JPH11254773A - 画像転写記録装置 - Google Patents

画像転写記録装置

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JPH11254773A
JPH11254773A JP6350298A JP6350298A JPH11254773A JP H11254773 A JPH11254773 A JP H11254773A JP 6350298 A JP6350298 A JP 6350298A JP 6350298 A JP6350298 A JP 6350298A JP H11254773 A JPH11254773 A JP H11254773A
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receiving sheet
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Hiroyuki Fujisawa
浩之 藤澤
Shiro Kitawaki
史郎 北脇
Tsutomu Sumioka
勉 墨岡
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ドナーインクの転写効率が高い画像転写記録
装置を提供する。 【解決手段】 受像層144を外側に向けて受像シート
140がドラム310に巻き付けられ、さらにその上に
ドナー層244を内側にしてドナーシート240がドラ
ム310に巻き付けられる。ドナーシート240は記録
ヘッド350によってレーザ露光され、ドナーシート2
40のドナーインクが受像シート140の受像層144
に転写される。ここで、ドナーシート240は、ドナー
層244を外側に有する外巻きのドナーシートロール2
30から繰り出され、今度はドナー層244を内側にし
て逆向きにドラム310に巻き付けられる。したがっ
て、ドナーシート240のカール方向は、ドラム310
の曲面と逆向きになっているので、ドナーシート240
を受像シート140から容易に剥離することができ、ド
ナーインクが受像シート140に対して効率的に転写さ
れ得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ドナーシートのド
ナーインクをレーザ露光などによって受像シートに転写
して所望の画像を形成する画像転写記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】印刷業界においては、大量印刷用の印刷
機で印刷する前に、校正用の印刷装置が用いられること
が多い。これは、高速かつ大量印刷可能な印刷機を用い
て印刷する前に、費用と時間をかけることなく校正用の
印刷を行うものである。
【0003】校正用の印刷装置においては、できるだけ
仕上がりイメージに近い画像を出力することが望まれ
る。このような装置にはいくつかの方式が存在するが、
転写式の画像記録装置が、比較的小規模であるにもかか
わらず精緻なイメージを形成するものとして存在する。
【0004】このような画像転写記録装置においては、
受像シートおよびドナーシートが用いられる。受像シー
トは露光用ドラムに巻き付けられ、さらにその上にドナ
ーシートが重ねられる。さらにレーザ露光することによ
ってドナーシートのドナーインクが受像シート上に転写
され、受像シート上に画像が形成される。
【0005】またカラー画像を形成するためには、上記
の動作が複数色のドナーシートに対して繰り返される。
そのため、受像シートを露光用ドラムに巻き付けたまま
露光済みのドナーシートのみを剥離した後、別色のドナ
ーシートを受像シート上に巻き付けて、レーザ露光を行
う。この作業を複数のドナーシートに対して順次繰り返
すことによって、受像シート上にカラー画像を形成する
ことができる。
【0006】その表面に画像が生成された受像シート
は、別設のラミネート部に移送される。ラミネート部に
おいて、受像シートは、本来の印刷対象である印刷用紙
(本紙)に加熱および加圧されて、受像シート上のドナ
ーインクが本紙に転写される。これによって、本紙上に
校正用の印刷イメージが生成される。
【0007】カラー画像を形成するためには、複数の種
類のドナーシートを装置内に備える必要がある。そし
て、これらの複数のドナーシートを効率よく受像シート
の上に供給するために、ロール状に巻回された複数のド
ナーシートロールを装置内に備えるものがある。さらに
これら複数のドナーシートロールを回転するラック内に
収納して、効率的に露光用ドラムに対して複数のドナー
シートを選択的に供給するものが存在する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで、受像シート
は、ドナーインクが転写される層(受像層)と、それを
支持するための層(支持層)とを有する。受像シート
は、受像層を外側にして、露光用ドラムに巻き付けられ
る。また、ドナーシートは、ドナーインクを有する層
(ドナー層)と、それを支持するための層(支持層)と
を有する。ドナーシートは、ドナー層を内側にして、露
光用ドラム上で受像シートに重ねて巻き付けられる。こ
れにより、受像層の上にドナー層が直接接触する。
【0009】また露光前の受像シートは、受像層を外側
にして受像シートロールに巻回された状態で準備され
る。この場合、ロール状に巻回されることによって生じ
る受像シートのカール方向は、露光ドラムの曲面と同じ
方向となり、露光ドラムへの巻き付けが容易になる。
【0010】一方、ドナーシートは、ドナー層を内側に
してドナーシートロールに巻回された状態で準備され
る。露光ドラムへの巻き付けを容易にするためなどの理
由による。しかしながら、この場合、逆に、露光ドラム
から剥離する際には、ドナーシートは受像シートから剥
がれにくくなる。またこのような剥離においては剥離角
度が必然的に小さくなるが、剥離角度が小さいとドナー
インクの転写効率が悪くなるなどの性質があることが知
られており、従来の装置ではこの問題も解決されていな
かった。
【0011】そこで、本発明は前記問題点に鑑み、露光
ドラムに巻回された受像シート上にドナーシートを重ね
て巻回し、ドナーシートのドナーインクをレーザ露光等
により転写する画像転写記録装置であって、ドナーイン
クの転写効率が高い画像転写記録装置を提供することを
目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1に記載の画像転写記録装置は、支持層の上
にドナー層を有するドナーシートを、支持層の上に受像
層を有する受像シート上に重ね合わせた状態で描画光ビ
ームを前記ドナーシートに照射することにより、前記ド
ナーシートからのインクを前記受像シートに転写して画
像を記録する装置であって、(a)受像層を外側にして巻
回された受像シートロールの一部を繰出して切断するこ
とによって受像シートを得るとともに、ドナー層を外側
にして巻回されたドナーシートロールの一部を繰り出し
て切断することによってドナーシートを得るシート供給
手段と、(b)所定の回転軸まわりに回転可能であり、受
像層を外側にして前記受像シートをその周囲に巻回する
とともに、ドナー層を内側として前記ドナーシートを前
記受像シート上に巻回するドラム体と、(c)前記ドラム
体上の前記ドナーシートを描画光ビームで走査する光走
査手段と、を備え、前記シート供給手段が、(a-1)前記
ドラム体に前記受像シートを巻回させる際の前記ドラム
体の回転方向と同じ方向に前記受像シートロールを回転
させて前記受像シートロールの前記一部を繰出す受像シ
ートロール繰出し手段と、(a-2)前記ドラム体に前記ド
ナーシートを巻回させる際の前記ドラム体の回転方向と
は逆方向に前記ドナーシートロールを回転させて前記ド
ナーシートロールの前記一部を繰出すドナーシートロー
ル繰出し手段と、を有することにより、前記ドナーシー
トロールにおいて外側に向いている前記ドナー層が、前
記ドラム体上では内側に向くことを特徴とする。
【0013】請求項2に記載の画像転写記録装置は、請
求項1に記載の画像転写記録装置において、前記シート
供給手段は、さらに、(b-3)前記受像層を上にして前記
受像シートを前記ドラム体に搬送する受像シート搬送経
路と、(b-4)前記受像シート搬送経路とは別に設けら
れ、前記ドナー層を下にして前記ドナーシートを前記ド
ラム体に搬送するドナーシート搬送経路と、を有するこ
とを特徴とする。
【0014】請求項3に記載の画像転写記録装置は、請
求項1または請求項2に記載の画像転写記録装置におい
て、前記ドナーシートロール繰出し手段は、所定軸まわ
りに回転可能であり、それぞれがドナー層を外側にして
巻回された複数のドナーシートロールを前記所定軸まわ
りに放射状に収容する回転ラックと、前記回転ラックを
回転させることにより、前記複数のドナーシートロール
のうちから選択された被選択ドナーシートロールを前記
ドナーシート搬送経路に対向させる第1回転駆動手段
と、前記回転ラックに結合され、前記ドナーシートを前
記ドラム体に巻回させる際の前記ドラム体の回転方向と
逆の方向に前記被選択ドナーシートロールを回転させて
前記被選択ドナーシートロールを繰り出す第2回転駆動
手段と、前記回転ラック内に設けられ、各ドナーシート
ロールからの繰り出し部分を、ロール状態でのカール方
向とは逆の方向にいったんカールさせてから前記ドナー
シート搬送経路に送出するローラ手段と、を備えること
を特徴とする。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基づいて説明する。
【0016】<A.装置構成> <A1.全体概要>図1は、本発明に係る画像転写記録
装置1の概略を示す縦断面図である。図1に示すよう
に、画像転写記録装置1は、受像シート供給部100
と、ドナーシート供給部200と、記録部300と、排
出部400とを備える。また、画像転写記録装置1は、
本体カバー10によって表面を覆われ、脚部20によっ
て支えられている。
【0017】画像転写記録装置1において、受像シート
供給部100は、記録部300に対して受像シートを供
給する。またドナーシート供給部200は、複数の種類
のドナーシートを供給することが可能であり、記録部3
00に対して複数の種類のドナーシートの中から1種類
のドナーシートを選択的に供給することができる。記録
部300においては、ドラム310に巻き付けられた受
像シートの上に、さらにドナーシートが重ねて巻き付け
られる。そして、受像シート上に重ねられたドナーシー
トに対して、記録したい画像情報に基づいてレーザ露光
を行う。レーザ露光により加熱された部分のドナーシー
トのドナーが昇華あるいは溶融により受像シートに付着
して転写されることによって、受像シート上に像が形成
される。さらに、同一の受像シートに対して、異なる複
数色(たとえば、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラッ
ク)のドナーシートのドナーが付着することによって、
受像シート上にカラー画像を形成することができる。こ
れは、後述するように、受像シートをドラム310に巻
き付けたまま、露光済みのドナーシートを別色のドナー
シートに順次交換してレーザ露光することによって達成
される。
【0018】この画像が形成された受像シートは、排出
部400を経由して排出され、本装置から取り出され
る。そして、さらに別設の図示しないラミネート部にお
いて、印刷対象である紙に加熱加圧される。これによっ
て、任意の印刷用紙上にドナーが転写されて画像が形成
される。
【0019】以上が画像転写記録装置1の概略である。
次に、受像シート供給部100、ドナーシート供給部2
00、記録部300、排出部400のそれぞれについて
説明する。
【0020】<A2.受像シート供給部>図2は、受像
シート供給部100およびドナーシート供給部200の
詳細を示す断面図である。ここではまず、受像シート供
給部100について説明する。
【0021】受像シート供給部100は、受像シートロ
ール130を有している。受像シートロール130は、
芯132に受像シート140が巻回されたものである。
また、受像シート140は、支持層142および受像層
144(図21参照)を有しており、受像層144は支
持層142の上に積層されている。受像シートロール1
30においては、受像層144が支持層142に対して
外側になるように巻回されている(以下、このように巻
かれた受像シートロールを「外巻き」の受像シートロー
ルという)。また受像シートロール130は、芯132
の中心軸まわりに回転できるように設置されている。
【0022】図3は、図2の一部を拡大した図である。
図3を参照してさらに説明を進める。受像シート供給部
100は、受像シート搬送部150をさらに有してい
る。受像シート搬送部150は、モータ152と、駆動
伝達用のチェーン153と、搬送用ローラ154、15
5と、支持ガイド156と、受像シート切断部160
と、受像シートの端点を検出する検出センサ170とを
有している。
【0023】搬送用ローラ154は、一対のローラ15
4aおよび154bを有しており、搬送用ローラ155
は、一対のローラ155aおよび155bを有してい
る。ローラ154aおよび155aは、駆動伝達用のチ
ェーン153によってモータ152と接続されており、
モータ152によって駆動される。また、ローラ154
bおよび155bは、それぞれ、ローラ154aおよび
155aとの間で所定の圧力で受像シート140を挟み
込むことができる。そして、ローラ154bおよび15
5bは、ローラ154aおよび155aの回転とは逆向
きに従動回転することによって、受像シート140を搬
送する。このような駆動機構によって、受像シート14
0を記録部300の方へ送り出したり、あるいは逆に戻
したりすることができる。
【0024】このような構造を有する受像シート供給部
100によって、受像シート140が記録部300に対
して供給される。
【0025】まず、受像シートロール130の先端部が
搬送用ローラ154に挟まれた状態で、モータ152な
どの前述の駆動機構によって、矢印AR11の向きに受
像シート140が引き出される。これによって、受像シ
ートロール130は矢印AR11の向きに回転し、受像
シート140が繰り出されていく。受像シート140
は、さらに搬送用ローラ155に挟まれ、支持ガイド1
56に案内されて搬送される。
【0026】このようにして受像シート搬送部150に
よって搬送された受像シート140は、受像シート切断
部160によって所定の長さに切断される。長さの測定
には、検出センサ170が利用される。受像シート14
0の先端を検出センサ170により検出し、モータの回
転数などを考慮することなどによって、長さを測定する
ことができる。受像シート140は、この測定結果に基
づいて所定の長さに切断され、記録部300へと供給さ
れる。
【0027】図4は、受像シート切断部160を示す図
である。図4に示すように、受像シート切断部160
は、カッタ162と、支持部164と、ガイド166お
よび167とを有する。支持部164は、下側支持部1
64aと上側支持部164bとを有している。搬送用ロ
ーラ154に送り出された受像シート140の先端は、
ガイド166および支持部164によって案内され、搬
送用ローラ155へと搬送される。下側支持部164a
は、2つのローラ154aおよび154bの接触部と2
つのローラ155aおよび155bの接触部とを結ぶ仮
想的な直線よりも、上側に配置されている。受像シート
搬送部150において、受像シート140は受像層14
4(図21参照)を上にして搬送される。支持部164
を上記のように配置することによって、受像シート14
0の上側表面に存在する受像層144が、受像シート1
40の搬送中に上側支持部164bに接触することがな
い。したがって、受像層144の表面が搬送移動時の擦
れ等によって損傷することを防止できる。
【0028】上記の駆動により受像シートロール130
から繰り出された受像シート140は、上述した受像シ
ート長の測定結果に基づいて、その搬送が停止された
後、カッタ162によって所定の長さに切断される。
【0029】以上のようにして、受像シート供給部10
0は、受像シートロール130の一部を繰り出して切断
することによって、所定の長さの受像シート140を記
録部300に対して供給することができる。
【0030】<A3.ドナーシート供給部> <回転ラック>再び図2を参照して、ドナーシート供給
部200について説明する。ドナーシート供給部200
は回転ラック210を有している。回転ラック210
は、後述するように回転軸213を中心に矢印AR1の
方向に回転駆動される。また回転ラック210には、複
数のドナーシートロール230が収容されており回転軸
213まわりに「放射状」に配置されている。
【0031】ドナーシートロール230は、図32に示
されるように、中空の芯232と、それに巻回されるド
ナーシート240と、芯232の両側から差し込まれる
フランジ234とを有している。図5に示されるよう
に、回転ラック210上の3本のバー258がこれらの
フランジ234,234を挟み込むことによりドナーシ
ートロール230は回転自在に保持される。
【0032】フランジ234はベース部235と突起部
236とからなっている。ベース部235の径は、芯2
32まわりにドナーシート240が完全に巻き付けられ
たときのドナーシート部分の径よりも大である。そのた
め、3本のバー258は、最外周のドナーシート240
には接触せず、フランジ234にのみ接触する。
【0033】また、各バー258の一部には突起状のス
トッパ259が設けられドナーシートロール230の軸
方向の動きが規制される。
【0034】また、ドナーシート240は、支持層24
2およびドナー層244(図21参照)を有しており、
ドナー層244および支持層242が積層されている。
ドナーシートロール230においては、ドナー層244
が支持層242に対して外側になるように巻回されてい
る(以下、このように巻かれたドナーシートロールを
「外巻き」のドナーシートロールという)。後述するよ
うに、ドナー層244は、ドナーインクを有しており、
このドナーインクがレーザ露光により受像シートに転写
される。
【0035】<ドナーシート繰出し機構>図2において
は、このような構造を有する6つのドナーシートロール
230が回転ラック210内に収容されている場合が示
されている。この6種類のドナーシートとしては、たと
えば、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン
(C)、ブラック(K)の4色のドナーシートと2色
(たとえば金色、銀色など)の特色のドナーシートとを
用いることができる。
【0036】回転ラック210はさらに、複数のドナー
シート繰出し機構250を有する。ドナーシート繰出し
機構250は、複数のドナーシートロール230のそれ
ぞれに対応して設けられる。図においては、6つのドナ
ーシート繰出し機構250が設けられている。
【0037】図2および図5を参照してドナーシート繰
出し機構250を説明する。図5はドナーシート繰出し
機構250の一部を示す斜視図である。
【0038】ドナーシート繰出し機構250は、フィー
ドローラ254と、支持ガイド256と、3本のバー2
58とを有している。先述のように、3本のバー258
は、フランジ234の外周に当接してドナーシートロー
ル230を保持する。
【0039】また、フィードローラ254は、ローラ2
54a、254bを有している。ローラ254aは、後
述するように、ギア機構253によってモータ252と
接続されており、モータ252によって駆動される(図
9参照)。ローラ254aは、ローラ254bとの間で
所定の圧力でドナーシート240を挟み込むことができ
る。そして、ローラ254bは、ローラ254aの回転
とは逆向きに回転することによって、ドナーシート24
0を搬送する。ドナーシート240は、ローラ254
a、254bによって挟持され、送り出されたりあるい
は逆に戻されたりすることが可能である。またドナーシ
ート240の搬送に伴って、ドナーシートロール230
が回転する。3本のバー258は、フランジ234に対
して相対的に回転しながら、ドナーシートロール230
を保持する。
【0040】図9はドナーシート繰出し機構250の側
面図である。図33は位置P12のドナーシート繰出し
機構250の上面図である。支持ガイド256は両側端
部の一部が2カ所ずつ折り曲げられて固定部分256
a,256bが形成されている。支持ガイド256は、
該固定部分を側板211の領域211a,211bに当
接させた状態でネジ固定することにより側板211に固
定される。
【0041】支持ガイド256の先端部256cは平坦
であり、ドナーシートロール230から繰り出されるド
ナーシート240をフィードローラ254まで案内す
る。支持ガイド256は、回転ラック210の軸213
にまで延びており、ドナーシート繰出し機構250を他
のドナーシート繰出し機構250から分離する役割をも
果たしている。
【0042】このような構造を有するドナーシート繰出
し機構250によって、ドナーシート240が記録部3
00に対して供給される。ドナーシートロール230の
先端がフィードローラ254に挟まれた状態において、
モータ252などの前述の駆動機構によってフィードロ
ーラ254を駆動する。この駆動により、ドナーシート
240は、ドナーシートロール230の矢印AR21の
向きの回転を伴って、矢印AR2の向きに繰り出されて
いく。またドナーシート240は、さらに後述のドナー
シート搬送部270において、所定長さに切断されて記
録部300に対して供給される。
【0043】なお、回転ラック210内のフィードロー
ラ254は、ドナーシートロール230からの繰り出し
部分を、巻回状態でのカール方向とは逆の方向にいった
んカールさせてから送出する機能を有する。繰り出しの
際にドナーシートロール230の繰り出し部分をいった
ん逆方向にカールさせてからドナーシート搬送部270
に送出するため、ロール230として巻回されていたと
きの巻き癖をある程度矯正してから送出できることにな
り、過剰にカールしたままで搬送経路270やドラム3
10上へ供給されることはない。
【0044】<回転駆動系>図6は、回転ラック210
自体の回転駆動系の概略を示す側面図である。図6に示
すように、回転ラック210は、円形状の側板211と
回転軸213とを有する。側板211は回転軸213に
固定されている。回転軸213は軸受217(図8参
照)に支えられており、回転軸213にはプーリー21
6が固定されている。プーリー216は、ベルト215
および減速機214を介して、回転ラック駆動用モータ
212に接続されている。したがって、回転ラック駆動
用モータ212を駆動することによって、回転軸213
を中心に側板211を回転駆動することができる。また
これらの回転駆動系の下部にはベース201が存在して
おり、これらの回転駆動系を支えている。
【0045】図7は、回転ラック210の概略構成を示
す側面図である。また図8は、図6のA−A’における
断面図を表す。さらに図9は、図7の一部を拡大した図
である。
【0046】図7に示すように、回転ラック210は、
6つのドナーシート繰出し機構250を有している。
【0047】ドナーシート繰出し機構250のそれぞれ
は、図9にも示すように、モータ252と、ギア機構2
53と、フィードローラ254と、支持ガイド256と
を有している。ローラ254aは、ギア機構253を介
してモータ252によって回転駆動される。またローラ
254bは所定の圧力でローラ254aに押さえ付けら
れている。したがって、ローラ254aの回転に伴って
254bも回転し、ローラ254aとローラ254bと
の間にドナーシート240を挟むことによって、ドナー
シート240を送り出したり、戻したりすることができ
る。
【0048】また側板211には、各モータ252と、
端子台261上の端子262とが固定されている。端子
262のそれぞれは、モータ252へ電力を供給する電
力供給線、およびモータ252との信号の授受を行うた
めの信号線などによってモータ252の対応する端子に
電気的に接続されている。図中においては、ドナーシー
ト繰出し機構250のそれぞれが、6個の端子262を
有する場合を示している。6つの端子262は、回転ラ
ック210の側板211上に径方向に配列されて固定さ
れている。
【0049】複数のドナーシート繰出し機構250のそ
れぞれは、互いに同一の構造を有し、複数のドナーシー
ト繰出し機構250の互いに対応する部分は、側板21
1上において中心から等距離の円上に配置されている。
したがって、複数のドナーシート繰出し機構250のそ
れぞれに設けられる6つの端子262は、同心円状に配
置される。
【0050】また図8に示す固定板220は装置本体に
固定されており、側板211が回転する場合においても
回転しない。端子222は固定台223を介して固定板
220に固定されている。なお、固定台223は、絶縁
部223aと支持部223bとを有する。固定台223
には、後述するように、6つの端子222が固定板22
0の径方向に配列されて設けられている。
【0051】回転ラック210が回転軸213を中心に
して回転し、複数のドナーシートロール230のうちの
1つが、位置P27(図1参照)に存在するように移動
される。位置P27に存在するドナーシートロール23
0に対応するドナーシート繰出し機構250は、後述す
るように、ドナーシート搬送部270に対して所定の長
さのドナーシート240を供給することができる。この
ように回転ラック210を回転させることによって、ド
ナーシート搬送部270に対して、所望の種類のドナー
シート240を選択的に供給することができる。
【0052】図10は、図6のB−B’における断面の
一部を拡大した図である。図10に示すように、回転し
ない固定板220には、6つの端子222が固定されて
いる。6つの端子262は、回転ラック210の径方向
に配列されている。
【0053】図10は、所望のドナーシートロール23
0が位置P27に位置する状態を示している。このドナ
ーシートロール230に対応するドナーシート繰出し機
構250のモータ252の6つの端子262のそれぞれ
が、固定板220に固定された6つの端子222のそれ
ぞれに接触している。このような接触により電気的な接
続が達成される。なお、端子222は板バネ状(図8参
照)に形成することが好ましい。接触時に適度な押し付
け力が働くようにして、接触を確実にするためである。
【0054】前述したように、このような6つの端子2
62の組が、さらに側板211において同心円状に配置
されている。また、回転ラック210が回転する際の端
子262の回転軌跡の一部に対応する位置に、6つの端
子222が配置されている。したがって、回転ラック2
10が回転することにより、各ドナーシート繰出し機構
250のそれぞれに対して上記と同様の接続が達成され
得る。このように、端子222の組に接続する端子26
2の組を切り換えることが可能であり、所望のドナーシ
ート繰出し機構250の端子262の組を端子222の
組と電気的に選択的に接続することができる。
【0055】図11は、電気的な接続関係を示す図であ
る。固定板220側に固定された端子222は、駆動電
力供給経路226を介して、モータ駆動回路224に接
続される。ここで、モータ駆動回路224は、6つのモ
ータ252に対して1つあれば十分である。なぜなら、
上述したように回転ラック210の回転によって、駆動
が必要なモータ252を選択的にモータ駆動回路224
に対して接続することができるからである。またモータ
駆動回路224は、制御部228からの指令に基づいて
必要な動作を行う。
【0056】以上のように、複数のドナーシートロール
230を収容する回転ラック210は、所望の種類のド
ナーシート240をドナーシート搬送部270に対して
選択的に供給することができる。また、上記のような選
択的接続機構を有することによって、回転ラック210
は、接続配線の拘束を受けることがないので、自由に回
転することができる。また接続配線の断線等の可能性が
著しく低くなり、高い信頼性が得られる。
【0057】また、上記実施形態においては、複数のフ
ィードローラのそれぞれに対応して設けた複数のモータ
によって駆動し、その駆動を電気的に切り換える方式を
採用している。あるいは複数のフィードローラに対して
単一のモータを設置し、その接続関係を順次機械的に切
り換える方式も存在する。しかしながら、本実施形態に
係る前者の方式は、信頼性等の点で後者の方式よりも優
れている。
【0058】<ドナーシート搬送部>再び図2および図
3を参照する。ドナーシート供給部200は、ドナーシ
ート搬送部270をさらに有している。ドナーシート搬
送部270は、モータ272と、駆動伝達用のチェーン
273と、搬送用ローラ274、275と、ガイド27
6と、ドナーシート切断部280と、ドナーシートの端
を検出する検出センサ290とを有している。
【0059】搬送用ローラ274は、一対のローラ27
4aおよび274bを有しており、搬送用ローラ275
は、一対のローラ275aおよび275bを有してい
る。ローラ274aおよび275aは、駆動伝達用のチ
ェーン273によってモータ272と接続されており、
モータ272によって駆動される。また、ローラ274
bおよび275bは、それぞれ、ローラ274aおよび
275aとの間で所定の圧力でドナーシート240を挟
み込むことができる。そして、ローラ274bおよび2
75bは、ローラ274aおよび275aの回転とは逆
向きに回転することによって、ドナーシート240を搬
送する。このような駆動機構によって、ドナーシート2
40を記録部300の方へ送り出したり、あるいは逆に
戻したりすることができる。
【0060】また、このようにして搬送されたドナーシ
ート240は、ドナーシート切断部280によって所定
の長さに切断される。ドナーシート240の長さの測定
には、検出センサ290が利用される。ドナーシート2
40の端を検出センサ290により検出し、モータの回
転数などを考慮することなどによって、長さを測定する
ことができる。ドナーシート240は、この測定結果に
基づいて所定の長さに切断され、記録部300へと供給
される。
【0061】図12は、ドナーシート切断部280を示
す図である。図12に示すように、ドナーシート切断部
280は、カッタ282と、支持部284と、ガイド2
86および287とを有する。支持部284は、下側支
持部284aと上側支持部284bとを有している。フ
ィードローラ254に送り出されたドナーシート240
の先端は、ガイド286および支持部284によって案
内され、搬送用ローラ274へと搬送される。上側支持
部284bは、2つのローラ254aおよび254bの
接触部と2つのローラ274aおよび274bの接触部
とを結ぶ仮想的な直線よりも、下側に配置されている。
ドナーシート搬送部270において、ドナーシート24
0はドナー層244(図21参照)を下にして搬送され
る。支持部284を上記のように配置することによっ
て、ドナーシート240の下側表面に存在するドナー層
244が、ドナーシート搬送中に下側支持部284aに
接触することがない。したがって、ドナー層244の表
面が搬送移動時の擦れ等によって損傷することを防止で
きる。
【0062】ところで、受像シート140およびドナー
シート240の表面の特性に合わせた経路の配置を行う
ことができるのは、受像シート140およびドナーシー
ト240が記録部300へと搬送される経路が分離され
て別に設けられていることに基づく。また、上記では、
支持部284について説明したが、その他のガイド28
6および287などについても同様の配慮を行うことが
できる。すなわち、各シート表面の特性に応じて、それ
ぞれのシートの搬送経路ごとに、シート表面に接触する
可能性のある部品をずらして配置することなどが可能で
ある。また、部品の材質についても、たとえば、ガイド
表面にテフロン加工を施して、摩擦および擦過によるシ
ート表面の損傷を防止するような対策を講じることなど
も可能である。なお、このような対策は、表面の損傷が
特に問題になる面と接触する可能性がある側の部品にの
みに施すことも可能である。
【0063】さらに、受像シート140およびドナーシ
ート240の両シートの搬送経路が分離されているの
で、受像シート140の表面を清潔に保った状態で供給
することができる。一方、同一の搬送経路において両シ
ートを搬送する場合を仮定すると、ドナーシート240
搬送時にドナーシート240から離脱したドナーインク
が、受像シート140搬送時に受像シート140に対し
て付着しないようにするために、何らかの方策が必要と
なる。これに比べて、本実施形態においては、ドナーイ
ンクによる受像シート140の汚染を簡単かつ確実に防
止することができる。
【0064】ここで、記録部300に対してドナーシー
ト240を供給する際には、後述するように、ドナー層
を下側にして供給する必要がある。
【0065】ドナーシートロールが内巻きである場合を
想定すると、ドナー層が内側になるようにカールしてい
るので、ドナーシート搬送部において搬送する際にドナ
ーシートの搬送性が問題となることがある。図13を用
いて説明する。図13に示すように、カールの内側に存
在するドナー層を下側にしてドナーシート240Bを搬
送する際には、ドナーシート240Bの先端部が、下側
のガイド276と接触することによって、カールしてい
る先端部分がガイド276と接触することがある。また
ドナーシート240のドナー層244は、支持層242
よりも摩擦抵抗が大きい場合が殆どである。したがって
この接触によって搬送性が悪くなる。これは主にカール
方向に起因する問題である。最悪の場合、図中において
点線で示すように、ドナーシート240Bの搬送に伴っ
てその先端部がカールの向きと同じ向きにさらに曲がっ
てしまい、正常な搬送が行えなくなることがある。
【0066】一方、ドナーシートロールが外巻きである
場合について、図14を用いて説明する。この場合に
は、ドナーシート240はドナー層が外側になるように
カールしており、カールしたドナーシート240の先端
部がガイド276と接触することがない。したがって、
ドナーシート240をスムーズに搬送することができ
る。このように、ドナーシート240のカールの向き
は、図14に示す向きが好ましい。ドナーシートロール
を外巻きにすることによって、カールの向きを図14に
示す向きにしてドナーシート240を搬送することがで
きる。
【0067】なお、図13のような問題はドナーシート
240Bに固有の問題であり、受像シートについてはそ
の材質の違いからこのような問題は生じにくい。
【0068】上記の駆動によりドナーシートロール23
0から繰り出されたドナーシート240は、上述したド
ナーシート長の測定結果に基づいて、その搬送が停止さ
れた後、カッタ282によって所定の長さに切断され
る。
【0069】以上のようにして、ドナーシート供給部2
00は、ドナーシートロール230の一部を繰り出して
切断することによって、所定の長さのドナーシート24
0を記録部300に対して供給することができる。
【0070】<ドナーシートの交換>ところで、ドナー
シート240が消耗されると、使用済みのドナーシート
ロール230を取り外して、新しいドナーシート240
と交換する必要がある。
【0071】再び図1を参照する。このドナーシートロ
ール230の交換は、蓋12(図1参照)を開けて行う
ことができる。この際には、回転ラック210を回転さ
せることにより、交換対象のドナーシートロール230
を、蓋12に対応する所定の交換位置P12に移動させ
ておく。
【0072】また、先述のように、ドナーシート繰出し
機構250のそれぞれは、支持ガイド256を有してい
る(図2参照)。したがって、新しいドナーシートロー
ル230を装着する際には、支持ガイド256の先端部
によって、ドナーシート240の端部をフィードローラ
254へと容易に導くことができるので作業性がよい。
【0073】また、本装置では、位置P27に存するド
ナーシートロール230の下側からドナーシート240
を引き出す。しかし、ドナーシート240をドナーシー
トロール230の上側から引き出すことはできない。ド
ナーシートロール230からの上側からの引き出し位置
とフィードローラ254とを結ぶ仮想的な線が支持ガイ
ド256の先端部と交差しているので、ドナーシートロ
ール230の上面からドナーシート240を引きだそう
としても、支持ガイド256の先端部256cによって
妨げられるためである。
【0074】また、先述のように、各ドナーシートロー
ル230は対応するドナーシート繰出し機構250の支
持ガイド256によって区画されている。そのため、仮
に、ドナーシートロール230交換時に作業者が誤って
回転ラック210の中に不要物を落としたとしても、こ
の不要物はドナーシートロール交換位置(P12)に位
置しているドナーシートロール230の支持ガイド25
6によって留められ、画像転写記録装置1内部の部材に
損傷を与えるおそれがないので安全である。
【0075】なお、受像シート140はドナーシート2
40に比べシート厚が大きい場合が多い。この場合にお
いて、1つのロールに保持されるシート長が受像シート
140とドナーシート240とで同一であると仮定する
と、受像シートロールの径はドナーシートロールの径よ
りも大となる。この場合において、受像シートロールと
ドナーシートロールとを同一の回転ラックに装着すると
回転ラックの中に不要な空間が生じる(図34参照)。
これに対し、本実施形態においては、回転ラックにはド
ナーシートロールのみを装着しているので、図35に示
すように回転ラック中に不要な空間が発生しない。この
ため、回転ラックのサイズをコンパクトにまとめること
ができる。
【0076】ここで、ドナーシートロール230の交換
は、複数のドナーシートロール230に対して同時に交
換が行われることが多い。通常、1枚の受像シート14
0に対して、複数のドナーシート(特にYMCKの4
色)のそれぞれが同量ずつ消費されていくからである。
また複数のドナーシートロール230のそれぞれは、回
転ラック210の回転によって、所定の交換位置P12
に順次移動することができる。したがって、複数のドナ
ーシートロール230の交換を交換する場合において
も、蓋12を開けて同一の交換位置P12において複数
のドナーシートロール230を順次交換することができ
る。それぞれのドナーシートロール230の位置に対応
する複数の蓋を開ける必要が無く、容易に交換すること
が可能である。
【0077】一方、受像シートロール130の交換は、
蓋11を開けることによって行う。受像シートロール1
30の交換作業は、蓋11の開口部付近の比較的大きな
スペースを確保して作業性よく行うことができ、また回
転ラック210の回転を伴わずに行うことができるた
め、ドナーシートロール230の交換よりも容易に行う
ことができる。また受像シートロール130の交換は、
これらのドナーシートロール230の交換とは異なるタ
イミングで行われることが多い。そのため、別箇所の蓋
を設けても手間は変わらない。このように、受像シート
ロール130をドナーシートロール230と同一の回転
ラック210に収納せずに、別設の受像シート供給部1
00に受像シートロール130を配置することによっ
て、受像シートロール130の交換をさらに容易に行う
ことができる。
【0078】<A4.記録部><概要構成>記録部30
0は、ドラム310を有する(図1参照)。図15は、
ドラム310を示す斜視図である。ドラム310は、中
空の円筒形状を有しており、図示しないフレーム311
に回転自在に保持されている。ドラム310は、モータ
312の回転軸に連結されており、モータ312によっ
て回転駆動される。
【0079】ドラム310の表面には、複数の孔部31
4が形成されている。この孔部314は、図示しないブ
ロア316に接続されている。受像シート140および
ドナーシート240をドラム310上に載置してブロア
316を作動させると、これらのシートはドラム310
に吸着される。
【0080】また、ドラム310は複数の溝部322を
有している。複数の溝部322は、ドラム310の回転
軸と平行に、かつ一直線上に設けられている。ドラム3
10は、さらに複数の溝部324を有している。複数の
溝部324は、複数の溝部322と同様に、ドラム31
0の回転軸と平行に、かつ一直線上に設けられている。
また溝部324のそれぞれは、ドラム310の回転軸に
平行な方向において、溝部322のそれぞれの位置に対
応する位置に存在する。このようにドラム310は、2
列の溝部322および324を有する。
【0081】図16は、ドラム310の断面図である。
ドラム310の上方において、複数の剥離爪332が、
ドラム310の回転軸と平行に、かつ一直線上に設けら
れている。溝部322の数と同数の剥離爪332が設け
られており、剥離爪332のそれぞれは、ドラム310
の回転軸に平行な方向において、複数の溝部322のそ
れぞれに対応する位置に設けられている。またドラム3
10の上方には、ローラ334が設けられている。この
ローラ334は、図示しない駆動機構によってドラム3
10から所定の距離だけ離れた位置P31とドラム31
0に接触する位置P32(図17参照)との間を移動す
ることができる。ローラ334は、各種シートをドラム
310に巻き付ける際に用いられる(後述)。
【0082】さらに記録部300は、記録用ヘッド35
0を有する(図1参照)。記録用ヘッド350はビーム
状のレーザ光を出射することができる。このレーザ光が
照射された位置のドナーシート240のドナーインク
は、受像シート140の表面に転写される。また記録用
ヘッド350は、図示しない駆動機構によって、ドラム
310の回転軸に平行な方向に直線的に移動することが
できる。したがって、ドラム310の回転運動と記録用
ヘッド350の直線移動との組合せによって、受像シー
トを覆うドナーシート上の所望の位置をレーザ露光する
ことが可能である。よって、描画用の光ビームであるレ
ーザ光でドナーシート上を走査して、画像情報に基づい
て対応する位置のみをレーザ露光することによって、所
望の画像を受像シート140に転写することができる。
【0083】<ドラムへの巻き付け動作>次に、ドラム
310への巻き付け動作について説明する。ドラム31
0へは、受像シート140およびドナーシート240の
2種類のシートが巻き付けられる。
【0084】ドラム310には、まず受像シート供給部
100によって供給される受像シート140が巻き付け
られる。前述したようにドラム310の表面には複数の
孔部314が形成されており、受像シート140はブロ
ア316によって吸引される。これによって受像シート
140は、矢印AR31の方向のドラム310の回転に
伴って、ドラム310に吸着されながら巻き付けられ
る。
【0085】図17は、受像シート140をドラム31
0に巻き付ける様子を示す図である。図17に示すよう
に、ローラ334は、位置P32にまで移動しており、
ドラム310に対して所定の圧力で押さえ付けられてい
る。そしてローラ334は、受像シート供給部100か
ら供給される受像シート140の先端をドラム310と
の間で挟み込む。さらに、ドラム310の矢印AR31
の向きの回転に伴って、受像シート140はブロア31
6によってドラム310に吸着されながら、ドラム31
0に巻き付けられる。
【0086】次に、ドナーシート供給部200から供給
される1枚のドナーシート240が、受像シート140
の上に巻き付けられる。図18は、ドラム310上での
受像シート140およびドナーシート240の位置関係
を示すために平面的に展開した図である。図18に示す
ように、受像シート140およびドナーシート240の
2種類のシートは、その大きさが互いに異なる。ドナー
シート240は、縦方向および横方向のいずれの方向に
も受像シート140よりも大きい。したがって、ドナー
シート240は、受像シート140よりも大きい部分に
よってドラム310に吸着される。ドナーシート240
は、矢印AR31の方向のドラム310の回転に伴っ
て、ドラム310に吸着されながら巻き付けられる。
【0087】図19は、受像シート140およびドナー
シート240の両方をドラム310に巻き付けた状態を
表す断面図である。受像シート140の先端部は、複数
の溝部324に対応する位置に存在し、ドナーシート2
40の先端部は、複数の溝部322に対応する位置に存
在する。巻き付け時において、このような位置関係にな
るように位置決めされる。なお、このような位置関係を
有することによって、後述するように受像シート140
およびドナーシート240をドラム310から容易に剥
離することができる。
【0088】上述したように、受像シート140および
ドナーシート240がドラム310に対して供給され
る。図20は、これらのシートを供給する際の、受像シ
ート140およびドナーシート240の面の向きに関す
る図である。図20に示すように、受像シート140
は、外巻きの受像シートロール130から供給され、受
像層144が支持層142の上側に位置するようにして
ドラム310に巻き付けられる。またドナーシート24
0は、外巻きのドナーシートロール230から供給さ
れ、ドナー層244が支持層242の下側に位置するよ
うにして、受像シート140およびドラム310の上に
巻き付けられる。なお図中において、波線は、受像層1
44およびドナー層244が存在する側を示している。
【0089】上記の供給によって、図19に示すよう
に、1枚の受像シート140をドラム310の上に巻き
付けて、1枚のドナーシート240をさらにその上に巻
き付けることができる。
【0090】図21は、ドラム310に巻き付けられた
受像シート140およびドナーシート240を示す拡大
図である。前述したように、受像シート140は支持層
142と受像層144とを有しており、ドナーシート2
40は支持層242とドナー層244とを有している。
上述の受像シート140およびドナーシート240の供
給により、図21に示すように、ドナーシート240の
ドナー層244が、受像シート140の受像層144の
上に接触して存在している。
【0091】このような位置関係を有するドナー層24
4のドナーインクは、前述したように、記録用ヘッド3
50によってレーザ露光されて受像シート140に転写
される。なお、レーザ露光時のドラム310の回転方向
は、矢印AR31の逆向きの回転方向が好ましい。
【0092】溝部322に対向する側のドナーシート2
40の先端がドラム310の回転方向に関して最上流に
なると、ドナーシート240と溝部322との間に存在
する間隙に起因してドナーシート240が剥がれやすく
なる恐れがあるからである。
【0093】<シートの剥離について>転写動作が終了
したドナーシート240は、ドラム310から剥離され
る。次にこの剥離動作について図22および図23を参
照しながら説明する。
【0094】図22および図23は、ドラム310上に
巻き付けられた受像シート140およびドナーシート2
40の先端部を表す図である。図22は、受像シート1
40およびドナーシート240がドラム310に完全に
巻き付けられた状態の両シートの先端部及び剥離爪33
2が剥離位置P34に降りた状態を示している。図23
は、ドナーシート240の先端部が剥離されつつある状
態を示している。
【0095】図22において、受像シート140および
ドナーシート240は、ブロア316によってドラム3
10に吸着されている。なお、以降の動作においてもブ
ロア316による吸引は続行される。また図22に示す
ようにドナーシート240の先端部は、複数の溝部32
2の上方に位置している。
【0096】ドラム310を矢印AR31の向きに、剥
離のための所定の速度で回転させる。そして所定のタイ
ミングで剥離爪332の先端部の位置を、ドラム310
に接触しない待機位置P33(図16参照)から、ドラ
ム310に接触する位置P34へと移動する。この移動
の際には、剥離爪332の先端部がドナーシート240
の上には接触しないようにする。ドラム310の矢印A
R31の向きの回転に伴い、剥離爪332はドラム31
0上をドラム310の表面に沿って周方向に相対的に移
動する。剥離爪332の先端部は、溝部322の形状に
沿ってドラム310の表面を相対的に移動してドナーシ
ート240の下側に潜り込む。ドナーシート240は剥
離爪332の上面に沿って移動する。ブロア316の吸
引力による力よりも大きな力がドナーシート240に対
して作用することによってドナーシート240はドラム
310から剥離される。そして、剥離爪332は、受像
シート140に接触する前にさらにドラム310から離
反する方向に上昇して、待機位置P33にまで移動す
る。ドナーシート240は先端部が剥離されたのち、引
き続きドラム310が回転することによって、ドナーシ
ート240は、さらにドラム310および受像シート1
40から剥離される。なお、この際、受像シート140
はブロア316の吸引力によってドラム310に吸着さ
れたままであるので、ドナーシート240のみを剥離す
ることができる。
【0097】なお、ドナーシート240の剥離に際し
て、ドナーシートロール230が外巻きであることに起
因して形成されるカールの向きの性質を利用することが
できる。ドナーシート240のカール方向は、ドラム3
10の円筒形状表面の曲面とは逆向きである(図14お
よび図23参照)。したがって、ドナーシート240の
先端は、そのカール形状が有する復元力によって、ドラ
ム310の円筒曲面とは逆の向きに起き上がろうとする
ため、ドナーシート240はドラム310上の受像シー
ト140から剥離され易い。ドナーシートの剥離角度に
よってドナーインクの転写効率が異なることが知られて
いるが、この装置ではドナーシート240は受像シート
140に対して大きな角度を有した状態で剥離されるの
で、ドナーインクの転写効率の向上が望める。
【0098】以上の動作によって剥離されたドナーシー
ト240は、後述の排出部400をさらに経由して装置
外部へと排出される。
【0099】次に、ドラム310に巻き付けられたまま
の受像シート140の上に、別色のドナーシート240
が巻き付けられる。そして、上述の動作によって、レー
ザ露光によって、受像シート140にドナーシート24
0のドナーインクが転写された後、ドナーシート240
を剥離して排出する。
【0100】同様の動作が、所定の複数の種類のドナー
シート240に対して繰り返される。たとえば、イエロ
ー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック
(K)の4つの種類のドナーシート240に対して、上
記動作が繰り返されることによって、受像シート140
にカラー画像が転写される。
【0101】その後、複数の種類のドナーインクが転写
された受像シート140が剥離される。受像シート14
0の剥離は、ドナーシート240の剥離と同様にして行
われる。この際、剥離爪332は、複数の溝部324に
対して接近して受像シート140をドラム310から剥
離する。また剥離爪332は、ドナーシート240を剥
離する際と同一のものを利用することができるので、構
造を単純化することができる。したがって、機械の信頼
性を向上することができる。
【0102】上記のようにして剥離された受像シート1
40は、排出部400へと排出されていく。
【0103】<A5.排出部>図24は、排出部400
を表す側面図である。図24に示すように、排出部40
0は、シート共通搬送部410と、ドナーシート排出部
440と、受像シート排出部450とを有する。
【0104】シート共通搬送部410は、モータ412
と、駆動伝達用のチェーン413と、搬送用ローラ41
4、415、416と、支持ガイド418、419と、
検出センサ411とを有している。
【0105】またシート共通搬送部410は、排出口切
換機構420と可動ガイド部430とをさらに有する。
【0106】排出口切換機構420は、切換用プレート
421と、モータ422を有する。切換用プレート42
1は、モータ422によって駆動され、後述する2つの
位置の間を移動することができる。これにより、切換用
プレート421は、受像シート140およびドナーシー
ト240を、対応する排出口へ排出されるように案内す
ることができる。
【0107】また可動ガイド部430は、ガイドプレー
ト438と、図示しない駆動機構432とを有する。ガ
イドプレート438は、駆動機構432によって、後述
する2つの位置の間を移動することができる。
【0108】ドナーシート排出部440は、ドナーシー
ト排出口441と、ガイドプレート448、449を有
する。処理済みのドナーシート240は、ドナーシート
排出部440を経由して、ドナーシート回収箱40(図
1参照)に排出される。
【0109】受像シート排出部450は、受像シート排
出口451と、ローラ454、455と、ガイド45
8、459とを有する。画像が転写された受像シート1
40は、受像シート排出部450を経由して、トレー5
0に排出される。
【0110】搬送用ローラ414、415、416、4
54、455は、駆動伝達用のチェーン413によって
モータ412と接続されており、モータ412によって
回転駆動される。したがって、受像シート排出部450
の搬送用ローラ454、455およびシート共通搬送部
410の搬送用ローラ414、415、416の全てを
単一のモータ412によって駆動することができる。
【0111】各搬送用ローラ414、415、416、
454、455は、前述のその他の搬送用ローラと同様
に、2つのローラを1組として構成されており、2つの
ローラで挟んで回転することによって、受像シート14
0およびドナーシート240を搬送することが可能であ
る。
【0112】<ドナーシートの排出動作>このような機
構を有する排出部400は、受像シート140の排出と
ドナーシート240の排出とを次に説明するような動作
で行うことができる。
【0113】まず、ドナーシートの排出について説明す
る。記録部300においてレーザ露光され不要となった
ドナーシート240は、前述したようにしてドラム31
0から剥離される。剥離されたドナーシート240は、
剥離爪332、支持ガイド338、418、419、ガ
イドプレート438によって支持されつつ、搬送用ロー
ラ414、415、416によって挟持されて送り出さ
れることによって、矢印AR40の向きに搬送される。
【0114】図25は、ドナーシート排出部440付近
の拡大図である。ドナーシート240は、搬送用ローラ
414、415、416によって矢印AR40の向きに
搬送されて、図中の位置P41を有している切換用プレ
ート421によって案内されて、ドナーシート排出口4
41へと向かう。ドナーシート240は、さらにガイド
プレート449に案内されて下方へと排出される。排出
されたドナーシート240は、下方に設置されているド
ナーシート回収箱40(図1参照)に回収される。
【0115】<受像シートの排出動作>次に受像シート
140の排出について説明する。受像シート140は、
以下に述べるようにして排出される。受像シート140
は、記録部300でドナーインクが転写されて処理が行
われた後、前述したようにして、ドラム310から剥離
される。剥離された受像シート140は、剥離爪33
2、支持ガイド338、418、419、ガイドプレー
ト438によって支持されつつ、搬送用ローラ414、
415、416によって挟持され、送り出されることに
よって、矢印AR40の向きに搬送される。なお、この
シート共通搬送部410はドナーシート240が排出さ
れる場合と共通であり、それぞれのシートに対して搬送
部を設ける場合に比べて構造を簡単化することができ
る。なお、シート共通搬送部410において、ドナーシ
ート240はドナー層を下側にして搬送され、受像シー
ト140は受像層を上側にして搬送する。したがって、
同一の搬送路を利用して、順次、受像シート140およ
びドナーシート240を搬送しても、受像シート140
の受像層上に形成された画像が汚染されるおそれはな
い。
【0116】図26は、受像シート排出部450付近の
拡大図である。受像シート140は、搬送用ローラ41
4、415、416によって矢印AR40の向きに搬送
されて、図中の位置P42を有している切換用プレート
421によって案内されて、今度は、受像シート排出口
451へと向かう。なお、切換用プレート421の位置
は、前述の駆動機構によって変更される。受像シート1
40は、さらにガイド459に案内されて、一旦、装置
の外部へと排出される。
【0117】ただし、受像シート140は、その全てが
外部へ排出されるのではない。受像シート140が矢印
AR40の向きに搬送されて、受像シート140の後端
部がガイドプレート438上に存在し搬送用ローラ41
6に挟持されている状態において、モータ412による
駆動を一旦停止する。そして、後に説明する動作を行う
ことによって、今度は、モータ412を逆回転すること
によって、受像シート140を矢印AR51(図28参
照)に示す方向に引き戻す。すなわち「スイッチバッ
ク」動作を行う。
【0118】ここで上記駆動停止のタイミングは、検出
センサ411(図24参照)の信号を用いて決定され得
る。検出センサ411は、受像シート140の後端が検
出センサ411の位置を通過したことを検出する。その
後、受像シート140が搬送されて図26に示す所定の
位置にまで達した時点で、モータ412の駆動を停止す
る。この所定の位置とは、受像シート140の後端部が
ガイドプレート438上に存在し、かつ搬送用ローラ4
16に挟持されている状態にある位置を意味する。受像
シート140がこの位置に至るまでの所定の距離を移動
したかどうかは、検出センサ411による後端検出時点
からのモータ412の回転パルス数などから判断するこ
とができる。
【0119】図27は、可動ガイド部430付近を示す
拡大側面図である。可動ガイド部430のガイドプレー
ト438は、図示しない駆動機構432によって駆動さ
れ、図に示す2つの位置P43および位置P44の相互
間を移動することができる。この駆動機構432により
ガイドプレート438は、位置P43から位置P44へ
と移動する。
【0120】図28は、ガイドプレート438が位置P
44に移動した状態を示す図である。
【0121】そして、停止していたモータ412は、今
度は逆回転することによって、各搬送用ローラ416、
454、455などを逆向きに駆動する。この逆回転に
よって、受像シート140は、矢印AR51の向きに引
き戻される。そして、受像シート140は、さらにガイ
ド458に支持されつつ、搬送用ローラ454、455
によって搬送されて、トレー50へと送り出される。
【0122】以上のように、受像シート140は、途中
で一旦搬送方向を切り換えてスイッチバックして搬送さ
れる。このように、受像シートの排出経路の一部をドナ
ーシートの排出経路と共有し、スイッチバック動作によ
って受像シート140を搬出することによって、受像シ
ート140の画像形成面側を支持ガイドやトレー50に
擦らせる事なく、且つ装置をコンパクトにすることがで
きる。
【0123】トレー50に送出された受像シートは、前
述したように、本装置から取り出された後、別設のラミ
ネート部において追加の処理が行われる。これによっ
て、任意の印刷用紙に印刷される。
【0124】上記実施形態においては、シート種類に応
じてシートの排出口を分離したが、これは次のような理
由による。
【0125】図29は、画像転写記録装置1の排出部4
00の拡大図である。ドナーシート回収箱40には、使
用済みのドナーシート240が回収される。また、受像
シート140は、スイッチバックを行うに際して本体か
ら一旦外部へと搬出される。
【0126】大きなサイズの受像シート140が搬出さ
れた場合、ドナーシート回収箱40に回収された使用済
みのドナーシート240と接触することが想定される。
この場合、ドナーシート240の種類によっては、ドナ
ーインクが接触することによって、受像シート140に
付着することがある。画像が形成された受像シート14
0の表面に、不要なドナーインクが付着することは避け
なければならない。
【0127】そのため、本実施形態では、ガイド459
を設けている。これによって、排出口からドナーシート
回収箱40までの距離よりも大きなサイズの受像シート
がスイッチバックするために装置外部に搬送される場合
において、受像シート140の先端部が、ドナーシート
回収箱40の外側に垂れるようにして、ドナーシート回
収箱40内の不要なドナーシート240と受像シート1
40とが接触することを防止している。またこの受像シ
ート140を一旦外に排出する場合に、ガイド459側
に受像シート140を案内するために、排出口切換機構
420が設けられている。
【0128】このように画像が転写された受像シート1
40と使用済みのドナーシート240との接触を防止す
るためには、排出口切換機構420およびガイド459
を設けることが好ましい。
【0129】また、このような受像シート140とドナ
ーシート240との接触を考慮する必要がない場合に
は、同一の排出口からドナーシート240および受像シ
ート140の両方を搬出することも可能である。この場
合、排出口切換機構420は不要になり、より簡略な機
構で済むことになる。
【0130】<A6.電気的構成>上記の動作は制御部
CTLによって制御される。図30は、制御部CTLの
機能ブロック図を示す。制御部CTLは、受像シート供
給部100、ドナーシート供給部200、記録部30
0、排出部400などを制御する。制御部CTLは、上
記各部において、モータなどを有する駆動部を制御し、
特に記録部300においては、ブロアなどのエア部や、
画像データを処理する画像処理部などをさらに制御す
る。またドナーシート供給部200の駆動部は、回転ラ
ック210の回転駆動系とドナーシートロール230か
らドナーシート240をドラム310に対して提供する
シート搬送駆動系との2つの駆動系を有する。このう
ち、シート搬送駆動系のモータ駆動に関しては、前述し
たようにモータ駆動用のドライバを複数のドナーシート
繰出し機構について共用している。駆動回路系を簡略化
している。
【0131】<B.装置動作手順>上記のような画像転
写記録装置によって、所望のカラー画像を受像シート1
40上に形成することが可能である。以下では、イエロ
ー、マゼンタ、シアン、ブラックの4色を用いてカラー
画像を形成する場合について、動作手順の一例を示す。
図31は、動作手順のフローチャートを示す。
【0132】まずステップSP10において、受像シー
ト供給部100は、受像シート140をドラム310に
対して供給する。受像シート140は、外巻きの受像シ
ートロール130の一部が繰出されて切断されることに
よって提供され、ドラム310に巻き付けられる。
【0133】次にステップSP20において、ドナーシ
ート供給部200は、イエローのドナーシート240を
ドラム310に対して供給する。
【0134】ドナーシート供給部200の回転ラック2
10が回転することによって、イエローのドナーシート
ロール230がドナーシート搬送路270に対向する位
置に移動される。ドナーシート240は、外巻きのドナ
ーシートロール230の一部が繰出されて切断されるこ
とによって提供され、ドラム310に巻き付けられる。
この時、ドナーシートロール230から繰り出されてい
るドナーシート240の先端は回転ラック210外部の
カッタ282近傍にある。
【0135】この際、ドナーシート240を供給した
後、ドナーシート繰出し機構250は、フィードローラ
254を逆転駆動させてドナーシートロール230の先
端部を回転ラック210の外周部よりも内側に格納する
ことができる。ただし、この場合でもフィードローラ2
54は、その先端部を挟持している。
【0136】また、ローラ254aはモータ252と接
続された状態にあるため、モータ252の慣性などのた
めにフィードローラ254は回転しにくくなっている。
したがって、ドナーシートロール230の先端部をしっ
かりと挟持しておくことができる。モータ252等の駆
動機構は、フィードローラ254に対する簡易な制動機
構としても作用し得る。
【0137】フィードローラ254に制動が存在しない
場合には、フィードローラ254の空転により、ドナー
シートロール230の先端部が余計に繰り出されて他の
部分と接触することによって損傷することがあり得る。
また、フィードローラ254の空転によりドナーシート
ロール230が巻き戻されて、ドナーシートロール23
0の先端部がフィードローラ254からはずれると、ド
ナーシート240は正常に搬送され得ない。
【0138】次のステップSP30では、あらかじめ与
えられた画像データに基づいて、受像シート140上に
画像が転写出力される。ここで、与えられた画像データ
は、各色ごとの画像にさらに色分解されており、レーザ
露光は、色分解された各色ごとの画像データに基づいて
行われる。色分解後の各色別画像データに基づいて、記
録用ヘッド350は、描画用の光ビームをドナーシート
240に対して照射する。受像シート140にドナーシ
ート240のドナーインクが転写され、受像シート14
0上に像が形成される。
【0139】そしてステップSP40において、ドナー
シート240のみがドラム310から剥離される。ドラ
ム310からの剥離においては、外巻きのドナーシート
のカール方向がドラムの曲面方向と逆向きであるため、
ドナーシート240はドラム310から比較的容易に剥
離することができる。ドラム310から剥離されたドナ
ーシート240は、排出部400を経由してドナーシー
ト回収箱40に排出される。
【0140】ステップSP50では、全ての色のドナー
シート240に対して、転写が終了したかどうかを判断
する。そして、別の種類のドナーシート240の供給が
必要な場合は、上記のステップSP20からSP40ま
での処理を繰り返す。つまり、他のマゼンタ、シアン、
ブラックの各色のドナーシート240について、各動作
が繰り返される。その結果、4色のドナーシートのドナ
ーインクが1枚の受像シート140に転写され、受像シ
ート140上にカラー画像が形成される。
【0141】上記処理が終了すると、ステップSP50
において、最後のドナーシート240に対するレーザ露
光が終了したことが判断される。
【0142】そして、次のステップSP60において、
受像シート140が、ドラム310から剥離される。剥
離された受像シート140は、排出部400を経由して
スイッチバック動作を伴って、トレー50に排出され
る。排出された受像シート140は、別設のラミネート
部に搬送され、受像シート140上のドナーインクが任
意の印刷用紙にさらに転写される。これによって、校正
用のカラー印刷が行われ得る。
【0143】
【発明の効果】以上のように、請求項1に記載の画像転
写記録装置によれば、支持層の上にドナー層を有するド
ナーシートを、支持層の上に受像層を有する受像シート
上に重ね合わせた状態で描画光ビームをドナーシートに
照射することにより、ドナーシートからのインクを受像
シートに転写して画像を記録するにあたって、受像シー
トは、ドラム体に受像シートを巻回させる際のドラム体
の回転方向と同じ方向に受像シートロールを回転させて
受像シートロールの一部を繰出す受像シートロール繰出
し手段によって得られ、またドナーシートは、ドラム体
にドナーシートを巻回させる際のドラム体の回転方向と
は逆方向にドナーシートロールを回転させてドナーシー
トロールの一部を繰出すドナーシートロール繰出し手段
によって得られる。そして、ドナーシートロールにおい
て外側に向いているドナー層が、ドラム体上では内側に
向くように巻回される。したがって、ドラム体に巻回さ
れた受像シートからその上に重ねられたドナーシートを
剥離することが容易になり、その剥離角度も大きくなっ
てドナーシートからのインクを効率的に受像シート上に
転写することができる。
【0144】請求項2に記載の画像転写記録装置によれ
ば、ドナーシートは受像シートとは反対の向きにカール
した状態でドラム体に搬送されるため、それらの搬送経
路を別にすることにより、それぞれのカール方向に適し
た搬送経路の構成とすることができる。
【0145】請求項3に記載の画像転写記録装置によれ
ば、繰り出しの際にいったん逆方向にカールさせてから
ドナーシート搬送経路に送出するため、ロールとして巻
回されていたときの巻き癖をある程度矯正してから送出
できることになり、過剰にカールしたままで搬送経路や
回転ドラム体へ供給されることはない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態の画像転写記録装置1の概略
を示す縦断面図である。
【図2】受像シート供給部100およびドナーシート供
給部200の詳細を示す断面図である。
【図3】図2の一部を拡大した図である。
【図4】受像シート切断部160を示す図である。
【図5】ドナーシート繰出し機構250の一部を示す斜
視図である。
【図6】回転ラック210の回転駆動系の概略を示す側
面図である。
【図7】回転ラック210の概略構成を示す側面図であ
る。
【図8】回転ラック210の概略構成を示す図であり、
図6のA−A’における断面図である。
【図9】回転ラック210の概略構成を示す図であり、
図7の一部を拡大した図である。
【図10】図6のB−B’における断面の一部拡大図で
あり、端子222と端子262とが接触している状態を
表している図である。
【図11】回転部における電気的な接続関係を示す図で
ある。
【図12】ドナーシート切断部280を示す図である。
【図13】ドナーシートロールが内巻きの場合の、カー
ル方向を示す図である。
【図14】ドナーシートロールが外巻きの場合の、カー
ル方向を示す図である。
【図15】ドラム310を示す斜視図である。
【図16】ドラム310の断面図である。
【図17】受像シート140をドラム310に巻き付け
る様子を示す図である。
【図18】ドラム310上での受像シート140および
ドナーシート240の位置関係を示す平面展開図であ
る。
【図19】図19は、受像シート140およびドナーシ
ート240をドラム310に巻き付けた状態を表す断面
図である。
【図20】受像シート140およびドナーシート240
の面の向きを表す図である。
【図21】ドラム310に巻き付けられた受像シート1
40およびドナーシート240の積層関係を示す拡大図
である。
【図22】ドラム310上に巻き付けられた受像シート
140およびドナーシート240の先端部を表す図であ
る。
【図23】ドラム310上に巻き付けられた受像シート
140およびドナーシート240の先端部を表す図であ
る。
【図24】排出部400を表す側面図である。
【図25】ドナーシート排出部440付近の拡大図であ
る。
【図26】受像シート排出部450付近の拡大図であ
る。
【図27】可動ガイド部430付近を示す拡大側面図で
ある。
【図28】ガイドプレート438が位置P44に移動し
た状態を示す図である。
【図29】画像転写記録装置1の排出部400付近の拡
大図である。
【図30】制御部CTLの機能ブロック図である。
【図31】動作手順を示すフローチャートである。
【図32】ドナーシートロール230の構成を表す図で
ある。
【図33】位置P12のドナーシート繰出し機構250
の上面図である。
【図34】受像シート供給部100とドナーシート供給
部200との配置の一例を表す参考図である。
【図35】画像転写記録装置1の受像シート供給部10
0とドナーシート供給部200とを表す図である。
【符号の説明】
1 画像転写記録装置 100 受像シート供給部 130 受像シートロール 140 受像シート 142 支持層 144 受像層 200 ドナーシート供給部 230 ドナーシートロール 240 ドナーシート 242 支持層 244 ドナー層 300 記録部 310 ドラム 350 記録用ヘッド 400 排出部

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持層の上にドナー層を有するドナーシ
    ートを、支持層の上に受像層を有する受像シート上に重
    ね合わせた状態で描画光ビームを前記ドナーシートに照
    射することにより、前記ドナーシートからのインクを前
    記受像シートに転写して画像を記録する装置であって、 (a) 受像層を外側にして巻回された受像シートロール
    の一部を繰出して切断することによって受像シートを得
    るとともに、ドナー層を外側にして巻回されたドナーシ
    ートロールの一部を繰り出して切断することによってド
    ナーシートを得るシート供給手段と、 (b) 所定の回転軸まわりに回転可能であり、受像層を
    外側にして前記受像シートをその周囲に巻回するととも
    に、ドナー層を内側として前記ドナーシートを前記受像
    シート上に巻回するドラム体と、 (c) 前記ドラム体上の前記ドナーシートを描画光ビー
    ムで走査する光走査手段と、を備え、 前記シート供給手段が、 (a-1) 前記ドラム体に前記受像シートを巻回させる際
    の前記ドラム体の回転方向と同じ方向に前記受像シート
    ロールを回転させて前記受像シートロールの前記一部を
    繰出す受像シートロール繰出し手段と、 (a-2) 前記ドラム体に前記ドナーシートを巻回させる
    際の前記ドラム体の回転方向とは逆方向に前記ドナーシ
    ートロールを回転させて前記ドナーシートロールの前記
    一部を繰出すドナーシートロール繰出し手段と、を有す
    ることにより、前記ドナーシートロールにおいて外側に
    向いている前記ドナー層が、前記ドラム体上では内側に
    向くことを特徴とする画像転写記録装置。
  2. 【請求項2】 請求項1の画像転写記録装置において、 前記シート供給手段は、さらに、 (b-3) 前記受像層を上にして前記受像シートを前記ド
    ラム体に搬送する受像シート搬送経路と、 (b-4) 前記受像シート搬送経路とは別に設けられ、前
    記ドナー層を下にして前記ドナーシートを前記ドラム体
    に搬送するドナーシート搬送経路と、を有することを特
    徴とする画像転写記録装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2の画像転写記録
    装置において、 前記ドナーシートロール繰出し手段は、 所定軸まわりに回転可能であり、それぞれがドナー層を
    外側にして巻回された複数のドナーシートロールを前記
    所定軸まわりに放射状に収容する回転ラックと、 前記回転ラックを回転させることにより、前記複数のド
    ナーシートロールのうちから選択された被選択ドナーシ
    ートロールを前記ドナーシート搬送経路に対向させる第
    1回転駆動手段と、 前記回転ラックに結合され、前記ドナーシートを前記ド
    ラム体に巻回させる際の前記ドラム体の回転方向と逆の
    方向に前記被選択ドナーシートロールを回転させて前記
    被選択ドナーシートロールを繰り出す第2回転駆動手段
    と、 前記回転ラック内に設けられ、各ドナーシートロールか
    らの繰り出し部分を、ロール状態でのカール方向とは逆
    の方向にいったんカールさせてから前記ドナーシート搬
    送経路に送出するローラ手段と、を備えることを特徴と
    する画像転写記録装置。
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