JPH11254797A - インクリボン用基布およびその製造方法 - Google Patents

インクリボン用基布およびその製造方法

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JPH11254797A
JPH11254797A JP10065233A JP6523398A JPH11254797A JP H11254797 A JPH11254797 A JP H11254797A JP 10065233 A JP10065233 A JP 10065233A JP 6523398 A JP6523398 A JP 6523398A JP H11254797 A JPH11254797 A JP H11254797A
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JP
Japan
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base fabric
ink ribbon
warp
fabric
young
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JP10065233A
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English (en)
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Kenji Hama
健二 浜
Toshiji Moriwaki
淑次 森脇
Masao Seki
昌夫 関
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、打字収縮による基布のワカメ状の変
形が起こり難くカセット内の走行耐久性に優れたインク
リボン用基布およびその製造方法を提供せんとするもの
である。 【解決手段】本発明のインクリボン用基布は、ポリアミ
ドマルチフィラメントからなるインクリボン用基布であ
って、該基布の経糸方向の伸度20%時のヤング率が1
2〜24g/dの範囲にあり、かつ、破断伸度が45%
以下であることを徴とするものであり、また、かかるイ
ンクリボン用基布の製造方法は、ポリアミドマルチフィ
ラメントからなる織物を精練、乾燥、ヒートセットする
インクリボン用基布の製造方法において、精練の際に、
経糸方向に緊張しながら精練することを特徴とするもの
である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インパクトタイプ
のプリンターに使用されるインクリボンの打字収縮によ
るリボンのワカメ状変形がおこり難くく、カセット内の
走行耐久性に優れたインクリボン用基布に関する。
【0002】
【従来の技術】インクリボンはタイプライターやレジス
ター等、主として機械的なインパクト、即ちドットワイ
ヤーピン、金属活字板等の衝撃をインクリボンに与えイ
ンクリボンに含有するインクをプリント用紙に転写して
文字等を形成させるものである。その基布として用いら
れる素材は機械的抵抗力の大きいポリアミド等の合成繊
維が一般的に用いられるている。一方、近年プリンター
には高速化や高インパクト化が要望されてきている。し
かし、プリンターの高速化や高インパクト化はインクリ
ボンに与える機械的衝撃を大きくし、長期間の使用に耐
えるものではなくなってきているため、印字耐久性の長
いインクリボンが切望されている。最近、インパクトタ
イプのプリンターに使用されるインクリボンは、カセッ
トに長いテープ状のインクリボンを収納し、インクリボ
ンの両端を超音波ウエルダーによって融着(溶着)し、
エンドレス状にしたカセットタイプと、カセットに収納
せず巻取り式のスプールタイプの物がある。
【0003】通常、インクリボンはプリンターのヘッド
ピンによって繰り返しの衝撃を受け、基布の打字部分の
単繊維が偏平化しながら徐々に基布の破壊が進行して最
終的に単繊維が切断されてインクリボンの寿命となる。
また、この単繊維の偏平化に伴って打字部分の繊維が収
縮し、打字部分と非打字部分とに間に長さの差を生じる
ため基布が引きつり、ワカメ状に変形する打字収縮とい
われる現象が発生する問題がある。この現象は、インク
リボンが損傷を受け収縮し、ワカメ状の凹凸が発生する
ためカセットタイプではカセット内走行性が著しく悪く
なり、インクリボンの走行不良、ドットピンの折損等の
致命的なトラブルが起こりやすくなる。また、巻取り式
のスプールタイプにおいてはリボンの蛇行による巻取不
良による印字トラブルの発生につなるため、インクリボ
ンの打字収縮に対する改善要求が強くなってきている
が、問題を解決するに至っていないのが現状である。
【0004】インクリボンの打字による収縮、およびカ
セット走行耐久性を改善する手段として特開昭60−1
61184号公報では、インクリボン用繊維の単糸デニ
ール、破断強力が提案されている。また、特開昭62−
928881号公報ではインクリボン用繊維を構成する
重合体の粘度の範囲を特定している、また、特開平6−
64288号公報ではインクリボン用繊維の破断エネル
ギー、降伏点強度、降伏点以降伸度等、繊維の応力歪み
挙動を特定の範囲とした発明が開示されている。上記の
ごとく種々の発明が開示されているが、主としてインク
リボン用基布の製造における原糸の特性を特定の範囲と
したものであり、基布そのものに着目して改善した発明
は開示されていないのが実情である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】インクリボン用繊維の
物性を改善することは確かに打字による収縮、および寸
法変化に対して効果はあるが、原糸は製織、精練、仕上
げセット、スリット工程など数多くの工程を通過するた
め、各々の過程で原糸の物性低下し、変化するため原糸
製造段階で付与した特性が100%生かされず目的とす
る効果が充分発揮できない問題があった。
【0006】本発明は、かかる従来技術の背景に鑑み、
打字収縮による基布のワカメ状の変形が起こり難くカセ
ット内の走行耐久性に優れたインクリボン用基布および
その製造方法を提供せんとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、かかる課題を
解決するために、次のような手段を採用する。すなわ
ち、本発明のインクリボン用基布は、ポリアミドマルチ
フィラメントからなるインクリボン用基布であって、該
基布の経糸方向の伸度20%時のヤング率が12〜24
g/dの範囲にあり、かつ、破断伸度が45%以下であ
ることを徴とするものであり、また、かかるインクリボ
ン用基布の製造方法は、ポリアミドマルチフィラメント
からなる織物を精練、乾燥、ヒートセットするインクリ
ボン用基布の製造方法において、精練の際に、経糸方向
に緊張しながら精練することを特徴とするものである。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明は、前記の課題、つまり、
インクリボンの走行耐久性を達成する目的でインクリボ
ンの打字による繊維の破壊過程において基布の物性と収
縮によるワカメ状の変形の関係について鋭意検討した結
果、基布の経糸方向のヤング率を特定の範囲とし、基布
を伸び難くくしたところ意外にも、かかる課題を一挙に
解決することを究明したものである。
【0009】すなわち、本発明のインクリボン用基布
は、基布の物性、つまり、経糸方向のヤング率とインク
リボンの打字による収縮と、ワカメ状の変形が、カセッ
ト内走耐久性と密接な関係にあることを見出だして究明
されたものである。通常、インクリボンは、カセット内
の走行用ロール、および押さえバネによって張力を受け
ながら走行し、かつ、ドットピンによって繰り返しの機
械的衝撃を受けて印字を行うものである。従って、打字
部分の繊維は偏平化し、収縮するため、非打字部分と織
物構造に差を生じることになる。その結果、ワカメ状の
変形が起こる。また、打字部分はカセット内の走行用ロ
ール、および押さえバネの張力の影響を受けインクリボ
ンが伸ばされて蛇行してカセット内走行性が著しく不安
定になるためインクリボンの巻取不良等のトラブルの発
生にもつながる。つまり、カセット内走行耐久性を改善
するには、インクリボンの打字による収縮と伸びを同時
に改善することが必要である。
【0010】かかる基布のヤング率(初期引張り抵抗
度)は、基布の引張り強伸度(SS曲線)から求めるこ
とができるが、本発明では、伸度20%時のヤング率を
特定して求めたものであり、すなわち、そのときのヤン
グ率が、12〜24g/d、好ましくは14〜20の範
囲を用いることによって大きな効果を発揮するものであ
る。ヤング率が12g/d未満では基布の伸びが大きい
ため印字によるリボンの打字収縮が起こり易く、ワカメ
状の変形によるカセット走行性が悪くなり好ましくな
い。またヤング率が24g/dを越えた時は、基布の風
合が硬くなり、経糸方向の曲げ腰が強くなってしまい、
リボンのカセット充填性が低下するため好ましくない。
また、上述の基布のヤング率は、カセット内でのリボン
の進行方向である経糸方向を大きくすることが効果的で
ある。すなわち、カセット内では常に経糸方向へ基布が
引張られるが、緯糸方向は張力の影響を受けることが少
ないが、基布の風合が硬くなり過ぎないためには、緯糸
方向に対する経糸方向のヤング率の比率は、1:1.5
〜2.2、好ましくは1:1.3〜2.0の範囲が本発
明の効果を達成する上でよい。
【0011】また、基布の経糸方向の破断伸度は、45
%以下、好ましくは40%以下が目的のヤング率を得る
ためによい。破断伸度が45%を越えては、基布の伸び
が大きいため、基布のヤング率が小さくなってしまい本
発明の効果を得ることができない。
【0012】一方、本発明では、基布を構成するポリア
ミドマルチフィラメントの硫酸相対粘度を2.8〜3.
8、好ましくは、3.0〜3.2の範囲を用いる。すな
わち、硫酸相対粘が2.8以下ではポリアミドマルチフ
ィラメントの強度が低いため基布の耐久性が低くく打字
による収縮が大きくなり好ましくない。また、硫酸相対
粘が3.8以上では基布の耐久性は高くなるが、原糸製
造段階での糸切れが発生するなど操業性が悪くなるため
好ましくない。
【0013】本発明で用いる織密度としては、経糸と緯
糸の合計が300〜400本/インチの範囲とする。経
糸と緯糸の合計が300本/インチ以下では基布の打字
耐久性が十分得られず、また、400本/インチ以上で
は基布の目付(単位面積当たりの重量)の増大するため
厚みの厚い基布となるため、カセットに充填する量が少
なくなるので好ましくない。
【0014】本発明のインクリボン用基布は、緯糸のク
リンプ率に対して、経糸のクリンプ率が小さいという特
徴を有するものであり、すなわち、経糸のクリンプ率が
8%以下、好ましくは7%以下である基布である。かか
る経糸のクリンプ率の小さい基布では、その厚みを薄く
することができるという効果を有する。
【0015】本発明のインクリボン用基布の製造方法
は、精練の際の手段として、緊張精練という特定な方法
を採用する。すなわち、基布の経糸方向を緊張した状態
で精練する方法を採用するものである。該緊張精練の経
糸方向の緊張方法としては、多数のロールを用いて、ロ
ールとロールの間に基布を通して、経糸方向に張力をか
けて行うものである。該経糸方向の引張り率は、3〜1
0%、好ましくは4〜8%とすることにより、十分な効
果を発揮する。すなわち、糸方向の引張り率が3%未満
の場合はヤング率の変化が小さく効果が十分でなく、基
布の伸びを小さくすることができない。また引張り率1
0%を越えて緊張すると、基布とロールがスリップして
安定した処理ができないので好ましくない。本発明で
は、かかる経糸方向に張力をかけて精練を施す手段を採
用したことにより、基布を構成する経糸のクリンプ率を
小さくするという効果を奏する基布を提供することに成
功したものである。
【0016】次に、本発明でいうポリアミドマルチフィ
ラメントとしては、ナイロン46、ナイロン66、ナイ
ロン6、ナイロン610、ナイロン11、ナイロン12
等を使用することができる。また、かかるポリアミドマ
ルチフィラメントのデニールは、20〜150デニール
の範囲のものを使用することがてきる。また、かかるポ
リアミドマルチフィラメントに含まれる酸化チタンの含
有率は、好ましくは0.15重量%以下、さらに好まし
くは酸化チタンを全く含有させない0重量%であるもの
が、溶融着部耐久性の良好なインクリボンを提供するこ
とができる。
【0017】また、かかるポリアミドマルチフィラメン
トを構成するポリマーの硫酸相対粘度は、好ましくは
2.8〜3.8、さらに好ましくは3.0〜3.2であ
るものが、融着部耐久性と基布耐久性に優れたインクリ
ボン用基布を提供することができる。
【0018】また、かかるインクリボン用基布は、15
0〜700T/mという比較的低い撚りを施した糸条に
より好ましく構成される。なお、コストダウンの面から
撚を入れない糸条も使用することができる。また、本発
明では、原糸製造段階で圧縮空気による5〜100ケ/
m程度の交絡処理を施した糸条も使用することもでき
る。
【0019】かかるインクリボン用基布の織物組織とし
ては、平織、誘導平織、綾織、朱子織、およびその変化
組織等が使用されるが、特に限定されるものではない。
かかる織物の織密度は、経糸が、好ましくは170〜2
50本/in、さらに好ましくは200〜220本/inで
よく、緯糸は、好ましくは150〜200本/in、さら
に好ましくは100〜150本/in程度でよい。
【0020】かくして得られるインクリボン用基布は、
製織された後、経糸方向に4〜10%の緊張した状態で
精練を施し後、通常の乾燥を行いピンテンターで160
℃〜240℃の範囲で仕上げセットするのがよい。その
後、通常の油性インク等のインク材料を該基布に適宜量
付着(含浸)せしめた後、融着してエンドレス状インク
リボンを形成する。かかる融着は、該インクリボン用基
布の両端を超音波ウエルダーを用いて実施される。
【0021】本発明のインクリボン用基布は、高圧流体
処理、気流処理、プラズマ処理、界面活性剤処理、およ
び樹脂加工等の適宜の後加工が施されたものであっても
よい。かくして得られた本発明のインクリボン用基布を
用いて構成されたインクリボンは、打字によるインクリ
ボンの収縮とワカメ状変形が起こり難く、カセット内走
行耐久性に優れている。
【0022】
【実施例】以下に本発明を実施例によって詳しく説明す
る。なお、本発明で使用する評価方法は次の通りであ
る。
【0023】[打字収縮]作成されたインクリボン用基
布を13mm巾に溶断し、一度ハサミで全長50cmの
インクリボン用基布を2本作成する。その後これらの基
布に基布重量に対し、油性インク(サカタインクス株製
CBK−30)を22重量%塗布し、次に超音波ウエル
ダー(ブランソン社製M−8400)によって融着し1
mの評価用エンドレスインクリボンを作成した。得られ
たインクリボンを24ピンドットプリンター(エプソン
社製UP−130K)用カセットに収納し、このカセッ
トを上記プリンターにセットし、英字、および数字を印
字し、10万字毎の基布の幅方向の寸法変化と、インク
リボンのワカメ変形状態を肉眼判定し、総合判定した。
【0024】評価基準は次の通りである。
【0025】リボン幅方向の寸法変化 ◎ :0.5mm以下 ○ :0.5〜1mm以下 △ :1mm〜1.5mm以下 × :1.5mm以上 ワカメ状態の判定 ◎ :殆ど認められない ○ :やや認められる × :著しく認められる [硫酸相対粘度]絶乾した試料(ナイロンマルチフィラ
メント等)0.2gを98%硫酸25mlに溶解し、15
ccをオスワルド粘度計に注入し、25℃下でオスワル
ド粘度計の上部線から下部線までの溶液の流下時間t
(sec)を測定する。同様の操作で98%硫酸だけの
25℃下で流下時間t0 (sec)を測定し、次式によ
って硫酸相対粘度を求める。
【0026】硫酸相対粘度(ηr)=(t/t0 )+
1.891(1.000−C) C=(試料重量×1.831/試料溶液重量)×100 [ヤング率]作成されたインクリボン用基布を経糸方向
に13mm幅で、長さ30cmにカットする。得られたサ
ンプルから経糸を織物から解除し、幅が10mmの引張
り試験用サンプルを作成する。作成した10mm幅×3
0cmの引張り試験用サンプルを島津製作所製のオートグ
ラフ(SD100)を用いて次の条件で引張り試験を行
い基布の引張り強伸度曲線を作成する。作成された強伸
度曲線の伸度20%時の応力値を読取り、読取った応力
値を5倍した値Aを求める。さらに10mm幅あたりの
糸本数から総デニールBを求めて次記式によりヤング率
を算出する。
【0027】基布の引張り試験条件 引張り速度 :20cm/min チャート速度:20cm/min 試料長 :20cm フルスケール:50kg ヤング率=A/B 式中、A:5倍した応力値 B:総デニール 実施例1 硫酸相対粘度が3.2、酸化チタン含有率が0.04重
量%であるナイロン66ポリマーからなる40デニール
34フィラメント(単糸繊度1.2デニール),に50
ケ/mの交絡処理を施したマルチフィラメント糸をタテ
糸に、ヨコ糸には硫酸相対粘度が2.8、酸化チタン含
有率が0.04重量%であるナイロン66ポリマーから
なる40デニール34フィラメント(単糸繊度1.2デ
ニール)のマルチフィラメント糸に交絡処理を施さない
糸を用いて表1に示す組み合わせの織密度が経208本
/in、緯123本/inの平織組織からなる織物を作
製した。これらの織物に経糸方向に引張り率10%の緊
張を施して精練を行った後、通常の乾燥、仕上げセット
をしてヤング率22(g/d)で緯/経のヤング率比が
1:2.2、破断伸度が38%、経糸クリンプ率6%の
インクリボン用基布を作製した。これらのインクリボン
用基布について、前記試験方法に基づいてインクリボン
を作製し、それぞれの打字収縮、ワカメ状の変形状態を
判定し、その結果を表1に示した。
【0028】実施例2 硫酸相対粘度が2.80、酸化チタン含有率が0.04
重量%であるナイロン66ポリマーからなる40デニー
ル34フィラメント、(単糸繊度1.2デニール),に
50ケ/mの交絡処理を施したマルチフィラメント糸を
タテ糸に、ヨコ糸には硫酸相対粘度が2.8、酸化チタ
ン含有率が0.04重量%であるナイロン66ポリマー
からなる40デニール34フィラメント(単糸繊度1.
2デニール)のマルチフィラメント糸に交絡処理を施さ
ない糸を用いて表1に示す組み合わせの織密度が経21
5本/in、緯125本/inの平織組織からなる織物
を作製した。これらの織物に経糸方向に引張り率9%の
緊張を施して精練を行った後、通常の乾燥、仕上げセッ
トをしてヤング率19(g/d)で緯/経のヤング率比
が1:1.9、破断伸度が39%、経糸クリンプ率6.
5%、のインクリボン用基布を作製した。これらのイン
クリボン用基布について、前記試験方法に基づいてイン
クリボンを作製し、それぞれの打字収縮、ワカメ状の変
形状態を判定し、その結果を表1に示した。
【0029】実施例3 硫酸相対粘度が3.0酸化チタン含有率が0.04重量
%であるナイロン66ポリマーからなる40デニール3
4フィラメント、(単糸繊度1.2デニール),に50
ケ/mの交絡処理を施したマルチフィラメント糸をタテ
糸に、ヨコ糸には硫酸相対粘度が2.8、酸化チタン含
有率が0.04重量%であるナイロン66ポリマーから
なる40デニール34フィラメント(単糸繊度1.2デ
ニール)のマルチフィラメント糸に交絡処理を施さない
糸を用いて表1に示す組み合わせの織密度が経205本
/in、緯118本/inの平織組織からなる織物を作
製した後、これらの織物に経糸方向に引張り率7%の緊
張を施した後、通常の乾燥、仕上げセットしてヤング率
18(g/d)で緯/経のヤング率比が1:1.8、破
断伸度が40%、経糸クリンプ率7%、のインクリボン
用基布を作製した。これらのインクリボン用基布につい
て、前記試験方法に基づいてインクリボンを作製し、そ
れぞれの打字収縮、ワカメ状の変形状態を判定し、その
結果を表1に示した。
【0030】実施例4 硫酸相対粘度が2.80、酸化チタン含有率が0.04
重量%であるナイロン66ポリマーからなる40デニー
ル34フィラメント、(単糸繊度1.2デニール),に
50ケ/mの交絡処理を施したマルチフィラメント糸を
タテ糸に、ヨコ糸には硫酸相対粘度が2.8、酸化チタ
ン含有率が0.04重量%であるナイロン66ポリマー
からなる40デニール34フィラメント(単糸繊度1.
2デニール)のマルチフィラメント糸に交絡処理を施さ
ない糸を用いて表1に示す組み合わせの織密度が経21
0本/in、緯123本/inの平織組織からなる織物
を作製した後、これらの織物に経糸方向に引張り率6%
の緊張を施した後、通常の乾燥、仕上げセットしてヤン
グ率16(g/d)で緯/経のヤング率比が1:1.
7、破断伸度が42%、経糸クリンプ率7.5%、のイ
ンクリボン用基布を作製した。これらのインクリボン用
基布について、前記試験方法に基づいてインクリボンを
作製し、それぞれの打字収縮、ワカメ状の変形状態を測
定し、その結果を表1に示した前。
【0031】実施例5 硫酸相対粘度が2.40酸化チタン含有率が0.04重
量%であるナイロン66ポリマーからなる40デニール
34フィラメント、(単糸繊度1.2デニール),に5
0ケ/mの交絡処理を施したマルチフィラメント糸をタ
テ糸に、ヨコ糸には硫酸相対粘度が2.8、酸化チタン
含有率が0.04重量%であるナイロン66ポリマーか
らなる40デニール34フィラメント(単糸繊度1.2
デニール)のマルチフィラメント糸に交絡処理を施さな
い糸を用いて表1に示す組み合わせの織密度が経200
本/in,緯120本/inの平織組織からなる織物を
作製した後、これらの織物に経糸方向に引張り率5%の
緊張を施した後、通常の乾燥、仕上げセットしてヤング
率13(g/d)で緯/経のヤング率比が1:1.5、
破断伸度が44%、経糸クリンプ率8%のインクリボン
用基布を作製した。これらのインクリボン用基布につい
て、前記試験方法に基づいてインクリボンを作製し、そ
れぞれの打字収縮、ワカメ状の変形状態を測定し、その
結果を表1に示した。
【0032】比較例1 硫酸相対粘度が2.40、酸化チタン含有率が0.04
重量%であるナイロン66ポリマーからなる40デニー
ル34フィラメント、(単糸繊度1.2デニール),に
50ケ/mの交絡処理を施したマルチフィラメント糸を
タテ糸に、ヨコ糸には硫酸相対粘度が2.8、酸化チタ
ン含有率が0.04重量%であるナイロン66ポリマー
からなる40デニール34フィラメント(単糸繊度1.
2デニール)のマルチフィラメント糸に交絡処理を施さ
ない糸を用いて表1に示す組み合わせの織密度が経21
0本/in,緯122本/inの平織組織からなる織物
を作製した後、これらの織物に経糸方向に引張り率3%
の緊張を施した後、通常の乾燥、仕上げセットしてヤン
グ率11(g/d)で緯/経のヤング率比が1:1.
3、破断伸度が50%、経糸クリンプ率9%、のインク
リボン用基布を作製した。これらのインクリボン用基布
について、前記試験方法に基づいてインクリボンを作製
し、それぞれの打字収縮、ワカメ状の変形状態を測定
し、その結果を表1に示した。
【0033】比較例2 硫酸相対粘度が2.80、酸化チタン含有率が0.04
重量%であるナイロン66ポリマーからなる40デニー
ル34フィラメント、(単糸繊度1.2デニール),に
50ケ/mの交絡処理を施したマルチフィラメント糸を
タテ糸に、ヨコ糸には硫酸相対粘度が2.8、酸化チタ
ン含有率が0.04重量%であるナイロン66ポリマー
からなる40デニール34フィラメント(単糸繊度1.
2デニール)のマルチフィラメント糸に交絡処理を施さ
ない糸を用いて表1に示す組み合わせの織密度が経21
0本/in,緯123本/inの平織組織からなる織物
を作製した後、これらの織物に経糸方向に引張り率2%
の緊張を施した後、通常の乾燥、仕上げセットしてヤン
グ率10(g/d)で緯/経のヤング率比が1:1.
1、基布の厚みが130m、破断伸度が55%、経糸ク
リンプ率10%のインクリボン用基布を作製した。これ
らのインクリボン用基布について、前記試験方法に基づ
いてインクリボンを作製し、それぞれの打字収縮、ワカ
メ状の変形状態を測定し、その結果を表1に示した。
【0034】比較例3 硫酸相対粘度が3.0、酸化チタン含有率が0.04重
量%であるナイロン66ポリマーからなる40デニール
34フィラメント、(単糸繊度1.2デニール),に5
0ケ/mの交絡処理を施したマルチフィラメント糸をタ
テ糸に、ヨコ糸には硫酸相対粘度が2.8、酸化チタン
含有率が0.04重量%であるナイロン66ポリマーか
らなる40デニール34フィラメント(単糸繊度1.2
デニール)のマルチフィラメント糸に交絡処理を施さな
い糸を用いて表1に示す組み合わせの織密度が経208
本/in,緯122本/inの平織組織からなる織物を
作製した後、これらの織物に経糸方向に引張り率5%の
緊張を施した後、通常の乾燥、仕上げセットしてヤング
率13(g/d)で緯/経のヤング率比が1:1.4、
破断伸度が48%、経糸クリンプ率8%のインクリボン
用基布を作製した。これらのインクリボン用基布につい
て、前記試験方法に基づいてインクリボンを作製し、そ
れぞれの打字収縮、ワカメ状の変形状態を測定し、その
結果を表1に示した。
【0035】
【表1】 表1から明らかなように、実施例1〜5のものは、打字
収縮が小さく、ワカメ状の変形が良好で優れたものであ
った。これらに対して、比較例1〜2は、打字収縮が大
きく、ワカメ状の変形が著しく悪く実用に耐えるもので
はなかった。
【0036】
【発明の効果】本発明によれば、打字収縮によるリボン
のワカメ状変形がおこり難くく、カセット内の走行耐久
性に優れたインクリボン基布を提供する。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリアミドマルチフィラメントからなるイ
    ンクリボン用基布であって、該基布の経糸方向の伸度2
    0%時のヤング率が12〜24g/dの範囲にあり、か
    つ、破断伸度が45%以下で、緯糸方向の伸びに比し
    て、経糸方向の伸びが小さいことを特徴とするインクリ
    ボン用基布。
  2. 【請求項2】該基布の緯糸方向に対する経糸方向のヤン
    グ率の比が、1:1.5〜2.2の範囲にあることを特
    徴とする請求項1記載のインクリボン用基布。
  3. 【請求項3】該基布の緯糸方向が破断伸度45%以上を
    有するものであることを特徴とする請求項1または2記
    載のインクリボン用基布。
  4. 【請求項4】該基布を構成する経糸および緯糸の密度の
    合計が300〜350本/インチの範囲にあることを特
    徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のインクリボン
    用基布。
  5. 【請求項5】該ポリアミドマルチフィラメントが、2.
    8〜3.8の硫酸相対粘度を有するポリマーであること
    を特徴とする請求項1記載のインクリボン用基布。
  6. 【請求項6】該基布が8%以下のクリンプ率を有する経
    糸で構成されているものである請求項1〜5のいずれか
    に記載のインクリボン用基布。
  7. 【請求項7】ポリアミドマルチフィラメントからなる織
    物を精練、乾燥、ヒートセットするインクリボン用基布
    の製造方法において、精練の際に、経糸方向に緊張しな
    がら精練を施すことを特徴とするインクリボン用基布の
    製造方法。
  8. 【請求項8】該緊張精練の経糸方向の引っ張り率が4〜
    10%の範囲であることを特徴とする請求項7載のイン
    クリボン用基布の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN101249762A (zh) * 2007-02-24 2008-08-27 珠海天威飞马打印耗材有限公司 针式打印机用尼龙带染墨方法

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