JP3121150B2 - インクリボン用ポリアミド繊維 - Google Patents
インクリボン用ポリアミド繊維Info
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- JP3121150B2 JP3121150B2 JP04285853A JP28585392A JP3121150B2 JP 3121150 B2 JP3121150 B2 JP 3121150B2 JP 04285853 A JP04285853 A JP 04285853A JP 28585392 A JP28585392 A JP 28585392A JP 3121150 B2 JP3121150 B2 JP 3121150B2
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Description
ミド繊維に関するものである。詳しくは、インクリボン
の印字耐久性、寸法安定性などを著しく向上させること
が可能なインクリボン用ポリアミド繊維に関する。
広範な普及により、その端末装置の印字システムは飛躍
的に発展してきた。通常、印字システムとは、活字プリ
ンター、ワイヤードットプリンター、タイプライター、
その他事務機械などを対象とするが、これら印字システ
ムに欠かせないのがインクリボンである。
ルチフィラメント糸の織物を所定の幅にカットし、イン
クや顔料を含浸させたものが用いられている。インクリ
ボンに求められる特性としては、印字による基布の損傷
が小さいこと、印字が鮮明であること、基布の寸法変化
が小さいこと、蛇行が小さいこと、印字用紙を汚さない
ことなどが挙げられる。
さいことが最も要求されている。基布の損傷は、活字も
しくはドットピンによる打撃の繰り返しにより素材が疲
労、摩耗することにより生じ、その結果、印字時に欠字
が発生する。最近では印字の高速化や、鮮明な印字のた
めの活字の鋭角化、漢字プリンターの様に多数のドット
ピンの組合せで表現するものの出現などにより、基布の
印字耐久性がより一層切望されている。
5087号公報には、インクリボン用合成繊維を構成す
る重合体の分子量や、一定伸長時の荷重などを、特開昭
60−161184号公報にはインクリボン用合成繊維
の単糸繊度、破断強力などを、特開昭62−92881
号公報にはインクリボン用合成繊維を構成する重合体の
相対粘度、繊度、破断強度などの各特性値を特定の範囲
に規定した発明が開示されている。
ーの更なる高速、高インパクト化に対応するには不十分
である。
もしくはドットピンなどの打刻に対するインクリボン基
布の耐久性、並びに寸法安定性をより一層向上させる事
が可能なインクリボン用ポリアミド繊維を提供すること
にある。
ボンの印字耐久性、寸法安定性を向上させるべく、イン
クリボンを構成する繊維の特性と、インクリボンの耐久
性、寸法安定性との関係を詳細に検討した。その結果、
従来のごとく、原糸を高強度、高粘度化すると、確かに
インクリボンの印字耐久性はある程度向上するが、それ
にも増してインクリボン被印字部の印字収縮が大きくな
り、インクリボンの蛇行(ウェービング)が激しく、カ
ートリッジ内でのインクリボンの走行不良を引き起こす
ことが明かになった。その原因は、インクリボン用繊維
を高強度、高粘度化すると、必然的に伸長弾性率の高
い、いわゆる硬い繊維となってしまい、この様な硬い繊
維よりなるインクリボン基布では加工工程においてクリ
ンプ率を上げ難く、それゆえ印字打刻による被印字部の
織り組織の収縮が大きくなり、インクリボンの激しい蛇
行を引き起こすことにあることが判明した。
み挙動が、インクリボンとした後の印字耐久性に大きく
影響することが判明した。本発明は、これらの研究結果
に基づいて完成されたものである。即ち、本発明は、破
断エネルギーE、降伏点強度YS、降伏点以降伸度AY
Eが、それぞれ E≧35(g・cm/d) 2.0≦YS≦5.5(g/d) 30≦AYE≦50(%) である。
0に示されている定速伸長型試験法により得られる応力
〜ひずみ曲線(S−S曲線、図1)において、強力の最
大点をDS、その時の伸びをDEとすると、伸長開始か
らDEに至るまでに要した伸長のエネルギーのことであ
り、通常、図1の斜線で示す様なS−S曲線と横軸で囲
まれた範囲の面積に対応する。
荷重1g/d以降のS−S曲線において、伸長変化に対
する荷重変化の最大点(接線角の最大点)における接線
Aと、同S−S曲線の塑性領域の直線部分における接線
Bの交点から横軸に下ろした垂線と、S−S曲線との交
点(降伏点)における強度である。降伏点以降伸度AY
Eとは、前述の降伏点における伸度を、破断伸度DEよ
り減じた値である。
維は、活字ラインプリンター用広幅リボン、両端部をメ
ビウス状に接合した細幅エンドレスリボン、あるいは袋
状織物をカットして得られるシームレスリボンなどのあ
らゆるインクリボンに用いることができる。本発明のポ
リアミド繊維の破断エネルギーEは35g・cm/d以
上、降伏点強度YSは2.0g/d以上、5.5g/d
以下であることが必要であり、降伏点以降伸度AYEは
30%以上、50%以下であることが必要である。
は、これを構成する繊維のねばり強さの指標である破断
エネルギーEを大きくすることが必要である。しかし、
降伏点以降伸度AYEが30%に満たないような、従来
の技術に相当するポリアミド繊維の場合には、破断エネ
ルギーEを35g・cm/d以上に大きくしようとする
と、必然的に高強度、高ヤング率にならざるを得ず、応
力−ひずみ挙動の弾性領域での伸びが相対的に大きくな
り、硬くて脆い繊維になってしまうために、インクリボ
ンとした時の寸法安定性、印字耐久性が低下する。ま
た、この時の降伏点強力YSが5.5g/d以下である
と、繊維の反発弾性が小さく、印字打刻に対する回復
性、耐久性が更に低下する。
上、50%以下であるようなポリアミド繊維の場合に
は、高強度、高ヤング率化せずとも、充分に破断エネル
ギーEを大きくすることができ、この時破断エネルギー
Eが35g・cm/d以上であると、応力〜ひずみ挙動
の弾性領域での伸びが相対的に小さくなる事も重なっ
て、柔軟性、伸縮性、寸法安定性に富んだポリアミド繊
維が得られ、インクリボンとした時の寸法安定性、印字
耐久性を向上させる事が出来る。
YSが5.5g/d以下であると、応力〜ひずみ挙動の
弾性領域での伸びを相対的に更に小さくすることが出
来、リボンとした時の寸法安定性、印字耐久性が更に向
上する。しかしながら、降伏点強力YSが2.0g/d
を下回ると、インクリボン用繊維としての最低限の物性
の保持が難しくなるので、降伏点強度YSは、2.0g
/d以上、5.5g/d以下であることが必要である。
回る様なポリアミド繊維では、応力〜ひずみ挙動の塑性
領域での伸びが大きくなり過ぎるため、インクリボンと
した時の印字打刻に対する回復性、寸法安定性が低下
し、実用上好ましくない。本発明のポリアミド繊維とし
ては、例えばナイロン6、ナイロン66繊維などがある
が、ナイロン66繊維が好ましい。繊維を構成する重合
体の硫酸相対粘度〔ηr〕(25℃、95.5%濃度の
硫酸溶液中での重合体濃度が1.0%となるように調整
した溶液の相対粘度)は、インクリボンの印字耐久性向
上の点から2.8以上が好ましく、インクリボン被印字
部の収縮抑制の点から3.2以下であることが好まし
い。
はインクリボンの印字耐久性の点から20デニール以上
であることが好ましく、印字鮮明性の点から100デニ
ール以下であることが好ましい。本発明のインクリボン
用ポリアミド繊維は、以下の方法により得ることが出来
る。即ち、〔ηr〕が2.8以上、3.2以下であり、
かつ水分率が0.1重量%以下であるポリアミド重合体
を、エクストルーダーを用いて重合体の融点以上に加熱
圧縮溶融し、単糸孔径0.1mm以上の紡糸口金より押
し出し、糸条化する。
力を100kg/cm2 以上とし、同時に4Q/πD2
H(Q:紡糸口金当りの吐出量、D:ノズル孔径、H:
ノズル孔数)で表される吐出線速度を15m/min以
上とすることが好ましい。その後、この溶融糸条を紡口
下の冷風ゾーンで冷却固化させ、紡糸油剤を付与した後
に、2000m/min以上の速度で常温ロールに引き
取らせることにより、延伸前の予備配向性を高める。
加熱した第1熱延伸ロールの間、次いで第1熱延伸ロー
ルと100℃以上に加熱した第2熱延伸ロールの間で、
2段熱延伸を行う。この熱延伸工程での総延伸倍率は
1.2倍以上、2.0倍以下であることが必要である。
各熱延伸ロールに粗面はネルソンロールを用いることが
好ましい。
集束性を持たせ、3500m/min以上の速度で巻取
る。
る。
量%であるナイロン66重合体を、エクストルーダーを
用いて加熱圧縮溶融し、孔径0.2mm、孔数34個の
紡糸口金から吐出線速度19.0m/minで押し出し
て糸条化する。この溶融糸条を紡口下の冷風ゾーンで冷
却、固化させ、耐熱性紡糸油剤を付与した後に、引続き
連続した工程で常温ロールに2300m/minの速度
で引き取らせ、この常温ロールと第1熱延伸ロール(1
60℃)の間で2.0倍の第1段目の延伸を行い、引続
き第1熱延伸ロールと第2熱延伸ロール(140℃)の
間で1.0倍の第2段目の延伸、即ちリラックス、熱セ
ットを行った。これに30回/mのインターレース加工
を施した後、高速ワインダーに4500m/minで巻
取り、単糸数34フィラメント、トータルデニール40
デニールのポリアミドマルチフィラメント糸を得た。
/minとし、第1段目の延伸倍率を1.7倍とした以
外は、実施例1と全く同様にして、実施例1と同様の単
糸数、繊度のポリアミドマルチフィラメント糸を得た。
/minとし、第1段目の延伸倍率を1.4倍とした以
外は、実施例1と全く同様にして、実施例1と同様の単
糸数、繊度のポリアミドマルチフィラメント糸を得た。
量%であるナイロン66重合体を用いた以外は、実施例
1と全く同様にして、実施例1と同様の単糸数、繊度の
ポリアミドマルチフィラメント糸を得た。
ものとし、吐出線速度を17.2m/min、常温ロー
ルへの引き取り速度を2400m/min、第1段目の
延伸倍率を1.8倍とした以外は実施例1と全く同様に
して、単糸数17フィラメント、トータルデニール20
デニールのポリアミドマルチフィラメント糸を得た。
ものとし、吐出線速度を15.8m/minとした以外
は、実施例1と全く同様にして、単糸数34フィラメン
ト、トータルデニール70デニールのポリアミドマルチ
フィラメント糸を得た。
の延伸倍率を1.1倍とした以外は、実施例1と全く同
様にして、実施例1と同様の単糸数、繊度のポリアミド
マルチフィラメント糸を得た。
は、実施例1と全く同様にして、実施例1と同様の単糸
数、繊度のポリアミドマルチフィラメント糸を得た。
量%であるナイロン66重合体を用いた以外は実施例1
と全く同様にして、実施例1と同様の単糸数、繊度のポ
リアミドマルチフィラメント糸を得た。
量%であるナイロン66重合体を用いた以外は実施例1
と全く同様にして、実施例1と同様の単糸数、繊度のポ
リアミドマルチフィラメント糸を得た。
個のものとし、吐出線速度を17.9m/min、常温
ロールへの引き取り速度を2900m/min、第1段
目の延伸倍率を1.6倍とした以外は実施例1と全く同
様にして、単糸数10フィラメント、トータルデニール
15デニールのポリアミドマルチフィラメント糸を得
た。
インクリボン用ポリアミド繊維を、各々経緯に用いて製
織、精練セットし、経糸密度が215本/インチ、緯糸
密度が125本/インチである平織物を得た。これら織
物を、経糸方向が長さ方向となる様に25mm幅にカッ
トし、油性インクを塗布してインクリボンとした後、両
端部をメビウス状に超音波接合して、周長20mのエン
ドレスインクリボンとした。
トプリンターにセットし、ANK2500万文字印字後
における基布の損傷の程度を下記基準で目視判定して印
字耐久性の評価を行った。 基布損傷なし:○ やや毛羽立ち:△ 著しく毛羽立ち:× また、寸法安定性の評価は、以下のように行った。ま
ず、上記織物を、経糸方向が長さ方向になる様に384
mm幅にカットし、油性インクを塗布して広幅インクリ
ボンとした後、経糸方向に長さ800mmにカットす
る。このリボンに、印字範囲内に入るような形で400
mm×320mmの枠線を引いておき、日立工機製FP
−900活字ベルト式ラインプリンターを用いて印字
し、ANK340万文字印字後の枠線の寸法変化を測定
して下式より算出した数値(平均寸法変化率U)により
評価を行った。
ない比較例1〜5の印字耐久性ならびに寸法安定性は、
本発明の実施例1〜6には及ばないことが判る。
リボンは、印字耐久性、寸法安定性ともに優れ、プリン
ターの高速、高インパクト化に充分対して、優秀な性能
を発揮する。
線)を示す図である。
Claims (1)
- 【請求項1】 破断エネルギーE、降伏点強度YS、降
伏点以降伸度AYEが、下記の範囲であるインクリボン
用ポリアミド繊維。 E≧35(g・cm/d) 2.0≦YS≦5.5(g/d) 30≦AYE≦50(%)
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP04285853A JP3121150B2 (ja) | 1992-06-18 | 1992-10-23 | インクリボン用ポリアミド繊維 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15929092 | 1992-06-18 | ||
JP4-159290 | 1992-06-18 | ||
JP04285853A JP3121150B2 (ja) | 1992-06-18 | 1992-10-23 | インクリボン用ポリアミド繊維 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0664288A JPH0664288A (ja) | 1994-03-08 |
JP3121150B2 true JP3121150B2 (ja) | 2000-12-25 |
Family
ID=26486137
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP04285853A Expired - Lifetime JP3121150B2 (ja) | 1992-06-18 | 1992-10-23 | インクリボン用ポリアミド繊維 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3121150B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2011122272A1 (ja) * | 2010-03-31 | 2011-10-06 | 東レ株式会社 | 吸湿性繊維およびその製造方法 |
-
1992
- 1992-10-23 JP JP04285853A patent/JP3121150B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0664288A (ja) | 1994-03-08 |
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