JP2910522B2 - インクリボン基布およびその製造方法 - Google Patents

インクリボン基布およびその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、シリアルドットプリン
ターやラインプリンター等のインパクトタイプのプリン
ターに使用されるインクリボン基布およびその製造方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、インパクトタイプのプリンターに
使用されるインクリボンは、従来のスプールタイプが減
少し、カセットに長いテープ状のインクリボンを折り曲
げて収納し、インクリボンの両端を超音波ウェルダーに
よって融着(接着)し、エンドレス状にしたカセットタ
イプのインクリボンが増加してきている。
【0003】このカセットタイプ用インクリボンをプリ
ンターにかけて、印字するとインクリボンの折れ曲り部
分が濃く印字されるグラフィック斑といわれる印字斑が
発生する欠点があった。
【0004】特に、高印字品質を特徴にしている最近の
24ピンおよび48ピンのドットプリンターにおいて、
この印字斑は大きな問題であり、グラフィック斑の改良
が切望されている。
【0005】グラフィック斑を改良する手段として、織
物の組織を誘導平織組織にする技術、および斜文織、朱
子織を含む非平織組織にする技術が、それぞれ特開平 3
-34883号公報および特開平 3-73378号公報によって提案
されている。
【0006】しかしながら、グラフィック斑は、インク
の粘度やインク付着率、カセット内に収納されるインク
リボンの充填率等によって発生率が変わるものであり、
かかる提案にも拘らず、依然としてグラフィック斑につ
いては要求されるレベルに至っておらず、大きな問題を
残しているのが現状である。。
【0007】一方、インクリボン用途に液流精練を適用
する方法は、特開昭 59-127789号公報、特開昭 61-1048
82号公報等に照会されているが、グラフィック斑を効果
的に改良する方法、条件については、何ら教えるところ
がない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、インク吸収
性がよく、グラフィック斑が発生しない極めて優れた性
能を有するインクリボン用基布を製造する方法を提供せ
んとするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、かかる目的を
達成するために、次のような手段を採用する。すなわ
ち、本発明のインクリボン基布は、ポリアミドマルチフ
ィラメントからなる織物基布であって、かつ、該基布
が、JIS L1096 に準じて測定したときのレベルが3等級
と同等であるかもしくはそれより多いしわを有すること
を特徴とするものであり、また、かかるインクリボン基
布の製造方法は、ポリアミドマルチフィラメントからな
る基布を精練し、乾燥、ヒートセットするインクリボン
用基布の製造方法において、該精練が液流精練であり、
該ヒートセットが3等級と同等であるかもしくはそれよ
り多いしわが残るような張力下で行なうものであること
を特徴とするものである。
【0010】
【作用】本発明は、グラフィック斑の発生しないインク
リボンを提供するための基布について鋭意検討した結
果、特定のしわを有する基布が極めて効果的に作用する
こと、しかも、かかるしわは、液流精練の方法に形成さ
れ、これがグラフィック斑の改良に関係があることを究
明したものである。
【0011】すなわち、本発明のインクリボン基布は、
従来敬遠されていたしわがグラフィック斑に極めて重要
な作用をすることに着目し、鋭意検討したところ、JIS
L1096 のしわ測定法(6.23)に準じて測定したと
き、3等級と同等であるかもしくはそれより多いしわを
有するものが大きな改善効果を達成することを究明した
ものである。かかる特定なしわを有する基布は、もみ加
工により作ることができる。もみ加工には、機械的なも
み加工やしわ加工、さらに流体(好ましくは空気または
水)によるもみ加工やしわ加工により達成することがで
きるが、工業的には液流精練と同時にやれば経済的に達
成することができる。以下には、液流精練を例にとって
説明するが、本発明の第1発明に関する限り、以下の記
載によって、その製造方法に限定されるものではない。
【0012】上述の液流精練とは、液流染色機やワッシ
ャーなど基布をリラックス状態で精練する方法をいう。
かかる精練方法において、好ましくは温度60℃以上、
135℃以下の温水で精練を行ない、10℃/min 以下
の速度で降温することによって、上述の特定なしわを形
成することができ、しかも、このしわによってグラフィ
ック斑が発生しないという優れた機能を有するインクリ
ボン基布を提供し得るのである。かかるしわで特徴的な
点は縦方向のしわを含むことである。
【0013】本発明の上述の精練方法で作成したインク
リボン基布はグラフィック斑が発生しないばかりか、精
練−乾燥工程での収縮が大きく、基布中の空隙が増大す
るため、非常にインクがのりやすくインク吸収性にも優
れ、さらに、基布表面が緻密になり、融着部の耐久性に
も優れた基布を提供し得るものである。
【0014】グラフィック斑を好ましく改良するには、
好ましくは温度60〜135℃、さらに好ましくは80
〜125℃で液流精練を行なうのがよい。温度が60℃
未満ではグラフィック斑が改良されにくく、135℃を
超える高温下ではポリアミド繊維の劣化が進み、耐久性
が低下する傾向を示すので好ましくない。また、液流精
練時間が2分間未満の場合には、グラフィック斑の改良
効果が十分でない傾向があり好ましくない。更に、好ま
しくは冷却速度10℃/min 以下、さらに好ましくは5
℃/min 以下、特に好ましくは2℃/min 以下にするの
がよい。10℃/min を超える場合には、リボン基布
に、実用上問題になる皺が残り易くなり好ましくない。
冷却速度が、10℃/min 以下の場合でも、軽い皺はあ
る程度残るが、実用上、問題のない程度のものである。
かかる皺を有することが本発明のインクリボン用基布の
外観上の1つの特徴である。
【0015】液流精練後の乾燥は、100℃以上で無張
力状態で行なうことが好ましい。張力がかかれば基布の
嵩高度が低下するので、できる限り低張力にすることが
望ましい。乾燥後、ピンテンターで仕上げセットする
が、張力をかけすぎると、しわのレベルが軽くなり、嵩
高度が低下し、グラフィック斑レベルが悪くなるので注
意を要する。いずれにしても、しわのレベルを3等級と
同等であるかもしくはそれより多い範囲におさめるよう
な張力下でヒートセットすることがグラフィック斑を改
良するために重要である。
【0016】本発明の製造方法を適用した場合、基布の
収縮率は大きいが、予め、この収縮率を見込んで、やや
低めの織物密度に製織することで、製品の織物密度を設
定することは容易に可能である。
【0017】本発明でいうポリアミドとは、ナイロン6
6、ナイロン6、およびナイロン46等があげられる。
中でも、硫酸粘度が2.8以上のナイロン66がインク
リボン基布の耐久性が良いので、特に好ましい。
【0018】インクリボンを構成する基布は、上記繊維
を経糸および緯糸に用いた織物から構成される。かかる
合成繊維フィラメント糸は、単繊維としては、好ましく
は0.5〜4デニール、さらに好ましくは0.8〜3デ
ニール程度のものがよい。
【0019】この糸のトータルデニールは、好ましくは
5〜100D、さらに好ましくは5〜70D程度のマメ
チフィラメント糸条にした方が、基布の厚さ、インク吸
収性などのバランスのよいものを提供することができる
ので良い。かかる基布の織物密度としては、経糸密度が
150〜400本/inch、緯糸密度が100〜250本
/inchが好ましく用いられるが、かかる密度に限定され
るものではない。該フィラメント糸には400 T/m 程
度以下の甘めの撚が入っているのが好ましい。かかる基
布の織物組織としては、平織組織、朱子織組織、綾織組
織、およびこれらの変化組織等が使用できるが、特にこ
れに限定を受けるものではない。
【0020】これらの織物を、本発明の条件を特定した
液流精練処理することによって得られたインクリボン用
基布は、通常の精練を経たインクリボン用基布に比べ
て、単繊維がほぐされるため、インク吸収性に優れ、グ
ラフィック斑も極めて良好であり、近年、多用されてい
る24ピンおよび48ピンのシリアルドットプリンター
およびラインプリンターに好適で有利なものである。
【0021】かくして得られるインクリボン用基布は、
通常の油性インク、すなわち、顔料を3重量%以上、染
料を8重量%以上含有する、粘度が650cps (20
℃)以上の油性インクを適宜付着せしめられて、インク
リボンに作成される。また、かかるインクリボン用基布
は、高圧流体処理、プラズマ処理、界面活性剤処理およ
び樹脂加工等の後加工が適宜なされてもよい。
【0022】
【実施例】以下に本発明を実施例によって詳しく説明す
る。本発明で使用する評価方法は次の通りである。 「グラフィック斑]リボンを9ピントセットプリンター
(東京電気製M−1550)用カセットに前記で作成さ
れたインクリボン(長さ10m )を収納し、このカセッ
トを上記プリンターにセットしてベタ打ち印字し、肉眼
でグラフィックの発生状況を評価した。評価基準は次の
通りである。
【0023】○○ : 斑が全く発生しない ○ : 斑がほとんど発生しない △ : 斑が薄く発生する × : 斑が濃く発生する ×× : 斑が非常に濃く発生する [しわ]JIS L1096 に定める一般織物試験方法の、洗濯
後のしわ測定法(6.23)に準じて測定した。すなわ
ち、該試験法において、サンプルは洗濯を行なわないで
そのまま測定した。ただし、同試験法の判定基準におい
て、1等級のうち、DP−1のレプリカの外観と同等の
ものを本発明では1等級とし、それよりも悪い外観のも
のは1等級の下とした。
【0024】実施例1〜10、比較例1〜2 40デニール/34フィラメントの硫酸粘度が2.85
のナイロン66マルチフィラメント糸を用い、タテ糸に
は280 T/m の追撚を行い、ヨコ糸は追撚しないで平
織組織からなる織物を製織した。
【0025】この織物を表1に示した条件で液流精練処
理し、仕上げセットして、表1に示す織物を作成した。
但し比較例2は、通常の精練処理をした。
【0026】得られた織物について、表面の皺のレベル
を上記方法で判定し、さらにタテ糸方向の引張強力を測
定して、その結果を表1に示した。
【0027】さらに、この織物を13mm幅に溶断し、こ
れに、染料を18%、顔料を5%含有し、20℃での粘
度が1800cpsの油性インクを基布に対して、22
重量%塗布して,ドットプリンター用のインクリボンを
作成した。
【0028】これらのインクリボンについて、グラフィ
ック斑を測定した。その結果を表1に示した。
【0029】
【表1】 表1から明らかなように、実施例1〜10のものは、タ
テ糸方向の引張強力が充分あり、織物表面の皺は目立つ
ものの、実用上、問題なく、しかもグラフィック斑も良
いレベルにあった。これに対して、比較例1および通常
の精練処理をした比較例2は、グラフィック斑が悪く好
ましくなく、24ピンや48ピンのドットプリンターの
インクリボンに適した基布といえるものではなかった。
【0030】
【発明の効果】本発明の方法によれば、インク吸収性が
よく、グラフィック斑が発生しない極めて優れた性能を
有するインクリボン基布を提供することができ、かつ、
かる基布を安定して製造する方法を提供することができ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B41J 31/04

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリアミドマルチフィラメントからなる
    基布であって、かつ、該基布が、JIS L1096 に準じて測
    定したときのレベルが3等級と同等であるかもしくはそ
    れより多いしわを有することを特徴とするインクリボン
    基布。
  2. 【請求項2】 しわが、縦方向のしわを含むものである
    請求項1記載のインクリボン基布。
  3. 【請求項3】 しわが、液流精練によるものである請求
    項1記載のインクリボン基布。
  4. 【請求項4】 ポリアミドマルチフィラメントからなる
    基布を精練し、乾燥、ヒートセットするインクリボン用
    基布の製造方法において、該精練が液流精練であり、該
    ヒートセットが3等級と同等であるかもしくはそれより
    多いしわが残るような張力下で行なうものであることを
    特徴とするインクリボン基布の製造方法。
  5. 【請求項5】 該液流精練が、60℃以上、135℃以
    下の温水で行ない、次いで10℃/min 以下の速度で降
    温するものである請求項4記載のインクリボン基布の製
    造方法。
  6. 【請求項6】 該液流精練が、80℃以上、125℃以
    下の温水で行なうものである請求項4記載のインクリボ
    ン基布の製造方法。
  7. 【請求項7】 液流精練後、100℃以上の温度で無張
    力状態で乾燥する請求項4記載のインクリボン基布の製
    造方法。
  8. 【請求項8】 基布が平織組織、朱子織組織、綾織組
    織、およびこれらの変化組織である請求項4記載のイン
    クリボン基布の製造方法。
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