JP4120041B2 - 艶消し塗被紙 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、製本工程等で発生する印刷インキが対向する白紙部に転移する問題を改善した艶消し塗被紙に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
出版、印刷用塗被紙のユーザーニーズの多様化が進む中、艶がなくしっとり感があり、目に優しい、読みやすいといった特徴を有する艶消し塗被紙は、その特徴を生かし、カタログ、パンフレット、カレンダーや商業出版用本文用紙等に幅広く使用されている。艶消し塗被紙は、白紙光沢度を低く押さえるために、グロス調の塗被紙に比較して、粒子の粗い顔料を多く配合した塗被液を塗被し、そのまま製品化するかあるいは軽度のカレンダー処理を行って製品化する。これら艶消し塗被紙はオフセット印刷機を用いて枚葉で印刷されるケースが多く、(1) 印刷後の工程において、枚葉で積み重ねられた状態で上下の紙の印刷部と白紙部が接触し、こすれが生じた場合、(2) 出版物の製本工程での折り機や丁合機で上下の紙の印刷部と白紙部が接触した場合に、印刷インキが白紙部に転移し印刷物の品質を大きく損ねるトラブル(以後インキ落ちと称す)を抱えているのが現状である。
【0003】
一般に艶消し塗被紙を大別すると二つのタイプに分けられ、一つは白紙光沢、印刷光沢共に低いマット−マットタイプ、もう一つは白紙光沢は低いが比較的印刷光沢の高いマット−ダルタイプである。
【0004】
マット−マットタイプは塗被後カレンダー処理をせずそのまま製品化されるのが一般的であり、嵩高で手肉感に優れているものの、平滑度や印刷光沢は劣る。一方マット−ダルタイプは、印刷品質を向上するため、塗被後軽度のカレンダー処理等の表面処理を施すのが一般的であり、マット−マットタイプと比較して平滑度、印刷光沢に優れているものの、嵩が低下し、手肉感が失われる。従って、両者のタイプはユーザーの使途、目的、好みによって使い分けられている場合が多い。しかし、これら艶消し塗被紙のいずれにも共通して大きな問題となっているのが、インキ落ちの問題である。
【0005】
インキ落ちの主な原因としては、白紙光沢を低く抑えるために不定形で比較的粗い炭酸カルシウムを多く配合していることにより、上下の紙の印刷部と白紙部が接触した際に、白紙が印刷インキを掻き取ってしまうことが考えられる。艶消し塗被紙は比較的高級な印刷物に多く用いられていることから、艶消し塗被紙特有のインキ落ちの問題を抱えていると、高級印刷用途としての機能を果たさなくなるのが現状である。
【0006】
そこでこのような問題を改善する手段として、本発明者等はこれまで塗被液中にデラミネーテッドクレーを配合する方法(特開平5-5297号公報)、炭酸カルシウムを50〜80重量%、クレーを50〜20重量%配合した塗被液を塗被後、高温でソフトカレンダー処理する方法(特開平5-117995号公報)、平均粒子径が3μm以下の炭酸カルシウムを20重量%以上配合した塗被液を下塗り後、クレーを60重量%以上配合した塗被液を上塗り塗被する方法(特開平5-214699号公報)、平均粒子径が0.6 〜1.6 μmの重質炭酸カルシウムを70〜85重量%とカオリン15〜30重量%及び接着剤としてガラス転移温度が10℃以上であるラテックスを配合する方法(特開平7-212599号公報)等を見い出した。また、平均粒子径が0.5 〜1.5 μmの重質炭酸カルシウムを50〜95重量%とカオリンを5〜50重量%を含む塗被液を原紙に塗被した後、表面粗さ(Rmax. )が2〜8μmである粗面化ロールで処理する方法(特開平6-73697 号公報)を見い出した。
【0007】
しかしながら、これらの方法を用いても、印刷面と白紙面との接触において、製本工程の折り機や丁合機等でこすれが強く起こった場合にはインキ落ち等の問題が生じる場合があり、インキ落ちを更に改善した艶消し塗被紙が求められている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
以上のような状況に鑑み、本発明の課題は艶消し塗被紙として低白紙光沢度を維持しつつ、上記のごとき艶消し塗被紙固有の問題であるインキ落ちを大幅に改善した艶消し塗被紙を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は上記の課題について鋭意研究を重ねた結果、原紙に顔料と接着剤を含有する塗被層を少なくとも二層有する艶消し塗被紙において、該二層を顔料成分として炭酸カルシウムを顔料中に70重量%以上含む下塗り塗被層と、顔料成分として合成樹脂粒子を顔料中に10〜50重量%含む上塗り塗被層とすることによって、更に平均粒子径が0.3〜1.5μmの合成樹脂粒子を使用することによって、艶消し塗被紙の特徴を維持しつつインキ落ちを改善し得ることを見いだし本発明を成すに至った。
【0010】
以下発明の詳細を示す。
【0011】
本発明で用いる合成樹脂粒子は、プラスチックピグメントと称され、主としてポリスチレンあるいはその変性物である。プラスチックピグメントは、他の製紙用無機顔料と比較して著しく比重が低いという特徴を有しているため、嵩高な塗被層を形成することが特徴である。また、熱可塑性が高く、球状に近い形状を有するため、熱や圧力に感応して変形し易いため、白紙光沢の向上に大きな効果がある。従って、このような合成樹脂粒子は、一般に不透明度が低く、印刷品質の劣る軽量塗被紙の嵩高化、高不透明度化や白紙光沢の向上あるいは塗工板紙の白紙光沢向上を目的に、カレンダー処理して製造される強光沢塗被紙に使用され、逆に低い白紙光沢が要求される艶消し塗被紙の製造に使用されることは極めて希であった。
【0012】
合成樹脂粒子を艶消し塗被紙に使用する例として、本発明者等は特開平7-238493号公報において、顔料100重量部に対して平均粒子径0.3〜2.0μmの合成樹脂粒子を、10〜30重量部含有した塗被組成物を原紙に対して片面10〜20g/m2 塗被、乾燥し、JIS B-0601で規定される表面粗さRzが2〜8μmである粗面化ロールを用い100〜160℃でカレンダー処理し、白紙光沢度(JIS P-8142)を40%以下になるように仕上げることを提案した。しかし、この方法により嵩高、高平滑で、印刷光沢に優れる艶消し塗被紙を得ることはできたが、インキ落ちの問題は改善されなかった。
【0013】
また、本発明者等は前記のごとく、エッジの少ない板状の形状を有するカオリンやクレーを配合することでインキ落ちの改善を図ってきたが、配合量が増えるとともに白紙光沢が高くなり、マット−マットタイプの艶消し面が得られにくい問題があった。
【0014】
本発明においては、顔料成分として炭酸カルシウムを顔料中に70重量%以上含む下塗り塗被層上に、顔料成分として合成樹脂粒子を顔料中に10〜50重量%含む上塗り塗被層を設け、特に平均粒子径が0.3〜1.5μmの合成樹脂粒子を用いることによって、白紙光沢度が低く、かつインキ落ちの問題を大幅に改善した艶消し塗被紙を得ることができた。これは、不定形でエッジの多い形状の炭酸カルシウムは、印刷面のインキを掻き取り易いのに対し、エッジが少なく球形、梅干し状あるいはおにぎり状の形を有する合成樹脂粒子を単層塗被紙ではなく、多層塗被紙の上塗り顔料中に多く使用し、塗被紙のごく表層部に出来る限り多くの合成樹脂粒子を留めることによって、白紙が印刷面のインキを掻き取り難くなるためと考えられる。
【0015】
合成樹脂粒子の粒子径は併用する他の顔料の粒径や形状、下塗り塗被層の表面性状などを考慮して決定するが、本発明の場合、0.3〜1.5μmが好適な範囲であった。平均粒子径が0.3μmより小さい場合には、インキ落ちの改善が実質的に生じにくい。この理由は明確ではないが、合成樹脂粒子の粒子径が小さすぎて、併用する粒子径の大きな他の無機顔料間隙等に充填される結果、塗被層表層部に合成樹脂粒子が多く留まらないためと考えられる。また粒子径が1.5μmより大きい場合には、インキ落ちの改善効果がむしろ少なくなる上、平滑性が低下し高級印刷物に必要な印刷光沢が不十分となりやすい。また、上塗り顔料中の合成樹脂粒子の配合量が10%より少ない場合には、塗被層中の合成樹脂粒子の効果が出にくく、インキ落ちの改善が充分でない。配合量が50%より多い場合には、合成樹脂粒子が全体に緻密な塗被層を形成し白紙光沢が高くなりすぎ艶消し塗被紙としての特徴が損なわれる。
【0016】
本発明の艶消し塗被紙は白紙光沢度がJIS−P8142で規定する方法で75度の角度で測定したとき、40%以下好ましくは35%以下のものである。白紙光沢度が40%を超えるのものは例え平滑度が低いものであっても均一な艶消し感が得られない。また本発明においては、下塗り顔料成分として炭酸カルシウムを70重量%以上配合することが必要である。配合量が70%より少ない場合には、白紙光沢度が高くなりすぎて艶消し塗被紙でなくなってしまう。また、炭酸カルシウムの平均粒子径は0.4〜1.0μmが好ましい。平均粒子径が0.4μmより小さい場合、緻密な下塗り塗被層を形成するために白紙光沢が高くなり易い。また、平均粒子径が1.0μmより大きい場合には、上塗り塗被後においても塗被紙の平滑性が劣る傾向にある。炭酸カルシウムとしては不定形の重質炭酸カルシウムが本発明の目的にとって好適である。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明において上塗り塗被層に使用する合成樹脂粒子は、スチレン、メチルメタクリレート、あるいはスチレン−メチルメタクリレート等の重合体及び共重合体、あるいはこれらと共重合可能なモノマーであるα−メチルスチレン、β−メチルスチレン、クロロスチレン、ジメチルスチレン等のオレフィン系芳香族モノマー、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリロニトリル等のアクリル系モノマーの他に、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマール酸、イタコン酸等のオレフィン系不飽和カルボン酸モノマー、ヒドロキシエチル、メタクリル酸ヒドロキシエチル、メタクリル酸ヒドロキシプロピル等のオレフィン系不飽和ヒドロキシモノマー、アクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−メトキシメチルアクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド、N−メトキシメチルメタクリルアミド等のオレフィン系不飽和アミドモノマー、ジビニルベンゼン、ジビニルアルコール等の二量体ビニルモノマー、酢酸セルロース、三酢酸セルロース等のセルロース誘導体を少なくとも一種類、あるいは二種類以上を用いて合成されたものが使用される。
【0018】
また上記合成樹脂粒子と併用しうる上塗り塗被層用無機顔料は、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、カオリン、クレー、タルク、サチンホワイト、酸化チタン、シリカ等通常塗被紙用顔料として知られているものの中から選択して1種以上使用する。また、下塗り塗被液に炭酸カルシウムと併用しうる無機顔料は上記上塗り塗被液に使用しうる無機顔料と同様である。
【0019】
本発明に使用する塗被液に使用する接着剤は、ラテックスあるいはその他の水性接着剤から必要に応じ1種あるいは2種以上を選択して使用する。ラテックスとしては、スチレン・ブタジエン共重合体、メタクリレート・ブタジエン共重合体等の共役ジエン系共重合体ラテックス、アクリル酸エステルおよび/またはメタクリル酸エステルの重合体または共重合体等のビニル系重合体ラテックス、あるいはこれらを更にカルボキシル基等の官能基含有単量体で変性したものである。ラテックスの配合量としては、上塗り塗被液で顔料100部当たり5〜20部、下塗り塗被液で顔料100部当たり2〜20部が好ましい。
【0020】
また、ラテックス以外の水性接着剤としては、例えば、酵素変性デンプン、冷水可溶性デンプン、リン酸エステル化デンプン、エーテル化デンプンや酸化デンプン等のデンプン類、カゼイン、大豆蛋白、合成蛋白等の蛋白質類、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、オレフィン・無水マレイン酸樹脂、メラミン樹脂等の合成樹脂系接着剤、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース等のセルロース誘導体等の通常の塗工用接着剤である。配合量としては、上塗り塗被液で顔料100部当たり3〜10部、下塗り塗被液で顔料100部当たり5〜30部が好ましい。
【0021】
本発明の塗被液には分散剤、増粘剤、保水剤、消泡剤、耐水化剤等通常の塗被紙用顔料に配合される各種助剤を使用しても良い。また原紙は上質紙あるいは中質紙で古紙を含んでいても良く、一般の印刷用塗被紙に用いられる坪量30〜200g/m2 の原紙が用いられる。
【0022】
かくして調製された塗被組成物は、一般に用いられているゲートロールコータやブレードあるいはロッドメタリングサイズプレスコータ等のフィルムトランスファー方式の塗被装置、ロールアプリケーションあるいはファウンテン方式のブレードコータが使用され下塗り塗被される。
【0023】
上塗り塗被装置には、ブレードコータ、エアナイフコータ、ロールコータ、サイズプレスコータ、リバースロールコータ、バーコータ、カーテンコータ、ダイロットコータ等が用いられるが、主に上記ブレードコータが使用される。その際の下塗り塗被液濃度は、30〜65%の範囲で、上塗り塗被液濃度は50〜70%の範囲で調製される。
【0024】
なお、本発明の下塗り塗被層の塗被量は、原紙の片面当たり固形分で2〜20g/m2 が好ましく、より好ましくは2〜10g/m2 である。2g/m2 より少ない量を塗被する場合、原紙への被覆性が充分でないため、上塗り塗被液を塗被する時に顔料が原紙にしみ込み、上塗り塗被層の表層に合成樹脂粒子を充分に留めることができず、インキ落ち改善効果が小さくなる傾向にある。20g/m2 より多い量を塗被する場合、下塗り塗被量が多くなり、平滑度や印刷光沢が劣る傾向にある。そして、原紙上への総塗被量は、片面当たり6〜30g/m2 が好ましい。また、本発明では、上塗り塗被量と下塗り塗被量のバランスをとるために、上塗り塗被量/下塗り塗被量の比を0.5〜5.0に保つことが好ましく、より好ましくは1.0〜3.0である。
【0025】
本発明においては、原紙に塗被液を下塗り塗被し、下塗り塗被紙を製造する。この下塗り塗被層は単層ではなく、多層になっても良い。そして、この下塗り塗被層の上に塗被紙の表面層になる塗被液を上塗り塗被・乾燥して塗被紙を製造して、カレンダー処理することなくマットーマットタイプの艶消し塗被紙とするか、あるいは軽度にカレンダー処理を行ってマットーダルタイプの艶消し塗被紙とする。
【0026】
【実施例】
以下に実施例を挙げて本発明を具体的に示すが、これらによって本発明は何等制約を受けるものではない。なお、例中の部および%はそれぞれ重量部および重量%を示す。
【0027】
〈品質評価方法〉
(1) 合成樹脂粒子平均粒子径:走査型電子顕微鏡(日本電子JSM-5300)で径平均値を算出した。
【0028】
(2) 炭酸カルシウム平均粒子径:セイシン企業光透過式粒度分布測定装置SHC5000 を用いて、重量累積分布の50%点を平均粒子径として測定した。
【0029】
(3) 白紙光沢:JIS P-8142に従い角度75度で測定した。
【0030】
(4) 平滑度:王研式平滑度計により測定した。
【0031】
(5) インキ落ち評価:
RI−II型印刷機(明製作所製)を用い、オフセット印刷用東洋インキ製TKマークVニュー(墨)で印刷し、一昼夜放置後、東洋精機製作所製サウザランド・ラブテスターを用い、印刷した試験紙と白紙を接触させ従来の評価法で用いていた荷重1lb(454g)より重い2lb(908g)で、43回/分の速度で20回往復摩擦を行い、印刷した紙から白紙に転移したインキ濃度を目視で相対評価した。
【0032】
◎:インキ落ちほとんど発生しない、○:インキ落ちわずかに発生する、△:インキ落ち発生多い、×:インキ落ち発生が著しい
[実施例1]
平均粒子径が0.85μmである重質炭酸カルシウム80部及びカオリン20部を含有する顔料100部に対して、ポリアクリル酸ソーダ系分散剤0.3部を添加し、カウレス分散機を用いて水に分散し、接着剤としてリン酸エステル化デンプン19部とカルボキシ変性スチレン・ブタジエン共重合ラテックス3部を配合し、固形分濃度35%の下塗り塗被液を調製した。
【0033】
更に、平均粒子径が0.50μmである合成樹脂粒子(スチレン−アクリル酸エステル共重合体)20部、平均粒子径が0.65μmである重質炭酸カルシウム50部及びカオリン30部を含有する顔料100部に対して、ポリアクリル酸ソーダ系分散剤0.3部を添加し、カウレス分散機を用いて水に分散し、接着剤としてリン酸エステル化デンプン4部とカルボキシ変性スチレン・ブタジエン共重合ラテックス10部を配合し、固形分濃度65%の上塗り塗被液を調製した。坪量75g/m2 の広葉樹晒しクラフトパルプ単独配合原紙に、下塗り塗被する塗被装置としてゲートロールコータを使用し、片面当たり4g/m2 を両面に塗被し乾燥した後、50℃でソフトカレンダ処理した。
【0034】
更に上塗り塗被する塗被装置として、ファウンテンタイプブレードコータを使用し、片面当たり10g/m2 を両面に塗被し乾燥してそのまま艶消し塗被紙とした。
【0035】
[実施例2]
平均粒子径が0.65μmである重質炭酸カルシウム95部及びカオリン5部を含有する下塗り塗被液、及び平均粒子径が1.0μmである合成樹脂粒子35部、平均粒子径が0.65μmである重質炭酸カルシウム35部及びカオリン30部を含有する上塗り塗被液を使用した以外は実施例1と全く同様に塗被紙を製造した。
【0036】
[実施例3]
平均粒子径が1.2μmである合成樹脂粒子45部、平均粒子径が0.65μmである重質炭酸カルシウム35部及びカオリン20部を含有する上塗り塗被液を使用した以外は実施例1と全く同様に塗被紙を製造した。
【0037】
[比較例1]
上塗り塗被顔料として平均粒子径が0.50μmである合成樹脂粒子5部、平均粒子径が0.65μmである重質炭酸カルシウム60部、カオリン35部を使用した以外は実施例1と全く同様に塗被紙を製造した。
【0038】
[比較例2]
上塗り塗被顔料として平均粒子径が0.50μmである合成樹脂粒子65部、重質炭酸カルシウム35部を使用した以外は実施例1と全く同様に塗被紙を製造した。
【0039】
[比較例3]
下塗り塗被顔料として平均粒子径が0.85μmである重質炭酸カルシウム65部及びカオリン35部を使用した以外は実施例1と全く同様に塗被紙を製造した。
【0040】
[比較例4]
実施例1の原紙及び上塗り塗被液を用いて、ファウンテンブレードコータを使用して、片面当たり14g/m2 を両面に塗被、乾燥してそのまま艶消し塗被紙とした。
【0041】
[比較例5]
実施例1で用いた上下の塗被層と同じ組成となるように、平均粒子径が0.85μm の重質炭酸カルシウム23部、0.65μmの重質炭酸カルシウム36部、カオリン27部、平均粒子径0.5μmの合成樹脂粒子14部にポリアクリル酸ソーダ系分散剤0.3部を添加し、カウレス分散機を用いて水に分散し、接着剤としてリン酸エステル化澱粉8部とカルボキシ変性スチレン・ブタジエン共重合体ラテックス8部を配合し固形分濃度60%の塗被液を調製した。実施例1で用いた原紙に調整した塗被液をファウンテンブレードコータを使用して片面14g/m2 を両面塗被乾燥し、粗面化ロールを用い120℃でカレンダー処理をして艶消し塗被紙とした。
【0042】
実施例1〜3及び比較例1〜5の評価結果を表1に示した。
【0043】
【表1】
表1から明らかなように、実施例1〜3は従来より強い力で擦ったにも拘わらず、インキ落ち適性に優れ、白紙光沢が低い良好な艶消し塗被紙であった。これに対して、比較例1はインキ落ちが改善されず、比較例2.3は白紙光沢が高い。比較例4、5はインキ落ちが改善されなかった。
【0044】
【発明の効果】
本発明を用いることにより、艶消し塗被紙として充分な低白紙光沢度を維持しつつ、製本工程等で発生する印刷インキが白紙部に移転する問題を起こさない優れた艶消し塗被紙を得ることができる。
Claims (2)
- 原紙に顔料と接着剤を含有する塗被層を少なくとも二層有する艶消し塗被紙において、該二層が顔料成分として炭酸カルシウムを顔料中に70重量%以上含む下塗り塗被層と、顔料成分として平均粒子径が0.3〜1.5μmである合成樹脂粒子を顔料中に10〜50重量%含む上塗り塗被層であることを特徴とする艶消し塗被紙。
- 前記炭酸カルシウムの平均粒子径が0.4〜1.0μmであることを特徴とする請求項1記載の艶消し塗被紙。
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