JPH11255365A - 画像読取装置及びこれを備えた画像形成装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 原稿の排紙積載整列性を向上させると共に、
画像読取手段の誤動作を防ぐことのできる画像読取装置
及びこれを備えた画像形成装置を提供する。 【解決手段】 排出口又はその内側に設けられたブラシ
１２により、画像読取手段により読み取った後、排出口
から排紙される原稿に蓄積された静電気を除電する一
方、ブラシ１２に蓄積された静電気の放電を、少なくと
も画像読取手段のアース経路（アース線１７）から独立
したアース経路（アース線１８）により行うようにす
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、原稿を搬送しなが
ら画像を読み込む画像読取装置に関し、特に原稿に蓄積
された静電気を除電するブラシを備えたものに関する。

【０００２】

【従搬の技術】従来、搬送された原稿を画像読取手段に
より読み取った後、排出口から排紙するようにした画像
読取装置において、排出口又はその内側に原稿に蓄積さ
れた静電気を除電するブラシを設けたものがある。

【０００３】図７は、このような画像読取装置の構成を
示す断面図であり、同図において、１は画像読取装置、
１ａはこの画像読取装置１の下部を形成する下部筐体で
ある。そして、この下部筐体１ａには給紙ローラ２、搬
送ローラ３及び排紙ローラ４が取り付けられている。

【０００４】さらに、この搬送ローラ３と排紙ローラ４
との間には、少なくとも画像読取装置１により読み取ら
れる原稿Ｐの幅方向の長さ、即ち矢印Ａで示す原稿Ｐの
搬送方向と直交する方向の長さを有する画像読取手段で
ある画像読取センサー５が取り付け用板金６を介して固
定されている。

【０００５】また、下部筐体１ａの上方には下部筐体１
ａとの間に原稿Ｐの搬送路Ｒを形成する上部筺体１ｂが
対向配置されており、この上部筺体１ｂには給紙ローラ
２と当接して原稿Ｐを１枚づつ分離する分離パッド８、
搬送ローラ３及び排紙ローラ４と不図示の弾性部材（バ
ネ）を介して圧接する従動ローラ９，１０が取り付けら
れている。さらに、この上部筺体１ｂにはバネ１１ａに
より画像読取センサー５に押圧される白色板金１１が取
り付けられている。

【０００６】一方、同図において、１３は給紙ローラ２
の上流側に位置する給紙口、１６は排紙ローラ４の下流
側に設けられた排紙口、１４は排紙口１６に設けられた
排紙積載部である。ところで、この排紙口１６又はその
内側の上端部には、除電ブラシ１２が固定されており、
この除電ブラシ１２に原稿Ｐが排紙口１６から排紙され
る直前に接触することにより、原稿Ｐに蓄積された静電
気が除電されるようになっている。

【０００７】そして、このように構成された画像読取装
置１において、原稿画像を読取る際は、まず給紙口１３
に積載された原稿Ｐを給紙ローラ２と分離パッド８およ
び原稿間の摩擦力にて１枚ずつ分離した後、下部筐体１
ａと上部筺体１ｂとで形成された搬送路Ｒに進入させ
る。次に、この原稿Ｐを搬送ローラ３によって所定の速
度で画像読取センサー５に搬送する。ここで、原稿Ｐは
白色板金１１によって画像読取センサー５に密着され、
この状態で画像読取センサー５により画像が読み取られ
る。

【０００８】この後、原稿Ｐは排紙ローラ４により排紙
口１６から排紙され、排紙積載部１４に積載される。な
お、排紙時、原稿Ｐは除電ブラシ１２に接触することで
蓄積された静電気が除電されるため、排紙積載部１６に
整然と積載される。また、この際に除電ブラシ１２側に
蓄積された静電気は除電ブラシ表面より空気中に自然放
電されるか、あるいは上部筺体１ｂの他の部品との共通
アース線（不図示）を介して放電されるようになってい
る。

【０００９】

【発明が解決しようとする課題】ところが、このような
従来の画像読取装置において、除電ブラシ１２を接地せ
ず、静電気を空気中に自然放電するように構成した場合
には、除電ブラシ１２からの放電が完全には行われない
場合がある。そして、このように除電ブラシ１２からの
放電が完全には行われない場合には、除電ブラシ１２に
よる原稿Ｐの除電が完全に行われず、排紙積載整列性が
悪くなるという問題点があった。

【００１０】また、静電気を共通アース線を介して放電
するように構成した場合には、静電気放電の際、同じ共
通アース線を用いている画像読取センサーのグランド電
位が変動して画像読取センサーが誤動作を起こすという
問題点があった。

【００１１】そこで、本発明は、このような従来の問題
点を解決するためになされたものであり、原稿の排紙積
載整列性を向上させると共に、画像読取センサー（画像
読取手段）の誤動作を防ぐことのできる画像読取装置及
びこれを備えた画像形成装置を提供することを目的とす
るものである。

【００１２】

【課題を解決するための手段】本発明は、搬送された原
稿を画像読取手段により読み取った後、排出口から排紙
すると共に、前記排出口又はその内側に前記原稿に蓄積
された静電気を除電するブラシを設けた画像読取装置に
おいて、前記ブラシは少なくとも前記画像読取手段のア
ース経路から独立したアース経路を備えていることを特
徴とするものである。

【００１３】また本発明は、前記ブラシのアース経路
を、前記画像読取手段のアース経路を形成するアース線
とは別のアース線にて形成したことを特徴とするもので
ある。

【００１４】また本発明は、前記ブラシは、導電性を有
する多数の線材と前記線材が植設された導電性の基部と
を有して成ると共に、前記ブラシのアース経路を前記基
部、又は前記基部及び該基部に接触する導電性部材によ
り形成したことを特徴とするものである。

【００１５】また本発明は、前記ブラシのアース経路
を、前記画像読取手段よりも搬送方向下流側にある導電
性を有する構造部品もしくは機構部品のアース経路とし
たことを特徴とするものである。

【００１６】また本発明は、画像形成部と、画像読取装
置とを備えた画像形成装置において、前記画像読取装置
は、前記請求項１乃至４のいずれかに記載の画像読取装
置であることを特徴とするものである。

【００１７】また本発明のように、排出口又はその内側
に設けられたブラシにより、画像読取手段により読み取
った後、排出口から排紙される原稿に蓄積された静電気
を除電する一方、ブラシに蓄積された静電気の放電を、
少なくとも画像読取手段のアース経路から独立したアー
ス経路により行うようにする。

【００１８】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を用いて説明する。

【００１９】図１は、本発明の第１の実施の形態に係る
画像読取装置を備えた画像形成装置の一例であるＭＦＰ
（Multi Function Printer）の構成を示す断面図であ
り、同図において、４０はＭＦＰ、４０ＡはＭＦＰ４０
のプリンタ部である。

【００２０】ここで、このプリンタ部４０Ａは、画像形
成されるシートＳを積載した給紙トレー４１、給紙ロー
ラ４２、ＭＦＰ４０に着脱可能に取り付けられると共
に、画像担持体としての電子写真感光体ドラム４３ａ、
現像ローラ４３ｂ、帯電ローラ４３ｃ及び不図示のクリ
ーニングブレードを備えたプロセスカートリッジ４３、
転写ローラ４３ｄ、例えば、画像読取装置１により読み
取られた情報に応じてレーザ光を走査して電子写真感光
体ドラム４３ａに潜像を形成する光偏向走査装置４４、
電子写真感光体ドラム４３ａに形成されたトナー像をシ
ートＳに定着させる定着装置４５等を備えている。

【００２１】そして、このようなＭＦＰ４０のプリンタ
部４０Ａにおいてプリント動作を行う場合は、まず給紙
トレー４１に積載されたシートＳを給紙ローラ４２によ
りピックアップした後、プロセスカートリッジ４３へ搬
送する。一方、このとき、プロセスカートリッジ４３で
は電子写真法により光偏向走査装置４４からの情報に応
じたトナー像が電子写真感光体ドラム４３ａに形成され
る。

【００２２】次に、電子写真感光体ドラム４３ａに形成
されたトナー像を転写ローラ４３ｄによってシートＳに
転写し、この後、このトナー画像が転写されたシートＳ
を、熱によってトナーを溶融させて定着させる定着装置
４５へ搬送する。そして、最後に、定着装置４５を通過
したシートＳを、ＭＦＰ４０の上面に形成された排紙口
４６から排紙トレー４７に排出する。

【００２３】なお、同図に示す矢印Ａ，Ｂはプリンタ部
４０Ａと画像読取装置１におけるシートＳと原稿Ｐの搬
送方向を示している。また、このＭＦＰ４０は、プリン
タ部４０Ａと画像読取部１とをそれぞれ単独に使うこと
も、同時に使用して複写機として使うことも可能であ
る。

【００２４】一方、図２は図１のＣ−Ｃ断面の一部破断
面を示す図である。なお、同図において、図７と同一符
号は同一又は相当部分を示しており、説明は省略する。

【００２５】同図において、１７は画像読取センサー５
の取り付け用板金６に接続されたアース線であり、１８
は除電ブラシ１２に接続されたアース線であり、このア
ース線１８により画像読取センサー５のアース経路から
分離した除電ブラシ１２のアース経路が形成されるよう
になっている。

【００２６】ここで、これらアース線１７，１８は、例
えば図３に示すように電気容量の大きいプリンタ部４０
Ａのフレーム１９に接続されており、これによりブラシ
１２側に蓄積された静電気をアース線１８を介してプリ
ンタ部４０Ａのフレームグランドに落とすことができ
る。そして、このように除電ブラシ１２の静電気を電気
容量の大きいプリンタ部４０Ａのフレーム１９に落とす
ことにより、除電ブラシ１２の放電を確実に行うことが
でき、排紙原稿の排紙整列性を安定させることができ
る。

【００２７】また、除電ブラシ１２のアース線１８を画
像読取センサー５のアース線１７とは別にすることによ
り、除電ブラシ１２の放電による画像読取センサー５の
グランド電圧の変動を無くすことができ、画像読取セン
サー５の誤動作を防ぐことができる。

【００２８】ところで、これまでの説明においては、画
像読取センサー５と除電ブラシ１２のアース線１７，１
８をプリンタ部４Ａの同じ側のフレーム１９に接続して
いるが、このフレーム１９と他方のフレーム１９ａとに
別々にアース線１７，１８を接続するようにすれば、よ
り画像読取センサー５ヘの影響を抑えることができ、画
像読取センサー５のより安定した読取動作を確保するこ
とができる。

【００２９】また、除電ブラシ１２のアース線１８を画
像読取センサー５のアース線１７のみならず、例えば原
稿搬送を行う給紙ローラ２、搬送ローラ３及び排紙ロー
ラ４を回転させるモータ（不図示）のアース線と別にす
るようにすれば除電ブラシ１２の放電によるモータの回
転ムラを抑えることもできる。

【００３０】なお、除電ブラシ１２のアース線１８をフ
レーム１９ではなく、直接電源（不図示）のアース部に
接続しても同様な効果を得ることができる。

【００３１】次に、本発明の第２の実施の形態について
説明する。

【００３２】図４は本実施の形態に係る画像読取装置の
除電ブラシとプリンタ部のフレームとの電気的結合を示
す概略図である。

【００３３】同図において、１２Ａはプリンタ部４０Ａ
に取り付けられている画像読取装置１の除電ブラシであ
り、この除電ブラシ１２Ａは、導電性を有する多数の線
材１２ａと、線材１２ａを植設した金属性の基部１２ｂ
とにより成っている。

【００３４】一方、同図において、２２は除電ブラシ１
２Ａの基部１２ｂと当接して除電ブラシ１２Ａを弾性的
に保持する導電性の弾性部材であり、除電ブラシ１２Ａ
は、この弾性部材２２を介してプリンタ部４０Ａのフレ
ーム１９ａと電気的に結合され、接地される構成となっ
ている。

【００３５】そして、このように除電ブラシ１２Ａを、
アース線を用いず弾性部材２２を介してプリンタ部４０
Ａのフレーム１９ａに接地した場合でも、既述した第１
の実施の形態と同様、確実に除電ブラシ１２Ａの放電を
行うことができると共に画像センサー等の誤動作を防ぐ
ことができる。

【００３６】なお、本実施の形態はこれに限らず、例え
ば除電ブラシ１２Ａの基部１２ｂのフレーム１９ａとの
接合側端部にバネ部を一体形成することにより、交換可
能な除電ブラシ１２Ａであっても別部材である弾性部材
２２を用いることなく放電を行うことができる。

【００３７】次に、本発明の第３の実施の形態について
説明する。

【００３８】図５は本実施の形態に係る画像読取装置を
備えたＭＦＰの構成を示す断面図である。なお、同図に
おいて、図１と同一符号は同一又は相当部分を示してお
り、説明は省略する。

【００３９】同図において、２３は導電性材料にて形成
された排紙積載部、２４は除電ブラシ１２と排紙積載部
２３との共通アース線であり、この共通アース線２４は
プリンタ部４０Ａのフレーム２５に接続されている。

【００４０】ここで、この排紙積載部２３は、除電ブラ
シ１２よりも下流側にあるため、除電ブラシ１２の静電
気を共通アース線２４を介してフレーム２５に放電した
場合でも、この放電が画像読取センサー５に影響を及ぼ
すことはない。なお、この排紙積載部２３は、電気部品
ではないので放電による影響はない。

【００４１】したがって、このように除電ブラシ１２の
放電を、排紙積載部２３との共通アース線２４により行
っても、既述した第１及び第２の実施の形態と同様な効
果を得ることができる。

【００４２】なお、図６は本実施の形態の他の実施例を
示す図であり、本実施例において、除電ブラシ１２は共
通アース線２４ではなく、同図に示すように排紙積載部
２３の原稿通過領域外の、例えば排紙積載部２３の固定
側端部の一側端２６ａと接触している。そして、このよ
うに除電ブラシ１２と排紙積載部２３とを直接接触させ
ることにより、除電ブラシ１２の静電気は排紙積載部２
６から排紙積載部２６のアース線（不図示）を介して放
電される。

【００４３】

【発明の効果】以上説明したように本発明のように、ブ
ラシを接地させてブラシの放電を確実に行うことによ
り、原稿の排紙積載整列性を向上させることができる。
また、このブラシの放電を少なくとも画像読取手段のア
ース経路から独立したアース経路により行うことによ
り、ブラシの放電による画像読取手段のグランド電位の
変動を抑えることができ、画像読取手段の誤動作を防ぐ
ことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第１の実施の形態に係る画像読取装置
を備えた画像形成装置の一例であるＭＦＰ（Multi Func
tion Printer）の構成を示す断面図。

【図２】図１のＣ−Ｃ断面の一部破断面を示す図。

【図３】上記ＭＦＰのプリンタ部のフレームに上記画像
読取装置のアース線が接続されている状態を示す図。

【図４】本発明の第２の実施の形態に係る画像読取装置
の除電ブラシとプリンタ部のフレームとの電気的結合を
示す概略図。

【図５】本発明の第３の実施の形態に係る画像読取装置
を備えたＭＦＰの構成を示す断面図。

【図６】上記実施の形態に係る画像読取装置の他の実施
例を示す図。

【図７】従来の画像読取装置の構成を示す断面図。

【符号の説明】

１ 画像読取装置 １ａ，１ｂ 筐体 ２ 給紙ローラ ３ 搬送ローラ ４ 排紙ローラ ５ 画像読取センサー １２，１２Ａ 除電ブラシ １４，２３ 排紙積載部 １７，１８ アース線 ２４ 共用アース線 １９，１９ａ，２５ プリンタ部のフレーム ２２ 導電性の弾性部材 ４０ ＭＦＰ ４０Ａ プリンタ部

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 的場 健 東京都大田区下丸子３丁目30番２号 キヤ ノン株式会社内

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 搬送された原稿を画像読取手段により読
   み取った後、排出口から排紙すると共に、前記排出口又
   はその内側に前記原稿に蓄積された静電気を除電するブ
   ラシを設けた画像読取装置において、 前記ブラシは少なくとも前記画像読取手段のアース経路
   から独立したアース経路を備えていることを特徴とする
   画像読取装置。
2. 【請求項２】 前記ブラシのアース経路を、前記画像読
   取手段のアース経路を形成するアース線とは別のアース
   線にて形成したことを特徴とする請求項１記載の画像読
   取装置。
3. 【請求項３】 前記ブラシは、導電性を有する多数の線
   材と前記線材が植設された導電性の基部とを有して成る
   と共に、前記ブラシのアース経路を前記基部、又は前記
   基部及び該基部に接触する導電性部材により形成したこ
   とを特徴とする請求項１記載の画像読取装置。
4. 【請求項４】 前記ブラシのアース経路を、前記画像読
   取手段よりも搬送方向下流側にある導電性を有する構造
   部品もしくは機構部品のアース経路としたことを特徴と
   する請求項１記載の画像読取装置。
5. 【請求項５】 画像形成部と、画像読取装置とを備えた
   画像形成装置において、 前記画像読取装置は、前記請求項１乃至４のいずれかに
   記載の画像読取装置であることを特徴とする画像形成装
   置。