ
クリル酸エステルの重合体または共重合体等のビニル系
重合体ラテックス、あるいはこれらを更にカルボキシル
基等の官能基含有単量体で変性したものである。ラテッ
クスの配合量としては、上塗り塗被液で顔料100部当
たり5〜20部、下塗り塗被液で顔料100部当たり2
〜20部が好ましい。
【0020】また、ラテックス以外の水性接着剤として
は、例えば、酵素変性デンプン、冷水可溶性デンプン、
リン酸エステル化デンプン、エーテル化デンプンや酸化
デンプン等のデンプン類、カゼイン、大豆蛋白、合成蛋
白等の蛋白質類、ポリビニルアルコール、ポリビニルピ
ロリドン、オレフィン・無水マレイン酸樹脂、メラミン
樹脂等の合成樹脂系接着剤、カルボキシメチルセルロー
ス、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシメチルセ
ルロース等のセルロース誘導体等の通常の塗工用接着剤
である。配合量としては、上塗り塗被液で顔料100部
当たり3〜10部、下塗り塗被液で顔料100部当たり
5〜30部が好ましい。
【0021】本発明の塗被液には分散剤、増粘剤、保水
剤、消泡剤、耐水化剤等通常の塗被紙用顔料に配合され
る各種助剤を使用しても良い。また原紙は上質紙あるい
は中質紙で古紙を含んでいても良く、一般の印刷用塗被
紙に用いられる坪量30〜200g/m2 の原紙が用い
られる。
【0022】かくして調製された塗被組成物は、一般に
用いられているゲートロールコータやブレードあるいは
ロッドメタリングサイズプレスコータ等のフィルムトラ
ンスファー方式の塗被装置、ロールアプリケーションあ
るいはファウンテン方式のブレードコータが使用され下
塗り塗被される。
【0023】上塗り塗被装置には、ブレードコータ、エ
アナイフコータ、ロールコータ、サイズプレスコータ、
リバースロールコータ、バーコータ、カーテンコータ、
ダイロットコータ等が用いられるが、主に上記ブレード
コータが使用される。その際の下塗り塗被液濃度は、3
0〜65%の範囲で、上塗り塗被液濃度は50〜70%
の範囲で調製される。
【0024】なお、本発明の下塗り塗被層の塗被量は、
原紙の片面当たり固形分で2〜20g/m2 が好まし
く、より好ましくは2〜10g/m2 である。2g/m
2 より少ない量を塗被する場合、原紙への被覆性が充分
でないため、上塗り塗被液を塗被する時に顔料が原紙に
しみ込み、上塗り塗被層の表層に合成樹脂粒子を充分に
留めることができず、インキ落ち改善効果が小さくなる
傾向にある。20g/m2 より多い量を塗被する場合、
下塗り塗被量が多くなり、平滑度や印刷光沢が劣る傾向
にある。そして、原紙上への総塗被量は、片面当たり6
〜30g/m2 が好ましい。また、本発明では、上塗り
塗被量と下塗り塗被量のバランスをとるために、上塗り
塗被量/下塗り塗被量の比を0.5〜5.0に保つこと
が好ましく、より好ましくは1.0〜3.0である。
【0025】本発明においては、原紙に塗被液を下塗り
塗被し、下塗り塗被紙を製造する。この下塗り塗被層は
単層ではなく、多層になっても良い。そして、この下塗
り塗被層の上に塗被紙の表面層になる塗被液を上塗り塗
被・乾燥して塗被紙を製造して、カレンダー処理するこ
となくマットーマットタイプの艶消し塗被紙とするか、
あるいは軽度にカレンダー処理を行ってマットーダルタ
イプの艶消し塗被紙とする。
【0026】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を具体的に示す
が、これらによって本発明は何等制約を受けるものでは
ない。なお、例中の部および%はそれぞれ重量部および
重量%を示す。
【0027】〈品質評価方法〉 (1) 合成樹脂粒子平均粒子径:走査型電子顕微鏡(日本
電子JSM-5300)で径平均値を算出した。
【0028】(2) 炭酸カルシウム平均粒子径:セイシン
企業光透過式粒度分布測定装置SHC5000 を用いて、重量
累積分布の50%点を平均粒子径として測定した。
【0029】(3) 白紙光沢:JIS P-8142に従い角度
75度で測定した。
【0030】(4) 平滑度:王研式平滑度計により測定し
た。
【0031】(5) インキ落ち評価:RI−II型印刷機
(明製作所製)を用い、オフセット印刷用東洋インキ製
TKマークVニュー(墨)で印刷し、一昼夜放置後、東
洋精機製作所製サウザランド・ラブテスターを用い、印
刷した試験紙と白紙を接触させ従来の評価法で用いてい
た荷重1lb(454g)より重い2lb(908g)で、43回/分の速
度で20回往復摩擦を行い、印刷した紙から白紙に転移し
たインキ濃度を目視で相対評価した。
【0032】◎:インキ落ちほとんど発生しない、○:
インキ落ちわずかに発生する、△:インキ落ち発生多
い、×:インキ落ち発生が著しい [実施例1]平均粒子径が0.85μmである重質炭酸
カルシウム80部及びカオリン20部を含有する顔料1
00部に対して、ポリアクリル酸ソーダ系分散剤0.3
部を添加し、カウレス分散機を用いて水に分散し、接着
剤としてリン酸エステル化デンプン19部とカルボキシ
変性スチレン・ブタジエン共重合ラテックス3部を配合
し、固形分濃度35%の下塗り塗被液を調製した。
【0033】更に、平均粒子径が0.50μmである合
成樹脂粒子(スチレン−アクリル酸エステル共重合体)
20部、平均粒子径が0.65μmである重質炭酸カル
シウム50部及びカオリン30部を含有する顔料100
部に対して、ポリアクリル酸ソーダ系分散剤0.3部を
添加し、カウレス分散機を用いて水に分散し、接着剤と
してリン酸エステル化デンプン4部とカルボキシ変性ス
チレン・ブタジエン共重合ラテックス10部を配合し、
固形分濃度65%の上塗り塗被液を調製した。坪量75
g/m2 の広葉樹晒しクラフトパルプ単独配合原紙に、
下塗り塗被する塗被装置としてゲートロールコータを使
用し、片面当たり4g/m2 を両面に塗被し乾燥した
後、50℃でソフトカレンダ処理した。
【0034】更に上塗り塗被する塗被装置として、ファ
ウンテンタイプブレードコータを使用し、片面当たり1
0g/m2 を両面に塗被し乾燥してそのまま艶消し塗被
紙とした。
【0035】[実施例2]平均粒子径が0.65μmで
ある重質炭酸カルシウム95部及びカオリン5部を含有
する下塗り塗被液、及び平均粒子径が1.0μmである
合成樹脂粒子35部、平均粒子径が0.65μmである
重質炭酸カルシウム35部及びカオリン30部を含有す
る上塗り塗被液を使用した以外は実施例1と全く同様に
塗被紙を製造した。
【0036】[実施例3]平均粒子径が1.2μmであ
る合成樹脂粒子45部、平均粒子径が0.65μmであ
る重質炭酸カルシウム35部及びカオリン20部を含有
する上塗り塗被液を使用した以外は実施例1と全く同様
に塗被紙を製造した。
【0037】[比較例1]上塗り塗被顔料として平均粒
子径が0.50μmである合成樹脂粒子5部、平均粒子
径が0.65μmである重質炭酸カルシウム60部、カ
オリン35部を使用した以外は実施例1と全く同様に塗
被紙を製造した。
【0038】[比較例2]上塗り塗被顔料として平均粒
子径が0.50μmである合成樹脂粒子65部、重質炭
酸カルシウム35部を使用した以外は実施例1と全く同
様に塗被紙を製造した。
【0039】[比較例3]下塗り塗被顔料として平均粒
子径が0.85μmである重質炭酸カルシウム65部及
びカオリン35部を使用した以外は実施例1と全く同様
に塗被紙を製造した。
【0040】[比較例4]実施例1の原紙及び上塗り塗
被液を用いて、ファウンテンブレードコータを使用し
て、片面当たり14g/m2 を両面に塗被、乾燥してそ
のまま艶消し塗被紙とした。
【0041】[比較例5]実施例1で用いた上下の塗被
層と同じ組成となるように、平均粒子径が0.85μm
の重質炭酸カルシウム23部、0.65μmの重質炭酸
カルシウム36部、カオリン27部、平均粒子径0.5
μmの合成樹脂粒子14部にポリアクリル酸ソーダ系分
散剤0.3部を添加し、カウレス分散機を用いて水に分
散し、接着剤としてリン酸エステル化澱粉8部とカルボ
キシ変性スチレン・ブタジエン共重合体ラテックス8部
を配合し固形分濃度60%の塗被液を調製した。実施例
1で用いた原紙に調整した塗被液をファウンテンブレー
ドコータを使用して片面14g/m2 を両面塗被乾燥
し、粗面化ロールを用い120℃でカレンダー処理をし
て艶消し塗被紙とした。
【0042】実施例1〜3及び比較例1〜5の評価結果
を表1に示した。
【0043】
【表1】 表1から明らかなように、実施例1〜3は従来より強い
力で擦ったにも拘わらず、インキ落ち適性に優れ、白紙
光沢が低い良好な艶消し塗被紙であった。これに対し
て、比較例1はインキ落ちが改善されず、比較例2.3
は白紙光沢が高い。比較例4、5はインキ落ちが改善さ
れなかった。
【0044】
【発明の効果】本発明を用いることにより、艶消し塗被
紙として充分な低白紙光沢度を維持しつつ、製本工程等
で発生する印刷インキが白紙部に移転する問題を起こさ
ない優れた艶消し塗被紙を得ることができる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 原紙に顔料と接着剤を含有する塗被層を
    少なくとも二層有する艶消し塗被紙において、該二層が
    顔料成分として炭酸カルシウムを顔料中に70重量%以
    上含む下塗り塗被層と、顔料成分として合成樹脂粒子を
    顔料中に10〜50重量%含む上塗り塗被層であること
    を特徴とする艶消し塗被紙。
  2. 【請求項2】 合成樹脂粒子の平均粒子径が0.3〜
    1.5μmであることを特徴とする請求項1記載の艶消
    し塗被紙。
  3. 【請求項3】 前記炭酸カルシウムの平均粒子径が0.
    4〜1.0μmであることを特徴とする請求項1または
    2記載の艶消し塗被紙。
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